JP3457440B2 - アースアンカーを用いた躯体構築法 - Google Patents

アースアンカーを用いた躯体構築法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存の建物の建替
工事におけるアースアンカーを用いた躯体構築法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、建物の建替工事(リニューアル工
事)が増加し、更に大規模化している。また、景気の停
滞とともに、建築業界での価格競争も一段と厳しくなっ
ている。さて、従来のこの種の建替工事では、一般に、
地上部及び地下部の全てを解体した後に新築されてお
り、再利用したとしても、地下外壁の山留利用や既存基
礎杭の再使用に限られているため、地下躯体の面積の減
少、解体工事費の上昇、解体されたコンクリート等の廃
棄物の増大など、多くの問題点があった。
【0003】一方、傾斜地に構築される建物では、偏土
圧を受ける地下部分に生ずる応力を斜めアースアンカー
で低減させることが提案されている(特開平5-247935号
公報)。この場合、斜めアースアンカーは、地下階部分
に生ずる水平力、特に、地震力によって生ずる水平力の
低減に有効なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、地下階は、
壁も多く、旧耐震設計法の建物でも、地震力に対しては
余力もあり、地下躯体を適宜に残して再利用を図ること
が考えられる。このような地下躯体の再利用には、新築
地上部の柱が既存部の柱配置と適合すれば、構造的な問
題点は少ないが、一般的には、建築計画的に無理な点が
多い。例えば、地上躯体に中柱を配置できないような場
合には、基礎部や柱の応力分担が既存建物と新築時で大
幅に異なってくるため、再利用が困難となる。しかし、
長期応力の処理ができれば、再利用のための技術的な解
決策を立て得る可能性は高い。そこで、本発明は、中柱
を有する既存建物を解体して、中柱を有しない新築建物
に建替えする場合などに、アースアンカーを用いて既存
建物の地下や基礎部の応力状態を調整することにより、
地下躯体の再利用を可能にして、大幅なコストダウンと
工期短縮を図ろうとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、既存
の建物を解体して各種構造の建物を新築する建替工事に
おいて、既存建物の地下躯体を再利用し、該地下躯体の
基礎部の適所にアースアンカーを付設して、該アースア
ンカーの軸方向力で地下や基礎部各所の応力分担を建替
前の状態に近づけることを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、各階に中柱を有する地
下階と地上階とから成る既存の建物を解体して中柱を有
しない建物を新築する建替工事において、不要の中柱を
撤去して既存建物の地下躯体を再利用に供し、該地下躯
体の基礎部に、撤去した中柱の位置に対応させてアース
アンカーを付設し、該アースアンカーの軸方向力で地下
や基礎部各所の応力分担を建替前の状態に近づけること
を特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、各階に中柱を有する地
下階と地上階とから成る既存の建物を解体して中柱を有
しない建物を新築する建替工事において、既存建物の地
下躯体の基礎部に、撤去予定の中柱の位置に対応させて
アースアンカーを配備させ、地上躯体を解体撤去し、地
下階の不要の中柱を撤去して地下躯体を残し、地下躯体
の上に中柱のない地上躯体を新築し、該新築工事の施工
中から完了時までに前記各アースアンカーに軸方向力の
導入・調整を行って地下や基礎部各所の応力分担を建替
前の状態に近づけることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図面は、請求項1乃至請求項3の
発明に係るアースアンカーを用いた躯体構築法の実施の
形態を示している。図1乃至図5は、下記(1) 乃至 (6)
の施工の手順であり、以下、これを順次に説明する。な
お、図中、Aは、建物の縦断側面を示し、Bは、同地下
躯体の地下一階部の横断平面を示し、B′は、同地下躯
体の地下二階部の横断平面を示している。また、以下の
説明では、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物を対象として
いるが、鉄筋コンクリート造その他の建物であってもよ
い。
【0009】(1) 既存建物(図1) 図1は、建替えるべき鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建
物を示している。この既存建物は、地下階が2階の地下
躯体1の上に地上階が5階の地上躯体2を築造したもの
であり、各階には、外周壁11,21 に10本の柱(外柱)
12,22 を配設し、また、それぞれの中間部に2本の中柱
13,23 を配設している。なお、地下階、地上階は、上述
の階数に限るものではなく、地下階がない場合でも適用
可能である。(以下同じ)。この場合、既存建物の基礎
部すなわち基礎梁14には、地反力分布b1 が生じ、中柱
13,23 の部分で負となる長期曲げモーメントa1 が加わ
る。なお、上記基礎部は、独立基礎でも連続基礎でもよ
く、上記基礎梁14の他、フーチング、マットスラブ等適
宜である(以下同じ)。
【0010】(2) アンカーセット(図2) 地下二階部の各中柱13の両脇で基礎梁14に鉛直方向にア
ースアンカー15をセットする。このアースアンカー15
は、既存のものでよいが、例えば、下端に固定支圧板及
び耐荷体を有し、上端に可動支圧板及び定着くさびを備
えたシース入りアンボンドPC鋼より線を用いる。この
場合、基礎梁14から支持地盤にかけて鉛直な掘削孔を削
孔し、該掘削孔内に注入材を充填し、その直後に当該ア
ースアンカーを挿入して、シース、固定支圧板及び耐荷
体を掘削孔内に定着させる。ただし、ここでは上端の可
動支圧板はフリーの状態におくが、基礎梁14との取り合
いについては、基礎梁又はスラブ上に突出させる状態に
しても、或いは、凹没させる状態にしてもよく、また、
最終的には埋込み状態にしてもよい。
【0011】(3) 解体(図2) 建築計画に基づき、上記既存建物の地上躯体2全体を解
体撤去し、かつ、地下一階部の各中柱13を除去するとと
もに、各壁付き柱12の内側を一部切除して、地下外周壁
11を含む地下躯体1の大半を残す。また、この既存建物
の解体撤去を行いながら、上記アンカー15に張力の一部
を導入し、基礎部等の応力を調整する。
【0012】(4) 新築工事(図3) 地下の一部と地上では、既存地下躯体の上に地上5階で
中柱のない地上躯体3を新築する。
【0013】(5) 新築工事完了(図4) 上記地上躯体3の新築工事を完了する。この時点では、
アンカーを用いないと中柱13,23 の部分で最小となる地
反力分布b2 が生じ、基礎梁14には、全体的に正で中柱
13,23 の周辺が最大となる長期曲げモーメントa2 が加
わる。
【0014】(6) アンカー軸方向力導入・調整(図5) 図4の基礎部の応力にならないようにセットした各アー
スアンカー15に軸方向力を導入するとともに、基礎梁14
における長期曲げモーメントa3 が解体前の既存建物の
長期曲げモーメントa1 に近い状態になるよう調整し、
結果として、地反力分布b3 についても解体前の既存建
物の地反力分布b1 と同様にする。つまり、上記アンボ
ンドPC鋼より線では、上端に外部テンションを加え、
該外部テンションを基礎梁14における所要の長期曲げモ
ーメントに対応する適値に調整した後、基礎梁14へとア
ースアンカー15の軸方向力を伝え、基礎梁14に所要の長
期曲げモーメントを生じさせるのである。
【0015】
【発明の効果】請求項1、請求項2及び請求項3の発明
によれば、既存建物の地下躯体を再利用して所要建物を
建替し、その地下躯体の基礎梁の適所にアースアンカー
を付設することで、該アースアンカーの軸方向力により
基礎梁各所の応力分担を建替前の状態に近づけるので、
新築部の柱配置が既存部の柱配置と異なる状況であって
も、地下躯体を建替前の建物と同様の長期応力状態で支
障なく活用できる。したがって、 解体工事を大幅に減少できる。 解体撤去期間を大幅に短縮できる。 解体廃材を大幅に減少できる。 解体撤去費用を大幅に減少できる。 新築工事の工期を大幅に短縮できる。 土工事がなく、安全に施工できる。 新築工事の躯体工事費を大幅に減少できる。 総じて、延べ面積2400平方メートル程度の鉄骨
鉄筋コンクリート造建物で総工費を15〜20パーセン
ト程度低減できる。
【0016】加えて、請求項2及び請求項3の発明によ
れば、各階に中柱を有する既存建物から中柱を有しない
新築建物に建替えする場合、不要の中柱を撤去して既存
建物の地下躯体を再利用に供し、該地下躯体の基礎部
に、撤去した中柱の位置に対応させてアースアンカーを
付設しているので、新築建物に中柱がなくても、該アー
スアンカーにおける軸方向力の導入・調整で地下や基礎
部各所の長期応力の分担を建替前の状態に簡単に近づけ
ることができて、既存建物の地下躯体を支障なく再利用
することができる。
【0017】更に、請求項3の発明によれば、新築工事
の施工中から完了時までに各アースアンカーに軸方向力
の導入・調整を行なうなど、特定の手順としているの
で、手戻り作業を生ずることが少なく、作業を手順よく
スムーズにかつ的確に遂行でき、作業性、品質、安全
性、経済性等を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1乃至請求項3の発明のアースアンカ
ーを用いた躯体構築法に係る実施の形態を示す手順(1)
の説明図である。
【図2】 同手順(2) (3) の説明図である。
【図3】 同手順(4) の説明図である。
【図4】 同手順(5) の説明図である。
【図5】 同手順(6) の説明図である。
【符号の説明】
1…地下躯体 2…地上躯体 3…地上躯体 11,21 …外周壁 12,22 …柱 13,23 …中柱 14…基礎梁 15…アースアンカー a1,a2,a3 …長期曲げモーメント b1,b2,b3 …地反力分布

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存の建物を解体して各種構造の建物を
    新築する建替工事において、既存建物の地下躯体を再利
    用し、該地下躯体の基礎部の適所にアースアンカーを付
    設して、該アースアンカーの軸方向力で地下や基礎部各
    所の応力分担を建替前の状態に近づけることを特徴とす
    るアースアンカーを用いた躯体構築法。
  2. 【請求項2】 各階に中柱を有する地下階と地上階とか
    ら成る既存の建物を解体して中柱を有しない建物を新築
    する建替工事において、不要の中柱を撤去して既存建物
    の地下躯体を再利用に供し、該地下躯体の基礎部に、撤
    去した中柱の位置に対応させてアースアンカーを付設
    し、該アースアンカーの軸方向力で地下や基礎部各所の
    応力分担を建替前の状態に近づけることを特徴とするア
    ースアンカーを用いた躯体構築法。
  3. 【請求項3】 各階に中柱を有する地下階と地上階とか
    ら成る既存の建物を解体して中柱を有しない建物を新築
    する建替工事において、既存建物の地下躯体の基礎部
    に、撤去予定の中柱の位置に対応させてアースアンカー
    を配備させ、地上躯体を解体撤去し、地下階の不要の中
    柱を撤去して地下躯体を残し、地下躯体の上に中柱のな
    い地上躯体を新築し、該新築工事の施工中から完了時ま
    でに前記各アースアンカーに軸方向力の導入・調整を行
    って地下や基礎部各所の応力分担を建替前の状態に近づ
    けることを特徴とするアースアンカーを用いた躯体構築
    法。
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