JP3487627B2 - ブレーキ装置 - Google Patents
ブレーキ装置Info
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- JP3487627B2 JP3487627B2 JP35326393A JP35326393A JP3487627B2 JP 3487627 B2 JP3487627 B2 JP 3487627B2 JP 35326393 A JP35326393 A JP 35326393A JP 35326393 A JP35326393 A JP 35326393A JP 3487627 B2 JP3487627 B2 JP 3487627B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両のブレーキ作
用時に車輪が滑走したことを検知して再粘着するように
制御するブレーキ装置において、再粘着後の再滑走を防
止又は低減するようにしたブレーキ装置に関する。
用時に車輪が滑走したことを検知して再粘着するように
制御するブレーキ装置において、再粘着後の再滑走を防
止又は低減するようにしたブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両が走行しているときブレーキを作用
させると、車両の速度が低下するが、ブレーキ力が大き
いと、つまり車輪とレール間の粘着力を越えるような大
きいブレーキ力が車輪に作用すると、車輪とレール間に
滑走が生じる。滑走はブレーキが正常に効いていない状
態であり、この滑走状態が続くと車輪およびレールが異
状に摩耗する。このため、滑走が生じたとき、直ちにこ
れを検出してブレーキ力を弱めて車輪をレールに再粘着
させる(滑走していない状態にする)ことが行われてい
る。このための従来の一般的な構成は、図7に示すよう
になっている。その概略を説明すると、ブレーキの指令
部1から、一般には8段階のブレーキ指令の中から選択
されたブレーキ指令が各車両の応荷重制御部2に与えら
れ、応荷重制御部2がそのブレーキ指令に基いてブレー
キ力指令を出力する。このブレーキ力指令は、電空変換
装置4に与えられるが、通常はその前に電気ブレーキ装
置3に与えられてブレーキ力の幾らかを電気ブレーキ力
で受け持つようになっており、その電気ブレーキ力で受
け持つ分を減算されたブレーキ力指令が電空変換装置4
に与えられる。電空変換装置4はそのブレーキ力指令を
空気圧に変換して滑走防止弁5、ブレーキシリンダBC
に伝達する。
させると、車両の速度が低下するが、ブレーキ力が大き
いと、つまり車輪とレール間の粘着力を越えるような大
きいブレーキ力が車輪に作用すると、車輪とレール間に
滑走が生じる。滑走はブレーキが正常に効いていない状
態であり、この滑走状態が続くと車輪およびレールが異
状に摩耗する。このため、滑走が生じたとき、直ちにこ
れを検出してブレーキ力を弱めて車輪をレールに再粘着
させる(滑走していない状態にする)ことが行われてい
る。このための従来の一般的な構成は、図7に示すよう
になっている。その概略を説明すると、ブレーキの指令
部1から、一般には8段階のブレーキ指令の中から選択
されたブレーキ指令が各車両の応荷重制御部2に与えら
れ、応荷重制御部2がそのブレーキ指令に基いてブレー
キ力指令を出力する。このブレーキ力指令は、電空変換
装置4に与えられるが、通常はその前に電気ブレーキ装
置3に与えられてブレーキ力の幾らかを電気ブレーキ力
で受け持つようになっており、その電気ブレーキ力で受
け持つ分を減算されたブレーキ力指令が電空変換装置4
に与えられる。電空変換装置4はそのブレーキ力指令を
空気圧に変換して滑走防止弁5、ブレーキシリンダBC
に伝達する。
【0003】ブレーキシリンダBCは電気ブレーキ分を
差し引かれたブレーキ力指令に従ってブレーキシューを
車輪に押しつけてブレーキ動作する。図中Gは車輪の速
度を検出する速度センサー、7は滑走検知再粘着制御部
で滑走防止弁5を構成している電磁弁MV1、MV2を
制御する。滑走検知再粘着制御部7は、速度センサーG
からの信号と別の車両速度から車輪の滑走や回復(再粘
着)を検知して滑走防止弁5の電磁弁MV1、MV2の
ソレノイド回路をオン、オフする。すなわち、滑走を検
知したときは電磁弁MV1、MV2をソレノイド回路を
オンにして図示の状態から切り換えて電空変換装置4か
らの圧力空気を遮断し、ブレーキシリンダBCへ供給し
ている圧力空気を排気する。これによってブレーキ圧は
低下してブレーキ力が低減されるから、滑走の進行が止
まり、そして滑走も止まるから、滑走が検知されなくな
り、電磁弁MV1、MV2をオフとして図示の状態に戻
る。なお、ブレーキ圧が単に元の状態に戻ると、再滑走
が起こるので、再滑走防止のために、従来、滑走検知再
粘着制御部7に相当する制御部による電磁弁MV1、M
V2の制御は幾つかの方法が提案されている。
差し引かれたブレーキ力指令に従ってブレーキシューを
車輪に押しつけてブレーキ動作する。図中Gは車輪の速
度を検出する速度センサー、7は滑走検知再粘着制御部
で滑走防止弁5を構成している電磁弁MV1、MV2を
制御する。滑走検知再粘着制御部7は、速度センサーG
からの信号と別の車両速度から車輪の滑走や回復(再粘
着)を検知して滑走防止弁5の電磁弁MV1、MV2の
ソレノイド回路をオン、オフする。すなわち、滑走を検
知したときは電磁弁MV1、MV2をソレノイド回路を
オンにして図示の状態から切り換えて電空変換装置4か
らの圧力空気を遮断し、ブレーキシリンダBCへ供給し
ている圧力空気を排気する。これによってブレーキ圧は
低下してブレーキ力が低減されるから、滑走の進行が止
まり、そして滑走も止まるから、滑走が検知されなくな
り、電磁弁MV1、MV2をオフとして図示の状態に戻
る。なお、ブレーキ圧が単に元の状態に戻ると、再滑走
が起こるので、再滑走防止のために、従来、滑走検知再
粘着制御部7に相当する制御部による電磁弁MV1、M
V2の制御は幾つかの方法が提案されている。
【0004】従来のこの種の技術としては、特公平1−
46340号公報に記載の滑走検知装置における車輪の
再粘着制御方法がある。同公報記載の方法は、図8にタ
イムチャートで示すようになっている。すなわち、ブレ
ーキを掛けて、車輪が時刻t1で滑走を開始すると、こ
れを例えば同図(イ)に示す車輪の「速度」の微分値の
変化で、又は車両全体の速度と車輪速度との差の大きさ
の変化により検知して、エアブレーキのブレーキシリン
ダに供給している圧力空気の同図(ハ)に示す「供給停
止」をするとともにブレーキシリンダ側から同図(ロ)
に示す「吐き出し」を行わせてブレーキ圧(ニ)を低下
させて行く。このブレーキ圧の低下によるブレーキ力の
低下により車輪の「速度」が時刻t2で下降から上昇に
転じるので、これを前記と同様に例えば車輪速度の微分
値の変化で検知して、その時刻t1〜t2の間の時間T
を測定するとともに前記ブレーキシリンダからの「吐き
出し」を止めてブレーキ力をそのまま維持する。ブレー
キ圧がそのままに維持されると、車輪速度が徐々に上昇
する。
46340号公報に記載の滑走検知装置における車輪の
再粘着制御方法がある。同公報記載の方法は、図8にタ
イムチャートで示すようになっている。すなわち、ブレ
ーキを掛けて、車輪が時刻t1で滑走を開始すると、こ
れを例えば同図(イ)に示す車輪の「速度」の微分値の
変化で、又は車両全体の速度と車輪速度との差の大きさ
の変化により検知して、エアブレーキのブレーキシリン
ダに供給している圧力空気の同図(ハ)に示す「供給停
止」をするとともにブレーキシリンダ側から同図(ロ)
に示す「吐き出し」を行わせてブレーキ圧(ニ)を低下
させて行く。このブレーキ圧の低下によるブレーキ力の
低下により車輪の「速度」が時刻t2で下降から上昇に
転じるので、これを前記と同様に例えば車輪速度の微分
値の変化で検知して、その時刻t1〜t2の間の時間T
を測定するとともに前記ブレーキシリンダからの「吐き
出し」を止めてブレーキ力をそのまま維持する。ブレー
キ圧がそのままに維持されると、車輪速度が徐々に上昇
する。
【0005】そして、車輪とレールの再粘着時点を車輪
速度が上昇から下降に転じる時点t3を前記と同様に微
分値の変化として検知する。この再粘着時点t3で同図
(ハ)に示す「供給停止」を止めてηT時間(0<η<
1の範囲で変動する実験による値)圧力空気をブレーキ
シリンダに供給し、そして時刻t4で「供給停止」を行
い、一定時間(これも実験的に定められる値で1秒程
度)維持する。その維持時間の経過した時刻t5で「供
給停止」を止めて、「ブレーキ圧」を滑走前の空気圧に
まで戻す。
速度が上昇から下降に転じる時点t3を前記と同様に微
分値の変化として検知する。この再粘着時点t3で同図
(ハ)に示す「供給停止」を止めてηT時間(0<η<
1の範囲で変動する実験による値)圧力空気をブレーキ
シリンダに供給し、そして時刻t4で「供給停止」を行
い、一定時間(これも実験的に定められる値で1秒程
度)維持する。その維持時間の経過した時刻t5で「供
給停止」を止めて、「ブレーキ圧」を滑走前の空気圧に
まで戻す。
【0006】このように制御することは、時刻t3〜t
4間の時間を時刻t1〜t2間の時間Tのη倍にとれ
ば、ブレーキ力の弱められた量のη%だけブレーキ力が
復元されることになり、その状態で一定時間(時刻t4
〜t5の間)維持した後、滑走前のブレーキ力、すなわ
ち、100%のブレーキ力に復元される。したがって、
いかなるブレーキ力の場合でもそれに応じた一定%のブ
レーキ力の復元状態が一定時間保たれるため、その間に
車輪とレール間の粘着がより確実となり、再滑走が発生
し難くなるというものである。
4間の時間を時刻t1〜t2間の時間Tのη倍にとれ
ば、ブレーキ力の弱められた量のη%だけブレーキ力が
復元されることになり、その状態で一定時間(時刻t4
〜t5の間)維持した後、滑走前のブレーキ力、すなわ
ち、100%のブレーキ力に復元される。したがって、
いかなるブレーキ力の場合でもそれに応じた一定%のブ
レーキ力の復元状態が一定時間保たれるため、その間に
車輪とレール間の粘着がより確実となり、再滑走が発生
し難くなるというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報記載
の制御方法は、車輪の再滑走防止には違いないが、結局
は元のブレーキ力にまで戻してしまうため、再滑走を繰
り返しやすい問題がある。再滑走を繰り返しながら列車
が減速していくと、滑走した車輪のある車両の減速度に
変動が生じ、連結している車両間でもブレーキ力が変動
するため車両間で押し、引きの衝撃力が繰り返し発生
し、乗客の乗り心地を阻害する。本発明は、有効な大き
いブレーキ力を作用させながら再滑走を防止し又は滑走
回数を低減することを目的とする。
の制御方法は、車輪の再滑走防止には違いないが、結局
は元のブレーキ力にまで戻してしまうため、再滑走を繰
り返しやすい問題がある。再滑走を繰り返しながら列車
が減速していくと、滑走した車輪のある車両の減速度に
変動が生じ、連結している車両間でもブレーキ力が変動
するため車両間で押し、引きの衝撃力が繰り返し発生
し、乗客の乗り心地を阻害する。本発明は、有効な大き
いブレーキ力を作用させながら再滑走を防止し又は滑走
回数を低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明のブレーキ装
置は、ブレーキ指令に基くブレーキ力に対応する電気的
なブレーキ力指令を流体圧力に変換して圧力流体を車両
のブレーキシリンダに滑走防止弁を介して供給すること
によりブレーキ動作を行わせ、滑走検知手段が車輪の滑
走を検知するとその検知に基いて前記滑走防止弁を制御
することによりブレーキ力を低減して車輪を再粘着させ
るブレーキ装置において、前記滑走検知手段からの滑走
検知信号により前記滑走回数を計数し滑走回数が複数回
のとき信号を出力する計数手段と、その計数手段から信
号が出力されたとき前記ブレーキ力指令をブレーキ力が
低減するように変更するブレーキ力低減手段とを備えた
ことを特徴とする。(実施例1)第1の発明において、
前記計数手段は、単位時間内の滑走回数を計数するもの
であるのがよい。(請求項2、実施例1)また、第1の
発明において、前記計数手段の出力は、一定時間保持さ
れ、この保持が消滅したときに低減したブレーキ力指令
をオフするようにするのがよい。(請求項11、実施例
1)
置は、ブレーキ指令に基くブレーキ力に対応する電気的
なブレーキ力指令を流体圧力に変換して圧力流体を車両
のブレーキシリンダに滑走防止弁を介して供給すること
によりブレーキ動作を行わせ、滑走検知手段が車輪の滑
走を検知するとその検知に基いて前記滑走防止弁を制御
することによりブレーキ力を低減して車輪を再粘着させ
るブレーキ装置において、前記滑走検知手段からの滑走
検知信号により前記滑走回数を計数し滑走回数が複数回
のとき信号を出力する計数手段と、その計数手段から信
号が出力されたとき前記ブレーキ力指令をブレーキ力が
低減するように変更するブレーキ力低減手段とを備えた
ことを特徴とする。(実施例1)第1の発明において、
前記計数手段は、単位時間内の滑走回数を計数するもの
であるのがよい。(請求項2、実施例1)また、第1の
発明において、前記計数手段の出力は、一定時間保持さ
れ、この保持が消滅したときに低減したブレーキ力指令
をオフするようにするのがよい。(請求項11、実施例
1)
【0009】 第2の発明のブレーキ装置は、ブレーキ
指令に基くブレーキ力に対応する電気的なブレーキ力指
令を流体圧力に変換して圧力流体を車両のブレーキシリ
ンダに滑走防止弁を介して供給することによりブレーキ
動作を行わせ、滑走検知手段が車輪の滑走を検知すると
その検知に基いて前記滑走防止弁を制御することにより
ブレーキ力を低減して車輪を再粘着させるブレーキ装置
において、前記滑走を検知したときの実際のブレーキ力
を検出するブレーキ力検出手段と、この実際のブレーキ
力と前記ブレーキ力指令を比較して所定値以上離れてい
るときに信号を出力する比較手段と、この比較手段から
の信号を受けてブレーキ力指令をブレーキ力が低減する
ように変更するブレーキ力低減手段とを備え、前記ブレ
ーキ力検出手段は、ブレーキシリンダの流体圧を電気信
号に変換する空電変換装置と、前記電気信号を実際のブ
レーキ力に演算してブレーキ力信号を出力する軸ブレー
キ力演算部とからなり、車輪速度が上昇に転じ、再びブ
レーキシリンダに圧力を供給する際に、前記比較手段か
ら信号が発せられていると、前記ブレーキ力低減手段に
より低減されたブレーキ力指令に基き、ブレーキシリン
ダに圧力を供給することを特徴とする。(請求項3、実
施例1、2)
指令に基くブレーキ力に対応する電気的なブレーキ力指
令を流体圧力に変換して圧力流体を車両のブレーキシリ
ンダに滑走防止弁を介して供給することによりブレーキ
動作を行わせ、滑走検知手段が車輪の滑走を検知すると
その検知に基いて前記滑走防止弁を制御することにより
ブレーキ力を低減して車輪を再粘着させるブレーキ装置
において、前記滑走を検知したときの実際のブレーキ力
を検出するブレーキ力検出手段と、この実際のブレーキ
力と前記ブレーキ力指令を比較して所定値以上離れてい
るときに信号を出力する比較手段と、この比較手段から
の信号を受けてブレーキ力指令をブレーキ力が低減する
ように変更するブレーキ力低減手段とを備え、前記ブレ
ーキ力検出手段は、ブレーキシリンダの流体圧を電気信
号に変換する空電変換装置と、前記電気信号を実際のブ
レーキ力に演算してブレーキ力信号を出力する軸ブレー
キ力演算部とからなり、車輪速度が上昇に転じ、再びブ
レーキシリンダに圧力を供給する際に、前記比較手段か
ら信号が発せられていると、前記ブレーキ力低減手段に
より低減されたブレーキ力指令に基き、ブレーキシリン
ダに圧力を供給することを特徴とする。(請求項3、実
施例1、2)
【0010】 第3の発明のブレーキ装置は、ブレーキ
指令に基くブレーキ力に対応する電気的なブレーキ力指
令を流体圧力に変換して圧力流体を車両のブレーキシリ
ンダに滑走防止弁を介して供給することによりブレーキ
動作を行わせ、滑走検知手段が車輪の滑走を検知すると
その検知に基いて前記滑走防止弁を制御することにより
ブレーキ力を低減して車輪を再粘着させるブレーキ装置
において、滑走進行停止信号を出力する滑走進行停止検
知部と、前記滑走進行停止検知したときの実際のブレー
キ力を検出するブレーキ力検出手段と、この実際のブレ
ーキ力と前記ブレーキ指令の差が所定の値を越えたとき
信号を出力する比較手段と、この比較手段からの信号を
受けてブレーキ力指令をブレーキ力が低減するように変
更するブレーキ力低減手段とを備え、前記ブレーキ力検
出手段は、ブレーキシリンダの流体圧を電気信号に変換
する空電変換装置と、前記電気信号を実際のブレーキ力
に演算してブレーキ力信号を出力する軸ブレーキ力演算
部とからなり、車輪速度が上昇に転じ、再びブレーキシ
リンダに圧力を供給する際に、前記比較手段から信号が
発せられていると、前記ブレーキ力低減手段により低減
されたブレーキ力指令に基き、ブレーキシリンダに圧力
を供給することを特徴とする。(請求項4、実施例3)
指令に基くブレーキ力に対応する電気的なブレーキ力指
令を流体圧力に変換して圧力流体を車両のブレーキシリ
ンダに滑走防止弁を介して供給することによりブレーキ
動作を行わせ、滑走検知手段が車輪の滑走を検知すると
その検知に基いて前記滑走防止弁を制御することにより
ブレーキ力を低減して車輪を再粘着させるブレーキ装置
において、滑走進行停止信号を出力する滑走進行停止検
知部と、前記滑走進行停止検知したときの実際のブレー
キ力を検出するブレーキ力検出手段と、この実際のブレ
ーキ力と前記ブレーキ指令の差が所定の値を越えたとき
信号を出力する比較手段と、この比較手段からの信号を
受けてブレーキ力指令をブレーキ力が低減するように変
更するブレーキ力低減手段とを備え、前記ブレーキ力検
出手段は、ブレーキシリンダの流体圧を電気信号に変換
する空電変換装置と、前記電気信号を実際のブレーキ力
に演算してブレーキ力信号を出力する軸ブレーキ力演算
部とからなり、車輪速度が上昇に転じ、再びブレーキシ
リンダに圧力を供給する際に、前記比較手段から信号が
発せられていると、前記ブレーキ力低減手段により低減
されたブレーキ力指令に基き、ブレーキシリンダに圧力
を供給することを特徴とする。(請求項4、実施例3)
【0011】第1、第2、及び第3の発明において、前
記ブレーキ力低減手段が、一定の係数K(0<K<1)
を乗算することによって前記ブレーキ力指令をブレーキ
力が低減するように変更するものとするのがよい。(請
求項5、実施例1〜3) また、第1、第2、及び第3の発明において、前記ブレ
ーキ力低減手段が、低減したブレーキ力を時間要素によ
り増加するように構成するのがよい。(請求項6、実施
例1〜3) また、第1、第2、及び第3の発明において、前記ブレ
ーキ力低減手段が、低減したブレーキ力を車両の速度要
素により増加するように構成するのがよい。(請求項
7、実施例1〜3) また、第1、及び第2の発明において、ブレーキ力低減
後のブレーキ力指令は、滑走検知時点のブレーキ力に相
当する値であるようにするのがよい。(請求項8、実施
例1、2) また、第1、及び第2の発明において、ブレーキ力低減
後のブレーキ力指令は、滑走検知時点のブレーキ力を係
数K(0<K<1)倍した値に相当するものであるよう
にするのがよい。(請求項9、実施例1〜2) また、第1、第2、及び第3の発明において、低減した
ブレーキ力指令は、前記ブレーキ指令に基づくブレーキ
力指令の方が低い値となったときオフするようにするの
がよい。(請求項10、実施例1〜3) また、第1、及び第2の発明において、前記滑走検知手
段の出力は、一定時間保持され、この保持が消滅したと
きに低減したブレーキ力指令をオフするようにするのが
よい。(請求項12、実施例1、2)
記ブレーキ力低減手段が、一定の係数K(0<K<1)
を乗算することによって前記ブレーキ力指令をブレーキ
力が低減するように変更するものとするのがよい。(請
求項5、実施例1〜3) また、第1、第2、及び第3の発明において、前記ブレ
ーキ力低減手段が、低減したブレーキ力を時間要素によ
り増加するように構成するのがよい。(請求項6、実施
例1〜3) また、第1、第2、及び第3の発明において、前記ブレ
ーキ力低減手段が、低減したブレーキ力を車両の速度要
素により増加するように構成するのがよい。(請求項
7、実施例1〜3) また、第1、及び第2の発明において、ブレーキ力低減
後のブレーキ力指令は、滑走検知時点のブレーキ力に相
当する値であるようにするのがよい。(請求項8、実施
例1、2) また、第1、及び第2の発明において、ブレーキ力低減
後のブレーキ力指令は、滑走検知時点のブレーキ力を係
数K(0<K<1)倍した値に相当するものであるよう
にするのがよい。(請求項9、実施例1〜2) また、第1、第2、及び第3の発明において、低減した
ブレーキ力指令は、前記ブレーキ指令に基づくブレーキ
力指令の方が低い値となったときオフするようにするの
がよい。(請求項10、実施例1〜3) また、第1、及び第2の発明において、前記滑走検知手
段の出力は、一定時間保持され、この保持が消滅したと
きに低減したブレーキ力指令をオフするようにするのが
よい。(請求項12、実施例1、2)
【0012】
【作用】第1の発明は、あるブレーキ指令に基づくブレ
ーキ力指令により滑走が生じたとき、そのブレーキ力指
令によるブレーキ力が車輪とレールの粘着力よりも大き
いのであり、ブレーキ力指令をブレーキ力が低減するよ
うに変更することにより、再滑走を防止する。滑走計数
手段により複数回計数するのは、1回の計数でも良い
が、1回目の滑走がたまたま生じた滑走であって再粘着
後に同じ圧力がブレーキシリンダに作用しても滑走を生
じない場合があり得るから、複数回の滑走をもって滑走
が生じたと判断する方が、不必要に低いブレーキ力に低
減することがなくなるからである。
ーキ力指令により滑走が生じたとき、そのブレーキ力指
令によるブレーキ力が車輪とレールの粘着力よりも大き
いのであり、ブレーキ力指令をブレーキ力が低減するよ
うに変更することにより、再滑走を防止する。滑走計数
手段により複数回計数するのは、1回の計数でも良い
が、1回目の滑走がたまたま生じた滑走であって再粘着
後に同じ圧力がブレーキシリンダに作用しても滑走を生
じない場合があり得るから、複数回の滑走をもって滑走
が生じたと判断する方が、不必要に低いブレーキ力に低
減することがなくなるからである。
【0013】第2の発明は、あるブレーキ指令に基づく
ブレーキ力指令により滑走が生じたとき、滑走が生じた
ときの実際のブレーキ力とブレーキ力指令を比較して所
定値以上の差がある時にブレーキ力指令をブレーキ力が
低減するように変更することにより、再滑走を防止す
る。実際のブレーキ力とブレーキ力指令の差があまり大
きくないときにブレーキ力を低減した場合には、再滑走
は確実に防止できるが、ブレーキ力の大きさが必ずしも
適切でない場合が生じる。例えば、滑走が生じたときの
実際のブレーキ力とブレーキ力指令の差が非常に小さい
場合には、ブレーキ力指令を変更しないでそのままにし
ておいても再滑走が生じないことが多い。このような場
合にブレーキ力指令を変更してブレーキ力をある程度小
さくしてしまうと、滑走が生じて再粘着した後のブレー
キ力が小さくなっている分だけ車両の停止距離が長くな
るから、最適なブレーキ力が作用していないことにな
る。
ブレーキ力指令により滑走が生じたとき、滑走が生じた
ときの実際のブレーキ力とブレーキ力指令を比較して所
定値以上の差がある時にブレーキ力指令をブレーキ力が
低減するように変更することにより、再滑走を防止す
る。実際のブレーキ力とブレーキ力指令の差があまり大
きくないときにブレーキ力を低減した場合には、再滑走
は確実に防止できるが、ブレーキ力の大きさが必ずしも
適切でない場合が生じる。例えば、滑走が生じたときの
実際のブレーキ力とブレーキ力指令の差が非常に小さい
場合には、ブレーキ力指令を変更しないでそのままにし
ておいても再滑走が生じないことが多い。このような場
合にブレーキ力指令を変更してブレーキ力をある程度小
さくしてしまうと、滑走が生じて再粘着した後のブレー
キ力が小さくなっている分だけ車両の停止距離が長くな
るから、最適なブレーキ力が作用していないことにな
る。
【0014】実験によると、車両速度が低下してくるに
連れて滑走を生じるブレーキ力が徐々に大きくなること
が分かった。すなわち、図9に示すように、比較的大き
いブレーキ力となる所定のブレーキ指令により走行中の
車両にブレーキを作用させ、滑走が生じる度ごとに滑走
防止弁によりブレーキ力を低減させ、そして滑走の進行
が停止する段階からブレーキ力を徐々に増大させ、更に
再粘着する段階で元のブレーキ指令によるブレーキ力
(ブレーキ力指令相当BC圧力)に向かって増大するよ
うにしておくと、再粘着後に再び大きいブレーキ力が作
用するから、滑走(時刻B〜E、F〜I、J〜M、N
〜)と、粘着(時刻E〜F、I〜J、M〜N)を繰り返
す。そしてブレーキ作用で車両速度は低下していく。こ
の場合に、車両速度が低下してくるに連れて再滑走を始
めるときのブレーキ力が、つまりBC圧が、図示のよう
に、徐々に大きくなるのである。従って、滑走が生じた
ときの実際のブレーキ力とブレーキ力指令の差が非常に
小さい場合には、ブレーキ力指令を変更しないでそのま
まにしておいても再滑走が生じないことが多いので、実
際のブレーキ力とブレーキ力指令を比較して所定値以上
の差がある時にブレーキ力指令をブレーキ力が低減する
ように変更することが適切なブレーキ力を作用させる上
で有効となる。
連れて滑走を生じるブレーキ力が徐々に大きくなること
が分かった。すなわち、図9に示すように、比較的大き
いブレーキ力となる所定のブレーキ指令により走行中の
車両にブレーキを作用させ、滑走が生じる度ごとに滑走
防止弁によりブレーキ力を低減させ、そして滑走の進行
が停止する段階からブレーキ力を徐々に増大させ、更に
再粘着する段階で元のブレーキ指令によるブレーキ力
(ブレーキ力指令相当BC圧力)に向かって増大するよ
うにしておくと、再粘着後に再び大きいブレーキ力が作
用するから、滑走(時刻B〜E、F〜I、J〜M、N
〜)と、粘着(時刻E〜F、I〜J、M〜N)を繰り返
す。そしてブレーキ作用で車両速度は低下していく。こ
の場合に、車両速度が低下してくるに連れて再滑走を始
めるときのブレーキ力が、つまりBC圧が、図示のよう
に、徐々に大きくなるのである。従って、滑走が生じた
ときの実際のブレーキ力とブレーキ力指令の差が非常に
小さい場合には、ブレーキ力指令を変更しないでそのま
まにしておいても再滑走が生じないことが多いので、実
際のブレーキ力とブレーキ力指令を比較して所定値以上
の差がある時にブレーキ力指令をブレーキ力が低減する
ように変更することが適切なブレーキ力を作用させる上
で有効となる。
【0015】第3の発明のブレーキ装置は、あるブレー
キ指令に基づくブレーキ力指令により滑走が生じて再粘
着制御が行われ、滑走進行停止検知したそのときの実際
のブレーキ力とブレーキ指令の差が所定の値を越えたと
き、比較手段が信号を出力し、この比較手段からの信号
を受けてブレーキ力低減手段がブレーキ力指令をブレー
キ力が低減するように変更して再滑走を防止する。
キ指令に基づくブレーキ力指令により滑走が生じて再粘
着制御が行われ、滑走進行停止検知したそのときの実際
のブレーキ力とブレーキ指令の差が所定の値を越えたと
き、比較手段が信号を出力し、この比較手段からの信号
を受けてブレーキ力低減手段がブレーキ力指令をブレー
キ力が低減するように変更して再滑走を防止する。
【0016】第1、第2、第3の発明において、ブレー
キ力低減手段によって低減したブレーキ力は、滑走が生
じたときのブレーキ力よりも幾らか小さいブレーキ力で
あり、このブレーキ力では殆ど再滑走を生じない大きさ
である。しかしながら、前述の実験結果のように、車両
速度が低下してくるに連れて滑走を生じるブレーキ力が
徐々に大きくなる。このことから、ブレーキ力低減手段
が低減したブレーキ力を時間要素又は車輪の速度要素に
より徐々に増加するように構成しても再滑走を生じない
ようにすることが可能であり、このようにすることによ
って、車両の停止あるいは所望の速度に減速するまでの
走行距離を短縮できる。
キ力低減手段によって低減したブレーキ力は、滑走が生
じたときのブレーキ力よりも幾らか小さいブレーキ力で
あり、このブレーキ力では殆ど再滑走を生じない大きさ
である。しかしながら、前述の実験結果のように、車両
速度が低下してくるに連れて滑走を生じるブレーキ力が
徐々に大きくなる。このことから、ブレーキ力低減手段
が低減したブレーキ力を時間要素又は車輪の速度要素に
より徐々に増加するように構成しても再滑走を生じない
ようにすることが可能であり、このようにすることによ
って、車両の停止あるいは所望の速度に減速するまでの
走行距離を短縮できる。
【0017】第1の発明において、計数手段は滑走回数
Nが1のときに信号を出力するようにして再滑走を確実
に防止するようにしてもよいが、場合によっては単位時
間当たりの滑走回数Nが予め定めた複数回になったとき
に信号を出力するようにしてもよく、その場合には確実
にブレーキ力指令が粘着力よりも大きいと判断され、N
=1の場合にはおなじブレーキ力指令でも引き続いて滑
走が起こらない場合があり得るので、ブレーキ力指令を
低減しないでよい場合があるからである。
Nが1のときに信号を出力するようにして再滑走を確実
に防止するようにしてもよいが、場合によっては単位時
間当たりの滑走回数Nが予め定めた複数回になったとき
に信号を出力するようにしてもよく、その場合には確実
にブレーキ力指令が粘着力よりも大きいと判断され、N
=1の場合にはおなじブレーキ力指令でも引き続いて滑
走が起こらない場合があり得るので、ブレーキ力指令を
低減しないでよい場合があるからである。
【0018】
【実施例】本発明の第1実施例を図1、図2を用いて説
明する。この実施例のブレーキ装置の構成は、図1にブ
ロック図で示すように、図7で示した従来のものと同様
な応荷重制御部2、電気ブレーキ装置3、電空変換装置
4、電気ブレーキ力減算部13、滑走防止弁5、ブレー
キシリンダBC、速度センサーG等と、これに付加した
滑走検知手段(滑走検知再粘着制御部7を含む)10、
滑走計数手段11、ブレーキ力低減手段12等で構成さ
れている。滑走検知手段10は、車輪速度検知部Gから
の信号に基いて滑走を検知し、滑走防止弁5に対して制
御信号を出力して再粘着制御を行う点が従来と同じであ
り、この他に滑走検知信号を出力するようになっている
点が従来と異なる。
明する。この実施例のブレーキ装置の構成は、図1にブ
ロック図で示すように、図7で示した従来のものと同様
な応荷重制御部2、電気ブレーキ装置3、電空変換装置
4、電気ブレーキ力減算部13、滑走防止弁5、ブレー
キシリンダBC、速度センサーG等と、これに付加した
滑走検知手段(滑走検知再粘着制御部7を含む)10、
滑走計数手段11、ブレーキ力低減手段12等で構成さ
れている。滑走検知手段10は、車輪速度検知部Gから
の信号に基いて滑走を検知し、滑走防止弁5に対して制
御信号を出力して再粘着制御を行う点が従来と同じであ
り、この他に滑走検知信号を出力するようになっている
点が従来と異なる。
【0019】滑走計数手段11は、タイマー20、カウ
ンター21、回数設定部22からなり、前記滑走検知手
段10からの滑走検知信号により滑走回数xをカウンタ
ー21で計数し、タイマー20で制限される定められた
時間内の滑走回数xが、予め回数設定部22に設定され
た滑走回数N(N≧1)のとき信号を出力する。すなわ
ち、滑走検知信号が入力されるたびにタイマーが一定時
間動作してその各々の時間内に発生する滑走回数をカウ
ントする。この出力する信号はサンプルホールド指令で
ある。
ンター21、回数設定部22からなり、前記滑走検知手
段10からの滑走検知信号により滑走回数xをカウンタ
ー21で計数し、タイマー20で制限される定められた
時間内の滑走回数xが、予め回数設定部22に設定され
た滑走回数N(N≧1)のとき信号を出力する。すなわ
ち、滑走検知信号が入力されるたびにタイマーが一定時
間動作してその各々の時間内に発生する滑走回数をカウ
ントする。この出力する信号はサンプルホールド指令で
ある。
【0020】ブレーキ力低減手段12は、低位優先部3
0、空電変換装置31、軸ブレーキ力演算部32、電気
ブレーキ力加算部14、サンプルホールド部33、係数
乗算部34、比較部35、オア回路36、フリップフロ
ップ37、リレー38等からなる。このブレーキ力低減
手段12は、ブレーキ指令部1から出されるブレーキ指
令が応荷重制御部2で車両積載荷重に対応するように荷
重を加味されたブレーキ力指令(電気信号)を受けて、
電空変換装置4に受け渡す間に、滑走計数手段11から
の信号に基いて、ブレーキ力指令を低減するようになっ
ている。すなわち、低位優先部30は、これに入る信号
の低位のものを出力するようになっており、これに入る
信号は、応荷重制御部2からのブレーキ力指令と、滑走
検知時の実際のブレーキ力に相当するブレーキ力信号を
滑走防止弁5の出力側圧力から計算して係数K(0<K
<1)を乗算したものとであり、係数を乗算した方が荷
重制御部2からのブレーキ力指令よりも幾らか低位の信
号となるので、これを制限ブレーキ力信号とする。この
制限ブレーキ力信号が低位優先部30に入力されている
間はフリップフロップ37、リレー38の作動によりこ
の信号による制限ブレーキ力指令が電空変換装置4に受
け渡されるが、制限ブレーキ力信号が入力されていない
ときは応荷重制御部2からのブレーキ力指令が出力され
る。
0、空電変換装置31、軸ブレーキ力演算部32、電気
ブレーキ力加算部14、サンプルホールド部33、係数
乗算部34、比較部35、オア回路36、フリップフロ
ップ37、リレー38等からなる。このブレーキ力低減
手段12は、ブレーキ指令部1から出されるブレーキ指
令が応荷重制御部2で車両積載荷重に対応するように荷
重を加味されたブレーキ力指令(電気信号)を受けて、
電空変換装置4に受け渡す間に、滑走計数手段11から
の信号に基いて、ブレーキ力指令を低減するようになっ
ている。すなわち、低位優先部30は、これに入る信号
の低位のものを出力するようになっており、これに入る
信号は、応荷重制御部2からのブレーキ力指令と、滑走
検知時の実際のブレーキ力に相当するブレーキ力信号を
滑走防止弁5の出力側圧力から計算して係数K(0<K
<1)を乗算したものとであり、係数を乗算した方が荷
重制御部2からのブレーキ力指令よりも幾らか低位の信
号となるので、これを制限ブレーキ力信号とする。この
制限ブレーキ力信号が低位優先部30に入力されている
間はフリップフロップ37、リレー38の作動によりこ
の信号による制限ブレーキ力指令が電空変換装置4に受
け渡されるが、制限ブレーキ力信号が入力されていない
ときは応荷重制御部2からのブレーキ力指令が出力され
る。
【0021】滑走計数手段11から出力される信号があ
る間は滑走検知時の実際のブレーキ力に相当する信号が
サンプルホールド部33でホールドされ、その信号が係
数乗算部34で係数Kを乗算され前記低位優先部30と
比較部35へ出力される。比較部35ではその制限ブレ
ーキ力信号とブレーキ力指令とが比較され、ブレーキ力
指令に対して制限ブレーキ力が等しいか大きいときに信
号が出力される。この信号はリセット信号であり、滑走
計数手段11からの信号の反転信号もリセット信号であ
り、オア回路36を介してサンプルホールド部33に与
えられる。
る間は滑走検知時の実際のブレーキ力に相当する信号が
サンプルホールド部33でホールドされ、その信号が係
数乗算部34で係数Kを乗算され前記低位優先部30と
比較部35へ出力される。比較部35ではその制限ブレ
ーキ力信号とブレーキ力指令とが比較され、ブレーキ力
指令に対して制限ブレーキ力が等しいか大きいときに信
号が出力される。この信号はリセット信号であり、滑走
計数手段11からの信号の反転信号もリセット信号であ
り、オア回路36を介してサンプルホールド部33に与
えられる。
【0022】この実施例のブレーキ装置は、滑走計数手
段11の回数設定部22の設定値Nを1としておき、係
数Kを1よりも小さい値、例えば0.9であるとする
と、ブレーキ指令によりブレーキ動作して滑走を生じた
とき、次のように動作して1回の滑走後の再滑走を防止
する。その各部の動作のタイミング図を図2に示す。同
図及び図1において、車輪速度がある速度の時刻Aでブ
レーキ指令が指令部1から出力されると、応荷重制御部
2で車載荷重を加味されたブレーキ力指令が応荷重制御
部2から出力される。このブレーキ力指令は低位優先部
30、電気ブレーキ力減算部13、空電変換装置4を介
して滑走防止弁5に出力され、さらに中継弁6を介して
ブレーキシリンダBCに圧縮空気が供給されてブレーキ
力が車輪に作用するようになる。この時の状態は、滑走
検知部10が滑走を検知しておらず、従って滑走防止弁
5の電磁弁MV1、2のソレノイド電流がオフで圧縮空
気供給可能、排気停止の状態であり、滑走計数手段11
からの出力も0である。そして時間の経過とともにブレ
ーキシリンダBC内の圧力(以下、BC圧と記す)は上
昇してブレーキ力が大きくなっていくから、車輪の回転
速度が低下していく。ブレーキ力指令がかなり大きいと
きは、BC圧が上昇してブレーキ力指令に到達する前に
車輪が滑走を始める。この時刻Bにおいて車輪の回転速
度(以下、車輪速度と記す)が極端に低下を始めるか
ら、その直後の時刻Cで滑走していることが滑走検知部
10で検知されて信号が出力される。
段11の回数設定部22の設定値Nを1としておき、係
数Kを1よりも小さい値、例えば0.9であるとする
と、ブレーキ指令によりブレーキ動作して滑走を生じた
とき、次のように動作して1回の滑走後の再滑走を防止
する。その各部の動作のタイミング図を図2に示す。同
図及び図1において、車輪速度がある速度の時刻Aでブ
レーキ指令が指令部1から出力されると、応荷重制御部
2で車載荷重を加味されたブレーキ力指令が応荷重制御
部2から出力される。このブレーキ力指令は低位優先部
30、電気ブレーキ力減算部13、空電変換装置4を介
して滑走防止弁5に出力され、さらに中継弁6を介して
ブレーキシリンダBCに圧縮空気が供給されてブレーキ
力が車輪に作用するようになる。この時の状態は、滑走
検知部10が滑走を検知しておらず、従って滑走防止弁
5の電磁弁MV1、2のソレノイド電流がオフで圧縮空
気供給可能、排気停止の状態であり、滑走計数手段11
からの出力も0である。そして時間の経過とともにブレ
ーキシリンダBC内の圧力(以下、BC圧と記す)は上
昇してブレーキ力が大きくなっていくから、車輪の回転
速度が低下していく。ブレーキ力指令がかなり大きいと
きは、BC圧が上昇してブレーキ力指令に到達する前に
車輪が滑走を始める。この時刻Bにおいて車輪の回転速
度(以下、車輪速度と記す)が極端に低下を始めるか
ら、その直後の時刻Cで滑走していることが滑走検知部
10で検知されて信号が出力される。
【0023】これによって、滑走防止弁5の電磁弁MV
1、2のソレノイド電流がオンとなり、給気停止と排気
が行われるようになり、BC圧が低下していくがその初
期においては車輪速度は低下を続け、BC圧がある程度
低下すると滑走の進行が止まり、つまりブレーキ力が弱
まると車輪速度の低下が止まる。そして車輪速度は上昇
に転じる。この時刻をDで示してあり、これも滑走検知
手段10で検知され電磁弁MV1が繰り返し開閉され、
MV2が閉じられた状態となる。従って、BC圧が徐々
に増加していくから、車輪速度は再度下降に転じること
なく上昇して車両速度に近づき、その後粘着状態とな
る。その車両速度に近づいた適当な時期を車輪の再粘着
時点とみなしてその時刻をEで示す。この時点は車輪速
度と車両速度から決められるから、滑走検知手段10内
で処理でき、その結果により滑走防止弁5の電磁弁MV
1をそのソレノイド回路をオフとして連続開弁状態とす
る。
1、2のソレノイド電流がオンとなり、給気停止と排気
が行われるようになり、BC圧が低下していくがその初
期においては車輪速度は低下を続け、BC圧がある程度
低下すると滑走の進行が止まり、つまりブレーキ力が弱
まると車輪速度の低下が止まる。そして車輪速度は上昇
に転じる。この時刻をDで示してあり、これも滑走検知
手段10で検知され電磁弁MV1が繰り返し開閉され、
MV2が閉じられた状態となる。従って、BC圧が徐々
に増加していくから、車輪速度は再度下降に転じること
なく上昇して車両速度に近づき、その後粘着状態とな
る。その車両速度に近づいた適当な時期を車輪の再粘着
時点とみなしてその時刻をEで示す。この時点は車輪速
度と車両速度から決められるから、滑走検知手段10内
で処理でき、その結果により滑走防止弁5の電磁弁MV
1をそのソレノイド回路をオフとして連続開弁状態とす
る。
【0024】前記時刻Cにおいて、滑走検知手段10か
ら滑走検知による滑走検知信号が滑走計数手段11に出
力され、この信号により計数手段11からサンプルホー
ルド信号がブレーキ力低減手段12のサンプルホールド
部33に出力され、フリップフロップ37をセットし、
リレー38が励磁される。サンプルホールド部33は、
実際のブレーキ力信号を空電変換装置31、軸ブレーキ
力演算装置32を介して時々刻々と入力されているの
で、時刻Cの実際のブレーキ力、すなわち滑走検知時の
実際のブレーキ力に相当する信号を次にリセット信号が
入力されるまでサンプルホールドして、そのサンプルホ
ールドしたブレーキ力信号を出力し続ける。このブレー
キ力信号は係数乗算部34で係数K(0.9)を乗算さ
れて制限ブレーキ力信号として低位優先部30に入力さ
れるから、それまで出力していたブレーキ力指令に代わ
って制限ブレーキ力信号が制限ブレーキ力指令として出
力されるようになる。このため、時刻Eでオフとされた
滑走防止弁5を介して供給される空気圧信号は前記制限
ブレーキ力指令であるから、始めのブレーキ力指令より
も当然小さく、BC圧は図2に示すように、制限ブレー
キ力指令相当BC圧にまで上昇するがそれ以上には上昇
しない。従って、再滑走が起こらない。
ら滑走検知による滑走検知信号が滑走計数手段11に出
力され、この信号により計数手段11からサンプルホー
ルド信号がブレーキ力低減手段12のサンプルホールド
部33に出力され、フリップフロップ37をセットし、
リレー38が励磁される。サンプルホールド部33は、
実際のブレーキ力信号を空電変換装置31、軸ブレーキ
力演算装置32を介して時々刻々と入力されているの
で、時刻Cの実際のブレーキ力、すなわち滑走検知時の
実際のブレーキ力に相当する信号を次にリセット信号が
入力されるまでサンプルホールドして、そのサンプルホ
ールドしたブレーキ力信号を出力し続ける。このブレー
キ力信号は係数乗算部34で係数K(0.9)を乗算さ
れて制限ブレーキ力信号として低位優先部30に入力さ
れるから、それまで出力していたブレーキ力指令に代わ
って制限ブレーキ力信号が制限ブレーキ力指令として出
力されるようになる。このため、時刻Eでオフとされた
滑走防止弁5を介して供給される空気圧信号は前記制限
ブレーキ力指令であるから、始めのブレーキ力指令より
も当然小さく、BC圧は図2に示すように、制限ブレー
キ力指令相当BC圧にまで上昇するがそれ以上には上昇
しない。従って、再滑走が起こらない。
【0025】その後、滑走検知手段10からの出力がな
くなりタイムアップまでにカウント数がN回に達しない
か、あるいはブレーキ指令が変更されてブレーキ力指令
が制限ブレーキ力指令よりも小さくなると、リセット信
号が出てサンプルホールド部33のサンプルホールドさ
れているブレーキ力信号がリセットされ、新たなブレー
キ指令によるブレーキ動作が行われる。図2のFはタイ
マのタイムアップによるリセットを示している。なお、
電気ブレーキ装置3に関する説明を省略したが、この実
施例では、電気ブレーキ力が加算と減算をされるだけで
あるから、ブレーキ装置3の有無は動作の上では全く変
わりがない。また、係数Kを0.9としたが再滑走を生
じない範囲で大きくするのがよい。
くなりタイムアップまでにカウント数がN回に達しない
か、あるいはブレーキ指令が変更されてブレーキ力指令
が制限ブレーキ力指令よりも小さくなると、リセット信
号が出てサンプルホールド部33のサンプルホールドさ
れているブレーキ力信号がリセットされ、新たなブレー
キ指令によるブレーキ動作が行われる。図2のFはタイ
マのタイムアップによるリセットを示している。なお、
電気ブレーキ装置3に関する説明を省略したが、この実
施例では、電気ブレーキ力が加算と減算をされるだけで
あるから、ブレーキ装置3の有無は動作の上では全く変
わりがない。また、係数Kを0.9としたが再滑走を生
じない範囲で大きくするのがよい。
【0026】上述した動作説明において、滑走計数手段
11の回数設定部22の設定値Nを1としたが、この設
定値Nを例えば3とすると、制限ブレーキ力指令を出力
するまでのあいだは、BC圧が制限されていないブレー
キ力指令に近づくことになるから、3回の滑走及び再粘
着が繰り返され、そしてその3回目の滑走検知時の実際
のブレーキ力がサンプルホールドされ、これに基づく制
限ブレーキ力指令が出力される。これによって、あるブ
レーキ指令で頻繁に滑走と粘着を繰り返すような場合
に、一定時間内に3回以上(一般的には複数回)繰り返
したことを持ってブレーキ力が大きすぎると判断し、最
新の滑走検知時のブレーキ力に係数Kを乗算した値を上
限としてブレーキ力を作用させることが出来るのであ
る。
11の回数設定部22の設定値Nを1としたが、この設
定値Nを例えば3とすると、制限ブレーキ力指令を出力
するまでのあいだは、BC圧が制限されていないブレー
キ力指令に近づくことになるから、3回の滑走及び再粘
着が繰り返され、そしてその3回目の滑走検知時の実際
のブレーキ力がサンプルホールドされ、これに基づく制
限ブレーキ力指令が出力される。これによって、あるブ
レーキ指令で頻繁に滑走と粘着を繰り返すような場合
に、一定時間内に3回以上(一般的には複数回)繰り返
したことを持ってブレーキ力が大きすぎると判断し、最
新の滑走検知時のブレーキ力に係数Kを乗算した値を上
限としてブレーキ力を作用させることが出来るのであ
る。
【0027】また、設定値Nを複数とすると、滑走検知
時のブレーキ力が極端に小さく検知されるような特殊な
場合にも有効となる。例えば、線路が部分的に濡れてい
るようなときにはその部分を通過する時に滑走が検知さ
れそのブレーキ力に基づく制限ブレーキ力指令では、ブ
レーキ力が小さくなり過ぎるから、1回目の滑走検知時
のブレーキ力に基づく制限ブレーキ力指令では再滑走は
防止できるがブレーキ力が弱すぎて適切なブレーキ力と
はならない。つまり、更にブレーキ力を大きくしても滑
走が起きないような小さいブレーキ力となる。これを、
複数回の滑走を検知する前提とすると、2回目の滑走が
所定時間内に起こらないことになるから、弱すぎるブレ
ーキ力に制御されることを防止できる。
時のブレーキ力が極端に小さく検知されるような特殊な
場合にも有効となる。例えば、線路が部分的に濡れてい
るようなときにはその部分を通過する時に滑走が検知さ
れそのブレーキ力に基づく制限ブレーキ力指令では、ブ
レーキ力が小さくなり過ぎるから、1回目の滑走検知時
のブレーキ力に基づく制限ブレーキ力指令では再滑走は
防止できるがブレーキ力が弱すぎて適切なブレーキ力と
はならない。つまり、更にブレーキ力を大きくしても滑
走が起きないような小さいブレーキ力となる。これを、
複数回の滑走を検知する前提とすると、2回目の滑走が
所定時間内に起こらないことになるから、弱すぎるブレ
ーキ力に制御されることを防止できる。
【0028】この実施例では係数Kを0.9として説明
したが、この係数Kについて少し説明を加える。図2の
実際に滑走を生じた時刻Bよりも少し後の時刻Cでその
滑走が検知されるから、滑走検知時のBC圧は実際に滑
走を生じたときのBC圧よりも少し大きく検知される。
これは滑走検知部の応答性によるが、この点を考慮して
係数Kの値を決めることが考えられる。その場合、前述
のようにK=0.9としてもよいが、時刻Bの加算部1
4の出力値P1に対する時刻Cの加算部14の出力値P
2、すなわちP1/P2を係数Kとしてもよい。また、
一方では前述した実験結果のように、車両の速度が低下
してくるに連れて車輪とレール間の粘着性が徐々に上昇
するため滑走が生じにくくなる。これを考慮すれば、係
数Kは時間の経過にしたがって徐々に増大するような時
間の関数f(t)または車両速度の低下にしたがって徐
々に増大するような速度の関数f(v)としてもよい。
これは前述した実験結果に従うものであり、これによっ
てより適切なブレーキ力を得ることが出来る。このよう
な多様な状況から見て、実状に即した値とするのが適切
であるが、これ等の点を含めて考慮すると、係数K=1
としても再滑走が生じない場合があり得るのであり、さ
らに、車両速度が速い時期の滑走検知時のBC圧を基準
に係数Kを乗算して制限ブレーキ力指令とする場合、係
数Kを前記f(t)、あるいはf(v)のように徐々に
大きくして行くとすれば、この第1実施例の場合は、
0.5<K<2.0くらいが考えられる。なお、係数K
=1とする場合は、係数乗算部34がない時と同じであ
るから、係数乗算部34を省略できる。
したが、この係数Kについて少し説明を加える。図2の
実際に滑走を生じた時刻Bよりも少し後の時刻Cでその
滑走が検知されるから、滑走検知時のBC圧は実際に滑
走を生じたときのBC圧よりも少し大きく検知される。
これは滑走検知部の応答性によるが、この点を考慮して
係数Kの値を決めることが考えられる。その場合、前述
のようにK=0.9としてもよいが、時刻Bの加算部1
4の出力値P1に対する時刻Cの加算部14の出力値P
2、すなわちP1/P2を係数Kとしてもよい。また、
一方では前述した実験結果のように、車両の速度が低下
してくるに連れて車輪とレール間の粘着性が徐々に上昇
するため滑走が生じにくくなる。これを考慮すれば、係
数Kは時間の経過にしたがって徐々に増大するような時
間の関数f(t)または車両速度の低下にしたがって徐
々に増大するような速度の関数f(v)としてもよい。
これは前述した実験結果に従うものであり、これによっ
てより適切なブレーキ力を得ることが出来る。このよう
な多様な状況から見て、実状に即した値とするのが適切
であるが、これ等の点を含めて考慮すると、係数K=1
としても再滑走が生じない場合があり得るのであり、さ
らに、車両速度が速い時期の滑走検知時のBC圧を基準
に係数Kを乗算して制限ブレーキ力指令とする場合、係
数Kを前記f(t)、あるいはf(v)のように徐々に
大きくして行くとすれば、この第1実施例の場合は、
0.5<K<2.0くらいが考えられる。なお、係数K
=1とする場合は、係数乗算部34がない時と同じであ
るから、係数乗算部34を省略できる。
【0029】第2実施例を図3、図4を用いて説明す
る。この実施例のブレーキ装置の構成は、図3にブロッ
ク図で示すように、図1に示した第1実施例のものと同
様な応荷重制御部2、電気ブレーキ装置3、電空変換装
置4、滑走防止弁5、ブレーキシリンダBC、速度セン
サーG、滑走検知手段10等と、これ等に付加したブレ
ーキ力検出手段15、比較手段16、ブレーキ力低減手
段17等で構成されている。
る。この実施例のブレーキ装置の構成は、図3にブロッ
ク図で示すように、図1に示した第1実施例のものと同
様な応荷重制御部2、電気ブレーキ装置3、電空変換装
置4、滑走防止弁5、ブレーキシリンダBC、速度セン
サーG、滑走検知手段10等と、これ等に付加したブレ
ーキ力検出手段15、比較手段16、ブレーキ力低減手
段17等で構成されている。
【0030】ブレーキ力検出手段15は、第1実施例の
ブレーキ力低減手段12における軸ブレーキ検出部分を
分けて考えてあり、空電変換装置31と軸ブレーキ演算
部32からなるもので、常時滑走防止弁5の出力空気圧
を空電変換装置31が受けて電気信号に変換し、これを
軸ブレーキ力演算部32がその時の実際のブレーキ力に
演算してブレーキ力信号として出力するようになってい
る。比較手段16は、バイアス部23、比較器24、ス
イッチ25、再トリガ型オンディレイタイマー26等で
構成されており、バイアス部23で応荷重制御部2から
のブレーキ力指令から所定値(バイアス量)を減算した
値の低減信号を得て、比較器24でその低減信号とブレ
ーキ力検出手段15からの実際のブレーキ力信号を比較
し、低減信号が実際のブレーキ力信号よりも大きいとき
に信号を出力し、スイッチ25が滑走検知手段10から
の滑走検知信号により閉成してその信号を伝達し、タイ
マー26が一定時間信号を出力するようになっている。
この出力する信号はサンプルホールド指令である。な
お、バイアス部23で減算される所定値は、ブレーキ力
指令をある程度小さくする、例えばブレーキ指令におけ
る段階の2段階(2ノッチ)程度小さくするものであ
る。
ブレーキ力低減手段12における軸ブレーキ検出部分を
分けて考えてあり、空電変換装置31と軸ブレーキ演算
部32からなるもので、常時滑走防止弁5の出力空気圧
を空電変換装置31が受けて電気信号に変換し、これを
軸ブレーキ力演算部32がその時の実際のブレーキ力に
演算してブレーキ力信号として出力するようになってい
る。比較手段16は、バイアス部23、比較器24、ス
イッチ25、再トリガ型オンディレイタイマー26等で
構成されており、バイアス部23で応荷重制御部2から
のブレーキ力指令から所定値(バイアス量)を減算した
値の低減信号を得て、比較器24でその低減信号とブレ
ーキ力検出手段15からの実際のブレーキ力信号を比較
し、低減信号が実際のブレーキ力信号よりも大きいとき
に信号を出力し、スイッチ25が滑走検知手段10から
の滑走検知信号により閉成してその信号を伝達し、タイ
マー26が一定時間信号を出力するようになっている。
この出力する信号はサンプルホールド指令である。な
お、バイアス部23で減算される所定値は、ブレーキ力
指令をある程度小さくする、例えばブレーキ指令におけ
る段階の2段階(2ノッチ)程度小さくするものであ
る。
【0031】ブレーキ力低減手段17は、第1実施例に
おけるものと略同じ構成のものから前記ブレーキ力検出
手段15を除いた、低位優先部30、サンプルホールド
部33、係数乗算部34、比較部35、オア回路36、
フリップフロップ37、リレー38等で構成されてい
る。そして、ブレーキ力検出手段15からの実際のブレ
ーキ力に相当するブレーキ力信号が滑走検知に基くサン
プルホールド指令によりサンプルホールド部33でサン
プルホールドされて出力され、係数乗算部34で係数K
を乗算されて低位優先部30へ制限ブレーキ力信号とし
て出力される点は第1実施例と同じである。比較部35
ではその制限ブレーキ力信号とブレーキ力指令とが比較
され、指令ブレーキ力に対して制限ブレーキ力が等しい
か大きいときに信号が出力される。この信号はリセット
信号であり、比較手段16の再トリガ型オンディレイタ
イマー26の信号もリセット信号であり、オア回路36
を介してサンプルホールド部33に与えられる。
おけるものと略同じ構成のものから前記ブレーキ力検出
手段15を除いた、低位優先部30、サンプルホールド
部33、係数乗算部34、比較部35、オア回路36、
フリップフロップ37、リレー38等で構成されてい
る。そして、ブレーキ力検出手段15からの実際のブレ
ーキ力に相当するブレーキ力信号が滑走検知に基くサン
プルホールド指令によりサンプルホールド部33でサン
プルホールドされて出力され、係数乗算部34で係数K
を乗算されて低位優先部30へ制限ブレーキ力信号とし
て出力される点は第1実施例と同じである。比較部35
ではその制限ブレーキ力信号とブレーキ力指令とが比較
され、指令ブレーキ力に対して制限ブレーキ力が等しい
か大きいときに信号が出力される。この信号はリセット
信号であり、比較手段16の再トリガ型オンディレイタ
イマー26の信号もリセット信号であり、オア回路36
を介してサンプルホールド部33に与えられる。
【0032】この実施例のブレーキ装置は、係数Kを例
えば1であるとすると、ブレーキ指令によりブレーキ動
作して滑走を生じたとき、次のように動作して滑走後の
再滑走を防止する。その各部の動作のタイミング図を図
4に示す。同図及び図3において、車輪速度がある速度
の時刻Aでブレーキ指令が指令部1から出力されると、
応荷重制御部2で車載荷重を加味されたブレーキ力指令
が応荷重制御部2から出力される。このブレーキ力指令
は低位優先部30、電気ブレーキ力減算部13、空電変
換装置4を介して滑走防止弁5に出力され、ブレーキシ
リンダBCに圧縮空気が供給されてブレーキ力が車輪に
作用するようになる。この時刻A直後の状態は、滑走検
知手段10が滑走を検知しておらず、従って滑走防止弁
5の電磁弁MV1、2のソレノイド回路がオフで圧縮空
気供給可能、排気停止の状態であり、滑走検知手段10
からの出力もオフである。そして時間の経過とともにブ
レーキシリンダBCのBC圧は上昇してブレーキ力が大
きくなっていくから、車輪の回転速度が低下していく。
ブレーキ力指令が相当に大きいときは、BC圧が上昇し
てブレーキ力指令に到達する前に車輪が滑走を始める。
この時刻Bにおいて車輪速度が極端に低下を始めるか
ら、その直後の時刻Cで滑走していることが滑走検知手
段10で検知されて信号が出力される。
えば1であるとすると、ブレーキ指令によりブレーキ動
作して滑走を生じたとき、次のように動作して滑走後の
再滑走を防止する。その各部の動作のタイミング図を図
4に示す。同図及び図3において、車輪速度がある速度
の時刻Aでブレーキ指令が指令部1から出力されると、
応荷重制御部2で車載荷重を加味されたブレーキ力指令
が応荷重制御部2から出力される。このブレーキ力指令
は低位優先部30、電気ブレーキ力減算部13、空電変
換装置4を介して滑走防止弁5に出力され、ブレーキシ
リンダBCに圧縮空気が供給されてブレーキ力が車輪に
作用するようになる。この時刻A直後の状態は、滑走検
知手段10が滑走を検知しておらず、従って滑走防止弁
5の電磁弁MV1、2のソレノイド回路がオフで圧縮空
気供給可能、排気停止の状態であり、滑走検知手段10
からの出力もオフである。そして時間の経過とともにブ
レーキシリンダBCのBC圧は上昇してブレーキ力が大
きくなっていくから、車輪の回転速度が低下していく。
ブレーキ力指令が相当に大きいときは、BC圧が上昇し
てブレーキ力指令に到達する前に車輪が滑走を始める。
この時刻Bにおいて車輪速度が極端に低下を始めるか
ら、その直後の時刻Cで滑走していることが滑走検知手
段10で検知されて信号が出力される。
【0033】これによって、滑走防止弁5の電磁弁MV
1、2のソレノイド回路がオンとなり、給気停止と排気
が行われるようになり、BC圧が低下していくがその初
期においては車輪速度は低下を続け、BC圧がある程度
低下すると滑走の進行が止まり、つまりブレーキ力が弱
まると車輪速度の低下が止まる。そして車輪速度は上昇
に転じる。この時刻をDで示してあり、これも滑走検知
手段10で検知され電磁弁MV1が繰り返し開閉され、
MV2が閉じられた状態となる。従って、BC圧が徐々
に増加していくから、車輪速度は再度下降に転じること
なく上昇して車両速度に近づき、その後粘着状態とな
る。その車両速度に近づいた適当な時期を車輪の再粘着
時点とみなしてその時刻をEで示す。この時点は車輪速
度と車両速度の変化状態から決められるから、滑走検知
手段10内で処理でき、その結果により滑走防止弁5の
電磁弁MV1をそのソレノイド回路をオフとして連続開
弁状態とする。
1、2のソレノイド回路がオンとなり、給気停止と排気
が行われるようになり、BC圧が低下していくがその初
期においては車輪速度は低下を続け、BC圧がある程度
低下すると滑走の進行が止まり、つまりブレーキ力が弱
まると車輪速度の低下が止まる。そして車輪速度は上昇
に転じる。この時刻をDで示してあり、これも滑走検知
手段10で検知され電磁弁MV1が繰り返し開閉され、
MV2が閉じられた状態となる。従って、BC圧が徐々
に増加していくから、車輪速度は再度下降に転じること
なく上昇して車両速度に近づき、その後粘着状態とな
る。その車両速度に近づいた適当な時期を車輪の再粘着
時点とみなしてその時刻をEで示す。この時点は車輪速
度と車両速度の変化状態から決められるから、滑走検知
手段10内で処理でき、その結果により滑走防止弁5の
電磁弁MV1をそのソレノイド回路をオフとして連続開
弁状態とする。
【0034】これに対し前記時刻Cにおいて、滑走検知
手段10から滑走検知による信号が比較手段16のスイ
ッチ25に出力され、この信号によりスイッチ25が閉
じられる。この時、ブレーキ力検出手段15からの実際
のブレーキ力に相当するブレーキ力信号と、応荷重制御
部2からのブレーキ力指令のバイアス部23を通った信
号とが、比較器24に入力されているから、この比較の
結果実際のブレーキ力信号のほうが小さいとサンプルホ
ールド指令がブレーキ力低減手段17のサンプルホール
ド部33に出力され、フリップフロップ37によりリレ
ー38が励磁される。今、実際のブレーキ力信号のほう
が大きいとすると、サンプルホールド部33は、実際の
ブレーキ力に相当するブレーキ力信号をブレーキ力検出
手段15、すなわち空電変換装置31、軸ブレーキ力演
算装置32を介して時々刻々と入力されているので、時
刻Cの実際のブレーキ力、すなわち滑走検知時の実際の
ブレーキ力に相当する信号を次にリセット信号が入力さ
れるまでサンプルホールドして、そのサンプルホールド
したブレーキ力信号を出力し続ける。このブレーキ力信
号は係数乗算部34で係数K(1)を乗算されて制限ブ
レーキ力信号としてリレー38の接点を通して低位優先
部30に入力されるから、低位優先部30からそれまで
出力していたブレーキ力指令に代わって制限ブレーキ力
信号である制限ブレーキ力指令が出力されるようにな
る。
手段10から滑走検知による信号が比較手段16のスイ
ッチ25に出力され、この信号によりスイッチ25が閉
じられる。この時、ブレーキ力検出手段15からの実際
のブレーキ力に相当するブレーキ力信号と、応荷重制御
部2からのブレーキ力指令のバイアス部23を通った信
号とが、比較器24に入力されているから、この比較の
結果実際のブレーキ力信号のほうが小さいとサンプルホ
ールド指令がブレーキ力低減手段17のサンプルホール
ド部33に出力され、フリップフロップ37によりリレ
ー38が励磁される。今、実際のブレーキ力信号のほう
が大きいとすると、サンプルホールド部33は、実際の
ブレーキ力に相当するブレーキ力信号をブレーキ力検出
手段15、すなわち空電変換装置31、軸ブレーキ力演
算装置32を介して時々刻々と入力されているので、時
刻Cの実際のブレーキ力、すなわち滑走検知時の実際の
ブレーキ力に相当する信号を次にリセット信号が入力さ
れるまでサンプルホールドして、そのサンプルホールド
したブレーキ力信号を出力し続ける。このブレーキ力信
号は係数乗算部34で係数K(1)を乗算されて制限ブ
レーキ力信号としてリレー38の接点を通して低位優先
部30に入力されるから、低位優先部30からそれまで
出力していたブレーキ力指令に代わって制限ブレーキ力
信号である制限ブレーキ力指令が出力されるようにな
る。
【0035】このため、時刻Eで電磁弁MV1のソレノ
イド回路をオフとされた滑走防止弁5を介して供給され
る空気圧信号は前記制限ブレーキ力指令であるから、始
めのブレーキ力指令よりも当然小さく、BC圧は図4に
示すように、制限ブレーキ力指令相当BC圧にまで上昇
するがそれ以上には上昇しない。従って、再滑走が起こ
らない。その後滑走が起こらないから、所定時間後にタ
イマー26の信号が出力され、サンプルホールド部33
がリセットされる。この時刻をFとする。このため制限
ブレーキ力信号もなくなり、定位優先部30から元のブ
レーキ力指令が出力され、BC圧がこのブレーキ力指令
相当BC圧に向かって上昇する。
イド回路をオフとされた滑走防止弁5を介して供給され
る空気圧信号は前記制限ブレーキ力指令であるから、始
めのブレーキ力指令よりも当然小さく、BC圧は図4に
示すように、制限ブレーキ力指令相当BC圧にまで上昇
するがそれ以上には上昇しない。従って、再滑走が起こ
らない。その後滑走が起こらないから、所定時間後にタ
イマー26の信号が出力され、サンプルホールド部33
がリセットされる。この時刻をFとする。このため制限
ブレーキ力信号もなくなり、定位優先部30から元のブ
レーキ力指令が出力され、BC圧がこのブレーキ力指令
相当BC圧に向かって上昇する。
【0036】説明の便宜上、その後前回の滑走検知時よ
りもある程度高いBC圧で滑走が生じるとして、このB
C圧の上昇により時刻Gで滑走が生じたとすると、その
直後の時刻Hで滑走が滑走検知手段により検知され、そ
の検知信号が滑走防止弁5に与えられてBC圧を低下さ
せる。この時刻Hにおける実際のブレーキ力はブレーキ
力指令に相当するブレーキ力からバイアス量を差し引い
た値よりも大きいから、比較部24からの出力はなく、
このためサンプルホールド指令が出力されず、サンプル
ホールド部33からの出力もない。従って、低位優先部
30からは元のブレーキ力指令が出力しつづけるから、
滑走検知手段10と滑走防止弁5により制御されるBC
圧は、滑走の進行が停止する時刻Iまで下降し、それか
ら徐々に上昇して再粘着と見なす時刻Jからブレーキ力
指令に相当する圧力まで上昇する。時刻J以後に滑走が
検知された場合は、時刻HからJまでの動作を滑走防止
弁5が繰り返すことになるが、滑走検知時の実際のブレ
ーキ力がブレーキ力指令に相当するブレーキ力に近いた
め、その回数はあまり多くはない。
りもある程度高いBC圧で滑走が生じるとして、このB
C圧の上昇により時刻Gで滑走が生じたとすると、その
直後の時刻Hで滑走が滑走検知手段により検知され、そ
の検知信号が滑走防止弁5に与えられてBC圧を低下さ
せる。この時刻Hにおける実際のブレーキ力はブレーキ
力指令に相当するブレーキ力からバイアス量を差し引い
た値よりも大きいから、比較部24からの出力はなく、
このためサンプルホールド指令が出力されず、サンプル
ホールド部33からの出力もない。従って、低位優先部
30からは元のブレーキ力指令が出力しつづけるから、
滑走検知手段10と滑走防止弁5により制御されるBC
圧は、滑走の進行が停止する時刻Iまで下降し、それか
ら徐々に上昇して再粘着と見なす時刻Jからブレーキ力
指令に相当する圧力まで上昇する。時刻J以後に滑走が
検知された場合は、時刻HからJまでの動作を滑走防止
弁5が繰り返すことになるが、滑走検知時の実際のブレ
ーキ力がブレーキ力指令に相当するブレーキ力に近いた
め、その回数はあまり多くはない。
【0037】また、時刻F以後の再滑走において滑走検
知時の実際のブレーキ力が、ブレーキ力指令に相当する
ブレーキ力からバイアス量を差し引いた値よりも小さい
と、比較部24からの出力によりサンプルホールド部3
3でサンプルホールドされて制限ブレーキ力信号が出力
されるから、時刻CからEまでの動作を滑走防止弁5が
繰り返し、その滑走検知時の実際のブレーキ力が制限ブ
レーキ力指令(前回の滑走時よりもやや大きい)にな
り、結局BC圧は時刻CからFまでと同様な経過をたど
り、サンプルホールド部33がリセットされるまで所定
時間再滑走が防止される。従って、この第2実施例は、
タイマー26の設定時間を適切とすれば、図7に示した
構成のものよりは大幅に車両停止までの滑走回数を低減
できる。
知時の実際のブレーキ力が、ブレーキ力指令に相当する
ブレーキ力からバイアス量を差し引いた値よりも小さい
と、比較部24からの出力によりサンプルホールド部3
3でサンプルホールドされて制限ブレーキ力信号が出力
されるから、時刻CからEまでの動作を滑走防止弁5が
繰り返し、その滑走検知時の実際のブレーキ力が制限ブ
レーキ力指令(前回の滑走時よりもやや大きい)にな
り、結局BC圧は時刻CからFまでと同様な経過をたど
り、サンプルホールド部33がリセットされるまで所定
時間再滑走が防止される。従って、この第2実施例は、
タイマー26の設定時間を適切とすれば、図7に示した
構成のものよりは大幅に車両停止までの滑走回数を低減
できる。
【0038】また、この第2実施例は、例えば、非常に
滑走が起こりやすい線路状況ではブレーキ指令に対して
はるかに小さいブレーキ力で滑走が起こる場合が考えら
れるが、そのような場合に滑走検知時の実際のブレーキ
力を上限としてブレーキを作用させるようにしたもので
ある。また、この第2実施例における係数Kは、前記第
1実施例の場合と略同様に考えられる。なお、係数乗算
部34を省略すれば、係数K=1と同じとなる点も第1
実施例と同様である。
滑走が起こりやすい線路状況ではブレーキ指令に対して
はるかに小さいブレーキ力で滑走が起こる場合が考えら
れるが、そのような場合に滑走検知時の実際のブレーキ
力を上限としてブレーキを作用させるようにしたもので
ある。また、この第2実施例における係数Kは、前記第
1実施例の場合と略同様に考えられる。なお、係数乗算
部34を省略すれば、係数K=1と同じとなる点も第1
実施例と同様である。
【0039】第3実施例の構成を図5、図6を用いて説
明する。この実施例のブレーキ装置の構成は、図5にブ
ロック図で示すように、図1に示した第1実施例のもの
と同様な応荷重制御部2、電気ブレーキ装置3、電空変
換装置4、滑走防止弁5、ブレーキシリンダBC、速度
センサーG、滑走検知手段10等を備えており、全体の
構成としては従来の滑走防止弁5、ブレーキシリンダB
C、滑走検知手段10等に、滑走進行停止検知部40、
ブレーキ力検出手段41、比較手段42、ブレーキ力低
減手段43等を設けたものである。
明する。この実施例のブレーキ装置の構成は、図5にブ
ロック図で示すように、図1に示した第1実施例のもの
と同様な応荷重制御部2、電気ブレーキ装置3、電空変
換装置4、滑走防止弁5、ブレーキシリンダBC、速度
センサーG、滑走検知手段10等を備えており、全体の
構成としては従来の滑走防止弁5、ブレーキシリンダB
C、滑走検知手段10等に、滑走進行停止検知部40、
ブレーキ力検出手段41、比較手段42、ブレーキ力低
減手段43等を設けたものである。
【0040】滑走進行停止検知部40は、滑走検知手段
10に併設したもので、滑走時の車輪速度が下降から上
昇に転ずる点を検知して滑走進行停止の信号を出力する
ようにしたものである。ブレーキ力検出手段41は、指
令部1からのブレーキ指令と実際のブレーキ力とを対比
できるように実際のブレーキ力を検知してブレーキ指令
のレベルに変換して出力するものであり、滑走防止弁5
から出力される実際のブレーキ力に相当する空気圧を空
電変換装置31、軸ブレーキ力演算部32、ブレーキ指
令レベルに換算しさらに電気ブレーキ装置のブレーキ力
を加算部14で加算して逆応荷重演算部50によって実
ブレーキ力相当信号として出力する部分とで構成されて
いる。図示のように電気ブレーキ装置3が設けられてい
るときは、実ブレーキ力相当信号の線路中に電気ブレー
キ力加算部14を設ける。
10に併設したもので、滑走時の車輪速度が下降から上
昇に転ずる点を検知して滑走進行停止の信号を出力する
ようにしたものである。ブレーキ力検出手段41は、指
令部1からのブレーキ指令と実際のブレーキ力とを対比
できるように実際のブレーキ力を検知してブレーキ指令
のレベルに変換して出力するものであり、滑走防止弁5
から出力される実際のブレーキ力に相当する空気圧を空
電変換装置31、軸ブレーキ力演算部32、ブレーキ指
令レベルに換算しさらに電気ブレーキ装置のブレーキ力
を加算部14で加算して逆応荷重演算部50によって実
ブレーキ力相当信号として出力する部分とで構成されて
いる。図示のように電気ブレーキ装置3が設けられてい
るときは、実ブレーキ力相当信号の線路中に電気ブレー
キ力加算部14を設ける。
【0041】比較手段42は、指令部1のブレーキ指令
から、ブレーキ力検出手段41からの実ブレーキ力相当
信号を減算する減算部51、比較値を出力する比較値設
定部52、減算部51の減算結果が比較値設定部52の
比較値よりも大きいときに信号を出力する比較器53で
構成されている。ブレーキ力低減手段43は、比較手段
42から出力される信号があるとき、滑走進行停止検知
部40からの滑走進行停止信号により応荷重制御部2か
ら出力されるブレーキ力指令を途中で低減するようにし
たものであり、サンプルホールド部54、比較部55、
他のリセット信号出力部56、フリップフロップ回路5
7、係数乗算部58、切換スイッチ59等で構成されて
いる。
から、ブレーキ力検出手段41からの実ブレーキ力相当
信号を減算する減算部51、比較値を出力する比較値設
定部52、減算部51の減算結果が比較値設定部52の
比較値よりも大きいときに信号を出力する比較器53で
構成されている。ブレーキ力低減手段43は、比較手段
42から出力される信号があるとき、滑走進行停止検知
部40からの滑走進行停止信号により応荷重制御部2か
ら出力されるブレーキ力指令を途中で低減するようにし
たものであり、サンプルホールド部54、比較部55、
他のリセット信号出力部56、フリップフロップ回路5
7、係数乗算部58、切換スイッチ59等で構成されて
いる。
【0042】サンプルホールド部54はブレーキ指令を
滑走検知手段10からの滑走検知信号によりサンプルホ
ールドして出力し、その出力である滑走を生じたときの
ブレーキ指令をブレーキ指令が下回ったとき(ブレーキ
指令が小さいほうへ変更されたとき)比較部55がリセ
ット信号を出力する。また、他のリセット信号出力部5
6は、車が停止したとき、又はフリップフロップ回路5
7に比較手段42からの信号が入力しセットされて以後
一定時間を経て滑走検知がない状態のときに、リセット
信号が出力される。フリップフロップ回路57は、比較
手段42からの信号がデータとして入力され、滑走進行
停止検知部40からの信号がクロック信号として入力さ
れ、信号を出力する。この信号はブレーキ力低減指令で
ある。係数K乗算部58は、応荷重制御部2からのブレ
ーキ力指令に、0<K<1である係数Kを乗算して出力
し、この低減したブレーキ力指令、つまり制限ブレーキ
力指令を、スイッチ59がフリップフロップ回路57か
らのブレーキ力低減指令により切り換わることによりそ
れまでのブレーキ力指令と切り換えて出力する。
滑走検知手段10からの滑走検知信号によりサンプルホ
ールドして出力し、その出力である滑走を生じたときの
ブレーキ指令をブレーキ指令が下回ったとき(ブレーキ
指令が小さいほうへ変更されたとき)比較部55がリセ
ット信号を出力する。また、他のリセット信号出力部5
6は、車が停止したとき、又はフリップフロップ回路5
7に比較手段42からの信号が入力しセットされて以後
一定時間を経て滑走検知がない状態のときに、リセット
信号が出力される。フリップフロップ回路57は、比較
手段42からの信号がデータとして入力され、滑走進行
停止検知部40からの信号がクロック信号として入力さ
れ、信号を出力する。この信号はブレーキ力低減指令で
ある。係数K乗算部58は、応荷重制御部2からのブレ
ーキ力指令に、0<K<1である係数Kを乗算して出力
し、この低減したブレーキ力指令、つまり制限ブレーキ
力指令を、スイッチ59がフリップフロップ回路57か
らのブレーキ力低減指令により切り換わることによりそ
れまでのブレーキ力指令と切り換えて出力する。
【0043】この第3実施例のブレーキ装置は、滑走進
行停止時の実ブレーキ力相当信号がブレーキ指令に対し
て大きく下回っていることをもってブレーキ力の制限を
行い再滑走を防止するようにしたものである。係数Kを
例えば0.9であるとし、比較値設定部に設定値Wを設
定し、ブレーキ指令の値から滑走進行停止時の実ブレー
キ力相当信号の値を差し引いた値をXとすると、あるブ
レーキ指令によりブレーキ動作して滑走を生じたとき、
次のように動作して再滑走を防止する。その各部の動作
のタイミング図を図6に示す。同図及び図5において、
車輪速度がある速度の時刻Aでブレーキ指令が指令部1
から出力されると、応荷重制御部2で車載荷重を加味し
たブレーキ力指令が応荷重制御部2から出力される。こ
のブレーキ力指令は電気ブレーキ力減算部13、電空変
換装置4を介して滑走防止弁5に入力され、さらにブレ
ーキシリンダBCに圧縮空気が供給されてブレーキ力が
車輪に作用するようになる。この時刻A直後の状態は、
図示を省略してあるが、滑走防止弁5の電磁弁MV1、
2のソレノイド回路がオフで圧縮空気供給可能、排気停
止の状態である。そして時間の経過とともにブレーキシ
リンダBCのBC圧は上昇してブレーキ指令相当圧とな
る。この間、車輪の回転速度が低下していく。そして、
車輪の滑走が時刻Bで起こると、第1実施例で述べたと
同様に、その直後の時刻Cで滑走防止弁5が滑走検知手
段10からの信号により動作してBC圧を低下させる。
行停止時の実ブレーキ力相当信号がブレーキ指令に対し
て大きく下回っていることをもってブレーキ力の制限を
行い再滑走を防止するようにしたものである。係数Kを
例えば0.9であるとし、比較値設定部に設定値Wを設
定し、ブレーキ指令の値から滑走進行停止時の実ブレー
キ力相当信号の値を差し引いた値をXとすると、あるブ
レーキ指令によりブレーキ動作して滑走を生じたとき、
次のように動作して再滑走を防止する。その各部の動作
のタイミング図を図6に示す。同図及び図5において、
車輪速度がある速度の時刻Aでブレーキ指令が指令部1
から出力されると、応荷重制御部2で車載荷重を加味し
たブレーキ力指令が応荷重制御部2から出力される。こ
のブレーキ力指令は電気ブレーキ力減算部13、電空変
換装置4を介して滑走防止弁5に入力され、さらにブレ
ーキシリンダBCに圧縮空気が供給されてブレーキ力が
車輪に作用するようになる。この時刻A直後の状態は、
図示を省略してあるが、滑走防止弁5の電磁弁MV1、
2のソレノイド回路がオフで圧縮空気供給可能、排気停
止の状態である。そして時間の経過とともにブレーキシ
リンダBCのBC圧は上昇してブレーキ指令相当圧とな
る。この間、車輪の回転速度が低下していく。そして、
車輪の滑走が時刻Bで起こると、第1実施例で述べたと
同様に、その直後の時刻Cで滑走防止弁5が滑走検知手
段10からの信号により動作してBC圧を低下させる。
【0044】図6に見られるように、BC圧がある程度
低下すると滑走の進行が止まり、そして車輪速度は上昇
に転じる。この時刻をDで示してあり、滑走検知手段1
0で検知され電磁弁MV1が繰り返し開閉され、MV2
が閉じられた状態となり、BC圧が徐々に増加してい
く。同時に時刻Dで、滑走進行停止検知部40からの信
号(クロック)がフリップフロップ回路57に入力され
る。この時刻Dでフリップフロップ回路57に比較手段
42からの信号(データ)が入力されていればブレーキ
力低減信号が出力されるが、比較手段42からの信号が
出ていないからブレーキ力低減信号が出力されない。す
なわち、ブレーキ力検知手段41の逆応荷重演算部50
からの実ブレーキ力相当信号をブレーキ指令から差し引
いた値Xが比較値設定部52に設定されている比較値W
よりも小さいx1だからである。ブレーキ力低減信号が
出力されないときは、スイッチ59が切り換わらないか
らブレーキ力は低減されず、ブレーキ力指令が制限され
ないでBC圧がブレーキ指令相当圧に戻る。
低下すると滑走の進行が止まり、そして車輪速度は上昇
に転じる。この時刻をDで示してあり、滑走検知手段1
0で検知され電磁弁MV1が繰り返し開閉され、MV2
が閉じられた状態となり、BC圧が徐々に増加してい
く。同時に時刻Dで、滑走進行停止検知部40からの信
号(クロック)がフリップフロップ回路57に入力され
る。この時刻Dでフリップフロップ回路57に比較手段
42からの信号(データ)が入力されていればブレーキ
力低減信号が出力されるが、比較手段42からの信号が
出ていないからブレーキ力低減信号が出力されない。す
なわち、ブレーキ力検知手段41の逆応荷重演算部50
からの実ブレーキ力相当信号をブレーキ指令から差し引
いた値Xが比較値設定部52に設定されている比較値W
よりも小さいx1だからである。ブレーキ力低減信号が
出力されないときは、スイッチ59が切り換わらないか
らブレーキ力は低減されず、ブレーキ力指令が制限され
ないでBC圧がブレーキ指令相当圧に戻る。
【0045】前記値Xが比較値Wよりも大きいx2であ
る時は、図6の右側部分に続けて示すように、滑走進行
停止検知時刻D′で比較手段42からの信号が出ている
からブレーキ力低減信号が出力される。ブレーキ力低減
信号が出力されているときは、スイッチ59が切り換わ
り、ブレーキ力が低減される。すなわち、応荷重制御部
2からのブレーキ力指令は、係数K乗算部58を通る線
路に切り換えられることによって係数K(0.9)を乗
算されて10%小さい制限ブレーキ力指令となり、滑走
防止弁5の側へ出力される。これによってBC圧は再粘
着時に、係数Kによる低減量だけ低い圧力となり、再滑
走が防止される。その後、比較部55あるいは他のリセ
ット信号出力部56から信号が出ると、例えば、ブレー
キ指令が弱められるように変更されたときには、比較部
55からリセット信号が出力されて、ブレーキ低減信号
がなくなり、スイッチ59が切り換わり、係数Kを乗算
されない回路に戻る。この第3実施例の場合、滑走が生
じた後の全面的な再滑走防止にはならないが、比較値W
を適切に決めると、頻繁に滑走が生じるようなことはな
い。
る時は、図6の右側部分に続けて示すように、滑走進行
停止検知時刻D′で比較手段42からの信号が出ている
からブレーキ力低減信号が出力される。ブレーキ力低減
信号が出力されているときは、スイッチ59が切り換わ
り、ブレーキ力が低減される。すなわち、応荷重制御部
2からのブレーキ力指令は、係数K乗算部58を通る線
路に切り換えられることによって係数K(0.9)を乗
算されて10%小さい制限ブレーキ力指令となり、滑走
防止弁5の側へ出力される。これによってBC圧は再粘
着時に、係数Kによる低減量だけ低い圧力となり、再滑
走が防止される。その後、比較部55あるいは他のリセ
ット信号出力部56から信号が出ると、例えば、ブレー
キ指令が弱められるように変更されたときには、比較部
55からリセット信号が出力されて、ブレーキ低減信号
がなくなり、スイッチ59が切り換わり、係数Kを乗算
されない回路に戻る。この第3実施例の場合、滑走が生
じた後の全面的な再滑走防止にはならないが、比較値W
を適切に決めると、頻繁に滑走が生じるようなことはな
い。
【0046】また、この第3実施例において、係数Kが
1を越えることは、制限ブレーキ力指令がブレーキ指令
によるブレーキ力指令を越えることになるので、ブレー
キ力の低減制御にならないから、係数Kは1を越えるこ
とはない。しかし、この範囲内で、前記関数f(t)、
f(v)の適用は可能である。
1を越えることは、制限ブレーキ力指令がブレーキ指令
によるブレーキ力指令を越えることになるので、ブレー
キ力の低減制御にならないから、係数Kは1を越えるこ
とはない。しかし、この範囲内で、前記関数f(t)、
f(v)の適用は可能である。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、ブレーキ指令に
基づくブレーキ力指令により滑走が生じたとき、滑走検
知手段からの信号により滑走回数を計数して滑走回数が
決められた1回又は複数回になったとき、ブレーキ力低
減手段によりブレーキ力指令をブレーキ力が低減するよ
うに変更して、再滑走を防止する。従って、客車に適用
して、乗り心地が改善されるとともに流体圧力の消費が
抑えられる。請求項2記載の発明のように、単位時間内
の複数回の滑走をもって滑走が生じたと判断するように
すると、その分滑走回数が増えるが、不必要に低いブレ
ーキ力に低減することがなくなる。請求項3記載の発明
は、ブレーキ指令に基づくブレーキ力指令により滑走が
生じたとき、滑走が生じたときの実際のブレーキ力とブ
レーキ力指令を比較して所定値以上の差がある時にブレ
ーキ力指令をブレーキ力が低減するように変更すること
により、再滑走を防止する。従って、客車に適用して、
乗り心地が改善されるとともに流体圧力の消費が抑えら
れる。請求項4記載の発明は、あるブレーキ指令に基づ
くブレーキ力指令により滑走が生じて再粘着制御が行わ
れ、滑走進行停止検知したそのときの実際のブレーキ力
とブレーキ指令の差が所定の値を越えたとき、比較手段
が信号を出力し、この比較手段からの信号を受けてブレ
ーキ力低減手段がブレーキ力指令をブレーキ力が低減す
るように変更して再滑走を防止あるいは滑走回数を低減
する。
基づくブレーキ力指令により滑走が生じたとき、滑走検
知手段からの信号により滑走回数を計数して滑走回数が
決められた1回又は複数回になったとき、ブレーキ力低
減手段によりブレーキ力指令をブレーキ力が低減するよ
うに変更して、再滑走を防止する。従って、客車に適用
して、乗り心地が改善されるとともに流体圧力の消費が
抑えられる。請求項2記載の発明のように、単位時間内
の複数回の滑走をもって滑走が生じたと判断するように
すると、その分滑走回数が増えるが、不必要に低いブレ
ーキ力に低減することがなくなる。請求項3記載の発明
は、ブレーキ指令に基づくブレーキ力指令により滑走が
生じたとき、滑走が生じたときの実際のブレーキ力とブ
レーキ力指令を比較して所定値以上の差がある時にブレ
ーキ力指令をブレーキ力が低減するように変更すること
により、再滑走を防止する。従って、客車に適用して、
乗り心地が改善されるとともに流体圧力の消費が抑えら
れる。請求項4記載の発明は、あるブレーキ指令に基づ
くブレーキ力指令により滑走が生じて再粘着制御が行わ
れ、滑走進行停止検知したそのときの実際のブレーキ力
とブレーキ指令の差が所定の値を越えたとき、比較手段
が信号を出力し、この比較手段からの信号を受けてブレ
ーキ力低減手段がブレーキ力指令をブレーキ力が低減す
るように変更して再滑走を防止あるいは滑走回数を低減
する。
【0048】請求項5記載の発明は、一定の係数を乗算
することによって制限ブレーキ力指令とするものである
から、その係数の選択によって適切な制限ブレーキ力指
令となり、再滑走を防止できると共に適切な大きいブレ
ーキ力を作用させることが出来、列車の停止距離を短く
出来る。請求項6および請求項7記載の発明は、一定の
係数を乗算する場合よりも更に効果的に再滑走を防止で
きると共により適切な大きいブレーキ力を作用させるこ
とが出来、列車の停止距離をいっそう短く出来る。請求
項8記載の発明は、係数K=1のときに相当し、係数乗
算部を省略できる。請求項9記載の発明は、係数を適切
に決めることによって、車輪と線路の状況に応じた再滑
走制御が可能となる。請求項10、請求項11、請求項
12記載の発明は、低減したブレーキ力指令が事実上無
効となったときオフされるので、次の滑走に直ちに対応
できる。
することによって制限ブレーキ力指令とするものである
から、その係数の選択によって適切な制限ブレーキ力指
令となり、再滑走を防止できると共に適切な大きいブレ
ーキ力を作用させることが出来、列車の停止距離を短く
出来る。請求項6および請求項7記載の発明は、一定の
係数を乗算する場合よりも更に効果的に再滑走を防止で
きると共により適切な大きいブレーキ力を作用させるこ
とが出来、列車の停止距離をいっそう短く出来る。請求
項8記載の発明は、係数K=1のときに相当し、係数乗
算部を省略できる。請求項9記載の発明は、係数を適切
に決めることによって、車輪と線路の状況に応じた再滑
走制御が可能となる。請求項10、請求項11、請求項
12記載の発明は、低減したブレーキ力指令が事実上無
効となったときオフされるので、次の滑走に直ちに対応
できる。
【図1】本発明の第1実施例の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図2】本発明の第1実施例のタイミング図である。
【図3】本発明の第2実施例の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図4】本発明の第2実施例のタイミング図である。
【図5】本発明の第3実施例の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図6】本発明の第3実施例のタイミング図である。
【図7】従来の滑走検知粘着制御を行うブレーキ装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図8】従来の滑走検知粘着制御の1例を示すタイミン
グ図である。
グ図である。
【図9】繰り返し滑走時のBC圧の変化を示すタイミン
グ図である。
グ図である。
1 司令部
2 応荷重制御部
3 電気ブレーキ装置
4 電空変換装置
5 滑走防止弁
10 滑走検知手段
11 滑走係数手段
12 ブレーキ力低減手段
13 電気ブレーキ力減算部
15 実際のブレーキ力検出手段
16 比較手段
17 ブレーキ力低減手段
20 タイマー
26 タイマー
30 低位優先部
31 空電変換装置
32 軸ブレーキ力演算部
34 係数乗算部
40 滑走進行停止検知部
41 ブレーキ力検出手段
42 比較手段
43 ブレーキ力低減手段
50 逆応荷重演算部
53 比較器
58 係数乗算部
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−319243(JP,A)
特開 昭52−31291(JP,A)
特開 平5−42865(JP,A)
実開 昭55−4973(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60T 8/58
Claims (12)
- 【請求項1】 ブレーキ指令に基くブレーキ力に対応す
る電気的なブレーキ力指令を流体圧力に変換して圧力流
体を車両のブレーキシリンダに滑走防止弁を介して供給
することによりブレーキ動作を行わせ、滑走検知手段が
車輪の滑走を検知するとその検知に基いて前記滑走防止
弁を制御することによりブレーキ力を低減して車輪を再
粘着させるブレーキ装置において、前記滑走検知手段か
らの滑走検知信号により前記滑走回数を計数し滑走回数
が複数回のとき信号を出力する計数手段と、その計数手
段から信号が出力されたとき前記ブレーキ力指令をブレ
ーキ力が低減するように変更するブレーキ力低減手段と
を備えたブレーキ装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のブレーキ装置において、
前記計数手段は、単位時間内の滑走回数を計数するもの
であることを特徴とするブレーキ装置。 - 【請求項3】 ブレーキ指令に基くブレーキ力に対応す
る電気的なブレーキ力指令を流体圧力に変換して圧力流
体を車両のブレーキシリンダに滑走防止弁を介して供給
することによりブレーキ動作を行わせ、滑走検知手段が
車輪の滑走を検知するとその検知に基いて前記滑走防止
弁を制御することによりブレーキ力を低減して車輪を再
粘着させるブレーキ装置において、前記滑走を検知した
ときの実際のブレーキ力を検出するブレーキ力検出手段
と、この実際のブレーキ力と前記ブレーキ力指令を比較
して所定値以上離れているときに信号を出力する比較手
段と、この比較手段からの信号を受けてブレーキ力指令
をブレーキ力が低減するように変更するブレーキ力低減
手段とを備え、前記ブレーキ力検出手段は、ブレーキシ
リンダの流体圧を電気信号に変換する空電変換装置と、
前記電気信号を実際のブレーキ力に演算してブレーキ力
信号を出力する軸ブレーキ力演算部とからなり、車輪速
度が上昇に転じ、再びブレーキシリンダに圧力を供給す
る際に、前記比較手段から信号が発せられていると、前
記ブレーキ力低減手段により低減されたブレーキ力指令
に基き、ブレーキシリンダに圧力を供給するブレーキ装
置。 - 【請求項4】 ブレーキ指令に基くブレーキ力に対応す
る電気的なブレーキ力指令を流体圧力に変換して圧力流
体を車両のブレーキシリンダに滑走防止弁を介して供給
することによりブレーキ動作を行わせ、滑走検知手段が
車輪の滑走を検知するとその検知に基いて前記滑走防止
弁を制御することによりブレーキ力を低減して車輪を再
粘着させるブレーキ装置において、滑走進行停止信号を
出力する滑走進行停止検知部と、前記滑走進行停止検知
したときの実際のブレーキ力を検出するブレーキ力検出
手段と、この実際のブレーキ力と前記ブレーキ指令の差
が所定の値を越えたとき信号を出力する比較手段と、こ
の比較手段からの信号を受けてブレーキ力指令をブレー
キ力が低減するように変更するブレーキ力低減手段とを
備え、前記ブレーキ力検出手段は、ブレーキシリンダの
流体圧を電気信号に変換する空電変換装置と、前記電気
信号を実際のブレーキ力に演算してブレーキ力信号を出
力する軸ブレーキ力演算部とからなり、車輪速度が上昇
に転じ、再びブレーキシリンダに圧力を供給する際に、
前記比較手段から信号が発せられていると、前記ブレー
キ力低減手段により低減されたブレーキ力指令に基き、
ブレーキシリンダに圧力を供給するブレーキ装置。 - 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3、又は請
求項4記載のブレーキ装置において、前記ブレーキ力低
減手段が、一定の係数K(0<K<1)を乗算すること
によって前記ブレーキ力指令をブレーキ力が低減するよ
うに変更するものであることを特徴とするブレーキ装
置。 - 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、又は請求項5記載のブレーキ装置において、前記ブ
レーキ力低減手段が、低減したブレーキ力を時間要素に
より増加するように構成されていることを特徴とするブ
レーキ装置。 - 【請求項7】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、又は請求項5記載のブレーキ装置において、前記ブ
レーキ力低減手段が、低減したブレーキ力を車両の速度
要素により増加するように構成されていることを特徴と
するブレーキ装置。 - 【請求項8】 請求項1、請求項2、又は請求項3記載
のブレーキ装置において、ブレーキ力低減後のブレーキ
力指令は、滑走検知時点のブレーキ力に相当する値であ
ることを特徴とするブレーキ装置。 - 【請求項9】 請求項1、請求項2、又は請求項3記載
のブレーキ装置において、ブレーキ力低減後のブレーキ
力指令は、滑走検知時点のブレーキ力を係数K(0<K
<1)倍した値に相当するものであることを特徴とする
ブレーキ装置。 - 【請求項10】 請求項1、請求項2、請求項3、請求
項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、又は
請求項9記載のブレーキ装置において、低減したブレー
キ力指令は、前記ブレーキ指令に基づくブレーキ力指令
の方が低い値となったときオフすることを特徴とするブ
レーキ装置。 - 【請求項11】 請求項1、又は請求項2記載のブレー
キ装置において、前記計数手段の出力は、一定時間保持
され、この保持が消滅したときに低減したブレーキ力指
令をオフすることを特徴とするブレーキ装置。 - 【請求項12】 請求項1、請求項2、又は請求項3記
載のブレーキ装置において、前記滑走検知手段の出力
は、一定時間保持され、この保持が消滅したときに低減
したブレーキ力指令をオフすることを特徴とするブレー
キ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35326393A JP3487627B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35326393A JP3487627B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ブレーキ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07196025A JPH07196025A (ja) | 1995-08-01 |
JP3487627B2 true JP3487627B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=18429656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35326393A Expired - Fee Related JP3487627B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3487627B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3392757B2 (ja) * | 1998-07-29 | 2003-03-31 | 株式会社東芝 | 機関車の空気バネ装置 |
JP6901314B2 (ja) * | 2017-05-09 | 2021-07-14 | 東海旅客鉄道株式会社 | ブレーキ制御装置 |
JP2021123246A (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-30 | ナブテスコ株式会社 | 鉄道車両用滑走制御装置、鉄道車両用滑走制御装置の制御方法 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP35326393A patent/JP3487627B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07196025A (ja) | 1995-08-01 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20031021 |
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