JP3481943B2 - 置換芳香族アミンの製造方法 - Google Patents

置換芳香族アミンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は置換芳香族アミンの製造に関する。本発明
は、別の態様として4−アミノジフェニルアミン(4−
ADPA)またはその置換誘導体の製造に関する。本発明
は、さらに別の態様として、たとえば4−ADPAもしくは
その置換誘導体のような置換芳香族アミンからの酸化防
止剤として有用なアルキル化芳香族アミンもしくはその
置換誘導体の製造法に関するものである。
アミノ官能性の求核剤がハロゲン化物を置換する求核
芳香族置換メカニズムにより置換芳香族アミンを製造す
ることは公知である。たとえばアニリン誘導体がハロゲ
ン化物を置換する求核芳香族置換メカニズムにより4−
ADPAを製造することが知られている。この方法は、4−
ADPA中間体(すなわち4−ニトロジフェニルアミン(4
−NDPA)の製造に続くニトロ部分の還元を含む。4−ND
PAは、p−クロルニトロベンゼンをアニリン誘導体(た
とえばホルムアニリドもしくはそのアルカリ金属塩)と
酸受容体もしくは中和剤(たとえば炭酸カリウム)の存
在下に反応させ、必要に応じ触媒を用いて合成される
[たとえばUS 4,187,248号;US 4,683,332号;US 4,15
5,936号;US 4,670,595号;4,122,118号;US 4,614,817
号;US 4,209,463号;US 4,196,146号;4,187,249号;US
4,140,716号参照]。この方法は、置換されるハロゲ
ン化物が反応器に対し腐食性であって廃液流中に流出
し、したがって相当な経費にて処分せねばならないとい
う欠点を有する。さらに、たとえばホルムアニリドのよ
うなアニリン誘導体の使用およびp−クロルニトロベン
ゼンの使用は、この種の出発物質をそれぞれアニリンお
よびニトロベンゼンから製造するための追加製造装置お
よび能力を必要とする。
さらに、アニリンの頭−尾カップリングにより4−AD
PAを製造することも知られている[たとえばGB 1,440,
767号およびUS 4,760,186号参照]。この方法は、4−
ADPAの収率が商業プロセスに用いるには許容しえないと
いう欠点を有する。さらにウレタンを脱炭酸して4−ND
PAを製造することも知られている[US 3,847,990号参
照]。しかしながら、この種の方法はコストおよび収率
の点で商業上実用的でない。
ニトロソベンゼンの接触二量化により製造しうるp−
ニトロソジフェニルヒドロキシルアミンを、還元剤とし
て脂肪族化合物、ベンゼン、ナフタレンまたはエチレン
系不飽和化合物を用いて水素化することにより4−ADPA
を製造することが知られている[たとえばUS 4,178,31
5号および4,404,401号参照]。さらに、過剰の塩化水素
の存在下にジフェニルアミンと硝酸アルキルとからp−
ニトロソジフェニルアミンを製造することも知られてい
る[たとえばUS 4,518,803号および4,479,008号参
照]。
芳香族アミド結合は現在では、アミンと酸塩化物との
反応により形成される。芳香族アミド結合のこの形成方
法も、置換される塩化物が反応器に対し腐食性であって
廃液流中に流出し、相当な経費で除去せねばならないと
いう欠点を有する。置換芳香族アミンにおける芳香族ア
ミド結合を生成する非ハロゲン法によりこれらの問題が
無くなる。
本発明の方法は置換芳香族アミンを製造するための非
ハロゲン法であり、したがって費用のかかる、廃液流か
らのハロゲン化物除去およびハロゲン化物によって生ず
る腐食問題が無くなる。さらに、芳香族アミド結合を有
する置換芳香族アミンを本発明の方法により製造するこ
とができる。
発明の概要 本発明の目的は、アルキル化芳香族アミンまたはその
置換誘導体を製造する際に使用するための置換芳香族ア
ミンの製造方法を提供することにある。さらに本発明の
目的は、アルキル化p−フェニレンジアミンまたはその
置換誘導体を製造する際に使用するための4−ADPAまた
はその置換誘導体の製造方法を提供することにある。さ
らに本発明の目的は、商業上価値ある4−ADPAもしくは
その置換誘導体およびアルキル化p−フェニレンジアミ
ンを製造するための効率的かつ経済的方法を提供するこ
とにある。さらに本発明の他の目的は、酸化防止剤およ
びオゾン酸化防止剤として使用するためのアルキル化p
−フェニレンジアミンまたはその置換誘導体の製造方法
を提供することにある。
本発明によれば置換芳香族アミンの製造方法が提供さ
れ、この方法はアニリン、置換アニリン誘導体、脂肪酸
アミン、置換脂肪族アミン誘導体およびアミドよりなる
群から選択される求核性化合物と式X−R1−N=N−R2
−Yにより示されるアゾ含有化合物またはそのアゾキシ
もしくはヒドラゾ誘導体とを適当な溶剤系の存在下に接
触させ、前記求核性化合物と式X−R1−N=N−R2−Y
により示される化合物またはそのアゾキシもしくはヒド
ラゾ誘導体とを適当な塩基および調節された量のプロト
ン性物質の存在下に約10〜約150℃の反応温度にて限ら
れた反応帯域内で反応させ、この反応帯域においてプロ
トン性物質と塩基とのモル比を0:1〜約5:1にし、上記式
中R1は芳香族基であり、R2は脂肪族基および芳香族基よ
りなる群から選択され、XおよびYは独立して水素、ハ
ロゲン、−NO2、−NH2、アリール基、アルキル基、アル
コキシ基、スルホネート基、−SO3H、−OH、−COH、−C
OOH、および少なくとも1個の−NH2基を有するアルキ
ル、アリール、アリールアルキルもしくはアルキルアリ
ール基よりなる群から選択され、さらに求核性化合物と
アゾ含有化合物との反応生成物を置換芳香族アミンが生
成する条件下で還元することからなることを特徴とす
る。R2が脂肪族基であれば、XはR1上のメタもしくはオ
ルト位に存在する。R2が芳香族基であれば、XおよびY
の少なくとも一方はそれぞれR1およびR2上のメタもしく
はオルト位に存在する。ハロゲンは塩素、臭素および弗
素よりなる群から選択される。ここで用いられるスルホ
ネート基はスルホン酸のエステルである。スルホネート
の例は限定はしないがアルキルスルホネート、アラルキ
ルスルホネート、アリールスルホネートなどを包含す
る。
一態様においては4−アミノジフェニルアミンまたは
その置換誘導体の製造方法が提供され、この方法はアニ
リンもしくは置換アニリン誘導体とアゾベンゼンもしく
は置換アゾベンゼン誘導体またはそのアゾキシもしくは
ヒドラゾ誘導体とを適当な溶剤系の存在下に接触させ、
アニリンもしくは置換アニリン誘導体とアゾベンゼンも
しくは置換アゾベンゼン誘導体とを適当な塩基および調
節された量のプロトン性物質の存在下に約10〜約150℃
の適当な反応温度にて限られた反応帯域内で反応させ、
この反応帯域内においてプロトン性物質と塩基とのモル
比を0:1〜約5:1にし、そしてアニリンもしくはその置換
誘導体とアゾベンゼンもしくはその置換誘導体との反応
生成物を4−アミノジフェニルアミンもしくはその置換
誘導体が生成する条件下で還元することからなることを
特徴とする。
さらに本発明によればアルキル化芳香族アミンまたは
その置換誘導体の製造方法も提供され、この方法は本発
明により製造された置換芳香族アミンを還元的にアルキ
ル化することからなっている。
発明の詳細な説明 本発明は、置換芳香族アミンを製造する方法であっ
て: (a)アニリン、置換アニリン誘導体、脂肪族アミン、
置換脂肪族アミン誘導体およびアミドよりなる群から選
択される求核性化合物と式X−R1−N=N−R2−Yによ
り示されるアゾ含有化合物またはそのアゾキシもしくは
ヒドラゾ誘導体とを適当な溶剤系の存在下に接触させ、 (b)アニリン、置換アニリン誘導体、脂肪族アミン、
置換脂肪族アミン誘導体およびアミドよりなる群から選
択される求核性化合物と式X−R1−N=N−R2−Yによ
り示されるアゾ含有化合物またはそのアゾキシもしくは
ヒドラゾ誘導体とを適当な塩基および調節された量のプ
ロトン性物質の存在下に約10℃〜約150℃の反応温度に
て限られた反応帯域内で反応させ、この反応帯域におい
てプロトン性物質と塩基とのモル比を0:1〜約5:1とし、
上記式中R1は芳香族基であり、R2は脂肪族基および芳香
族基よりなる群から選択され、XおよびYは独立して水
素、ハロゲン、−NO2、−NH2、アリール基、アルキル
基、アルコキシ基、スルホネート基、−SO3H、−OH、−
COH、−COOH、および少なくとも1個の−NH2基を有する
アルキル、アリール、アリールアルキルもしくはアルキ
ルアリール基よりなる群から選択され、R2が脂肪族であ
ればXはR1上のメタもしくはオルト位に存在し、R2が芳
香族であればXおよびYの少なくとも一方はそれぞれR1
およびR2におけるメタもしくはオルト位に存在し、ハロ
ゲンは塩素、臭素および弗素よりなる群から選択される
ものであり、及び (c)工程(b)の反応生成物を置換芳香族アミンが生
成する条件下で還元する ことならなることを特徴とする置換芳香族アミンの製造
方法に関するものである。
アルキル化芳香族アミンまたはその置換誘導体を製造
するには、本発明の方法は: (d)置換芳香族アミンを還元的にアルキル化するこ
と、 をさらに含む。
求核性化合物がアミドである場合に置換芳香族アミン
を製造するには、本発明の方法は: (d′)置換芳香族アミンを対応の置換芳香族アミンお
よびアミドが生成する条件下でアンモニアと反応させる
ことをさらに含む。
或いは求核性化合物がアミドである場合に置換芳香族
アミンを製造するには、本発明の方法は: (d′)置換芳香族アミンを適当な塩基性もしくは酸性
触媒の存在下に対応の置換芳香族アミンおよび上記
(a)のアミドに対応する酸もしくはその塩が生成する
条件下で水と反応させる工程をさらに含む。
工程(d′)により合成される置換芳香族アミンを還
元的にアルキル化して、対応のアルキル化芳香族アミン
を生成させることができる。
一態様において本発明は4−ADPAまたはその置換誘導
体を製造する方法に関し、この方法は: (a)アニリンもしくは置換アニリン誘導体とアゾベン
ゼンもしくは置換アゾベンゼン誘導体またはそのアゾキ
シもしくはヒドラゾ誘導体とを適当な溶剤系の存在下に
接触させ、 (b)アニリンもしくは置換アニリン誘導体とアゾベン
ゼンもしくは置換アゾベンゼン誘導体またはそのアゾキ
シもしくはヒドラゾ誘導体とを適当な塩基および調節さ
れた量のプロトン性物質の存在下に約10〜約150℃の反
応温度にて限られた反応帯域内で反応させ、この反応帯
域におけるプロトン性物質と塩基とのモル比を0:1〜約
5:1とし、 (c)工程(b)の反応生成物を4−ADPAもしくはその
置換誘導体が生成する条件下で還元する ことからなることを特徴とする。
アルキル化p−フェニレンジアミンもしくはその置換
誘導体を製造するには、本発明の方法は: (d)4−ADPAまたはその置換誘導体を還元的にアルキ
ル化する 工程をさらに含む。
さらに本発明はアルキル化芳香族アミンまたはその置
換誘導体の製造方法にも関し、この方法は (a)アニリン、置換アニリン誘導体、脂肪族アミン、
置換脂肪族アミン誘導体およびアミドよりなる群から選
択される求核性化合物と式X−R1−N=N−R2−Yによ
り示されるアゾ含有化合物またはそのアゾキシもしくは
ヒドラゾ誘導体とを適当な溶剤系の存在下に接触させ、 (b)求核性化合物とアゾ含有化合物とを適当な塩基お
よび調節された量のプロトン性物質の存在下に約10℃〜
約150℃の反応温度にて限られた反応帯域内で反応さ
せ、この反応帯域におけるプロトン性物質と塩基とのモ
ル比を0:1〜約5:1とし、上記式中R1は芳香族基であり、
R2は脂肪族基および芳香族基よりなる群から選択され、
XおよびYは独立して水素、ハロゲン、−NO2、−NH2
アリール基、アルキル基、アルコキシ基、スルホネート
基、−SO3H、−OH、−COH、−COOH、および少なくとも
1個の−NH2基を有するアルキル、アリール、アリール
アルキルもしくはアルキルアリール基よりなる群から選
択され、R2が脂肪族であればXはR1上のメタもしくはオ
ルト位に存在し、R2が芳香族であればXおよびYの少な
くとも一方はそれぞれR1およびR2上のメタもしくはオル
ト位に存在し、さらにハロゲンは塩素、臭素および弗素
よりなる群から選択されたものであり、これにより置換
芳香族アゾ化合物を生成させ、 (c)上記(b)の反応生成物をアルキル化芳香族アミ
ンまたはその置換誘導体が生成する条件下で還元的にア
ルキル化することを特徴とする。
求核性化合物がアミドである場合にアルキル化芳香族
アミンを製造するには、本発明は: (d)アルキル化芳香族アミンもしくはその置換誘導体
を対応のアルキル化芳香族アミンまたはその置換誘導体
およびアミドが生成する条件下でアンモニアと反応させ
る工程をさらに含む。
求核性化合物がアミドである場合にアルキル化芳香族
アミンを製造するには、本発明の方法では代わりに工程
(b)の置換芳香族アゾ化合物を対応の置換芳香族アゾ
化合物およびアミドが生成する条件下で工程(c)の還
元アルキル化に先立ちアンモニアと反応させることもで
きる。
求核性化合物がアミドである場合にアルキル化芳香族
アミンを製造するには、本発明の方法は代わりに: (d)アルキル化芳香族アミンもしくはその置換誘導体
を適当な塩基性もしくは酸性触媒の存在下に、対応のア
ルキル化芳香族アミンもしくはその置換誘導体および上
記(a)のアミドに対応する酸もしくはその塩が生成す
る条件下で水と反応させる工程をさらに含む。
求核性化合物がアミドである場合にアルキル化芳香族
アミンを製造するには、本発明の方法は、代わりに工程
(b)の置換芳香族アゾ化合物を適当な塩基性もしくは
酸性触媒の存在下に、対応の置換芳香族アゾ化合物およ
び上記(a)のアミドに対応する酸もしくはその塩が生
成する条件下で工程(c)の還元的アルキル化に先立ち
水と反応させることを含んでいてもよい。
置換芳香族アゾ化合物の製造においてアニリン、置換
アニリン誘導体、脂肪族アミン、置換脂肪族アミン誘導
体およびアミドよりなる群から選択される求核性化合物
とX−R1−N=N−R2−Yにより示される化合物または
そのアゾキシもしくはヒドラゾ誘導体とのモル比は、大
過剰のX−R1−N=N−R2−Yまたはそのアゾキシもし
くはヒドラゾ誘導体から大過剰のアニリン、置換性アニ
リン誘導体、脂肪族アミン、置換脂肪族アミン誘導体、
およびアミドよりなる群から選択される求核性化合物ま
での範囲まで変化することができる。好ましくは反応は
過剰のアニリン、置換アニリン誘導体、脂肪族アミン、
置換脂肪族アミン誘導体およびアミドよりなる群から選
択される求核性化合物を用いて行われる。より好ましく
は、求核性化合物とX−R1−N=N−R2−Yまたはその
アゾキシもしくはヒドラゾ誘導体とのモル比は少なくと
も約1:1である。
ここで用いる「置換アニリン誘導体」と言う用語は、
1個もしくはそれ以上の電子吸引性もしくは電子放出性
置換基を芳香族環に有するアニリンを意味する。用いう
る置換基はこれらに限定されないがハロゲン、−NO2
−NH2、アルキル基、アルコキシ基、スルホネート基、
−SO3H、−OH、−COOH、および少なくとも1個の−NH2
基を有するアリール、アリールアルキルもしくはアルキ
ルアリール基を包含する。ハロゲンは塩素、臭素もしく
は弗素よりなる群から選択される。好適なアルキルおよ
びアルコキシ基は1〜約6個の炭素原子を有する。好適
なアリール、アリールアルキルおよびアルキルアリール
基は約6〜約18個の炭素原子を有する。置換アニリン誘
導体の例はこれらに限定されないが2−メトキシアニリ
ン、4−メトキシアニリン、4−クロルアニリン、p−
トルイジン、4−ニトロアニリン、3−ブロモアニリ
ン、3−ブロモ−4−アミノトルエン、p−アミノ安息
香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジクロルアニリ
ン、1,4−フェニレンジアミン、4,4′−メチレンジアニ
リン、1,3,5−トリアミノベンゼンおよびその混合物を
包含する。
アニリンまたは置換アニリン誘導体は直接添加するこ
とができ、或いは反応系内に存在する条件下でアニリン
もしくは対応のアニリン誘導体を形成する化合物を添加
してその場で生成させることもできる。
本発明により用いうるアミドは芳香族アミド、脂肪族
アミド、置換芳香族アミド誘導体、置換脂肪族アミド誘
導体および式 [式中、R4およびR5は独立して芳香族基、脂肪族基およ
び直接結合よりなる群から選択され、 −SO2−、−O−、−S−および直接結合よりなる群か
ら選択される] を有するジアミドを包含する。
本発明により用いうる脂肪族アミドおよび置換脂肪族
アミド誘導体は式: [式中、nは0もしくは1であり、R3はアルキル、アリ
ールアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、シク
ロアルキルおよびシクロアルケニル基よりなる群から選
択され、Xは水素、−NO2、−NH2、アリール基、アルコ
キシ基、スルホネート基、−SO3H、−OH、−COH、−COO
H、および少なくとも1個の−NH2基を有するアルキル、
アリール、アリールアルキルもしくはアルキルアリール
基よりなる群から選択される] により示される。好適なアルキルおよびアルコキシ基は
1〜約6個の炭素原子を有する。好適なアリール、アリ
ールアルキルおよびアルキルアリール基は約6〜約18個
の炭素原子を有する。
脂肪族アミドおよび置換脂肪族アミド誘導体の例はこ
れらに限定されないがイソブチルアミド、尿素、アセト
アミド、プロピルアミドおよびその混合物を包含する。
ここで用いる「置換芳香族アミド誘導体」と言う用語
は、芳香族環に1個もしくはそれ以上の電子吸引性もし
くは電子放出性の置換基を有する芳香族アミドを意味す
る。用いうる置換基はこれらに限定されないが、ハロゲ
ン、−NO2、−NH2、アルキル基、アルコキシ基、スルホ
ネート基、−SO3H、−OH、−COH、−COOH、および少な
くとも1個の−NH2基を有するアルキル、アリール、ア
リールアルキルもしくはアルキルアリール基を包含す
る。ハロゲンは塩素、臭素および弗素よりなる群から選
択される。好適なアルキルおよびアルコキシ基は1〜約
6個の炭素原子を有する。好適なアリール、アリールア
ルキルおよびアルキルアリール基は約6〜約18個の炭素
原子を有する。
芳香族アミドおよび置換芳香族アミド誘導体の例はこ
れらに限定されないがベンズアミド、4−メチルベンズ
アミド、4−メトキシベンズアミド、4−クロルベンズ
アミド、2−メチルベンズアミド、4−ニトロベンズア
ミド、4−アミノベンズアミドおよびその混合物を包含
する。
本発明の方法により用いうるジアミドはこれらに限定
されないがアジポアミド、修酸アミド、テレフタル酸ジ
アミド、4,4′−ビフェニルジカルボキシアミドおよび
その混合物を包含する。
本発明により用いうる脂肪族アミンおよび置換脂肪族
アミン誘導体は式X′−R6−NH−R7−Y′により示され
る化合物、および式: [式中、R6はアルキル、アルケニル、シクロアルキルお
よびシクロアルケニル基よりなる群から選択され、R7
直接結合、アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよ
びシクロアルケニル基よりなる群から選択され、R8およ
びR9は独立してアルキル基およびアルケニル基よりなる
群から選択され、Zは直接結合、−NH−、−N(R10
−、−O−および−S−よりなる群から選択され、ここ
でR10はアルキル基であり、さらにX′およびY′は独
立して水素、ハロゲン、−NO2、−NH2、アリール基、ア
ルコキシ基、スルホネート基、−SO3H、−OH、−COH、
−COOH、および少なくとも1個の−NH2基を有するアル
キル、アリール、アリールアルキルもしくはアルキルア
リール基よりなる群から選択される]により示される化
合物よりなる群から選択される化合物である。ハロゲン
は塩素、臭素および弗素よりなる群から選択される。R6
およびR7として好適な脂肪族基は1〜約12個の炭素原子
を有する。好適なアリール、アリールアルキルおよびア
ルキルアリール基は約6〜約18個の炭素原子を有する。
好適なアルコキシ基は1〜約6個の炭素原子を有する。
脂肪族アミンおよび置換脂肪族アミン誘導体の例はこ
れらに限定されないがシクロヘキシルアミン、2−ブチ
ルアミン、イソプロピルアミン、2−ヘキシルアミン、
2−ヘプチルアミン、1,4−ジメチルペンチルアミン、
1−メチルヘプチルアミン、1−エチル−3−メチルペ
ンチルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、オクチル
アミン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンジア
ミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1
−ブタノール、6−アミノヘキサン酸およびその混合物
も包含する。
ここで用いる「アゾ含有化合物」という用語は、式X
−R1−N=N−R2−Yにより示される本発明の化合物ま
たはそのアゾキシもしくはヒドラゾ誘導体であって、R1
は芳香族基であり、R2は脂肪族基および芳香族基よりな
る群から選択され、XおよびYは独立して水素、ハロゲ
ン、−NO2、−NH2、アリール基、アルキル基、アルコキ
シ基、スルホネート基、−SO3H、−OH、−COH、−COO
H、および少なくとも1個の−NH2基を有するアルキル、
アリール、アリールアルキルもしくはアルキルアリール
基よりなる群から選択される。R2が脂肪族基であれば、
XはR1上のメタもしくはオルト位に存在する。R2が芳香
族であれば、XおよびYの少なくとも一方はそれぞれR1
およびR2上のメタもしくはオルト位に存在する。ハロゲ
ンは塩素、臭素および弗素よりなる群から選択される。
R1およびR2として好適な脂肪族基は1〜約12個の炭素原
子を有し、R1およびR2として好適な芳香族基は約6〜約
18個の炭素原子を有する。好適なアルキルおよびアルコ
キシ基は1〜約6個の炭素原子を有する。好適なアリー
ル、アリールアルキルおよびアルキルアリール基は約6
〜約18個の炭素原子を有する。アゾ含有化合物の例はこ
れらに限定されないがアゾベンゼン、置換アゾベンゼン
誘導体、アゾキシベンゼン、4−(フェニルアゾ)−ジ
フェニルアミン、1,2−ジフェニルヒドラジンおよびそ
の混合物を包含する。
アゾ含有化合物がアゾベンゼンである場合、アゾベン
ゼンは適当な塩基の存在下におけるアニリンの酸化的カ
ップリングにより製造することができる。アゾベンゼン
と反応させるべく使用する求核性化合物がアニリンであ
って反応を好気的条件下で行う場合、アゾベンゼンは適
当な塩基の存在下におけるアニリンの酸化的カップリン
グによりその場で生成させることができる。アニリンの
酸化的カップリングについては当業界にて公知であり
[S.ジェオンおよびD.T.ソイヤー、「ジオキシゲンおよ
びアニリン、ヒドロキシルアミンもしくはヒドラジンか
らの超酸化物イオンの水酸化物誘導合成」、インオーガ
ニック・ケミストリー(1990)、第29巻、第4612〜15頁
参照]、さらにここに規定する置換芳香族アゾ化合物を
製造するための反応条件はアニリンからアゾベンゼンへ
の酸化的カップリングにおいて充分である。
ここで用いる「置換アゾベンゼン誘導体」と言う用語
は、1個もしくはそれ以上の電子吸引性もしくは電子放
出性置換基を芳香族環の一方もしくは両方に有するアゾ
ベンゼンを意味する。用いうる置換基は限定はしないが
ハロゲン、−NO2、−NH2、アルキル基、アルコキシ基、
スルホネート基、−SO3H、−OH、−COOH、および少なく
とも1個の−NH2基を有するアリール、アリールアルキ
ルもしくはアルキルアリール基を包含する。ハロゲンは
塩素、臭素および弗素よりなる群から選択される。好適
なアルキルおよびアルコキシ基は1〜約6個の炭素原子
を有する。好適なアリール、アリールアルキルおよびア
ルキルアリール基は約6〜約18個の炭素原子を有する。
置換アゾベンゼン誘導体の例はこれらに限定されないが
3,4′−ジクロルアゾベンゼン、p−フェニルアゾベン
ゼンスルホン酸、p−(2,4−ジヒドロキシフェニルア
ゾ)ベンゼンスルホン酸およびその混合物を包含する。
適当な溶剤系はこれらに限定されないがたとえばジメ
チルスルホキシドのような溶剤、反応温度より低い融点
を有する置換アニリン誘導体、アニリンおよびアミドの
ような求核性化合物、たとえば溶融ベンズアミド、ジメ
チルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリ
ジン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジイソプ
ロピルエチルアミン、sec−ブチルアミンおよび2−ヘ
プチルアミンのようなアミン類、並びにその混合物を包
含する。以下詳細に説明するように、1個またはそれ以
上の適当な溶剤および他の溶剤(たとえば調節された量
のプロトン性溶剤、たとえばメタノール又は水)を組合
せた溶剤混液をも使用することができる。
適当な塩基はこれらに限定されないが有機塩基および
無機塩基、たとえばアルカリ金属(たとえばナトリウム
金属)、アルカリ金属の水素化物、水酸化物およびアル
コキシド(たとえば水素化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウ
ム、カリウムt−ブトキシドなど)、並びにその混合物
を包含する。他の許容しうる塩基物質はこれらに限定さ
れないが、適当な塩基源と組合せた相間移動触媒、たと
えば四置換アンモニウムの水酸化物もしくはハロゲン化
物であって、各置換基は独立してアルキル、アリールも
しくはアリールアルキル基から選択され、アルキル、ア
リールおよびアリールアルキル基は好ましくは1〜約18
個の炭素原子を有するものであって、水酸化テトラアル
キルアンモニウムたとえば水酸化テトラメチルアンモニ
ウム、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムたとえば
塩化テトラブチルアンモニウム、水酸化アリールトリア
ルキルアンモニウムたとえば水酸化フェニルトリメチル
アンモニウム、水酸化アリールアルキルトリアルキルア
ンモニウムたとえば水酸化ベンジルトリメチルアンモニ
ウム、水酸化アルキル置換ジアンモニウムたとえば水酸
化ビス−ジブチルエチルヘキサメチレンジアンモニウム
などを含む塩基源と組合せた相間移動触媒、及び、相間
移動触媒と適当な塩基との他の組合せ、たとえばアリー
ルアンモニウム塩やクラウンエーテルなどと組合せた適
当な塩基、さらにアミン塩基、たとえばリチウム、ビス
(トリメチルシリル)アミド、2−アミノヘプタンな
ど、及びハロゲン化アルキルマグネシウムおよびその混
合物を包含する。塩基として使用するのに好適な物質は
アルカリ金属水酸化物、たとえば水酸化カリウム、アル
カリ金属アルコキシド、たとえばカリウムt−ブトキシ
ド、相間移動触媒と組合せたアルカリ金属水酸化物もし
くはアルコキシドたとえばクラウンエーテルと組合せた
水酸化カリウム、及び水酸化テトラアルキルアンモニウ
ム、たとえば水酸化テトラメチルアンモニウム又は水酸
化テトラブチルアンモニウムである。
好ましくは塩基を求核性化合物に添加して混合物を生
成させ、次いでこれをアゾ含有化合物または置換芳香族
アゾ化合物と混合する。その代りに塩基を求核性化合物
とアゾ含有化合物もしくは置換芳香族アゾ化合物とを混
合した後に添加することもできる。これらの物質の添加
は表面添加より高い位置または低い位置で行うことがで
きる。
置換芳香族アミンを製造するには、本発明において用
いる塩基の量を便利には適当な塩基とアゾ含有化合物と
のモル比として現すことができる。広義において塩基と
アゾ含有化合物とのモル比は約1:1〜約10:1、好ましく
は約1:1〜約4:1、特に好ましくは約1:1〜約2:1である。
求核性化合物とアゾ含有化合物との反応は約10〜約15
0℃の範囲、たとえば約20〜約120℃、好ましくは約30〜
約100℃の範囲の温度で行われる。求核性化合物とアゾ
含有化合物との反応を行うのに最も好適な温度は約50〜
約90℃である。
求核性化合物とアゾ含有化合物との反応において存在
させるプロトン性物質の量を調節することが重要であ
る。本発明により用いられるプロトン性物質の量は便利
には、求核性化合物とアゾ含有化合物との反応の開始時
点に存在させる塩基の量に基づくモル比として現すこと
ができる。広義においてプロトン性物質と塩基とのモル
比は0:1〜約5:1、好ましくは0:1〜約3:1、特に好ましく
は0:1〜約1:1である。したがって、本発明の反応は無水
条件下で行うこともできる。求核性化合物とアゾ含有化
合物との反応につきここで用いるプロトン性物質の「調
節された量」と言う用語は、求核性化合物とアゾ含有化
合物との反応を阻止する量に至るまでの量である。反応
に存在させるプロトン性物質の量に関する上限値は溶剤
によって変化する。さらに、許容されるプロトン性物質
の量は各種の溶剤系で用いる塩基の種類、塩基の量およ
び塩基の陽イオンによって変化する。しかしながら、本
発明の教示を利用する当業者には、特定の溶剤、塩基の
種類および量、塩基陽イオンなどにつきプロトン性物質
に固有の量の上限値を決定することはその知識内であ
る。所望生成物の選択性を維持するのに必要なプロトン
性物質の最少量も用いられる溶剤、塩基の種類および
量、塩基の陽イオンなどに依存し、これも当業者が決定
することができる。
反応に存在させるプロトン性物質の量が重要であるた
め、存在するプロトン性物質の量をできるだけ減少さ
せ、次いで反応系に所望量だけ戻すことができる。反応
系にに戻すべく利用しうるプロトン性物質は当業者に公
知であり、これらに限定されないが水、メタノール、イ
ソアミルアルコール、t−ブタノールなどおよびその混
合物を包含する。プロトン性物質の量を測定する方法お
よびプロトン性物質の量をできるだけ減少させる方法も
当業界で周知されている。たとえば或る種の試薬中に存
在する水の量はカール・フィッシャー装置を用いて決定
することができ、水の量を蒸留および/または減圧下で
の乾燥、P2O5などの試薬の存在下における乾燥、たとえ
ばキシレンなどを用いる共沸蒸留、或いはその組合せに
より減少させることができる。
求核性化合物とアゾ含有化合物との反応に際しプロト
ン性物質の量を調節する一態様においては、乾燥剤を求
核性化合物とアゾ含有化合物との反応に際し存在するよ
う添加する。たとえばプロトン性物質が水である場合、
乾燥剤は求核性化合物とアゾ含有化合物との反応に際し
存在する水を除去すると共に、アゾ含有化合物の高変換
率および置換芳香族アゾ化合物または置換芳香族アミン
の収率増大をもたらす。ここで用いる「乾燥剤」は、求
核性化合物とアゾ含有化合物との反応に際し使用される
適当な塩基の他に存在させる化合物である。適当な乾燥
剤の例はこれらに限定されないが無水硫酸ナトリウム、
モレキュラシーブ(たとえば4A型、5A型および13X型で
あってユニオン・カーバイド株式会社から入手すること
ができる)、塩化カルシウム、水酸化テトラメチルアン
モニウム二水塩、無水塩基、たとえばKOHおよびNaOH、
並びに活性アルミナを包含する。
求核性化合物とアゾ含有化合物との反応に際しプロト
ン性物質の量を調節する他の具体例においては、プロト
ン性物質を蒸留により反応混合物から連続的に除去す
る。存在するプロトン性物質が反応混合物における化合
物の1種と共沸混合物を形成する場合、プロトン性物質
は共沸混合物を用いるプロトン性物質の連続共沸蒸留に
より除去することができる。プロトン性物質の連続除去
は、求核性化合物とアゾ含有化合物との反応における塩
基の使用量をより少なくすることを可能にすると共に、
アゾ含有化合物の極めて高い変換率と置換芳香族アゾ化
合物もしくは置換芳香族アミンの優秀な収率とを達成す
る。
一般に、反応は好気的条件下または嫌気的条件下で行
うことができる。求核性化合物が第二級脂肪族アミンで
ある場合、反応は好気的条件下でしか行うことができ
ず、すなわち嫌気的条件下では唯一の用いうる脂肪族ア
ミンもしくは置換脂肪族アミン誘導体は式X′−R6−NH
2を有するものである。好気的条件下では反応は実質的
に上記したように酸素に露出(通常は空気に露出)され
る反応帯域内で行われる。好気的条件下では、反応を行
う圧力は変えることができ、最適圧力および圧力と温度
との最適組合せは当業者により容易に決定することがで
きる。たとえば反応は約0psig(0kg/cm2)〜約250psig
(17.6kg/cm2)、たとえば約14psig(1kg/cm2)〜約150
psig(10.5kg/cm2)の範囲の圧力で行うことができる。
嫌気的条件下では、反応を大気圧または減圧もしくは高
圧下にて、たとえば窒素もしくはアルゴンのような不活
性ガスの存在下に行うことができる。たとえば温度、塩
基、溶剤などの特定群の反応パラメータにつき最適条件
は本発明の教示を利用する当業者により容易に決定され
る。
本発明の方法による置換芳香族アゾ化合物から置換芳
香族アミンへの還元は、接触水素化により或いは慣用の
還元法により行うことができる。慣用の還元法の例は水
素化物源(たとえば硼水素化ナトリウム)とたとえばパ
ラジウム−炭もしくは白金−炭触媒のような適当な触媒
との併用および亜鉛末と酢酸との併用を包含する。好ま
しくは、この還元は接触還元により行われ、水素化を適
当な水素化触媒の存在下に水素圧力下で行う。適当な金
属水素化触媒の例はニッケル、パラジウム、白金、ロジ
ウムなどを包含する。好適な水素化触媒は白金−炭、パ
ラジウム−炭およびラネーニッケルを包含する。水素化
は種々の溶剤中で、たとえば求核性化合物とアゾ含有化
合物との反応の際に使用される溶剤中で行うことができ
る。適当な水素化溶剤の例はこれらに限定されないがト
ルエン、キシレン、アニリン、エタノール、ジメチルス
ルホキシド、水およびその混合物を包含する。好ましく
は水素化は白金−炭もしくはパラジウム−炭触媒を用い
て、たとえばエタノール、アニリンもしくはジメチルス
ルホキシド、それらの混合物または溶剤として水を含む
混合物にて行われる。接触水素化を使用する場合、水素
圧力は約30psig(2.1kg/cm2)H2〜約2500psig(176kg/c
m2)H2、好ましくは約50psig(3.5kg/cm2)H2〜約340ps
ig(23.9kg/cm2)H2である。接触水素化の温度は約50〜
約150℃、好ましくは約70〜約120℃である。接触水素化
に要する時間は一般に約30分間〜約24時間、好ましくは
約2〜約12時間の範囲である。亜鉛末と酢酸とを用いる
還元の場合、還元の温度は室温程度に低くすることがで
きる。
置換芳香族アミン(たとえば4−ADPA)または置換芳
香族アゾ化合物を還元的にアルキル化して酸化防止剤も
しくはオゾン酸化防止剤として有用なアルキル化芳香族
アミンまたはその置換誘導体を生成させるには任意の周
知の方法によって行うことができる[たとえばUS4,900,
868号を参照のこと]。好ましくは置換芳香族アミンも
しくは置換芳香族アゾ化合物と適当なケトンもしくはア
ルデヒドとを水素および適当な触媒の存在下に反応させ
る。適当な触媒はニッケル、パラジウム、白金およびロ
ジウム金属触媒を包含する。好適な触媒は白金およびパ
ラジウム触媒、たとえば白金−炭およびパラジウム−炭
触媒である。適当なケトンはこれらに限定されないがメ
チルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、メチルイソ
アミルケトンおよび2−オクタノンを包含する。還元的
アルキル化の反応条件は、上記の還元反応条件と同一に
することができる。置換芳香族アゾ化合物の還元および
還元物質のアルキル化は、溶剤としてケトンを用いる同
じ反応容器で行うことができることを銘記されたい[た
とえばUS 3,414,616号、US 4,463,191号およびバンネ
ルイエー等、ジャーナル・ケミカル・ソサエティ・ケミ
カル・コミューニケーション、第18巻、第1275〜76頁
(1988)参照]。求核性化合物がアミドでありかつアミ
ノリシスもしくは加水分解を還元的アルキル化の後に行
う場合、第2の還元的アルキル化を行ってジアルキル化
生成物を生成させることができる。
芳香族アミド結合を有する置換芳香族アミンまたはア
ルキル化置換芳香族アミン(求核性化合物としてのアミ
ドとアゾ含有化合物とを反応させて置換芳香族アゾ化合
物を生成させ、次いで置換芳香族アゾ化合物を還元し或
いは還元アルキル化して作成することができる)のアミ
ノリシスは、置換芳香族アミンもしくはアルキル化置換
芳香族アミンをアンモニアと反応させて対応の置換芳香
族アミンもしくはアルキル化置換芳香族アミンとアミド
とを生成させることにより行うことができ、このアミド
を循環させることができる[たとえばW.P.ジェンクス、
ジャーナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第92
巻、第3201〜3202頁(1970)参照]。アミノリシス反応
において、アンモニアは、アンモニアとしても、または
アンモニアと水酸化アンモニウムとの混合物としても使
用することができる。水酸化アンモニウムを存在させる
場合、反応はアミド出発物質の他にアミド出発物質に対
応する酸を生成することができる。好ましくは芳香族ア
ミド結合を有する置換芳香族アミンを溶剤(たとえばメ
タノール)の存在下にアンモニアと反応させる。さら
に、求核性化合物としてのアミドとアゾ含有化合物との
反応により合成しうる芳香族アミド結合を有する置換芳
香族アゾ化合物のアミノリシスは、置換芳香族アゾ化合
物をアンモニアと反応させて対応の置換芳香族アゾ化合
物とアミドとを生成させた後に置換芳香族アゾ化合物を
還元し或いは還元的にアルキル化して行うことができ
る。
求核性化合物としてのアミドとアゾ含有化合物とを反
応させて置換芳香族アゾ化合物を合成し、次いで置換芳
香族アゾ化合物を還元し或いは還元的にアルキル化して
合成しうる芳香族アミド結合を有する置換芳香族アミン
もしくはアルキル化置換芳香族アミンの加水分解は、置
換芳香族アミンもしくはアルキル化置換芳香族アミンを
適当な塩基性もしくは酸性触媒の存在下に水と反応させ
ることにより行って、対応の置換芳香族アミンもしくは
アルキル化置換芳香族アミンおよびアミド出発物質に対
応する酸もしくはその塩を合成させることができる。さ
らに、求核性化合物としてのアミドとアゾ含有化合物と
の反応により合成しうる芳香族アミド結合を有する置換
芳香族アゾ化合物の加水分解は、置換芳香族アゾ化合物
を適当な塩基性もしくは酸性触媒の存在下に水と反応さ
せて対応の置換芳香族アゾ化合物およびアミド出発物質
に対応する酸もしくはその塩を合成することによりて行
うことができ、次いで置換芳香族アゾ化合物を還元し或
いは還元的にアルキル化する。適当な塩基性触媒の例は
これらに限定されないがアルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、水酸
化テトラアルキルアンモニウム、水酸化アンモニウムな
ど、およびその混合物を包含する。適当な酸性触媒の例
はこれらに限定されないが硫酸、塩酸、硝酸、燐酸な
ど、並びにその混合物を包含する。アミドとアゾ含有化
合物との反応に使用する適当な選択された塩基は加水分
解反応における塩基性触媒としても使用しうるので、塩
基性触媒を使用することが現在のところ好適である。加
水分解反応の温度は一般に約60〜約120℃の範囲であ
る。
本発明の好適具体例において、還元または還元的アル
キル化は水の存在下で行われ、たとえば水を求核性化合
物とアゾ含有化合物との反応の終了時に反応混合物に添
加する。還元もしくは還元的アルキル化の際の水の利用
は、求核性化合物とアゾ含有化合物との反応に際し使用
する適当な塩基が水溶性である場合、特に有用である。
使用する適当な塩基が水溶性である場合、添加する水の
量は好ましくは少なくとも有機相から適当な塩基を抽出
するのに必要な量である。
上記の反応物および試薬の考えられる均等物は、これ
に対応すると共に同じ一般的性質を有する反応物および
試薬であって、各基の1個もしくはそれ以上(たとえば
−NO2)が簡単な種類のものである。さらに、置換基を
水素とし、またはし得る場合、その位置における水素以
外の置換基の正確な化学的性質は、全体的活性および/
または合成過程に悪影響を与えない限り臨界的でない。
上記化学反応は一般に、本発明の方法に対して最も広
く適用されるように開示されている。反応条件を、本発
明の範囲内で各反応物および試薬につき特定して記載し
たように適用しえないこともある。たとえば或る種の適
当な塩基は他の溶剤に可溶性である程には或る溶剤には
溶解性でないこともある。このことが生ずる反応物およ
び試薬については当業者に容易に了解されよう。これら
全ての場合、反応は当業者に知られた慣用の改変によ
り、たとえば温度、圧力などを適当に調整して或いはた
とえば他の溶剤もしくは塩基など代りの慣用の試薬に変
更して或いは反応条件などを慣例的な方法で改変して好
適に行うことができ、或いは他のここに開示した反応ま
たは他の反応であって通常行われているものを本発明の
方法に適用することもできる。全ての製造法において、
出発物質は全て公知であり或いは公知の出発物質から容
易に製造することができる。
実施例 材料および方法: アニリン、アニリン誘導体およびアゾベンゼンはアル
ドリッチ・ケミカル社から購入したが、これは試薬用で
あって、さらに精製することなく使用した。溶剤は全て
アルドリッチ・ケミカル社から購入し、これらは無水級
であった。水酸化テトラメチルアンモニウムは五水塩と
して購入した。
HPLC分析:逆相HPLCを用いて反応混合物を分析した。
2成分勾配ポンプ系を用い5μmベックマン/アルテッ
クス・ウルトラスフェア−ODS(4.6×150mm)カラムを
用いた。
バイダック201HS54(4.6×250mm)カラムと254nmにお
けるUV検出器とを備えたウォータース600シリーズHPLC
を用いて全反応を監視した。外部標準法を全ての分析に
用いた。標準として用いるべき生成物の標準試料は公知
の文献法により作成した。
実施例1 この実施例は、塩基と相間移動触媒との存在下におけ
るアニリンとアゾベンゼンとの反応からの4−(フェニ
ルアゾ)−ジフェニルアミンの製造に対するプロトン性
物質の作用を例示する。
アニリン(1.25g)とアゾベンゼン(0.45g)とカリウ
ムt−ブトキシド(0.55g)と18−クラウン−6(0.65
g)との混合物を窒素下で撹拌した。種々の量の水を反
応物に添加し、溶液を80℃まで2時間加熱した後、所定
量を取出してHPLCにより分析した。
実施例2 この実施例は、アニリンもしくは置換アニリン誘導体
とアゾベンゼンとの反応からの4−(フェニルアゾ)−
ジフェニルアミンおよびその置換誘導体の製造を例示す
る。
(a)10ミリモルのアゾベンゼンと20ミリモルのカリウ
ムt−ブトキシドと10ミリモルの18−クラウン−6とを
10gのアニリン中で窒素下に80℃にて30分間撹拌した。
所定重量をHPLC用に試料採取し、40%の4−(フェニル
アゾ)−ジフェニルアミンと50%のアゾベンゼンと10%
のヒドラゾベンゼンとを含有することが判明した。
(b)10ミリモルのアゾベンゼンと20ミリモルのカリウ
ムt−ブトキシドと10ミリモルの18−クラウン−6とを
5gのp−アニシジン中で窒素下に60℃にて12時間撹拌し
た。10mLの90%メタノールを添加して溶液を均質化させ
た。所定重量をHPLC用に試料採取し、80%の4−(4−
メトキシフェニルアゾ)ジフェニルアミンと19%のアゾ
ベンゼンとを含有することが判明した。
(c)10ミリモルのアゾベンゼンと20ミリモルのカリウ
ムt−ブトキシドと10ミリモルの18−クラウン−6とを
5gのp−クロルアニリン中で窒素下に70℃にて12時間撹
拌した。10mLの90%メタノールを添加して溶液を均質化
させた。所定重量をHPLC用に試料採取し、31%の4−
(4−クロルフェニルアゾ)−ジフェニルアミンと38%
のヒドラゾベンゼンと30%のアゾベンゼンとを含有する
ことが判明した。
(d)10ミリモルのアゾベンゼンと20ミリモルのカリウ
ムt−ブトキシドと10ミリモルの18−クラウン−6とを
5gのp−トルイジン中で窒素下に80℃にて12時間撹拌し
た。10mLの90%メタノールを添加して溶液を均質化させ
た。所定重量をHPLC用に試料採取し、60%の4−(トル
イルフェニルアゾ)−ジフェニルアミンと40%のアゾベ
ンゼンとを含有することが判明した。
(e)10ミリモルのアゾベンゼンと5gのp−ニトロアニ
リンと20ミリモルのカリウムt−ブトキシドと10ミリモ
ルの18−クラウン−6とを4mLのDMSO中で窒素下に100℃
にて72時間撹拌した。10mLの90%メタノールを添加して
溶液を均質化させた。所定重量をHPLC用に試料採取し、
23%の4−(ニトロフェニルアゾ)−ジフェニルアミン
と74%のアゾベンゼンとを含有することが判明した。
(f)10ミリモルのアゾベンゼンと2gの1,4−フェニレ
ンジアミンと20ミリモルのカリウムt−ブトキシドと10
ミリモルの18−クラウン−6とを4mLのDMSO中で窒素下
に100℃にて72時間撹拌した。10mLの90%メタノールを
添加して溶液を均質化させた。所定重量をHPLC用に試料
採取し、90%の4−(アミノフェニルアゾ)−ジフェニ
ルアミンを含有することが判明した。
実施例3 この実施例は、アニリンとアゾベンゼンとの反応から
の4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミンの製造を例示
する。
75mLの25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を
60℃/20mmHgにて蒸発乾固させ、次いで18.5gのアゾベン
ゼンと75mLのアニリンとを添加した。この溶液を60℃/2
0mmHgにて4時間撹拌し、約30mLのアニリンを蒸留し、
次いで50mLの水を添加した。このアニリン溶液を分析し
てアゾベンゼンに対し収率99%の4−(フェニルアゾ)
ジフェニルアミンと6%のN−メチルアニリンとをHPLC
により含有すると分析された。
実施例4 この実施例は、好気的条件下における4−(フェニル
アゾ)ジフェニルアミンの製造を例示する。
25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(8mL)
を75℃にて固体物質が生成するまで減圧濃縮した。アゾ
ベンゼン(1.8g)とアニリン(10mL)とを添加し、溶液
を同じ条件下で4時間撹拌し、次いで空気の存在下に12
時間撹拌した。HPLCによる反応物の分析は4−(フェニ
ルアゾ)ジフェニルアミンの収率90%を示した。
実施例5 この実施例は、4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミ
ンから4−ADPAへの接触水素化を例示する。
水酸化テトラメチルアンモニウムの存在下におけるア
ゾベンゼンとアニリンとのカップリングにより得られた
4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミン/アニリン溶液
に5gの1%白金−炭を添加し、2000psig(141kg/cm2
の水素中120℃にて2時間にわたり水素化した。この溶
液を室温まで冷却し、触媒を濾別してメタノールにより
洗浄した。所定重量を試料採取し、HPLCにより分析して
4−アミノジフェニルアミンが83%の収率で与えられる
ことが判明した。
実施例6 この実施例は、アニリンとアゾベンゼンとの反応によ
り4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミンを生成させ、
次いで反応混合物を接触水素化することによる4−ADPA
の製造を例示する。
水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液(8m
L)を固体物質が生成するまで75℃にて減圧濃縮した。
アゾベンゼン(1.8g)とアニリン(10mL)とを添加し、
溶液を同じ条件下で4時間撹拌し、次いで空気の存在下
に12時間撹拌した。HPLCによる反応混合物の分析は4−
(フェニルアゾ)ジフェニルアミンの収率90%を示し
た。水(10mL)と1gの1%白金−炭触媒とを反応混合物
に添加した。この溶液を300ccのステンレス鋼オートク
レーブに移し、70psig(4.9kg/cm2)の水素下で70℃に
て12時間にわたり水素化した。反応混合物における有機
層の分析は、4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミンに
対し4−ADPAの収率90%を示した。
実施例7 この実施例は、亜鉛末および酢酸を用いる4−(フェ
ニルアゾ)ジフェニルアミンから4−ADPAおよびアニリ
ンへの還元を例示する。
4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミン(0.3g)を5m
Lのエタノールに溶解させた。この溶液に0.07gの亜鉛末
を添加し、次いで1mLの酢酸を添加した。この溶液を窒
素下で室温にて30分間撹拌し、次いで固体を濾過により
除去した。所定重量をHPLC分析用に試料採取し、収率は
4−(フェニルアゾ)ジフェニルアミンに対し4−アミ
ノジフェニルアミンが100%およびアニリンが100%であ
ると測定された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−83050(JP,A) 特開 昭63−165347(JP,A) 米国特許5117063(US,A) 英国特許1440767(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/00 C07C 209/00 C07C 245/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4−アミノジフェニルアミン又はその置換
    誘導体の製造方法であって、 (a)アニリン及び置換アニリン誘導体よりなる群から
    選択される求核性化合物と、アゾベンゼン及び置換アゾ
    ベンゼン誘導体よりなる群から選択されるアゾ含有化合
    物とを、適当な溶剤系の存在下に接触させ; (b)前記求核性化合物とアゾ含有化合物を、適当な塩
    基及び調節された量のプロトン性物質の存在下に、10℃
    〜150℃の反応温度にて、限られた反応帯域内で反応さ
    せ、その際、プロトン性物質と塩基とのモル比を0:1〜
    5:1とし; (c)工程(b)の反応生成物を、前記4−アミノジフ
    ェニルアミン又はその置換誘導体が生成する条件下で還
    元する; ことを特徴とする、製造方法。
  2. 【請求項2】工程(c)の還元が接触水素化である、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】触媒を、白金−炭、パラジウム−炭及びラ
    ネーニッケルよりなる群から選択する、請求項2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】工程(c)の還元を、亜鉛末及び酢酸の存
    在下に行う、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】水を工程(b)の終了時に反応混合物に添
    加する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記置換アニリン誘導体の置換基が、ハロ
    ゲン、−NO2、−NH2、アルキル基、アルコキシ基、スル
    ホネート基、−SO3H、−OH、−COOH、及び、少なくとも
    1個の−NH2基を有するアリール、アリールアルキル若
    しくはアルキルアリール基から成る群から選択され、ハ
    ロゲンが塩素、臭素及び弗素よりなる群から選択され
    る、請求1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記置換アニリン誘導体が、2−メトキシ
    アニリン、4−メトキシアニリン、4−クロルアニリ
    ン、p−トルイジン、4−ニトロアニリン、3−ブロモ
    アニリン、3−ブロモ−4−アミノトルエン、p−アミ
    ノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジクロルア
    ニリン、1,4−フェニレンジアミン、4,4′−メチレンジ
    アニリン及び1,4,5−トリアミノベンゼンよりなる群か
    ら選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記適当な溶剤系が、アニリン、ジメチル
    スルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2
    −ピロリドン、ピリジン、エチレングリコールジメチル
    エーテル、ジイソプロピルエチルアミン、溶融ベンズア
    ミド及びそれらの混合物よりなる群から選択される溶剤
    を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記適当な溶剤系がプロトン性溶剤を含
    む、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記プロトン性物質と前記適当な塩基と
    のモル比が0:1〜3:1であり、前記適当な塩基と前記アゾ
    含有化合物とのモル比が1:1〜10:1である、請求項1に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】前記適当な塩基が有機塩基及び無機塩基
    よりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記有機塩基及び無機塩基が、アルカリ
    金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、
    アルカリ金属アルコキシド、塩基源と組合せた相間移動
    触媒、アミン、塩基源と組合せたクラウンエーテル、ア
    ルキルマグネシウムハロゲン化物及びそれらの混合物よ
    りなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記塩基が、塩基源と組合せた、アリー
    ルアンモニウム、アルキルアンモニウム、アリール/ア
    ルキルアンモニウム及びアルキルジアンモニウム塩より
    なる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記求核性化合物がアニリンであり、工
    程(a)に導入する前記アゾベンゼンを、適当な塩基の
    存在下におけるアニリンの酸化的カップリングにより生
    成させる、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記求核性化合物がアニリンであり、前
    記反応を好気的条件下で行ない、且つ、アゾベンゼンを
    適当な塩基の存在下におけるアニリンの酸化的カップリ
    ングによりその場で生成させる、請求項1に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】前記溶剤がアニリンであり、前記塩基
    が、水酸化カリウム又はカリウムt−ブトキシドと組合
    せた18−クラウン−6エーテル、水酸化テトラアルキル
    アンモニウム及び水酸化アルキル置換ジアンモニウムよ
    りなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記求核性化合物と前記アゾ含有化合物
    を好気的条件下で反応させる、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】乾燥剤を工程(b)の際に存在させて、
    前記求核性化合物と前記アゾ含有化合物との反応に際し
    存在するプロトン性物質の量を調節する、請求項1に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】工程(b)におけるプロトン性物質の量
    を該プロトン性物質の連続蒸留により調節する、請求項
    1に記載の方法。
  20. 【請求項20】(d)工程(c)の4−アミノジフェニ
    ルアミン又はその置換誘導体を還元的にアルキル化す
    る; 工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】アルキル化4−アミノジフェニルアミン
    又はその置換誘導体の製造方法であって、 (a)アニリン及び置換アニリン誘導体よりなる群から
    選択される求核性化合物と、アゾベンゼン及び置換アゾ
    ベンゼン誘導体よりなる群から選択されるアゾ含有化合
    物とを、適当な溶剤系の存在下に接触させ、 (b)前記求核性化合物とアゾ含有化合物を、適当な塩
    基及び調節された量のプロトン性物質の存在下に、10℃
    〜150℃の反応温度にて、限られた反応帯域内で反応さ
    せ、その際、プロトン性物質と塩基とのモル比を0:1〜
    5:1とし; (c)工程(b)の反応生成物を、前記アルキル化4−
    アミノジフェニルアミン又はその置換誘導体が生成する
    条件下で還元的にアルキル化する; ことを特徴とする、製造方法。
  22. 【請求項22】前記工程(b)の反応生成物をケトン及
    びアルデヒドよりなる群から選択される化合物を用いて
    還元的アルキル化する、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記ケトンが、アセトン、メチルイソブ
    チルケトン、メチルイソアミルケトン及び2−オクタノ
    ンよりなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
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