JP3482066B2 - 着色化粧板 - Google Patents

着色化粧板

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JP3482066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として建築用
素材として供される着色化粧板に関するものであり、特
に、木口面でのコア層の露出による意匠性の低下がな
く、平面模様に立体感を付与した意匠性に優れる着色化
粧板について提案する。
【0002】
【従来の技術】一般に、化粧板は、20〜40重量%の顔料
などを抄き込んだチタン紙(パターン紙)にメラミン樹
脂を含浸し、このメラミン樹脂含浸パターン紙をフェノ
ール樹脂含浸紙(コア紙)に積層して、これを加熱加圧
して樹脂を硬化させることにより製造される。このよう
な着色化粧板については、例えば特公昭60−43480 号な
どにその開示がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の着色化粧板とい
うのは、パターン紙の灰分が20〜40重量%と非常に多い
ので、コア層の色を隠蔽するのに有効である。しかしな
がら、この種の化粧板は、切断加工してその木口面が露
出すると、パターン層の色とコア層の色が異なるため
に、コア層の縞模様(ブラックライン)が見えてしま
い、木口面での意匠性が著しく低下するという問題があ
った。
【0004】これに対し、パターン層の色と同一の顔料
をコア層に抄き込むことにより、化粧板の木口面でのブ
ラックライン発生を防止する手段が考えられる。しかし
ながら、このような手段によれば、木口面での意匠性は
改善されるものの、平面での意匠性は依然として改善す
ることはできない。即ち、上記従来の化粧板の構成で
は、パターン紙に模様などを印刷した場合でも平面的な
印象しか与えず、立体感を与えることはできなかった。
【0005】この発明は、上記従来技術にかかる化粧板
の意匠性を改善することにより、特に、木口面でのコア
層の露出による意匠性の低下がなく、平面模様に立体感
を付与した意匠性に優れる着色化粧板を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け鋭意研究した結果、以下に述べるような内容
を要旨構成とする着色化粧板に想到した。すなわち、こ
の発明は、 (1)着色コア層の両面に表層を積層してなる着色化粧板
であって、前記着色コア層は、着色コア紙の灰分が15〜
55重量%で、この着色コア紙に樹脂を含浸した着色コア
層用樹脂含浸紙の1枚以上を重ね合わせたものであり、
前記表層は、化粧板用原紙の灰分が2重量%以下で、こ
の化粧板用原紙に樹脂を含浸した表層用樹脂含浸紙の1
枚以上を重ね合わせたものである、ことを特徴とする着
色化粧板である。 (2)上記(1) に記載の着色化粧板において、少なくとも
一方の表層を構成する1枚以上の表層用樹脂含浸紙、ま
たは着色コア層の少なくとも一方の表面に、模様が印刷
されてなることを特徴とする。 (3)上記(1) または(2) に記載の着色化粧板において、
着色コア層および表層を構成する樹脂含浸紙の樹脂成分
が、透光性の樹脂であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の着色化粧板は、着色コ
ア紙の灰分が15〜55重量%で、この着色コア紙を樹脂含
浸した着色コア層用樹脂含浸紙からなる着色コア層の両
面に、化粧板用原紙の灰分が2重量%以下で、この化粧
板用原紙に樹脂を含浸した表層用樹脂含浸紙からなる表
層を積層してなる点に特徴がある。このような構成とす
ることにより、表層の化粧板用原紙は、その灰分が2重
量%以下であるために透光性に優れ、下層の着色コア層
が透けて見える。一方、着色コア層は、顔料や染料によ
り、着色されるかもしくは表面に模様を形成してなる。
それ故に、この発明の着色化粧板は、着色コア層の色彩
や模様が透光性のある表層を通じて認識でき、その色彩
や模様に深みを与えて立体感を付与するので、意匠性に
優れたものである。
【0008】また、この発明の着色化粧板は、切断加工
した木口面では、表層が透光性を示すので、着色された
コア層のみが視覚的に認識される。それ故に、この発明
の化粧板は、平面と木口面で色の違いが生じないため、
ブラックラインが発生せず、コア層と表層との一体感に
優れるものである。なお、この発明の着色化粧板は、着
色コア層の両面に表層が積層されてなるため、反りが発
生しにくい。しかも、この発明の着色化粧板を構成する
表層は、灰分が少ないために複雑に絡み合った繊維に樹
脂が含浸した状態にあり強度に優れるので、この表層が
着色コア層を保護するように積層されたこの発明の着色
化粧板は、耐磨耗性にも優れるものである。
【0009】この発明の着色化粧板は、少なくとも一方
の表層を構成する1枚以上の表層用樹脂含浸紙に、模様
が印刷されてなることが望ましい。このような構成とす
ることにより、表層の模様が着色コア層の平面色や表面
模様に対して浮き上がって見えるため、立体感をより一
層高めることできる。その結果、1種類の印刷だけで複
数の配色を表現することができ低コスト化を実現でき
る。また、着色コア層の色を変えることで、配色の変更
が可能である。特に、表層を構成する表層用樹脂含浸紙
の複数層に模様を印刷すると、各層の模様を立体的に見
せることができる。このような構成は、人造大理石模様
を表現する場合に最適である。
【0010】この発明の着色化粧板において、表層の化
粧板用原紙は、その灰分を2重量%以下とする。この理
由は、灰分が2重量%を超えると、表層の透光性が低下
するからである。特に好ましくは、化粧板用原紙の灰分
は0.01〜0.7 重量%とする。この理由は、灰分が0.01重
量%未満では、繊維が凝集しすぎて透光性が低下する上
に、灰分を0.01重量%未満にすべくパルプから灰分を取
り除く工程の負荷により製造コストが嵩むからであり、
一方、灰分が0.7 重量%を超えると、その灰分によって
透光性が低下するからである。従って、表層は、最も優
れた透光性を得るためには、灰分を上記範囲(0.01〜0.
7 重量%)とすることが望ましい。
【0011】このような化粧板用原紙に樹脂を含浸して
乾燥し、Bステージ状態とすることにより、表層を構成
する表層用樹脂含浸紙が得られる。ここで、樹脂の含浸
量は、30〜300 重量%であることが望ましい。この理由
は、30重量%未満では、樹脂量が少なすぎて成形でき
ず、一方、 300重量%を超えると寸法変化率が大きくな
りすぎて製品として不適当であるからである。このよう
にして得られる表層用樹脂含浸紙の1枚以上を重ね合わ
せてなる表層は、その厚さを 0.1〜15mmとすることが望
ましい。0.1mm 未満では、深みがないため立体感に乏し
く、一方、15mmを超えると透明性に欠け、コストが嵩む
からである。
【0012】この発明の着色化粧板において、着色コア
層の着色コア紙は、その灰分を15〜55重量%とする。こ
の理由は、灰分が15重量%未満では、化粧板を基材に貼
りつけた場合に、基材の模様や色彩を完全に隠蔽でき
ず、一方、55重量%を超えると、コア紙の含浸湿潤強度
の低下により含浸特性が低下するからである。特に好ま
しくは、着色コア層に必要な隠蔽性と強度が最適な範囲
となる20〜40重量%とすることが望ましい。
【0013】このような着色コア紙に、顔料を抄き込む
か染色して着色した後、樹脂含浸し、乾燥してBステー
ジ状態とすることにより、着色コアを構成する着色コア
用樹脂含浸紙が得られる。ここで、顔料としては、例え
ば酸化チタンや炭酸カルシウム、白土、ケイソウ土、タ
ルク、硫酸バリウム、オーカー、ベンガラ、クロムイエ
ロー、グンジョウ、コンジョウなどを用いることができ
る。また、樹脂の含浸量は、30〜 300重量%であること
が望ましい。この理由は、30重量%未満では、樹脂量が
少なすぎて成形できず、一方、 300重量%を超えると寸
法変化率が大きくなりすぎて製品として不適当であるか
らである。このようにして得られる着色コア層用樹脂含
浸紙の1枚以上を重ね合わせてなる着色コア層は、その
厚さを0.05〜15mmとすることが望ましい。0.05mm未満で
は、隠蔽性に欠け、一方、15mmを超えるとコストが嵩む
からである。
【0014】以上説明したような着色コア層や表層を構
成する樹脂含浸紙に含浸される樹脂は、メラミン樹脂や
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、またはポリ
エーテルスルホンや酢酸ビニル、塩化ビニル、 SBR(ス
チレン−ブタジエンゴム)などの熱可塑性樹脂がある。
特にこの発明では、透光性を示す樹脂、例えばメラミン
樹脂やエポキシ樹脂が望ましい。なお、この発明の灰分
は、JIS P8101−1961、JIS P8204−1961に準拠して算
出されたものである。
【0015】次に、この発明にかかる着色化粧板の製造
方法について説明する。 (1) まず、灰分が15〜55重量%の着色コア紙(顔料を抄
き込んで灰分を15〜55重量%としたものでもよい)に、
樹脂を含浸してこれを乾燥することにより、着色コア層
を構成する着色コア層用樹脂含浸紙を得る。 (2) 灰分が2重量%以下の化粧板用原紙(必要に応じて
模様などを印刷してもよい)に樹脂を含浸してこれを乾
燥することにより、表層を構成する表層用樹脂含浸紙を
得る。 (3) 前記(1) で得た着色コア層用樹脂含浸紙の1枚ある
いは複数枚を重ね合わせてなる着色コア層の両面に、前
記(2) で得た表層用樹脂含浸紙の1枚あるいは複数枚か
らなる表層をそれぞれ積層し、これを80〜200 ℃で加熱
し、10kg/cm2 以上の圧力でプレスして一体成形するこ
とにより、着色化粧板を製造する。
【0016】このようにして得られるこの発明の着色化
粧板は、0.3 〜1.2mm の厚みを有するものは、テーブル
天板、カウンター、出窓カウンター、扉表面材、店舗什
器、ポストフォーム加工品に使用でき、10.0mm以上の厚
みを有するものは、トイレブースパネル、シャワーブー
スパネルに使用できる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の着色化粧板を実施例により
説明する。 (実施例1) (1) 秤量が 112g/m2で、酸化チタン(白色)6を5
%、ベンガラ(赤色)6を30%抄き込んだ着色コア紙
に、メラミン樹脂を含浸させ、これを乾燥して着色コア
層用樹脂含浸紙4とした。このときの含浸率(含浸率=
含浸樹脂量/含浸前の着色コア紙の重さ)は 200%であ
った。 (2) 秤量が80g/m2で、灰分が 0.2重量%の化粧板用原
紙にメラミン樹脂を含浸させ、これを乾燥して表層用樹
脂含浸紙2とした。このときの含浸率(含浸率=含浸樹
脂量/含浸前の化粧板用原紙の重さ)は 200%であっ
た。 (3) 前記(1) で得た着色コア層用樹脂含浸紙4の3枚を
重ね合わせてなる着色コア5の両面に、前記(2) で得た
表層用樹脂含浸紙2の3枚からなる表層3をそれぞれ積
層し、 150℃,80kg/cm2 の条件下で20分間ホットプレ
スし、50℃まで冷却して、メラミン化粧板1を製造し
た。このときの表層3の厚さは 0.3mmで、着色コア層5
の厚さは 0.5mmであった(図1参照)。
【0018】(実施例2) (1) 秤量が 112g/m2で、酸化チタン(白色)6を35%
抄き込んだ着色コア紙に、メラミン樹脂を含浸させ、こ
れを乾燥して着色コア層用樹脂含浸紙4とした。このと
きの含浸率(含浸率=含浸樹脂量/含浸前の着色コア紙
の重さ)は 200%であった。 (2) 秤量が80g/m2で、灰分が 0.2重量%の化粧板用原
紙にインジコブルー(青色)染料で模様7を印刷した。
この印刷した化粧板用原紙にメラミン樹脂を含浸させ、
これを乾燥して表層用樹脂含浸紙2とした。このときの
含浸率(含浸率=含浸樹脂量/含浸前の化粧板用原紙の
重さ)は 200%であった。 (3) 前記(1) で得た着色コア層用樹脂含浸紙4の3枚を
重ね合わせてなる着色コア5の一方の面には、前記(2)
で得た表層用樹脂含浸紙2の3枚からなる表層3を積層
し、もう一方の面には、模様7を印刷しないこと以外は
前記(2) と同様にして得た表層用樹脂含浸紙2の3枚か
らなる表層3を積層し、 150℃,80kg/cm 2 の条件下で
20分間ホットプレスし、50℃まで冷却して、メラミン化
粧板1’を製造した。このときの表層3の厚さは0.3mm
で、着色コア層5の厚さは0.5mm であった(図2(a)参
照)。なお、両面の表層用樹脂含浸紙2に模様7を印刷
することもできる。
【0019】(実施例3) (1)秤量が 112g/m2で、酸化チタン(白色)6と、ベ
ージュ色を発色させる顔料6を合計35%抄き込んだ着色
コア紙に、メラミン樹脂を含浸させ、これを乾燥して着
色コア用樹脂含浸紙4とした。このときの含浸率(含浸
率=含浸樹脂量/含浸前の着色コア紙の重さ)は 200%
であった。 (2) 秤量が80g/m2で、灰分が 0.2重量%の化粧板用原
紙に、グラビア印刷により、大理石の模様を白色顔料に
て印刷した化粧板用原紙にメラミン樹脂を含浸させ、こ
れを乾燥して表層用樹脂含浸紙2−1とした。このとき
の含浸率(含浸率=含浸樹脂量/含浸前の化粧板用原紙
の重さ)は 200%であった。同様にして、赤色顔料で印
刷した表層用樹脂含浸紙2−2、黒色顔料で印刷した表
層用樹脂含浸紙2−3をそれぞれ調製した。 (3) 前記(1) で得た着色コア層用樹脂含浸紙4の3枚を
重ね合わせてなる着色コア5の片面に、前記(2) で得た
表層用樹脂含浸紙2−1、2−2、2−3の3枚を表層
から白、赤、黒の順でそれぞれ積層し、もう一方の面に
は無地の表層用樹脂含浸紙2の3枚からなる表層3を積
層し、 150℃,80kg/cm2 の条件下で20分間ホットプレ
スし、50℃まで冷却して、メラミン化粧板1’を製造し
た。このときの表層3の厚さは0.3mm で、着色コア層5
の厚さは0.5mm であった(図2(b)参照)。
【0020】なお、この実施例3の着色化粧板は、大理
石の持つ奥行きのある模様を、単なる写真印刷したもの
よりも正確に再現することができる。なぜなら、大理石
は、石灰岩が熱変性作用を受けて再結晶した粒状の方解
石を含み、この方解石は内部に存在するものまで外部か
ら認識できる。そのため、大理石模様を表現しようとす
ると、着色化粧板の模様に奥行きを与える必要がある。
その点、この実施例3の着色化粧板は、模様に立体感が
あるのでこのような要求に応えることができるからであ
る。
【0021】この実施例3にかかる着色化粧板は、他の
構成として、最表層の表層用樹脂含浸紙(2−1)に白
の模様を印刷し、最深層の表層用樹脂含浸紙(2−3)
に赤、黒の模様を印刷し、中間層の表層用樹脂含浸紙
(2−2)を無地にすることができる(図2(c)参
照)。また他の構成として、表層用樹脂含浸紙のいずれ
か1枚に白、赤、黒の模様を印刷し、他の表層用樹脂含
浸紙を全て無地にすることができる。さらに他の構成と
して、着色コア層の表面に白、赤、黒の模様を印刷し、
表層の樹脂含浸紙を全て無地にすることができる。ま
た、着色コア層5の両面にこれらの模様を形成すること
ができる。
【0022】すなわち、この実施例3の着色化粧板は、
人造大理石化粧板を構成し、(1)「着色コア紙の灰分が1
5〜55重量%で、この着色コア紙に透光性樹脂を含浸し
た着色コア層用樹脂含浸紙の1枚以上を重ね合わせてな
る着色コア層の両面に、化粧板用原紙の灰分が2重量%
以下で、この化粧板用原紙に透光性樹脂を含浸した樹脂
含浸紙の1枚以上を重ね合わせてなる表層を積層してな
る化粧板であって、前記表層を構成する表層用樹脂含浸
紙の少なくも1枚に大理石模様が印刷されていることを
特徴とする大理石模様化粧板」あるいは、(2)「着色コ
ア紙の灰分が15〜55重量%で、この着色コア紙に透光性
樹脂を含浸した着色コア層用樹脂含浸紙の1枚以上を重
ね合わせてなる着色コア層の両面に、化粧板用原紙の灰
分が2重量%以下で、この化粧板用原紙に透光性樹脂を
含浸した樹脂含浸紙の1枚以上を重ね合わせてなる表層
を積層してなる化粧板であって、前記着色コア層の少な
くとも一方の表面に大理石模様が印刷されていることを
特徴とする大理石模様化粧板」である。
【0023】特に、前記(1) の大理石模様化粧板におい
ては、 「前記表層を構成する2枚以上の表層用樹脂含浸紙に
印刷した大理石模様は、樹脂含浸紙内では同一色調であ
り、かつ各樹脂含浸紙間では互いに異なる色調であるこ
と」が望ましい。これは、現実の大理石模様を正確に再
現できるからである。 「前記表層を構成する2枚以上の表層用樹脂含浸紙に
印刷した大理石模様は、樹脂含浸紙内で同一色調である
ものと、樹脂含浸紙内で複数の色調を有するものとから
なること」 「前記表層を構成する2枚以上の表層用樹脂含浸紙に
印刷した大理石模様は、樹脂含浸紙内で複数の色調を有
するもののみからなること」が望ましい。これは、1枚
の樹脂含浸紙に複数の色調を印刷でき、低コストを実現
できるからである。
【0024】なお、上記人造大理石化粧板は、前記表層
を構成する各表層用樹脂含浸紙の灰分が 0.2〜0.5 重量
%の範囲において、大理石の透明感を最適に表現でき
る。
【0025】(比較例) (1) 秤量が 112g/m2で、酸化チタンを35%抄き込んだ
着色コア紙に、フェノール樹脂を含浸させ、これを乾燥
して着色コア層用樹脂含浸紙4とした。このときの含浸
率(含浸率=含浸樹脂量/含浸前の着色コア紙の重さ)
は 100%であった。 (2) 秤量が80g/m2 で、ベンガラ(赤色)6を抄き込
んで灰分を20重量%とした化粧板用原紙にインジコブル
ー(青色)染料で模様7を印刷した。この印刷した化粧
板用原紙にメラミン樹脂を含浸させ、これを乾燥して樹
脂含浸紙(パターン紙)8とした。このときの含浸率
(含浸率=含浸樹脂量/含浸前の化粧板用原紙の重さ)
は 200%であった。 (3) 前記(1) で得た着色コア層用樹脂含浸紙の3枚を重
ね合わせなる着色コア層の片面に、前記(2) で得たパタ
ーン紙8を積層して、これを 150℃,80kg/cm2の条件
下で20分間ホットプレスし、50℃まで冷却して、メラミ
ン化粧板9を製造した(図4参照)。
【0026】このようにして製造した着色化粧板につい
て、切断面の観察、耐磨耗性試験、反りの観察を行っ
た。 .切断面の観察 図3(実施例)および図5(比較例)に示すような方向
から観察を行い評価した。 .耐磨耗性試験 JIS K6902 に準拠して行った。その結果を表1に示す。 .反りの観察 目視検査により行った。その結果を表1に示す。
【0027】図3および図5に示す観察によれば、この
発明の着色化粧板1は、平面から観察した場合でも木口
面から観察した場合でも、認識できる色が着色コア層5
の色のみであり、色彩が全体として統一されているの
で、木口加工されていても、木口面に違和感がなかっ
た。これに対し、従来の着色化粧板9は、平面から観察
した場合にはパターン層8のみが認識され、木口面から
観察した場合にはパターン層8と着色コア層5の両方が
確認され、木口面に違和感が生じた。特にフェノール樹
脂を着色コア層5に含浸した比較例では、フェノール樹
脂が黒色であることから着色コア層が黒いすじ(ブラッ
クライン)となってに見えた。表1に示す結果によれ
ば、この発明の着色化粧板1は、ソリの発生がなく、ま
た耐磨耗性にも優れるものであった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の着色化粧
板は、木口加工しても平面と木口面とで色の違いが生じ
ないため、ブラックラインが発生せず、着色コア層と表
層との一体感に優れるものである。しかも、この発明の
着色化粧板は、着色コア層の色彩や模様が透光性のある
表層を通じて認識でき、その色彩や模様に深みを与えて
立体感を付与するので、意匠性に優れる。さらに、この
発明の着色化粧板は、反りが発生しにくく、耐磨耗性に
も優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる着色化粧板の断面構造を示す
図である。
【図2】(a)(b)(c)は、それぞれこの発明にかかる他の
着色化粧板の断面構造を示す図である。
【図3】この発明にかかる着色化粧板の木口加工面を示
す斜視図である。
【図4】従来技術にかかる着色化粧板の断面構造を示す
図である。
【図5】従来技術にかかる着色化粧板の木口加工面を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1、1’ 着色化粧板 2 表層用樹脂含浸紙 3 表層 4 着色コア層用樹脂含浸紙 5 コア層 6 顔料 7 印刷模様 8 パターン紙 9 従来技術の着色化粧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/00 - 27/42 B32B 33/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色コア層の両面に表層を積層してなる
    着色化粧板であって、前記着色コア層は、着色コア紙の
    灰分が15〜55重量%で、この着色コア紙に樹脂を含浸し
    た着色コア層用樹脂含浸紙の1枚以上を重ね合わせたも
    のであり、前記表層は、化粧板用原紙の灰分が2重量%
    以下で、この化粧板用原紙に樹脂を含浸した表層用樹脂
    含浸紙の1枚以上を重ね合わせたものである、ことを特
    徴とする着色化粧板。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の表層を構成する1枚以
    上の表層用樹脂含浸紙、または着色コア層の少なくとも
    一方の表面に、模様が印刷されてなる、請求項1に記載
    の着色化粧板。
  3. 【請求項3】 着色コア層および表層を構成する樹脂含
    浸紙の樹脂成分が、透光性の樹脂である、請求項1また
    は2に記載の着色化粧板。
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