JP3457802B2 - 高周波用半導体装置 - Google Patents
高周波用半導体装置Info
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Description
ミリ波帯領域の高周波用として用いられる半導体装置に
関し、特に、高周波信号の特性を劣化させることなく半
導体素子や回路部品に信号を伝送することが出来、さら
には特定周波数の信号のみを伝送することが出来るフィ
ルター回路を内蔵した高周波用半導体装置に関する。
う半導体装置では、図11(a)に示すように、誘電体
からなる絶縁基板40と蓋体41により形成されたキャ
ビティ42内に半導体素子(IC)43を搭載して気密
に封止している。そして、信号等の入出力は、絶縁基板
40表面にストリップ線路等の高周波用伝送線路44を
形成し、この伝送線路44とIC43とをワイヤボンデ
ィングやリボン等によって接続されている。また、他の
方法として図11(b)に示すように、絶縁基板40の
底面に高周波用伝送線路44を形成し、この伝送線路4
4とIC43とをスルーホール45を通じて接続したも
のも提案されている。さらに、図11(c)に示すよう
に、半導体装置の底面に形成した伝送線路44を半導体
装置の側面を経由して表面の伝送線路に接続して信号等
を伝送するものも提案されている。(特開昭61−16
8939号)。
保護するための入力フィルターや内部回路(MMIC)
から発生されるノイズを遮断するための出力フィルター
が要求されつつあるが、このような場合には、半導体装
置の外部にバンドパスフィルタを別途設けたり、あるい
は、図11(a)〜(c)半導体装置の絶縁基板40の
キャビティ外の伝送線路44の一部、例えば側壁内に形
成することも提案されている(特開平7−273273
号)。
(a)、(c)に示されるように、IC搭載面に伝送線
路44を形成し、伝送線路44が蓋体41を通過する場
合、側壁通過部で信号線路がマイクロストリップ線路か
らストリップ線路へと変換されるため、信号線路幅を狭
くする必要がある。その結果、この変換部で反射損、放
射損が発生しやすいため高周波信号の特性劣化が起こり
やすくなるという問題がある。また、IC搭載面の側面
に伝送線路を形成する関係上、半導体装置自体が必然的
に大きくなるため回路基板の小型化が困難であった。
ーホール45を用いて底面の伝送線路と電気的に接続し
て、外部回路基板に面実装を可能としたものである。し
かし、この図11(b)の構造においては、伝送する信
号の使用周波数が10GHz以上になるとスルーホール
45での透過損失が急激に大きくなるために、マイクロ
波帯からミリ波帯領域の信号を特性劣化なく伝送するこ
とが困難であった。
具備する半導体装置において、図11(a)の外部にフ
ィルターを設けた装置では、装置全体の小型化には寄与
できず、さらにバンドパスフィルタ回路を伝送線路の一
部に形成した装置でも、伝送線路形成面の面積が大きく
なり、特に、絶縁基板の側壁に形成する場合は絶縁基板
の側壁は非常に小さいために線路を印刷することが難し
く、且つ共振線路間がショートする等の危険性があっ
た。
帯領域でも使用可能で信号の特性劣化が非常に小さい高
周波用半導体装置を提供すること、さらには、フィルタ
ーを内蔵した小型化が可能な高周波用半導体装置を提供
することを目的とするものである。
波やミリ波等の高周波用としての半導体装置において、
信号の特性の劣化なく、かつ特定周波数の信号のみを通
過させることができるフィルターを具備する半導体装置
の構造について検討を重ねた結果、誘電体材料からなる
絶縁基板と蓋体により形成されるキャビティ内部に半導
体素子が搭載された半導体装置において、前記キャビテ
ィ内部の前記絶縁基板の表面に、前記半導体素子と電気
的に接続された第1の高周波用伝送線路と、前記絶縁基
板の底面に第2の高周波用伝送線路と形成し、さらに前
記絶縁基板内に特定周波数の信号のみを通過させるため
のフィルター回路を備え、前記絶縁基板内にスロット孔
が形成された第1のアース層を形成するとともに、該ス
ロット孔を介して前記第1の高周波用伝送線路と前記フ
ィルター回路とを結合し、前記絶縁基板内にスロット孔
が形成された第2のアース層を形成するとともに、該ス
ロット孔を介して前記第2の高周波用伝送線路と前記フ
ィルター回路とを結合することによって、上記目的が達
成されることを見出した。
が外部回路基板に直接半田実装されることが望ましい。
さらに、前記フィルター回路は、ストリップ結合線路に
より形成されたことを特徴とするものである。
からなる絶縁基板と蓋体により形成されるキャビティ内
部においてIC素子と電気的に接続された第1の高周波
用伝送線路と、前記絶縁基板の底面に第2の高周波用伝
送線路とを、前記絶縁基板を介して対峙する位置に形成
して電磁結合させることにより、伝送線路が蓋体の側壁
を通過することなく結合できるために、側壁通過部にお
いて信号線路がマイクロストリップ線路からストリップ
線路へと変換されるための反射損、放射損の発生がな
く、またスルーホールやビアホール等による透過損失の
影響を受けることがないため、高周波信号を伝送損失を
抑制し、かつ必要な周波数の信号を通過伝送することが
できる。
としては、前記絶縁基板内にアース層を形成するととも
に、該アース層にスロット孔を形成し、前記第1の高周
波用伝送線路と、前記第2の高周波用伝送線路とを前記
スロット孔を介して電磁結合させることにより、伝送線
路間での信号の損失なく信号の伝達が可能となる。
記第1の高周波用伝送線路と前記第2の高周波用伝送線
路間に平面型または数層からなるストリップ共振線路等
のフィルター回路を形成することで低損失な信号の伝達
を可能とすることができる。
に示した。図1によれば、高周波用半導体装置1は、誘
電体材料からなる絶縁基板2と蓋体3によりキャビティ
4が形成されており、そのキャビティ4内には、IC等
の半導体素子5が搭載されている。絶縁基板2を構成す
る誘電体材料としては誘電率が10以下、特に6以下の
セラミックス、ガラスセラミックス、セラミック金属複
合材料、ガラス有機樹脂系複合材料等が使用できる。
が外部に漏洩するのを防止できる材料から構成すること
が望ましく、セラミックス、セラミック金属複合材料、
ガラスセラミックス等が使用できるが、これらの材料中
に電磁波を吸収させることのできるカーボン等の電磁波
吸収物質を分散させたり、蓋体の表面にこれらの電磁波
吸収物質を塗布することもできる。また、電磁波の漏洩
を防止するため、蓋体3で封止する際のAu−Sn、A
u−Siなどのシール部を後述するアース層と壁内をス
ルーホール等で接続して同電位とすることが望ましい。
に信号を伝送する線路として、マイクロストリップ線
路、ストリップ線路、グランド付コプレーナ線路のうち
から選ばれる1種の高周波用伝送線路がキャビティ4内
の絶縁基板2の表面に形成されている。図1は、伝送線
路がマイクロストリップ線路の場合の構造を示すもので
ある。図1によれば、絶縁基板2内には導体層からなる
アース層6がほぼ全面にわたり形成され、絶縁基板2表
面に形成されたストリップ導体路7によりマイクロスト
リップ線路8が形成されている。また、半導体装置1の
底面にも、ストリップ導体路9が形成され、アース層6
間においてマイクロストリップ線路10が形成されてい
る。
されないスロット孔11が形成されており、マイクロス
トリップ線路8とマイクロストリップ線路10とは、こ
のスロット孔11を介して、各線路の端部が対峙するよ
うに形成することにより電磁結合され、損失のない信号
の伝送が行われる。なお、このスロット孔11は複数個
形成されていてもよい。
トリップ導体路7、9は、導体路間の電磁結合構造を説
明するための斜視図を示す図2から明らかなように、ア
ース層6に形成されたスロット孔11を挟んで、それぞ
れの線路の端部が平面的に必要な伝送信号周波数の1/
2波長相当長さで重なるように位置に形成されることが
望ましく、スロット孔11の形状は、長辺と短辺とから
なる長方形の孔であり、スロット穴の形状は、使用周波
数の特定と周波数の帯域幅を特定することができる。そ
のためスロット孔の長辺は伝送信号周波数の1/2波長
相当長さにするのが望ましく、スロット孔の短辺は1/
5波長相当長さから1/50波長相当長さに設定する
と、帯域幅は3GHz〜20GHzに制御することが出
来る。
路7、9の端部12、13は、高周波信号の反射を少な
く終端させるために、導体路幅を多段にあるいは扇状に
拡げた形状とすることが望ましい。さらに、装置の小型
化を図るためはストリップ導体路の端部をスロット孔に
沿って90度曲げた形状することが望ましい。また、端
部12、13において、さらに高周波信号の特性を向上
させ、かつ伝送線路端部及びスロット孔周辺からの漏れ
波を防御するには、図3の伝送線路の終端部の一例に示
されるように、スロット孔11周辺と導体路7,9の端
部12、13の周辺にアース層14を半円状に配置し、
そのアース層14と絶縁基板2内のアース層6とを複数
のビアホール15により、端部12、13またはスロッ
ト孔11の周期を取り囲むように形成することが望まし
い。この時のビアホール15間の間隔は、伝送信号周波
数の1/4波長相当長さ以下に設定される。
せず)に実装する場合には、半導体装置1の底面に形成
されたストリップ導体路9の一部を外部回路基板表面の
導体回路に対して直接半田等を用いて接続することが望
ましい。外部回路基板への他の接続方法としては、従来
より底面に形成されたストリップ導体路9の一部に接続
端子を形成し、この接続端子を介して外部電気回路基板
と半田により接続するのが一般的であるが、かかる方法
では、接続端子部でインピーダンス不整合が生じて反射
損が生じやすいという問題がある。さらに、上記以外の
好ましい接続方法としては、半田接続部においてもイン
ピーダンス不整合が生じる場合があるため、前記ストリ
ップ導体路9と外部回路基板上の伝送線路を重ねて接触
させることで実装し、線路以外の部分で半田固定するこ
とが望ましい。
の上に半田や金バンプ等により直接載置されることによ
り、伝送損失なく接続することができるが、導体路7と
IC素子5との接続方法としては、これに限られるもの
ではなく、例えば、金リボンや数本のワイヤボンディン
グにより接続したり、ポリイミド等の基板にCu等の導
体を形成した導体板等により接続することもできる。
造としてコプレーナ線路の場合について図4、5にその
構造の概略配置図を示した。図4は半導体装置の概略図
であり、図5はその伝送線路間の結合構造の斜視図であ
る。図4によれば、キャビティ4内の絶縁基板2の表面
にIC素子5と接続されたストリップ導体路18を形成
し、また、絶縁基板2の底面にストリップ導体路19が
ストリップ導体路18と対峙する位置に形成されてい
る。この導体路18および導体路19の終端部では、い
ずれも終端部の線幅が小さくなるように形成され、その
線幅の狭い部分同士が平面的に見て重なる位置に形成さ
れている。重なる部分の長さは、伝送信号周波数の約1
/4波長から1/2波長相当長さであることが望まし
い。
において導体路18を挟む位置に一対のアース帯20が
導体路18と平行して形成されており、また、底面に形
成された導体路19においても同様にアース帯21が形
成されている。そして、導体路18とアース帯20間
で、また導体路19とアース帯21間でコプレーナ線路
が形成され、また、これらのコプレーナ線路は、絶縁基
板2を介して上記のような位置に対峙させることにより
2つのコプレーナ線路間を電磁結合することができる。
なお、アース帯20、21はビアホール22によって電
気的に接続することにより各アース帯を同電位に設定す
ることが可能となり、アースを強化することができる。
においては、キャビティ4内に形成された高周波用伝送
線路と絶縁基板2の底面に形成された高周波用伝送線路
とを電磁結合させる構造によって、高周波用伝送線路に
より伝導される信号のうち、および3GHz以下の低周
波数および直流信号(DC信号)を除く、いわゆる広帯
域フィルターとしての機能を具備するものである。
を通過させる場合の構造について図6に示した。図6の
半導体装置は、図1の高周波用伝送線路がマイクロスト
リップ線路により構成される半導体装置を改良した例で
ある。図6によれば、キャビティ4内の絶縁基板2の表
面には、IC素子5と接続されたストリップ導体路23
が形成され、また絶縁基板2内にはアース層24が形成
され、ストリップ導体路23とアース層24によってマ
イクロストリップ線路25が形成されている。一方、絶
縁基板2の底面には、ストリップ導体路26が形成さ
れ、また絶縁基板2内にはアース層27が形成され、ス
トリップ導体路26とアース層27によってマイクロス
トリップ線路28が形成されている。
特徴は、アース層24とアース層27との間に、フィル
ター回路29が形成されている点にある。図6の装置に
おいては、フィルター回路29は、図7に示すように伝
送信号周波数の1/2波長相当長さの同一形状の導体路
30が等間隔で多段に配列した平面型ストリップ共振線
路によって形成される。なお、図7のストリップ共振線
路はその周囲に電磁波が漏洩しないように、フィルター
回路29の周囲にアース帯31形成され、このアース帯
31は、ビアホール32にてアース層24およびアース
層27と電気的に接続されている。
ストリップ導体路23の端部とがアース層24に形成さ
れたスロット孔34を介して対峙する位置に形成される
ことにより、フィルター回路29はマイクロストリップ
線路25と電磁結合し、また、フィルター回路の他端部
35とストリップ導体路26の端部とがアース層27に
形成されたスロット孔36を介して対峙する位置に形成
されることにより、フィルター回路29は、マイクロス
トリップ線路28と電磁結合されている。
率5.5、誘電損失15.0×10-4(測定周波数1
3.2GHz)の誘電体材料と、導体に銅を用いて半導
体装置を作製した。半導体装置の入出力部における伝送
特性をネットワークアナライザーにより測定した。図8
にその結果を示す。この図8から半導体装置は16GH
zを中心周波数として、帯域幅5.5GHz、S11:
−18〜−28dB、S21:−0.5dB以上の特性
が得られ、16GHz近傍では高周波信号の特性劣化が
ほとんど認められない。
図6の高周波用半導体装置において、誘電率9.6、誘
電損失13.0×10-4(測定周波数11.0GHz)
の誘電体材料と、導体に銅を用いて半導体装置を作製し
た。半導体装置の入力部における伝送特性をネットワー
クアナライザーにより測定した。図9にその結果を示
す。図9から半導体装置は16GHzを中心周波数とし
て、帯域幅0.8GHz、S11:−15〜−26d
B、S21:−0.5dB以上の特性が得られた。
来の構造の半導体装置において、誘電率5.5、誘電損
失30.0×10-4(測定周波数60.5GHz)の誘
電体材料と底面に形成された伝送線路間を径200μm
の銅導体からなるビアホールで接続した半導体装置をネ
ットワークアナライザーで同様にして入出力部を測定
し、図10にその結果を示した。図10の結果から、ビ
アホールにて伝送線路を接続した場合、周波数が20G
Hz以上でS11:−10dB以上、S21:−30d
B以下となることから、ミリ波帯域では高周波信号を半
導体素子に伝送することは不可能であることがわかっ
た。
導体装置においては、キャビティ内に形成された高周波
用伝送線路と絶縁基板底面に形成された高周波用伝送線
路とを電磁結合させることにより、特性劣化の少ない高
周波信号を伝送することができ、しかも、上記高周波用
伝送線路間にフィルター回路を介在させることにより、
特定周波数の信号のみを入出力するとともに、半導体装
置の小型化を図ることができる。さらには、外部電気回
路基板に対して面実装することにより、実装時における
伝送信号の損失をも低減することができる。
ある。
合構造を説明するための斜視図である。
造の一例の配置図である。
である。
の電磁結合構造を説明するための斜視図である。
導体装置の一例を示す概略配置図である。
回路を説明するための概略配置図である。
を示す図である。
を示す図である。
の伝送特性を示す図である。
ための概略配置図である。
Claims (3)
- 【請求項1】誘電体材料からなる絶縁基板と蓋体により
形成されるキャビティ内部に半導体素子が搭載された半
導体装置において、前記キャビティ内部の前記絶縁基板
の表面に、前記半導体素子と電気的に接続された第1の
高周波用伝送線路と、前記絶縁基板の底面に第2の高周
波用伝送線路と、前記絶縁基板内に特定周波数の信号の
みを通過させるためのフィルター回路を備え、前記絶縁
基板内にスロット孔が形成された第1のアース層を形成
するとともに、該スロット孔を介して前記第1の高周波
用伝送線路と前記フィルター回路とを結合し、前記絶縁
基板内にスロット孔が形成された第2のアース層を形成
するとともに、該スロット孔を介して前記第2の高周波
用伝送線路と前記フィルター回路とを結合したことを特
徴とする高周波用半導体装置。 - 【請求項2】前記第2の高周波用伝送線路の一部が外部
回路基板に直接半田実装されることを特徴とする請求項
1記載の高周波用半導体装置。 - 【請求項3】前記フィルター回路は、ストリップ結合線
路により形成されたことを特徴とする請求項1または請
求項2記載の高周波用半導体装置。
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