JP3488831B2 - 車両用合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造 - Google Patents
車両用合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用合成樹脂製ド
アアウタパネルの取付構造、特に合成樹脂製ドアアウタ
パネルをドアフレームに複数のボルトおよびナットによ
り固着したものの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の取付構造は、ドアフレー
ムに対してドアアウタパネルを位置決めし、複数の固着
箇所について、1箇所宛ボルトおよびナットによる固着
を行うことによって構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
によると、ドアアウタパネルの取付工数が多いため、そ
の取付構造の生産コストが高い、という問題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明はドアフレームに
対する合成樹脂製ドアアウタパネルの位置決めを容易に
し、またドアアウタパネルの取付工数を減少し、さらに
そのドアアウタパネルの面ねじれ剛性を向上し得るよう
にした前記取付構造を提供することを目的とする。 【0005】 前記目的を達成するため本発明によれ
ば、合成樹脂製ドアアウタパネルをドアフレームに複数
のボルトおよびナットにより固着した車両用ドアアウタ
パネルの取付構造において、前記ボルトおよびナットに
よる固着に先立って構成されるパネル吊下げ構造部およ
び少なくとも1つのパネル簡易止め構造部を備え、前記
パネル吊下げ構造部は、前記ドアアウタパネルの内面上
部に一体に設けられたフック部と、前記ドアフレームに
設けられた、前記フック部との係合部とよりなり、また
前記ドアアウタパネルは、その内面下部に在って車体前
後方向に延びる中空突条と、前記内面の車体後部側の下
部に在って前記中空突条に連通する中空隆起部と、前記
中空突条の車体前部側に連なり、且つ前記内面の車体前
部側の側縁に沿って配設された補強リブと、前記中空隆
起部に連なり、且つ前記内面の車体後部側の側縁部に沿
って配設された補強リブとを有していて、前記フック部
は前記内面の上縁部に沿って配設されると共にその両端
は前記両補強リブの上端にそれぞれ近接しており、前記
パネル簡易止め構造部は、前記内面および前記ドアフレ
ームの一方に設けられた押込み式止め具と、他方に設け
られた、前記押込み式止め具の係合孔とよりなる車両用
合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造が提供される。 【0006】前記のように構成すると、ドアフレームに
対するドアアウタパネルの吊下げ、および止め具の押込
みによって、ドアフレームに対するドアアウタパネルの
位置決めが容易に行われる。この状態でボルトおよびナ
ットによる固着を行うので、その固着作業生が良い。ま
た前記止め具による簡易止め構造部も、ドアアウタパネ
ルのドアフレームに対する取付けに寄与しているので、
それに応じてボルトおよびナットによる固着箇所を減じ
ることが可能であり、これによりドアアウタパネルの取
付工数を減少させることができる。 【0007】 さらに、ドアアウタパネルは合成樹脂よ
り構成されているので、その成形過程でそれに、フック
部を形成することは容易であり、また対をなすボルトお
よびナットの一方を埋込むこともでき、これは、ボルト
およびナットによる固着作業能率を向上させる上で有効
である。さらにまた中空突条、中空隆起部、両補強リブ
および補強リブとして機能するフック部によってドアア
ウタパネルの周縁略全体を補強したので、そのドアアウ
タパネルの面ねじれ剛性を高めることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1において、車両用ドアアウタ
パネルPはガスアシスト射出成形法により形成されたも
ので、非晶性合成樹脂(ABS樹脂、ポリアミド6等)
よりなる。ドアアウタパネルPの内面側に、そのパネル
Pと対向するようにドアフレームFが配設され、そのド
アフレームFはAl合金より構成される。 【0009】ドアアウタパネルPは略四角形をなすパネ
ル本体1を有し、そのパネル本体1内面の周囲を除く主
たる部分に、複数の縦リブ2と複数の横リブ3とよりな
る格子状補強部4がパネル本体1と一体に成形されてい
る。 【0010】図2にも示すように、パネル本体1内面の
上部湾曲部分に、下向きに突出するフック部5が、その
内面の上縁部に沿うようにパネル本体1と一体に成形さ
れている。フック部5は、ドアフレームFにおける、係
合部としての、上向きに開口して車体前後方向に延びる
保持溝6に嵌込まれ、これによりドアアウタパネルPが
ドアフレームFに吊下げられる。したがって、これらフ
ック部5および保持溝6はパネル吊下げ構造部hを構成
する。フック部5基端の小凹条7は、成形時の引けを防
止するために設けられたものである。 【0011】図3,4にも示すように、パネル本体1の
内面下部に補強用中空突条8が設けられている。その中
空突条8はパネル本体1の成形過程でガスアシスト手段
により成形されたもので、Al合金製車体フレームのサ
イドシル9に対向して車体前後方向に延びている。図
3,4において、10はサイドシルガーニッシュで、ポ
リプロピレンよりなる。 【0012】中空突条8およびその近傍には、1つのボ
ルト−ナット固着部sと、少なくとも1つ、図示例では
2つのパネル簡易止め構造部fとが車体前後方向に並ぶ
ように配設されている。 【0013】車体後部側および中間部に在る2つのパネ
ル簡易止め構造部fは、同一の構造を有し、それらは次
のように構成される。即ち、図5にも示すように、その
構造部fは押込み式止め具11を有し、それは合成樹脂
製係止体12と、それを保持する円形の合成樹脂製ケー
ス13とよりなる。その係止体12の円板部14はケー
ス13の外周面に存する開口15からケース13内に遊
嵌され、それと同時に円板部14の中心に突設された係
止軸16の軸部17がケース13の一方の端板18に存
する先細り挿入口19を変形させながら欠円孔20に嵌
着される。係止軸16において、軸部17の一部分およ
びそれと一体の円錐形係止部21はケース13の一方の
端板18から突出する。 【0014】図3に示すように、ケース13の他方の端
板22は中空突条8の鉛直な側壁23外面に接着され、
円錐形係止部21が、その押込みによりドアフレームF
の係合孔241 を強制的に貫通して、その基端が係合孔
241 口縁に係合する。この場合、両構造部fの円錐形
係止部21はドアフレームFの角パイプ状フレーム構成
材25内にその貫通孔26を経て進入している。そのフ
レーム構成材25は、車体後部側の一方の構造部fより
も車体後部位置から、他方の構造部fとボルト−ナット
固着部sとの間まで延びると共にサイドシル9に近接す
る。 【0015】また中空突条8における鉛直な側壁23の
上、下縁から内方へ突出する一対の支持部27は、ドア
フレームFに当接して係止軸16に、それの軸方向への
動きを阻止するような力を付与する。 【0016】車体前部側のボルト−ナット固着部sは、
図4に明示するように、中空突条8の鉛直な側壁23に
おける厚肉部28に、それの成形過程で、段付頭部29
を埋込まれたボルト30を有し、そのねじ軸部31はド
アフレームFの取付孔242を貫通して、ナット32を
螺着される。この場合、厚肉部28外面はドアフレーム
Fに密接してドアアウタパネルPの車体左右方向への位
置決めをなす。この種のボルト−ナット固着部sは、後
述するように、外に5箇所設けられている。 【0017】前記のように構成すると、ドアフレームF
に対するドアアウタパネルPの吊下げ、および止め具1
1の押込みによって、ドアフレームFに対するドアアウ
タパネルPの位置決めが容易に行われる。この状態でボ
ルト30およびナット32による固着を行うので、その
固着作業性が良い。また前記止め具11によるパネル簡
易止め構造部fも、ドアアウタパネルPのドアフレーム
Fに対する取付けに寄与しているので、それに応じてボ
ルト30およびナット32による固着箇所を減じること
が可能であり、これによりドアアウタパネルPの取付工
数を減少させることができる。 【0018】一方、ドアアウタパネルPの下縁部の剛性
が補強用中空突条8により高められ、しかもその中空突
条8はサイドシル9と対向しているので、ドアアウタパ
ネルPの下縁部に車体側方から衝突荷重が作用した場
合、その衝突荷重を、ドアアウタパネルPから車体フレ
ームのサイドシル9を経てその車体フレーム全体に伝達
して効率良く吸収することができる。 【0019】この場合、中空突条8を簡易止め構造部f
によりドアフレームFの、サイドシル9に近接するフレ
ーム構成材25を持つ部分に取付けると、前記衝突荷重
吸収メカニズムを容易、且つ確実に成立させることがで
きる。 【0020】また、図1,6に示すように、軽量化、経
済性等の観点から、パネル本体1の車体後部側の下部に
存する隅角部CにはドアフレームFの一部が配設されて
いない。これに対応すべく、パネル本体1の内面におい
て、ドアフレームFの曲り部33から張出す隅角領域r
1 および前記曲り部33に対向するその曲り部33への
取付領域r2 に、それら両領域r1 ,r2 に沿って広が
る一連の補強用中空隆起部34が設けられている。この
中空隆起部34は、パネル本体1の成形過程でガスアシ
スト手段により成形されたものである。中空隆起部34
の、曲り部33との対向部分には、小径筒状部35が設
けられ、その小径筒状部35にそれの成形過程で埋込ま
れた筒状ナット36が配設されている。その筒状ナット
36に曲り部33の取付孔242 を貫通するボルト37
が螺着されている。これらボルト37および筒状ナット
35はボルト−ナット固着部sを構成する。この場合、
小径筒状部35およびそれを囲繞する大径筒状部38の
両端面は曲り部33に当接してドアアウタパネルPの車
体左右方向への位置決めをなす。 【0021】これにより前記隅角領域r1 および取付領
域r2 を補強して、隅角部Cのばたつきを防止すること
ができる。 【0022】またドアアウタパネルPの面ねじれ剛性を
高めるべく、次のような工夫がなされている。即ち、図
1において、前記中空隆起部34は、前記のようにパネ
ル本体1内面の、車体後部側の下部に在って中空突条8
に連通している。その中空突条8の車体前部側に連なる
補強リブ51 が、パネル本体1内面の、車体前部側の側
縁部に沿って配設され、また中空隆起部34に連なる補
強リブ52 が、パネル本体1内面の、車体後部側の側縁
部に沿って配設されている。これら両補強リブ51 ,5
2 はパネル本体1と一体に成形されたものである。前記
のようにパネル本体1内面の上縁部に沿って配設された
フック部5の両端は両補強リブ51 ,5 2 の上端にそれ
ぞれ近接していて補強リブとして機能する。このように
パネル本体1の四辺略全体を補強することによって、所
期の目的が達成される。 【0023】車体前部側の補強リブ51 に1箇所、また
車体後部側の補強リブ52 に2箇所設けられたドアフレ
ームFへのボルト−ナット固着部sは同一の構造を有す
る。そこで車体前部側の補強リブ51 のボルト−ナット
固着部sについて説明すると、図7に示すように補強リ
ブ51 はL字形部42を有し、そのL字形部42の、自
由端側の折曲げ部分43に、それの成形過程でナット4
4が埋込まれており、そのナット44にドアフレームF
の取付孔242 を貫通したボルト45が螺着される。こ
の場合、折曲げ部分43の両縁部に在る凸条46がドア
フレームFに当接してボルト45に、それの緩みを止め
るような力を付与する。両補強リブ51,52 にも前記
同様の引け防止用小凹条7が設けられている。 【0024】図1,2に明示するようにパネル本体1の
車体前部側の上縁に突出片47が設けられ、その突出片
47に、それの成形過程でナット48が埋込まれてお
り、そのナット48にドアフレームFの取付孔242 を
貫通したボルト49が螺着される。これらボルト49お
よびナット48はボルト−ナット固着部sを構成する。
この場合、突出片47の両縁部に在る凸条50がドアフ
レームFに当接してボルト49に、それの緩みを止める
ような力を付与する。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことによって、ドアフレームに対する合成樹脂製ドアア
ウタパネルの位置決めを容易にすると共にそのドアアウ
タパネルの取付工数を減少させ、これにより生産コスト
を低減することが可能であると共にドアアウタパネルの
面ねじれ剛性を向上させたドアアウタパネルの取付構造
を提供することができる。
アアウタパネルの取付構造、特に合成樹脂製ドアアウタ
パネルをドアフレームに複数のボルトおよびナットによ
り固着したものの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の取付構造は、ドアフレー
ムに対してドアアウタパネルを位置決めし、複数の固着
箇所について、1箇所宛ボルトおよびナットによる固着
を行うことによって構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
によると、ドアアウタパネルの取付工数が多いため、そ
の取付構造の生産コストが高い、という問題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明はドアフレームに
対する合成樹脂製ドアアウタパネルの位置決めを容易に
し、またドアアウタパネルの取付工数を減少し、さらに
そのドアアウタパネルの面ねじれ剛性を向上し得るよう
にした前記取付構造を提供することを目的とする。 【0005】 前記目的を達成するため本発明によれ
ば、合成樹脂製ドアアウタパネルをドアフレームに複数
のボルトおよびナットにより固着した車両用ドアアウタ
パネルの取付構造において、前記ボルトおよびナットに
よる固着に先立って構成されるパネル吊下げ構造部およ
び少なくとも1つのパネル簡易止め構造部を備え、前記
パネル吊下げ構造部は、前記ドアアウタパネルの内面上
部に一体に設けられたフック部と、前記ドアフレームに
設けられた、前記フック部との係合部とよりなり、また
前記ドアアウタパネルは、その内面下部に在って車体前
後方向に延びる中空突条と、前記内面の車体後部側の下
部に在って前記中空突条に連通する中空隆起部と、前記
中空突条の車体前部側に連なり、且つ前記内面の車体前
部側の側縁に沿って配設された補強リブと、前記中空隆
起部に連なり、且つ前記内面の車体後部側の側縁部に沿
って配設された補強リブとを有していて、前記フック部
は前記内面の上縁部に沿って配設されると共にその両端
は前記両補強リブの上端にそれぞれ近接しており、前記
パネル簡易止め構造部は、前記内面および前記ドアフレ
ームの一方に設けられた押込み式止め具と、他方に設け
られた、前記押込み式止め具の係合孔とよりなる車両用
合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造が提供される。 【0006】前記のように構成すると、ドアフレームに
対するドアアウタパネルの吊下げ、および止め具の押込
みによって、ドアフレームに対するドアアウタパネルの
位置決めが容易に行われる。この状態でボルトおよびナ
ットによる固着を行うので、その固着作業生が良い。ま
た前記止め具による簡易止め構造部も、ドアアウタパネ
ルのドアフレームに対する取付けに寄与しているので、
それに応じてボルトおよびナットによる固着箇所を減じ
ることが可能であり、これによりドアアウタパネルの取
付工数を減少させることができる。 【0007】 さらに、ドアアウタパネルは合成樹脂よ
り構成されているので、その成形過程でそれに、フック
部を形成することは容易であり、また対をなすボルトお
よびナットの一方を埋込むこともでき、これは、ボルト
およびナットによる固着作業能率を向上させる上で有効
である。さらにまた中空突条、中空隆起部、両補強リブ
および補強リブとして機能するフック部によってドアア
ウタパネルの周縁略全体を補強したので、そのドアアウ
タパネルの面ねじれ剛性を高めることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1において、車両用ドアアウタ
パネルPはガスアシスト射出成形法により形成されたも
ので、非晶性合成樹脂(ABS樹脂、ポリアミド6等)
よりなる。ドアアウタパネルPの内面側に、そのパネル
Pと対向するようにドアフレームFが配設され、そのド
アフレームFはAl合金より構成される。 【0009】ドアアウタパネルPは略四角形をなすパネ
ル本体1を有し、そのパネル本体1内面の周囲を除く主
たる部分に、複数の縦リブ2と複数の横リブ3とよりな
る格子状補強部4がパネル本体1と一体に成形されてい
る。 【0010】図2にも示すように、パネル本体1内面の
上部湾曲部分に、下向きに突出するフック部5が、その
内面の上縁部に沿うようにパネル本体1と一体に成形さ
れている。フック部5は、ドアフレームFにおける、係
合部としての、上向きに開口して車体前後方向に延びる
保持溝6に嵌込まれ、これによりドアアウタパネルPが
ドアフレームFに吊下げられる。したがって、これらフ
ック部5および保持溝6はパネル吊下げ構造部hを構成
する。フック部5基端の小凹条7は、成形時の引けを防
止するために設けられたものである。 【0011】図3,4にも示すように、パネル本体1の
内面下部に補強用中空突条8が設けられている。その中
空突条8はパネル本体1の成形過程でガスアシスト手段
により成形されたもので、Al合金製車体フレームのサ
イドシル9に対向して車体前後方向に延びている。図
3,4において、10はサイドシルガーニッシュで、ポ
リプロピレンよりなる。 【0012】中空突条8およびその近傍には、1つのボ
ルト−ナット固着部sと、少なくとも1つ、図示例では
2つのパネル簡易止め構造部fとが車体前後方向に並ぶ
ように配設されている。 【0013】車体後部側および中間部に在る2つのパネ
ル簡易止め構造部fは、同一の構造を有し、それらは次
のように構成される。即ち、図5にも示すように、その
構造部fは押込み式止め具11を有し、それは合成樹脂
製係止体12と、それを保持する円形の合成樹脂製ケー
ス13とよりなる。その係止体12の円板部14はケー
ス13の外周面に存する開口15からケース13内に遊
嵌され、それと同時に円板部14の中心に突設された係
止軸16の軸部17がケース13の一方の端板18に存
する先細り挿入口19を変形させながら欠円孔20に嵌
着される。係止軸16において、軸部17の一部分およ
びそれと一体の円錐形係止部21はケース13の一方の
端板18から突出する。 【0014】図3に示すように、ケース13の他方の端
板22は中空突条8の鉛直な側壁23外面に接着され、
円錐形係止部21が、その押込みによりドアフレームF
の係合孔241 を強制的に貫通して、その基端が係合孔
241 口縁に係合する。この場合、両構造部fの円錐形
係止部21はドアフレームFの角パイプ状フレーム構成
材25内にその貫通孔26を経て進入している。そのフ
レーム構成材25は、車体後部側の一方の構造部fより
も車体後部位置から、他方の構造部fとボルト−ナット
固着部sとの間まで延びると共にサイドシル9に近接す
る。 【0015】また中空突条8における鉛直な側壁23の
上、下縁から内方へ突出する一対の支持部27は、ドア
フレームFに当接して係止軸16に、それの軸方向への
動きを阻止するような力を付与する。 【0016】車体前部側のボルト−ナット固着部sは、
図4に明示するように、中空突条8の鉛直な側壁23に
おける厚肉部28に、それの成形過程で、段付頭部29
を埋込まれたボルト30を有し、そのねじ軸部31はド
アフレームFの取付孔242を貫通して、ナット32を
螺着される。この場合、厚肉部28外面はドアフレーム
Fに密接してドアアウタパネルPの車体左右方向への位
置決めをなす。この種のボルト−ナット固着部sは、後
述するように、外に5箇所設けられている。 【0017】前記のように構成すると、ドアフレームF
に対するドアアウタパネルPの吊下げ、および止め具1
1の押込みによって、ドアフレームFに対するドアアウ
タパネルPの位置決めが容易に行われる。この状態でボ
ルト30およびナット32による固着を行うので、その
固着作業性が良い。また前記止め具11によるパネル簡
易止め構造部fも、ドアアウタパネルPのドアフレーム
Fに対する取付けに寄与しているので、それに応じてボ
ルト30およびナット32による固着箇所を減じること
が可能であり、これによりドアアウタパネルPの取付工
数を減少させることができる。 【0018】一方、ドアアウタパネルPの下縁部の剛性
が補強用中空突条8により高められ、しかもその中空突
条8はサイドシル9と対向しているので、ドアアウタパ
ネルPの下縁部に車体側方から衝突荷重が作用した場
合、その衝突荷重を、ドアアウタパネルPから車体フレ
ームのサイドシル9を経てその車体フレーム全体に伝達
して効率良く吸収することができる。 【0019】この場合、中空突条8を簡易止め構造部f
によりドアフレームFの、サイドシル9に近接するフレ
ーム構成材25を持つ部分に取付けると、前記衝突荷重
吸収メカニズムを容易、且つ確実に成立させることがで
きる。 【0020】また、図1,6に示すように、軽量化、経
済性等の観点から、パネル本体1の車体後部側の下部に
存する隅角部CにはドアフレームFの一部が配設されて
いない。これに対応すべく、パネル本体1の内面におい
て、ドアフレームFの曲り部33から張出す隅角領域r
1 および前記曲り部33に対向するその曲り部33への
取付領域r2 に、それら両領域r1 ,r2 に沿って広が
る一連の補強用中空隆起部34が設けられている。この
中空隆起部34は、パネル本体1の成形過程でガスアシ
スト手段により成形されたものである。中空隆起部34
の、曲り部33との対向部分には、小径筒状部35が設
けられ、その小径筒状部35にそれの成形過程で埋込ま
れた筒状ナット36が配設されている。その筒状ナット
36に曲り部33の取付孔242 を貫通するボルト37
が螺着されている。これらボルト37および筒状ナット
35はボルト−ナット固着部sを構成する。この場合、
小径筒状部35およびそれを囲繞する大径筒状部38の
両端面は曲り部33に当接してドアアウタパネルPの車
体左右方向への位置決めをなす。 【0021】これにより前記隅角領域r1 および取付領
域r2 を補強して、隅角部Cのばたつきを防止すること
ができる。 【0022】またドアアウタパネルPの面ねじれ剛性を
高めるべく、次のような工夫がなされている。即ち、図
1において、前記中空隆起部34は、前記のようにパネ
ル本体1内面の、車体後部側の下部に在って中空突条8
に連通している。その中空突条8の車体前部側に連なる
補強リブ51 が、パネル本体1内面の、車体前部側の側
縁部に沿って配設され、また中空隆起部34に連なる補
強リブ52 が、パネル本体1内面の、車体後部側の側縁
部に沿って配設されている。これら両補強リブ51 ,5
2 はパネル本体1と一体に成形されたものである。前記
のようにパネル本体1内面の上縁部に沿って配設された
フック部5の両端は両補強リブ51 ,5 2 の上端にそれ
ぞれ近接していて補強リブとして機能する。このように
パネル本体1の四辺略全体を補強することによって、所
期の目的が達成される。 【0023】車体前部側の補強リブ51 に1箇所、また
車体後部側の補強リブ52 に2箇所設けられたドアフレ
ームFへのボルト−ナット固着部sは同一の構造を有す
る。そこで車体前部側の補強リブ51 のボルト−ナット
固着部sについて説明すると、図7に示すように補強リ
ブ51 はL字形部42を有し、そのL字形部42の、自
由端側の折曲げ部分43に、それの成形過程でナット4
4が埋込まれており、そのナット44にドアフレームF
の取付孔242 を貫通したボルト45が螺着される。こ
の場合、折曲げ部分43の両縁部に在る凸条46がドア
フレームFに当接してボルト45に、それの緩みを止め
るような力を付与する。両補強リブ51,52 にも前記
同様の引け防止用小凹条7が設けられている。 【0024】図1,2に明示するようにパネル本体1の
車体前部側の上縁に突出片47が設けられ、その突出片
47に、それの成形過程でナット48が埋込まれてお
り、そのナット48にドアフレームFの取付孔242 を
貫通したボルト49が螺着される。これらボルト49お
よびナット48はボルト−ナット固着部sを構成する。
この場合、突出片47の両縁部に在る凸条50がドアフ
レームFに当接してボルト49に、それの緩みを止める
ような力を付与する。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことによって、ドアフレームに対する合成樹脂製ドアア
ウタパネルの位置決めを容易にすると共にそのドアアウ
タパネルの取付工数を減少させ、これにより生産コスト
を低減することが可能であると共にドアアウタパネルの
面ねじれ剛性を向上させたドアアウタパネルの取付構造
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドアアウタパネルの側面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】押込み式止め具の分解斜視図である。
【図6】図1の6−6線断面図である。
【図7】図1の7−7線断面図である。
【符号の説明】
5……………フック部
6……………保持溝(係合部)
11…………押込み式止め具
241 ………係合孔
30,37,45……ボルト
32,36,44……ナット
F……………ドアフレーム
P……………ドアアウタパネル
f……………パネル簡易止め構造部
h……………パネル吊下げ構造部
s……………ボルト−ナット固着部
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 合成樹脂製ドアアウタパネル(P)をド
アフレーム(F)に複数のボルト(30,37,45)
およびナット(32,36,44)により固着した車両
用ドアアウタパネルの取付構造において、前記ボルト
(30,37,45)およびナット(32,36,4
4)による固着に先立って構成されるパネル吊下げ構造
部(h)および少なくとも1つのパネル簡易止め構造部
(f)を備え、前記パネル吊下げ構造部(h)は、前記
ドアアウタパネル(P)の内面上部に一体に設けられた
フック部(5)と、前記ドアフレーム(F)に設けられ
た、前記フック部(5)との係合部(6)とよりなり、
また前記ドアアウタパネル(P)は、その内面下部に在
って車体前後方向に延びる中空突条(8)と、前記内面
の車体後部側の下部に在って前記中空突条(8)に連通
する中空隆起部(34)と、前記中空突条(8)の車体
前部側に連なり、且つ前記内面の車体前部側の側縁に沿
って配設された補強リブ(5 1 )と、前記中空隆起部
(34)に連なり、且つ前記内面の車体後部側の側縁部
に沿って配設された補強リブ(5 2 )とを有していて、
前記フック部(5)は前記内面の上縁部に沿って配設さ
れると共にその両端は前記両補強リブ(5 1 ,5 2 )の
上端にそれぞれ近接しており、前記パネル簡易止め構造
部(f)は、前記内面および前記ドアフレーム(F)の
一方に設けられた押込み式止め具(11)と、他方に設
けられた、前記押込み式止め具(11)の係合孔(24
1 )とよりなることを特徴とする車両用合成樹脂製ドア
アウタパネルの取付構造。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24531498A JP3488831B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 車両用合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造 |
US09/385,044 US6390533B1 (en) | 1998-08-31 | 1999-08-30 | Synthetic resin vehicle door outer panel |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24531498A JP3488831B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 車両用合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000071771A JP2000071771A (ja) | 2000-03-07 |
JP3488831B2 true JP3488831B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=17131836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24531498A Expired - Fee Related JP3488831B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 車両用合成樹脂製ドアアウタパネルの取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3488831B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009173079A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | Hirotec Corp | 車両用ドア |
-
1998
- 1998-08-31 JP JP24531498A patent/JP3488831B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2000071771A (ja) | 2000-03-07 |
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