JP4150403B2 - フレキシブルプリント基板、fcテープ及びそれからなるtabテープ - Google Patents

フレキシブルプリント基板、fcテープ及びそれからなるtabテープ Download PDF

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Description

本発明は、半導体デバイスの組立て工程において、デバイスの多ピン化、小型化、高密度実装に際し、注目されているTAB(Tape Automated Bonding) 方式に用いられる保護層、接着剤層及び有機絶縁フィルムの3層構造からなるテープ(以下、FCテープという。)、及びFCテープに銅箔を張り合わせ回路を描いたTABテープ、及び、温度変化に対し寸法変化が小さく、また吸湿寸法変化も小さい、耐熱性に優れたフレキシブルプリント基板(以下、FPCと略する。)に関する。
近年、各種電子機器において、プリント回路基板及び接続ケーブルとして柔軟性にすぐれているフレキシブルプリント基板(以下、FPCという。)が多く使用されている。FPCは、長尺の絶縁材であるベースフィルムをロールツーロールで、(1)接着剤塗布・乾燥、(2)銅箔ラミネーティング・接着剤硬化、(3)配置パターン形成(レジスト塗布・銅のエッチング・レジスト剥離)というような加工工程により製造される。一般にパターン形成時、エッチング処理工程において寸法変化を生じるため、回路設計の際、以後の工程の変化を予め考慮し、設計する必要があった。
この寸法変化は、(1)FPCの絶縁材であるベースフィルムの吸湿・脱湿による寸法変化、(2)銅箔ラミネート時に生じる銅箔とベースフィルムの熱膨張の差による歪み、及び(3)各工程に生じる張力による歪みが原因で生じる。
このうち、(2)の原因による寸法変化は、ベースフィルムの熱膨張係数が一定であれば、この寸法変化量を容易に設計に取り込めることができる。また、(3)の原因による寸法変化は、各工程の張力をコントロールすることにより、制御することができ、この寸法変化量も容易に設計に取り込めることができる。
しかし、FPCの製造工程は、洗浄工程などで、吸湿したり、乾燥したりする工程が繰り返されるため、(1)のベースフィルムの吸湿・脱湿による寸法変化をコントロールすることは困難であった。
従来の絶縁材であるベースフィルムは、その特性において一般に吸湿膨張係数が大きいため、FPC製造工程における吸湿・脱湿による寸法変化が大きく、また上記理由により解決されない問題であった。
また、近年、半導体デバイスの多ピン化、小型化、高密度実装に対応できる技術として、長尺の絶縁フィルムにLSI等の半導体チップを載置するための孔(デバイスホール)を設け、その上に非常に薄い銅箔リードを形成し、このリードを介してLSI等とプリント配線板などを接続するTAB技術が注目されている。このようなTAB技術において、一般に保護層、接着剤層、及び有機絶縁フィルム層(ベースフィルム層)の3層構造からなるFCテープが用いられており、FCテープを加工したTABテープ上にLSI等を実装するまでの加工工程は以下のようにして行われる。
すなわち、TABテープの加工工程は、(1)パンチングによりスプロケットホール、デバイスホールを形成する工程、(2)保護層を除去した後、銅箔ラミネーティング後、接着剤を硬化する工程、(3)配置パターン形成工程(レジスト塗布、銅のエッチング、レジスト剥離)、(4)メッキ処理工程、(5)インナーリードボンディング工程、(6)樹脂封止工程、(7)パンチング工程、(8)アウターリードボンディング工程の8工程で行われ、以上の加工工程を経て、LSIが実装されるのである。
TABテープ上にLSIを実装するため、(1)パンチングの工程から、(4)メッキ処理工程までは、張力下で行われる。このため、ベースフィルムの弾性率が低い場合は、伸びが生じ、細密パターンの回路を描くことが困難であった。
また、(2)銅箔ラミネーティング、接着剤硬化、(5)インナーリードボンディング、(6)樹脂封止、(8)アウターリードボンディングの加工工程においては、熱がかけられるため、TABテープのベースフィルムの熱膨張係数が大きいと不都合が生じる。例えば、(5)インナーリードボンディングの加工工程では、ベースフィルムの熱膨張により、LSIとの接合位置のずれを生じる。同様に、(8)アウターリードボンディングの加工工程では、アウターリードと基板との接合位置のずれを生じる。このずれが生じると、接合が不可能となり、信頼性を低下することとなる。
また、(2)銅箔ラミネーティングの加工工程では、銅箔とともに加熱されるので、銅箔と異なった熱挙動を示すと、つまり銅箔と異なった熱膨張係数を有するとカールの原因となる。カール、すなわち、TABテープの反りが生じると、ボンディングの電気的な接続部に歪みが生じ回路の電気的信頼性が低下するという問題があった。
また、ベースフィルムの吸水率が大きい場合、(2)の銅箔ラミネーティングの加工工程においては、接着剤の硬化反応が終了して硬化用加熱炉から取り出された直後はベースフィルムが乾燥しているため、歪みなく銅箔と固定されているが、この銅箔をラミネートした状態で放置すると、ベースフィルムの性質から、時間と共に徐々に吸湿膨張する。しかし、銅箔は吸湿膨張せず、また、フィルムと比較して、剛性が高くフィルムの膨張が原因で寸法変化を起こすこともないため、銅箔とフィルムに挟まれた接着剤層に内部応力が蓄積されることとなる。
従って、この状態で(3)の配置パターン形成工程(レジスト塗布、銅のエッチング、レジスト剥離)において、乾燥と吸湿が繰り返されることになり、エッチングにより銅箔上に配線パターンを形成すると、エッチングにより、銅箔が除去された部分の応力が解放されて寸法変化が生じ、配線パターン形成のためのフォトマスク寸法よりも大きなパターンが形成されることになる。その結果、半導体デバイスとの接続不良が発生し、このような寸法変化はTAB加工工程における歩留り低下の原因となっていた。
上記の問題点を解決するために、FPCの製造工程において、ベースフィルムの吸湿・脱湿による寸法変化をコントロールするため、吸水率が低く、絶縁材として吸湿膨張係数の小さい特性を有するベースフィルムの出現が待たれていた。
さらに、TABテープの製造工程における上記問題点を解決するためには、具体的にはTABテープの加工工程において、(5)インナーリードボンディングの加工工程においては、LSI(シリコンウエハー)とベースフィルムの熱膨張係数が近いことが必要であり、また、(8)アウターリードボンディングの加工工程では、接合する基板と、ベースフィルムの熱膨張係数が近いこと、さらに、(2)銅箔ラミネーティングの加工工程では、銅箔とベースフィルムの熱膨張係数が近いことが要求される。なお、LSIの熱膨張係数は0.4×10-5-1であり、銅箔の熱膨張係数は1.6×10-5-1である。
以上のことより、TABテープ及び、FPCに用いられるベースフィルムは、高弾性率のフィルムである必要がある。また、低い吸水率を有することも必要であり、さらに、熱膨張係数が0.4×10-5-1〜2.6×10-5-1程度であることが望ましい。これらの性質を併せ有するベースフィルムを用いたTABテープの出現が待ち望まれていた。
本発明の目的は、従来のFPC、FCテープ及びそれからなるTABテープにおける上記のような問題を解決し、寸法変化を生じないフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれに銅箔を張り合わせ回路を描いたTABテープを提供することにある。そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、フレキシブルプリント基板、また、FCテープ及びそれからなるTABテープにおいて、特定の構造を有するポリアミド酸共重合体を脱水閉環して得られるポリイミド共重合体からなるポリイミドフィルムをベースフィルムに用いることに想到することにより、上記従来の問題点を解決して初期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
本発明に係るフレキシブルプリント基板の要旨とするところは、ベースフィルムが、吸水率が1.6%以下、吸湿膨張係数が15ppm以下、または熱膨張係数が1.0×10-5-1以上2.5×10-5-1以下のうち、1以上の条件を満たすことにある。
また、前記ベースフィルムが、一般式(1)化6
Figure 0004150403
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミド酸共重合体を脱水閉環して得られる芳香族ポリイミド共重合体からなることにある。
さらに、前記ベースフィルムが、前記一般式(1)化7
Figure 0004150403
(式中、R は化8
Figure 0004150403
から選択される2価の有機基、R は化9
Figure 0004150403
から選択される2価の有機基、R は化10
Figure 0004150403
から選択される4価の有機基、R はCH −、Cl−、Br−、F−、CH
O−を示す。また、m、nは整数であり、1≦m、0≦nを満たす。)で表される芳香族ポリアミド酸共重合体を脱水閉環して得られる芳香族ポリイミド共重合体からなることにある。

また、本発明に係るFCテープの要旨とするところは、ベースフィルムが、吸水率が1.6%以下、吸湿膨張係数が15ppm以下、熱膨張係数が1.0×10-5-1以上2.5×10-5-1以下のうち、1以上の条件を満たすことにある。
また、本発明に係るTABテープの要旨とするところは、請求項4に記載するFCテープの保護層を剥離した上に銅箔を張り合わせ、回路を形成したことにある。
本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープは、線膨張係数が金属あるいはガラスに対して極端に差がなく、特異的に弾性率が高くまた、吸水率が低いという特性を有する。具体的には、一般式(1)で表されるポリアミド酸共重合体と化学脱水剤を混合して得られるポリイミドフィルムを、ベースフィルムとする、フレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープを提供するものであり、ソリやカールがなく、加工中及び実装時の寸法変化が小さいため多ピン・高密度パターンのテープキャリアパッケージに好適な材料となる。
本発明に用いられるフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープに用いられるベースフィルムは、低熱膨張性、低吸水率、低吸湿膨張性などの優れた特性を有するフィルムからなる。上記の特性を満たすフィルムとして、種々の材料が考えられるが、上記の優れた特性を有するものとして、ポリイミドフィルムがある。ポリイミドフィルムの1例として、たとえば、一般式(1)化11
Figure 0004150403
(式中、R は、化12
Figure 0004150403
から選択される2価の有機基、R は、化13
Figure 0004150403
で表される2価の有機基、R は化14
Figure 0004150403
で表される4価の有機基、R はCH −,Cl−,Br−,F−,CH
O−を示す。m,nは整数であり、1≦m、0≦nを満たす。)を、脱水閉環して得られるポリイミドフィルムがあげられる。
上記の特徴を有するポリイミドフィルムをベースフィルムとするフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープは、ソリやカールがなく、加工中及び実装時の寸法変化が小さいという利点を有している。
以下に、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープの製造方法について詳細に述べる。
低熱膨張性、低吸水率、低吸湿膨張性などの優れた特性を有するポリイミドフィルムは、その前駆体であるポリアミド酸共重合体を脱水閉環して得られる。このポリアミド酸共重合体溶液は、酸無水物とジアミン成分を実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合して得られる。このポリイミドフィルムの1例として、上記特定構造のポリイミドフィルムについて、その製造方法を述べる。まず、ポリアミド酸共重合体溶液の製造方法について述べる。
アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中において、一般式(2)
N−R −NH
(2)
(式中、R は2価の有機基を示す。)で表される1種あるいは、2種のジアミンを有機溶媒に溶解、あるいは、スラリー状に拡散させる。この溶液に、一般式(3)化15
Figure 0004150403
(式中、R は2価の有機基を示す。)で表される少なくとも1種の芳香族ジエステル酸二無水物と、一般式(4)化16
Figure 0004150403
(式中、R は4価の有機基を示す。)で表される少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物の混合物を固体の状態または有機溶媒溶液の状態で添加し、ポリアミド酸共重合体の溶液を得る。
この時の反応温度は、−20℃から100℃、望ましくは、60℃以下が好ましい。反応時間は、30分から12時間程度である。
また、この反応において、上記添加手順とは逆に、まずエステル酸二無水物とテトラカルボン酸二無水物の混合物を有機溶媒中に溶解または拡散させ、該溶液中に前記ジアミンの固体若しくは有機溶媒による溶液若しくはスラリーを添加させてもよい。また、同時に混合して反応させてもよく、酸無水物成分、ジアミン成分の混合順序は限定されない。
なお、ポリアミド酸共重合体の生成反応に使用される有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。これらを1種類の溶媒のみで用いることも、2種以上からなる混合溶媒で用いることもできる。更には、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素を混合して使用することも可能である。
また、これらの極性溶媒とポリアミド酸の非溶媒とからなる混合溶媒の用いることもできる。ポリアミド酸の非溶媒としてはアセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ等を挙げることができる。更にキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の一部使用も可能である。
このポリアミド酸共重合体は各々前記の有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%溶解されているのが取扱いの面からも望ましい。
生成されるポリアミド酸共重合体の分子量は、ポリイミドフィルムの強度を維持するためには、数平均分子量が1万以上100万が好ましい。平均分子量が1万未満では、できあがったフィルムが脆くなり、一方100万を超えるとポリアミド酸ワニスの粘度が高くなりすぎ取扱いが難しくなって、好ましくない。
かかる反応において、酸無水物成分の割合は、前記一般式(3)で表されるエステル酸二無水物と前記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物のモル比が、10/90〜100/0の範囲であるように用いるのが好ましい。
また、前記一般式(2)で表されるジアミンは、酸無水物成分の総量と等モル量用いるのが好ましい。
更に詳しくは、前記ポリアミド酸共重合体の製造方法に用いられるジアミン成分は、一般式(2)
N−R −NH
(2)
(式中、R は、化17
Figure 0004150403
で表される2価の有機基を示す。)で表されるジアミン成分から選択される。
また、前記ポリアミド酸共重合体の製造方法に用いられる酸無水物は、本質的に種々の酸無水物が使用可能であるが、より具体的には、諸特性のバランスから、一般式(3)化18
Figure 0004150403
(式中、R は化19
Figure 0004150403
で表される2価の有機基を示す)から選択される芳香族ジエステル酸二無水物及び、一般式(4)化20
Figure 0004150403
式中、R は化21
Figure 0004150403
で表される4価の有機基を示す。)から選択されるテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。
なお、本発明に用いられる酸成分のモノマーは、ベンゼンやトルエン等の溶媒中、ピリジンの存在下で無水トリメリット酸クロリドとフェノール類との反応あるいは、高沸点溶媒中、無水トリメリット酸とジアセテート類とエステル交換反応による方法等により得られる。
上記のようにして、得られた一般式(1)で表されるポリアミド酸共重合体におけるブロック単位の繰り返し数m、nは整数であり、1≦m、0≦nを満たす。
つぎに、このポリアミド酸共重合体の溶液からポリイミド共重合体およびポリイミドフィルムを得るためには、熱的方法、又は脱水剤を用いる化学的方法のいずれかの方法を用いて脱水閉環(イミド化)すればよい。
例を挙げて説明すると、化学的に脱水閉環する方法では、まず上記ポリアミド酸共重合体またはその溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量の第3級アミンを加え、支持板やPET等の有機フィルム、ドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延または塗布して膜状とし、有機溶媒を蒸発させることにより自己支持性を有するポリアミド酸の膜を得る。この有機溶媒の蒸発は150℃以下の温度で約5分〜90分間行うのが好ましい。
次いで、これを支持体より引き剥がし端部を固定する。その後、約100℃〜500℃まで徐々に加熱することによりイミド化し、冷却後これより取り外しポリイミドフィルムを得る。
また、熱的に脱水閉環する方法では、ポリアミド酸共重合体溶液を支持板やPET等の有機フィルム、ドラムまたエンドレスベルト等の支持体上に流延または塗布して膜状とし、化学的に脱水する場合と同様の方法で処理する。
熱的にイミド化する方法と化学的にイミド化する方法とを比較すると、化学的方法によるほうが得られたポリイミド共重合体の伸びが優れたものとなり、また、ポリイミドの機械的強度が大きく、かつ線膨張係数が小さくなる等の機械的特性が良好となること、また化学的方法によるほうが、短時間でイミド化することができる等の利点がある。なお、熱的にイミド化する方法と化学的にイミド化する方法とを併用することも可能である。
更に加熱して乾燥させつつイミド化させ、ポリイミド共重合体からなるポリイミドフィルムを得る。加熱の際の温度は、110℃から550℃の範囲の温度が好ましい。加熱の際の昇温速度には特に制限はないが、徐々に加熱して最高温度が上記の温度になるようにするのが好ましい。加熱時間はフィルム厚みや最高温度によって異なるが一般的には最高温度に達してから10秒から10分の範囲が好ましい。自己支持性を有する膜を加熱して乾燥・イミド化する際は、自己支持性を有する膜を支持体から引き剥がし、その状態で端部を固定して加熱することにより線熱膨張係数が小さいポリイミドフィルムが得られる。
ここでいう脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸二無水物、芳香族酸二無水物などが挙げられる。また、触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
また、ポリイミドはポリイソイミドと等価体であることは周知のことであるが、イソイミド構造を選択すれば溶媒溶解性を向上させることも可能である。ポリイソイミド共重合体を得るためには上述した化学的閉環剤をジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等のジイミド及び/またはトリフルオロ酢酸等のカルボン酸に置きかえた上で、該ポリイミド共重合体生成と同様の反応を行えばよい。
また、このポリイミドフィルムの製造において、ポリイミド共重合体の前駆体であるポリアミド酸共重合体の溶液中に、ナイロン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂等の有機添加剤、あるいはガラス繊維等無機のフィラー類、あるいは各種の強化剤を配合してフィルムを得てもよく、これらを配合することにより、機械的強度、接着性などの諸特性をさらに向上させることが可能である。
上記の方法により得られる特定構造のポリイミドフィルムは、吸湿膨張係数が15ppm以下であり、熱膨張係数が、1.0×10-5-1以上2.5×10-5-1以下であり、また、吸水率が1.6%以下という特徴を有しており、フレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープのベースフィルムとして好適であり、ソリやカールがなく、加工中及び実装時の寸法変化が小さいという利点を有している。
なお、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープのベースフィルムとしては、吸湿膨張係数が15ppm以下、熱膨張係数が、1.0×10-5-1以上2.5×10-5-1以下、また、吸水率が1.6%以下という特徴を1以上有しているフィルムであれば、いかなる構成であっても好ましく用いることができ、本発明のベースフィルムとして使用されるフィルムは、上述した特定構造のものに限定されない。
上記の方法により得られるフィルムは、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープのベースフィルムとして使用される。この場合、厚みが25μm〜180μm程度で用いられるが、取扱い上の利便性、フィルム強度、小型化対応のための薄層化要求等のバランスから50μm〜125μmがより好適である。
次に、本発明に係るフレキシブルプリント基板の製造方法について説明する。本発明に係るフレキシブルプリント基板は、(1)所定の配合の接着剤を、最終膜厚として10〜100μm、好ましくは15〜30μmになるように均一に絶縁材としてのベースフィルムに塗布する。(2)接着剤溶液を乾燥させ、接着剤層を半硬化状態(B−ステージ化状態)にする。(3)接着剤層に銅箔を重ね合わせ、20℃〜180℃で0.1kg/cm
以上の条件で圧着し、接着剤が硬化する温度で硬化させる。(4)レジストを塗布し、露光などでレジスト上に回路を描き、現像し、銅のエッチングを行い、レジスト剥離する。上記の製造過程を経て、FPCが作成されるのである。
本発明に係るフレキシブルプリント基板は、ベースフィルムの性質として、低吸湿膨張、低熱膨張であることより、各加工工程での吸湿・脱湿による寸法変化が小さいため、回路形成及びIC実装後、電気・電子部品に実装する際の位置ずれが生じることがなく、優れた寸法安定性を有する。
次に、本発明に係るFCテープの製造方法について述べる。PET等の保護層の上に接着剤を約10〜30μm厚みに塗布、80℃〜150℃程度の温度で、約0.5分〜20分乾燥し、カバーフィルムをラミネートし、PET/接着剤/カバーフィルムの3層構造とする。その3層構造のフィルムを所定の幅にスリットする。
別に上記方法により製造したベースフィルムを所定の幅にスリットする。3層構造のフィルムのカバーフィルムを剥離し、別に上記方法により製造したフィルム(有機絶縁フィルム)に、接着剤が融着するように50℃〜150℃程度の温度条件において、スリットした有機絶縁フィルムをラミネートし、保護層/接着剤/有機絶縁フィルムの3層構造からなる本発明に係るFCテープが得られる。
次に、本発明に係るTABテープの製造方法について説明する。すなわち、TABテープは、上記製法により製造されたFCテープをパンチングによりスプロケットホール、デバイズホールを形成し、保護層を剥離除去したあと、銅箔ラミネート、接着剤を硬化させ、配置パターン形成し(レジスト塗布、銅のエッチング、レジスト剥離)、メッキ処理を行い、本発明に係るTAB用テープが得られる。
接着の方法は、詳しくは、(1)保護フィルム上に所定の配合の接着剤を、最終膜厚として10〜40μm、好ましくは、15〜30μmになるように均一に塗布する。(2)接着剤溶液を乾燥させ、接着剤層を半硬化状態(B−ステージ化状態)にする。(3)接着剤層に、上記製造方法により得られたFCテープを重ね合わせ、20℃〜180℃で0.1kg/cm
以上の条件で圧着する。以上のような製造方法により、本発明に係るTABテープが得られるのである。
なお、接着剤層の保護層となる保護フィルムとしては、接着剤の乾燥時に軟化・変質を起こさない程度の耐熱性を有していれば基本的にどのようなものでもよいが、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムあるいは、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムが好適である。
上記のようにして得られたTABテープは、吸湿膨張係数が、15ppm以下であり、また、熱膨張係数が1.0×10-5-1以上2.5×10-5-1以下であり、さらに、吸水率が1.6%以下であるという優れた性質を有しているポリイミドフィルムを使用することにより、インナーリードボンディングの加工工程におけるベースフィルムとLSIの接合位置のずれや、アウターリードボンディングの加工工程におけるアウターリードと基板の接合位置のずれが生じることがなく、銅箔ラミネーティングの加工工程において、カールを生じることがない等の優れた利点を有する。
また、本発明にかかるTABテープは、低吸湿膨張、低熱膨張であることより、各加工工程での寸法変化が小さいため、更に高細線パターンのTABテープを供することができる。また、有機絶縁フィルムの弾性率が高いため、有機絶縁フィルムの厚みを薄くすることができ、薄いICパッケージをつくることができる。さらに、各加工工程での寸法変化が小さいため、各接合面での電気信頼性が高いことより、コンピューターICの実装などにも用いることができる。
なお、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープに用いられる接着剤の材料は、従来公知の材料を用いればよく、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム系樹脂等を単独または種々の割合で溶剤とともに混合し、必要に応じて硬化剤や硬化促進剤などの添加剤を添加したものを用いることができる。
以上、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープについて、有用性を明らかにすべく、実施の形態の1例を説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
以下、実施例により、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープについて説明する。まず、本発明に係るフレキシブルプリント基板、FCテープ及びそれからなるTABテープのベースフィルムに使用するポリイミドフィルムを構成するポリイミド共重合体の製造に供する酸成分の製造例を説明する。
(製造例1)
酸成分:P−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の合成
滴下ロート、還流冷却管のついた3000mlの3口フラスコの無水トリメリット酸クロリド510g(2.4モル)、トルエン1000mlを入れ、約80℃で攪拌する。ヒドロキノン132g(1.2モル)をトルエン1200ml、ピリジン240mlに溶かし、上記の3口フラスコに滴下ロートより滴下する。滴下後、約2時間還流攪拌を行い、冷却後、沈殿を濾別し、白色固体を得た。この白色固体を3リットルの水で洗浄後、乾燥し、無水酢酸で還流攪拌を約2時間行い、濾別する。濾別により得た白色固体をDMFにより再結晶し、380gの白色固体を得た。
(製造例2)
酸成分:p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の合成
ヒドロキノンの代わりに、メチルハイドロキノン147.6g(1.2モル)を用いる以外は、製造例1と同様にして白色の固体350gを得た。
(製造例3)
酸成分:p−(2,3ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の合成
ヒドロキノンの代わりに、2,3−ジメチルハイドロキノン165.6g(1.2モル)を用いる以外は製造例1と同様にして白色の固体400gを得た。
(製造例4)
酸成分:4,4' −ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の合成
ヒドロキノンの代わりに、4,4' −ジヒドロキシビフェニル223.2g(1.2モル)を用いた以外は、製造例1と同様にして白色の固体400gを得た。
(製造例5)
酸成分:1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の合成
ヒドロキノンの代わりに、1,4−ジヒドロキシナフタレン192.0g(1.2モル)を用いる以外は、製造例1と同様にして白色の固体380gを得た。
(製造例6)
酸成分:2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の合成
ヒドロキノンの代わりに、2,6−ジヒドロキシナフタレン192.0g(1.2モル)を用いる以外は製造例1と同様にして白色の固体385gを得た。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、実施例中、ODAは 4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、BAPPは、2,2 ’- ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、BAPBは、4,4 ' - ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、TPE−Qは、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、p−PDAは、パラフェニレンジアミン、NMPは、N−メチルピロリドン、PMDAは無水ピロメリット酸、DMFはジメチルホルムアミドを表す。
(実施例1)
セパラブルフラスコに、NMPとp−PDAを2当量、ODAを1当量とり、ジアミン化合物が完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。つぎに、製造例1で示したp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)2.85当量を粉体で徐々に加え、その後40分攪拌した。そして、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)0.15当量をNMPに溶かし、徐々に加え、このあと1時間冷却攪拌し、ポリアミド酸共重合体のNMP溶液を得た。なお、NMPの使用量はジアミン類及び芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込み濃度が、18重量%となるようにした。
つぎに、ポリアミド酸共重合体溶液を無水酢酸、βピコリンと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥がし、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100℃で約5分間、約200℃で約5分間、約300℃で約5分間加熱し、約400℃で約5分間加熱し、脱水閉環乾燥し、約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
なお、熱膨張係数は、窒素気流下で理学電気製TMA 8140により測定した100℃〜200℃での熱膨張係数をいう。吸水率は、フィルムを150℃で30分間乾燥させたものの重量をW1 とし、24時間蒸留水に浸したあと表面の水滴を拭き取ったものの重量をW
とし、下記式より算出する。
吸水率(%)=(W −W1 )÷W1 ×100

弾性率は、ASTM D882による。
Figure 0004150403
表面に剥離剤処理を施した、保護用ポリエチレンテレフタレート(以下PETという。)フィルムにビスフェノールA型エポキシ樹脂(E1001/油化シェルエポキシ社製)50部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(180H65/油化シェルエポキシ社製)10部、ポリアミド樹脂(M1276/日本リルサン社製)40部、ジアミノジフェニルスルフォン7部、ジシアンジアミド2部、トルエン35部、イソプロピルアルコール15部、からなる接着剤を乾燥後約20μmになるように塗布し、150℃で10分乾燥した。この接着剤付きPETフィルムを26mm巾にスリットし、35mm巾にスリットした上記ポリイミドフィルムと約100℃で圧着し、FCテープを得た。
このFCテープのPETフィルムを取り除いた後、接着剤面と銅箔(三井金属製Low−profile電解銅箔VLP−3EC)を120℃にてラミネートし、この状態で外観を観察した後、上記方法に従ってエッチング後の寸法変化率を測定した。結果を表1に示す。
なお、寸法安定性は、次の方法により、寸法変化率を求めることによって、評価した。すなわち、ベースポリイミドフィルム、接着剤、保護用PETフィルムからなるFCテープを、PETフィルムを除いて銅箔(三井金属製Low−profile電解銅箔VLP−3EC)とラミネートし、加熱・キュアを行った後、寸法変化率測定用の2個のマーキング孔a,bをMD(機械製造方向)方向にパンチングによって開け、このときのa−b間の初期値l1 を測定した。次に銅箔を全面エッチングし、a−b間l
を測定した。次の計算式、数1
Figure 0004150403
に基づいて、エッチング前後の寸法変化率を算出した。
(実施例2)
ODAの代わりに、BAPP1当量を用いた他は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例3)
ODAの代わりに、BAPB1当量を用いた他は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例4)
ODAの代わりに、TPE−Q1当量を用いた他は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例5)
p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の代わりに、製造例2で示したp−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸二無水物)3当量を用いた他は実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体を得て、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例6)
p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の代わりに、製造例3で示したp−(2,3ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)3当量を用いた他は実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体を得て、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例7)
P−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の代わりに、製造例4で示した4,4' −ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を1当量を用いた他は、実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例8)
ODAの代わりに、BAPP1当量を用いた他は、実施例7と同様にして、ポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例9)
ODAの代わりに、BAPB1当量を用いた他は、実施例7と同様にして、ポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例10)
ODAの代わりに、TPE−Q1当量を用いた他は、実施例7と同様にして、ポリアミド酸共重合体を得、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例11)
p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の代わりに、製造例5で示した1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸二無水物)3当量を用いた他は実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体を得て、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例12)
p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の代わりに、製造例6で示した2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を用いた他は実施例1と同様にしてポリアミド酸共重合体を得て、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例13)
セパラブルフラスコに、NMPとp−PDAを2当量、ODAを1当量とり、ジアミン化合物が完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。つぎに、製造例1で示したp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)2当量を粉体で徐々に加え、その後40分攪拌した。オキシジフタリックアンヒドリド0.85当量を粉体で徐々に加え、その後40分攪拌した。そして、オキシジフタリックアンヒドリド0.15当量をNMPに溶かし、徐々に加え、このあと1時間冷却攪拌し、ポリアミド酸共重合体のNMP溶液を得た。なお、NMPの使用量はジアミン類及び芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込み濃度が、18重量%となるようにした。得られたポリアミド酸共重合体溶液を用い、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例14)
オキシジフタリックアンヒドリドの代わりに、ベンゾフェノンテトラカルボキシリックアンヒドリド(BTDA)を用いた他は実施例13と同様にしてポリアミド酸共重合体を得て、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(実施例15)
オキシジフタリックアンヒドリドの代わりに、ビフェニルテトラカルボキシリックアンヒドリド(BPDA)を用いた他は実施例13と同様にしてポリアミド酸共重合体を得て、実施例1と同様の方法で約50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
(比較例1)
先の実施例1と同様の方法により、PMDAとODAを等モルずつ用いて、50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。このポリイミドフィルムを使用し、実施例1と同様の方法で、FCテープを得、銅箔とラミネートして外観の観察と寸法変化の測定を行った。結果を表1に示した。
(比較例2)
2リットルのセパラブルフラスコにDMFとODAを1当量とり、ジアミノ化合物が完全に溶解するまで室温でよく混合しその後、氷で冷却しながら攪拌した。次に、PMDA2当量を加え、40分冷却攪拌した。そして、p−PDA1当量をDMFに溶かし、徐々に加え、このあと1時間冷却攪拌し、ポリアミド酸共重合体のDMF溶液を得た。実施例1と同様の方法で焼成し、50μmのポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示した。
このポリイミドフィルムを使用し、実施例1と同様の方法で、FCテープを得、銅箔とラミネートして外観の観察と寸法変化の測定を行った。結果を表1に示した。

Claims (1)

  1. 少なくとも導体層とベースフィルムとを積層してなるフレキシブルプリント基板において、前記ベースフィルムが、吸水率が1.6%以下、吸湿膨張係数が15ppm以下、かつ、熱膨張係数が1.0×10-5-1以上、2.5×10-5-1以下の条件を満たし、一般式(1)化1
    Figure 0004150403
    (式中、R は化3
    Figure 0004150403
    から選択される2価の有機基、R は化4
    Figure 0004150403
    からパラフェニレン基を含んで選択される2価の有機基、R は化5
    Figure 0004150403
    から選択される4価の有機基、R はCH −、Cl−、Br−、F−、CH
    O−を示す。また、m、nは整数であり、1≦m、0≦nを満たす。)で表される芳香族ポリアミド酸共重合体を脱水閉環して得られる芳香族ポリイミド共重合体からなり、
    かつ、前記ベースフィルムと前記導体層との間に接着剤層を有することを特徴とするフレキシブルプリント基板。
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