JP2000332511A - 高周波伝送線路の接続構造 - Google Patents

高周波伝送線路の接続構造

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JP2000332511A
JP2000332511A JP11140661A JP14066199A JP2000332511A JP 2000332511 A JP2000332511 A JP 2000332511A JP 11140661 A JP11140661 A JP 11140661A JP 14066199 A JP14066199 A JP 14066199A JP 2000332511 A JP2000332511 A JP 2000332511A
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transmission line
frequency transmission
frequency
line
λfmin
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Takehiro Okumichi
武宏 奥道
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波伝送線路を電磁結合で接続したとき、
結合中心間の電気長に対応した定在波共振が使用周波数
帯域内に存在し、十分な信号伝搬ができない。 【解決手段】 誘電体基板4の一主面上の第1の高周波
伝送線路5aの一端を他主面上の第2の高周波伝送線路
21の一端に第1の電磁結合により接続するとともに、一
主面上の第3の高周波伝送線路5bの一端を第2の高周
波伝送線路21の他端に第2の電磁結合により接続し、か
つ第1および第2の電磁結合の結合中心間の電気長Le
を使用周波数帯域の上限周波数の自由空間自由空間波長
λfmaxおよび下限周波数の自由空間波長λfminに対して
(2n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・
(λfmax/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λ
fmin+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然
数)とした高周波伝送線路の接続構造である。定在波共
振を帯域外へ設定でき、良好な電気的特性となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波半導体素子収
納用パッケージや高周波用配線基板等に用いられる高周
波伝送線路の接続構造に関し、特に高周波半導体素子を
収容する複数のキャビティ間の高周波信号伝送部分にお
ける高周波電気特性を改善するのに有用な高周波伝送線
路の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波半導体素子を収容する複数
のキャビティを有するMCM(Multi-Chip Module )パ
ッケージ等において異なるキャビティ間を接続する高周
波信号の伝送線路としては、誘電体基板の下面に形成さ
れた接地導体と上面に形成された線路導体とから成るマ
イクロストリップ線路を、2つの誘電体層に挟持された
線路導体とそれら誘電体層の上下面に形成された接地導
体とから成るストリップ線路とに接続し、そのストリッ
プ線路を再びマイクロストリップ線路に接続することで
行なわれていた。
【0003】しかし、マイクロストリップ線路とストリ
ップ線路との接続部におけるインピーダンスの不整合に
よる反射が高周波において顕著であるために、近年、伝
送線路間の電磁結合による伝送を行なう伝送線路構造を
有するパッケージが考案されている。
【0004】このようなパッケージでは、誘電体基板の
上面のキャビティ内に形成した第1の高周波伝送線路
と、この第1の高周波伝送線路とは異なる面、例えば誘
電体基板の下面に形成した第2の高周波伝送線路と、誘
電体基板の上面の第1の伝送線路とは異なるキャビティ
内に形成した第3の高周波伝送線路とを有し、第1と第
2の高周波伝送線路間および第2と第3の高周波伝送線
路間でそれぞれ電磁結合を用いて信号伝送する高周波伝
送線路の接続構造が構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のMCMパッケージでは、2つの電磁結合を
成す部分の間の電気長に対応した定在波による共振が使
用周波数帯域内に存在し、その結果、所望の高周波信号
の伝搬が十分に行なえないという問題点があった。ま
た、高周波信号の反射が発生し、それによる高周波デバ
イスの発振が生じるという問題点もあった。
【0006】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ために案出されたものであり、その目的は、使用周波数
帯域内における定在波共振の発生をなくし、良好な電気
的特性で高周波信号の伝送が可能で、MCMパッケージ
等の高周波半導体素子収納用パッケージや高周波用配線
基板等の特性改善に有用な高周波伝送線路の接続構造を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波伝送線路
の接続構造は、誘電体基板の一主面に形成された線路導
体から成る第1の高周波伝送線路の一端を、他主面に形
成された線路導体から成る第2の高周波伝送線路の一端
に前記誘電体基板を介して第1の電磁結合により電磁的
に接続するとともに、前記誘電体基板の一主面に形成さ
れた線路導体から成る第3の高周波伝送線路の一端を、
前記第2の高周波伝送線路の他端に前記誘電体基板を介
して第2の電磁結合により電磁的に接続して成り、かつ
前記第1および第2の電磁結合の結合中心間の電気長L
e を、使用周波数帯域の上限周波数の自由空間波長λfm
axおよび下限周波数の自由空間波長λfminに対して、
(2n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・
(λfmax/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λ
fmin+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然
数)としたことを特徴とするものである。
【0008】また本発明の高周波伝送線路の接続構造
は、上記構成において、前記第1および第2の高周波伝
送線路間ならびに前記第2および第3の高周波伝送線路
間に接地導体層を形成するとともに、この接地導体層の
前記第1および第2の電磁結合の結合中心に対応する位
置にそれぞれスロット孔を形成したことを特徴とするも
のである。
【0009】また、本発明の高周波伝送線路の接続構造
は、誘電体基板の一主面に形成された線路導体から成る
第1の高周波伝送線路の一端を、前記誘電体基板の内部
に形成され、誘電体層を挟持する前記一主面に平行な一
対の主導体層と、この主導体層間を高周波信号の伝送方
向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔および所定
の幅で電気的に接続する2列の側壁用貫通導体群とから
成る誘電体導波管線路から成る第2の高周波伝送線路の
一端に、前記主導体層の前記一主面側に形成した第1の
スロット孔を介して第1の電磁結合により電磁的に接続
するとともに、前記誘電体基板の一主面に形成された線
路導体から成る第3の高周波伝送線路の一端を、前記第
2の高周波伝送線路の他端に、前記主導体層の前記一主
面側に形成した第2のスロット孔を介して第2の電磁結
合により電磁的に接続して成り、かつ前記第1および第
2の電磁結合の結合中心間の電気長Le を、使用周波数
帯域の上限周波数の自由空間波長λfmaxおよび下限周波
数の自由空間波長λfminに対して、(2n−1)・(λ
fmin/4)<Le <(2n+1)・(λfmax/4)(た
だし、nはn<(1/2)・{(λfmin+λfmax)/
(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)としたことを特
徴とするものである。
【0010】また本発明の高周波伝送線路の接続構造
は、上記構成において、前記第1および/または第2の
スロット孔に代えて第1および/または第2の開口部を
形成するとともに、前記第1および/または第3の高周
波伝送線路の一端から、前記第1および/または第2の
開口部を通って前記第2の高周波伝送線路の内部に至る
貫通導体を形成したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の高周波半導体装置によれ
ば、線路導体から成る第1の高周波伝送線路の一端を線
路導体から成る第2の高周波伝送線路の一端に第1の電
磁結合により電磁的に接続するとともに、線路導体から
成る第3の高周波伝送線路の一端を第2の高周波伝送線
路の他端に第2の電磁結合により電磁的に接続し、かつ
第1および第2の電磁結合の結合中心間の電気長Le
を、使用周波数帯域の上限周波数の自由空間波長λfmax
および下限周波数の自由空間波長λfminに対して、(2
n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・(λ
fmax/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin
+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)と
したことから、第2の高周波伝送線路の両端間で生じる
定在波共振が電磁結合の結合中心に与える影響を、位相
を揃えることで低減することができるため、上記条件に
より、最も影響を受けやすい条件から遠ざかるために良
好な伝搬が行なえる(すなわち、定在波が生じる周波数
を避けることができる)ので、従来の高周波伝送線路の
接続構造において生じていた使用周波数帯域内での定在
波共振を帯域外へ設定することができる。その結果、高
周波信号に対する電気的特性を向上させることができ、
良好な電気的特性を有する高周波伝送線路の接続構造と
なる。
【0012】また、本発明の高周波伝送線路の接続構造
によれば、上記構成において、第1および第2の高周波
伝送線路間ならびに第2および第3の高周波伝送線路間
に接地導体層を形成するとともに、この接地導体層の第
1および第2の電磁結合の結合中心に対応する位置にそ
れぞれスロット孔を形成したことから、これらスロット
孔を介して第1と第2の高周波伝送線路および第2と第
3の高周波伝送線路の間で良好な電磁結合を行なうこと
ができるとともに、従来の高周波伝送線路の接続構造に
おいて生じていた使用周波数帯域内での定在波共振を帯
域外へ設定することができる。その結果、高周波信号に
対する電気的特性を向上させることができ、良好な電気
的特性を有する高周波伝送線路の接続構造となる。
【0013】また、本発明の高周波半導体装置によれ
ば、線路導体から成る第1の高周波伝送線路の一端を、
誘電体基板の内部に形成された上記構成の誘電体導波管
線路から成る第2の高周波伝送線路の一端に、その主導
体層に形成した第1のスロット孔を介して第1の電磁結
合により電磁的に接続するとともに、線路導体から成る
第3の高周波伝送線路の一端を、第2の高周波伝送線路
の他端に、同じく主導体層に形成した第2のスロット孔
を介して第2の電磁結合により電磁的に接続し、かつ第
1および第2の電磁結合の結合中心間の電気長Le を、
使用周波数帯域の上限周波数の自由空間波長λfmaxおよ
び下限周波数の自由空間波長λfminに対して、(2n−
1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・(λfmax
/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin+λ
fmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)とした
ことから、第2の高周波伝送線路の両端間で定在波共振
が生じる周波数を避けることができるので、線路導体か
ら成る第1および第3の高周波伝送線路と誘電体導波管
線路から成る第2の高周波伝送線路とを電磁結合により
接続するとともに、従来の高周波伝送線路の接続構造に
おいて生じていた使用周波数帯域内での定在波共振を帯
域外へ設定することができる。その結果、高周波信号に
対する電気的特性を向上させることができ、良好な電気
的特性を有する高周波伝送線路の接続構造となる。
【0014】また本発明の高周波伝送線路の接続構造に
よれば、上記構成において、前記第1および/または第
2のスロット孔に代えて第1および/または第2の開口
部を形成するとともに、第1および/または第3の高周
波伝送線路の一端から、第1および/または第2の開口
部を通って第2の高周波伝送線路の内部に至る貫通導体
を形成したことから、波長に応じて誘電体導波管線路内
に電磁波を放射することで、誘電体導波管線路へのアン
テナとして機能する(すなわち、モノポ−ルアンテナと
なっている)ものとなるため、これら貫通導体は第2の
高周波伝送線路である誘電体導波管線路に対して高周波
信号を伝送するアンテナとして機能し、かかる電磁結合
でもって第1と第2の高周波伝送線路間ならびに第2と
第3の高周波伝送線路間を良好に電磁的に接続すること
ができるとともに、従来の高周波伝送線路の接続構造に
おいて生じていた使用周波数帯域内での定在波共振を帯
域外へ設定することができる。その結果、高周波信号に
対する電気的特性を向上させることができ、良好な電気
的特性を有する高周波伝送線路の接続構造となる。
【0015】なお、以上の本発明の高周波伝送線路の接
続構造においては、第2の高周波伝送線路における第1
および第2の電磁結合の結合中心間の電気長Le は、好
ましくは使用帯域周波数の中心周波数の波長の自然数倍
に設定することにより、定在波による共振が使用周波数
帯域外へ最も離れて存在することになるため、安定した
高周波電気的特性を得ることができる高周波伝送線路の
接続構造となる。
【0016】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0017】図1は本発明の高周波伝送線路の接続構造
の実施の形態の例を示す断面図である。図1に示す例で
は、誘電体基板4の一主面上に金属壁1により仕切られ
て形成された2つのキャビティ内に、それぞれ線路導体
から成る第1の高周波伝送線路5aおよび第3の高周波
伝送線路5bが形成されており、これら伝送線路5a・
5bにはそれぞれ半導体素子2a・2bが金属バンプ3
a・3bを介して電気的に接続されている。また、誘電
体基板4の他主面には線路導体から成る第2の高周波伝
送線路11が形成されており、その一端は第1の高周波伝
送線路5aの一端と、また他端は第3の高周波伝送線路
の5bの一端と誘電体基板4を介して対向することによ
り、それぞれ電磁結合により電磁的に接続されている。
【0018】この例では、第1の高周波伝送線路5a
と、これとは異なるキャビティ内に形成した第3の高周
波伝送線路5bは、その線路導体と同一面内に形成され
た接地導体12と共にそれら線路導体の両側に形成した接
地導体(図示せず)により、コプレーナ線路として形成
している。また、第2の高周波伝送線路11は、誘電体基
板4を挟んで反対主面上に形成された接地導体12によ
り、マイクロストリップ線路として形成している。
【0019】また、誘電体基板4は2つの誘電体層4a
・4bにより構成し、第2の高周波伝送線路11は誘電体
層4bにより誘電体基板4の他主面上に形成される凹部
内に形成されている。このようにすることにより、第2
の高周波伝送線路11を伝搬する高周波信号に対する実効
比誘電率が、凹部を誘電体で充填したものと比較して小
さくなるので、電気長Le が小さくなることから、nを
より低次の値に設定することが可能となるので、より広
帯域に設定できるものとなる。また、製造誤差も見かけ
上小さくなる。さらに、表面に金めっきを施すことが可
能であり、低損失線路に加工できるものとなる。
【0020】このように第1と第2の高周波伝送線路5
a・11間を第1の電磁結合で、また第2と第3の高周波
伝送線路11・5b間を第2の電磁結合を用いて接続して
高周波信号を伝送する構造として構成するとともに、本
発明の接続構造においては、図中にそれぞれ破線で示し
た第1の電磁結合の結合中心と第2の電磁結合の結合中
心との間の電気長Le を、使用周波数帯域の上限周波数
の自由空間波長λfmaxおよび下限周波数の自由空間波長
λfminに対して、(2n−1)・(λfmin/4)<Le
<(2n+1)・(λfmax/4)(ただし、nはn<
(1/2)・{(λfmin+λfmax)/(λfmin−λfma
x)}を満たす自然数)としたことを特徴とする。これ
により、従来のような使用周波数帯域内での定在波共振
を帯域外へ設定でき、電気的特性を向上させることがで
きて良好な電気的特性で高周波信号の伝送を行なうこと
ができる高周波伝送線路の接続構造となる。
【0021】なお、この電気長Le は、使用周波数や誘
電体基板4の比誘電率等との関係で第1および第2の電
磁結合の結合中心間の距離Lとは必ずしも一致するもの
ではないが、第2の高周波伝送線路11を構成する線路導
体の線路長や線路幅、あるいは誘電体基板4の誘電率等
により上記式の範囲内で所望の値に調整することが可能
である。
【0022】次に、図2は本発明の高周波伝送線路の接
続構造の実施の形態の他の例を示す断面図である。図2
に示す例では、図1の例とほぼ同様に、誘電体基板4の
一主面上に金属壁1により仕切られて形成された2つの
キャビティ内に、それぞれ線路導体から成る第1の高周
波伝送線路5aおよび第3の高周波伝送線路5bが形成
されており、これら伝送線路5a・5bにはそれぞれ半
導体素子2a・2bが金属バンプ3a・3bを介して電
気的に接続されている。また、誘電体基板4の他主面に
は線路導体から成る第2の高周波伝送線路21が形成され
ており、その一端は第1の高周波伝送線路5aの一端
と、また他端は第3の高周波伝送線路の5bの一端と誘
電体基板4を介して対向して形成することにより、それ
ぞれ第1および第2の電磁結合により電磁的に接続され
ている。
【0023】この例では、誘電体基板4は3つの誘電体
層4a〜4cにより構成しており、誘電体基板4の内部
の誘電体層4a・4b間には第1および第2の高周波伝
送線路5a・21間ならびに第2および第3の高周波伝送
線路21・5b間に接地導体層22を形成している。ここで
は接地導体層22として第1の高周波伝送線路5aから第
3の高周波伝送線路5bまでをカバーするものを形成し
ているが、このような接地導体層22を形成することによ
り、第1〜第3の高周波伝送線路5a・11・5bはそれ
ぞれマイクロストリップ線路として形成されることとな
る。
【0024】なお、接地導体層22は第1および第2の電
磁結合の周囲部分にそれぞれ別々に形成してもよく、そ
の場合には各伝送線路5a・11・5bはそれぞれ線路導
体の同一面に接地導体を形成してコプレーナ線路構造と
すればよい。
【0025】また、この例における第2の高周波伝送線
路21も、誘電体層4cにより誘電体基板4の他主面上に
形成される凹部内に形成されている。
【0026】そして、図中にそれぞれ破線で示した第1
の電磁結合の結合中心と第2の電磁結合の結合中心との
間の電気長Le を、λfmaxおよびλfminに対して、(2
n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・(λ
fmax/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin
+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)と
するとともに、接地導体層22の第1および第2の電磁結
合の結合中心に対応する位置に、それぞれスロット孔23
a・23bを形成している。
【0027】これにより、スロット孔23a・23bを介し
て第1と第2の高周波伝送線路5a・21および第2と第
3の高周波伝送線路21,5bの間で良好な電磁結合を行
なうことができるとともに、図1に示した例と同様に、
使用周波数帯域内での定在波共振を帯域外へ設定するこ
とができ、電気的特性を向上させることができて良好な
電気的特性で高周波信号の伝送を行なうことができる高
周波伝送線路の接続構造となる。
【0028】なお、この場合の電気長Le も、第2の高
周波伝送線路21を構成する線路導体の線路長や線路幅、
あるいは誘電体基板4の誘電率等により上記式の範囲内
で所望の値に調整することが可能である。
【0029】また、スロット孔23a・23bの形状は、長
さが高周波信号の信号波長の2分の1、幅が長さの3分
の1から10分の1程度とした長方形状とすればよい。ま
た、スロット孔23a・23bの位置は、第1の高周波伝送
線路5aと第2の高周波伝送線路21および第2の高周波
伝送線路21と第3の高周波伝送線路5bがそれぞれ電磁
界により電磁結合ができる位置関係にあればよい。具体
的には、線路導体がスロット孔23a・23bの長手方向と
完全に平行でなければ結合され、直交する場合に最も良
好に結合される。
【0030】次に、図3は本発明の高周波伝送線路の接
続構造の実施の形態のさらに他の例を示す断面図であ
る。図3に示す例では、図1の例とほぼ同様の構成のも
のに対して、誘電体基板4および金属壁1、線路導体か
ら成る第2の高周波伝送線路31a・31b、第2の高周波
伝送線路31a・31bに対して誘電体基板4を挟んで反対
主面上に形成された接地導体32a・32bをそれぞれ別体
のものとして構成しており、第2の高周波伝送線路31a
・31bはボンディングリボン等の電気的接続手段33で接
続することにより一体とされている。
【0031】それぞれ誘電体層4a・4bおよび4c・
4dから成る2つの誘電体基板4・4には、その一主面
上に金属壁1・1により仕切られて形成されたキャビテ
ィ内に、それぞれ線路導体から成る第1の高周波伝送線
路5aおよび第3の高周波伝送線路5bが形成されてお
り、これら伝送線路5a・5bにはそれぞれ半導体素子
2a・2bが金属バンプ3a・3bを介して電気的に接
続されている。また、誘電体基板4の他主面に形成され
た第2の高周波伝送線路31は、その線路31aの一端は第
1の高周波伝送線路5aの一端と、また伝送線路31の他
端となる線路31bの一端は第3の高周波伝送線路の5b
の一端と誘電体基板4を介して対向して形成することに
より、それぞれ第1および第2の電磁結合により電磁的
に接続されている。
【0032】この例でも、誘電体基板4はそれぞれ2つ
の誘電体層4a・4bおよび4c・4dにより構成し、
第2の高周波伝送線路31は誘電体層4bと4dとにより
誘電体基板4の他主面上に形成される凹部内に形成され
ている。
【0033】また、第1の高周波伝送線路5aと、これ
とは異なるキャビティ内に形成した第3の高周波伝送線
路5bは、図1に示した例と同じく、その線路導体と同
一面内に形成された接地導体32a・32bと共にそれら線
路導体の両側に形成した接地導体(図示せず)により、
コプレーナ線路として形成している。また、第2の高周
波伝送線路31a・31bは、誘電体基板4を挟んで反対主
面上に形成された接地導体32a・32bにより、マイクロ
ストリップ線路として形成している。
【0034】そして、図1に示した例と同じく、図中に
それぞれ破線で示した第1の電磁結合の結合中心と第2
の電磁結合の結合中心との間の電気長Le を、λfmaxお
よびλfminに対して、(2n−1)・(λfmin/4)<
Le <(2n+1)・(λfmax/4)(ただし、nはn
<(1/2)・{(λfmin+λfmax)/(λfmin−λfm
ax)}を満たす自然数)としている。これにより、使用
周波数帯域内での定在波共振を帯域外へ設定でき、電気
的特性を向上させることができるため、良好な電気的特
性で高周波信号の伝送を行なうことができる高周波伝送
線路の接続構造となる。
【0035】なお、この電気長Le も、第2の高周波伝
送線路31を構成する各線路導体31a・31bの線路長や線
路幅、あるいは誘電体基板4の誘電率等により上記式の
範囲内で所望の値に調整することが可能である。
【0036】次に、図4は本発明の高周波伝送線路の接
続構造の実施の形態のさらに他の例を示す断面図であ
る。図4に示す例では、誘電体基板4の一主面上に金属
壁1により仕切られて形成された2つのキャビティ内
に、それぞれ線路導体から成る第1の高周波伝送線路5
aおよび第3の高周波伝送線路5bが形成されており、
これら伝送線路5a・5bにはそれぞれ半導体素子2a
・2bが金属バンプ3a・3bを介して電気的に接続さ
れている。
【0037】また、誘電体層4a・4b・4cから成る
誘電体基板4の内部には、誘電体層4bを挟持する、誘
電体基板4の一主面に平行な一対の主導体層42・43と、
この主導体層42・43間を高周波信号の伝送方向に信号波
長の2分の1未満の繰り返し間隔および所定の幅で電気
的に接続する2列の側壁用貫通導体群41(同図中には一
方の側壁を形成する一列分の側壁用貫通導体群41を示
す)とから成る誘電体導波管線路から成る第2の高周波
伝送線路が形成されており、その一端は、主導体層42の
前記一主面側に形成した第1のスロット孔44aを介し
て、第1の高周波伝送線路5aの一端と対向することに
より第1の電磁結合によって電磁的に接続され、また他
端は、主導体層42の前記一主面側に形成した第2のスロ
ット孔44bを介して、第3の高周波伝送線路の5bの一
端と対向することにより第2の電磁結合によって電磁的
に接続されている。
【0038】そして、図中にそれぞれ破線で示した第1
の電磁結合の結合中心と第2の電磁結合の結合中心との
間の電気長Le を、λfmaxおよびλfminに対して、(2
n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・(λ
fmax/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin
+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)と
している。これにより、第1のスロット孔44aを介して
線路導体から成る第1の高周波伝送線路5aと誘電体導
波管線路から成る第2の高周波伝送線路、および第2の
スロット孔44bを介して第2の高周波伝送線路と線路導
体から成る第3の高周波伝送線路5bの間で良好な電磁
結合を行なうことができるとともに、図1〜図3に示し
た例と同様に、使用周波数帯域内での定在波共振を帯域
外へ設定することができ、電気的特性を向上させること
ができて良好な電気的特性で高周波信号の伝送を行なう
ことができる高周波伝送線路の接続構造となる。
【0039】なお、この場合の電気長Le も、第2の高
周波伝送線路を構成する誘電体導波管線路の線路長や主
導体層42・43間の間隔、線路幅に相当する2列の側壁用
貫通導体群41の前記所定の幅、あるいは誘電体基板4
(4a〜4c)の誘電率等により上記式の範囲内で所望
の値に調整することが可能である。
【0040】また、第1および第2のスロット孔44a・
44bの形状も、長さが高周波信号の信号波長の2分の
1、幅が長さの3分の1から10分の1程度とした長方形
状とすればよい。また、スロット孔44a・44bの位置
も、第1の高周波伝送線路5aと第2の高周波伝送線路
および第2の高周波伝送線路と第3の高周波伝送線路5
bがそれぞれ電磁界により電磁結合ができる位置関係に
あればよい。具体的には、第1および第3の高周波伝送
線路5a・5bの線路導体が第1および第2のスロット
孔44a・44bの長手方向と完全に平行でなければ結合さ
れ、直交する場合に最も良好に結合される。
【0041】さらに、この第2の高周波伝送線路の誘電
体導波管線路には、その両端のそれぞれ第1および第2
のスロット孔44a・44bから高周波信号の伝送方向に管
内波長の略2分の1の自然数倍の位置に、伝送方向の直
交方向に信号波長の2分の1未満の間隔で主導体層42・
43間を電気的に接続する端面用貫通導体群を形成するこ
とにより、誘電体導波管線路の短絡端を形成しておくこ
とが、誘電体導波管線路の両端から高周波信号が漏洩し
て高周波信号の伝送損失を増大させることを効果的に防
止することができるので好ましい。
【0042】なお、この例でも、第1の高周波伝送線路
5aと、これとは異なるキャビティ内に形成した第3の
高周波伝送線路5bは、その線路導体と同一面内でそれ
ら線路導体の両側に形成した接地導体(図示せず)によ
り、コプレーナ線路として形成している。
【0043】次に、図5は本発明の高周波伝送線路の接
続構造の実施の形態のさらに他の例を示す断面図であ
る。図5に示す例では、図4に示した例とほぼ同様の構
成であり、誘電体層4a・4b・4cから成る誘電体基
板4の内部には、誘電体層4bを挟持する一対の主導体
層52・53と、この主導体層52・53間を高周波信号の伝送
方向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔および所
定の幅で電気的に接続する2列の側壁用貫通導体群51と
から成る誘電体導波管線路から成る第2の高周波伝送線
路が形成されており、その一端は、前記第1のスロット
孔44aに代えて主導体層52に形成した第1の開口部54a
を介して第1の高周波伝送線路5aの一端と対向し、第
1の高周波伝送線路5aの一端から第1の開口部54aを
通って第2の高周波伝送線路の内部に至る貫通導体55a
を形成したことにより、給電部として構成された第1の
電磁結合によって電磁的に接続されている。また他端
は、前記第2のスロット孔44bに代えて主導体層52に形
成した第2の開口部54bを介して第3の高周波伝送線路
の5bの一端と対向し、第3の高周波伝送線路5bの一
端から第2の開口部54bを通って第2の高周波伝送線路
の内部に至る貫通導体55bを形成したことにより、給電
部として構成された第2の電磁結合によって電磁的に接
続されている。
【0044】そして、図中にそれぞれ破線で示した第1
の電磁結合の結合中心と第2の電磁結合の結合中心との
間の電気長Le を、λfmaxおよびλfminに対して、(2
n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・(λ
fmax/4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin
+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)と
している。
【0045】これにより、貫通導体55aおよび55bは第
2の高周波伝送線路の誘電体導波管線路に対してアンテ
ナとして機能し、線路導体から成る第1および第3の高
周波伝送線路5a・5bと誘電体導波管線路から成る第
2の高周波伝送線路との間で良好な電磁結合を行なうこ
とができるとともに、図4に示した例と同様に、使用周
波数帯域内での定在波共振を帯域外へ設定することがで
き、電気的特性を向上させることができて良好な電気的
特性で高周波信号の伝送を行なうことができる高周波伝
送線路の接続構造となる。
【0046】なお、この場合の電気長Le も、第2の高
周波伝送線路を構成する誘電体導波管線路の線路長や主
導体層52・53間の間隔、線路幅に相当する2列の側壁用
貫通導体群51の前記所定の幅、貫通導体55aと貫通導体
55bとの間隔、あるいは誘電体基板4(4a〜4c)の
誘電率等により上記式の範囲内で所望の値に調整するこ
とが可能である。
【0047】また、第1および第2の開口部54a・54b
の形状も、長さが高周波信号の信号波長の2分の1、幅
が長さの3分の1から10分の1程度とした長方形状とす
ればよい。また、開口部54a・54bの位置も、第1の高
周波伝送線路5aと第2の高周波伝送線路および第2の
高周波伝送線路と第3の高周波伝送線路5bがそれぞれ
電磁界により電磁結合ができる位置関係にあればよい。
具体的には、第1および第3の高周波伝送線路5a・5
bの線路導体が第1および第2の開口部54a・54bの長
手方向と完全に平行でなければ結合され、直交する場合
に最も良好に結合される。また貫通導体55a・55bの第
1および第3の高周波伝送線路5a・5bならびに第1
および第2の開口部54a・54bに対する形成位置や形状
・長さ・太さ等は、貫通導体55a・55bが第2の高周波
伝送線路である誘電体導波管線路に対してモノポ−ルア
ンテナとして機能するように適宜設定すればよい。
【0048】さらに、この第2の高周波伝送線路の誘電
体導波管線路にも、その両端に端面用貫通導体群を形成
して誘電体導波管線路の短絡端を形成しておくことが好
ましい。
【0049】なお、この例でも、第1の高周波伝送線路
5aと、これとは異なるキャビティ内に形成した第3の
高周波伝送線路5bは、その線路導体と同一面内でそれ
ら線路導体の両側に形成した接地導体(図示せず)によ
り、コプレーナ線路として形成している。
【0050】本発明に係る高周波伝送線路を形成する誘
電体基板4としては、誘電体として機能し高周波信号の
伝送を妨げることのない特性を有するものであれば、セ
ラミックスや樹脂あるいはセラミックス粉末と樹脂との
混合材料等が使用可能でとりわけ限定するものではない
が、伝送線路を形成する際の精度および製造の容易性の
点からは、誘電体基板4はセラミックス、中でも常誘電
体で比誘電率εr が4〜100 程度のものから成ることが
望ましい。
【0051】このような誘電体基板4としては、例えば
アルミナセラミックスや窒化アルミニウムセラミックス
・ガラスセラミックス等から成るものがある。これらに
よる誘電体基板4は、例えばセラミックス原料粉末に適
当な有機溶剤・溶媒を添加混合して泥漿状になすととも
に、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダー
ロール法等を採用してシート状となすことによって複数
枚のセラミックグリーンシートを得て、しかる後、これ
らセラミックグリーンシートの各々に適当な打ち抜き加
工を施すとともにこれらを積層し、アルミナセラミック
スの場合は1500〜1700℃、ガラスセラミックスの場合は
850 〜1000℃、窒化アルミニウムセラミックスの場合は
1600〜1900℃の温度で焼成することによって製作され
る。
【0052】また、高周波伝送線路となる線路導体や誘
電体導波管線路を形成するための導体としては、例えば
誘電体基板4がアルミナセラミックスから成る場合に
は、タングステン等の金属粉末に適当なアルミナ・シリ
カ・マグネシア等の酸化物や有機溶剤・溶媒等を添加混
合してペースト状にしたものを用いて厚膜印刷法により
セラミックグリーンシートに印刷・充填し、しかる後、
約1600℃の高温で焼成し、導体層であれば厚み5〜50μ
m程度となるようにして形成する。なお、金属粉末とし
ては、ガラスセラミックスの場合は銅・金・銀が、窒化
アルミニウムセラミックスの場合はタングステン・モリ
ブデンが好適である。
【0053】また、側壁用貫通導体群41や51あるいは貫
通導体55a・55bは、例えばビアホール導体やスルーホ
ール導体等により形成すればよい。その断面形状は製作
が容易な円形のほか、矩形や菱形等の多角形であっても
よい。これら貫通導体は、例えばセラミックグリーンシ
ートに打ち抜き加工を施して作製した貫通孔に上記と同
様の金属ペーストを充填して埋め込み、しかる後、誘電
体基板4と同時に焼成して形成すればよい。なお、貫通
導体は直径50〜300 μmが適当である。
【0054】
【実施例】次に、本発明の高周波伝送線路の接続構造に
ついて具体例を説明する。
【0055】図2に示した例について、比誘電率が8.8
で厚みが0.2 mmの誘電体層4a〜4cから成る誘電体
基板4の誘電体層4aの上面に第1および第3の高周波
伝送線路5a・5bをそれぞれ線路幅0.24mmの線路導
体として形成した。また、誘電体層4bの下面にも同じ
く線路幅0.24mmの線路導体から成る第2の高周波伝送
線路21を形成した。また、誘電体層4aと4bとの間に
設けた接地導体層22には、信号伝搬方向に0.2 mm、信
号線幅方向に0.85mmの矩形状の導体非形成領域によ
り、スロット孔23a・23bを形成した。さらに、第1〜
第3の高周波伝送線路5a・21・5bの各結合中心から
の突き出し長さは全て0.3 mmとし、結合中心間の距離
Lは6.4 mmに設定し、厚み0.4 mmの金属壁1により
キャビティ形状を構成して、本発明の高周波伝送線路の
接続構造の試料を得た。
【0056】この試料の高周波特性を得るために、第1
および第3の高周波伝送線路5a・5bの半導体素子2
a・2bが実装される側にそれぞれプローブ接続用パッ
ドを形成し、このパッドにネットワークアナライザを接
続することにより、第1の高周波伝送線路5aから第2
の高周波伝送線路21を通り第3の高周波伝送線路5bへ
の周波数に応じた伝搬特性を抽出した。そして、抽出し
た特性から、入力した信号の内の反射された量の指標と
して反射特性(S11)を、また、入力した信号の内の透
過された量の指標として透過特性(S21)をそれぞれ周
波数に対する伝搬特性として求めた。その結果を図6に
示す。
【0057】図6は上記試料の伝搬特性を示す線図であ
り、横軸は周波数(単位:GHz)を、第1縦軸(左
軸)は反射係数(単位:dB)を、第2縦軸(右軸)は
透過係数(単位:dB)を表している。また、特性曲線
の内、破線は反射特性(S11)を、実線は透過特性(S
21)を示している。
【0058】図6に示す結果より、この高周波伝送線路
の使用周波数である60GHzを挟むように、定在波によ
る共振が55.8GHz付近と65.8GHz付近に生じている
ことが分かる。ここで、この試料の結合中心間の距離L
が6.4 mmであり誘電体基板4の実効比誘電率は5.8 で
あるために電気長Le として15.4mmが得られ、このと
きの共振周波数は55.95 GHzと65.69 GHzになるこ
とから、結合中心間の距離Lを適切に設定することで所
望の電気長Le が得られ、使用周波数帯域内で良好な電
気的特性を有する高周波伝送線路の接続構造が得られる
ことが確認できた。
【0059】この適切な条件は、前述のように、結合中
心間の電気長Le が使用周波数帯域の上限周波数の自由
空間波長λfmaxおよび下限周波数の自由空間波長λfmin
に対して、(2n−1)・(λfmin/4)<Le <(2
n+1)・(λfmax/4)(ただし、nはn<(1/
2)・{(λfmin+λfmax)/(λfmin−λfmax)}を
満たす自然数)であり、好ましくは使用帯域周波数の中
心周波数の自由空間波長の半波長の自然数倍に設定する
ことにより、定在波共振が使用周波数帯域外へ最も離れ
て存在することになるために、安定した高周波電気的特
性で高周波伝送線路を接続することができる。
【0060】また、図1および図3〜図5に示した本発
明の実施の形態の例についても同様にして反射特性およ
び透過特性をそれぞれ周波数に対する伝搬特性として求
めたところ、第1および第2の電磁結合の結合中心間の
電気長Le を上記所定範囲内に設定することにより、い
ずれも定在波による共振を使用周波数帯域外とし、安定
した高周波電気的特性で高周波伝送線路を接続できるこ
とが確認できた。
【0061】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。
【0062】
【発明の効果】本発明の高周波半導体装置によれば、線
路導体から成る第1の高周波伝送線路の一端を線路導体
から成る第2の高周波伝送線路の一端に第1の電磁結合
により電磁的に接続するとともに、線路導体から成る第
3の高周波伝送線路の一端を第2の高周波伝送線路の他
端に第2の電磁結合により電磁的に接続し、かつ第1お
よび第2の電磁結合の結合中心間の電気長Le を、使用
周波数帯域の上限周波数の自由空間波長λfmaxおよび下
限周波数の自由空間波長λfminに対して、(2n−1)
・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・(λfmax/
4)(ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin+λfm
ax)/(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)としたこ
とから、従来の高周波伝送線路の接続構造において生じ
ていた使用周波数帯域内での定在波共振を帯域外へ設定
することができ、高周波信号に対する電気的特性を向上
させることができるため、良好な電気的特性を有する高
周波伝送線路の接続構造となる。
【0063】また、本発明の高周波伝送線路の接続構造
によれば、上記構成において、第1および第2の高周波
伝送線路間ならびに第2および第3の高周波伝送線路間
に接地導体層を形成するとともに、この接地導体層の第
1および第2の電磁結合の結合中心に対応する位置にそ
れぞれスロット孔を形成したことから、これらスロット
孔を介して第1および第3の高周波伝送線路と第2の高
周波伝送線路との間で良好な電磁結合を行なうことがで
きるとともに、従来の高周波伝送線路の接続構造におい
て生じていた使用周波数帯域内での定在波共振を帯域外
へ設定することができ、高周波信号に対する電気的特性
を向上させることができるため、良好な電気的特性を有
する高周波伝送線路の接続構造となる。
【0064】また、本発明の高周波半導体装置によれ
ば、線路導体から成る第1の高周波伝送線路の一端を、
誘電体基板の内部に形成された誘電体導波管線路から成
る第2の高周波伝送線路の一端に、その主導体層に形成
した第1のスロット孔を介して第1の電磁結合により電
磁的に接続するとともに、線路導体から成る第3の高周
波伝送線路の一端を、第2の高周波伝送線路の他端に同
じく主導体層に形成した第2のスロット孔を介して第2
の電磁結合により電磁的に接続し、かつ第1および第2
の電磁結合の結合中心間の電気長Le をλfmaxおよびλ
fminに対して、(2n−1)・(λfmin/4)<Le <
(2n+1)・(λfmax/4)(ただし、nはn<(1
/2)・{(λfmin+λfmax)/(λfmin−λfmax)}
を満たす自然数)としたことから、線路導体から成る第
1および第3の高周波伝送線路と誘電体導波管線路から
成る第2の高周波伝送線路とを電磁結合により接続する
とともに、従来の高周波伝送線路の接続構造において生
じていた使用周波数帯域内での定在波共振を帯域外へ設
定することができ、高周波信号に対する電気的特性を向
上させることができるため、良好な電気的特性を有する
高周波伝送線路の接続構造となる。
【0065】また本発明の高周波伝送線路の接続構造に
よれば、上記構成において、第1および/または第3の
高周波伝送線路の一端から、第1および/または第2の
スロット孔を通って第2の高周波伝送線路の内部に至る
貫通導体を形成したことから、これら貫通導体は第2の
高周波伝送線路である誘電体導波管線路に対して高周波
信号を伝送するアンテナとして機能し、第1および第3
の高周波伝送線路と第2の高周波伝送線路との間を良好
に電磁的に接続することができるとともに、使用周波数
帯域内での定在波共振を帯域外へ設定することができ、
高周波信号に対する電気的特性を向上させることができ
るため、良好な電気的特性を有する高周波伝送線路の接
続構造となる。
【0066】以上により、本発明によれば、使用周波数
帯域内における定在波共振の発生をなくし、良好な電気
的特性で高周波信号の伝送が可能で、MCMパッケージ
等の高周波半導体素子収納用パッケージや高周波用配線
基板等の特性改善に有用な高周波伝送線路の接続構造を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波伝送線路の接続構造の実施の形
態の例を示す断面図である。
【図2】本発明の高周波伝送線路の接続構造の実施の形
態の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の高周波伝送線路の接続構造の実施の形
態のさらに他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の高周波伝送線路の接続構造の実施の形
態のさらに他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の高周波伝送線路の接続構造の実施の形
態のさらに他の例を示す断面図である。
【図6】本発明の高周波伝送線路の接続構造における周
波数に対する伝搬特性を示す線図である。
【符号の説明】
4・・・・・・・・・・誘電体基板 4a、4b、4c・・・誘電体層 5a・・・・・・・・・第1の高周波伝送線路 5b・・・・・・・・・第3の高周波伝送線路 11、21、31a、31b・・第2の高周波伝送線路 22・・・・・・・・・・接地導体層 23a、23b・・・・・・スロット孔 41、51・・・・・・・・側壁用貫通導体群 42、43、52、53・・・・主導体層 44a・・・・・・・・・第1のスロット孔 44b・・・・・・・・・第2のスロット孔 54a・・・・・・・・・第1の開口部 54b・・・・・・・・・第2の開口部 55a、55b・・・・・・貫通導体 Le ・・・・・・・・・電気長

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板の一主面に形成された線路導
    体から成る第1の高周波伝送線路の一端を、他主面に形
    成された線路導体から成る第2の高周波伝送線路の一端
    に前記誘電体基板を介して第1の電磁結合により電磁的
    に接続するとともに、前記誘電体基板の一主面に形成さ
    れた線路導体から成る第3の高周波伝送線路の一端を、
    前記第2の高周波伝送線路の他端に前記誘電体基板を介
    して第2の電磁結合により電磁的に接続して成り、かつ
    前記第1および第2の電磁結合の結合中心間の電気長L
    e を、使用周波数帯域の上限周波数の自由空間波長λfm
    axおよび下限周波数の自由空間波長λfminに対して、 (2n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・
    (λfmax/4) (ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin+λfmax)
    /(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)としたことを
    特徴とする高周波伝送線路の接続構造。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の高周波伝送線路間
    ならびに前記第2および第3の高周波伝送線路間に接地
    導体層を形成するとともに、該接地導体層の前記第1お
    よび第2の電磁結合の結合中心に対応する位置にそれぞ
    れスロット孔を形成したことを特徴とする請求項1記載
    の高周波伝送線路の接続構造。
  3. 【請求項3】 誘電体基板の一主面に形成された線路導
    体から成る第1の高周波伝送線路の一端を、前記誘電体
    基板の内部に形成され、誘電体層を挟持する前記一主面
    に平行な一対の主導体層と、該主導体層間を高周波信号
    の伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔お
    よび所定の幅で電気的に接続する2列の側壁用貫通導体
    群とから成る誘電体導波管線路から成る第2の高周波伝
    送線路の一端に、前記主導体層の前記一主面側に形成し
    た第1のスロット孔を介して第1の電磁結合により電磁
    的に接続するとともに、前記誘電体基板の一主面に形成
    された線路導体から成る第3の高周波伝送線路の一端
    を、前記第2の高周波伝送線路の他端に、前記主導体層
    の前記一主面側に形成した第2のスロット孔を介して第
    2の電磁結合により電磁的に接続して成り、かつ前記第
    1および第2の電磁結合の結合中心間の電気長Le を、
    使用周波数帯域の上限周波数の自由空間波長λfmaxおよ
    び下限周波数の自由空間波長λfminに対して、 (2n−1)・(λfmin/4)<Le <(2n+1)・
    (λfmax/4) (ただし、nはn<(1/2)・{(λfmin+λfmax)
    /(λfmin−λfmax)}を満たす自然数)としたことを
    特徴とする高周波伝送線路の接続構造。
  4. 【請求項4】 前記第1および/または第2のスロット
    孔に代えて第1および/または第2の開口部を形成する
    とともに、前記第1および/または第3の高周波伝送線
    路の一端から、前記第1および/または第2の開口部を
    通って前記第2の高周波伝送線路の内部に至る貫通導体
    を形成したことを特徴とする請求項3記載の高周波伝送
    線路の接続構造。
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