JP3475795B2 - 自動改札機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば鉄道の駅
務に設置されるような自動改札機に関し、さらに詳しく
は非接触に改札利用される非接触媒体と、磁気処理して
改札利用される磁気媒体とを改札時の受付け順序に支障
なく円滑に改札利用することができる自動改札機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、非接触媒体と磁気媒体との一方を
改札処理または双方を組合せて改札処理する両媒体処理
機能付きの複合型の自動改札機が知られている。この場
合、一人の改札利用者が複合媒体利用して改札処理した
とき、全ての媒体のデータを取込んでから媒体毎の有効
性の判定と、本来の利用目的の処理を行っている。

【０００３】例えば、定期券等の予め利用区間が特定さ
れた非接触媒体と精算用ストアードフェアカード（ＳＦ
カード）等の磁気媒体とを組合せて改札処理と同時に乗
越し金額を自動精算するときは、入出場データが記録さ
れた非接触媒体のデータチェックが完了してから乗越し
金額を磁気媒体から減額してデータ処理している。この
場合、磁気媒体は改札機の内部に取込まれるため確実に
磁気データ処理できるが、非接触媒体は改札機の外部よ
り非接触に通信するためデータ未完了状態になりやすか
った。

【０００４】ことに、複合改札利用時に非接触媒体→磁
気媒体の順に受付けたときは、アンテナにかざされた非
接触媒体のデータを最初に読取り、その後に投入された
磁気媒体のデータを続いて読取り、両媒体のデータから
改札利用可能と判定した時点で、非接触媒体を再度かざ
させて非接触にデータ更新し、最後に磁気媒体のデータ
を更新する必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような順
序で複合改札処理するとき、非接触媒体をデータ取得用
に最初にかざした後、再びデータ更新用にかざすという
２度手間を要し、改札利用者が改札通路内を先行して、
非接触媒体を再度かざさずに通行してしまうため、この
ような複合媒体の受付け順序ではデータ未完了となっ
て、その都度、通行規制される問題を有していた。

【０００６】そこでこの発明は、一人の改札利用者が磁
気媒体と非接触媒体を組合せて改札利用するとき、その
媒体の受付け順序に適した複合改札処理を行う高複合改
札処理機能を有する自動改札機の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
磁気媒体と非接触媒体の一方または双方を組合せて改札
処理する自動改札機であって、上記磁気媒体を先に受付
け、非接触媒体を受け付けることなくその改札利用者が
通路利用確定位置に達したときは磁気媒体だけで改札処
理し、改札利用者が通路利用確定位置に達するまでに非
接触媒体を受付けたときは磁気媒体と非接触媒体との双
方を組合せて改札処理すると共に、上記非接触媒体を先
に受付けたときは該非接触媒体だけで単独に改札処理す
る改札処理手段を備えたことを特徴とする。

【０００８】請求項２記載の発明は、改札利用者が通路
利用確定位置に達したか否かを検知する検知センサと、
この検知センサの検知信号に基づいて磁気媒体挿入口の
シャッタを開閉制御する制御手段とを備えたことを特徴
とする。

【０００９】

【発明の作用及び効果】この発明によれば、磁気媒体と
非接触媒体との一方または双方を組合せて改札処理する
とき、磁気媒体を先に受付け、その後、非接触媒体を受
け付けることなく改札利用者が通路利用確定位置に達し
たときは、媒体と人との位置関係から磁気媒体を一枚利
用したと判定して改札処理手段が磁気媒体だけで改札処
理する。

【００１０】またこのとき、改札利用者が通路利用確定
位置に達するまでに非接触媒体を受付けたときは、磁気
媒体と非接触媒体との両媒体の複合利用と判定して改札
処理手段が磁気媒体と非接触媒体との双方を組合せて改
札処理する。

【００１１】さらに、非接触媒体を先に受付けたとき
は、非接触媒体だけで単独に改札処理して、非接触媒体
の２度かざし操作を省略し、またこのときは非接触媒体
だけでデータ処理を完結させることができる。

【００１２】この結果、改札利用時に非接触媒体を再度
かざすような２度手間を解消でき、この非接触媒体の再
かざし忘れにより発生するデータ未完了がなくなり、改
札利用毎にデータが完結するため、再かざし忘れによる
通行規制を解決することができる。このように、媒体の
受付け順序に対応した複合改札許容体制を採っているた
め、媒体の受付け順序に制約を受けず、その都度、媒体
のデータを完結する信頼性の高い円滑な改札利用が図れ
る。

【００１３】また、改札利用者が通路利用確定位置に達
したか否かを検知する検知センサを備え、この検知セン
サで通路利用確定位置に改札利用者が達していなければ
磁気媒体挿入口のシャッタを開放して磁気媒体を投入許
容し、通路利用確定位置に改札利用者が達したときは磁
気媒体挿入口のシャッタを閉じるように開閉制御すれ
ば、この検知センサでシャッタの開閉管理を兼用して行
うことができる。

【００１４】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図１及び図２は鉄道の駅務に設置される複合券
処理機能付き自動改札機１１を示し、この複合券処理機
能付き自動改札機１１は改札機本体１２の前後に通り抜
け制御用の改札扉１３，１４を配設し、また改札機本体
１２の上面前部側から後部側にかけて、磁気券の投入口
１５と、非接触券のアンテナ１６と、磁気券の放出口１
７と、改札時の利用案内情報を表示する案内表示器１８
とを配設している。

【００１５】また、改札機本体１２の通路側には、その
通路方向に沿って第１〜第６検知センサＳ1 〜Ｓ6 を配
設し、これらのセンサＳ1 〜Ｓ6 で改札通路１９を通行
する改札利用者２０の通行状態を検知する。この場合、
改札通路１９の入口側に設置された改札扉１３より通路
内方位置に相当する第２検知センサＳ2 の位置を通路利
用確定位置に設定し、このセンサＳ2 の位置で改札利用
者２０を検知したとき、改札利用者２０が改札通路１９
に入って通行利用位置に到達したと確定する。この通路
利用確定時点で改札利用者２０が改札通路１９に入って
券利用を終了したと判定する位置関係にあり、一人の改
札利用者２０の利用券の受付けを締切るタイミングに設
定している。従って、この時点で単券利用されたか、複
合券利用されたかが決定される。

【００１６】図３は複合券処理機能付き自動改札機１１
の制御回路ブロック図を示し、ＣＰＵ３１はＲＯＭ３２
に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、
その制御データをＲＡＭ３３で読出し可能に記憶する。

【００１７】磁気券処理機構３４は、投入口１５に切
符、回数券、ＳＦカード等の磁気券が投入されたとき、
その投入された磁気券を内方の磁気データ処理部に導い
て有効性を読取り、また更新データ書込み処理する。さ
らに、改札利用者を一人ずつ区切って改札処理するよう
に投入口シャッタを開閉操作し、また磁気券を内方の印
刷部に導いて乗車利用データを印刷処理し、さらに磁気
券搬送ライン上に配設した各券検知センサで磁気券の投
入を検知し、また磁気券の搬送処理状態及び磁気券が放
出口１７に放出されたことを、また抜取られたことを検
知確認する。

【００１８】扉開閉機構３５は、改札利用時にＣＰＵ３
１が判定した磁気券・非接触券の改札可否データに連動
して扉駆動モータを駆動し、このモータの駆動に基づい
て各改札扉１３，１４を開閉操作する。また、磁気券デ
ータや非接触券データが無効のとき、あるいは無券改札
客のとき警報器３６より警報出力する。

【００１９】ところで、ＣＰＵ３１は磁気券と非接触券
との一方だけを改札処理する単券処理機能と、双方を組
合せて改札処理する複合券処理機能とを有しており、両
処理機能を有して券の利用に応じた自動改札処理を実行
する。

【００２０】例えば、改札処理時に先に磁気券を受付
け、その後、券利用がないまま改札利用者が通路利用確
定位置に達したときは、磁気券の一枚利用と判定して磁
気券だけで単独に改札処理する。またこのとき、改札利
用者が通路利用確定位置に達するまでに引続き非接触券
を受付けたときは、磁気券と非接触券との二枚の複合利
用と判定して、磁気券と非接触券との双方を組合せて改
札処理する。

【００２１】このように、改札利用者２０が通路利用確
定位置に達した時点で、一枚の券だけ受付けたときは、
その一枚の単券だけで改札処理し、一枚目の券に続いて
二枚目を受付けたときは、その二枚の組合わせ利用を認
めて改札処理する。

【００２２】これに対し、先に非接触券を受付けたとき
は、非接触券だけで単独に改札処理する。この場合は、
非接触券の２度かざし操作を省略するためであって、非
接触券だけで単独に改札利用するため確実にデータ処理
を完結させることができる。また、第２検知センサＳ2
で通路利用確定位置に改札利用者２０が達していなけれ
ば、改札利用者２０との位置関係から投入口シャッタを
開放して磁気券を投入許容し、通路利用確定位置に改札
利用者が達したときは、券の受付けタイミングが終了し
て投入口シャッタを閉じるように開閉制御し、この第２
検知センサＳ2 で投入口シャッタの開閉管理を兼用して
行っている。

【００２３】このように構成された複合券処理機能付き
自動改札機１１の処理動作を図４及び図５に示すフロー
チャートを参照して説明する。今、投入口１５に磁気券
が投入されると、この券受付け段階でＣＰＵ３１は磁気
券の単独利用か、非接触券を組合せた複合利用かを判定
する（ステップｎ1 〜ｎ2 ）。

【００２４】このとき、非接触券との対応がないまま改
札利用者２０が改札通路１９内の通路利用確定位置に達
したことを第２検知センサＳ2 が検知すれば、磁気券の
単独利用と判定して磁気券だけで改札処理を開始する。
また、この場合、第２検知センサＳ2 の検知信号に連動
させて投入口シャッタを閉じ、次客の券投入操作を規制
して改札利用者一人ずつを仕切って改札する（ステップ
ｎ3 ）。

【００２５】投入口の内方に取込まれた磁気券は磁気デ
ータ処理部で有効性が判定され、券データが無効と判定
された場合は、改札扉を閉じたまま磁気券を放出して通
行規制する（ステップｎ4 〜ｎ5 ）。

【００２６】また、磁気券の投入後に、引続き非接触券
をアンテナ１６にかざして磁気券と非接触券との二枚の
券を組合せて複合利用した場合、例えば予め定められた
非接触定期券と、その有効区間を超える超過乗車料金を
磁気ＳＦカードで精算するような場合に組合せて改札利
用するものであって、この複合利用時は、先ず二枚の券
の有効性をＣＰＵ３１がそれぞれ判定し（ステップｎ6
）、ＣＰＵ３１が双方の券の有効性を認めると、両券
のデータを更新処理して磁気券を放出すると同時に改札
扉を開放して改札利用者２０を通行許容する。また、一
枚の磁気券の単独利用時に有効性が認められた場合も、
同様に磁気券のデータを更新処理して磁気券を放出する
と同時に改札扉を開放して改札利用者２０を通行許容す
る（ステップｎ7 〜ｎ9 ）。

【００２７】また、複合利用時に一方または双方の券の
有効性が認められない場合は、券のデータが無効と判定
して改札規制する（ステップｎ10）。

【００２８】次に、非接触券の改札利用が先に行われた
場合は、その非接触券だけの単独の改札処理を実行す
る。これは先ず、同券の有効性をチェックし（ステップ
ｎ11〜ｎ12）、この非接触券のデータが有効と認める
と、非接触券のデータを更新処理し、かつ改札扉を開放
して改札許容する（ステップｎ13〜ｎ14）。また、磁気
券や非接触券との対応がないまま改札利用者２０が通路
利用確定位置に達したときは、無券利用者と判定して改
札規制する（ステップｎ15〜ｎ16）。

【００２９】上述のように、磁気券と非接触券との一方
または双方を組合せて改札処理するとき、磁気券を先に
受付け、その後、改札利用者が通路利用確定位置に達し
たときは、券と人との位置関係から磁気券を一枚利用し
たと判定して磁気券だけで改札処理する。またこのと
き、改札利用者が通路利用確定位置に達するまでに非接
触券を受付けたときは、磁気券と非接触券との両券の複
合利用と判定して磁気券と非接触券との双方を組合せて
改札処理する。これに対し、非接触券を先に受付けたと
きは非接触券だけで単独に改札処理して、非接触券の２
度かざし操作を省略し、またこのときは非接触券だけで
データ処理を完結させることができる。

【００３０】この結果、改札利用時に非接触券を再度か
ざすような２度手間を解消でき、この非接触券の再かざ
し忘れにより発生するデータ未完了がなくなり、改札利
用毎にデータが完結するため、再かざし忘れによる通行
規制を解決することができる。このように、券の受付け
順序に対応した複合改札許容体制を採っているため、券
の受付け順序に制約を受けず、その都度、券のデータを
完結する信頼性の高い円滑な改札利用が図れる。

【００３１】また、改札利用者が通路利用確定位置に達
したか否かを検知する第２検知センサで改札利用者を検
知したとき、改札利用者が通路利用確定位置に達してい
なければ投入口シャッタを開放して磁気券を投入許容
し、改札利用者が通路利用確定位置に達したときは投入
口シャッタを閉じるように開閉制御して、この第２検知
センサで投入口シャッタの開閉管理を兼用して行うた
め、低コスト化を図ることができ、また連続する改札利
用者を一人ずつ仕切るのに適したタイミングを効率良く
とることができる。

【００３２】この発明と、上述の一実施例の構成との対
応において、この発明の自動改札機は、実施例の複合券
処理機能付き自動改札機１１に対応し、以下同様に、磁
気媒体は、実施例の磁気券に対応し、非接触媒体は、非
接触券に対応し、通路利用確定位置は、第２検知センサ
Ｓ2 の改札利用者検知位置に対応し、改札処理手段及び
制御手段は、ＣＰＵ３１に対応し、検知センサは、第２
検知センサＳ2 に対応し、磁気媒体挿入口は、投入口１
５に対応するも、この発明は請求項に示される技術思想
に基づいて応用することができ、上述の一実施例の構成
のみに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の複合券処理機能付き自動改札機の
外観斜視図。

【図２】 この発明の複合券処理機能付き自動改札機の
通行利用状態を示す平面図。

【図３】 この発明の複合券処理機能付き自動改札機の
制御回路ブロック図。

【図４】 この発明の複合券処理機能付き自動改札機の
処理動作を示すフローチャート。

【図５】 この発明の図４に続くフローチャート。

【符号の説明】

１１…複合券処理機能付き自動改札機 １５…投入口 １６…アンテナ １９…改札通路 ２０…改札利用者 ３１…ＣＰＵ Ｓ2 …第２検知センサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−21430（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−200892（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−83368（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−288746（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−287307（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07B 15/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気媒体と非接触媒体の一方または双方を
   組合せて改札処理する自動改札機であって、 上記磁気媒体を先に受付け、非接触媒体を受け付けるこ
   となくその改札利用者が通路利用確定位置に達したとき
   は磁気媒体だけで改札処理し、改札利用者が通路利用確
   定位置に達するまでに非接触媒体を受付けたときは磁気
   媒体と非接触媒体との双方を組合せて改札処理すると共
   に、 上記非接触媒体を先に受付けたときは該非接触媒体だけ
   で単独に改札処理する 改札処理手段を備えた自動改札
   機。
2. 【請求項２】改札利用者が通路利用確定位置に達したか
   否かを検知する検知センサと、 上記検知センサの検知信号に基づいて磁気媒体挿入口の
   シャッタを開閉制御する制御手段とを備えた請求項１記
   載の自動改札機。