JP3470830B2 - 積層コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
方法に関する。
あたりに収納される電子部品数が増大してきている。そ
して、トランジスタやダイオードのような界面の物理現
象に係わる素子は、集積回路技術の進歩により極めて小
型化されている。ところが、コンデンサはその静電容量
が電極面積に比例する特性を有するため、大きな静電容
量と小型化を同時に実現することは容易ではない。しか
しながら、大きな静電容量と小型化を図ったコンデンサ
として、積層セラミックコンデンサ、電解コンデンサ、
電気2重層コンデンサ、薄膜コンデンサ等が実用化され
ている。
ンサは、BaTiO3 で代表されるペロブスカイト型複
合酸化物等の高誘電率材料の粉末原料を、有機バインダ
ー等でスラリー化してシート状に成形した後、内部電極
を形成して積層し、その後焼結させたものである。即
ち、高誘電率材料の使用と積層化による電極面積の増大
により、高静電容量化を図ったものである。しかしなが
ら、高誘電率の粉末原料は一般に千数百℃以上の高温で
焼結させる必要があるため、内部電極に銀やパラジウム
等の高価な貴金属を使用する必要があることや多大のエ
ネルギーを必要とすることからコスト高となり、その製
造工程も複雑である。また、その誘電体の厚さは約10
μm程度あり、更なる薄膜化には限界がある。
は、共に凹凸により電極の表面積を極力大きくすること
を図ったものであるが、それぞれ次のような欠点があ
る。
解コンデンサ等の電解コンデンサは、電極金属であるア
ルミニウムやタンタルの陽極酸化膜を誘電体として使用
しているという構造上、誘電体材料の選択の余地がない
ため、多様なコンデンサ特性の要求に対応できない。ま
た、それらの酸化物の比誘電率は高々数十程度であり、
セラミックコンデンサに使用されているBaTiO3 な
どの高誘電率材料の数千という値と比べると著しく低い
ため、電極面積が大きい割に容量は大きくならない。ま
た、得られるコンデンサは有極性となる。
/体積比を大きくとれるものの、電解液を含むため衝撃
に弱く、しかも使用電圧が低い。
さを極力薄くすることを図ったものであり、その膜厚は
数百nm以下にするのが一般的である。誘電体の薄膜化
は、単に誘電体の占める体積を低減するだけではなく、
同じ電極面積であれば静電容量を大きくする効果があ
る。薄膜コンデンサにはTa2 O3 などの酸化物薄膜を
蒸着やスパッタリングなどの気相法により薄膜化したも
のがあるが、これらの誘電率は高々数十であり、大容量
の実現には不十分である。
同様の気相法で薄膜化しようとする試みもある。薄膜化
した場合は強誘電性が十分にあらわれないため、その比
誘電率はセラミックコンデンサで使用している膜厚での
数千という値に比べると小さいが、Ta2 O3 などの酸
化物薄膜よりは高い数百の比誘電率が達成されている。
しかし、セラミックコンデンサがその長所としている積
層化の技術や、電解コンデンサや電気2重層コンデンサ
がその長所としている大表面積の膜形成技術がないこと
から電極面積の増大は望めず、薄膜化だけでの大容量コ
ンデンサの実現には至っていない。
して大きな静電容量を有するコンデンサを低コストで実
現するには、電解コンデンサには望めないような高誘電
率材料の使用が可能であること、その誘電体材料を薄膜
コンデンサなみに薄膜化することが可能であること、か
つ、その薄膜化した誘電体材料を使用して積層セラミッ
クコンデンサのような積層化による電極面積の増大が可
能であること、という3つの課題を解決する必要があ
る。
した安価な、小型・大容量の積層コンデンサの製造方法
を提供することにある。
め 、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、
熱可塑性高分子膜の片面に第1の内部電極としての金属
膜を形成し、該金属膜の上に無機質の誘電体膜を形成
し、該誘電体膜の上に第2の内部電極としての金属膜を
形成して積層体とし、該積層体を複数積み重ね、熱可塑
性高分子膜にて積層体を互いに熱圧着し、その後該金属
膜が露出した端部に外部電極を形成することを特徴とす
る。そして、熱可塑性高分子膜としては、3フッ化塩化
エチレンが好ましい。
の片面に内部電極としての金属膜に挟まれた無機質の誘
電体膜を形成した積層体を、複数積み重ねて熱圧着した
ものである。
材料を、電極として薄膜の金属を使用することがでる。
また、従来の積層セラミックコンデンサのように高温で
焼成することなく、積み重ね熱圧着することにより容易
に電極面積を増大させることができる。
面に基づいて説明する。図1は、本発明の積層コンデン
サの一例を示す断面図である。同図において、1は熱可
塑性高分子膜、2は第1の内部電極としての金属膜、3
は無機質の誘電体膜、4は第2の内部電極としての金属
膜、5は外部電極である。また、図2(a)および図2
(b)は、本発明の積層コンデンサの製造過程を示す積
層体の断面図である。同図において、各部分は図1と同
様であるので同一番号を付して、説明は省略する。
樹脂(以下、PCTFEと称す)フィルムからなる長さ
30mm、幅20mm、厚さ500μmの熱可塑性高分
子膜1を準備した。そして、その上にPtをターゲット
とした公知の高周波スパッタ装置を用いて、長さ2.8
mm、幅20mm、厚さ0.5μmのPt薄膜からなる
第1の内部電極としての金属膜2を形成した。一方、B
aCO3 −TiO2 混合粉末を900℃で仮焼してBa
TiO3 粉末を合成しておいた。次に、これを円板状に
成形したターゲットを用い、公知の高周波スパッタ装置
で、金属膜2を形成したPCTFEフィルム上に厚さ
0.5μmのBaTiO3 薄膜からなる無機質の誘電体
膜3を200℃の成膜温度で形成した。その後、この誘
電体膜3の上にPt薄膜からなる厚さ0.5μmの第2
の内部電極としての金属膜4を金属膜2と同様に形成
し、図2(a)に示す熱可塑性高分子膜1/金属膜2/
誘電体膜3/金属膜4の4層膜からなる積層体を作製し
た。
mの積層体を金型内に3枚積み重ねた上に、1枚のPC
TFEフィルムをさらに積み重ね、200℃の温度に上
げた状態で約10kg/cm2 の圧力で熱圧着し、図2
(b)に示す長さ30mm、幅20mm、厚さ1.5m
mの積層体とした。次に、この積層体を、金属膜2およ
び金属膜4が対向する一対の面に互いに露出するよう
に、長さ3.0mm、幅2.0mmにカットした後、両
端面に導電性銀ペーストを塗布、乾燥して外部電極5を
形成し、図1に示すチップ状の積層コンデンサを完成さ
せた。
Hz、電圧1.0Vrmsの条件下で測定したところ、
67pFであった。
高分子膜にPCTFEを、金属膜にPt薄膜を、誘電体
膜にBaTiO3 薄膜を使用し、PCTFEの膜厚を2
0μmに、4層膜からなる積層体の積み重ね枚数を50
枚とした実施例を示す。
0μmのPCTFEフィルムからなる熱可塑性高分子膜
上に、長さ2.80mm、幅20mm、厚さ0.5μm
のPt薄膜からなる金属膜膜を形成し、その上に厚さ
0.5μmのBaTiO3 薄膜からなる誘電体膜および
厚さ0.5μmのPt薄膜からなる金属膜を順次形成
し、熱可塑性高分子膜1/金属膜2/誘電体膜3/金属
膜4の4層膜からなる積層体を作製した。
体を金型内に50枚積み重ねた上に1枚のPCTFEフ
ィルムをさらに積み重ね、長さ30mm、幅20mm、
厚さ1.5mmの積層体とした。この積層体を、長さ
3.0mm、幅2.0mmにカットした後、両端面に銀
ペーストを塗布、乾燥して外部電極を形成し、チップ状
の積層コンデンサを完成させた。
Hz、電圧1.0Vrmsの条件下で測定したところ、
1.1μFであった。
にチタン酸バリウム(BaTiO3 )を、金属膜に白金
(Pt)を、熱可塑性高分子膜に3フッ化塩化エチレン
樹脂(PCTFE)を使用したが、本発明はこれらの材
料に限定されるものではない。即ち、たとえば、金属膜
としてタンタル(Ta)を、誘電体膜としてはその陽極
酸化膜であるTa2 O3 を使用することができる。ま
た、誘電体膜の上下に形成される金属膜は同じ金属で形
成する必要もなく、誘電体膜形成工程との調和やコスト
の面より最良のものを選べばよい。
積層コンデンサの製造方法は、熱可塑性高分子膜の片面
に内部電極としての金属膜に挟まれた無機質の誘電体膜
を形成した積層体を、複数積み重ねて熱圧着したもので
ある。
材料を、電極として薄膜の金属を使用することができ、
また、従来の積層セラミックコンデンサのように高温で
焼成することなく、積み重ね熱圧着することにより容易
に電極面積を増大させることができる。
な、小型・大容量の積層コンデンサが得られる。
可塑性高分子膜の構成により、積層コンデンサの軽量化
を図ることができる。
ある。
体の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性高分子膜の片面に第1の内部電
極としての金属膜を形成し、該金属膜の上に無機質の誘
電体膜を形成し、該誘電体膜の上に第2の内部電極とし
ての金属膜を形成して積層体とし、該積層体を複数積み
重ね、熱可塑性高分子膜にて積層体を互いに熱圧着し、
その後該金属膜が露出した端部に外部電極を形成するこ
とを特徴とする積層コンデンサの製造方法。 - 【請求項2】 熱可塑性高分子膜は3フッ化塩化エチレ
ンであることを特徴とする請求項1記載の積層コンデン
サの製造方法。
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