JP3474519B2 - 積層体の使用方法及び回路基板 - Google Patents

積層体の使用方法及び回路基板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路基板の絶縁保護
材料として有用な積層体の使用方法及び回路基板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回路基板の絶縁保護方法としては
スクリーン印刷されたインクにより保護する方法(特開
昭62‐263692号公報)、カバーレイフィルムと
呼ばれる接着剤付きフィルムをラミネートする方法(特
開昭63‐110224号公報)等が既に実施されてい
る。
【0003】前者は一般的に耐熱性のない樹脂で構成さ
れており、またスクリーンを用いて設けるためその印刷
精度により最近のファインのパターンに対応出来ない面
があった。後者においても耐熱性の優れたポリイミドフ
ィルムを使用することにより信頼性の点では優れている
が、その加工工程は金型により打ち抜いた後、熱プレス
によりラミネートするという煩雑な工程を必要とし、ま
た打ち抜き精度が低いことにより同様にファインパター
ンに対応しにくいという問題があった。
【0004】一方ポリイミド樹脂を種々の方法により回
路上に直接設けた後、薬品によりエッチングしてパター
ン化する方法(特開昭62‐113494号公報等)に
ついても一部実施されてはいるが、この際にはヒドラジ
ン、エチレンジアミン等の危険な薬品を用いねばなら
ず、またそのエッチングに長時間かかるといった問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は信頼性
と加工精度に優れ、かつ作業性に優れた回路基板用絶縁
保護材料を提供し、これの使用方法及び回路基板の製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決する手段】すなわち本発明は、少なくとも
感光性樹脂層とポリイミド前駆体樹脂層の2層を有する
フィルム状の積層体を、ポリイミド前駆体樹脂層が回路
基板と接するように回路基板上に積層し、これを露光、
現像、エッチング、残存する感光性樹脂層の剥離及びポ
リイミド前駆体樹脂の硬化処理を行うことを特徴とする
積層体の使用方法である。また、本発明は、少なくとも
感光性樹脂層とポリイミド前駆体樹脂層の2層を有する
フィルム状の積層体を、ポリイミド前駆体樹脂層が回路
基板と接するように回路基板上に積層し、これを露光、
現像、エッチング、残存する感光性樹脂層の剥離及びポ
リイミド前駆体樹脂の硬化処理を行うことを特徴とする
パターン化された絶縁保護膜を有する回路基板の製造方
法である。更に、本発明は、前記製造方法で得られたパ
ターン化された絶縁保護膜を有する回路基板である。
【0007】感光性樹脂層としては任意の構造が選択可
能であり、ネガ型ポジ型いずれも可能である。感光性樹
脂は通常紫外線反応型、電子線反応型等があり、構成と
してはベースオリゴマー、反応性希釈剤、光開始剤、光
増感剤、顔料、重合防止剤等により成っている。ベース
オリゴマーとしてはエポキシアクリレート、ウレタンア
クリレート、ポリエステルアクリレート等がある。
【0008】その厚みとしては2μmから100μmま
でが好ましく、それ未満であれば加工精度は高いもの
の、膜強度が不足しポリイミド前駆体樹脂層をエッチン
グする際剥がれ等の問題を生じやすい。100μmを超
えると強度が大きく信頼性は高いものの、加工精度が落
ち、また高価になる。
【0009】ポリイミド前駆体樹脂はジアミン化合物と
酸無水物化合物とを極性溶媒中0〜200℃で反応させ
て合成される。この際イミド化反応が起きると溶解性が
低下したり、パターニングの際エッチング時間が長くな
り好ましくない。
【0010】極性溶媒としてはN-メチルピロリドン(N
MP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルア
セトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキシド(D
MSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチロラクト
ン、クレゾ-ル、フェノール、ハロゲン化フェノール、
シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジグライム等が挙げられる。
【0011】ジアミン化合物としてはp‐フェニレンジ
アミン、m‐フェニレンジアミン、2'‐メトキシ‐4,4'
‐ジアミノベンズアニリド、4,4'‐ジアミノジフェニル
エーテル、ジアミノトルエン、4,4'‐ジアミノジフェニ
ルメタン、3,3'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノジフェニル
メタン、3,3'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノジフェニルメ
タン、2,2‐ビス〔4-(4‐アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、1,2-ビス(アニリノ)エタン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミ
ノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2-
ビス(p-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-アミ
ノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5-ジアミノナ
フタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフル
オライド、1,4-ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゼン、
4,4'‐(p-アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノア
ントラキノン、4,4'‐ビス(3‐アミノフェノキシフェニ
ル)ジフェニルスルホン、1,3-ビス(アニリノ)ヘキサ
フルオロプロパン、1,4-ビス(アニリノ)オクタフルオ
ロプロパン、1,5-ビス(アニリノ)デカフルオロプロパ
ン、1,7-ビス(アニリノ)テトラデカフルオロプロパ
ン、下記一般式
【化1】 (但し、R2は2価の有機基を示し、R1は1価の有機基を
示し、pは1より大きい整数を示す)で表されるジアミ
ノシロキサン、2,2-ビス〔4-(p-アミノフェノキシ)フ
ェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
2,2-ビス〔4-(2-アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサ
フルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキ
シ)‐3,5-ジメチルフェニル〕ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)‐3,5-ジトリ
フルオロメチルフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、p-
ビス(4-アミノ‐2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベ
ンゼン、4,4'-ビス(4-アミノ‐2-トリフルオロメチル
フェノキシ)ビフェニル、4,4'‐ビス(4-アミノ‐3-ト
リフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス
(4-アミノ‐2-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェ
ニルスルホン、4,4'‐ビス(4-アミノ‐5-トリフルオロ
メチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス〔4-
(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニ
ル〕ヘキサフルオロプロパン、ベンジジン、3,3',5,5'-
テトラメチルベンジジン、オクタフルオロベンジジン、
3,3'-メトキシベンジジン、o-トリジン、m-トリジン、
2,2',5,5',6,6'-ヘキサフルオロトリジン、4,4''-ジア
ミノターフェニル、4,4'''-ジアミノクォーターフェニ
ル等のジアミン類、並びにこれらのジアミンとホスゲン
等の反応によって得られるジイソシアネート類がある。
【0012】また、テトラカルボン酸無水物並びにその
誘導体としては次の様なものが挙げられる。なお、ここ
ではテトラカルボン酸として例示するが、これらのエス
テル化物、酸無水物、酸塩化物も勿論使用できる。ピロ
メリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸、
3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,
4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3',4,4'-
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,3,3',4'-ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテト
ラカルボン酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、
3,3',4,4'-ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2-ビ
ス(3,4-ジカルボキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(3,
4-ジカルボキシフェニル) ヘキサフルオロプロパン、3,
4,9,10-テトラカルボキシペリレン、2,2-ビス[4-(3,4-
ジカルボキシフェノキシ) フェニル] プロパン、2,2-ビ
ス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ) フェニル] ヘキサ
フルオロプロパン、ブタンテトラカルボン酸、シクロペ
ンタンテトラカルボン酸等がある。また、トリメリット
酸及びその誘導体も挙げられる。
【0013】また、反応性官能基を有する化合物で変成
し、架橋構造やラダー構造を導入することもできる。例
えば、次のような方法がある。 (a)下記一般式(3)で表される化合物で変成するこ
とによって、ピロロン環やイソインドロキナゾリンジオ
ン環等を導入する。 H2N‐Ar(Z)x‐NH2 (3) (但し、Arは2+x価の芳香族残基を示し、xは1又は2
を示し、Zは‐NH2基、‐CONH2基又は‐SO2NH2基から選
択された置換基であってアミノ基に対してo−位であ
る) (b)重合性不飽和結合を有するアミン、ジアミン、ジ
カルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の誘導
体で変成して硬化時に橋かけ構造を形成する。不飽和化
合物としては、マレイン酸、ナジック酸、テトラヒドロ
フタル酸、エチニルアニリン等が使用できる。 (c)フェノール性水酸基あるいはカルボン酸を有する
芳香族アミンで変成し、この水酸基又はカルボキシル基
と反応しうる橋かけ剤を形成する。
【0014】本発明は、この様にして得られたポリイミ
ド前駆体を感光性樹脂層と接してフィルム状に設けるわ
けであるが、その樹脂層の硬化後の熱膨張係数は3×1
-5/℃以下であることが好ましい。特に、フレキシブ
ルプリント基板等の柔軟な回路上に設ける場合、熱膨張
係数が3×10-5/℃を超えるとイミド化反応等の高温
熱処理後冷却時に回路が反ってしまい、実用上支障が生
じやすい。
【0015】更に、好ましくは下記一般式(1)あるい
は一般式(2)で示される繰り返し単位を有するポリイ
ミド前駆体であり、熱膨張係数が小さく、かつ屈曲性等
の機械的特性に優れている。
【化2】
【化3】
【0016】これらの繰り返し単位の他に熱膨張係数の
コントロール、あるいは機械的特性の調整等を目的とし
て、前期化合物等を用いて共重合あるいはブレンドする
ことも可能である。また種々の特性改良を目的として無
機質、有機質、又は金属等の粉末、繊維、チョプドスト
ランド等を混合して使用することもできる。また、硬化
時の回路の酸化を防ぐ目的で酸化防止剤等の添加剤ある
いは接着性の向上を目的としてシランカップリング剤を
加えることも可能である。また、可とう性の向上あるい
は流れ性、接着性の向上等を目的として異種のポリマー
をブレンドすることも可能である。
【0017】ポリイミド前駆体樹脂層の厚みは2μmか
ら300μmが好ましく、それ未満であると、回路の絶
縁に対する信頼性に乏しく、また折り曲げ等の機械的特
性が低い。300μmを超えるとイミド化反応の際劣化
反応が生じやすく好ましくない。
【0018】この様にして得られたポリイミド前駆体を
感光性樹脂層に接触して層を形成するわけであるが、そ
の形成方法は任意の方法が可能である。より作業性に優
れた方法としては離形フィルム上に感光性樹脂を塗工し
た後、ポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工する方法であ
る。
【0019】離形フィルムとしてはポリエステルフィル
ム、ポリロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等の一
般のフィルムが選択可能であり、より離形性を増すため
にシリコーン化合物等の離形剤を表面にコートさせたフ
ィルムがより好ましい。
【0020】塗工後のポリイミド前駆体樹脂溶液の乾燥
は感光性樹脂あるいは離形フィルムの劣化を起こさない
範囲で選択可能であるが、好ましくは180℃以下であ
る。その温度を超えるとイミド化反応が起こり、その後
の回路へのラミネートの際、樹脂の流れ性が落ちること
により充填性が低下したり、あるいはパターニングの
際、エッチング時間が長くなり、好ましくない。
【0021】乾燥状態はラミネート時の充填性あるいは
回路とのタック性を考慮して調整可能である。また、ポ
リイミド前駆体樹脂層の表面保護を目的として、更にそ
れに接して離形フィルムを積層することも可能である。
【0022】この様にして得られた積層体は任意の回路
パターンが描かれた回路基板上にポリイミド前駆体樹脂
層が接する様に積層される。回路基板としてはガラスエ
ポキシ等の硬質基板、あるいはポリイミドフィルムを用
いたフレキシブルプリント基板等の任意の回路基板が可
能であるが、ポリイミド前駆体樹脂層はその後高温で硬
化する必要があるため、ガラス/マレイミド硬質基板あ
るいは無接着剤フレキシブルプリント基板等の耐熱性に
優れた回路基板がより好ましい。積層方法としては熱プ
レス機あるいはロールツウロールのラミネーターにより
可能である。この際、樹脂の充填性を増すために200
℃以下の加熱をすればより好ましい。また、基板との密
着性をより向上させるため界面に有機溶剤等の浸し液を
用いても差支えない。
【0023】次に、絶縁層であるポリイミド前駆体樹脂
層を任意の形状に加工するために、任意のネガパターン
あるいはポジパターンを離形フィルム上あるいは感光性
樹脂層に直接重ね、露光を行なう。更に、感光性樹脂の
現像を行なった後、アルカリ性の溶液によりポリイミド
前駆体のエッチングを行なう。エッチングに際しその速
度を上げるために加熱することも可能である。最後に、
残っている感光性樹脂層を剥離してパターン化されたポ
リイミド前駆体絶縁樹脂層が得られる。
【0024】この様にして得られた回路はイミド化反応
である硬化反応を行なうため高温の熱処理が施される。
最高の熱処理温度としては200℃以上より好ましくは
250℃以上である。加熱は熱風オーブン等を用いたバ
ッチ熱処理あるいはロールツウロールの加熱いづれも可
能である。また、不活性雰囲気で行なえば回路の酸化が
抑えられより好ましい。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳しく説明する。
【0026】なお、熱膨張係数はイミド化反応が十分終
了した試料を用い、サーモメカニカルアナライザー(T
MA)を用いて行い、250℃に昇温後10℃/min
で冷却して240℃から100℃までの平均の熱膨張係
数を算出して求めた。
【0027】耐ハンダ性は、76%RHで24時間放置
した回路をハンダ浴に1分間浸漬し、膨れ、剥がれの生
じない最高の温度を10℃刻みで調べた。
【0028】加工精度は直径が10μm刻みで異なる円
形のパターンを用いポリイミド前駆体樹脂層をエッチン
グ加工して目視により良好な形状を有する直径の大きさ
により判定した。
【0029】合成例1 温度計、塩化カルシウム管、攪拌棒及び窒素吸込口を取
り付けた300mlの4つ口フラスコに毎分200mlの窒
素を流しながら、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズア
ニリドを0.07モル及び4,4'-ジアミノジフェニルエ
ーテル、0.03モルを220mlのDMAc(ジメチル
アセトアミド)中に攪拌溶解させた。この溶液を水冷浴
中で10℃以下に冷却しながら、PMDA(無水ピロメ
リット酸)0.10モルを徐々に添加し反応させた。そ
の後、約2時間室温で攪拌を続け重合反応を行なった。
褐色透明の粘稠なポリイミド前駆体溶液が得られた。
【0030】合成例2 温度計、塩化カルシウム管、攪拌棒及び窒素吸込口を取
り付けた300mlの4つ口フラスコに毎分200mlの窒
素を流しながら、パラフェニレンジアミン、0.08モ
ル、及び4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、0.02
モルを220mlのNMP(N-メチル-2-ピロリドン)
中に攪拌溶解させた。この溶液を水冷浴中で10℃以下
に冷却しながら、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン
酸無水物0.10モルを徐々に添加し反応させた。その
後、約2時間室温で攪拌を続け重合反応を行なった。褐
色透明の粘稠なポリイミド前駆体溶液が得られた。
【0031】合成例3 温度計、塩化カルシウム管、攪拌棒及び窒素吸込口を取
り付けた300mlの4つ口フラスコに毎分200mlの窒
素を流しながら、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、
0.10モルを220mlのDMAc(ジメチルアセトア
ミド)中に攪拌溶解させた。この溶液を水冷浴中で10
℃以下に冷却しながら、BTDA(3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸無水物)0.10モルを徐々に
添加し反応させた。その後約2時間室温で攪拌を続け重
合反応を行なった。黄色透明の粘稠なポリイミド前駆体
溶液が得られた。
【0032】実施例1 市販の直間法フィルム乳剤〔村上スクリーン(株)製、
MS-FILM(ジアゾ系乳剤30μm/離形ポリエス
テルフィルム75μm)〕の乳剤面上に合成例1で得ら
れたポリイミド前駆体樹脂溶液を、乾燥後の厚みが50
μmになるようにアプリケーターを用いて塗工した。1
30℃の熱風式循環オーブンで4分間乾燥して、離形ポ
リエステルフィルム/感光性樹脂層/ポリイミド前駆体
樹脂層の3層構造の積層体を得た。
【0033】この積層体をあらかじめ回路加工しておい
た無接着剤銅張積層板〔新日鐵化学(株)製、エスパネ
ックス(圧延銅箔35μm/ポリイミド35μm)〕と
ラミネートした。回路は線幅300μm/線間300μ
mの平行回路で、ラミネーター(大成ラミネーター
(株)製、STラミネーター 8B-550ID)を用
い、DMAcとエチルアルコールを1対3で混合した溶
液を、霧吹きを用い回路表面を濡らした後、90℃のロ
ール温度で回路全面にラミネートした。ポリイミド前駆
体樹脂層はきれいに回路間に充填され気泡の巻き込みも
見られなかった。
【0034】更に、その離形フィルムに接触して3cm×
10cmのパターンを有するネガフィルムを置き、放電灯
露光装置(ハイテック(株)製、3000NEL)を用
いて約1000mmNJ/cm2 の露光を行った後、離
形フィルムを剥がし、簡易縦型シャワー装置を用いて水
温23℃、水圧1kg/cm2 で80秒間水により現像し
た。
【0035】更に、80℃で1分程度乾燥した後、5%
水酸化ナトリウム溶液を用いて簡易縦型シャワー装置に
より、液温33℃で水圧1.5kg/cm2 、60秒間エ
ッチング加工を行なった。剥き出しとなっていたポリイ
ミド前駆体樹脂層は残渣なくエッチング除去されてい
た。
【0036】続いて剥離液(村上スクリーン(株)製、
STRIP SUPER)を用いて水圧1.0kg/cm2
で2分間シャワーを行い、残っていた感光性樹脂層の
除去を行なった。次に、得られた基板を熱風オーブン中
で130℃、10分間熱処理を行なった後、160、2
00、250、300℃で各2分間段階的に熱処理し
た。
【0037】得られたフレキシブルプリント基板は絶縁
層として33μmのポリイミド層を有し、その断面を顕
微鏡で観察したところ、回路を均一な厚みで空隙なく覆
っていた。また、基板の外観は極めて良好な平面性を有
していた。特性としては耐ハンダ性は350℃の高温ま
で耐え、また、回路にそって手で折り曲げても切れたり
せず、高い機械的特性を有していた。
【0038】更に、前述の加工精度を判定するパターン
を用いて、その加工精度を評価したところ、100μm
の円形まできれいに加工されており、カバーレイフィル
ムの打抜きの加工精度よりはるかに優っていた。この絶
縁樹脂層の熱膨張係数を別途調べたところ、2.0×1
-5/℃であった。
【0039】実施例2 合成例2で得たポリイミド前駆体樹脂溶液を用いて、実
施例1と同様にして加工、評価を行なった。耐ハンダ性
は330℃で折り曲げ性も良好であり、基板の平面性も
優れていた。また、加工精度も同様に100μmであっ
た。熱膨張係数は2.2×10-5/℃であった。
【0040】実施例3 合成例3で得たポリイミド前駆体樹脂溶液を用いて、実
施例1と同様にして加工、評価を行なった。耐ハンダ性
は330℃で折り曲げ性も良好であったが、基板の平面
性は3cm×10cmのパターンで実験台上で10mm
程度のコーナーの立ち上がりがあった。しかし、使用に
は差し支えの無いレベルである。加工精度は同様に10
0μmであった。熱膨張係数は5.0×10-5/℃であ
った。
【0041】
【発明の効果】本発明で使用する積層体は加工精度が高
く、かつ信頼性に優れた回路の絶縁保護層を極めて容易
に提供しうるものであるから、加工精度が高く、かつ信
頼性に優れた絶縁保護膜を有する回路基板を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層体の層構造を示す断面図
【図2】 エッチング加工後の絶縁保護層の状態を示す
概念図
【符号の説明】
1 離形フィルム層 2 感光性樹脂層 3 ポリイミド前駆体樹脂層 4 回路 5 基板樹脂面 6 ポリイミド絶縁保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−194837(JP,A) 特開 昭63−16602(JP,A) 特開 昭62−113494(JP,A) 特開 平3−295638(JP,A) 特開 平4−334095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/00 - 3/28 B32B 27/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも感光性樹脂層とポリイミド前
    駆体樹脂層の2層を有するフィルム状の積層体を、ポリ
    イミド前駆体樹脂層が回路基板と接するように回路基板
    上に積層し、これを露光、現像、エッチング、残存する
    感光性樹脂層の剥離及びポリイミド前駆体樹脂の硬化処
    理を行うことを特徴とする積層体の使用方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも感光性樹脂層とポリイミド前
    駆体樹脂層の2層を有するフィルム状の積層体を、ポリ
    イミド前駆体樹脂層が回路基板と接するように回路基板
    上に積層し、これを露光、現像、エッチング、残存する
    感光性樹脂層の剥離及びポリイミド前駆体樹脂の硬化処
    理を行うことを特徴とするパターン化された絶縁保護膜
    を有する回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製造方法で得られたパタ
    ーン化された絶縁保護膜を有する回路基板。
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