JP3486155B2 - 層間絶縁膜の形成方法 - Google Patents

層間絶縁膜の形成方法

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JP3486155B2 JP2000197596A JP2000197596A JP3486155B2 JP 3486155 B2 JP3486155 B2 JP 3486155B2 JP 2000197596 A JP2000197596 A JP 2000197596A JP 2000197596 A JP2000197596 A JP 2000197596A JP 3486155 B2 JP3486155 B2 JP 3486155B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路装置
における多層配線構造の層間絶縁膜の形成方法に関し、
特に、有機無機ハイブリッド材料(有機シリコン結合を
有するシロキサン材料)をプラズマ重合することによ
り、低誘電率を有する層間絶縁膜を形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機シリコン結合を有するシロキサン材
料からなる層間絶縁膜としては、塗布法により形成され
る有機SOG膜、及び有機シリコン化合物をプラズマ重
合により形成される、有機シリコン結合を有するシロキ
サン膜が知られている。
【0003】有機SOG膜の形成方法としては、有機シ
リコン結合を有するシロキサン高分子の溶液を室温にお
いて基板上に塗布して塗布膜を得た後、該塗布膜に対し
てホットプレートを用いる熱処理を行なって溶媒を蒸発
させ、その後、不活性ガスの雰囲気中における400℃
の高温下で焼き締めを行なう方法が一般的である。この
焼き締め工程においては、シロキサン高分子を構成する
シラノール(Si−OH)結合が脱水縮合反応を起こし
てシロキサン重合体が形成されるため、有機SOGが緻
密化される。
【0004】また、プラズマ重合により、有機シリコン
結合を有するシロキサン膜を形成する方法は、有機シリ
コン化合物と一酸化窒素等の酸化剤とをプラズマCVD
法により重合反応させて有機シラノールを生成した後、
該有機シラノール同士を重合反応させて、有機シリコン
結合を有するシロキサン膜を形成する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の有機
SOG膜の形成方法によると、塗布膜に対して熱処理を
行なって溶媒を蒸発させるため、有機SOG膜中の溶媒
が完全に除去されないので、有機SOG膜中に残存する
溶媒が、膜形成後に行なわれる熱処理工程において徐々
に蒸発する脱ガス現象が発生する。このため、コンタク
トホールに金属膜を埋め込む際に、脱ガス現象により埋
め込み不良が発生するので、コンタクト抵抗の上昇とい
う異常を引き起こしてしまう。
【0006】プラズマ重合により、有機シリコン結合を
有するシロキサン膜を形成する方法によると、シラノー
ル結合の脱水縮合反応によりシラノール重合体が形成さ
れる際に、未反応のシラノールが膜中に残留するので、
膜形成後に行なわれる集積化プロセスにおける熱履歴に
より、残留シラノールの脱水縮合反応が徐々に進行す
る。このため、残留シラノールの脱水縮合反応によって
生成される水が蒸発する脱ガス現象が発生するので、コ
ンタクト抵抗の上昇という異常が引き起こされる。
【0007】また、プラズマ重合により、有機シリコン
結合を有するシロキサン膜を形成する方法によると、成
膜温度が300℃以上になると、有機シリコン結合が膜
中に有効に取り込まれないので、比誘電率が低くならな
いという問題がある。
【0008】そこで、室温程度の低温でシロキサン膜を
形成した後、該シロキサン膜に対して200℃程度の温
度下において特殊な熱処理を行なって、シロキサン膜を
安定化させる方法が提案されているが、この方法は、特
殊な熱処理工程が必要になるため、該熱処理工程におけ
る温度及び雰囲気の精密な制御が不可欠になるので、実
用的ではない。
【0009】前記に鑑み、本発明は、比誘電率が低くて
且つ脱ガス現象が発生し難い絶縁膜を特殊な熱処理工程
を行なうことなく形成できるようにすることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の層間
絶縁膜の形成方法は、有機シリコン化合物を含む原材料
を、希釈ガスとしての窒素ガスが含まれる雰囲気中にお
ける低い真空度の下でプラズマ重合させて有機無機ハイ
ブリッド膜からなる層間絶縁膜を形成するものである。
【0011】第1の層間絶縁膜の形成方法によると、窒
素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空度の条件下
でプラズマ重合させるため、プラズマの電子温度を低く
制御できると共に、プラズマのエネルギーを窒素ガスの
励起に消費することができるので、有機シリコン結合の
プラズマによる分解を抑制することができる。従って、
有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効に
取り込むことができるので、層間絶縁膜の比誘電率を低
くすることができる。
【0012】また、有機シリコン結合を有機無機ハイブ
リッド膜中に有効に取り込むことができるため、脱ガス
の原因となるシラノールの生成を抑制することができる
と共に、有機シリコン結合はシラノールに比べて熱的に
安定であって膜形成後の集積化プロセスにおける熱履歴
により反応し難いので、層間絶縁膜において脱ガス現象
が発生する事態を防止することができる。
【0013】第1の層間絶縁膜の形成方法において、真
空度は650Pa以上であることが好ましい。
【0014】ところで、真空度の値は、CVD装置の処
理室内の温度、プロセスガスの温度及び処理室の容積等
の条件によって異なる。そこで、これらの条件に左右さ
れない値であるプロセスガスの滞空時間を用いてプロセ
スを制御することが好ましい。以下の換算式を用いて、
プロセスガスの滞在時間を真空度と1対1で対応するよ
うに規定できる。
【0015】換算式:プロセスガスの滞留時間T=(処
理室の容積)/V2=(処理室の容積)×(P1/P
2)×(T2/T1)×V1 但し、V1:プロセスガス流量 V2:処理室内のガス流量 P1:プロセスガス圧力 P2:処理室内のプロセスガス分圧 T1:プロセスガス温度 T2:処理室内の温度 本発明においては処理室容積は127000mlであっ
た。プロセスガス流量V1は2000ml/minで一
定とし、プロセスガス圧力P1は1Paで一定とし、プ
ロセスガス温度T1は常温(=25℃)で一定とし、処
理室内温度T2は200℃で一定とした。また、希釈ガ
スとして5000ml/minの窒素ガスを用いたの
で、処理室内のプロセスガス分圧P2は、真空度の2/
7として計算できる。以上の条件で、真空度とプロセス
滞留時間との関係を求めた結果を[表1]に示す。
【0016】
【表1】
【0017】[表1]に示す結果から、真空度が650
Pa以上であるということは、プロセスガスの滞在時間
が0.178分以上であると規定できる。
【0018】前記のように、真空度を650Pa以上に
すると、プラズマの電子温度を確実に低く制御できるた
め、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に確
実に取り込むことができるので、層間絶縁膜の比誘電率
をより低くすることができる。
【0019】本発明に係る第2の層間絶縁膜の形成方法
は、有機シリコン化合物を含む原材料を、プラズマの電
子温度が低い条件下でプラズマ重合させて有機無機ハイ
ブリッド膜からなる層間絶縁膜を形成するものである。
【0020】第2の層間絶縁膜の形成方法によると、有
機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効に取
り込むことができるため、層間絶縁膜の比誘電率を低く
することができると共に、層間絶縁膜において脱ガス現
象が発生する事態を防止することができる。
【0021】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、有機シリコン化合物はSi−O−Si結合を有し
ていることが好ましい。
【0022】このようにすると、有機シリコン結合を有
機無機ハイブリッド膜中に有効に取り込むことができる
と共にシラノールの生成を抑制できるので、層間絶縁膜
において脱ガス現象が発生する事態を一層防止すること
ができる。また、シロキサン結合のうち酸化剤により形
成されるシロキサン結合の割合が比較的少なくなるた
め、有機無機ハイブリッド膜の密度を低くできるので、
層間絶縁膜の比誘電率を一層低くすることができる。
【0023】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、有機シリコン化合物はSi−O−R結合(但し、
Rはアルキル基、アリル基又はアリール基である)を有
していることが好ましい。
【0024】このようにすると、有機成分を有機無機ハ
イブリッド膜中に有効に取り込むことができると共にシ
ラノールの生成を抑制できるので、層間絶縁膜において
脱ガス現象が発生する事態を一層防止することができ
る。また、三次元的なシロキサン結合の割合が多くな
り、有機無機ハイブリッド膜の構造が純粋なシリコン酸
化膜の膜構造に近づくため、有機無機ハイブリッド膜の
強度が向上すると共に、種々の金属膜又は絶縁膜と強固
な結合を作りやすいSi−O結合の割合が増加するの
で、密着性は大きく向上する。
【0025】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、有機シリコン化合物としては、ヘキサメチルジシ
ロキサン、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジア
ルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン及びテト
ラメチルシランのうちのいずれか1つ又はこれらの混合
物を用いることができる。
【0026】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、プラズマ重合は350℃以上の温度で行なうこと
が好ましい。
【0027】このようにすると、残留シラノールを低減
できるので、層間絶縁膜において脱ガス現象が発生する
事態を一層防止することができる。
【0028】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、プラズマ重合は酸化剤が含まれる雰囲気中におい
て行なうことが好ましい。このようにすると、有機無機
ハイブリッド膜を確実に形成することができる。
【0029】この場合、酸化剤としては一酸化窒素を用
いることが好ましい。
【0030】また、酸化剤は、有機シリコン化合物に対
する反応当量以下の量だけ含まれていることが好まし
い。このようにすると、有機シリコン化合物を構成する
シリコンがシリコン酸化膜の生成に寄与し難くなるた
め、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有
効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の比誘電率
を一層低くすることができる。
【0031】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、有機無機ハイブリッド膜に対して、プラズマ重合
を行なったときの温度よりも高い温度の熱処理を行なっ
て層間絶縁膜を形成することが好ましい。
【0032】このようにすると、揮発性の有機成分を有
機無機ハイブリッド膜中に取り込むことができると共
に、膜中に取り込まれた揮発性の有機成分を熱処理によ
って揮発させることができるため、層間絶縁膜の多孔質
化及び低密度化を促進できるので、層間絶縁膜の比誘電
率を一層低くすることができる。
【0033】第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法にお
いて、原材料には有機化合物が含まれていることが好ま
しい。
【0034】このようにすると、有機無機ハイブリッド
膜中に取り込まれる有機成分の量が多くなるので、層間
絶縁膜の比誘電率を一層低くすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)第1の実施形
態は、有機シリコン化合物としてのヘキサメチルジシロ
キサン((CH33SiOSi(CH33:Si−O−
Si結合を有する有機化合物)を含む原材料を液体マス
フローにより流量制御しながら反応室に導入する原材料
導入手段を備えた平行平板型プラズマCVD装置を用い
て層間絶縁膜を形成する方法である。
【0036】圧力が930Paに保たれている反応室内
に、原材料としてのヘキサメチルジシロキサンを200
0ml/minの流量で液体マスフローを介して導入
し、希釈ガスとしての窒素(N2 )ガスを標準状態で5
000ml/minの流量で導入し、酸化剤としての一
酸化窒素(N2O )ガスを標準状態で400ml/mi
nの流量で導入しながら、原材料にプラズマ重合反応を
起こさせることにより、反応室内において400℃の温
度に保持されているシリコン基板の上に有機無機ハイブ
リッド膜を堆積する。
【0037】このような条件で、300nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、300nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜からなる層間絶縁膜が得
られた。
【0038】得られた層間絶縁膜の容量を水銀プローバ
ーにより求めた結果、層間絶縁膜の比誘電率は2.5で
あった。
【0039】また、得られた層間絶縁膜の構造を赤外吸
収スペクトルにより評価したところ、図1に示すよう
に、Si−CH3 結合に帰属する強い吸収が観測された
ので、ヘキサメチルジシロキサンのSi−CH3 結合
が、プラズマにより破壊されることなく膜中に取り込ま
れたことを確認できた。
【0040】図2は窒素ガスの圧力と電子温度との関係
を示しており、図2から、窒素ガスの真空度が低くなる
とつまり圧力が高くなると、窒素ガスの電子温度は低く
なることが分かる。従って、窒素ガスが含まれる雰囲気
中における低い真空度の下でプラズマ重合させると、プ
ラズマの電子温度を低く制御することができる。
【0041】従来の成膜方法、つまり窒素ガスを導入せ
ず且つ高い真空度の下でプラズマ重合させる場合には、
成膜温度が300℃以上になると、Si−CH3 結合を
膜中に有効に取り込むことができないため、得られた層
間絶縁膜の比誘電率は3以上と大きくなってしまうこと
が報告されている。
【0042】ところが、第1の実施形態によると、希釈
ガスとしての窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い
真空度の下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できるので、有機シリコン結合(Si−
CH3 結合)のプラズマによる分解を抑制することがで
きる。
【0043】また、雰囲気中に窒素ガスが含まれている
ため、プラズマのエネルギーを窒素ガスの励起に消費す
ることができるので、有機シリコン結合のプラズマによ
る分解を一層抑制することができる。
【0044】従って、第1の実施形態によると、有機シ
リコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効に取り込
むことができるので、層間絶縁膜の比誘電率を低くする
ことができる。
【0045】また、有機シリコン結合を有機無機ハイブ
リッド膜中に有効に取り込むことができるため、脱ガス
の原因となるシラノールの生成を抑制することができる
と共に、有機シリコン結合はシラノールに比べて熱的に
安定であって、膜形成後の集積化プロセスにおける熱履
歴により反応し難いので、層間絶縁膜において脱ガス現
象が発生する事態を防止することができる。
【0046】また、第1の実施形態によると、350℃
以上の温度で成膜しても、有機シリコン結合を有機無機
ハイブリッド膜中に有効に取り込むことができるため、
350℃以上の温度の成膜によって残留シラノールを低
減できるので、層間絶縁膜において脱ガス現象が発生す
る事態を一層防止することができる。
【0047】特に、第1の実施形態においては、原材料
がSi−O−Si結合を有しているため、有機シリコン
結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効に取り込むこと
ができると共にシラノールの生成を抑制できるので、層
間絶縁膜において脱ガス現象が発生する事態を一層防止
することができる。
【0048】また、原材料がSi−O−Si結合を有し
ているため、シロキサン結合のうち酸化剤により形成さ
れるシロキサン結合の割合が比較的少ないため、有機無
機ハイブリッド膜の密度を低くできるので、層間絶縁膜
の比誘電率を一層低くすることができる。
【0049】また、原材料がSi−O−Si結合を有し
ているため、テトラメチルシランを酸化剤の存在下でプ
ラズマ重合して得られる有機無機ハイブリッド膜に比べ
て、密着性が大きく向上する。
【0050】(第2の実施形態)第2の実施形態は、有
機シリコン化合物としてのジメチルジエトキシシラン
((CH32Si(OC252:Si−O−R結合
(但し、Rは、アルキル基、アリル基又はアリール基で
ある。)を有する有機化合物)及びヘキサメチルジシロ
キサンを含む原材料を液体マスフローにより流量制御し
ながら反応室に導入する原材料導入手段を備えた平行平
板型プラズマCVD装置を用いて層間絶縁膜を形成する
方法である。
【0051】圧力が930Paに保たれている反応室内
に、原材料としてのジメチルジエトキシシラン及びヘキ
サメチルジシロキサンをそれぞれ2000ml/min
の流量で液体マスフローを介して導入し、希釈ガスとし
ての窒素ガスを標準状態で5000ml/minの流量
で導入し、酸化剤としての一酸化窒素ガスを標準状態で
400ml/minの流量で導入しながら、原材料にプ
ラズマ重合反応を起こさせることにより、反応室内にお
いて400℃の温度に保持されているシリコン基板の上
に有機無機ハイブリッド膜を堆積する。
【0052】このような条件で、350nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、350nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜からなる層間絶縁膜が得
られた。
【0053】得られた層間絶縁膜の容量を水銀プローバ
ーにより求めた結果、層間絶縁膜の比誘電率は2.6で
あった。
【0054】また、得られた層間絶縁膜の構造を赤外吸
収スペクトルにより評価したところ、Si−CH3 結合
に帰属する強い吸収が観測されたので、ヘキサメチルジ
シロキサン及びジメチルジエトキシシランのSi−CH
3 結合が、プラズマにより破壊されることなく膜中に取
り込まれたことを確認できた。
【0055】第2の実施形態によると、第1の実施形態
と同様、窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空
度の条件下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できると共に、プラズマのエネルギーを
窒素ガスの励起に消費することができるので、有機シリ
コン結合のプラズマによる分解を抑制することができ
る。従って、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド
膜中に有効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の
比誘電率を低くすることができる。
【0056】また、第1の実施形態と同様、熱的に安定
な有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効
に取り込むことができるため、シラノールの生成を抑制
できると共に、350℃以上の温度で成膜できるので、
残留シラノールを低減できるので、層間絶縁膜において
脱ガス現象が発生する事態を防止することができる。
【0057】特に、第2の実施形態においては、原材料
がSi−O−R結合を有しているため、有機成分を有機
無機ハイブリッド膜中に有効に取り込むことができると
共にシラノールの生成を抑制できるので、層間絶縁膜に
おいて脱ガス現象が発生する事態を一層防止することが
できる。
【0058】また、原材料がSi−O−R結合を有して
いるため、第1の実施形態に比べて、三次元的なシロキ
サン結合の割合が多くなるので、有機無機ハイブリッド
膜の構造は純粋なシリコン酸化膜の膜構造に近づく。こ
のため、第1の実施形態に比べて、比誘電率は若干高く
なるが、有機無機ハイブリッド膜の強度が向上する。特
に、種々の金属膜又は絶縁膜と強固な結合を作りやすい
Si−O結合の割合が増加するため、密着性は大きく向
上する。
【0059】また、原材料がSi−O−Si結合及びS
i−O−R結合を有しているため、テトラメチルシラン
を酸化剤の存在下でプラズマ重合して得られる有機無機
ハイブリッド膜に比べて、密着性が大きく向上する。
【0060】尚、第2の実施形態においては、ヘキサメ
チルジシロキサンとジメチルジエトキシシランとの混合
物を用いたが、Si−O−Si結合を有する有機シリコ
ン化合物とSi−O−R結合を有する有機シリコン化合
物との組み合わせは、特に限定されるものではない。
【0061】(第3の実施形態)第3の実施形態は、有
機シリコン化合物としてのヘキサメチルジシロキサン及
び有機化合物としてのデカリン(C1018)を含む原材
料を液体マスフローにより流量制御しながら反応室に導
入する原材料導入手段を備えた平行平板型プラズマCV
D装置を用いて層間絶縁膜を形成する方法である。
【0062】圧力が930Paに保たれている反応室内
に、原材料としてのヘキサメチルジシロキサンを200
0ml/minの流量で液体マスフローを介して導入
し、原材料としてのデカリンを500ml/minの流
量で液体マスフローを介して導入し、希釈ガスとしての
窒素ガスを標準状態で5000ml/minの流量で導
入し、酸化剤としての一酸化窒素ガスを標準状態で40
0ml/minの流量で導入しながら、原材料にプラズ
マ重合反応を起こさせることにより、反応室内において
400℃の温度に保持されているシリコン基板の上に有
機無機ハイブリッド膜を堆積する。
【0063】このような条件で、500nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、500nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜からなる層間絶縁膜が得
られた。
【0064】得られた層間絶縁膜の容量を水銀プローバ
ーにより求めた結果、層間絶縁膜の比誘電率は2.2で
あった。
【0065】また、得られた層間絶縁膜の構造を赤外吸
収スペクトルにより評価したところ、Si−CH3 結合
に帰属する強い吸収及び炭化水素ポリマーに帰属する吸
収が観測されたので、ヘキサメチルジシロキサンのSi
−CH3 結合とデカリンの炭化水素成分が、プラズマに
より破壊されることなく膜中に取り込まれたことを確認
できた。
【0066】第3の実施形態によると、第1の実施形態
と同様、窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空
度の条件下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できると共に、プラズマのエネルギーを
窒素ガスの励起に消費することができるので、有機シリ
コン結合及びデカリンのプラズマによる分解を抑制する
ことができる。従って、有機シリコン結合及び炭化水素
成分を有機無機ハイブリッド膜中に有効に取り込むこと
ができるので、層間絶縁膜の比誘電率を低くすることが
できる。つまり、第1の実施形態に比べて、有機無機ハ
イブリッド膜中に有機成分をより多く取り込むことがで
きるので、層間絶縁膜の比誘電率を一層低くすることが
できる。
【0067】また、第1の実施形態と同様、熱的に安定
な有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効
に取り込むことができるため、シラノールの生成を抑制
できると共に、350℃以上の温度で成膜できるので、
残留シラノールを低減できるので、層間絶縁膜において
脱ガス現象が発生する事態を防止することができる。
【0068】尚、第3の実施形態においては、有機化合
物として、デカリンを用いたが、これに代えて、メタン
(CH4 )、エタン(C26)、プロパン(C38)、
ブタン(C410)、ベンゼン(C66)又はヘキサン
(C612)等を用いてもよい。
【0069】(第4の実施形態)第4の実施形態は、有
機シリコン化合物としてのヘキサメチルジシロキサンを
含む原材料を液体マスフローにより流量制御しながら反
応室に導入する原材料導入手段を備えた平行平板型プラ
ズマCVD装置を用いて層間絶縁膜を形成する方法であ
る。
【0070】まず、圧力が930Paに保たれている反
応室内に、原材料としてのヘキサメチルジシロキサンを
2000ml/minの流量で液体マスフローを介して
導入し、希釈ガスとしての窒素ガスを標準状態で500
0ml/minの流量で導入し、酸化剤としての一酸化
窒素ガスを標準状態で400ml/minの流量で導入
しながら、原材料にプラズマ重合反応を起こさせること
により、反応室内において200℃の温度に保持されて
いるシリコン基板の上に有機無機ハイブリッド膜を堆積
する。
【0071】このような条件で、300nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、300nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜が得られた。
【0072】次に、有機無機ハイブリッド膜を真空中に
おける400℃の温度に保持することにより熱処理を行
なって層間絶縁膜を得た。
【0073】得られた層間絶縁膜の容量を水銀プローバ
ーにより求めた結果、層間絶縁膜の比誘電率は2.2で
あった。
【0074】また、得られた層間絶縁膜の構造を赤外吸
収スペクトルにより評価したところ、Si−CH3 結合
に帰属する強い吸収が観測されたと共に、揮発性の有機
成分の吸収が観測されなかったので、ヘキサメチルジシ
ロキサンのSi−CH3 結合がプラズマにより破壊され
ることなく膜中に取り込まれたこと及び揮発性の有機成
分が熱処理をにより揮発したことを確認できた。
【0075】第4の実施形態によると、第1の実施形態
と同様、窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空
度の条件下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できると共に、プラズマのエネルギーを
窒素ガスの励起に消費することができるので、有機シリ
コン結合のプラズマによる分解を抑制することができ
る。従って、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド
膜中に有効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の
比誘電率を低くすることができる。
【0076】また、第1の実施形態と同様、熱的に安定
な有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効
に取り込むことができるため、シラノールの生成を抑制
できるので、層間絶縁膜において脱ガス現象が発生する
事態を防止することができる。
【0077】特に、第4の実施形態によると、200℃
という低い温度で成膜するため揮発性の有機成分を有機
無機ハイブリッド膜中に取り込むことができると共に、
有機無機ハイブリッド膜に対して400℃の温度下にお
ける熱処理を行なうため膜中に取り込まれた揮発性の有
機成分を揮発させることができるので、層間絶縁膜の多
孔質化及び低密度化が進行し、これによって、層間絶縁
膜の比誘電率を一層低くすることができる。
【0078】(第5の実施形態)第5の実施形態は、有
機シリコン化合物としてのジメチルジエトキシシラン及
びヘキサメチルジシロキサンを含む原材料を液体マスフ
ローにより流量制御しながら反応室に導入する原材料導
入手段を備えた平行平板型プラズマCVD装置を用いて
層間絶縁膜を形成する方法である。
【0079】まず、圧力が930Paに保たれている反
応室内に、原材料としてのジメチルジエトキシシラン及
びヘキサメチルジシロキサンをそれぞれ2000ml/
minの流量で液体マスフローを介して導入し、希釈ガ
スとしての窒素ガスを標準状態で5000ml/min
の流量で導入し、酸化剤としての一酸化窒素ガスを標準
状態で400ml/minの流量で導入しながら、原材
料にプラズマ重合反応を起こさせることにより、反応室
内において200℃の温度に保持されているシリコン基
板の上に有機無機ハイブリッド膜を堆積する。
【0080】このような条件で、350nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、350nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜が得られた。
【0081】次に、有機無機ハイブリッド膜を真空中に
おける400℃の温度に保持することにより熱処理を行
なって層間絶縁膜を得た。
【0082】第5の実施形態によると、第1の実施形態
と同様、窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空
度の条件下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できると共に、プラズマのエネルギーを
窒素ガスの励起に消費することができるので、有機シリ
コン結合のプラズマによる分解を抑制することができ
る。従って、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド
膜中に有効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の
比誘電率を低くすることができる。
【0083】また、第1の実施形態と同様、熱的に安定
な有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効
に取り込むことができるため、シラノールの生成を抑制
できるので、層間絶縁膜において脱ガス現象が発生する
事態を防止することができる。
【0084】また、第4の実施形態と同様、200℃と
いう低い温度で成膜するため揮発性の有機成分を有機無
機ハイブリッド膜中に取り込むことができると共に、有
機無機ハイブリッド膜に対して400℃の温度下におけ
る熱処理を行なうため膜中に取り込まれた揮発性の有機
成分を揮発させることができるので、層間絶縁膜の多孔
質化及び低密度化が進行し、これによって、層間絶縁膜
の比誘電率を一層低くすることができる。
【0085】特に、第5の実施形態によると、原材料が
Si−O−Si結合及びSi−O−R結合を有している
ため、三次元的なシロキサン結合の割合が多くなり、有
機無機ハイブリッド膜の強度が向上する。このため、熱
処理に伴う膜収縮を抑制できるので、有機無機ハイブリ
ッド膜の多孔質化及び低密度化の進行を促進でき、これ
によって、層間絶縁膜の比誘電率を一層低くすることが
できる。すなわち、第5の実施形態によると、層間絶縁
膜の比誘電率としては、1.9程度に極めて低い値を実
現することができる。
【0086】尚、第5の実施形態としては、原材料とし
て、ヘキサメチルジシロキサンとジメチルジエトキシシ
ランとの混合物を用いたが、Si−O−Si結合を有す
る有機シリコン化合物とSi−O−R結合を有する有機
シリコン化合物との組み合わせとしては、特に限定され
るものではない。
【0087】(第6の実施形態)第6の実施形態は、有
機シリコン化合物としてのヘキサメチルジシロキサンを
含む原材料を液体マスフローにより流量制御しながら反
応室に導入する原材料導入手段を備えた平行平板型プラ
ズマCVD装置を用いて層間絶縁膜を形成する方法であ
る。
【0088】まず、圧力が930Paに保たれている反
応室内に、原材料としてのヘキサメチルジシロキサンを
2000ml/minの流量で液体マスフローを介して
導入し、原材料としてのメタンを標準状態で500ml
/minの流量で導入し、希釈ガスとしての窒素ガスを
標準状態で5000ml/minの流量で導入し、酸化
剤としての一酸化窒素ガスを標準状態で400ml/m
inの流量で導入しながら、原材料にプラズマ重合反応
を起こさせることにより、反応室内において200℃の
温度に保持されているシリコン基板の上に有機無機ハイ
ブリッド膜からなる層間絶縁膜を堆積する。
【0089】このような条件で、500nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、500nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜が得られた。
【0090】次に、有機無機ハイブリッド膜を真空中に
おける400℃の温度に保持することにより熱処理を行
なって層間絶縁膜を得た。
【0091】第6の実施形態によると、第1の実施形態
と同様、窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空
度の条件下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できると共に、プラズマのエネルギーを
窒素ガスの励起に消費することができるので、有機シリ
コン結合のプラズマによる分解を抑制することができ
る。従って、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド
膜中に有効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の
比誘電率を低くすることができる。
【0092】また、第1の実施形態と同様、熱的に安定
な有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効
に取り込むことができるため、シラノールの生成を抑制
できるので、層間絶縁膜において脱ガス現象が発生する
事態を防止することができる。
【0093】また、第4の実施形態と同様、200℃と
いう低い温度で成膜するため揮発性の有機成分を有機無
機ハイブリッド膜中に取り込むことができると共に、有
機無機ハイブリッド膜に対して400℃の温度下におけ
る熱処理を行なうため膜中に取り込まれた揮発性の有機
成分を揮発させることができるので、層間絶縁膜の多孔
質化及び低密度化が進行し、これによって、層間絶縁膜
の比誘電率を一層低くすることができる。
【0094】特に、第6の実施形態によると、原材料に
メタンが含まれているため、有機無機ハイブリッド膜中
に取り込まれる揮発性有機成分の量は、原材料がヘキサ
メチルジシロキサンの単独である場合に比べて多くなる
ので、層間絶縁膜の比誘電率を一層低くすることができ
る。すなわち、第6の実施形態によると、層間絶縁膜の
比誘電率としては、1.7程度に極めて低い値を実現す
ることができる。
【0095】尚、原材料に含まれる有機化合物として、
メタンに代えて、C24のような不飽和炭化水素を用い
ると、有機無機ハイブリッド膜中の取り込まれる有機成
分の揮発性を高めることが可能になる。
【0096】(第7の実施形態)第7の実施形態は、有
機シリコン化合物としてのジメチルジエトキシシラン及
びヘキサメチルジシロキサンを含む原材料を液体マスフ
ローにより流量制御しながら反応室に導入する原材料導
入手段を備えた平行平板型プラズマCVD装置を用いて
層間絶縁膜を形成する方法である。
【0097】まず、圧力が930Paに保たれている反
応室内に、原材料としてのジメチルジエトキシシランを
5000ml/minの流量で液体マスフローを介して
導入し、原材料としてのヘキサメチルジシロキサンを2
000ml/minの流量で液体マスフローを介して導
入し、原材料としてのメタンを標準状態で200ml/
minの流量で導入し、希釈ガスとしての窒素ガスを標
準状態で5000ml/minの流量で導入し、酸化剤
としての一酸化窒素ガスを標準状態で400ml/mi
nの流量で導入しながら、原材料にプラズマ重合反応を
起こさせることにより、反応室内において200℃の温
度に保持されているシリコン基板の上に有機無機ハイブ
リッド膜を堆積する。
【0098】このような条件で、450nm/minの
堆積レートで60秒間成膜すると、450nmの膜厚を
有する有機無機ハイブリッド膜が得られた。
【0099】次に、有機無機ハイブリッド膜を真空中に
おける400℃の温度に保持することにより熱処理を行
なって層間絶縁膜を得た。
【0100】第7の実施形態によると、第1の実施形態
と同様、窒素ガスが含まれる雰囲気中における低い真空
度の条件下でプラズマ重合させるため、プラズマの電子
温度を低く制御できると共に、プラズマのエネルギーを
窒素ガスの励起に消費することができるので、有機シリ
コン結合のプラズマによる分解を抑制することができ
る。従って、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド
膜中に有効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の
比誘電率を低くすることができる。
【0101】また、第1の実施形態と同様、熱的に安定
な有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に有効
に取り込むことができるため、シラノールの生成を抑制
できるので、層間絶縁膜において脱ガス現象が発生する
事態を防止することができる。
【0102】また、第4の実施形態と同様、200℃と
いう低い温度で成膜するため揮発性の有機成分を有機無
機ハイブリッド膜中に取り込むことができると共に、有
機無機ハイブリッド膜に対して400℃の温度下におけ
る熱処理を行なうため膜中に取り込まれた揮発性の有機
成分を揮発させることができるので、層間絶縁膜の多孔
質化及び低密度化が進行し、これによって、層間絶縁膜
の比誘電率を一層低くすることができる。
【0103】特に、第7の実施形態によると、原材料が
Si−O−R結合を多く有しているため、三次元的なシ
ロキサン結合の割合がより多くなり、有機無機ハイブリ
ッド膜の強度が大きく向上するので、有機無機ハイブリ
ッド膜の多孔質化及び低密度化の進行を一層促進でき、
これによって、層間絶縁膜の比誘電率を一層低くするこ
とができる。すなわち、第7の実施形態によると、層間
絶縁膜の比誘電率としては、1.7程度に極めて低い値
を実現することができる。
【0104】尚、第1〜第7の実施形態においては、雰
囲気中に希釈ガスとして窒素ガスが含まれているため、
有機無機ハイブリッド膜が部分的に窒化されるので、層
間絶縁膜が銅膜を構成する銅原子の拡散を防止する効果
も得られる。
【0105】第1〜第7の実施形態においては、プラズ
マの電子温度を低く制御するための希釈ガスとしては、
窒素ガスを用いたが、これに代えて、アルゴンガス又は
ヘリウムガスを用いることも可能である。
【0106】しかしながら、電子温度はイオン化ポテン
シャルと比例する傾向にあると共に、窒素ガスのイオン
化ポテンシャル(15.59eV)は、アルゴンガスの
イオン化ポテンシャル(15.76eV)及びヘリウム
ガスのイオン化ポテンシャル(24.59eV)よりも
小さい。従って、プラズマの電子温度を低く制御する希
釈ガスとして窒素ガスが有利である。
【0107】第1〜第7の実施形態においては、圧力が
930Paに保たれている反応室内においてプラズマ重
合を行なったが、反応室内の圧力が650Pa以上であ
れば、プラズマの電子温度を低く制御することができ
る。
【0108】図3は、プロセス圧力(反応室の圧力)と
層間絶縁膜の比誘電率との関係を示している。図3から
分かるように、プロセス圧力が650Paよりも低いと
きには比誘電率は3.0以上の高い値を示すが、プロセ
ス圧力が650Pa以上である領域においては比誘電率
は2.5程度にまで急激に低下し、プロセス圧力が93
0Paのときに比誘電率は極小値を示している。これら
のことから、プロセス圧力が650Pa以上であると、
原材料の有機成分が分解されずに膜中に有効に取り込ま
れていることが分かる。また、これらの結果は、前述の
事項つまり反応室内の圧力が650Pa以上であればプ
ラズマの電子温度が低くなり、これによって、原材料の
分解が抑制されることと対応している。
【0109】第1〜第7の実施形態において、酸化剤と
しての一酸化窒素ガスの量を、有機シリコン化合物に対
する反応当量以下にすると、有機シリコン化合物を構成
するシリコンがシリコン酸化膜の生成に寄与し難くなる
ため、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に
有効に取り込むことができるので、層間絶縁膜の比誘電
率を一層低くすることができる。
【0110】第1〜第7の実施形態において、原材料に
含まれる有機シリコン化合物としては、ヘキサメチルジ
シロキサン又はジメチルジエトキシシランに代えて、メ
チルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラ
ン、トリメチルアルコキシシラン又はテトラメチルシラ
ンなどを単独で又は混合して用いることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明に係る層間絶縁膜の形成方法によ
ると、有機シリコン結合を有機無機ハイブリッド膜中に
有効に取り込むことができるため、層間絶縁膜の比誘電
率を低くすることができると共に、脱ガスの原因となる
シラノールの生成を抑制できるため、層間絶縁膜におい
て脱ガス現象が発生する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態により得られる層間絶縁膜を赤
外吸収スペクトルにより評価したときの吸収のピークを
示す図である。
【図2】窒素ガスの圧力と電子温度との関係を示す特性
図である。
【図3】プロセス圧力と層間絶縁膜の比誘電率との関係
を示す特性図である。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機シリコン化合物を含む原材料を、希
    釈ガスが含まれる雰囲気中の真空度を650Pa以上に
    して、プラズマの電子温度が低い条件下でプラズマ重合
    させて有機シリコン結合を有する有機無機ハイブリッド
    膜からなる層間絶縁膜を形成する工程と、前記有機無機
    ハイブリッド膜に対して、前記プラズマ重合を行なった
    後に熱処理を行なって、前記有機無機ハイブリッド膜中
    に取り込まれている揮発性の有機成分を揮発させること
    により、前記有機シリコン結合を有し且つ多孔質構造を
    有する層間絶縁膜を形成する工程とを備えたことを特徴
    とする層間絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記有機シリコン化合物はSi−O−S
    i結合を有していることを特徴とする請求項1に記載の
    層間絶縁膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記有機シリコン化合物はSi−O−R
    結合(但し、Rはアルキル基、アリル基又はアリール基
    である)を有していることを特徴とする請求項1に記載
    の層間絶縁膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記有機シリコン化合物は、Si−O−
    Si結合を有する第1の有機シリコン化合物及びSi−
    O−R結合(但し、Rはアルキル基、アリル基又はアリ
    ール基である)を有する第2の有機シリコン化合物から
    なることを特徴とする請求項1に記載の層間絶縁膜の形
    成方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の有機シリコン化合物は、ヘキ
    サメチルジシロキサンであり、前記第2の有機シリコン
    化合物は、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジア
    ルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン又はテト
    ラメチルシランであることを特徴とする請求項4に記載
    の層間絶縁膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記希釈ガスとして窒素ガスを用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の層
    間絶縁膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ重合は350℃以上の温度
    で行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記プラズマ重合は酸化剤が含まれる雰
    囲気中において行なうことを特徴とする請求項1〜4
    いずれか1項に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記酸化剤は一酸化窒素であることを特
    徴とする請求項8に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記酸化剤は、前記有機シリコン化合
    物に対する反応当量以下の量だけ含まれていることを特
    徴とする請求項8に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記多孔質構造を有する層間絶縁膜を
    形成する工程における熱処理の温度は、前記プラズマ重
    合を行なったときの温度よりも高い温度であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の層間絶縁
    膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記原材料には、有機化合物が含まれ
    ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の層間絶縁膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記有機化合物は、メタン、エタン、
    プロパン、ブタン、ベンゼン、ヘキサン又はデカリンで
    あることを特徴とする請求項12に記載の層間絶縁膜の
    形成方法。
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