JP3457523B2 - 複数枚媒体の分離機構 - Google Patents

複数枚媒体の分離機構

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JP3457523B2 JP31028297A JP31028297A JP3457523B2 JP 3457523 B2 JP3457523 B2 JP 3457523B2 JP 31028297 A JP31028297 A JP 31028297A JP 31028297 A JP31028297 A JP 31028297A JP 3457523 B2 JP3457523 B2 JP 3457523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動改札機、自
動精算機あるいはカード発行機に一括投入された切符な
どからなる複数枚の媒体を一枚ずつ処理するために分離
する複数枚媒体の分離機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動改札機には、複数枚の媒体である乗
車券と特急券、乗車券と定期券などを同時に投入するこ
とができる複数枚対応型のタイプがある。このような複
数枚対応型の自動改札機においては、媒体を同時に複数
枚投入しても、磁気情報の読取り、書込み、あるいは印
字を行うには、媒体をそれぞれ一枚ずつ処理する必要が
ある。そして、複数枚同時に媒体が投入された場合、一
枚ずつ媒体を処理するために重なり合った複数枚の媒体
を分離する必要がある。
【0003】複数枚の媒体を分離する機構としては、特
開昭60−204543号公報に開示されているよう
に、媒体が搬送される方向に回転する下側に位置する搬
送ローラと、該搬送ローラと一定のギャップを有するよ
う搬送ローラの上方に位置する分離ローラとで構成され
た分離機構が知られている。搬送ローラと分離ローラと
のギャップは、媒体一枚分の厚さ以上で2枚分の厚さ以
下となるように設定されている。分離ローラは、搬送ロ
ーラの回転に対して逆の回転を行っている。
【0004】この分離機構は、一枚の媒体が搬送ローラ
と分離ローラ間に進入してくると、両者間のギャップは
媒体一枚以上であるため、該媒体は、搬送ローラによっ
てそのまま搬送されるが、2枚の媒体が重なり合って同
時に進入してくると、ギャップは媒体2枚以下であるた
め、上方にある媒体は分離ローラと接触し、該分離ロー
ラの逆回転により、媒体の搬送方向と逆の方向に搬送さ
れ、2枚の媒体は分離されるようになっている。
【0005】このような分離機構において、媒体の先端
部分が角折れ状態になっている場合、この媒体の先端部
分は、媒体一枚以上の厚さとなるため、分離ローラの逆
回転作用により、該媒体は搬送されずに券詰り(ジャ
ム)状態となる。
【0006】このように券詰りが生じた場合、ジャムが
発生したと認識して従来の自動改札機においては停止状
態になり、警報を発するようになっている。従って、駅
員は、いちいち自動改札機の上カバーを開けて、ジャム
した媒体を取り除いた後、自動改札機を稼働状態にしな
ければならず、非常に面倒である。特に、ラッシュ時に
おいては、自動改札機の稼働効率が落ちると、自動改札
機の通行に乱れが生じ、スムーズな改札できないという
問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記点に着目
してなされたものであって、媒体の先端部分に角折れが
あって券詰りが生じても、この券詰りを検出して自動改
札機などの機器を停止することなく、角折れ券の媒体を
自動的に搬送するようにした複数枚媒体の分離機構を提
供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、先端部が角折れ状態となった角折れ部が形成
された媒体を含む複数枚の媒体(C1,C2)と; 前記媒体
(C1,C2)を搬送方向に送るために搬送方向に回転する送
りローラ(12)と; 前記送りローラ(12)と通常は一定の
ギャップ(G1)を介して該送りローラ(12)の上方に位置
し、該送りローラ(12)と逆回転をする分離ローラ(14)
と; 前記角折れ媒体が前記送りローラ(12)と前記分離
ローラ(14)間に券詰りを生じた際に、前記分離ローラ(1
4)を上昇して前記ギャップ(G1)を拡張し、角折れ媒体が
一定距離進んだ後に前記分離ローラ(14)を下降させるた
め、前記分離ローラ(14)を駆動するための駆動機構と;
を備えている複数枚媒体の分離機構とした。
【0009】前記駆動機構は、軸(16)を中心として揺動
することにより、前記分離ローラ(14)を上昇・下降させ
るL字部材(18)と、該L字部材(18)の一片(18b)に連結
されて該L字部材(18)を揺動するためのソレノイド(20)
とから構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の分
離機構10の要部を示している。該分離機構10は、媒
体Cを搬送するための送りローラ12と、該送りローラ
12の上方に位置する分離ローラ14と、軸16を中心
として分離ローラ14を揺動する鍵状のL字部材18
と、該L字部材を揺動駆動するソレノイド20とを備え
ている。
【0011】送りローラ12と分離ローラ14とは、一
定のギャップG1を介して離隔している。このギャップ
G1は、媒体C一枚以上の厚さで媒体C2枚以下の厚さ
の隙間となるよう設定されている。
【0012】送りローラ12は、媒体Cの搬送方向と同
方向となるよう回転している。分離ローラ14は、送り
ローラ12と逆回転、すなわち、媒体Cの搬送方向とは
逆方向となるよう回転している。分離ローラ14は、軸
16に設けられた駆動ローラ22を介してベルトB1に
より回転される。駆動ローラ22は、図示していないモ
ータなどの駆動手段によりベルトB2を介して回転駆動
される。
【0013】L字部材18の第1の片18aの下部に
は、分離ローラ14が回転可能に枢支されている。L字
部材18の他の片である第2の片18bの先端部には、
ソレノイド20のプランジャ20aに取付けられたアー
ム24の先端部が取付けピン26を介して回転可能に取
付けられている。ソレノイド20の作動により、L字部
材18は軸16を中心として回動し、分離ローラ14は
揺動して上昇・下降するようになっている。この実施例
においては、分離ローラ14を駆動するための駆動機構
として、ソレノイド20およびL字部材18が図示され
ているが、本発明においてはこれに限定されるものでは
なく、可逆モータおよびアクチュエータなどを用いて分
離ローラ14を上昇・下降させるようにしてもよい。
【0014】図2A〜図2Fは、図1に示した分離機構
の動きを示した動作説明図であり、分離機構を簡略に示
している。この図2A〜図2Fに基づいて本発明の分離
機構の動作を説明する。
【0015】図2Aは、媒体搬送方向に対して前後にず
れて上下に重なり合い、先端部に角折れ部Caが形成さ
れている下媒体C1と、上媒体C2とが、分離機構に向
けて搬送されている状態を示している。このとき、送り
ローラ12と分離ローラ14とで形成されるギャップG
1は、前述したように媒体1枚以上の厚さで媒体2枚以
下の厚さとなる隙間に設定されている。
【0016】図2Aの状態から媒体C1,C2が搬送さ
れてくると、図2Bに示すように下媒体C1の先端部は
送ローラ12と分離ローラ14間のギャップG1に達す
る。しかし、下媒体C1の角折れ部Caの先端部は搬送
方向とは逆回転している分離ローラ14に接するため、
すなわち、角折れ部Caによって、下媒体C1の厚さは
ギャップG1以上となっているため、これ以上分離ロー
ラ14の作用により搬送されず、この位置で券詰り(ジ
ャム)状態となる。このジャムの検知は、分離機構の上
流側および下流側に設けられた投受光器からなるフォト
センサPH1とPH2とで行う。すなわち、媒体の長さ
は一定であるため、フォトセンサPH1で媒体を検知し
てから一定時間以内に媒体はフォトセンサPH2に達す
るはずであるから、一定時間内にフォトセンサPH2で
検知しない場合は、分離機構で券詰りを起こしたと判断
する。
【0017】このように券詰りと判断した場合は、図2
Cで示されるように、分離ローラ14は上方に移動して
キャップG1がG2となるよう大きくする。この分離ロ
ーラ14の駆動は、図1に示したソレノイド20により
行なわれる。すなわち、連詰り生じた場合、ソレノイド
20が作動し、そのプランジャ20aが引っ込むことに
より、アーム24は下方に移動し、該アーム24に連結
されたL字部材18が軸16を中心として反時計方向に
回動し、分離ローラ14は、図2Cで示されるように上
方に移動する。
【0018】図2Dにおいて、上述したように送りロー
ラ12と分離ローラ14との間のキャップがG2に拡大
したとき、媒体C1,C2は、送りローラ12により搬
送される。
【0019】図2Eにおいて、媒体C1の先頭がギャッ
プ部の中心より一定距離進んだところでソレノイド20
はオフされ、分離ローラ14は下降して通常のギャップ
G1となる。一定距離とは、媒体の種類によって長さが
異なるが、例えば5〜10mm程度である。この一定距
離は、媒体の搬送速度が決まっているため、分離ローラ
14が上方に移動してから一定時間経過後に分離ローラ
14が下降するように制御すればよい。
【0020】図2Fにおいては、上媒体C2は、分離ロ
ーラ14の逆回転により搬送方向とは逆に後退され、下
媒体C1は、送りローラ12の回転により媒体搬送方向
に送られる。従って重なり合った2枚の媒体C1,C2
は分離されて搬送される。
【0021】図3は、券詰りが生じた場合の自動的にジ
ャムを解消するためのソレノイド20を制御するための
ソレノイド制御器の一例のブロック図を示し、図4はそ
のタイミングチャートを示している。以下、図3および
図4に基づいてソレノイド20の制御動作について説明
する。
【0022】図3において、ソレノイド制御器30は、
ジャム判定手段32と、ソレノイド駆動手段34とを有
している。
【0023】ジャム判定手段32は、基準時間設定部3
6と、ジャム検出部38とを備えている。基準時間設定
部36は、例えばタイマーからなり、分離機構10に搬
送されてきた媒体C1,C2をフォトセンサPH1によ
り検出した検出信号に基づいて、一定時間ジャム検出部
38に出力する(図4の(a)参照)。
【0024】ジャム検出部38は、分離機構10の下流
に配置されているフォトセンサPH2の信号を入力して
いる。具体的には、ジャム検出部38は、基準時間設定
部36からの出力信号(一定時間)内にフォトセンサP
H2からの出力信号があるか否かによりジャムが発生し
たどうかを判断するようにしている。すなわち、フォト
センサPH1の媒体の検出信号から一定時間内にフォト
センサPH2の媒体の検出信号があると、ジャムが発生
していないとして、次の搬送系制御部(図示せず)に制
御信号Fsを出力する(図4の(a)参照)。
【0025】しかし、前記一定時間内にジャム検出部3
8はフォトセンサPH2からの信号を入力しないと、ジ
ャムが発生したと判断してソレノイド駆動手段34にジ
ャム信号Jsを出力する(図4の(b)参照)。
【0026】ソレノイド駆動手段34は、ソレノイド駆
動部40と、遅延部42と、ソレノイドオフ部44とを
備えている。ソレノイド駆動部40は、前記ジャム信号
Jsを入力して図1に示すソレノイド20を駆動する
(図4の(b)参照)。すなわち、前述したように分離
ローラ14を上昇させて、送りローラ12と分離ローラ
14との間で形成されているギャップを拡大して媒体C
1,C2を送りローラ12により搬送させる。
【0027】遅延部42は、ソレノイド20を作動させ
るためのジャム信号Jsを一定時間遅延させて遅延信号
Dsを出力する。すなわち、分離ローラ14が上昇する
と同時にジャムしていた媒体の先頭をギャップの中心よ
り一定距離進ませた後に、分離ローラ14を下降させる
必要があるためである。
【0028】ソレノイドオフ部44は、前記遅延部42
からの遅延信号Dsを入力して、ソレノイド20をOF
Fするためのソレノイドオフ信号Soffをソレノイド
駆動部40に出力する。このソレノイドオフ信号Sof
fによりソレノイド20はOFFされ、分離ローラ14
は下降する。この後は分離機構10により通常の分離作
用が行われ、下媒体C1と上媒体C2とは分離され、そ
れぞれ次の搬送系に搬送されるため、ソレノイドオフ信
号Soffはジャム検出部38からの制御出力信号Fs
に合流する。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の複数媒体の
分離機構は、先端が角折れ状態となった角折れ媒体によ
って、分離機構において該角折れ媒体がジャムしても、
これを検出し、分離ローラを上昇させて分離ローラと送
りローラとの間に形成される通常のギャップよりも拡張
することにより、角折れ媒体を分離機構から通過させ、
その後に複数の媒体を分離するようにしているため、角
折れ媒体により分離機構においてジャムが発生してもい
ちいち手作業でジャムした媒体を取り除く必要がなく、
自動改札機、自動精算機、カード発行機などにおいて、
スムーズな改札ないしは券処理が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離機構の構成を示した図である。
【図2A】図1示した分離機構の動作を示した概略図で
あって、先端部に角折れ部を有する複数枚の媒体が分離
機構に進入する直前の図である。
【図2B】角折れ部により分離機構に媒体が券詰りを起
こした状態を示した図である。
【図2C】分離機構の分離ローラが上昇してギャップが
拡張された状態を示した図である。
【図2D】ギャップが拡張された状態において、複数の
媒体が搬送される状態を示した図である。
【図2E】複数の媒体が一定距離だけ進んだ後に、分離
ローラが下降して通常のギャップになった状態を示した
図である。
【図2F】ジャムした媒体が分離機構から搬出され、分
離ローラにより複数枚の媒体が分離されている状態を示
した図である。
【図3】分離ローラの上昇・下降の動作を行うソレノイ
ドの一例の制御器を示したブロック図である。
【図4】図3に示したソレノイド制御器のタイミングチ
ャートを示し、(a)は媒体がジャムを起こしていない
場合のタイミングチャートを示し、(b)は媒体が分離
機構においてジャムを起こした場合のタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
10 分離機構 12 送りローラ 14 分離ローラ 16 軸 18 L字部材 20 ソレノイド 30 ソレノイド制御器 32 ジャム判定手段 34 ソレノイド駆動手段 36 基準時間設定部 38 ジャム検出部 40 ソレノイド駆動部 42 遅延部 44 ソレノイドオフ部 PH1 フォトセンサ PH2 フォトセンサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 7/06 B65H 3/52 330 G07B 5/02 G07B 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が角折れ状態となった角折れ部が
    形成された媒体を含む複数枚の媒体(C1,C2)と;前記媒
    体(C1,C2)を搬送方向に送るために搬送方向に回転する
    送りローラ(12)と;前記送りローラ(12)と通常は一定の
    ギャップ(G1)を介して該送りローラ(12)の上方に位置
    し、該送りローラ(12)と逆回転をする分離ローラ(14)
    と;前記角折れ媒体が前記送りローラ(12)と前記分離ロ
    ーラ(14)間に券詰りを生じた際に、前記分離ローラ(14)
    を上昇して前記ギャップ(G1)を拡張し、角折れ媒体が一
    定距離進んだ後に前記分離ローラ(14)を下降させるた
    め、前記分離ローラ(14)を駆動するための駆動機構と;
    を備えていることを特徴とする複数枚媒体の分離機構。
  2. 【請求項2】 前記駆動機構は、軸(16)を中心として揺
    動することにより、前記分離ローラ(14)を上昇・下降さ
    せるL字部材(18)と、該L字部材(18)の一片(18b)に連
    結されて該L字部材(18)を揺動するためのソレノイド(2
    0)とから構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の複数枚媒体の分離機構。
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