JP3457734B2 - サーマルプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、一個のサーマルヘッド
と二個のプラテンローラとを組み合わせたサーマルプリ
ンタに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】一般的にサーマルプリンタは、多数の発
熱素子を先端部に連設したサーマルヘッドを末端部で回
動自在に支持し、回転自在に軸支したプラテンローラに
圧接した構造となっている。そして、上述のようなサー
マルプリンタは、プラテンローラによる印刷用紙の搬送
に同期してサーマルヘッドの発熱素子が選択的に発熱す
ることで、インクリボンのインクを印刷用紙に選択的に
転写したり、感熱紙からなる印刷用紙を全体的に発色さ
せるなどして、ドットマトリクスの画像を印刷するよう
になっている。 【０００３】ここで、このようなサーマルプリンタで
は、通常は一個のサーマルヘッドと一個のプラテンロー
ラとを組み合わせているが、例えば、電子キャッシュレ
ジスタのＲ／Ｊ(Receipt／Journal)プリンタなどでは、
一個のサーマルヘッドと二個のプラテンローラとを組み
合わせた構造となっている。そこで、このような構造の
サーマルプリンタの一従来例を図４及び図５に基づいて
以下に順次説明する。なお、この従来例で云う前後や上
下などの方向は、説明を簡略化するために便宜的に定義
するものであり、これは実際の装置の設置や使用の方向
を限定したものではない。 【０００４】まず、このサーマルプリンタ１では、図４
に例示するように、多数の発熱素子２を絶縁基板３の先
端部に連設した平板状の一個のサーマルヘッド４が設け
られており、このサーマルヘッド４がヘッド支持機構で
あるブラケット５により末端部で回動自在に軸支されて
いる。ここで、このブラケット５は、前記絶縁基板３が
固定された支持プレート６の末端部をカバー部材７の末
端部に回動自在に軸支し、このカバー部材７と前記支持
プレート６との先端部にコイルスプリング８を配置した
構造となっている。そして、前記ブラケット５は、前記
カバー部材７の末端部で本体フレーム９に回動自在に軸
支されており、この本体フレーム９の前部で二個のプラ
テンローラ１０，１１を回転自在に軸支して同軸上に連
設している。 【０００５】つまり、図５に例示するように、前記プラ
テンローラ１０，１１の各々は、その両端部に支持軸１
２〜１５が突出しており、ここではサーマルプリンタ１
の外側に位置する前記支持軸１２，１５が、偏心軸受１
６により前記本体フレーム９に回転自在かつ変位自在に
支持され、内側に位置する前記支持軸１３，１４が、軸
受１７で前記本体フレーム９に回転自在で位置不動に支
持されている。 【０００６】そして、これら位置不動の支持軸１３，１
４の各々には従動ギヤ１８が装着されており、これらの
従動ギヤ１８は、前記本体フレーム９に支持軸１９で回
転自在に軸支された伝達ギヤ２０の各々に個々に連結さ
れている。さらに、前記本体フレーム９には二個の駆動
モータ２１が装着されており、これらの駆動モータ２１
の各々の回転軸２２に装着された駆動ギヤ２３が、前記
伝達ギヤ２０の各々に個々に連結されている。 【０００７】このような構成において、駆動モータ２１
が駆動ギヤ２３を回転駆動すると伝達ギヤ２０と共に従
動ギヤ１８が従動回転するので、この従動ギヤ１８と共
にプラテンローラ１０，１１が回転する。そこで、これ
らのプラテンローラ１０，１１が回転により印刷用紙
（図示せず）を搬送するので、この搬送に同期してサー
マルヘッド４の発熱素子２が選択的に発熱することで、
ドットマトリクスの画像を印刷する。 【０００８】ここで、このサーマルプリンタ１では、一
個のサーマルヘッド４に二個のプラテンローラ１０，１
１を組み合わせているので、これらのプラテンローラ１
０，１１で二枚の印刷用紙を個々に搬送することができ
る。そして、これら二枚の印刷用紙に一個のサーマルヘ
ッド４で画像を個々に印刷することができるので、この
サーマルプリンタ１は、レシートとジャーナルとを個々
に印刷するＲ／Ｊプリンタなどに好適である。 【０００９】なお、このサーマルプリンタ１では、一個
のサーマルヘッド４を二個のプラテンローラ１０，１１
に良好に圧接する必要があるので、サーマルヘッド４を
ブラケット５で回動自在に支持してコイルスプリング８
でプラテンローラ１０，１１に付勢し、これらのプラテ
ンローラ１０，１１は各々の一端を偏心軸受１６で変位
自在に支持して角度を微少に調節できるようにしてい
る。 【００１０】 【発明が解決しようとする課題】上述のようなサーマル
プリンタ１では、一個のサーマルヘッド４を二個のプラ
テンローラ１０，１１に良好に圧接するため、これら二
個のプラテンローラ１０，１１の一端を偏心軸受１６で
変位自在としている。 【００１１】しかし、このような構造のサーマルプリン
タ１でも、製造誤差などのために二個のプラテンローラ
１０，１１の直径が相違する場合や、二個のプラテンロ
ーラ１０，１１の軸受１７の位置が相違する場合には、
偏心軸受１６でプラテンローラ１０，１１の一端の位置
を調節しても、これら二個のプラテンローラ１０，１１
に一個のサーマルヘッド４を良好に圧接することができ
ない。 【００１２】このような課題を解決する手段としては、
プラテンローラ１０，１１の両側の支持軸１２〜１５の
各々を偏心軸受１６で変位自在に支持することが想定で
きるが、これでは支持軸１３，１４と共に従動ギヤ１８
まで変位するため、この従動ギヤ１８と伝達ギヤ２０と
の連結を良好に維持することが困難となる。 【００１３】 【課題を解決するための手段】多数の発熱素子を先端部
に連設した平板状の一個のサーマルヘッドを設け、二個
のプラテンローラを各々の両端部に突出した支持軸で回
転自在に軸支して同軸上に連設し、一個の前記サーマル
ヘッドを末端部で回動自在に支持して前記発熱素子を二
個の前記プラテンローラに圧接するヘッド支持機構を設
け、前記プラテンローラの両側の前記支持軸の一方に従
動ギヤを装着し、この従動ギヤに伝達ギヤを介して連結
される駆動ギヤを駆動モータの回転軸に装着したサーマ
ルプリンタにおいて、前記プラテンローラの両側の前記
支持軸の各々を個々に変位自在に支持して位置決め保持
するローラ変位機構を設け、前記伝達ギヤを移動自在に
支持して前記従動ギヤと前記駆動ギヤとに連結するギヤ
連結機構を設けた。 【００１４】 【作用】ローラ変位機構が二個のプラテンローラの両側
の支持軸の各々を個々に変位自在に支持して位置決め保
持することにより、一個のサーマルヘッドを二個のプラ
テンローラに良好に圧接することができ、ギヤ連結機構
が伝達ギヤを移動自在に支持して従動ギヤと駆動ギヤと
に連結することにより、プラテンローラの端部と共に位
置が変位する従動ギヤにギヤ連結機構で伝達ギヤを介し
て駆動ギヤを良好に連結することができる。 【００１５】 【実施例】本発明の一実施例を図１及び図２に基づいて
以下に説明する。なお、本実施例で例示するサーマルプ
リンタ２４に関し、一従来例として前述したサーマルプ
リンタ１と同一の部分は、同一の名称と符号とを利用し
て詳細な説明は省略する。また、本実施例で云う前後や
上下などの方向は、説明を簡略化するために便宜的に定
義するものであり、これは実際の装置の設置や使用の方
向を限定するものではない。 【００１６】まず、このサーマルプリンタ２４は、図１
に例示するように、多数の発熱素子２を先端部に連設し
たサーマルヘッド４がヘッド支持機構であるブラケット
５により末端部で本体フレーム９に回動自在に軸支され
ており、この本体フレーム９の前部で回転自在に軸支さ
れて同軸上に連設された二個のプラテンローラ１０，１
１にコイルスプリング８の弾発力で圧接されている。そ
して、図２に例示するように、前記プラテンローラ１
０，１１の各々は、その両端部に支持軸１２〜１５が突
出しており、これらの支持軸１２〜１５の各々がローラ
変位機構である偏心軸受１６により前記本体フレーム９
に回転自在かつ変位自在に支持されている。さらに、こ
のサーマルプリンタ２４の内側に位置する前記支持軸１
３，１４の各々には従動ギヤ１８が装着されており、こ
れらの従動ギヤ１８は伝達ギヤ２０を介して駆動モータ
２１の回転軸２２に装着された駆動ギヤ２３に連結され
ている。 【００１７】そして、このサーマルプリンタ２４では、
前記駆動モータ２１の回転軸２２で回動アーム２５が回
動自在に軸支されており、この回動アーム２５の先端部
に突設された支持軸２６で前記伝達ギヤ２０が回転自在
に軸支されている。さらに、前記本体フレーム９の前部
と前記回動アーム２５とにコイルスプリング２７が張架
されることで、前記伝達ギヤ２０を移動自在に支持して
前記従動ギヤ１８に連結するギヤ連結機構２８が形成さ
れている。つまり、このギヤ連結機構２８では、前記伝
達ギヤ２０が前記駆動ギヤ２３の遊星ギヤとなっている
ので、この駆動ギヤ２３と前記伝達ギヤ２０との連結は
常時維持される。 【００１８】このような構成において、駆動モータ２１
が駆動ギヤ２３を回転駆動すると伝達ギヤ２０と共に従
動ギヤ１８が従動回転するので、この従動ギヤ１８によ
りプラテンローラ１０，１１が回転する。そこで、これ
らのプラテンローラ１０，１１が回転により印刷用紙
（図示せず）を搬送するので、この搬送に同期してサー
マルヘッド４の発熱素子２が選択的に発熱することで、
ドットマトリクスの画像を印刷する。 【００１９】ここで、このサーマルプリンタ２４では、
一個のサーマルヘッド４に二個のプラテンローラ１０，
１１を組み合わせているので、これらのプラテンローラ
１０，１１で二枚の印刷用紙を個々に搬送することがで
きる。そして、これら二枚の印刷用紙に一個のサーマル
ヘッド４で画像を個々に印刷することができるので、こ
のサーマルプリンタ２４は、レシートとジャーナルとを
個々に印刷するＲ／Ｊプリンタなどに好適である。 【００２０】そして、このサーマルプリンタ２４では、
二個のプラテンローラ１０，１１の各々の両端を偏心軸
受１６で変位自在に支持しているので、製造誤差などの
ために二個のプラテンローラ１０，１１の直径が相違す
る場合や、二個のプラテンローラ１０，１１の偏心軸受
１６の位置が相違する場合でも、これらの偏心軸受１６
でプラテンローラ１０，１１の各々の両端の位置を個々
に調節することで、一個のサーマルヘッド４を二個のプ
ラテンローラ１０，１１に良好に圧接することができ
る。 【００２１】そして、このサーマルプリンタ２４では、
上述のようにプラテンローラ１０，１１の両端を変位さ
せることで従動ギヤ１８の位置も変動するが、この変位
する従動ギヤ１８にギヤ連結機構２８がコイルスプリン
グ２７の弾発力で伝達ギヤ２０を圧接するので、従動ギ
ヤ１８と伝達ギヤ２０の連結が常時良好に維持される。
そして、このギヤ連結機構２８では、前述のように駆動
ギヤ２３と前記伝達ギヤ２０との連結は回動アーム２５
により常時良好に維持されるので、このサーマルプリン
タ２４では、従動ギヤ１８と伝達ギヤ２０と駆動ギヤ２
３との連結が常時良好に維持されるようになっている。 【００２２】しかも、このサーマルプリンタ２４のギヤ
連結機構２８では、回動アーム２５で移動自在に支持し
た伝達ギヤ２０をコイルスプリング２７の弾発力で従動
ギヤ１８に圧接するようになっているので、この従動ギ
ヤ１８を偏心軸受１６で変位させても伝達ギヤ２０が自
動的に追従するようになっており、この伝達ギヤ２０の
位置を調節する専用の操作は不要なので作業能率の向上
に寄与することができる。しかし、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、例えば、伝達ギヤ２０を偏
心軸受１６やスライド機構（図示せず）などで移動自在
に支持し、従動ギヤ１８の変位に対応して手動操作で伝
達ギヤ２０の位置を調節することも可能である。 【００２３】また、本実施例のサーマルプリンタ２４の
ギヤ連結機構２８では、回動アーム２５により伝達ギヤ
２０を駆動ギヤ２３と常時連結される位置で移動自在と
して従動ギヤ１８に圧接することを例示したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではない。例えば、図３
に例示するように、本体フレーム９に変位自在に装着し
てコイルスプリング２７で前方に付勢したスライダ２９
に支持軸３０を突設し、この支持軸３０で伝達ギヤ２０
を軸支してギヤ連結機構３１を形成したサーマルプリン
タ３２なども可能である。 【００２４】 【発明の効果】本発明は上述のように、多数の発熱素子
を先端部に連設した平板状の一個のサーマルヘッドを設
け、二個のプラテンローラを各々の両端部に突出した支
持軸で回転自在に軸支して同軸上に連設し、一個の前記
サーマルヘッドを末端部で回動自在に支持して前記発熱
素子を二個の前記プラテンローラに圧接するヘッド支持
機構を設け、前記プラテンローラの両側の前記支持軸の
一方に従動ギヤを装着し、この従動ギヤに伝達ギヤを介
して連結される駆動ギヤを駆動モータの回転軸に装着し
たサーマルプリンタにおいて、前記プラテンローラの両
側の前記支持軸の各々を個々に変位自在に支持して位置
決め保持するローラ変位機構を設け、前記伝達ギヤを移
動自在に支持して前記従動ギヤと前記駆動ギヤとに連結
するギヤ連結機構を設けたことにより、二個のプラテン
ローラの各々の両端がローラ変位機構により変位自在な
ので、一個のサーマルヘッドを二個のプラテンローラに
良好に圧接することができ、プラテンローラの端部と共
に位置が変位する従動ギヤにギヤ連結機構で伝達ギヤを
介して駆動ギヤを良好に連結することができるので、動
力伝達を阻害することなく二個のプラテンローラを位置
調節して一個のサーマルヘッドを圧接させることができ
る等の効果を有するものである。
と二個のプラテンローラとを組み合わせたサーマルプリ
ンタに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】一般的にサーマルプリンタは、多数の発
熱素子を先端部に連設したサーマルヘッドを末端部で回
動自在に支持し、回転自在に軸支したプラテンローラに
圧接した構造となっている。そして、上述のようなサー
マルプリンタは、プラテンローラによる印刷用紙の搬送
に同期してサーマルヘッドの発熱素子が選択的に発熱す
ることで、インクリボンのインクを印刷用紙に選択的に
転写したり、感熱紙からなる印刷用紙を全体的に発色さ
せるなどして、ドットマトリクスの画像を印刷するよう
になっている。 【０００３】ここで、このようなサーマルプリンタで
は、通常は一個のサーマルヘッドと一個のプラテンロー
ラとを組み合わせているが、例えば、電子キャッシュレ
ジスタのＲ／Ｊ(Receipt／Journal)プリンタなどでは、
一個のサーマルヘッドと二個のプラテンローラとを組み
合わせた構造となっている。そこで、このような構造の
サーマルプリンタの一従来例を図４及び図５に基づいて
以下に順次説明する。なお、この従来例で云う前後や上
下などの方向は、説明を簡略化するために便宜的に定義
するものであり、これは実際の装置の設置や使用の方向
を限定したものではない。 【０００４】まず、このサーマルプリンタ１では、図４
に例示するように、多数の発熱素子２を絶縁基板３の先
端部に連設した平板状の一個のサーマルヘッド４が設け
られており、このサーマルヘッド４がヘッド支持機構で
あるブラケット５により末端部で回動自在に軸支されて
いる。ここで、このブラケット５は、前記絶縁基板３が
固定された支持プレート６の末端部をカバー部材７の末
端部に回動自在に軸支し、このカバー部材７と前記支持
プレート６との先端部にコイルスプリング８を配置した
構造となっている。そして、前記ブラケット５は、前記
カバー部材７の末端部で本体フレーム９に回動自在に軸
支されており、この本体フレーム９の前部で二個のプラ
テンローラ１０，１１を回転自在に軸支して同軸上に連
設している。 【０００５】つまり、図５に例示するように、前記プラ
テンローラ１０，１１の各々は、その両端部に支持軸１
２〜１５が突出しており、ここではサーマルプリンタ１
の外側に位置する前記支持軸１２，１５が、偏心軸受１
６により前記本体フレーム９に回転自在かつ変位自在に
支持され、内側に位置する前記支持軸１３，１４が、軸
受１７で前記本体フレーム９に回転自在で位置不動に支
持されている。 【０００６】そして、これら位置不動の支持軸１３，１
４の各々には従動ギヤ１８が装着されており、これらの
従動ギヤ１８は、前記本体フレーム９に支持軸１９で回
転自在に軸支された伝達ギヤ２０の各々に個々に連結さ
れている。さらに、前記本体フレーム９には二個の駆動
モータ２１が装着されており、これらの駆動モータ２１
の各々の回転軸２２に装着された駆動ギヤ２３が、前記
伝達ギヤ２０の各々に個々に連結されている。 【０００７】このような構成において、駆動モータ２１
が駆動ギヤ２３を回転駆動すると伝達ギヤ２０と共に従
動ギヤ１８が従動回転するので、この従動ギヤ１８と共
にプラテンローラ１０，１１が回転する。そこで、これ
らのプラテンローラ１０，１１が回転により印刷用紙
（図示せず）を搬送するので、この搬送に同期してサー
マルヘッド４の発熱素子２が選択的に発熱することで、
ドットマトリクスの画像を印刷する。 【０００８】ここで、このサーマルプリンタ１では、一
個のサーマルヘッド４に二個のプラテンローラ１０，１
１を組み合わせているので、これらのプラテンローラ１
０，１１で二枚の印刷用紙を個々に搬送することができ
る。そして、これら二枚の印刷用紙に一個のサーマルヘ
ッド４で画像を個々に印刷することができるので、この
サーマルプリンタ１は、レシートとジャーナルとを個々
に印刷するＲ／Ｊプリンタなどに好適である。 【０００９】なお、このサーマルプリンタ１では、一個
のサーマルヘッド４を二個のプラテンローラ１０，１１
に良好に圧接する必要があるので、サーマルヘッド４を
ブラケット５で回動自在に支持してコイルスプリング８
でプラテンローラ１０，１１に付勢し、これらのプラテ
ンローラ１０，１１は各々の一端を偏心軸受１６で変位
自在に支持して角度を微少に調節できるようにしてい
る。 【００１０】 【発明が解決しようとする課題】上述のようなサーマル
プリンタ１では、一個のサーマルヘッド４を二個のプラ
テンローラ１０，１１に良好に圧接するため、これら二
個のプラテンローラ１０，１１の一端を偏心軸受１６で
変位自在としている。 【００１１】しかし、このような構造のサーマルプリン
タ１でも、製造誤差などのために二個のプラテンローラ
１０，１１の直径が相違する場合や、二個のプラテンロ
ーラ１０，１１の軸受１７の位置が相違する場合には、
偏心軸受１６でプラテンローラ１０，１１の一端の位置
を調節しても、これら二個のプラテンローラ１０，１１
に一個のサーマルヘッド４を良好に圧接することができ
ない。 【００１２】このような課題を解決する手段としては、
プラテンローラ１０，１１の両側の支持軸１２〜１５の
各々を偏心軸受１６で変位自在に支持することが想定で
きるが、これでは支持軸１３，１４と共に従動ギヤ１８
まで変位するため、この従動ギヤ１８と伝達ギヤ２０と
の連結を良好に維持することが困難となる。 【００１３】 【課題を解決するための手段】多数の発熱素子を先端部
に連設した平板状の一個のサーマルヘッドを設け、二個
のプラテンローラを各々の両端部に突出した支持軸で回
転自在に軸支して同軸上に連設し、一個の前記サーマル
ヘッドを末端部で回動自在に支持して前記発熱素子を二
個の前記プラテンローラに圧接するヘッド支持機構を設
け、前記プラテンローラの両側の前記支持軸の一方に従
動ギヤを装着し、この従動ギヤに伝達ギヤを介して連結
される駆動ギヤを駆動モータの回転軸に装着したサーマ
ルプリンタにおいて、前記プラテンローラの両側の前記
支持軸の各々を個々に変位自在に支持して位置決め保持
するローラ変位機構を設け、前記伝達ギヤを移動自在に
支持して前記従動ギヤと前記駆動ギヤとに連結するギヤ
連結機構を設けた。 【００１４】 【作用】ローラ変位機構が二個のプラテンローラの両側
の支持軸の各々を個々に変位自在に支持して位置決め保
持することにより、一個のサーマルヘッドを二個のプラ
テンローラに良好に圧接することができ、ギヤ連結機構
が伝達ギヤを移動自在に支持して従動ギヤと駆動ギヤと
に連結することにより、プラテンローラの端部と共に位
置が変位する従動ギヤにギヤ連結機構で伝達ギヤを介し
て駆動ギヤを良好に連結することができる。 【００１５】 【実施例】本発明の一実施例を図１及び図２に基づいて
以下に説明する。なお、本実施例で例示するサーマルプ
リンタ２４に関し、一従来例として前述したサーマルプ
リンタ１と同一の部分は、同一の名称と符号とを利用し
て詳細な説明は省略する。また、本実施例で云う前後や
上下などの方向は、説明を簡略化するために便宜的に定
義するものであり、これは実際の装置の設置や使用の方
向を限定するものではない。 【００１６】まず、このサーマルプリンタ２４は、図１
に例示するように、多数の発熱素子２を先端部に連設し
たサーマルヘッド４がヘッド支持機構であるブラケット
５により末端部で本体フレーム９に回動自在に軸支され
ており、この本体フレーム９の前部で回転自在に軸支さ
れて同軸上に連設された二個のプラテンローラ１０，１
１にコイルスプリング８の弾発力で圧接されている。そ
して、図２に例示するように、前記プラテンローラ１
０，１１の各々は、その両端部に支持軸１２〜１５が突
出しており、これらの支持軸１２〜１５の各々がローラ
変位機構である偏心軸受１６により前記本体フレーム９
に回転自在かつ変位自在に支持されている。さらに、こ
のサーマルプリンタ２４の内側に位置する前記支持軸１
３，１４の各々には従動ギヤ１８が装着されており、こ
れらの従動ギヤ１８は伝達ギヤ２０を介して駆動モータ
２１の回転軸２２に装着された駆動ギヤ２３に連結され
ている。 【００１７】そして、このサーマルプリンタ２４では、
前記駆動モータ２１の回転軸２２で回動アーム２５が回
動自在に軸支されており、この回動アーム２５の先端部
に突設された支持軸２６で前記伝達ギヤ２０が回転自在
に軸支されている。さらに、前記本体フレーム９の前部
と前記回動アーム２５とにコイルスプリング２７が張架
されることで、前記伝達ギヤ２０を移動自在に支持して
前記従動ギヤ１８に連結するギヤ連結機構２８が形成さ
れている。つまり、このギヤ連結機構２８では、前記伝
達ギヤ２０が前記駆動ギヤ２３の遊星ギヤとなっている
ので、この駆動ギヤ２３と前記伝達ギヤ２０との連結は
常時維持される。 【００１８】このような構成において、駆動モータ２１
が駆動ギヤ２３を回転駆動すると伝達ギヤ２０と共に従
動ギヤ１８が従動回転するので、この従動ギヤ１８によ
りプラテンローラ１０，１１が回転する。そこで、これ
らのプラテンローラ１０，１１が回転により印刷用紙
（図示せず）を搬送するので、この搬送に同期してサー
マルヘッド４の発熱素子２が選択的に発熱することで、
ドットマトリクスの画像を印刷する。 【００１９】ここで、このサーマルプリンタ２４では、
一個のサーマルヘッド４に二個のプラテンローラ１０，
１１を組み合わせているので、これらのプラテンローラ
１０，１１で二枚の印刷用紙を個々に搬送することがで
きる。そして、これら二枚の印刷用紙に一個のサーマル
ヘッド４で画像を個々に印刷することができるので、こ
のサーマルプリンタ２４は、レシートとジャーナルとを
個々に印刷するＲ／Ｊプリンタなどに好適である。 【００２０】そして、このサーマルプリンタ２４では、
二個のプラテンローラ１０，１１の各々の両端を偏心軸
受１６で変位自在に支持しているので、製造誤差などの
ために二個のプラテンローラ１０，１１の直径が相違す
る場合や、二個のプラテンローラ１０，１１の偏心軸受
１６の位置が相違する場合でも、これらの偏心軸受１６
でプラテンローラ１０，１１の各々の両端の位置を個々
に調節することで、一個のサーマルヘッド４を二個のプ
ラテンローラ１０，１１に良好に圧接することができ
る。 【００２１】そして、このサーマルプリンタ２４では、
上述のようにプラテンローラ１０，１１の両端を変位さ
せることで従動ギヤ１８の位置も変動するが、この変位
する従動ギヤ１８にギヤ連結機構２８がコイルスプリン
グ２７の弾発力で伝達ギヤ２０を圧接するので、従動ギ
ヤ１８と伝達ギヤ２０の連結が常時良好に維持される。
そして、このギヤ連結機構２８では、前述のように駆動
ギヤ２３と前記伝達ギヤ２０との連結は回動アーム２５
により常時良好に維持されるので、このサーマルプリン
タ２４では、従動ギヤ１８と伝達ギヤ２０と駆動ギヤ２
３との連結が常時良好に維持されるようになっている。 【００２２】しかも、このサーマルプリンタ２４のギヤ
連結機構２８では、回動アーム２５で移動自在に支持し
た伝達ギヤ２０をコイルスプリング２７の弾発力で従動
ギヤ１８に圧接するようになっているので、この従動ギ
ヤ１８を偏心軸受１６で変位させても伝達ギヤ２０が自
動的に追従するようになっており、この伝達ギヤ２０の
位置を調節する専用の操作は不要なので作業能率の向上
に寄与することができる。しかし、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、例えば、伝達ギヤ２０を偏
心軸受１６やスライド機構（図示せず）などで移動自在
に支持し、従動ギヤ１８の変位に対応して手動操作で伝
達ギヤ２０の位置を調節することも可能である。 【００２３】また、本実施例のサーマルプリンタ２４の
ギヤ連結機構２８では、回動アーム２５により伝達ギヤ
２０を駆動ギヤ２３と常時連結される位置で移動自在と
して従動ギヤ１８に圧接することを例示したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではない。例えば、図３
に例示するように、本体フレーム９に変位自在に装着し
てコイルスプリング２７で前方に付勢したスライダ２９
に支持軸３０を突設し、この支持軸３０で伝達ギヤ２０
を軸支してギヤ連結機構３１を形成したサーマルプリン
タ３２なども可能である。 【００２４】 【発明の効果】本発明は上述のように、多数の発熱素子
を先端部に連設した平板状の一個のサーマルヘッドを設
け、二個のプラテンローラを各々の両端部に突出した支
持軸で回転自在に軸支して同軸上に連設し、一個の前記
サーマルヘッドを末端部で回動自在に支持して前記発熱
素子を二個の前記プラテンローラに圧接するヘッド支持
機構を設け、前記プラテンローラの両側の前記支持軸の
一方に従動ギヤを装着し、この従動ギヤに伝達ギヤを介
して連結される駆動ギヤを駆動モータの回転軸に装着し
たサーマルプリンタにおいて、前記プラテンローラの両
側の前記支持軸の各々を個々に変位自在に支持して位置
決め保持するローラ変位機構を設け、前記伝達ギヤを移
動自在に支持して前記従動ギヤと前記駆動ギヤとに連結
するギヤ連結機構を設けたことにより、二個のプラテン
ローラの各々の両端がローラ変位機構により変位自在な
ので、一個のサーマルヘッドを二個のプラテンローラに
良好に圧接することができ、プラテンローラの端部と共
に位置が変位する従動ギヤにギヤ連結機構で伝達ギヤを
介して駆動ギヤを良好に連結することができるので、動
力伝達を阻害することなく二個のプラテンローラを位置
調節して一個のサーマルヘッドを圧接させることができ
る等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例のサーマルプリンタを例示す
る縦断側面図である。 【図２】正面図である。 【図３】一変形例のサーマルプリンタを例示する縦断側
面図である。 【図４】一従来例のサーマルプリンタを例示する縦断側
面図である。 【図５】正面図である。 【符号の説明】 ２ 発熱素子 ４ サーマルヘッド ５ ヘッド支持機構 １０，１１ プラテンローラ １２〜１５ 支持軸 １６ ローラ変位機構 １８ 従動ギヤ ２０ 伝達ギヤ ２１ 駆動モータ ２３ 駆動ギヤ ２４，３２ サーマルプリンタ ２８，３１ ギヤ連結機構
る縦断側面図である。 【図２】正面図である。 【図３】一変形例のサーマルプリンタを例示する縦断側
面図である。 【図４】一従来例のサーマルプリンタを例示する縦断側
面図である。 【図５】正面図である。 【符号の説明】 ２ 発熱素子 ４ サーマルヘッド ５ ヘッド支持機構 １０，１１ プラテンローラ １２〜１５ 支持軸 １６ ローラ変位機構 １８ 従動ギヤ ２０ 伝達ギヤ ２１ 駆動モータ ２３ 駆動ギヤ ２４，３２ サーマルプリンタ ２８，３１ ギヤ連結機構
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フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B41J 11/20
B41J 11/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 多数の発熱素子を先端部に連設した平板
状の一個のサーマルヘッドを設け、二個のプラテンロー
ラを各々の両端部に突出した支持軸で回転自在に軸支し
て同軸上に連設し、一個の前記サーマルヘッドを末端部
で回動自在に支持して前記発熱素子を二個の前記プラテ
ンローラに圧接するヘッド支持機構を設け、前記プラテ
ンローラの両側の前記支持軸の一方に従動ギヤを装着
し、この従動ギヤに伝達ギヤを介して連結される駆動ギ
ヤを駆動モータの回転軸に装着したサーマルプリンタに
おいて、 前記プラテンローラの両側の前記支持軸の各々を個々に
変位自在に支持して位置決め保持するローラ変位機構を
設け、前記伝達ギヤを移動自在に支持して前記従動ギヤ
と前記駆動ギヤとに連結するギヤ連結機構を設けたこと
を特徴とするサーマルプリンタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11558894A JP3457734B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | サーマルプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11558894A JP3457734B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | サーマルプリンタ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07314807A JPH07314807A (ja) | 1995-12-05 |
| JP3457734B2 true JP3457734B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=14666323
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11558894A Expired - Fee Related JP3457734B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | サーマルプリンタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3457734B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-27 JP JP11558894A patent/JP3457734B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07314807A (ja) | 1995-12-05 |
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