JP3943673B2 - フィルムラミネート方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板や半導体実装基板の回路の導体層を電気絶縁、保護するポリイミド保護膜をフィルムラミネートで形成する際のフィルムラミネート方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線基板や半導体実装基板等の回路基板の導体保護を目的として、耐熱性や電気絶縁性に優れたポリイミドによる表面保護が行われてきた。例えば、特開昭62−242,393号公報等には、ポリアミック酸又はポリイミドのワニスを用いて、スクリーン印刷により被覆膜を形成することが提案されている。しかしながら、このようにスクリーン印刷法によりポリイミド被膜を形成する方法は、得られるポリイミド被膜の厚みが必ずしも十分に厚くできず、泡の巻き込みや導体のエッジ部での絶縁不良といった問題を引き起こしやすいという問題がある。
【0003】
このような液状のポリアミック酸又はポリイミドのワニスを用いて絶縁保護膜を形成する方法の問題点を改善することを目的として、特開平5−254,064号公報等には、フィルムラミネート可能な、感光性樹脂層とポリイミド前駆体樹脂層の2層を有する積層体が開示されている。しかしながら、その実施例に開示された浸し液はアミド系有機溶剤であるジメチルアセトアミドをベースとしているが、このようなアミド系有機溶剤をベースとした浸し液を用いた場合には、ポリアミック酸フィルムの構造によってはラミネート時のフィルムクラックやラミネート後のフィルムの膨潤による変形などの問題が起こりやすい。また、ポリアミック酸と感光性樹脂の多層フィルムのラミネートに用いた場合には、ラミネート後の感光性樹脂の剥離性が低下しやすいという問題があり、それらの問題を解決できるラミネート法が望まれてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、ポリイミド保護膜の回路基板への良好な密着性や充填性などを与えることができるフィルムラミネート方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ポリアミック酸フィルム又はポリアミック酸層上に感光性樹脂層を積層した多層フィルムを回路基板へラミネートする方法において、水と非アミド系有機溶剤からなり、その容積比が10:90〜90:10である浸し液で回路基板及び/又は多層フィルムを濡らした後に ラミネートすることを特徴とするラミネート方法である。ここで、非アミド系有機溶剤は、後記する一般式(1)で表される構成単位を含み、分子量が500以下である。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムラミネート方法において、ラミネートする前に回路基板及び/又は多層フィルムを濡らすための浸し液として、液組成が水と非アミド系有機溶剤からなり、その液の容積比が10:90〜90:10であるものを用いる。ここで、非アミド系有機溶剤とは、アミド結合をもたない有機溶剤であり、水と容易に混合するものであれば、任意の構造のものが選択可能である。
【0007】
このような非アミド系有機溶剤としては、下記一般式(1)で表される構成単位を含み、分子量が500以下である非アミド系有機溶剤が、ポリアミック酸の回路基板への密着性や充填性、フィルムラミネート時のフィルムクラック防止、ポリアミック酸と感光性樹脂の多層フィルムラミネート後の感光性樹脂の剥離の容易さなどの観点から好ましい。
【化2】
(式中、R1 及びR2 は水素又はメチル基を表す)
【0008】
一般式(1)で表される非アミド系有機溶剤を具体的に例示すると、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。これらの非アミド系有機溶剤は単独でもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0009】
本発明で用いる浸し液の水と非アミド系有機溶剤の容積比は、10:90〜90:10であればよいが、回路基板への密着性、充填性などを十分考慮して選択されるべきである。水の比率又は非アミド系有機溶剤の比率が10%より低いとフィルムラミネート後の密着性や充填性が低下する。浸し液の水と非アミド系有機溶剤の容積比は、10:90〜60:40が好ましい。
【0010】
また、本発明で用いる浸し液には、回路基板への濡れ性の向上やフィルムラミネート時の密着性、充填性を更に向上させる目的で、界面活性剤、消泡剤、ポリマー、オリゴマー等の添加剤を加えることも可能である。
【0011】
次に、本発明のラミネート方法が適用される保護膜用フィルムは、ポリアミック酸フィルム又はポリアミック酸層上に感光性樹脂層を積層した多層フィルムである。
【0012】
この保護膜用フィルムに使用するポリアミック酸は、ジアミン化合物と酸無水物とを極性溶媒中0〜200℃で反応させることにより合成できる。この際、イミド化反応が起きると溶解性や回路基板への密着性が低下して好ましくない。
【0013】
ポリアミック酸の合成反応に用いるジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2’−メトキシ−4,4’ジアミノベンズアニリド、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノトルエン、ジアミノジフェニルメタン、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ビスアミノフェキシベンゼン、アミノフェノキシビフェニル、ビス[アミノフェノキシ)フェニル]スルフォンなどが挙げられる。
【0014】
また、酸無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物などの他、トリメリット酸無水物などが挙げられる。
【0015】
合成反応に用いる極性溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライムなどが挙げられる。
【0016】
保護膜用フィルムのポリアミック酸層の厚みは、回路基板の電気絶縁の信頼性、機械物性などを考慮して選択されるべきである。
【0017】
また、本発明のラミネート方法が適用されるポリアミック酸と感光性樹脂の多層フィルムに用いられる感光性樹脂としては、任意の構造のものが選択可能であり、ネガ型、ポジ型何れも可能である。通常、感光性樹脂は紫外線反応型や電子線反応型などがあるが、ポリアミック酸層のパターニングの際の耐アルカリ性と耐水浸透性の点で、紫外線硬化型のアクリル型樹脂が好ましい。
【0018】
この感光性樹脂層の厚みとしては、任意の厚みが選択可能であるが、加工精度と膜強度を十分考慮して選択されるべきである。
【0019】
本発明のラミネート方法が適用される保護膜フィルムは、任意の方法で製造可能であるが、例えば、離型フィルム上にポリアミック酸溶液を塗工乾燥し、ポリアミック酸層を積層することでよい。多層フィルムを製造する場合は、更にポリアミック酸層上に感光性樹脂溶液を塗工乾燥することでよい。
【0020】
本発明のラミネート方法により保護膜フィルムがラミネートされる回路基板としては、プリント配線板、半導体実装用基板等、絶縁層と回路形成された導体層の少なくとも2層から成る基板であり、特開平8−130,360号後公報に開示された磁気ヘッド用サスペンション配線板などもこれに含まれる。前記絶縁層としては通常ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などが使用されるが、ラミネートするポリアミック酸フィルムを最終的に硬化してポリイミドにする際に、200℃以上の高温処理を必要とすることから、ある程度の耐熱性を有することが好ましい。この導体層としては銅、銅合金、又はステンレス箔などが使用され、任意のパターンに加工されたものでもよい。
【0021】
本発明の保護膜フィルムラミネート方法としては、先ず回路基板及び/又は保護膜フィルムを水と非アミド系有機溶剤の混合溶媒からなる浸し液で濡らした後、ラミネーター又は熱プレスによって回路基板上に保護膜フィルムをラミネートする。この浸し液で回路基板及び/又は多層フィルムを濡らす際、回路基板と多層フィルムのラミネート部の少なくとも一部が濡れておればよいが、全面が濡れていてもなんら差し支えない。また、ポリアミック酸の充填性を増すには200℃以下に加熱することがより好ましい。
【0022】
また、保護膜フィルムとしてポリアミック酸と感光性樹脂の多層フィルムを用いる場合には、前記イミド化反応の前にフォトツールを通した露光、感光性樹脂現像、ポリアミック酸エッチング、感光性樹脂剥離などの操作によりポリアミック酸にパターニングを施すことができる。
【0023】
ラミネートされた保護膜フィルムは、最高熱処理温度200℃以上、好ましくは250℃以上でのイミド化反応により、ポリイミドの保護膜とすることができる。この加熱方法としては、熱風オーブンなどを使用したバッチ熱処理でもよく、またロールツーロール方式の加熱でもよい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例等に用いられる略号は以下のとおりである。
MABA : 4,4−ジアミノ−2−メトキシベンズアニリド
DAPE : 4,4−ジアミノジフェニルエーテル
PDA : p−フェニレンジアミン
PMDA : ピロメリット酸二無水物
BTDA : 3,4,3,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DMAc : N,N−ジメチルアセトアミド
【0025】
合成例1
MABA154.4g(0.6モル)及びDAPE80.1g(0.4モル)を5リットルのセパラブルフラスコ中で、攪拌しながら2,560gのDMAcに溶解させた。次にその溶液を氷浴で冷却し窒素気流中218.1g(1モル)のPMDAを加えた。その後溶液を室温にもどし、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミック酸溶液Aを得た。
【0026】
合成例2
DAPE200.2g(1モル)を5リットルのセパラブルフラスコ中で攪拌しながら2,650gのDMAcに溶解させた。次にその溶液を氷浴で冷却し、窒素気流中161.1g(0.5モル)のBTDAおよび109.1g(0.5モル)のPMDAを加えた。その後室温にもどし、3時間攪拌を続けて重合反応行い、粘稠なポリアミック酸溶液Bを得た。
【0027】
合成例3
PDA75.7g(0.7モル)及びDAPE60.1g(0.3モル)を5リットルのセパラブルフラスコ中で攪拌しながら2,010gのDMAcに溶解させた。次にその溶液を氷浴で冷却し、窒素気流中218.1g(1モル)のPMDAを加えた。その後溶液を室温にもどし、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミック酸溶液Cを得た。
【0028】
実施例1
ナイフコーターを用いて、離型処理を施した厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液Aを硬化後に25μmの厚みになるように塗布し、130℃で4分間乾燥してポリアミック酸フィルムを作製した。
【0029】
次に、片面無接着剤銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エスパネックスSC18−40−00WE)を用いて、フォトエッチング法により最小回路幅50μm、最小回路間隙50μmの回路パターンが形成された回路基板を作製した。その回路基板を、容積比率で70:30のトリエチレングリコールジメチルエーテルと水の混合溶剤からなる浸し液で濡らした後、先に得られたポリアミック酸フィルムをラミネーター(大成ラミネーター株式会社製、STラミネーター 8B−550ID)を用い、70℃の温度でラミネートした。ポリアミック酸フィルムはラミネートの際に特にクラックは発生せず、回路間に気泡の巻き込みなどがなくきれいに充填された。
【0030】
次に、PETフィルムを引き剥がした後、ポリアミック酸フィルムがラミネートされた回路基板に、熱風式オーブンを用いて130℃10分、160℃4分、200℃2分、270℃2分、320℃2分の熱処理を施し、ポリアミック酸フィルムのイミド化反応を行い、ポリイミド保護層が形成された回路基板を得た。得られた回路基板上のポリイミド保護膜は強固に接着しており、また300℃のはんだ浴に1分間浸漬しても膨れやはがれは発生しなかった。
【0031】
実施例2
ナイフコーターを用いて、離型処理を施した厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、合成例2で得られたポリアミック酸溶液Bを硬化後に5μmの厚みになるように塗布し、130℃で4分間乾燥した後、さらに合成例3で得られたポリアミック酸溶液Cを硬化後に20μmになるように塗布し、130℃で4分乾燥させてポリアミック酸フィルムを作製した。
【0032】
次に、両面無接着剤銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エスパネックスSB35−25−35ME)を用いて、フォトエッチング法により最小回路幅50μm、最小回路間隙50μmの回路パターンが形成された回路基板を作製した。次いで、容積比率で85:15のトリプロピレングリコールモノメチルエーテルと水の混合溶剤からなる浸し液で、上で得られたポリアミック酸フィルムを濡らした後、回路基板の両面にラミネーター(大成ラミネーター株式会社製、STラミネーター 8B−550ID)を用いて70℃の温度でラミネートした。ポリアミック酸フィルムはラミネートの際に特にクラックは発生せず、回路間に気泡の巻き込みなどがなくきれいに充填された。
【0033】
次に、PETフィルムを引き剥がした後、ポリアミック酸フィルムがラミネートされた回路基板に、熱風式オーブンを用いて130℃10分、160℃4分、200℃2分、270℃2分、320℃2分の熱処理を施し、ポリアミック酸フィルムのイミド化反応を行い、ポリイミド保護層が形成された回路基板を得た。得られた回路基板上のポリイミド保護膜は強固に接着しており、また、300℃のはんだ浴に1分間浸漬しても膨れや剥がれは発生しなかった。
【0034】
実施例3
ナイフコーターを用いて、離型処理を施した厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液を硬化後に25μmの厚みになるように塗布し、130℃で4分間乾燥した後、さらに感光性樹脂(日本化研株式会社製、NCAR−102)を乾燥後の厚み20μmになるように塗布し、110℃で4分の乾燥を施し、さらに16μmの保護用PETフィルムを貼り合わせて、100μmのPETフィルムと16μmのPETフィルムの間にポリアミック酸層と感光性樹脂層が形成された多層フィルムを作製した。
【0035】
次に、片面無接着剤銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エスパネックスSC18−40−00WE)を用いて、フォトエッチング法により最小回路幅50μm、最小回路間隙50μmの回路パターンが形成された回路基板を作製した。その回路基板を、容積比率で75:25のジエチレングリコールジメチルエーテルと水の混合溶剤からなる浸し液で濡らした後、先に得られた多層フィルムを、PETフィルムを引き剥がしながらラミネーター(大成ラミネーター株式会社製、STラミネーター 8B−550ID)を用い、70℃でラミネートした。
【0036】
次に、多層フィルムがラミネートされた回路基板に、保護PETフィルムと接触するように、フォトマスクを重ね合わせ、露光装置(ハイテック株式会社製、3000NEL)を用いて100mJ/cm2 の露光を行った後、保護PETフィルムを引き剥がし、簡易縦型シャワー装置を用いて25℃の0.3%乳酸水溶液で80秒間の感光性樹脂の現像処理と30秒間の水洗を行った。次いで、120℃で3分間の乾燥した後、45℃の10%水酸化カリウム水溶液で25秒と45℃の温水で30秒の処理を行って、ポリアミック酸をエッチングした。感光性樹脂が現像除去され、むき出しになっていたポリアミック酸は残渣なくきれいにエッチング除去された。さらに、10%の乳酸水溶液で30℃100秒の処理を行って感光性樹脂を剥離除去した。残ったポリアミック酸層にはクラックの発生は認められず、また回路間に空隙なく充填されていた。
【0037】
次に、熱風式オーブンを用いて130℃10分、160℃4分、200℃2分、270℃2分、320℃2分の熱処理を施して、ポリアミック酸層のイミド化反応を行い、ポリイミド保護層が形成された回路基板を得た。得られた回路基板上のポリイミド保護膜は強固に接着しており、また、300℃のはんだ浴に1分間浸漬しても膨れや剥がれは発生しなかった。
【0038】
実施例4
浸し液として、容積比率が75:25のジエチレングリコールジメチルエーテルと水の混合溶液の代わりに、容積比率が60:40の1,4−ジオキサンと水の混合溶媒を用いた以外は、実施例3と同様に行った。感光性樹脂を剥離除去した後のポリアミック酸層はクラックの発生なく、きれいに回路間に充填されており、さらにイミド化して得られたポリイミド保護層は強固に回路基板に接着していて、はんだ試験での膨れや剥がれは認められなかった。
【0039】
実施例5
浸し液として、容積比率が75:25のジエチレングリコールジメチルエーテルと水の混合溶液の代わりに、容積比率が70:30の2−メトキシエチルアセテートと水の混合溶媒を用いた以外は、実施例3と同様に行った。感光性樹脂を剥離除去した後のポリアミック酸層はクラックの発生なく、きれいに回路間に充填されており、さらにイミド化して得られたポリイミド保護層は強固に回路基板に接着していて、はんだ試験での膨れや剥がれは認められなかった。
【0040】
比較例1
ナイフコーターを用いて、離型処理を施した厚み100μmのPETフィルム上に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液Aを硬化後に25μmの厚みになるように塗布し、130℃で4分間乾燥してポリアミック酸フィルムを作製した。
【0041】
次に、片面無接着剤銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エスパネックスSC18−40−00WE)を用いて、フォトエッチング法により最小回路幅50μm、最小回路間隙50μmの回路パターンが形成された回路基板を作製した。その回路基板を、容積比率で70:30のアミド系溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミドと水の混合溶剤からなる浸し液で濡らした後、先に得られたポリアミック酸フィルムをラミネーター(大成ラミネーター株式会社製、STラミネーター 8B−550ID)を用い、70℃の温度でラミネートした。しかし、浸し液としてアミド系溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミドと水の混合溶剤を用いたため、ポリアミック酸フィルムは回路間には十分に充填せず、また回路のエッジ部でクラックの発生が認められた。
【0042】
次に、100μmのPETフィルムを引き剥がした後、ポリアミック酸フィルムがラミネートされた回路基板に、熱風式オーブンを用いて130℃10分、160℃4分、200℃2分、270℃2分、320℃2分の熱処理を施して、ポリアミック酸フィルムのイミド化反応を行ったところ、イミド化反応の途中で保護層が発泡し、良好な保護層を形成することができなかった。
【0043】
比較例2
ナイフコーターを用いて、離型処理を施した厚み100μmのPETフィルム上に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液を硬化後に25μmの厚みになるように塗布し、130℃で4分間乾燥した後、さらに感光性樹脂(日本化研株式会社製、NCAR−102)を乾燥後の厚み20μmになるように塗布し、110℃で4分の乾燥を施し、さらに16μmの保護用PETフィルムを貼り合わせて、100μmのPETフィルムと16μmのPETフィルムの間にポリアミック酸層と感光性樹脂層が形成された、多層フィルムを作製した。
【0044】
次に、片面無接着剤銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エスパネックスSC18−40−00WE)を用いて、フォトエッチング法により最小回路幅50μm、最小回路間隙50μmの回路パターンが形成された回路基板を作成した。その回路基板を、アミド系溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン100%からなる浸し液で濡らした後、先に得られた多層フィルムを、100μmのPETフィルムを引き剥がしながらラミネーター(大成ラミネーター株式会社製、STラミネーター 8B−550ID)を用い、70℃の温度でラミネートした。
【0045】
次に、多層フィルムがラミネートされた回路基板に、保護PETフィルムと接触するように、フォトマスクを重ね合わせ、露光装置(ハイテック株式会社製、3000NEL)を用いて100mJ/cm2 の露光を行った後、保護PETフィルムを引き剥がし、簡易縦型シャワー装置を用いて25℃の0.3%乳酸水溶液で80秒間の感光性樹脂の現像処理と30秒間の水洗を行った。次いで、120℃で3分間の乾燥を行った後、45℃の10%水酸化カリウム水溶液で25秒と45℃の温水で30秒の処理を行って、ポリアミック酸をエッチングした。感光性樹脂が現像除去され、むき出しになっていたポリアミック酸は残渣なくきれいにエッチング除去された。しかし、10%の乳酸水溶液で30℃100秒の処理により感光性樹脂を剥離除去を試みたが、部分的に感光性樹脂の剥離残りが生じ、さらに同条件で500秒の剥離処理を行っても完全には感光性樹脂は剥離除去しきれなかった。
【0046】
次に、熱風式オーブンを用いて130℃10分、160℃4分、200℃2分、270℃2分、320℃2分の熱処理を施して、ポリアミック酸層のイミド化反応を行ったところ、感光性樹脂残渣が黒色に変色し、さらにポリイミド保護層の発泡が認められた。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリアミック酸フィルム又はポリアミック酸層上に感光性樹脂層を積層した多層フィルムを回路基板にラミネートする際に、液組成が水と非アミド系有機溶剤からなり、その容積比が10:90〜90:10である浸し液を用いてラミネートすることにより、ポリイミド保護膜の回路基板への密着性や充填性などを著しく改善することができる。
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