JP4267744B2 - 自動改札機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動改札機に係り、特に、磁気券と非接触券とを混在させて使用することができるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、多用されている自動改札機は、自動改札機の本体(以下、「本体」という)に所定の入出場のデ−タが磁気的に記録されている乗車券や定期券等の磁気券が投入されると、その磁気券に記録されている入出場デ−タが読取られる。そして、本体では、その読取られた入出場デ−タを基に演算処理し、その演算結果に基づいて入場又は出場処理するとともに、磁気券にその演算結果である入場又は出場のデ−タを書込むようにしている。
【0003】
また、近年、上述の磁気券投入型の自動改札機は、定期券利用者が改札口を通過するたびに、定期券を定期券入れから出し入れしなければならないという不便があるので、これを解決するために、定期券を通信機能を備えたICカ−ド型の非接触式の情報記録媒体である非接触券とし、その非接触券と本体との間で非接触的に出改札デ−タの授受を行ない、本体に定期券を挿入することなく自動改札を行なう非接触型の自動改札機が提案されている(例えば、特開平1−246687号公報)。
【0004】
しかしながら、上記従来の磁気券投入型の自動改札機が、将来、非接触型の自動改札機に変換されたとしても、その変換を一度に行うことは不可能であり、また、一回限りの普通乗車券等は、コストの安い磁気券が有利であるので、自動改札機を磁気券投入型と非接触型の2種類設置しなければならず、設置面積を広く必要とするとともに、設備コストが高くなる欠点が生ずる。このような欠点を解決するために、例えば、特開昭61−25288号公報に示されるように、一つの本体で磁気券も非接触券も処理できる自動改札機が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁気券と非接触券とを一つの本体で処理できるようにした場合においても、特急券と普通券、あるいは降車券と前途券のように、一人の利用者(旅客)の入出場処理(入場処理又は出場処理を意味している。)に複数枚の乗車券を処理する複数枚対応型の自動改札機として使用することが考えられる。
【0006】
上述のように、複数枚の乗車券を必要とする場合において、一方の乗車券が磁気券で他方の乗車券が非接触券のときが考えられる。このように、磁気券と非接触券とが混在して用いられる乗車券を処理できる改札機としては、特開平8−83368号公報等により提案されている。
【0007】
しかしながら、上記提案に係る混在の乗車券(本発明で単に乗車券というときは、磁気券も非接触券をも意味している。)を処理できる自動改札機においては、混在する乗車券で入出場が許可できるときに、それら乗車券に対する入出場データの記録が必要となるが、このデータの記録についての課題が解決されていなかった。
【0008】
すなわち、一人の利用者の入出場処理が磁気券と非接触券とで可能な場合、例えば、非接触券を本体のアンテナにかざした後に、磁気券が投入されたとき、非接触券がアンテナの交信範囲外にあるときは、非接触券へのデータの書込みができなくなり、その後の非接触券の使用に支障を来すなどの欠点が生じてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、一人の利用客が磁気券と非接触券とを混在して使用したときに、乗車券に正確にデータを記録できるようにした自動改札機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動改札機は、上記目的を達成するために、本体の投入口に投入された磁気券に記録されているデータを基に入出場の演算処理を行う磁気券処理部、及びその本体に設けられている通信エリアに接近されたときの交信により得られた非接触券に記録されているデータを基に入出場の演算処理を行う非接触券処理部を備えた自動改札機において、前記本体の投入口に前記磁気券が投入されることなく前記通信エリアに接近された前記非接触券に記録されているデータを基にした演算処理の結果が当該非接触券のデータのみでは入出場条件を満たさないと判定したときに、その投入口への磁気券の投入を禁止する禁止手段と、前記投入口への磁気券の投入が禁止されたときに、磁気券を前記投入口に先に投入し、その後に非接触券を通信エリアに接近させるようにとの案内を行う案内手段と、を設けたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係る自動改札機の概略構成図であって、その本体aの投入口1と取出口2の間には、順に、投入口1に投入された磁気券C1を取込むとともに、その取込んだ磁気券C1の搬送姿勢を整える整列搬送路L1と、磁気券C1に記録されている磁気データを読取るための磁気ヘッドH1、この磁気ヘッドH1で読取った磁気データをマイクロコンピュータを中心に構成された制御器bで演算処理し、その演算結果を書込むための磁気ヘッドH2、及びそのデータの書込みが正常に行なわれたか否かを読取るためのベリファイ用の磁気ヘッドH3を有する主搬送路L2と、磁気券C1を取出口2に排出させる排出搬送路L3とが設けられている。これら各搬送路L1,L2,L3は、モータMにより駆動されるように構成されている。また、図1中、4は、図示しないソレノイドで駆動されるシャッタであって、投入口1を開閉できるように構成されている。また、5は、図示しないソレノイドで駆動される保留部であって、磁気ヘッドH1と磁気ヘッドH2との間の主搬送路L2に設けられていて、主搬送路L2で搬送される磁気券C1を一時保留することができるように構成されている。
【0012】
図1中、6は、取出口2に隣接して設けられた表示画面であり、また、7は、スピーカであり、これらを介して利用者(旅客)に文字及び音声により所定の内容の案内を行うことができるように構成されている。
【0013】
なお、本体a内には、投入された磁気券C1 を図示しない回収箱に回収する回収搬送路が主搬送路L2 と排出搬送路L3 との間に設けられているが、ここでは省略されている。また、主搬送路L2 に設けられている各磁気ヘッドH1 ,H2 ,H3 は、投入口1に磁気券C1 が表面(乗車区間等の印字されている面)を上にして投入されたときの分しか示されていないが、裏面を上にして投入された磁気券C1 を処理する分の磁気ヘッドは、ここでは省略されている。
【0014】
図1中、Dは、本体aの側面に設けられ、制御器bの演算結果に基づいて改札通路イの通過を許可したり、阻止したりするように開閉されるドアであり、また、図示しないが、本体a内には、本体a内に取込まれた磁気券C1にパンチングするパンチングユニットや、磁気券C1に所定の内容を印字する印字ユニットが設けられているが、ここでは、図面を簡略化するために省略されている。
【0015】
本体aの上面の手前側(利用者の進入側)には、利用者が所持する非接触券C2 との間で無線通信によりデータの授受を行うためのアンテナ3が設けられている。このアンテナ3を中心にして、本体aと非接触券C2 との間でデータ授受が行われる所定範囲が通信エリアに形成されている。
【0016】
図1中、S,S…は、隣接する本体(図示せず)との間に形成される改札通路イにおける利用者位置、つまり改札通路イへの利用者の進入又は改札通路イからの退出、あるいは通過を検知するための人間位置検知器であり、本体aの側面及びアームa′に取付けられている。
【0017】
図2は、本体a及び非接触券C2の電気的構成である。先ず、本体a側から説明すると、制御器bの中央処理部(CPU)10は、ROM11に格納されているプログラムデータとRAM12に格納されているワ−キングデータとを用いて演算制御処理を行もので、このCPU10には、I/Oユニット13を介して各磁気ヘッドH1〜H3を制御する磁気ヘッド制御部hと、ドアDを駆動するドアドライバ16と、表示画面6を介して利用者への伝言を表示するための表示ドライバ18と、人間位置検知器S,Sからの検出信号を取り入れるセンサドライバ19と、スピーカ7を駆動する音声ドライバ20と、シャッタ4及び保留部5の各ソレノイドを駆動するソレノイドドライバ21と、非接触券C2との間でデータ送受を行う通信制御部(トランスミッタ)22とが接続されている。なお、I/Oユニット13には、モータMを回転駆動するドライバ等が接続されているが、ここでは省略されている。
【0018】
通信制御部22は、制御器bからの制御に基づき、周知の非接触型の自動改札機と同じく、アンテナ3を介して本体aから非接触券C2 に駅名及び当日日付等のデータを送信するとともに、非接触券C2 から送信されてくる電波を受信する機能を有している。なお、本体aと非接触券C2 との間の通信方式には、上述の電波方式に限らず、光通信方式、電磁結合方式あるいは電磁誘導方式等を採用することもできる。
【0019】
次に、非接触券C2 の電気的構成を説明する。この非接触券C2 は、通信機能を有する通常のICカードと同様に、アンテナ30と、本体aの通信制御部22と同様の機能を有する通信制御部31と、I/Oユニット32と、CPU33と、ROM及びRAMからなるメモリ34と、電源35とを有している。なお、電源35は、非接触券C2 の内部に持たずに、本体aから供給される電力波を受信して電源とするようにしてもよい。
【0020】
以下、図3のフローチャートを用いて制御動作について説明する。今、磁気券C1 及び非接触券C2 を所持している利用者が本体aを用いて改札通路イを通過しようとしているものとする。なお、説明を簡単にするために、磁気券C1 及び非接触券C2 は、有効期間等の条件を満たす有効券として説明する。
【0021】
磁気券C1 が非接触券C2 がアンテナ3にかざされる前に投入口1に投入されると(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)、その磁気券C1 に記録されているデータを基にCPU10により演算処理が行われ、その演算処理の結果、入出場が許可できれば、すなわち、磁気券C1 のみで入出場条件を満たしているときは、その磁気券C1 のみでの入出場が許可される(S102、S104肯定)。
【0022】
ところで、入出場の条件が先に投入された磁気券C1 と利用者の所持している非接触券C2 とで満たされる場合は(S104否定)、その先に投入された磁気券C1 は、保留部5で一時保留されて非接触券C2 の処理待ちとされる(S106否定)。このとき、非接触券C2 がアンテナ3にかざされると(S106肯定)、本体aと非接触券C2 との間でデータ授受が行われ(S108)、磁気券C1 と非接触券C2 とで入出場の条件が満たされて入出場が許可される。したがって、保留部5に一時保留されていた磁気券C1 に対して磁気ヘッドH1 を介して入出場用のデータが書込まれ、また、非接触券C2 にも上述のデータ授受の際(S108)、入出場データが書込まれる。そして、ドアDが開かれて(本体aがノーマルオープン型のときはそのまま)、改札通路イの通過が許可される。
【0023】
投入口1に磁気券C1 が投入されることなく非接触券C2 がアンテナ3にかざされて本体aと非接触券C2 との間でデータ授受が行われた場合(S100否定、S110肯定、S112)、その非接触券C2 のみで入出場の条件が満たされれば(S114肯定)、その非接触券C2 のみで入出場が許可される。
【0024】
他方、アンテナ3にかざされた非接触券C2 のみでは入出場の条件を満たさないときは(S114否定)、投入口1はシャッタ4により閉じられて磁気券C1 の投入が禁止され(S116)、表示画面6及びスピーカ7を介して磁気券C1 を投入口1に先に投入し、その後に非接触券C2 をアンテナ3にかざすようにとの案内が行われる(S118)。もちろん、この場合は、ドアDが閉じられて改札通路イの通過は阻止されるとともに、非接触券C2 にデータ授受の際、入出場の条件が満たされないので、入出場のデータの書込みは行われない。なお、案内は、表示画面6又はスピーカ7のいずれか一方で行うようにしてもよい。
【0025】
なお、上述の例では、乗車券に書込むデータとして入出場のデータを示したが、乗車券がSFデータを有しているときは、入出場のデータの書込み以外に減額処理が行われる。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る自動改札機は、本体の投入口に磁気券が投入されることなく通信エリアに接近された非接触券に記録されているデータを基にした演算処理の結果が非接触券のデータのみでは入出場条件を満たさないと判定したときに、その投入口への磁気券の投入を禁止すると共に、磁気券を投入口に先に投入し、次いで、非接触券を通信エリアに接近させるようにとの案内を行うようにしたので、一人の利用客が磁気券と非接触券とを混在して使用するときでも、乗車券に対して正確に入出場のデータを記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動改札機の概略構成図である。
【図2】本体及び非接触券の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
a 自動改札機の本体(本体)
C1 磁気券
C2 非接触券
b 制御器
H1 〜H3 磁気ヘッド
L1 整列搬送路
L2 主搬送路
L3 排出搬送路
D ドア
M モータ
1 投入口
2 取出口
3 アンテナ
4 シャッタ
5 保留部
6 表示画面
7 スピーカ
Claims (1)
- 自動改札機の本体の投入口に投入された磁気券に記録されているデータを基に入出場の演算処理を行う磁気券処理部、及びその自動改札機の本体に設けられている通信エリアに接近されたときの交信により得られた非接触券に記録されているデータを基に入出場の演算処理を行う非接触券処理部を備えた自動改札機において、
前記自動改札機の本体の投入口に前記磁気券が投入されることなく前記通信エリアに接近された前記非接触券に記録されているデータを基にした演算処理の結果が当該非接触券のデータのみでは入出場条件を満たさないと判定したときに、その投入口への磁気券の投入を禁止する禁止手段と、
前記投入口への磁気券の投入が禁止されたときに、磁気券を前記投入口に先に投入し、その後に非接触券を通信エリアに接近させるようにとの案内を行う案内手段と、
を設けたことを特徴とする自動改札機。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-03-29 JP JP8579199A patent/JP4267744B2/ja not_active Expired - Fee Related
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