JP3486326B2 - 同期モータの運転制御方法およびその装置 - Google Patents

同期モータの運転制御方法およびその装置

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JP3486326B2
JP3486326B2 JP18302897A JP18302897A JP3486326B2 JP 3486326 B2 JP3486326 B2 JP 3486326B2 JP 18302897 A JP18302897 A JP 18302897A JP 18302897 A JP18302897 A JP 18302897A JP 3486326 B2 JP3486326 B2 JP 3486326B2
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    • H02P2203/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the means for detecting the position of the rotor
    • H02P2203/05Determination of the rotor position by using two different methods and/or motor models

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期モータにおい
てセンサレスで電気角を検出し、同期モータの巻線に流
す電流を制御してその運転を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、同期モータの運転を制御する装置
では、回転子の電気角を検出する手段を設け、回転子の
電気角に応じて巻線に流す電流を制御している。こうし
た電気角の検出手段としては、レゾルバやエンコーダの
ようなセンサも使用可能であるが、装置の信頼性などの
観点から、最近では、巻線に流れる電流に基づいて電気
角を検出するいわゆるセンサレスの構成が提案されてい
る。
【0003】例えば、同期モータにおける電気角を、ロ
ータが停止した状態、あるいは低速回転の状態でも、精
度良く検出することができる装置として、本願出願人
は、巻線に流れる電流の挙動を検出し、この挙動に基づ
いて、回転子の位置により異なるコイルのインダクタン
ス、ひいては電気角を検出する装置を既に提案している
(特開平7−177788号公報)。この電気角検出装
置は、例えば三相同期モータの場合、いずれか二つの相
に流れる電流の挙動を検出することにより、電気角を一
意に決定することができるとの知見に基づいてなされた
ものである。また、かかる手法は、回転子の回転数が低
速の場合に特に有効なので、回転子が停止している状態
から所定回転数未満では、各相コイルに流れる電流の挙
動により電気角を検出し、所定回転数以上では、従来か
ら公知の逆起電力を利用した測定方法に切り換え、停止
および低速回転域から高速回転域まで、精度良く電気角
を検出することも提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした電流の挙動に
基づいて電気角を検出する電気角検出装置は、レゾルバ
などのセンサを必要とせず、回転子の回転数が低い場合
でも、電気角を精度良く検出することができるという優
れたものであるが、実際に同期モータの運転制御装置に
組み込んで使用すると、同期モータの使い方によって
は、次の問題を生じることが見出された。通常の同期モ
ータの使用の態様では、同期モータの運転は、回転子が
停止した状態から開始される。したがって、同期モータ
の各巻線には何ら起電圧を生じていない状態から電気角
の計測を開始すると考えて良い。ところが、同期モータ
が車輌の駆動軸などに取り付けられている場合には、特
に電動機としても発電機としても用いられていないが、
駆動軸の回転に伴って回転子が回転しているという場合
があり得る。こうした場合には、各相コイルに電圧を印
加して電流の挙動を計測しようとすると、回転子の回転
に起因する起電圧による電流が存在し、計測した電流の
挙動から求めた電気角は、回転子の実際の電気角を正確
に反映したものとはならない。
【0005】本発明は、上述した同期モータの運転制御
の問題を解決するものであり、上記の電気角検出手法の
利点を生かしつつ、同期モータの使用の態様を問わず、
これを的確に運転制御することを目的としてなされた。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる目的を達成する本発明の第1の同期モータの運転制
御方法は、多相交流を巻線に流し、該巻線による磁界と
永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回転さ
せる同期モータの運転を制御する方法であって、前記同
期モータの運転を開始した直後には、回転子の回転数が
所定値以上で実用的な精度を有する第1の検出方法によ
り該回転子の電気角を検出し、該電気角に基づいて前記
巻線に流す電流を制御し、該検出した電気角の変化に基
づいて前記回転子の回転数を求め、該求めた回転数が前
記所定値以下と判断した場合には、回転子の回転数が前
記所定値以下で実用的な精度を有する第2の検出方法に
より前記電気角を検出し、該電気角に基づいて前記巻線
に流す電流を制御することを要旨とする。
【0007】この様に同期モータの運転を制御すること
により、同期モータの運転の開始直後に回転子が既に回
転している場合でも、回転子の電気角を正確に検出し、
巻線に流す電流を適正に制御することができる。
【0008】また、本発明の第2の同期モータの運転制
御方法は、多相交流を巻線に流し、該巻線による磁界と
永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回転さ
せる同期モータの運転を制御する方法であって、前記同
期モータの運転を開始する以前に、回転子が所定回転数
以上で回転しているか否かを検出し、該回転子が所定回
転数以上で回転している場合には、該回転数以上で実用
的な精度を有する第1の検出方法により該回転子の電気
角を検出し、該電気角に基づいて前記巻線に流す電流を
制御し該回転子が所定回転数未満で回転している場合に
は、該回転数未満で実用的な精度を有する第2の検出方
法により前記電気角を検出し、該電気角に基づいて前記
巻線に流す電流を制御することを要旨としている。
【0009】この運転制御方法によれば、同期モータの
運転の開始に先立って、その回転子が所定回転数以上で
回転しているか否かを検出し、回転子の回転数に応じて
適切な電気角の検出方法を用いることができ、巻線に流
す電流を適正を制御することができる。
【0010】こうした同期モータの運転制御方法におい
て用いられる第1の検出方法としては、モータモデルに
基づいて前記回転子の電気角を検出する方法が適用可能
であり、第2の検出方法としては、巻線のインダクタン
スに基づいて電気角を検出する方法が適用可能である。
なお、これらは、対で用いる必要はなく、第1の検出方
法、第2の検出方法としては、それぞれ異なる検出方法
と組み合わせても差し支えない。
【0011】本発明の第1の同期モータの運転制御装置
は、多相交流を巻線に流し、該巻線による磁界と永久磁
石による磁界との相互作用により回転子を回転させる同
期モータの運転制御装置であって、回転子の回転数が所
定値以上で実用的な精度を有する第1の検出方法により
該回転子の電気角を検出する第1電気角検出手段と、前
記回転子の回転数が前記所定値以下で実用的な精度を有
する第2の検出方法により該回転子の電気角を検出する
第2電気角検出手段と、少なくとも前記第1電気角検出
手段が検出した電気角の変化に基づいて前記回転子の回
転数を求める回転数演算手段と、前記同期モータの運転
を開始した直後には、前記第1電気角検出手段より電気
角を求め、該求めた電気角に基づいて前記回転数演算手
段により前記回転子の回転数を求め、該求めた回転数が
前記所定値以下と判断された場合には、電気角の検出を
前記第2電気角検出手段に切り換える切換手段と、該第
1または第2電気角検出手段により検出された電気角に
基づいて前記巻線に流す電流を制御する制御手段とを備
えたことを要旨とする。
【0012】この運転制御装置は、同期モータの運転を
開始した直後には、第1電気角検出手段より電気角を求
め、この電気角に基づいて、回転数演算手段により、回
転子の回転数を求める。こうして求めた回転数が所定値
以下と判断された場合には、切換手段により、電気角の
検出を第2電気角検出手段に切り換える。回転子の回転
数が所定値以下の場合には、第2電気角検出手段が実用
的に精度で電気角を検出するから、この電気角に基づい
て、制御手段が、巻線に流す電流を制御することによ
り、同期モータを適正に運転することができる。回転子
の回転数が所定値以上であれば、電気角の検出を第1電
気角検出手段により継続し、制御手段は、第1電気角検
出手段により検出された電気角により、巻線に流す電流
を制御する。したがって、回転子の回転数が所定回転数
以上であっても適正に同期モータを起動することができ
る。
【0013】こうした同期モータの運転制御装置におけ
る第1電気角検出手段としては、第1の検出方法とし
て、モータモデルに基づいて回転子の電気角を検出する
方法を採用することができる。また、第2電気角検出手
段としては、前記第2の検出方法として、巻線のインダ
クタンスに基づいて電気角を検出する方法を採用するこ
とも可能である。
【0014】この同期モータの運転制御装置において、
第2電気角検出手段は、多相の各巻線間に電流が流れる
組合わせに対して所定の計測電圧を印加する計測電圧印
加手段と、該計測電圧印加手段により印加された計測電
圧によって多相の各巻線に流れる電流の挙動を各々検出
する電流挙動検出手段と、前記組合わせに対して所定の
計測電圧を印加したときに該印加した計測電圧に応じて
多相の各巻線間に流れる電流の挙動と電気角との関係を
予め記憶する記憶手段と、前記検出された電流の挙動に
基づき、前記記憶手段に記憶された関係を参照して、前
記回転子の電気角を0〜2πの間で求める電気角演算手
段とを備えたものとすることができる。かかる構成によ
り、回転子の位置により異なる回路のインダクタンスに
基づいて、電気角を求めることが可能となる。
【0015】また、第2電気角検出手段は、巻線に駆動
用の電流を流した状態で電気角を検出することも可能で
ある。そのためには、例えば、第2電気角検出手段を、
多相の各巻線間に所定の計測電圧を印加する電圧印加手
段と、該電圧印加手段により印加された計測電圧によっ
て多相の各巻線に流れる電流の挙動を各々検出する電流
挙動検出手段と、前記計測電圧を印加する時点で前記各
巻線間に供給されている駆動用電流を検出する駆動用電
流検出手段と、前記同期モータに駆動用電流を流した状
態で、所定の計測電圧を印加したときに該印加した計測
電圧に応じて多相の各巻線間に流れる電流の挙動と電気
角との関係を予め記憶する記憶手段と、前記記憶手段に
記憶された関係を参照し、前記検出された電流の挙動と
前記検出された駆動用電流とから、前記モータの電気角
を0〜2πの間で求める電気角演算手段とから構成すれ
ばよい。この構成に拠れば、駆動用電流による影響を差
し引いて、巻線に流れる電流から電気角を求めることが
できる。
【0016】本発明の第2の同期モータの運転制御装置
は、多相交流を巻線に流し、該巻線による磁界と永久磁
石による磁界との相互作用により回転子を回転させる同
期モータの運転制御装置であって、前記同期モータの運
転を開始する以前に、回転子が所定回転数以上で回転し
ているか否かの判定を行なう回転数判定手段と、該回転
子が所定回転数以上で回転している場合には、該回転数
以上で実用的な精度を有する第1の検出方法により該回
転子の電気角を検出し、該電気角に基づいて前記巻線に
流す電流を制御する第1制御手段と、該回転子が所定回
転数未満で回転している場合には、該回転数未満で実用
的な精度を有する第2の検出方法により前記電気角を検
出し、該電気角に基づいて前記巻線に流す電流を制御す
る第2制御手段とを備えたことを要旨としている。
【0017】この同期モータの運転制御装置によれば、
同期モータの運転の開始に先立って、その回転子が所定
回転数以上で回転しているか否かを検出し、回転子の回
転数に応じて適切な電気角の検出方法を用いることがで
き、ひいては各制御手段により、巻線に流す電流を適正
を制御することができる。
【0018】この同期モータの運転制御装置の回転数判
定手段としては、前記多相交流が流される前記巻線を所
定時間短絡し、該各巻線の該短絡された回路に流れる電
流を検出する短絡電流検出手段と、該検出された短絡電
流に基づいて、前記回転数を求める回転数演算手段とを
備え、前記回転数の判定を該求められた回転数により行
なう構成などを考えることができる。回転子が回転して
いる場合には、短絡電流が流れるので、その大きさか
ら、回転子の回転数を容易に検出することができる。
【0019】また、こうした同期モータの運転制御装置
では、第1制御手段としては、第1の検出方法として、
モータモデルに基づいて回転子の電気角を検出する方法
を採用することができる。他方、第2制御手段として
は、第2の検出方法として、巻線のインダクタンスに基
づいて電気角を検出する方法を採用することも可能であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。図1は本発明の一実施例としてのモ
ータ制御装置10の概略構成を示すブロック図、図2は
制御対象となっている三相同期モータ40の概略構成を
示す説明図、図3はこの三相同期モータ40の固定子3
0と回転子50との関係を示す端面図、である。
【0021】まず、図2を用いて、三相同期モータ40
の全体構造について説明する。この三相同期モータ40
は、固定子30と回転子50とこれらを収納するケース
60とからなる。回転子50は、外周に永久磁石51な
いし54が貼付されており、その軸中心に設けられた回
転軸55を、ケース60に設けられた軸受61,62に
より回転自在に軸支している。
【0022】回転子50は、無方向性電磁鋼板を打ち抜
いて成形したロータ57を複数枚積層したものである。
このロータ57は、図3に示すように、直交する位置に
4箇所の突極71ないし74を備える。ロータ57を積
層した後、回転軸55を圧入し、積層したロータ57を
仮止めする。この電磁鋼板を素材とするロータ57に
は、その表面に絶縁層と接着層が形成されており、積層
後所定温度に加熱して接着層を溶融・固定している。
【0023】こうして回転子50を形成した後、回転子
50の外周面であって、突極71ないし74の中間位置
に、永久磁石51ないし54を軸方向に亘って貼付す
る。この永久磁石は、厚み方向に磁化されている。回転
子50を固定子30に組み付けた状態では、一組の永久
磁石51,52に着目すると、この永久磁石51,52
は、ロータ57およびステータ20を貫く磁路Mdを形
成する(図3一点鎖線参照)。
【0024】固定子30を構成するステータ20は、ロ
ータ57と同じく無方向性電磁鋼板の薄板を打ち抜くこ
とで形成されており、図3に示すように、計12個のテ
ィース22を備える。ティース22間に形成されたスロ
ット24には、固定子30に回転磁界を発生させるコイ
ル32が巻回されている。尚、ステータ20の外周に
は、固定用のボルト34を通すボルト孔が設けられてい
るが、図3では図示を省略してある。
【0025】固定子30は、板状のステータ20を積層
し互いに押圧した状態として、接着層を加熱・溶融する
ことで一応固定される。この状態で、コイル32をティ
ース22に巻回して固定子30を完成した後、これをケ
ース60に組み付け、ボルト孔に固定用のボルト34を
通し、これを締め付けて全体を固定する。更に回転子5
0をケース60の軸受61,62により回転自在に組み
付けることにより、この三相同期モータ40は完成す
る。
【0026】固定子30の固定子コイル32に回転磁界
を発生するよう励磁電流を流すと、図3に示すように、
隣接する突極およびロータ57,ステータ20を貫く磁
路Mqが形成される。尚、上述した永久磁石52により
形成される磁束が回転子50を径方向に貫く軸をd軸と
呼び、固定子30の固定子コイル32により形成される
磁束が回転子50を径方向に貫く軸をq軸と呼ぶ。この
実施例(極数4)では、両軸は電気的には、90度の角
度をなしている。
【0027】次に、図1に従ってモータ制御装置10の
構成について説明する。モータ制御装置10は、大きく
は、外部からのトルク指令を受けて三相同期モータ40
の三相(U,V,W相)のモータ電流を制御する制御用
ECU100と、この制御用ECU100からの指令を
受けて三相同期モータ40の固定子コイル32の各相に
流す電流を制御するインバータ110、三相同期モータ
40の固定子コイル32の各相に流れる電流を検出する
電流センサ122,124,126、これらのセンサ1
22〜126の検出値をディジタル信号に変換するA/
D変換器(ADC)132,134,136から構成さ
れている。
【0028】制御用ECU100の内部には、図示する
ように、算術論理演算を行なうマイクロプロセッサ(C
PU)101、このCPU101が行なう処理や必要な
データを予め記憶したROM102、処理に必要なデー
タ等を一時的に読み書きするRAM103、計時を行な
うタイマ104等が設けられており、バス105により
相互に接続されている。このバスには、入力ポート10
6や出力ポート107も接続されており、CPU101
は、これらのポート106,107を介して、三相同期
モータ40のU,V,Wの各相に流れる電流Iu,I
v,Iwを読み込んだり、インバータ110の動作状態
を制御することができる。
【0029】インバータ110の内部構成を図4に示
す。図示するように、インバータ110は、ECU10
0とのインタフェースを司るインタフェース部112、
6個の大電力スイッチングトランジスタからなり三相同
期モータ40の各相への通電を直接制御する主ドライブ
回路114、この主ドライブ回路114をソース側とシ
ンク側でドライブするプリドライブ回路116,118
から構成されている。図中記号「+」「−」には三相同
期モータ40をドライブする主電源が接続されており、
記号「+V」「−V」には、インバータ110内部の安
定化された制御用の正負の電源が、それぞれ図示しない
電源回路から接続されている。なお、主ドライブ回路1
14の出力は、三相同期モータ40の各相コイルに接続
されており、U相,V相,W相に流れる電流を検出する
電流センサ122,124,126は、主ドライブ回路
114から三相同期モータ40に接続されているライン
に取り付けられている。
【0030】インタフェース部112はECU100か
らの信号を受け取り、プリドライブ回路116,118
に必要な信号を出力する回路であり、特に主ドライブ回
路114の一対のトランジスタが同時にオン状態となら
ないように、デッドタイムを生成するデッドタイム生成
回路を備える。また、ECU100から、SD信号が出
力された場合に、プリドライブ回路116,118側へ
の一切の信号を遮断して、緊急時に電流を遮断するため
のゲートも設けられている。
【0031】プリドライブ回路116,118は、主ド
ライブ回路114の大電力スイッチングトランジスタを
高速でスイッチングさせる回路である。なお、本実施例
では、大電力スイッチングトランジスタとして、絶縁ゲ
ートバイポーラモードトランジスタ(IGBT)を使用
した。
【0032】以上の構成を備えた同期モータ制御装置1
0は、通常の運転状態では、制御用ECU100によ
り、次の制御を行なっている。 (1)三相同期モータ40が所定値(本実施例では10
0rpm)以上で回転している場合には、後述する第1
の電気角検出方法を用いて回転子50の電気角θを検出
し、電気角θに応じて各相の電流を制御するようインバ
ータ110を制御する。 (2)三相同期モータ40の回転数が上記所定値未満で
あれば、後述する第2の電気角検出方法を用いて回転子
50の電気角θを検出し、電気角θに応じて各相の電流
を制御するようインバータ110を制御する。
【0033】次に、これら第1,第2の電気角検出方法
と三相同期モータ40の運転制御方法を、三相同期モー
タ40の起動時制御と共に説明する。図5は、同期モー
タ制御処理ルーチンを示すフローチャートである。図示
するように、このルーチンでは、最初に三相同期モータ
40を起動するか否かの判断を行なう(ステップS10
0)。三相同期モータ40を起動すべきか否かは、外部
からトルク指令値T*が与えられているか否かにより判
断する。モータを起動すべきトルク指令値T*が与えら
れていなければそのまま待機し、トルク指令値T*が与
えられてモータを起動すべきと判断した場合には、イン
バータ110を制御して所定の電流を流し(ステップS
110)、次に第1の方法により電気角θを検出する処
理を行なう(ステップS120)。
【0034】第1の電気角検出方法は、図6に示す処理
により実現することができる。第1の電気角検出方法
は、三相同期モータ40の逆起電力により電気角を検出
する方法である。永久磁石51ないし54により形成さ
れる磁界が回転子50の回転により移動(回転)してゆ
くと、この磁界中におかれた導体である固定子コイル3
2に、外部から加えた電圧とは逆方向の電圧が発生す
る。この電圧は、外部から加えた電圧とバランスを保ち
ながら回転子50の回転に応じて回転を続けるので、こ
の電圧を測定すると、電気角θを検出することができ
る。なお、逆起電圧は、フレミングの右手の法則に従う
から、磁界の移動速度が低いとき、即ち回転子50の回
転数が低い場合には、これを検出することは困難にな
る。したがって、所定回転数以上で回転子50が回転し
ていることが検出の条件となる。
【0035】この第1の電気角検出方法は、図6に示す
ように、まず回転子50が所定の回転数程度で回転して
いるものとみなしてインバータ110を制御する処理を
行なう(ステップS121)。その上で、各電流センサ
122〜126からの信号を読み込んで各相電流Iu,
Iv,Iwを検出する(ステップS122)。こうして
検出した各相電流から逆起電圧を演算する処理を行なう
(ステップS123)。この逆起電圧の演算処理は、次
のように行なっている。逆起電圧は、d軸およびq軸上
の値であって、これを逆起電圧[Ed,Eq]と呼ぶ。
逆起電圧[Ed,Eq]を求めるために、まずU相、V
相の電流Iu,Ivに基づいて、次式(1)により三相
−二相変換(三相−dq変換)を行なう。式(1)の演
算で用いる電気角θは、計算上予測しており、例えばス
テップエス121のインバータの制御に用いた電気角で
ある。
【0036】
【数1】
【0037】次に、次式(2)により、逆起電圧[E
d,Eq]を演算する。ここで求める逆起電圧[Ed,
Eq]は、計算上予測している電気角θで決められたd
q軸上での逆起電圧である。
【0038】
【数2】
【0039】この式の右辺を整理すると、次式(3)と
なる。したがって、U相,V相の電流Iu,Ivから、
逆起電圧Eu,Ev,Ewを求めることができる。
【0040】
【数3】
【0041】こうして得られた逆起電圧は、回転子50
の回転に応じて回転することから、時間と共に増減し、
時間軸上に展開すれば正弦波となる。実施例では、この
逆起電圧を予め測定してテーブルとし、これをROM1
02に記憶している。そこで、ステップS220で演算
した逆起電圧に基づいてこのテーブルを参照し(ステッ
プS124)、回転子50の電気角θを検出する処理を
行なう(ステップS125)。
【0042】以上の処理により、回転子50が所定の回
転数以上で回転している場合には、電気角θを検出する
ことができるが、所定の回転数未満で回転している場合
には、電気角θを検出することができない。そこで、次
に電気角θの検出ができたか否かの判断を行ない(ステ
ップS130)。電気角の検出ができた場合にはステッ
プS135以下の処理に移行し、電気角θの検出ができ
なかった場合には、ステップS160に移行して第2の
検出方法により電気角を検出する処理を行なう。まず、
電気角θの検出ができた場合には、次に回転子50の回
転数を演算する処理を行なう(ステップS135)。回
転子50の回転数Nhは、電気角θの時間当たりの変化
率として求めることができる。こうして求めた回転数N
hが、予め定めた回転数Nref より大きいか否かを判断
し(ステップS140)、予め定めた回転数Nref より
大きい場合には、逆起電圧を用いた電気角θの検出を継
続できると判断し、以後は第1の方法による電気角θの
検出(ステップS150)と検出した電気角θに基づく
各相電流の制御(ステップS170)とを繰り返す。ス
テップS150の電気角を検出する第1の方法は、ステ
ップS120の電気角検出方法(図6を用いて説明した
電気角検出方法)と同一のものである。
【0043】他方、三相同期モータ40の起動直後に逆
起電圧により電気角検出ができなかった場合(ステップ
S130)や回転子50の回転数が所定回転数Nref 以
下であると判断された場合(ステップS140)には、
第2の方法により電気角を検出する処理を行なう(ステ
ップS160)。第2の方法による電気角の検出は、回
転子50の位置により定まる回路のインダクタンスに基
づいて行なわれる。この手法について以下に詳しく説明
する。
【0044】図7は、三相同期モータ40の等価回路図
である。図示するように、三相同期モータ40のU相と
VW相間に所定の電圧E1をステップ関数的に加えた場
合、ここに流れる電流Iu(t)は、回路のインダクタ
ンス成分Lにより定まる過渡応答を示す。即ち、回路の
インダクタンスLの大小により、電圧印加後の所定時間
での電流値Imは異なったものとなる。この様子を図8
に示した。実際の三相同期モータ40では、インダクタ
ンスLは、その時の回転子50の電気角θの関数となっ
ているから、所定の巻線間に、所定時間、所定電圧を加
えた場合の各相電流は、電気角に応じた固有の値とな
る。
【0045】図7に示す等価回路において流れる電流
(以下、U相電流と呼ぶ)Iu(t)は、次式(4)の
応答を示す。
【0046】
【数4】
【0047】ここで、exp()は、指数関数を示し、
Rは回路のインピーダンスを、tは時間を示す。この場
合のU相電流Iu(t)は、インダクタンスLが大きけ
れば電流の増加は遅く、電圧印加後の所定時間で電流を
計測すれば、インダクタンスLを介して電気角θを計測
することができることになることは上述した通りであ
る。予め、様々な電気角での各相電流を計測した。これ
を図9に示す。図9は、図7に示したように、U相−V
W相間に電圧を印加した場合であって、しかもコイルが
磁気飽和する程度の大きな電流を流した場合の各相電流
を示している。この電流Iu,|Iv|,|Iw|は、
電流センサ122ないし126により計測した。これら
の測定値Iu,|Iv|,|Iw|は、磁気飽和を起こ
していることから、対称性が崩れており、U相電流Iu
が電流値ie以下の範囲を除いて、これらの測定値から
電気角θを明瞭に弁別することができる。各相電流I
u,|Iv|,|Iw|の関係を整理して電気角θと対
応付けたマップを図10として示した。実施例では、こ
れらの関係を予め測定し、ROM102に記憶してい
る。
【0048】以上の説明から、U−VW相間に電圧を印
加して各相に流れる電流を測定すれば、U相の電流が所
定値ieより小さい範囲を除いて、電気角θを精度良く
検出することができることが分かった。そこで、次に、
本実施例のCPU101が行なっている第2の方法によ
り電気角検出処理について説明する。図11は、第2の
方法により電気角検出処理ルーチンを示すフローチャー
トである。なお、この処理ルーチンの実行に先立って、
処理ルーチンで、巻線間に印加される電圧E1をこの同
期モータ40の巻線間に印加し、電気角と各U相,V
相,W相のコイルに流れる電流を計測し、図10に示し
たマップを予め作成しておく。このマップは、CPU1
01に接続されたROM102に予め記憶されている。
【0049】CPU101は、図11に示した処理ルー
チンを、上述した所定回転数Nrefにおける電気角0〜
πの変化に要する時間より短い間隔で繰り返し実行す
る。例えば、所定回転数Nref を100rpmとすれ
ば、回転子50の1回転に要する最短時間は約600ミ
リセカンドであり、電気角0〜πに要する時間は、約1
50ミリセカンドである。本実施例では、CPU101
は、図11の処理ルーチンを、タイマ割込を利用して、
5ミリセカンド毎に実行する。
【0050】CPU101は、図11の処理を起動する
と、まず、電気角θの検出を初めて行なうか否かの判断
を行なう(ステップS200)。電気角θの検出は、一
旦検出が成されてしまえば、次の検出の時点で回転子5
0の回転位置はある程度予測可能となる。これに対して
初回は、回転子50がどの位置にあるか分からない。そ
のため、電気角θの検出が初めてか否かにより、処理を
変えるのである。角度検出の初回であると判断される
と、次に巻線のU−VW間に所定電圧E1を印加する処
理を行なう(ステップ210)。この場合、印加される
電圧E1は、巻線において磁気飽和を生じる程度の電流
が流れる大きさとして、予め定められた電圧であり、図
10に示すマップを作成するのに用いられた電圧と等し
い電圧である。U−VW相間に電圧を印加すると、巻線
間にそのインダクタンスに応じた電流が流れるから、次
にこの電流を電流センサ122〜126を用いて検出す
る処理を行なう(ステップS220)。U−VW相間に
印加した電圧と、各相電流との関係の一例を、図に示
す。図示するように、ステップ関数として電圧E1を印
加すると、印加期間中に亘って電流は増加し、電圧の印
加をやめると、電流は漸減する。測定は、電圧E1の印
加をやめる直前に行なう。
【0051】次に、検出した三相の電流のうちU相電流
について、その値が、図9に示した所定値ieより小さ
いか否かの判断を行なう(ステップS230)。既述し
たように、正電圧を印加する側のコイルの電流が所定値
ieより小さい範囲では、電気角θの検出の精度はさほ
ど高くない。そこで、正電圧を印加したコイルの電流が
所定値ieにより小さい場合には、電圧を印加する相間
をV−WU相に変更して再度電圧E1の印加(ステップ
S240)、各相電流の検出(ステップS250)を行
なう。同期モータ40の場合、U−VW相間もV−WU
相間も電気的には等価なので、単に電圧を印加する相間
を変更しただけである。この場合の電気角θと各相電流
との関係は、図9に示したグラフを、120度(2π/
3)ずつずらしたものに相当する。U相電流Iuが、所
定値ie以上であれば、ステップS240およびS25
0は実行しない。
【0052】こうして電圧E1の印加に伴って各相コイ
ルに流れる電流Iu,Iv,Iwを、電流センサ122
〜126により検出し、その値をADC132〜136
を介して読み取った後、図10に示した各相電流と電気
角との関係を示すマップを参照して、電気角θを決定す
る処理を行なう(ステップS260)。なお、図10に
おける|Iv|,|Iw|は、U相に正電圧を印加した
場合には、V相,W相には、図12に実例を示したよう
に実際には負電流が流れるので、図10のマップが、絶
対値により作表したものであることを示している。
【0053】この実施例では、U−VW相間に印加する
電圧E1を、コイルが磁気飽和する電流が流れる程度の
大きさに設定しているので、各コイルに流れる電流は、
図9に示したように、電気角0〜πおよびπ〜2πで、
同一とはなっていない。したがって、正電圧を印加した
相に流れる電流が所定値ie以上であるようにしておけ
ば、各相電流から電気角θを一意に求めることができ
る。図10のマップを参照して電気角θを決定した後、
「END」に抜けて処理を終了する。
【0054】ステップS200において、電気角の検出
が既に行なわれていると判断された場合には、ステップ
S270に移行し、次の処理を行なって、所定の相間に
電圧を印加する。つまり、既に電気角の検出が行なわれ
ていることから、CPU101は、現在の同期モータ4
0の回転数(電気角の所定時間内の変化の逆数)、回転
の加速度(回転数の微分値)を知ることができる。そこ
で、これらの情報から回転子50のおおよその位置を推
定し、その位置が、正電圧が印加されたコイルに流れる
電流が所定値ie未満となる位置になる可能性があるか
否かを判断する。その可能性がなければ、そのまま予め
予定した相間に電圧を印加する。他方、正電圧を印加し
たコイルに流れる電流が所定値ie未満となる可能性が
あれば、電圧を印加する相間の組み合わせを変更し、電
圧E1を印加する。その上で、各相電流を電流センサ1
22〜126により検出する(ステップS280)。即
ち、このステップS270での判断およびステップS2
80での各相電流の検出は、実際に電圧を印加して行な
ったステップS210ないしS250の処理を、理論的
な可能性に基づく判断として行なうことに等しい。
【0055】ステップS280の処理の後、検出した各
相電流に基づいて、図10のマップを参照し、電気角θ
を決定する(ステップS260)。以上の処理によっ
て、第2の方法による電気角の検出が行なわれたことに
なる。
【0056】図5に示したように、第1の方法により電
気角θの検出がなされるか(ステップS150)、第2
の方法により電気角θの検出がなされると(ステップS
160)、次のこの電気角θを用いて、インバータ11
0を制御し、三相同期モータ40の各相の固定子コイル
32に必要な電流を流す処理を行なう(ステップS17
0)。トルク指令値T*と電気角θに応じて必要となる
各相電流は予め分かっているから、これをパルス幅の情
報に変換し、必要な時間だけインバータ110の主ドラ
イブ回路114の各スイッチング素子をターン・オンす
べく、信号Vu,Vv,Vwを、出力ポート107を介
して出力する。インバータ110は、この信号をインタ
フェース部112を介して受け取り、プリドライブ回路
116,118を介して主ドライブ回路114をドライ
ブする。
【0057】こうして第1もしくは第2の方法により電
気角θの検出と、電気角θに基づく固定子コイル32の
各相電流の制御とが、モータ停止の指示があるまで繰り
返す(ステップS135ないしS180)。なお、モー
タ停止の指示は、トルク指令値T*が値0となることと
等価である。また、回転子50の回転数Nhにより電気
角検出の手法を切り換える判定値となっている所定回転
数Nref は、制御のハンチングを防止するために、第2
の方法が選択されると所定回転数分だけ大きな値に切り
換えるものとするなど、いわゆるヒステリシスを設けた
構成とすることも好ましい。
【0058】以上説明した制御によれば、トルク指令値
T*が指定されて三相同期モータ40を起動する場合
に、まず三相同期モータ40が所定回転数Nref 以上で
回転しているものとみなして第1の方法により電気角θ
の検出を行ない、回転数が検出できない場合には、回転
数が低いと判断し、第2の方法により電気角θの検出を
行なう。したがって、三相同期モータ40がトルク指令
値T*を受けて起動するときに、三相同期モータ40
が、その回転軸55に接続された外部の機器により回転
されていたとしても、三相同期モータ40の電気角を短
時間のうちに検出して、三相同期モータ40を適正に制
御することができる。ここで、最初に第2の方法により
電気角を検出しようとすると、第2の方法は、回転子5
0が停止しているか低回転の場合を想定しており、逆起
電圧は存在しないことを前提としているから、回転子5
0の回転により固定子コイル32に誘導される逆起電圧
が存在すると、電気角θを誤って検出することがあり得
る。これに対して、本実施例によれば、三相同期モータ
40の起動時には、逆起電圧を用いて電気角を検出しよ
うとするので、逆起電圧により、誤った電気角検出を行
なうことがない。回転子50が低回転数で回転している
場合には、単に電気角の検出が行なえないだけだからで
ある。
【0059】三相同期モータ40の回転子50が三相同
期モータ40の起動前にある程度の回転数で回転してい
るといった使用形態は種々考えられるが、一例を図13
に示す。この例では、原動機250の出力軸であるクラ
ンクシャフト256に二つのモータ(以下、クラッチモ
ータ,アシストモータと呼ぶ)230,240が直列に
取り付けられており、原動機250および駆動輪22
6,228に結合されたプロペラシャフト225との間
で、動力のやり取りを行なっている。詳しい駆動回路な
どは図示を省略するが、この二つのモータ230,24
0は、一体となってトルク変換を行ないつつ動力を伝達
する動力伝達装置220を構成している。図13は、ハ
イブリッド車輌の動力系を模式的に示している。この車
両には、動力源である原動機250としてガソリンによ
り運転されるガソリンエンジンが備えられている。この
原動機250は、吸気系からスロットルバルブ266を
介して吸入した空気と燃料噴射弁251から噴射された
ガソリンとの混合気を燃焼室252に吸入し、この混合
気の爆発により押し下げられるピストン254の運動を
クランクシャフト256の回転運動に変換する。ここ
で、スロットルバルブ266はモータ268により開閉
駆動される。点火プラグ262は、イグナイタ258か
らディストリビュータ260を介して導かれた高電圧に
よって電気火花を形成し、混合気はその電気火花によっ
て点火されて爆発燃焼する。
【0060】この原動機250の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)270により制御さ
れている。EFIECU270には、原動機250の運
転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、
スロットルバルブ266の開度を検出するスロットルポ
ジションセンサ267や、原動機の250の負荷を検出
する吸気管負圧センサ272、原動機250の水温を検
出する水温センサ274、ディストリビュータ260に
設けられクランクシャフト256の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ276及び回転角度センサ278
などである。なお、EFIECU270には、この他、
例えばイグニッションキーの状態STを検出するスター
タスイッチ279なども接続されているが、その他のセ
ンサ,スイッチなどの図示は省略した。
【0061】原動機250のクランクシャフト256
は、動力伝達装置220を介して駆動軸222に結合さ
れている。駆動軸222はディファレンシャルギヤ22
4に結合されており、駆動軸222から出力されるトル
クは最終的に左右の駆動輪226,228に伝達され
る。動力伝達装置220は、制御装置280により制御
されている。制御装置280の構成は後で詳述するが、
内部には制御CPUが備えられており、シフトレバー2
82に設けられたシフトポジションセンサ284やアク
セルペダル264に設けられたアクセルペダルポジショ
ンセンサ264a、あるいはブレーキペダル265の踏
み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ2
65aなども接続されている。また、制御装置280
は、上述したEFIECU270と通信により、種々の
情報をやり取りしている。
【0062】この動力伝達装置220のクラッチモータ
230は、そのインナーロータ232が、クランクシャ
フト256の連結されており、三相コイルが巻回された
側(上述した三相同期モータ40では固定子30として
説明した側)も回転可能なアウターロータ234として
構成されている。このアウターロータ234は、プロペ
ラシャフト225に結合されたアシストモータ240の
ロータ242に結合されている。クラッチモータ230
とアシストモータ240とは、それぞれインバータ23
8,248に接続されており、制御装置280により制
御されるインバータ238,248との間で電力のやり
取りを行なう。例えば、クラッチモータ230のアウタ
ーロータ234の三相コイルに流す電流を制御すること
で、クラッチモータ230のインナーロータ232とア
ウターロータ234との電磁的な結合の度合いを制御す
ることができる。そこで、インバータ238を制御し
て、原動機250の出力の一部がクラッチモータ230
を介してプロペラシャフト225に伝達され、残りのエ
ネルギがクラッチモータ230からインバータ238を
介して電気エネルギとして取り出される状態を作り出す
ことができる。クラッチモータ230から電流の形態で
取り出された原動機250の出力エネルギの一部は、図
示しないバッテリに蓄えても良いが、そのままアシスト
モータ240の駆動用に用いることもできる。この場合
には、アシストモータ240によりプロペラシャフト2
25にトルクが付与されることになり、結果的に、原動
機250の出力エネルギ(クランクシャフト256の回
転数×トルク)を、クランクシャフト256の回転数よ
り低い回転数×高いトルクとして、プロペラシャフト2
25に出力することができる。もとよりこの逆のエネル
ギ変換も可能である。即ち、動力伝達装置220は、ク
ラッチモータ230とインバータ238との間の電力の
出し入れとアシストモータ240とインバータ248の
間の電力の出し入れとが調整されることにより、原動機
250側からの動力を様々に変換して、プロペラシャフ
ト225側に伝達することができるのである。なお、制
動時や下り坂を走行するような場合には、原動機250
の運転を止め、更に走行する車輌の慣性エネルギをアシ
ストモータ240により回収するだけの運転モードも存
在する。
【0063】こうした構成では、車輌が走行していれ
ば、クラッチモータ230やアシストモータ240は、
運転されていないがそのロータは回転しているという状
態がしばしば生じる。その状態から、例えばアシストモ
ータ240によるトルクの付与が必要となって制御装置
280がアシストモータ240を起動しようとする場合
があり得る。こうした場合には、上述したように、まず
逆起電圧による第1の方法で電気角を検出し、その検出
結果により電気角の検出方法を切り換えることにより、
電気角を適正に検出することができる。同様に、クラッ
チモータ230でも、例えば車輌走行中に原動機250
が停止されて、クラッチモータ230が空回りしている
状態から、インナーロータ232とアウターロータ23
4との電磁的な結合を生じさせてクランクシャフト25
6をクランキングしようとする時にも、まず逆起電圧に
基づく第1の方法で電気角検出する処理から開始するこ
とにより、電気角を適正に検出することができる。
【0064】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。第2実施例の同期モータの運転制御装置は、第1実
施例と同一のハードウェア構成を有し、起動時の電気角
の検出の手法のみが異なる。第2実施例における同期モ
ータ制御処理ルーチンを図14に示す。この処理ルーチ
ンは、第1実施例の処理(図5)に対応しており、ステ
ップS340以下は、図5のステップS140以下とほ
ぼ同一である。両処理ルーチンの一番の相違は、第1実
施例では、モータの起動後に第1の方法により電気角を
検出し、この電気角に基づいて回転子50の回転数を検
出したのに対して、第2実施例では、モータ回転数を電
気角の検出とは異なる手法で行なっている点である。以
下、この点を中心に、第2実施例における同期モータ制
御処理ルーチンについて説明する。
【0065】図14に示した処理ルーチンでは、モータ
の起動が指示されるまで待ち(ステップS300)、モ
ータの起動が指示されると、モータ回転数検出処理を実
行する(ステップS310)。このモータ回転数検出処
理については、後で詳しく説明する。この処理により、
モータの回転Nhが検出されると、次にこの回転数が予
め定めた所定回転数Nref より大きいか否かを判断し
(ステップS340)、以下第1実施例と同様、回転子
50の回転数Nhが所定回転数Nref より大きければ、
第1の方法により電気角θを検出し(ステップS35
0)、所定回転数Nref 以下であれば、第2の検出方法
により電気角θを検出する(ステップS360)。その
後、検出した電気角により三相同期モータ40の各相電
流を制御し(ステップS370)、次に検出した電気角
θに基づいて回転数Nhを演算する処理を行なう(ステ
ップS375)。ここでの回転数Nhの演算は、ステッ
プ310における回転数検出とは異なり、単位時間当た
りの電気角の変化量に基づいて容易に求めることができ
る。以上の処理(ステップS340ないしS375)
を、三相同期モータ40が停止するまで繰り返す(ステ
ップS380)。
【0066】三相同期モータ40の起動直後に行なうモ
ータ回転数の検出処理(ステップS310)について詳
しく説明する。この処理は、図15に示すように、まず
インバータ110のに対する短絡処理を行なう(ステッ
プS311)。この処理は、インバータ110の主ドラ
イブ回路114のソース側(プリドライブ回路116に
よりドライブされる側)の全スイッチング素子をオン状
態とする信号を出力する処理である。なお、シンク側
(プリドライブ回路118側)を総てオンとしても差し
支えない。
【0067】このようにソース側またはシンク側の総て
のスイッチング素子をオン状態にすると、各巻線は総て
短絡された状態となり、仮に回転子50が回転している
とすると、各巻線には短絡電流が流れる。この短絡電流
は後述するように、回転子50の回転数に応じている。
そこで、次に短絡電流が検出可能となるまで待機する処
理を行なう(ステップS312)。通常この処理は、所
定時間待機することに相当する。所定時間の経過を待っ
た後、電流センサ122〜126の出力を入力ポート1
06を介して読み込み、各相の電流Iu,Iv,Iwを
検出する処理をおこなう(ステップS313)。その
後、読み込んだ電流に基づいて三相→二相変換による短
絡電流の絶対値、すなわち振幅|I|を演算する処理を
行なう(ステップS314)。この処理は、次式(5)
を演算することに等しい。
【0068】
【数5】
【0069】かかる式(5)により、短絡電流の振幅|
I|求められる根拠について説明する。今、各相電流I
u,Iv,Iwが測定されたとき、これを三相→二相変
換して、d軸,q軸の電流Id,Iqに変換すると、 Id=Iu−Iv/2−Iw/2 Iq=√3・(Iv−Iw)/2 Iw=−Iu−Iv なる関係が成立することが知られている。この関係を利
用して、短絡電流の振幅|I|を求めると、|I|=
(Id2 +Iq2 1/2 であることを利用して、上記
(5)式が導かれる。
【0070】短絡電流の振幅|I|を求めた後、この振
幅|I|に基づいて回転数を計算する処理を行なう(ス
テップS315)。短絡電流の振幅|I|と回転子50
の回転数Nhとの間には、図16に示すように、一対一
の関係が存在するから、短絡電流の振幅から回転数Nh
を求めることは容易である。なお、短絡時間は、モータ
40の電気的時定数L/R(Lは、三相コイルのインダ
クタンス、Rはモータの抵抗値)に比べると、1/10
0〜1/10程度の短い時間である。したがって、短絡
電流で三相同期モータ40が回転数ということはない。
【0071】本実施例では、以上説明したように、三相
同期モータ40の起動直後に、電気角の検出に先立っ
て、まず回転子50の回転数Nhを短絡電流により検出
し、この回転数Nhの大きさに基づいて、以後の電気角
の検出方法を定め、電気角の検出と、これに基づく各相
電流の制御とを行なっている。したがって、三相同期モ
ータ40の起動時に、回転子50が外部の動力や慣性な
どにより既に回転している場合でも、電気角を適正に検
出し、三相同期モータ40の駆動電流を適正に制御する
ことができる。
【0072】以上本発明の第1,第2の実施例について
説明したが、これらの実施例における電気角検出のため
の第1の方法,第2の方法には、様々な手法が存在す
る。これらの手法について、以下説明する。
【0073】電気角を検出する第1の方法 電気角を検出する第1の方法は、回転子が所定回転数以
上で回転している場合に実用的な精度を有する検出方法
であれば採用することができる。上述した第1,第2実
施例では、逆起電力を用いて検出する方法を説明した
が、この他、モータモデルに基づいて電気角を検出する
方法が知られている。図17は、第1の検出方法により
電気角を検出する回路と、三相コイルのインダクタンス
を用いて電気角を検出する第2の方法を実現する回路と
を、組み込んだモータ制御装置の概略構成図である。
【0074】図17に示すように、この構成例では、モ
ータ電流制御回路400は、A/D変換器402により
ディジタルデータとして読み込んだU相およびV相の電
流を、q軸およびd軸のデータに変換し、これとトルク
指令値とから比例・積分(PI)制御を行ない、結果を
今度はU,V,Wの三相の信号を変換し、更に、電圧信
号に変換すると共に、パルス幅変調をかけ、デッドタイ
ム制御を加えて、三相同期モータ40の各巻線に出力し
ている。
【0075】この時、電気角は、所定回転数以上で回転
中の場合には、第1の電気角演算器420により演算さ
れる。この電気角演算器420は、各相電流Iu,Iv
およびモータ電流制御回路400内部のU,V,Wの電
圧値に基づいて電気角θを微分した値である速度推定値
を求めると共に、γ軸方向の電圧信号vγを演算し、各
相信号Iu,Ivから推定した推定電圧vγ′との差分
△γにPI演算を施し、速度推定値の符号により電気角
速度を決定すると共に、これに基づきフィードバック電
流を算出し、これをモータ電流制御回路400に出力す
る。こうして、回転子50が所定回転数以上の回転して
いる場合に、その電気角(ここでは電気角速度)を求め
ることができる。なお、電気角速度は、積分され、電気
角信号として三相をd,q軸信号に変換する回路やモー
タの回転数が所定回転数以下の場合にパルス電圧を所定
周期で印加するための回路415に出力される。
【0076】回転子50が静止しているとき、あるいは
所定回転数以下の場合には、各相電流Iu,Ivに基づ
いて、電気角を演算する。この演算は、インダクタンス
方式で電気角を求める第2の電気角演算器412によ
り、電気角テーブル422を参照することにより行なわ
れる。こうして求めた電気角信号は、第1の電気角演算
器420の演算結果と、回転数により択一的に採用さ
れ、上述したモータの駆動用電流の制御に用いられる。
【0077】なお、第1の検出方法としては、例えば回
転軸55の外周に設けた回転数センサを用いることも可
能である。こうした回転数センサは、回転軸55にとり
つけられた永久磁石と、回転軸55の外周に設けられた
ホール素子等から構成することができる。回転軸55に
設けられた回転数センサは、回転軸55の1回転に一つ
のパルスを出力するに過ぎないから、回転数が低い場合
には、電気角の検出には供することができない。しか
し、回転数が所定以上になれば、パルス間隔を適当に分
割することにより、電気角を予測することが可能にな
る。回転子50にはその質量に拠る慣性モーメントが存
在するから、通常の運転条件下では、モータの回転数が
不連続に変化することはあり得ない。従って、モータの
回転数は連続的に変化するとみなして良いから、回転子
50の回転数が所定以上であれば、回転数センサからの
信号に基づいて現在の電気角を求めることは可能であ
る。
【0078】電気角を検出する第2の方法 電気角を検出する第2の方法は、回転子の回転数が所定
回転数以下で実用的な精度を有する検出方法であれば、
採用することができる。上述した第1,第2実施例で
は、巻線のインダクタンスの変化を利用して回転子の電
気角を検出する基本的な方法を用いたが、所定回転数以
下で電気角を検出できるものであれば、利用可能であ
る。
【0079】インダクタンスを用いた電気角検出方法に
は、様々なバリエーションが存在する。例えば、特開平
7−177788には、多数の手法が示されており、こ
れらの電気角の検出手法は、全て本発明の第2の検出方
法に含まれる。また、巻線のインダクタンスに基づく電
気角の検出方法としては、これ以外にもいくつかの手法
が知られている。例えば、上記実施例では、相間に印加
する電圧を磁気飽和を生じる程度の電流に対応したもの
とし、電気角と電流(インダクタンス)とが、電気角0
〜πおよびπ〜2πで異なっているものとしたが、各相
コイルの線形領域を用い(即ち、磁気飽和が生じない範
囲の電流を流し)、電気角を0〜πもしくはπ〜2πの
範囲内で測定し、その後、追加的に測定もしくは演算を
行なって、電気角がいずれの範囲(0〜πもしくはπ〜
2π)に属するかを決定することで、電気角を最終的に
求めるといった手法も採用可能である。また、電気角の
検出時には、同期モータとしての駆動電流は、一時的に
オフにして電流値を測定する手法の他、駆動電流に測定
用の電流を重畳し、予め測定しておいた駆動用電流によ
る影響を除いて、電気角を検出するという手法も採用可
能である。以下、これらを代表して、電気角の測定を2
つのステップに分けて検出する手法について説明する。
以下の説明において、0〜πもしくはπ〜2πのいずれ
かの範囲内で特定された電気角をφと記載し、0〜2π
の範囲で一義的に特定された電気角をθと呼んで区別す
る。
【0080】かかる電気角検出方法の概要を、図18の
フローチャートに示した。第2の検出方法は、ECU3
00内部で行なわれる処理により実現される。図18に
示した電気角検出処理ルーチンが起動されると、まず、
U−VW相間に電圧を印加し(ステップS500)、こ
の電圧に対応し各相コイルに流れる各相電流を測定する
(ステップS510)。ここで、U−VW相間に印加す
る電圧は、各相コイルにおいて磁気飽和を生じない程度
の電流となるよう予め定めた電圧である。この電圧に応
じて流れる各相電流と電気角との関係は予め測定し、両
者の相関関係を記憶したマップを、ROM102に予め
用意しておく。
【0081】次に、検出した各相電流を用いて、データ
を正規化する処理を行なう(ステップS530)。この
正規化の処理は、次のように行なう。図19は、ステッ
プS500の処理により各相に流れた電流をロータの電
気角θに応じて示したグラフである。図示するように、
正電圧を印加したU相では正の電流が流れ、負電圧を印
加したV相,W相では負の電流が流れている。図7に示
したように、U相を流れる電流は、V相,W相に流れる
電流の総和に等しいから、U相を流れる電流は、他の2
相の電流の平均の2倍となっている。そこで、まずU相
の検出電流Iuを1/2にし、更に、その電流の平均値
が0となるようU相の検出電流Iuをシフトする。他
方、V相,W相の検出電流Iv,Iwも平均電流が0と
なるようシフトする。この結果、図20として示したよ
うに、各電流Iu,Iv,Iwがそれぞれ120度(2
π/3)だけずれた関係が得られる。これが正規化の処
理である。相間に印加した電圧は、磁気飽和とならない
程度の電流に対応したものとなっているので、正規化に
より得られた各電流Iu,Iv,Iwは、ほぼ同一の波
形をしている。
【0082】図20から明らかなように、各相電流I
u,Iv,Iwの関係は、区間0〜πと区間π〜2πと
で、同一である。即ち、各相電流Iu,Iv,Iwを測
定しても、得られた三者の値からは、電気角がいずれの
区間であるかは特定することができない。そこで、ま
ず、電気角φをこのいずれかの区間にあるとして演算し
(図18ステップS530)、次に角度検出が初めてか
否かを判断し(ステップS540)、初めてであれば電
気角が区間0〜πもしくはπ〜2πのいずれに属するか
を特定する処理を行なう(ステップS550)。この判
断は、例えば第1実施例で説明した飽和領域の電流を流
してそのインダクタンスから電気角を0〜2πの範囲で
特定する手法などを用いることができる。他方、角度検
出が既に行なわれているのであれば、前回の位置(電気
角)とその回転の速度とから、現在の回転子50の位置
(電気角)の属する区間を特定する処理を行なう(ステ
ップS560)。第1実施例でも説明したように、所定
のインターバルで繰り返し電気角の検出を行なっていれ
ば、現在の同期モータ40の回転数から、次の位置はお
およそ特定できるので、現在の電気角の属する区間を誤
る心配はない。以上の処理によって、最終的に0〜2π
の範囲での電気角θを求めることができる。
【0083】以上説明した処理のうち、所定の相間に電
圧を印加して電気角φを0〜πもしくはπ〜2πのいず
れかの区間で演算する処理と、電気角がいずれの区間に
属するかを判定する処理とは、独立の処理として扱うこ
とができる。これらの各ステップの様々な実現方法、実
施する装置に関しては、特願平6−238500号(特
開平7−177788号)に詳しい。
【0084】このほかにも、電気角の第2の検出方法と
しては、種々の構成を考えることができる。例えば、三
相コイルのU,V,Wの各相に一度に電圧を印加し、こ
れに対応した電流を計測して各相電流Iu,Iv,Iw
と電気角との相関を求めてマップを作成しておくことが
できる。電気角の計測時には、一度に各相コイルに電圧
を印加して各相電流を計測し、この電流に基づいて予め
用意したマップを参照すればよい。このほかにも、所定
回転数以下で実用的な精度で電気角を検出可能な手法で
あれば、いかなる手法であれ、採用することができる。
【0085】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる態様で実施できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのモータ制御装置1
0の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の固定子30を組み込んだ三相同期モー
タ40の構造を示す断面図である。
【図3】実施例で用いた三相同期モータ40の固定子3
0と回転子50との関係を示す端面図である。
【図4】実施例におけるインバータ110の内部構成を
示す回路図である。
【図5】同期モータの制御処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図6】第1の電気角検出処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図7】実施例における三相同期モータの等価回路を示
す説明図である。
【図8】U−VW相間に電圧E1を印加した場合のU相
電流Iu(t)の過渡応答を示すグラフである。
【図9】電気角θと各相電流Iu,Iv,Iwとの関係
を示すグラフである。
【図10】各相電流の組み合わせから電気角θを求める
ためのマップを示す説明図である。
【図11】第1実施例における電気角の第2の検出方法
の具体的に処理内容を示すフローチャートである。
【図12】印加電圧E1に対する検出電流の実例を示す
グラフである。
【図13】本実施例の同期モータ制御装置が組み込まれ
る得るハイブリッド車輌の動力伝達系を示す模式図であ
る。
【図14】第2実施例における同期モータ制御処理ルー
チンを示すフローチャートである。
【図15】回転数検出処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図16】第2実施例で用いた回転数検出方法における
電流Iと回転数Nhとの相関を示すグラフである。
【図17】モータモデルを用いて電気角の検出を行なう
第1の検出方法を実現したモータ電流制御回路400の
内部構成を示すブロック図である。
【図18】電気角を二つのステップに分けて検出する手
法としての電気角検出ルー端を示すフローチャートであ
る。
【図19】図18に示した手法による各相電流の関係を
示すグラフである。
【図20】各相電流を正規化した様子を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10…同期モータ制御装置 20…ステータ 22…ティース 24…スロット 30…固定子 32…固定子コイル 34…ボルト 40…三相同期モータ 50…回転子 51〜54…永久磁石 55…回転軸 57…ロータ 60…ケース 61,62…軸受 71…突極 100…制御用ECU 101…CPU 102…ROM 103…RAM 104…タイマ 105…バス 106…入力ポート 107…出力ポート 110…インバータ 112…インタフェース部 114…主ドライブ回路 116,118…プリドライブ回路 122,124,126…電流センサ 132〜136…ADC 220…動力伝達装置 222…駆動軸 224…ディファレンシャルギヤ 225…プロペラシャフト 226,228…駆動輪 230…クラッチモータ 232…インナーロータ 234…アウターロータ 238,248…インバータ 240…アシストモータ 242…ロータ 250…原動機 251…燃料噴射弁 252…燃焼室 254…ピストン 256…クランクシャフト 258…イグナイタ 260…ディストリビュータ 262…点火プラグ 264…アクセルペダル 264a…アクセルペダルポジションセンサ 265…ブレーキペダル 265a…ブレーキペダルポジションセンサ 266…スロットルバルブ 267…スロットルポジションセンサ 268…モータ 270…EFIECU 272…吸気管負圧センサ 274…水温センサ 276…回転数センサ 278…回転角度センサ 279…スタータスイッチ 280…制御装置 282…シフトレバー 284…シフトポジションセンサ 300…ECU 310…インバータ 314…主ドライブ回路 316…プリドライブ回路 400…モータ電流制御回路 402…A/D変換器 412…第2の電気角演算器 420…第1の電気角演算器 422…電気角テーブル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−359691(JP,A) 特開 平7−337080(JP,A) 特開 平7−327390(JP,A) 特開 平7−245983(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相交流を巻線に流し、該巻線による磁
    界と永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回
    転させる同期モータの運転を制御する方法であって、 前記同期モータの運転を開始した直後には、回転子の回
    転数が所定値以上で実用的な精度を有する第1の検出方
    法により該回転子の電気角を検出し、該電気角に基づい
    て前記巻線に流す電流を制御し、 該検出した電気角の変化に基づいて前記回転子の回転数
    を求め、 該求めた回転数が前記所定値以下と判断した場合には、
    回転子の回転数が前記所定値以下で実用的な精度を有す
    る第2の検出方法により前記電気角を検出し、該電気角
    に基づいて前記巻線に流す電流を制御する同期モータの
    運転制御方法。
  2. 【請求項2】 多相交流を巻線に流し、該巻線による磁
    界と永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回
    転させる同期モータの運転を制御する方法であって、 前記同期モータの運転を開始する以前に、回転子が所定
    回転数以上で回転しているか否かを検出し、 該回転子が所定回転数以上で回転している場合には、該
    回転数以上で実用的な精度を有する第1の検出方法によ
    り該回転子の電気角を検出し、該電気角に基づいて前記
    巻線に流す電流を制御し該回転子が所定回転数未満で回
    転している場合には、該回転数未満で実用的な精度を有
    する第2の検出方法により前記電気角を検出し、該電気
    角に基づいて前記巻線に流す電流を制御する同期モータ
    の運転制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の同期モー
    タの運転制御方法であって、 前記第1の検出方法は、モータモデルに基づいて前記回
    転子の電気角を検出する方法であり、 前記第2の検出方法は、前記巻線のインダクタンスに基
    づいて前記電気角を検出する方法である同期モータの運
    転制御方法。
  4. 【請求項4】 多相交流を巻線に流し、該巻線による磁
    界と永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回
    転させる同期モータの運転制御装置であって、 回転子の回転数が所定値以上で実用的な精度を有する第
    1の検出方法により該回転子の電気角を検出する第1電
    気角検出手段と、 前記回転子の回転数が前記所定値以下で実用的な精度を
    有する第2の検出方法により該回転子の電気角を検出す
    る第2電気角検出手段と、 少なくとも前記第1電気角検出手段が検出した電気角の
    変化に基づいて前記回転子の回転数を求める回転数演算
    手段と、 前記同期モータの運転を開始した直後には、前記第1電
    気角検出手段より電気角を求め、該求めた電気角に基づ
    いて前記回転数演算手段により前記回転子の回転数を求
    め、該求めた回転数が前記所定値以下と判断された場合
    には、電気角の検出を前記第2電気角検出手段に切り換
    える切換手段と、 該第1または第2電気角検出手段により検出された電気
    角に基づいて前記巻線に流す電流を制御する制御手段と
    を備えた同期モータの運転制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の同期モータの運転制御装
    置であって、 前記第1電気角検出手段は、前記第1の検出方法とし
    て、モータモデルに基づいて前記回転子の電気角を検出
    する方法を用いる手段であり、 前記第2電気角検出手段は、前記第2の検出方法とし
    て、前記巻線のインダクタンスに基づいて前記電気角を
    検出する方法を用いる手段である同期モータの運転制御
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の同期モータの運転制御装
    置であって、 前記第2電気角検出手段は、 多相の各巻線間に電流が流れる組合わせに対して所定の
    計測電圧を印加する計測電圧印加手段と、 該計測電圧印加手段により印加された計測電圧によって
    多相の各巻線に流れる電流の挙動を各々検出する電流挙
    動検出手段と、 前記組合わせに対して所定の計測電圧を印加したときに
    該印加した計測電圧に応じて多相の各巻線間に流れる電
    流の挙動と電気角との関係を予め記憶する記憶手段と、 前記検出された電流の挙動に基づき、前記記憶手段に記
    憶された関係を参照して、前記回転子の電気角を0〜2
    πの間で求める電気角演算手段とからなる同期モータの
    運転制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の同期モータの運転制御装
    置であって、 前記第2電気角検出手段は、 多相の各巻線間に所定の計測電圧を印加する電圧印加手
    段と、 該電圧印加手段により印加された計測電圧によって多相
    の各巻線に流れる電流の挙動を各々検出する電流挙動検
    出手段と、 前記計測電圧を印加する時点で前記各巻線間に供給され
    ている駆動用電流を検出する駆動用電流検出手段と、 前記同期モータに駆動用電流を流した状態で、所定の計
    測電圧を印加したときに該印加した計測電圧に応じて多
    相の各巻線間に流れる電流の挙動と電気角との関係を予
    め記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された関係を参照し、前記検出され
    た電流の挙動と前記検出された駆動用電流とから、前記
    モータの電気角を0〜2πの間で求める電気角演算手段
    とからなる同期モータの運転制御装置。
  8. 【請求項8】 多相交流を巻線に流し、該巻線による磁
    界と永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回
    転させる同期モータの運転制御装置であって、 前記同期モータの運転を開始する以前に、回転子が所定
    回転数以上で回転しているか否かの判定を行なう回転数
    判定手段と、 該回転子が所定回転数以上で回転している場合には、該
    回転数以上で実用的な精度を有する第1の検出方法によ
    り該回転子の電気角を検出し、該電気角に基づいて前記
    巻線に流す電流を制御する第1制御手段と、 該回転子が所定回転数未満で回転している場合には、該
    回転数未満で実用的な精度を有する第2の検出方法によ
    り前記電気角を検出し、該電気角に基づいて前記巻線に
    流す電流を制御する第2制御手段とを備えた同期モータ
    の運転制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の同期モータの運転制御装
    置であって、 前記回転数判定手段は、 前記多相交流が流される前記巻線を所定時間短絡し、該
    各巻線の該短絡された回路に流れる電流を検出する短絡
    電流検出手段と、 該検出された短絡電流に基づいて、前記回転数を求める
    回転数演算手段とを備え、前記回転数の判定を該求めら
    れた回転数により行なう同期モータの運転制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の同期モータの運転制御
    装置であって、 前記第1制御手段は、前記第1の検出方法として、モー
    タモデルに基づいて前記回転子の電気角を検出する方法
    を用いる手段であり、 前記第2制御手段は、前記第2の検出方法として、前記
    巻線のインダクタンスに基づいて前記電気角を検出する
    方法を用いる手段である同期モータの運転制御装置。
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