JP3477045B2 - 2軸バランサ付き単気筒エンジン - Google Patents
2軸バランサ付き単気筒エンジンInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバランサ付きエンジ
ンに関し、さらに詳しくは2軸バランサを備えた単気筒
エンジンに関する。 【0002】 【従来技術】従来から、単気筒エンジンにおいて2軸バ
ランサを備えたエンジンが提案されている。2軸バラン
サは同じ重量のバランサを平行に2軸架設してエンジン
の振動を押さえるものである。このような2軸バランサ
付きエンジンには、2軸バランサのウエイト部がクラン
ク軸のウエイト部、コンロッド大端部などと干渉するの
を避けるために、クランク軸のクランク歯車とバランサ
側の従動歯車との間にアイドル歯車を設けたものがあ
る。しかし、アイドル歯車を入れることにより縦型エン
ジンでは全高が大きくなり、横型エンジンでは横幅が大
きくなる問題がある。 【0003】コンパクト性が要求されることの多い単気
筒エンジンの場合、上記アイドル歯車を介在させる方法
は採用しにくく、クランク歯車によりバランサ側の従動
歯車を直接駆動しなければならない。図6はクランク歯
車とバランサ側従動歯車を直接に噛合させるようにした
2軸バランサの歯車列を示す図である。 【0004】図6において、クランクケース44内には
クランク軸45が架設され、このクランク軸45に固定
されたクランク歯車46を2軸バランサの第1バランサ
歯車47に噛み合わせ、その第1バランサ歯車47を第
2バランサ歯車48に噛み合わせることにより、2軸バ
ランサを回転させるように構成してある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す2軸バランサ付きエンジンでは、下記のような課題
がある。即ち、上記のような単気筒エンジンの一次バラ
ンサ、即ちクランク軸回転数の一倍の振動数を打ち消す
バランサの場合は、クランク軸45の回転数、第1バラ
ンサ49の回転数、第2バランサ50の回転数をそれぞ
れ一致させる必要があることから、3枚の歯車比は1:
1:1としなければならない。一方、図6に示す構成で
あると、コンロッド大端部やクランクピンアーム部など
とバランサとの干渉を避けるためにクランク軸45と第
1バランサ49との軸間距離もある程度大きくとらなけ
ればならない。 【0006】そうすると、第1バランサ49と第2バラ
ンサ50の軸間距離も前記軸間距離と同じになるため、
高さh、幅w方向に2軸バランサの寸法が大きくなって
しまう問題がある。なお、多気筒エンジンの一次振動成
分は気筒間で釣り合わせることができるのでバランサを
導入するとすれば2次バランサでよい。2次バランサの
容量は一次バランサの1/3から1/5で済むため多気
筒エンジンでは上記のような問題は発生しない。 【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、上記課題を解決できる2軸バラ
ンサ付き単気筒エンジンを提供することにある。具体的
な課題の一例を示すと、以下の通りである。 (a)上記アイドル歯車を使用しない場合の設計の制限を
なくして、エンジンの形態に応じた2軸バランサの設計
ができるようにする。 (b)2軸バランサをコンパクトにしてエンジンの高さ、
横幅を小さくする。 (c)クランク軸とバランサ軸の軸間が決定していても、
2軸バランサの容量を大きくできるようにする。 なお、上記に記載した以外の発明の課題及びその解決手
段は、後述する課題を解決するための手段、作用及び発
明の実施の形態において詳しく説明する。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明を、例えば、本発
明の実施の形態を示す図1から図5に基づいて説明する
と、次のように構成したものである。一対のバランサを
クランク軸3と平行に架設し、クランク歯車8によりバ
ランサを回転駆動するようにした2軸バランサ付き単気
筒エンジンにおいて、2軸バランサ6の第1バランサ4
がクランク歯車8と直接噛合してクランク歯車8から動
力を伝達される第1従動歯車9と、その第1従動歯車9
と軸方向において反対側に設けられ、第2バランサ5へ
動力を伝達する伝達歯車12とを有し、第2バランサ5
がその伝達歯車12と噛合する第2従動歯車13を有
し、クランク歯車8のピッチ円直径と第1従動歯車9の
ピッチ円直径が同じであり、伝達歯車12のピッチ円直
径と第2従動歯車13のピッチ円直径が同じであり、第
1従動歯車9のピッチ円直径よりも伝達歯車12のピッ
チ円直径を小さく設定し、第1バランサ4の第1従動歯
車9を第2バランサ5のウエイト部15と対向させるに
当たり、第1バランサ4の第1従動歯車9が第2バラン
サ5のウエイト部15と干渉しないように、第2バラン
サ5のウエイト部15の軸長方向途中部分を窪ませて、
第2バランサ5のウエイト部15に第1従動歯車9の歯
車通過用逃げ部17を設けたことを特徴とする。 【0009】 【0010】 【作用及び効果】(イ)クランク軸の動力は、クランク
歯車から第1バランサの第1従動歯車へ直接に伝達さ
れ、第1バランサの回転は伝達歯車によって第2バラン
サの第2従動歯車へ直接に伝達される。このようにアイ
ドル歯車を介さずにクランク歯車の回転を2軸バランサ
に伝達するように構成しても、クランク歯車−第1従動
歯車の歯車列と伝達歯車−第2従動歯車との歯車列とが
独立しているので、クランク歯車と第1従動歯車とのピ
ッチ円直径を1:1、伝達歯車と第2従動歯車とのピッ
チ円直径を1:1に設定しても、図6に示すクランク歯
車→第1バランサ歯車→第2バランサ歯車という3個の
歯車列がクランク軸のクランク歯車のある位置に集中し
て、その大きさによりクランクケースが大きくなってし
まうということがない。つまり、エンジンの要求される
クラクケースの形状、大きさに対応させて、クランク歯
車と第1従動歯車の歯車列と、伝達歯車と第2従動歯車
の歯車列とをクランク軸上の位置に個別に配置すること
が可能になる。したがって、この第1発明によれば従来
の直接駆動型の構成に比べてクランクケース内の2軸バ
ランサの構成を自由に設定することができる。 【0011】(ロ)さらに、第1従動歯車のピッチ円直
径よりも伝達歯車のピッチ円直径を小さく設定してある
ので、クランク軸と第1バランサ軸の軸間が所定長さ必
要でも、第1バランサ軸と第2バランサ軸間の距離を前
記所定長さよりも短くできる。したがって、結果的に2
軸バランサをコンパクトに設定でき、エンジンの高さ、
幅も小型化することができる。 【0012】 【0013】 【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は本発明の実施形態を示す2軸バラン
サ付きエンジンの要部縦正断面図である。図2(A)は
エンジンの動力取出軸側から見たクランク角度90゜の
第1バランサ、第2バランサの位置関係を示す図、図2
(B)はB−B線矢視図(右側面図)である。 【0014】図3(A)は動力取出軸側から見たクラン
ク角度225゜の第1バランサ、第2バランサの位置関
係を示す図、図3(B)はB−B線矢視図(右上45゜
図)である。図4(A)は動力取出軸側から見たクラン
ク角度246.5゜の第1バランサ、第2バランサの位
置関係を示す図、図4(B)はB−B線矢視図(左上2
3.5゜から見た図)、図4(C)は図4(A)を下方
から見た図である。 【0015】この実施形態では水冷単気筒縦型ディーゼ
ルエンジンに適用した場合を示してある。図1に示すよ
うに、このエンジン1はクランクケース2内にクランク
軸3が架設してある。そのクランク軸3の下方に第1バ
ランサ4と第2バランサ5からなる2軸バランサ6がク
ランク軸3と平行に架設してある。 【0016】クランク軸3には図2(B)に示すように
エンジンの動力取出軸側7寄りにクランク歯車8が固定
してあり、このクランク歯車8に第1バランサ4の第1
従動歯車9が直接に噛合するようにしてある。第1バラ
ンサ4の軸方向の反対側10には第1バランサ4のウエ
イト部14を介して伝達歯車12が固定してあり、この
伝達歯車12が図4(C)に示すように第2バランサ5
の第2従動歯車13と噛合するようにしてある。したが
って、エンジン1の動力取出軸側7にクランク歯車8と
第1従動歯車9の歯車列があり、動力取出軸側と反対側
10に伝達歯車12と第2従動歯車13の歯車列がある
ことになる。 【0017】また、クランク歯車8のピッチ円直径と第
1伝達歯車9のピッチ円直径が同じ長さ(即ち、1:
1)に設定してあり、伝達歯車12のピッチ円直径と第
2伝達歯車13のピッチ円直径が同じ長さ(即ち、1:
1)に設定してあり、第1従動歯車9のピッチ円直径よ
りも伝達歯車12のピッチ円直径を小さく設定してあ
る。よって図2(B)に示すクランク軸3の軸中心3a
と第1バランサ4の軸中心4aとの距離d1よりも図4
(C)に示す第1バランサ4の軸中心4aと第2バラン
サ5の軸中心5aとの距離d2の方が短くなっている。 【0018】 そして、2軸バランサ6を小さくするた
めに、クランク軸3のコンロッド大端部の回転軌跡が第
1バランサ4のウエイト部14、第2バランサ5のウエ
イト部15の回転軌跡と重なるように設定し、第1バラ
ンサ4の第1従動歯車9が第2バランサ5のウエイト部
15の回転軌跡と重なるように設定してある。そして、
第1バランサ4のウエイト部14と第2バランサ5のウ
エイト部15にともにコンロッド大端部逃げ部16・1
6(図4(C)参照)を設けてあり、第1バランサ4の
第1従動歯車9を第2バランサ5のウエイト部15と対
向させるに当たり、第1バランサ4の第1従動歯車9が
第2バランサ5のウエイト部15と干渉しないように、
第2バランサ5のウエイト部15の軸長方向途中部分を
窪ませることにより、第2バランサ5のウエイト部15
に第1従動歯車9の歯車通過用逃げ部17(図4(C)
参照)を設けてある。 【0019】また、図2(A)に示すように第1バラン
サ4の軸心4a位置に比べて、第2バランサ5の軸心5
a位置が所定距離eだけ低く設定してある。図5は第1
バランサのウエイト部の構成を説明するための図であ
り、図5(A)は第1バランサを下方から見た図、図5
(B)はウエイト部のB−B線断面図、図5(C)はウ
エイト部のC−C線断面図である。 【0020】図5(A)に示すように、第1バランサ4
のウイエト部14は、前記したコンロッド大端部逃げ部
16を設けることにより、コンロッド大端部逃げ部16
の両側にある分離ウエイト部18・18に分けられてい
る。各分離ウエイト部18・18は図5(B)(C)に
示すようにその横断面が略扇状のウエイト部としてあ
る。また、図5(B)に示すように、コンロッド大端部
逃げ部16の両外側所定域19・19にクランクピンア
ーム部20・20(図3(B)参照)を逃がすクランク
ピンアーム逃げ部21・21が形成してある。また、図
5(C)に示すように各分離ウエイト部18・18の両
最外側部22・22にはクランク軸カウンタウエイト部
30・30(図3(B)参照)を逃がすクランク軸カウ
ンタウエイト逃げ部23・23が形成してある。 【0021】なお、クランクピンアーム逃げ部21・2
1、クランク軸カウントウエイト逃げ部23・23とも
に、扇状の縁の全域にわたって設ける必要はなく、干渉
する部分のみに逃げ部が形成してあるので、第1バラン
サ4において、コンロッド大端逃げ部16を大きくして
も、第1バランサ4に必要な重量を確保することができ
る。また、図5(B)において符号24はクランクピン
アーム部20・20が描く軌跡、図5(C)において符
号25はクランク軸カウンタウエイト部30・30が描
く軌跡である。 【0022】さらに図1に示すように、このエンジンで
は、クランク軸3に前記クランク歯車8より小径の駆動
歯車26が図2(B)における符号27の位置に固定し
てあり、この駆動歯車26にカム軸歯車28が噛合する
ようにしてある。カム軸歯車28は図1においてクラン
ク軸3よりもクランクケース2側部寄りの斜め上方に位
置しており、カム軸歯車28はその下方位置においてガ
バナ軸歯車29に噛合している。ガバナ軸歯車29の中
心は図1において、第1バランサ4の軸中心より側方に
位置するようにしてある。 【0023】上記構成の2軸バランサ付きエンジンの動
作について簡単に説明する。ピストンの上下動により、
図2(A)に示すように、例えばクランク歯車8は反時
計回りに回転し、第1バランサ4は時計回り、第2バラ
ンサ5は反時計回りに回転する。このように第1バラン
サ4と第2バランサ5は逆方向に回転するので、各ウエ
イト部14,15とクランク軸系(コンロッド大端部、
クランクピンアーム部20、クランク軸カウンタウエイ
ト部30)との接近の仕方は異なる。特に、第1バラン
サ4では、クランクピンアーム部20・20やクランク
軸カウンタウエイト部30・30と干渉する可能性のあ
る部分は、第1バランサ4のウイエト部14の左右両端
部分に限られている。そこで、図3(B)に示すように
クランクピンアーム部20・20を避けるようにクラン
クピンアーム逃げ部21・21(図5(B)参照)を設
け、図3(B)のクランク軸カウンタウエイト部30・
30の外側端部を避けるようにクランク軸カウンタウエ
イト逃げ部23・23(図5(C)参照)を設けてい
る。 【0024】 なお、第2バランサ5はクランクピンア
ーム部20・20、クランク軸カウンタウエイト部30
・30とは干渉しないように距離eだけ離して設定して
あるので、それらの逃げ部は不要で、コンロッド大端部
逃げ部16のみ設けてある。このように設定することに
より、第1従動歯車9のピッチ円直径よりも伝達歯車1
2のピッチ円直径を小さく設定しても、2軸バランサ6
が各部と干渉を起こすことを防止できる。
ンに関し、さらに詳しくは2軸バランサを備えた単気筒
エンジンに関する。 【0002】 【従来技術】従来から、単気筒エンジンにおいて2軸バ
ランサを備えたエンジンが提案されている。2軸バラン
サは同じ重量のバランサを平行に2軸架設してエンジン
の振動を押さえるものである。このような2軸バランサ
付きエンジンには、2軸バランサのウエイト部がクラン
ク軸のウエイト部、コンロッド大端部などと干渉するの
を避けるために、クランク軸のクランク歯車とバランサ
側の従動歯車との間にアイドル歯車を設けたものがあ
る。しかし、アイドル歯車を入れることにより縦型エン
ジンでは全高が大きくなり、横型エンジンでは横幅が大
きくなる問題がある。 【0003】コンパクト性が要求されることの多い単気
筒エンジンの場合、上記アイドル歯車を介在させる方法
は採用しにくく、クランク歯車によりバランサ側の従動
歯車を直接駆動しなければならない。図6はクランク歯
車とバランサ側従動歯車を直接に噛合させるようにした
2軸バランサの歯車列を示す図である。 【0004】図6において、クランクケース44内には
クランク軸45が架設され、このクランク軸45に固定
されたクランク歯車46を2軸バランサの第1バランサ
歯車47に噛み合わせ、その第1バランサ歯車47を第
2バランサ歯車48に噛み合わせることにより、2軸バ
ランサを回転させるように構成してある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す2軸バランサ付きエンジンでは、下記のような課題
がある。即ち、上記のような単気筒エンジンの一次バラ
ンサ、即ちクランク軸回転数の一倍の振動数を打ち消す
バランサの場合は、クランク軸45の回転数、第1バラ
ンサ49の回転数、第2バランサ50の回転数をそれぞ
れ一致させる必要があることから、3枚の歯車比は1:
1:1としなければならない。一方、図6に示す構成で
あると、コンロッド大端部やクランクピンアーム部など
とバランサとの干渉を避けるためにクランク軸45と第
1バランサ49との軸間距離もある程度大きくとらなけ
ればならない。 【0006】そうすると、第1バランサ49と第2バラ
ンサ50の軸間距離も前記軸間距離と同じになるため、
高さh、幅w方向に2軸バランサの寸法が大きくなって
しまう問題がある。なお、多気筒エンジンの一次振動成
分は気筒間で釣り合わせることができるのでバランサを
導入するとすれば2次バランサでよい。2次バランサの
容量は一次バランサの1/3から1/5で済むため多気
筒エンジンでは上記のような問題は発生しない。 【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、上記課題を解決できる2軸バラ
ンサ付き単気筒エンジンを提供することにある。具体的
な課題の一例を示すと、以下の通りである。 (a)上記アイドル歯車を使用しない場合の設計の制限を
なくして、エンジンの形態に応じた2軸バランサの設計
ができるようにする。 (b)2軸バランサをコンパクトにしてエンジンの高さ、
横幅を小さくする。 (c)クランク軸とバランサ軸の軸間が決定していても、
2軸バランサの容量を大きくできるようにする。 なお、上記に記載した以外の発明の課題及びその解決手
段は、後述する課題を解決するための手段、作用及び発
明の実施の形態において詳しく説明する。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明を、例えば、本発
明の実施の形態を示す図1から図5に基づいて説明する
と、次のように構成したものである。一対のバランサを
クランク軸3と平行に架設し、クランク歯車8によりバ
ランサを回転駆動するようにした2軸バランサ付き単気
筒エンジンにおいて、2軸バランサ6の第1バランサ4
がクランク歯車8と直接噛合してクランク歯車8から動
力を伝達される第1従動歯車9と、その第1従動歯車9
と軸方向において反対側に設けられ、第2バランサ5へ
動力を伝達する伝達歯車12とを有し、第2バランサ5
がその伝達歯車12と噛合する第2従動歯車13を有
し、クランク歯車8のピッチ円直径と第1従動歯車9の
ピッチ円直径が同じであり、伝達歯車12のピッチ円直
径と第2従動歯車13のピッチ円直径が同じであり、第
1従動歯車9のピッチ円直径よりも伝達歯車12のピッ
チ円直径を小さく設定し、第1バランサ4の第1従動歯
車9を第2バランサ5のウエイト部15と対向させるに
当たり、第1バランサ4の第1従動歯車9が第2バラン
サ5のウエイト部15と干渉しないように、第2バラン
サ5のウエイト部15の軸長方向途中部分を窪ませて、
第2バランサ5のウエイト部15に第1従動歯車9の歯
車通過用逃げ部17を設けたことを特徴とする。 【0009】 【0010】 【作用及び効果】(イ)クランク軸の動力は、クランク
歯車から第1バランサの第1従動歯車へ直接に伝達さ
れ、第1バランサの回転は伝達歯車によって第2バラン
サの第2従動歯車へ直接に伝達される。このようにアイ
ドル歯車を介さずにクランク歯車の回転を2軸バランサ
に伝達するように構成しても、クランク歯車−第1従動
歯車の歯車列と伝達歯車−第2従動歯車との歯車列とが
独立しているので、クランク歯車と第1従動歯車とのピ
ッチ円直径を1:1、伝達歯車と第2従動歯車とのピッ
チ円直径を1:1に設定しても、図6に示すクランク歯
車→第1バランサ歯車→第2バランサ歯車という3個の
歯車列がクランク軸のクランク歯車のある位置に集中し
て、その大きさによりクランクケースが大きくなってし
まうということがない。つまり、エンジンの要求される
クラクケースの形状、大きさに対応させて、クランク歯
車と第1従動歯車の歯車列と、伝達歯車と第2従動歯車
の歯車列とをクランク軸上の位置に個別に配置すること
が可能になる。したがって、この第1発明によれば従来
の直接駆動型の構成に比べてクランクケース内の2軸バ
ランサの構成を自由に設定することができる。 【0011】(ロ)さらに、第1従動歯車のピッチ円直
径よりも伝達歯車のピッチ円直径を小さく設定してある
ので、クランク軸と第1バランサ軸の軸間が所定長さ必
要でも、第1バランサ軸と第2バランサ軸間の距離を前
記所定長さよりも短くできる。したがって、結果的に2
軸バランサをコンパクトに設定でき、エンジンの高さ、
幅も小型化することができる。 【0012】 【0013】 【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は本発明の実施形態を示す2軸バラン
サ付きエンジンの要部縦正断面図である。図2(A)は
エンジンの動力取出軸側から見たクランク角度90゜の
第1バランサ、第2バランサの位置関係を示す図、図2
(B)はB−B線矢視図(右側面図)である。 【0014】図3(A)は動力取出軸側から見たクラン
ク角度225゜の第1バランサ、第2バランサの位置関
係を示す図、図3(B)はB−B線矢視図(右上45゜
図)である。図4(A)は動力取出軸側から見たクラン
ク角度246.5゜の第1バランサ、第2バランサの位
置関係を示す図、図4(B)はB−B線矢視図(左上2
3.5゜から見た図)、図4(C)は図4(A)を下方
から見た図である。 【0015】この実施形態では水冷単気筒縦型ディーゼ
ルエンジンに適用した場合を示してある。図1に示すよ
うに、このエンジン1はクランクケース2内にクランク
軸3が架設してある。そのクランク軸3の下方に第1バ
ランサ4と第2バランサ5からなる2軸バランサ6がク
ランク軸3と平行に架設してある。 【0016】クランク軸3には図2(B)に示すように
エンジンの動力取出軸側7寄りにクランク歯車8が固定
してあり、このクランク歯車8に第1バランサ4の第1
従動歯車9が直接に噛合するようにしてある。第1バラ
ンサ4の軸方向の反対側10には第1バランサ4のウエ
イト部14を介して伝達歯車12が固定してあり、この
伝達歯車12が図4(C)に示すように第2バランサ5
の第2従動歯車13と噛合するようにしてある。したが
って、エンジン1の動力取出軸側7にクランク歯車8と
第1従動歯車9の歯車列があり、動力取出軸側と反対側
10に伝達歯車12と第2従動歯車13の歯車列がある
ことになる。 【0017】また、クランク歯車8のピッチ円直径と第
1伝達歯車9のピッチ円直径が同じ長さ(即ち、1:
1)に設定してあり、伝達歯車12のピッチ円直径と第
2伝達歯車13のピッチ円直径が同じ長さ(即ち、1:
1)に設定してあり、第1従動歯車9のピッチ円直径よ
りも伝達歯車12のピッチ円直径を小さく設定してあ
る。よって図2(B)に示すクランク軸3の軸中心3a
と第1バランサ4の軸中心4aとの距離d1よりも図4
(C)に示す第1バランサ4の軸中心4aと第2バラン
サ5の軸中心5aとの距離d2の方が短くなっている。 【0018】 そして、2軸バランサ6を小さくするた
めに、クランク軸3のコンロッド大端部の回転軌跡が第
1バランサ4のウエイト部14、第2バランサ5のウエ
イト部15の回転軌跡と重なるように設定し、第1バラ
ンサ4の第1従動歯車9が第2バランサ5のウエイト部
15の回転軌跡と重なるように設定してある。そして、
第1バランサ4のウエイト部14と第2バランサ5のウ
エイト部15にともにコンロッド大端部逃げ部16・1
6(図4(C)参照)を設けてあり、第1バランサ4の
第1従動歯車9を第2バランサ5のウエイト部15と対
向させるに当たり、第1バランサ4の第1従動歯車9が
第2バランサ5のウエイト部15と干渉しないように、
第2バランサ5のウエイト部15の軸長方向途中部分を
窪ませることにより、第2バランサ5のウエイト部15
に第1従動歯車9の歯車通過用逃げ部17(図4(C)
参照)を設けてある。 【0019】また、図2(A)に示すように第1バラン
サ4の軸心4a位置に比べて、第2バランサ5の軸心5
a位置が所定距離eだけ低く設定してある。図5は第1
バランサのウエイト部の構成を説明するための図であ
り、図5(A)は第1バランサを下方から見た図、図5
(B)はウエイト部のB−B線断面図、図5(C)はウ
エイト部のC−C線断面図である。 【0020】図5(A)に示すように、第1バランサ4
のウイエト部14は、前記したコンロッド大端部逃げ部
16を設けることにより、コンロッド大端部逃げ部16
の両側にある分離ウエイト部18・18に分けられてい
る。各分離ウエイト部18・18は図5(B)(C)に
示すようにその横断面が略扇状のウエイト部としてあ
る。また、図5(B)に示すように、コンロッド大端部
逃げ部16の両外側所定域19・19にクランクピンア
ーム部20・20(図3(B)参照)を逃がすクランク
ピンアーム逃げ部21・21が形成してある。また、図
5(C)に示すように各分離ウエイト部18・18の両
最外側部22・22にはクランク軸カウンタウエイト部
30・30(図3(B)参照)を逃がすクランク軸カウ
ンタウエイト逃げ部23・23が形成してある。 【0021】なお、クランクピンアーム逃げ部21・2
1、クランク軸カウントウエイト逃げ部23・23とも
に、扇状の縁の全域にわたって設ける必要はなく、干渉
する部分のみに逃げ部が形成してあるので、第1バラン
サ4において、コンロッド大端逃げ部16を大きくして
も、第1バランサ4に必要な重量を確保することができ
る。また、図5(B)において符号24はクランクピン
アーム部20・20が描く軌跡、図5(C)において符
号25はクランク軸カウンタウエイト部30・30が描
く軌跡である。 【0022】さらに図1に示すように、このエンジンで
は、クランク軸3に前記クランク歯車8より小径の駆動
歯車26が図2(B)における符号27の位置に固定し
てあり、この駆動歯車26にカム軸歯車28が噛合する
ようにしてある。カム軸歯車28は図1においてクラン
ク軸3よりもクランクケース2側部寄りの斜め上方に位
置しており、カム軸歯車28はその下方位置においてガ
バナ軸歯車29に噛合している。ガバナ軸歯車29の中
心は図1において、第1バランサ4の軸中心より側方に
位置するようにしてある。 【0023】上記構成の2軸バランサ付きエンジンの動
作について簡単に説明する。ピストンの上下動により、
図2(A)に示すように、例えばクランク歯車8は反時
計回りに回転し、第1バランサ4は時計回り、第2バラ
ンサ5は反時計回りに回転する。このように第1バラン
サ4と第2バランサ5は逆方向に回転するので、各ウエ
イト部14,15とクランク軸系(コンロッド大端部、
クランクピンアーム部20、クランク軸カウンタウエイ
ト部30)との接近の仕方は異なる。特に、第1バラン
サ4では、クランクピンアーム部20・20やクランク
軸カウンタウエイト部30・30と干渉する可能性のあ
る部分は、第1バランサ4のウイエト部14の左右両端
部分に限られている。そこで、図3(B)に示すように
クランクピンアーム部20・20を避けるようにクラン
クピンアーム逃げ部21・21(図5(B)参照)を設
け、図3(B)のクランク軸カウンタウエイト部30・
30の外側端部を避けるようにクランク軸カウンタウエ
イト逃げ部23・23(図5(C)参照)を設けてい
る。 【0024】 なお、第2バランサ5はクランクピンア
ーム部20・20、クランク軸カウンタウエイト部30
・30とは干渉しないように距離eだけ離して設定して
あるので、それらの逃げ部は不要で、コンロッド大端部
逃げ部16のみ設けてある。このように設定することに
より、第1従動歯車9のピッチ円直径よりも伝達歯車1
2のピッチ円直径を小さく設定しても、2軸バランサ6
が各部と干渉を起こすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2軸バランサ付きエンジンの一部縦断
正面図である。 【図2】図2(A)は動力取出軸側から見たクランク角
度90゜の第1バランサ、第2バランサの位置関係を示
す図、図2(B)はB−B線矢視図(右側面図)であ
る。 【図3】図3(A)は動力取出軸側から見たクランク角
度225゜の第1バランサ、第2バランサの位置関係を
示す図、図3(B)はB−B線矢視図(右上45゜図)
である。 【図4】図4(A)は動力取出軸側から見たクランク角
度246.5゜の第1バランサ、第2バランサの位置関
係を示す図、図4(B)はB−B線矢視図(左23.5
゜から見た図)、図4(C)は図4(A)を下方から見
た図である。 【図5】図5は第1バランサのウエイト部の構成を説明
するための図であり、図5(A)は第1バランサを下方
から見た図、図5(B)はウエイト部のB−B線断面
図、図5(C)はウエイト部のC−C線断面図である。 【図6】図6はクランク歯車とバランサ駆動歯車を直接
に噛合させるようにしたエンジンの歯車列を示す図であ
る。 【符号の説明】 3…クランク軸、4…第1バランサ、5…第2バラン
サ、6…2軸バランサ、8…クランク歯車、9…第1従
動歯車、12…伝達歯車、13…第2従動歯車。
正面図である。 【図2】図2(A)は動力取出軸側から見たクランク角
度90゜の第1バランサ、第2バランサの位置関係を示
す図、図2(B)はB−B線矢視図(右側面図)であ
る。 【図3】図3(A)は動力取出軸側から見たクランク角
度225゜の第1バランサ、第2バランサの位置関係を
示す図、図3(B)はB−B線矢視図(右上45゜図)
である。 【図4】図4(A)は動力取出軸側から見たクランク角
度246.5゜の第1バランサ、第2バランサの位置関
係を示す図、図4(B)はB−B線矢視図(左23.5
゜から見た図)、図4(C)は図4(A)を下方から見
た図である。 【図5】図5は第1バランサのウエイト部の構成を説明
するための図であり、図5(A)は第1バランサを下方
から見た図、図5(B)はウエイト部のB−B線断面
図、図5(C)はウエイト部のC−C線断面図である。 【図6】図6はクランク歯車とバランサ駆動歯車を直接
に噛合させるようにしたエンジンの歯車列を示す図であ
る。 【符号の説明】 3…クランク軸、4…第1バランサ、5…第2バラン
サ、6…2軸バランサ、8…クランク歯車、9…第1従
動歯車、12…伝達歯車、13…第2従動歯車。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一対のバランサをクランク軸(3)と平
行に架設し、クランク歯車(8)によりバランサを回転
駆動するようにした2軸バランサ付き単気筒エンジンに
おいて、 2軸バランサ(6)の第1バランサ(4)がクランク歯
車(8)と直接噛合してクランク歯車(8)から動力を
伝達される第1従動歯車(9)と、その第1従動歯車
(9)と軸方向において反対側に設けられ、第2バラン
サ(5)へ動力を伝達する伝達歯車(12)とを有し、
第2バランサ(5)がその伝達歯車(12)と噛合する
第2従動歯車(13)を有し、クランク歯車(8)のピ
ッチ円直径と第1従動歯車(9)のピッチ円直径が同じ
であり、伝達歯車(12)のピッチ円直径と第2従動歯
車(13)のピッチ円直径が同じであり、第1従動歯車
(9)のピッチ円直径よりも伝達歯車(12)のピッチ
円直径を小さく設定し、 第1バランサ(4)の第1従動歯車(9)を第2バラン
サ(5)のウエイト部(15) と対向させるに当たり、
第1バランサ(4)の第1従動歯車(9)が第2バラン
サ(5)のウエイト部(15)と干渉しないように、第
2バランサ(5)のウエイト部(15)の軸長方向途中
部分を窪ませて、第2バランサ(5)のウエイト部(1
5)に第1従動歯車(9)の歯車通過用逃げ部(17)
を設けた、ことを特徴とする2軸バランサ付き単気筒エ
ンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25814597A JP3477045B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 2軸バランサ付き単気筒エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25814597A JP3477045B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 2軸バランサ付き単気筒エンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1194025A JPH1194025A (ja) | 1999-04-09 |
JP3477045B2 true JP3477045B2 (ja) | 2003-12-10 |
Family
ID=17316156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25814597A Expired - Fee Related JP3477045B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 2軸バランサ付き単気筒エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3477045B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006000994A (ja) * | 2004-06-21 | 2006-01-05 | Nantsune:Kk | 食肉スライサにおける刃物の回転駆動装置 |
JP5062907B2 (ja) * | 2009-03-25 | 2012-10-31 | 株式会社クボタ | エンジンの回転バランサ |
-
1997
- 1997-09-24 JP JP25814597A patent/JP3477045B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH1194025A (ja) | 1999-04-09 |
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