JP3457372B2 - 絞り機能付きレンズとその製造方法 - Google Patents

絞り機能付きレンズとその製造方法

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JP3457372B2
JP3457372B2 JP35274893A JP35274893A JP3457372B2 JP 3457372 B2 JP3457372 B2 JP 3457372B2 JP 35274893 A JP35274893 A JP 35274893A JP 35274893 A JP35274893 A JP 35274893A JP 3457372 B2 JP3457372 B2 JP 3457372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レンズ自体が受光量
の変化に応じて透過光量を調節することのできる絞り機
能をもった絞り機能付きレンズとその製造方法に関す
る。この発明は、カメラ用レンズに主として利用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】カメラ、ビデオカメラなどの光学機器
は、被写体の明るさに応じて受光量を調節する絞り機構
を有する。被写体の明るさに応じて適当な絞り値を決め
るのは撮影者の熟練を要するため、通常、自動露出調整
装置(AE装置)がカメラに組み込まれている。AE装
置は、被写体の明るさを感知するセンサー部、感知した
明るさに応じて絞り量を計算する指令部、その結果にし
たがって絞りを動かす作動部から構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カメラを、軽量化、小
型化、低価格化するには、AE装置の部品の点数、スペ
ース、コストの削減をする必要がある。
【0004】しかし、AE装置は、センサー部・指令部
・作動部から構成されるものであるため、部品の点数を
少なくすることや、各部品の小型化を図るには限度があ
った。
【0005】そこで、この発明は、従来のAE装置とは
まったく異なる原理による絞り機能付きレンズとその製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、レンズ自身
に絞り機能をもたせることにより、上記のような問題を
解決した。
【0007】すなわち、この発明は、以上の目的を達成
するために、絞り機能付きレンズを、レンズ表面上に紫
外線変色層を一構成層とする印刷膜が設けられ、紫外線
変色層の発色時の濃度がレンズ周辺部に近づくにつれて
高くなるように構成した。
【0008】また、この発明は、上記の絞り機能付きレ
ンズにおいて、紫外線変色層が、レンズ周辺部に近づく
につれて紫外線変色物質の含有率が高くなるものである
ように構成してもよい。
【0009】また、この発明は、上記の絞り機能付きレ
ンズにおいて、紫外線変色層が、レンズ周辺部に近づく
につれて膜厚が大きくなるものであるように構成しても
よい。
【0010】また、この発明は、上記の絞り機能付きレ
ンズにおいて、紫外線変色層が、レンズ周辺部に近づく
につれて網点の面積率が高くなるものであるように構成
してもよい。
【0011】また、この発明は、以上の目的を達成する
ために、絞り機能付きレンズの製造方法を、基体シート
上に発色時の濃度がレンズ周辺部に近づくにつれて高く
なる紫外線変色層を少なくとも一構成層とする転写層が
設けられた転写シートをレンズに重ね合わせ、転写シー
トの基体シート側から加熱加圧した後、転写シートの基
体シートを剥離するように構成した。
【0012】また、この発明は、絞り機能付きレンズの
製造方法を、基体シート上に発色時の濃度がレンズ周辺
部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくとも
一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレンズ
形状の内壁を有する雌型上に配置し、転写シートの基体
シート側を雌型の形状に沿わせた後、転写シート上にレ
ンズ材料を注入してレンズ材料を重合させながら雌型を
回転してレンズ材料を雌型の形状に沿って均一に薄く伸
ばして成形し、雌型から成形物を取り出し、転写シート
の基体シートを剥離するように構成した。
【0013】また、この発明は、絞り機能付きレンズの
製造方法を、基体シート上に発色時の濃度がレンズ周辺
部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくとも
一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレンズ
形状の内壁を有する雌型と雄型とからなる一対の金型間
に配置し、転写シートの基体シート側を雌型の形状に沿
わせた後、金型間にレンズ材料を注入してレンズ材料を
重合させ、型開きをして成形物を取り出し、転写シート
の基体シートを剥離するように構成した。
【0014】また、この発明は、絞り機能付きレンズの
製造方法を、基体シート上に発色時の濃度がレンズ周辺
部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくとも
一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレンズ
形状の内壁を有するとともにレンズのエッジに対応する
部分に射出口を有する雌型と雄型とからなる一対の金型
間に配置し、転写シートの基体シート側を雌型側に向け
て配置して、型閉め後、レンズ材料を射出口より金型内
に射出し、型開きをして成形物を取り出し、転写シート
の基体シートを剥離するように構成した。
【0015】図面を参照しながらこの発明をさらに詳し
く説明する。
【0016】図1〜図2は、この発明の絞り機能付きレ
ンズの一実施例を示す模式的な断面図である。図3〜図
5は、この発明の絞り機能付きレンズの一実施例の一部
分を示す模式的な断面図である。図6は、この発明の絞
り機能付きレンズの製造方法に用いる転写シートを示す
断面図である。図7は、この発明の絞り機能付きレンズ
の製造方法の一実施例を示す断面図である。図8は、こ
の発明の絞り機能付きレンズの一実施例を示す斜視図で
ある。図9〜図11は、この発明の絞り機能付きレンズ
の製造方法の一実施例を示す断面図である。図12は、
転写シートを金型に沿わせる工程の他の実施例を示す断
面図である。
【0017】1は転写シート、2は基体シート、3は紫
外線変色層、4は転写層、5は雌型、6は雄型、7はレ
ンズ材料、8は添加物、9は絞り機能付きレンズ、10
は真空吸引口、11は射出口、12はピン、13は凹
部、14は剥離層、15は接着層、16は熱転写用パッ
ド、18は離型層、19は成形物である。
【0018】この発明の絞り機能付きレンズ9は、レン
ズ表面上に紫外線変色層3を一構成層とする印刷膜を設
け、紫外線変色層3の発色時の濃度がレンズ周辺部に近
づくにつれて高くなるように構成したものである(図1
参照)。
【0019】紫外線変色層3を一構成層とする印刷膜の
形成方法としては、紫外線変色材をバインダーに溶解ま
たは分散させて混和した紫外線変色インキを使用し、レ
ンズ基材表面に印刷法により形成するとよい。印刷法と
しては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビ
ア印刷法などがある。
【0020】紫外線変色物質としては、スピロピラン系
化合物、ジヒドロインドリジン系化合物、フルギド系化
合物、テトロベンゾペロピレン誘導体、ジヒドリピレン
系化合物、チオインジゴ系化合物、アントラセノファン
誘導体、ビオローゲン系化合物、ジフェニルチオカルバ
ゾン金属化合物などの有機系フォトクロミック材料があ
る。また、ハロゲン化銀などの無機系フォトクロミック
材料を用いることもできる。
【0021】バインダーとしては、塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、熱可塑ウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、熱可塑アクリル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ポ
リエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、メタ
アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂などの熱可
塑性樹脂を用いることができる。また、メラミン系樹
脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化アクリル
系樹脂、熱硬化ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂を用
いることができる。また、酸化硅素などの無機バインダ
ーを用いることができる。通常、ガラスまたはポリメチ
ルメタクリレート系樹脂をレンズとして用いることを考
慮し、印刷膜がレンズに強固に密着すること、印刷膜が
透明性・耐磨耗性・硬度・耐久性を有することが必要な
ため、これらのバインダーの中でも、アクリル系樹脂を
用いるのがもっとも好ましい。
【0022】紫外線変色層3は、発色時の濃度がレンズ
周辺部に近づくにつれて高くなるように構成する。つま
り、紫外線変色層3は、レンズ中央部の発色時の濃度を
低くし、レンズ周辺部に近づくにつれて発色時の濃度が
高くなるようにする。発色時の濃度は、段階的に変化さ
せても、無段階的に変化させてもよい。発色時の濃度が
変化するように紫外線変色層3を設けるには、レンズ周
辺部に近づくにつれて紫外線変色物質の含有率が高くな
るように構成する場合がある(図3参照)。また、レン
ズ周辺部に近づくにつれて膜厚が大きくなるように構成
する場合がある(図4参照)。紫外線変色層3の膜厚
は、印刷版のメッシュ数と印刷条件を調節することによ
り変化させることができる。また、レンズ周辺部に近づ
くにつれて網点の面積率が高くなるように構成する場合
がある(図5参照)。紫外線変色層3パターンの網点の
面積率は、印刷版のパターンを調節することにより変化
させることができる。
【0023】なお、耐久性をさらに向上させるために、
紫外線変色層3の上に、酸化チタンやコロイダルシリカ
などの無機物によって、絞り機能付きレンズ9の表面を
被覆してもよい。
【0024】また、この発明の絞り機能付きレンズ9の
紫外線変色層3を形成する方法として、転写シート1を
用いる転写法がある。次に、転写法について説明する。
【0025】まず、転写シート1を用意する。
【0026】転写シート1は、基体シート2上に、少な
くとも紫外線変色層3を一構成層とする転写層4を設け
たものである(図6参照)。
【0027】基体シート2は、転写層4を支持し、転写
後には絞り機能付きレンズ9より剥離除去するものであ
る。基体シート2の材質としては、ポリエステル系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの加工の
しやすいプラスチックフィルムが好ましい。また、合成
紙、パール紙などを用いることもできる。
【0028】また、基体シート2に剥離性を付与するた
めに、転写後に基体シート2とともに剥離する離型層1
8を、基体シート2上に形成してもよい。離型層18の
材質としては、メラミン系樹脂、シリコン系樹脂、フッ
素系樹脂、セルロース系樹脂、ウレア系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、パラフィン系樹脂などを用いることができ
る。また、転写層4の一構成層として、転写後に基体シ
ート2から剥離し、絞り機能付きレンズ9側に残る剥離
層14を基体シート2上に形成してもよい。剥離層14
の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アルキッド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体系樹脂などの樹脂を用いることができる。離型層18
と剥離層14の形成方法としては、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法などの印刷方法や、ロールコート法、ス
プレーコート法などのコート法がある。
【0029】紫外線変色層3は、インキバインダー中に
紫外線変色物質を含有させたものであり、インキバイン
ダーと紫外線変色物質の比率と印刷膜厚によって色濃度
を設定することができる。紫外線変色物質としては、先
に説明した紫外線変色インキの場合と同様のものを用い
ることができる。インキバインダーの材質としては、先
に説明した紫外線変色インキの場合と同様のものを用い
ることができる。紫外線変色層3の形成方法としては、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷
法、フレキソ印刷法などがある。
【0030】また、接着層15を、転写層4の一構成層
として紫外線変色層3上に形成し、絞り機能付きレンズ
9に対する接着性を向上させてもよい。接着層15の材
質としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル系
樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニ
ル系樹脂などを用いることができる。接着層15の形成
方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など
の印刷方法や、ロールコート法、スプレーコート法など
のコート法がある。
【0031】また、紫外線変色物質保護層を、転写層4
の一構成層として基体シート2と紫外線変色層3との間
に形成してもよい(図示せず)。紫外線変色物質保護層
は、絞り機能付きレンズ9を洗浄などした際に、紫外線
変色層3中の紫外線変色物質が、直接に、あるいは剥離
層14を通って絞り機能付きレンズ9外に溶出していく
のを防ぐものである。また、紫外線変色物質保護層は、
紫外線変色層3が傷つくのを防ぐ作用もある。紫外線変
色物質保護層の材質としては、ポリメチルメタクリレー
ト系樹脂、ポリヒドロキシエチルメタクリレート系樹
脂、ポリビニルピロドリン系樹脂、シリコン共重合体系
樹脂などのレンズ材料と同じものを用いるとよい。紫外
線変色物質保護層の形成方法としては、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、ロールコート
法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0032】以上のような構成の転写シート1を用い
て、絞り機能付きレンズ9を得ることができる。
【0033】転写シート1を、200〜250℃の温度に設定
した熱転写用パッド16の下部に配置し(図7参照)、
転写層4の背面から押圧して、転写シート1の転写層4
とレンズ9の表面形状に沿わせ数秒間保持する。その
後、基体シート2をレンズ9から剥離して絞り機能付き
レンズ9を得る(図8参照)。
【0034】また、次に示す1〜3の方法で絞り機能付
きレンズ9の成形と同時に、絞り機能付きレンズ9表面
に紫外線変色層3の形成を行なうことができる。
【0035】1.転写シート1を、レンズ形状の内壁を
有する雌型5上に配置する(図9a参照)。次に、真空
吸引口10から空気を吸引して転写シート1の基体シー
ト2側を雌型5の形状に沿わせる(図9b参照)。この
場合、必要があれば、転写シート1に熱をかけながら行
う。
【0036】次に、転写シート1上にレンズ材料7を注
入し(図9c参照)、レンズ材料7を重合させるととも
に、雌型5を、その中心を通る垂直線を軸にして回転さ
せることにより雌型5の形状に沿って均一に薄く伸ば
す。このとき、重合を助けるために触媒や硬化剤などの
添加物8をレンズ材料7の注入前または注入後に加えて
もよい。また、加熱をせずに添加物8の作用のみでレン
ズ材料7を重合させてもよい。レンズ材料7としては、
ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレート系樹脂、ポリビニルピロドリン系樹
脂、シリコン共重合体系樹脂などを用いることができ
る。
【0037】重合が完了して成形物19が成形された
(図9d参照)後に、転写シート1の基体シート2を成
形物19から剥離し、絞り機能付きレンズ9を得る(図
9e参照)。なお、金型を設計する際に、転写シート1
の基体シート2の厚みを考慮し、絞り機能付きレンズ9
のカーブに基材シート2の厚みが影響しないようにする
必要がある。
【0038】2.転写シート1を、レンズ形状の内壁を
有する雌型5と雄型6とからなる一対の金型間に配置す
る(図10a参照)。次に、1の方法と同様にして転写
シート1を雌型5の形状に沿わせる(図10b参照)。
【0039】次に、金型間にレンズ材料7を注入し(図
10c参照)、型閉め後にレンズ材料7の加熱を行なう
ことにより金型内でレンズ材料7を重合させる(図10
d参照)。このとき、重合を助けるために触媒や硬化剤
などの添加物8をレンズ材料7の注入前または注入後に
加えてもよい。また、加熱をせずに添加物8の作用のみ
でレンズ材料7を重合させてもよい。なお、添加物8の
添加はレンズ材料7の注入前または注入後に行うが、成
形前に重合が完了しないように注意する必要がある。
【0040】重合が完了して成形物19が成形された後
に、転写シート1の基体シート2を成形物19より剥離
し、絞り機能付きレンズ9を得る(図10e参照)。
【0041】3.転写シート1を、レンズ形状の内壁を
有しレンズのエッジに対応する部分に射出口11を有す
る雌型5と雄型6とからなる一対の金型間に配置する
(図11a参照)。次に、1の方法と同様にして転写シ
ート1を雌型5の形状に沿わせる。型閉め後(図11b
参照)、レンズ材料7を射出口11より金型内に射出し
て成形する(図11c参照)。次に、金型を開き、成形
物19から転写シート1の基体シート2を剥離し、絞り
機能付きレンズ9を得る(図11d参照)。
【0042】なお、上記1〜3の方法の転写シート1を
金型に沿わせる工程において、図9〜図11に示したよ
うに熱を加えながら基体シート2側より真空吸引口10
を通して空気を吸引して沿わせる方法以外に、熱を加え
ながら金型と合致する形状をしたピン12で転写シート
1を押し込んで金型に沿わせる方法もある(図12参
照)。また、吸引する方法とピンを押圧する方法を併用
してもよい。
【0043】上記の方法で得た絞り機能付きレンズ9
は、絞り機能付きレンズ9上に凹部13が設けられ、凹
部13内に転写層4が設けられ、転写層4の表面と絞り
機能付きレンズ9表面とが段差なく、同一面になる。
【0044】
【作用】この発明の絞り機能付きレンズとその製造方法
は、上記のように構成したので、次の作用を有する。
【0045】この発明の絞り機能付きレンズは、レンズ
表面に設けた紫外線変色層を、レンズ周辺部に近づくに
つれて発色時の濃度が高くように構成しているので、紫
外線の量が多くなると、絞り機能付きレンズ周辺部から
紫外線変色層が発色し、発色した部分が絞りの役割を果
たして、光を遮断する(図1参照)。紫外線の量が減少
してくると、絞り機能付きレンズ中央部分から発色濃度
が減少し(消色)、光が多く入ってくるようになる(図
2参照)。
【0046】また、この発明の絞り機能付きレンズの製
造方法は、転写シートをレンズまたはレンズ材料に密着
させた後、基体シートを剥離するように構成したので、
任意の場所に紫外線変色層が形成される。
【0047】
【実施例】厚さ25μmのポリエステルフィルムに、シリ
コン系インキをロールコートし、150℃で約30分乾燥さ
せ離型層を形成した。
【0048】次に、アクリル系インキをロールコート
し、剥離層を形成した。
【0049】次に、下記に示す組成1の紫外線変色性イ
ンキを用い、内径4mm外径6mmのドーナツ型の印刷パター
ンをスクリーン印刷法で印刷して第1紫外線変色層を形
成した。
【0050】次に、下記に示す組成2の紫外線変色性イ
ンキを用い、内径6mm外径8mmのドーナツ型の印刷パター
ンをスクリーン印刷法で印刷して第2紫外線変色層を形
成した。
【0051】次に、下記に示す組成3の紫外線変色性イ
ンキを用い、内径8mm外径10mmのドーナツ型の印刷パタ
ーンをスクリーン印刷法で印刷して第3紫外線変色層を
形成した。
【0052】次に、下記に示す組成4のアクリル系イン
キを用い、スクリーン印刷法で印刷して接着層を形成し
た。
【0053】最後に、150℃で約5分乾燥し、転写シート
を得た。
【0054】 組成1(第1紫外線変色性インキ) バインダー セイコーアドバンス株式会社製700 60重量% 希釈溶剤 エチルカルビトールアセテート 15重量% 紫外線変色物質 記録素材総合研究所株式会社製サニーカラー粉 25重量%
【0055】 組成2(第2紫外線変色性インキ) バインダー セイコーアドバンス株式会社製700 48重量% 希釈溶剤 エチルカルビトールアセテート 12重量% 紫外線変色物質 記録素材総合研究所株式会社製サニーカラー粉 40重量%
【0056】 組成3(第3紫外線変色性インキ) バインダー セイコーアドバンス株式会社製700 42重量% 希釈溶剤 エチルカルビトールアセテート 10重量% 紫外線変色物質 記録素材総合研究所株式会社製サニーカラー粉 48重量%
【0057】 組成4(接着インキ) バインダー 三菱レイヨン株式会社製BR−80 80重量% 希釈溶剤 エチルカルビトールアセテート 20重量%
【0058】このようにして得た転写シートを使用し
て、ポリメチルメタクリレート製のレンズ表面に載置
し、ロール転写機により押圧し、転写シートを剥離して
絞り機能付きレンズを得た。
【0059】製造した絞り機能付きレンズを評価したと
ころ、次のような結果を得た。
【0060】1.紫外線照射強度2.0mV/cm2のとき、透過
後の平均紫外線強度0.52mV/cm2 第1紫外線変色性層 90%発色 第2紫外線変色性層 100%発色 第3紫外線変色性層 100%発色
【0061】2.紫外線照射強度1.0mV/cm2のとき、透過
後の平均紫外線強度0.45mV/cm2 第1紫外線変色性層 発色せず 第2紫外線変色性層 20%発色 第3紫外線変色性層 100%発色
【0062】3.紫外線照射強度0.5mV/cm2のとき、透過
後の平均紫外線強度0.43mV/cm2 第1紫外線変色性層 発色せず 第2紫外線変色性層 発色せず 第3紫外線変色性層 5%発色
【0063】紫外線照射強度0.5〜2.0mV/cm2のとき、
透過後の平均紫外線強度がほぼ一定になった。
【0064】
【発明の効果】この発明の絞り機能付きレンズとその製
造方法は、以上のような構成および作用からなるので、
次の効果を有する。
【0065】この発明の絞り機能付きレンズは、レンズ
表面に設けた紫外線変色層が絞り機能を有しているの
で、AE装置が不要となり、光学機器の軽量化、小型
化、低価格化が可能になる。
【0066】また、この発明の絞り機能付きレンズの製
造方法は、レンズまたはレンズ材料の任意の場所に紫外
線変色層を形成することができるので、容易に絞り機能
付きレンズを得ることができる。また、転写シートを替
えるだけで多種多様の紫外線変色層を設けることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の絞り機能付きレンズの一実施例を示
す模式的な断面図である。
【図2】この発明の絞り機能付きレンズの一実施例を示
す模式的な断面図である。
【図3】この発明の絞り機能付きレンズの一実施例の一
部分を示す模式的な断面図である。
【図4】この発明の絞り機能付きレンズの一実施例の一
部分を示す模式的な断面図である。
【図5】この発明の絞り機能付きレンズの一実施例の一
部分を示す模式的な断面図である。
【図6】この発明の絞り機能付きレンズの製造方法に用
いる転写シートを示す断面図である。
【図7】この発明の絞り機能付きレンズの製造方法の一
実施例を示す断面図である。
【図8】この発明の絞り機能付きレンズの一実施例を示
す斜視図である。
【図9】この発明の絞り機能付きレンズの製造方法の一
実施例を示す断面図である。
【図10】この発明の絞り機能付きレンズの製造方法の
一実施例を示す断面図である。
【図11】この発明の絞り機能付きレンズの製造方法の
一実施例を示す断面図である。
【図12】転写シートを金型に沿わせる工程の実施例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 転写シート 2 基体シート 3 紫外線変色層 4 転写層 5 雌型 6 雄型 7 レンズ材料 8 添加物 9 絞り機能付きレンズ 10 真空吸引口 11 射出口 12 ピン 13 凹部 14 剥離層 15 接着層 16 熱転写用パッド 18 離型層 19 成形物

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ表面上に紫外線変色層を一構成層
    とする印刷膜が設けられ、紫外線変色層の発色時の濃度
    がレンズ周辺部に近づくにつれて高くなることを特徴と
    する絞り機能付きレンズ。
  2. 【請求項2】 紫外線変色層が、レンズ周辺部に近づく
    につれて紫外線変色物質の含有率が高くなるものである
    請求項1記載の絞り機能付きレンズ。
  3. 【請求項3】 紫外線変色層が、レンズ周辺部に近づく
    につれて膜厚が大きくなるものである請求項1記載の絞
    り機能付きレンズ。
  4. 【請求項4】 紫外線変色層が、レンズ周辺部に近づく
    につれて網点の面積率が高くなるものである請求項1記
    載の絞り機能付きレンズ。
  5. 【請求項5】 基体シート上に発色時の濃度がレンズ周
    辺部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくと
    も一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレン
    ズに重ね合わせ、転写シートの基体シート側から加熱加
    圧した後、転写シートの基体シートを剥離することを特
    徴とする絞り機能付きレンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 基体シート上に発色時の濃度がレンズ周
    辺部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくと
    も一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレン
    ズ形状の内壁を有する雌型上に配置し、転写シートの基
    体シート側を雌型の形状に沿わせた後、転写シート上に
    レンズ材料を注入してレンズ材料を重合させながら雌型
    を回転してレンズ材料を雌型の形状に沿って均一に薄く
    伸ばして成形し、雌型から成形物を取り出し、転写シー
    トの基体シートを剥離することを特徴とする絞り機能付
    きレンズの製造方法。
  7. 【請求項7】 基体シート上に発色時の濃度がレンズ周
    辺部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくと
    も一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレン
    ズ形状の内壁を有する雌型と雄型とからなる一対の金型
    間に配置し、転写シートの基体シート側を雌型の形状に
    沿わせた後、金型間にレンズ材料を注入してレンズ材料
    を重合させ、型開きをして成形物を取り出し、転写シー
    トの基体シートを剥離することを特徴とする絞り機能付
    きレンズの製造方法。
  8. 【請求項8】 基体シート上に発色時の濃度がレンズ周
    辺部に近づくにつれて高くなる紫外線変色層を少なくと
    も一構成層とする転写層が設けられた転写シートをレン
    ズ形状の内壁を有するとともにレンズのエッジに対応す
    る部分に射出口を有する雌型と雄型とからなる一対の金
    型間に配置し、転写シートの基体シート側を雌型側に向
    けて配置して、型閉め後、レンズ材料を射出口より金型
    内に射出し、型開きをして成形物を取り出し、転写シー
    トの基体シートを剥離することを特徴とする絞り機能付
    きレンズの製造方法。
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