JP3457192B2 - 冷間鍛造性に優れた中高炭素鋼 - Google Patents

冷間鍛造性に優れた中高炭素鋼

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JP3457192B2 JP31737498A JP31737498A JP3457192B2 JP 3457192 B2 JP3457192 B2 JP 3457192B2 JP 31737498 A JP31737498 A JP 31737498A JP 31737498 A JP31737498 A JP 31737498A JP 3457192 B2 JP3457192 B2 JP 3457192B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷間鍛造性に優れ
た中高炭素鋼に関し、特には、オーステナイト域での熱
間圧延の後、調質処理されることなく冷間鍛造を受けて
ボルト等の用途に使用される中高炭素鋼、或いは、オー
ステナイト域での熱間圧延の後、伸線加工を受け、その
後冷間鍛造を受けてボルト等の用途に使用される中高炭
素鋼に関する技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】冷間鍛造が施される中高炭素鋼において
は、要求される加工性を満足させるために冷間鍛造前に
球状化焼鈍・軟質化焼鈍が行われていた。かかる球状化
焼鈍・軟質化焼鈍を行うと、工程が増え、コストアップ
要因となる。このため、近年では、球状化焼鈍・軟質化
焼鈍という調質処理を省略した状態(即ち、非調質の状
態)で加工性を向上させるために、低炭素化、固溶強化
元素であるSi,Mnの含有量の低減、粒界脆化元素である
Pの含有量の低減等が行われてきている。 【0003】しかしながら、低炭素化すると、鋼材の強
度維持のために、別途特殊な合金成分、例えばMo等を添
加する必要があった。このような特殊な合金成分の添加
は環境負荷低減の観点からして好ましくなく、最近の環
境負荷低減の要求の高まりから、ボルト用鋼等において
も特殊な合金元素の添加量は極力減らすことが望まれて
いる。 【0004】このように、要求される加工性を満足する
と共に、強度確保のための特殊な合金成分の添加量を極
力減らし得る非調質中高炭素鋼の開発が望まれていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に着目してなされたものであって、特殊な合金成分
の添加によるのではなく、鋼の組織制御によって、非調
質の状態でも冷間鍛造性に優れ、且つ、強度確保が可能
な中高炭素鋼を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、特殊な合金成
分の添加によるのではなく、鋼の組織制御によって、非
調質の状態でも冷間鍛造性に優れ、且つ、高強度を有す
る中高炭素鋼を得ることができることを見出した。 【0007】本発明は、かかる研究結果に基づき完成さ
れたものであり、次のような構成の中高炭素鋼としてい
る。即ち、本発明に係る中高炭素鋼は、C:0.40〜1.0
質量%を含み、且つ、下記式で求められるCeqが0.6
〜1.2 %であると共に、主要組織がパーライト及び/又
は擬似パーライトからなり、フェライト,ベイナイト,
マルテンサイト,初析セメンタイトの1種以上からなる
第2相の体積率が7%以下であって、旧オーステナイト
粒に析出した初析フェライトの大きさが4μm以下であ
り、前記パーライトのノジュール径が4.0 〜20μm 、前
記パーライトのラメラ間隔が120nm 以下であることを特
徴とする冷間鍛造性に優れた中高炭素鋼である。 【0008】 Ceq=C量+Si量/24+Mn量/6+(Cr量+Mo量)/5 +Ni量/40+(Ti量+Nb量+V量)/5+5×B量 -----式 【0009】但し、上記式においてC量,Si量,Mn
量,Cr量,Mo量,Ni量,Ti量,Nb量,V量およびB量
は、全て質量%での値である。 【0010】前記パーライトのノジュール径でのパーラ
イトには、パーライトのみならず、擬似パーライトも含
まれる。即ち、前記パーライトのノジュール径とは、主
要組織(パーライト及び/又は擬似パーライト)のノジ
ュール径のことであり、例えば主要組織が擬似パーライ
トからなる場合は、この擬似パーライトのノジュール径
のことである。 【0011】前記パーライトのラメラ間隔でのパーライ
トには、パーライトのみならず、擬似パーライトも含ま
れる。即ち、前記パーライトのラメラ間隔とは、主要組
織(パーライト及び/又は擬似パーライト)のラメラ間
隔のことであり、例えば主要組織がパーライト及び擬似
パーライトからなる場合は、このパーライト及び擬似パ
ーライトのラメラ間隔のことである。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明は、例えば次のような形態
で実施する。C:0.40〜1.0 質量%(重量%)を含み、
且つ、前記式で求められるCeqが0.6 〜1.2 %である
中高炭素鋼をオーステナイト化温度以上の温度に加熱
し、次いでオーステナイト域で熱間鍛造した後、冷却す
る。このとき、熱間鍛造終了温度や熱間鍛造後の冷却速
度等を調整すると、主要組織がパーライト及び/又は擬
似パーライトからなり、フェライト,ベイナイト,マル
テンサイト,初析セメンタイトの1種以上からなる第2
相の体積率が7%以下であって、旧オーステナイト粒に
析出した初析フェライトの大きさが4μm 以下であり、
前記パーライトのノジュール径が4.0 〜20μm 、前記パ
ーライトのラメラ間隔が120nm 以下である中高炭素鋼を
得ることができる。即ち、本発明に係る中高炭素鋼が得
られる。 【0013】このようにして得られた中高炭素鋼は、冷
間加工性向上のための調質処理をしなくても冷間鍛造性
に優れており、又、高強度を有する。従って、かかる調
質処理をすることなくボルト材料製造等のための冷間鍛
造をし得、そのため、冷間鍛造割れが無く、又、高強度
を有するボルト材料等が得られる。 【0014】以下、本発明について主にその作用効果を
説明する。 【0015】本発明に係る中高炭素鋼は、前述の如く、
主要組織がパーライト及び/又は擬似パーライト(以
降、パーライトという)からなる。このように主要組織
がパーライト(パーライト、又は、擬似パーライト、又
は、パーライト及び擬似パーライト)からなるもので
は、パーライトのノジュールの微細化(即ちノジュール
径を小さくすること)により、局部延性が向上し、品質
つまり冷間鍛造性が向上する。特に、シャルピー衝撃吸
収エネルギー等の靱性値が向上する。尚、パーライトの
ノジュールを超微細化するために、制御圧延(TMC
P)やオースフォームを行うと、旧オーステナイト粒
界、粒内にフェライトが生成してしまうが、このフェラ
イト(旧オーステナイト粒に析出した初析フェライト)
の大きさ(粒径)が4μm 以下であれば、このフェライ
トは冷間鍛造等の冷間加工の際の破壊起点とはならな
い。 【0016】パーライトのラメラ間隔の微細化は、高強
度化(破壊限界強度の向上)と高強度化による延性劣化
の抑制とに有効である。かかるラメラ間隔の微細化のた
めには、焼き入れ性を向上させることや、冷却速度を速
くすることが製造方法として一般的に採用される方法で
あるが、焼き入れ性を上げすぎると、圧延鋼材を製造す
る段階で冷却床でのパーライト変態が終了し得ずに、表
層に過冷組織が生成し、冷間鍛造性を悪くする。又、冷
却速度を速くしすぎても、表層過冷組織が生成し、冷間
鍛造性を悪くする。従って、かかる過冷組織を生成させ
ずにラメラ間隔を微細化する必要がある。 【0017】かかる過冷組織を生成させずにラメラ間隔
を微細化するためには、焼き入れ性を表す指標として前
記式で求められるCeqを0.6 〜1.2 %にしておけばよ
い。また、後述の実施例に示される如き2段ソルトバス
等を利用し、Bs(ベイナイト変態スタート)点の直上
の温度までは急冷し、この後、鋼材芯部からの復熱を利
用してパーライト変態を継続する手法を採用すればよ
く、この方法によれば安定して過冷組織の生成を抑制し
つつラメラ間隔を微細化し得る。具体的には、ベイナイ
ト変態スタート(Bs)が起きる前の一瞬、いわゆるT
TT線図のノーズ先端の温度よりも冷却し、フェライト
を生成させず〔即ち、Fs(フェライト変態スタート)
を交差させず〕、その後、鋼材芯部からの復熱によっ
てPs(パーライト変態スタート)に突入させ、Fs
点(フェライト変態スタート)を回避し、TTT線図の
ノーズ先端付近(560 ℃近傍)から恒温変態に移行する
ように温度制御することにより、過冷組織を生成させず
にラメラ間隔を微細化し得、その結果、高強度、高延性
を有すると共に、冷間鍛造性に優れた鋼が得られる。
又、この方法は、フェライト生成の抑制、フェライト粒
の微細化、パーライトのノジュールの超微細化にも有効
である。 【0018】本発明に係る中高炭素鋼は、前述の如く、
主要組織がパーライト(パーライト及び/又は擬似パー
ライト)からなるが、第2相としてフェライト,ベイナ
イト,マルテンサイト,初析セメンタイトの1種以上を
有することができ、この第2相の体積率が7%以下であ
る。このように第2相は少ないので、微細分散してい
る。このため、この第2相は冷間加工時の破壊起点とは
ならない。 【0019】以下、本発明に係る中高炭素鋼についての
数値限定理由を主に説明する。 【0020】C量が0.40重量%(質量%)未満の場合、
焼入れ性を向上させてフェライト変態を抑制すると、安
定してパーライト変態を完了することが困難になる。特
に、工業的な利用を考慮すると、熱間圧延等の熱間加
工、パテンティングのままでフルパーライトを形成する
ことは非常に困難である。かかる点から、C量の下限値
を0.40質量%(重量%)とした。 【0021】C量が1.0 質量%超の場合、Co:数%、S
i:数%添加等の如く初析セメンタイト生成元素を多量
に添加すれば、フルパーライト化できる。しかし、この
ようにSiを多量添加すればラメラフェライトが固溶強化
し、延性が劣化してしまい、Coを多量添加すればコスト
高となり、工業的に実用性がなくなる。このようなこと
がなく、安価で、安定して、延性を維持して、パーライ
ト変態を完了させるために、C量の上限値を1.0 質量%
とした。 【0022】Ceqが0.6 %未満の場合、パーライト組織
を得ようとすると、初析フェライトが生成され、冷間鍛
造割れが生じるようになり、又、強度が不充分となる。
強度を確保しようとすると、ベイナイト組織或いはマル
テンサイト組織となり、又、冷間鍛造性が劣化する。か
かる点からCeqの下限値を0.6 %とした。 【0023】Ceqが1.2 %超の場合、初析セメンタイト
が形成され、表層過冷組織が生成して、冷間鍛造性が悪
くなる。このようなことがなく、過冷組織(マルテンサ
イト組織、ベイナイト組織)でなく、安定して初析フェ
ライトの微細化、パーライトのノジュール微細化、パー
ライトのラメラ間隔微細化を達成するために、Ceqの上
限値を1.2 %とした。かかる組織をより安定して得るた
めには、Ceq:0.75〜1.2 %とすることが望ましい。 【0024】フェライト,ベイナイト,マルテンサイ
ト,初析セメンタイトの1種以上からなる第2相の体積
率を7%以下としているのは、7%超とすると第2相が
微細分散せず、粗大な部分があり、冷間加工時の破壊起
点となり、冷間鍛造性が劣化して不充分となるからであ
る。 【0025】旧オーステナイト粒に析出した初析フェラ
イトの大きさに関しては、下記の如き初析フェライト粒
径の測定及び冷間鍛造試験等の試験の結果に基づき、4
μm以下であることとした。 【0026】即ち、冷間鍛造試験前の丸棒状鋼材につい
て、これを横断面方向にスライスして円盤状鋼材を採取
し、更にこれを切断してサンプルを採取し、このサンプ
ルを研磨し、エッチングした後、FE-SEM(走査型電子顕
微鏡)により観察して、平均初析フェライト粒径の測定
を行った。このとき、サンプルは1/4D位置〔鋼材表
面から1/4D深さの位置(D:鋼材直径)〕から45°
おきに8箇所(0、45、90、135 、180 、225 、270 、
315 °の8箇所)採取した。エッチングはエッチング液
としてナイタールを用いて行った。FE-SEMでの観察面
は、円盤状鋼材の円形面(丸棒状鋼材の横断面)とし
た。FE-SEMでの観察倍率は1万倍とした。平均初析フェ
ライト粒径は、D0 =Σ〔(長軸×短軸×π/
4)-0.5〕/nの式により求めた。つまり、初析フェラ
イトの観察面形状が楕円形状であると仮定し、この楕円
の面積の総和(:Σ〔(長軸×短軸×π/4)-0.5〕)
を測定数nで除して、平均初析フェライト粒径D0 とし
た。 【0027】上記サンプル採取後に残った丸棒状鋼材に
ついて冷間鍛造試験を行い、冷間鍛造割れ発生の有無を
観察して、冷間鍛造性を調べた。そして、この観察結果
と上記平均初析フェライト粒径D0 の測定結果とを照合
した。 【0028】この結果、平均初析フェライト粒径D0 が
4μm 超である場合には、冷間鍛造割れが起こる場合が
あり、又、線材としての機械的性質が劣化することがわ
かった。従って、初析フェライトの大きさは4μm 以下
であることとした。 【0029】尚、上記平均初析フェライト粒径D0 は小
さければ小さいほど冷間鍛造性の向上や機械的性質の向
上の面で良いと考えられるが、FE-SEMの観察分解能から
考えて、0.01μm 以下のフェライト粒径D0 は測定不可
能である。そこで、透過型電子顕微鏡による観察を行っ
たが、フェライト粒径D0 を的確に評価することは困難
であった。かかる点から、初析フェライトの大きさは下
限値を定めず、4μm以下であることとした。 【0030】又、冷間鍛造割れという破壊現象を支配す
るのは平均粒径であるというよりは最大粒径であるとい
うべきと考えられるが、ここでは統計的に信頼できるだ
けの視野数を増やし、評価し易い平均粒径を採用した。 【0031】パーライトのノジュール径を4.0 〜20μm
としているのは、20μm 超とすると局部延性が低下して
冷間鍛造性が不充分となると共に、シャルピー衝撃吸収
エネルギー等の靱性値が低下して不充分となり、一方、
4.0 μm 未満にすると材料強度が低下して不充分となる
からである。 【0032】パーライトのラメラ間隔を120nm 以下とし
ているのは、120nm 超とすると材料強度が低下して不充
分となると共に、延性が低下して冷間鍛造性が不充分と
なるからである。 【0033】以上よりわかる如く、本発明に係る中高炭
素鋼は、特殊な合金成分を添加したものではなく、非調
質の状態でも冷間鍛造性に優れ、且つ、強度確保が可能
であって充分に高い強度を有している。 【0034】このように本発明に係る中高炭素鋼は、非
調質の状態でも冷間鍛造性に優れ、且つ、充分に高い強
度を有している。これは特殊な合金成分の添加によるの
ではなく、前述の如き鋼の組織制御によるものである
が、この組織制御による作用効果は、本質的には、合金
成分の量と関連させて評価するべきである。何故なら、
合金成分の量が多ければ容易に高強度化できるので、非
調質状態でも冷間鍛造性に優れ、且つ、充分に高い強度
を有するようにし得るものの、前述の如く、最近の環境
負荷低減の要求の高まりから、合金成分の量を多くする
ことは好ましくなく、合金成分添加量は極力減らすこと
が望まれており、本発明はかかる状況に鑑みてなされた
ものであって、合金成分添加量を極力増やすことなく、
その目的を達成しようとするものであるからである。 【0035】そこで、組織制御による作用効果を、合金
成分の量と関連させて評価した。以下、この評価の方法
及び結果等の評価の内容を説明する。 【0036】評価のための指標として、下記式で求め
られるAを用いた。この式において、Hv-asdは熱間鍛
造材を30%伸線加工して得られた伸線材のビッカース硬
度であり、LDはLimit of deformationの略称であって据
込み限界(割れ限界)値であり、Ceqは前記式により
求められる値である。 【0037】Hv-asd×LD/Ceq=A -----式 【0038】上記式におけるHv-asdは冷間鍛造前の強
度に対応し、LDは冷間での変形能に相当し冷間鍛造性等
の冷間加工性に対応する。このHv-asd、LDが共に高いと
き、強度が高く、冷間加工性に優れているという良好な
バランスを有していることになる。即ち、上記式での
Hv-asd×LDという項は、強度・冷間加工性バランスを示
しており、これが大きいほど優れていることになる。一
方、Ceqは合金成分の量に関係する項である。従って、
Hv-asd×LDをCeqで除した値、即ち、上記式より求め
られる値Aは、Ceq当たりの強度・冷間加工性の程度で
あって、合金成分の量と関連させた強度・冷間加工性の
評価値であり、この値Aが大きいほど合金成分の量が少
ない割に強度・冷間加工性が優れていることになる。 【0039】Ceq及び組織的因子の影響に関する実験結
果を図1〜4に示す。図1及び2に示す如く、Ceqが高
いと熱間鍛造材の硬さHv及び伸線材(熱間鍛造材を30%
伸線加工したもの)の硬さHvが高い。図3に示す如く、
パーライトのラメラ間隔が小さいほど、フェライト分率
(体積率)が少ないほど、熱間鍛造材の硬さHvが高くな
る。このように、鋼材の硬さはCeq、ラメラ間隔、フェ
ライト分率に依存している。一方、図4に示す如く、初
析フェライト粒径及びパーライトのノジュール径が小さ
いほど、LDが高く冷間鍛造性に優れている。従って、強
度と冷間鍛造性とを両立するには、Ceq、ラメラ間隔、
フェライト分率、初析フェライト粒径およびノジュール
径を同時に高度に制御することが重要であり、これらを
制御することによってHv-asd×LDを高めることができ
る。 【0040】このようにCeq、ラメラ間隔、フェライト
分率、初析フェライト粒径およびノジュール径の制御に
よってHv-asd×LDを高めることができるが、このHv-asd
×LDは図5に示す如くCeqの上昇とともに高くなり、C
eqとHv-asd×LDとの関係は図5中に示した直線:Hv-asd
×LD=200 ×Ceqで表現することができる。従って、C
eqとHv-asd×LDとは、Hv-asd×LD/Ceq=200 という関
係にある。つまり、前記式においてA=200 とした式
で表現することができる。 【0041】しかし、図5からわかる如く、同じCeq
も特に高い強度・冷間加工性バランス(Hv-asd×LD)を
示す領域がある。このようにHv-asd×LDが特に高い領域
は、直線:Hv-asd×LD=200 ×Ceqよりも上の領域、即
ち、Hv-asd×LD/Ceq≧200という式を満足する領域で
ある。この領域にあるものは、値A(Ceq当たりの強度
・冷間加工性の程度)が大きく、合金成分の量が少ない
割に強度・冷間加工性が優れている。 【0042】本発明に係る中高炭素鋼は、このようなHv
-asd×LD/Ceq≧200 という式を満足するものである。
従って、値Aが大きく、合金成分の量が少ない割に強度
・冷間加工性が優れている。 【0043】本発明に係る中高炭素鋼を製造するに際
し、熱間加工(圧延、鍛造)終了温度が950 ℃以上と高
すぎると、オーステナイト粒径が粗大になり、パーライ
ト変態後のノジュール径が粗大になり、そのため冷間鍛
造性が劣化する。熱間加工(圧延、鍛造)終了温度を95
0 〜700 ℃、好ましくは850 〜700 ℃とすると、オース
テナイトが微細化し、パーライト変態後のノジュールも
微細化し、冷間鍛造性が向上し、又、このとき熱間加工
後の冷却条件を適切にすれば初析フェライトの生成を抑
制し得、冷間鍛造性を高いまま維持し得る。熱間加工終
了温度を700 ℃未満にすると、オーステナイト粒径が微
細化し、パーライト変態後のノジュール径が微細化する
が、有害組織である初析フェライトが生成しやすくな
り、結果的に冷間鍛造性が劣化する。 【0044】前述の如く、過冷組織を生成させずにラメ
ラ間隔を微細化するために、又、フェライト生成の抑
制、フェライト粒の微細化、ノジュールの超微細化のた
めに、熱間加工後の冷却速度等の冷却条件は重要であ
る。熱間加工後の冷却速度については、後述の実施例に
示される如き2段ソルトバス処理をした場合、1段目の
炉温:500 ℃、560 ℃のとき10℃/sec、1段目の炉温:
200 ℃のとき50℃/secであった。そのときでも恒温変態
温度は560 ℃が適切であった。特に、亜共析鋼や共析鋼
(例えば後述の実施例での No.1〜6、13〜22、23〜2
6)では、熱間鍛造後直ちに、500 ℃〜200 ℃のソルト
バスに一旦浸漬し、恒温変態温度より50℃低下した直後
に、恒温変態槽(2段目ソルトバス)で恒温変態させる
ようにして、初析フェライトの生成を抑制することによ
り、据込み限界LDを飛躍的に向上することができた。 【0045】 【実施例】表1に示す成分組成の中高炭素鋼を16mmφに
熱間鍛造し、50℃/s(2段ソルトバス処理の1段目ソ
ルトバス温度200 ℃)または10℃/s(2段ソルトバス
処理の1段目ソルトバス温度500 ℃又は600 ℃)の冷却
速度になるように制御し、650 ℃、560 ℃または450 ℃
の温度に達してから、恒温変態させた。より具体的に
は、例えば冷却速度10℃/sのときは、500 ℃の第1ソ
ルトバス(1段目ソルトバス)を使って500 ℃まで冷却
後、復熱のピークになった後、560 ℃の第2ソルトバス
(2段目ソルトバス)で恒温変態させた。冷却速度50℃
/sのときは、200 ℃の第1ソルトバス(1段目ソルト
バス)を使って500 ℃まで冷却後、復熱のピークになっ
た後、560 ℃の第2ソルトバス(2段目ソルトバス)で
恒温変態させた。これらの条件を表2に示す。 【0046】このようにして得られた熱間鍛造材を30%
伸線加工して伸線材を得、これを切削して8mmφ×12mm
h(長さ)の試験材を得た。この試験材の側面に、深
さ:1mm、切欠き角度:30°、切欠き底r:0.3mm の切
欠きを1個所付けたものを試験片とし、据え込み試験を
行い、冷間鍛造性(冷間加工性)の評価を行った。この
結果を表4に示す。又、上記伸線材についてミクロ組織
観察、第2相(フェライト)の体積率の測定、初析α
(フェライト)粒径の測定、パーライトのノジュール径
の測定、パーライトのラメラ間隔の測定を行った。この
結果を表3に示す。 【0047】表1〜4からわかる如く、試験 No.1〜6
は試験材が0.45%C鋼であるが、試験 No.1、2(比較
例)の場合は熱間鍛造終了温度が高く、熱間鍛造後の冷
却速度も遅く、試験 No.3(比較例)の場合は冷却速度
が遅く、試験 No.6(比較例)の場合は熱間鍛造終了温
度が低く、初析フェライト粒径が4μm 超、ラメラ間隔
が120nm 超、第2相(フェライト)の体積率が7%超で
あり、A(=Hv-asd×LD/Ceq)<200 となり、強度・
冷間加工性バランスが劣化した。特に、 No.1の場合、
ノジュール径も20μm 超であり、Hv-asd×LD/Ceqが13
0.1 とかなり低い値を示した。 【0048】試験 No.4、5(本発明の実施例)の場合
は、初析フェライト粒径が4μm 以下、ラメラ間隔が12
0nm 以下、第2相(フェライト)の体積率が7%以下で
あり、A(=Hv-asd×LD/Ceq)≧200 となり、強度・
冷間加工性バランスが向上した。 【0049】試験 No.7(比較例)の場合は、C量、C
eqともに高すぎてHv-asd×LD/Ceq等の特性が劣化し
た。 【0050】試験 No.8〜12は試験材が0.92%C鋼であ
るが、試験 No.8(比較例)の場合は初析フェライト粒
径が4μm 超、ノジュール径も20μm 超であり、Hv-asd
×LD/Ceq<200 となり、強度・冷間加工性バランスが
劣化した。 【0051】試験 No.9〜11(本発明の実施例)の場合
は、初析フェライト粒径が4μm 以下、ラメラ間隔が12
0nm 以下、第2相(フェライト)の体積率が7%以下で
あり、Hv-asd×LD/Ceq≧200 となり、強度・冷間加工
性バランスが向上した。 【0052】試験 No.12(比較例)の場合は、ノジュー
ル径が4.0 μm 未満と微細すぎ、ラメラ間隔が130nm と
粗大であったので、Hv-asd×LD/Ceq<200 となり、強
度・冷間加工性バランスが劣化した。 【0053】試験 No.13(本発明の実施例)は試験材が
0.77%C鋼であるが、初析フェライト粒径が4μm 以
下、ラメラ間隔が120nm 以下、第2相(フェライト)の
体積率が7%以下であり、Hv-asd×LD/Ceq≧200 とな
り、強度・冷間加工性バランスが向上した。 【0054】試験 No.14〜25は試験材が0.62%C鋼ある
いは0.62%C鋼をベースとしてVやNb等の特殊元素を添
加した鋼であるが、試験 No.14〜22(本発明の実施例)
の場合は初析フェライト粒径が4μm 以下、ラメラ間隔
が120nm 以下、第2相(フェライト)の体積率が7%以
下であり、Hv-asd×LD/Ceq≧200 となり、強度・冷間
加工性バランスが向上した。特に、試験 No.16〜21の特
殊元素添加鋼の場合、及び、試験 No.22の冷却速度の速
い場合、Hv-asd×LD/Ceqが300 以上となり、極めて強
度・冷間加工性バランスが向上した。 【0055】試験 No.23(比較例)の場合は、冷却速度
が遅く、初析フェライト粒径が4μm 超、ラメラ間隔が
120nm 超、第2相(フェライト)の体積率が7%超であ
って、Hv-asd×LD/Ceq<200 となり、強度・冷間加工
性バランスが劣化した。試験No.24 (比較例)の場合
は、変態温度が高く、ラメラ間隔が120nm 超、初析フェ
ライト粒径が4μm 超であり、Hv-asd×LD/Ceq<200
となり、強度・冷間加工性バランスが劣化した。試験 N
o.25(比較例)の場合は、変態温度が低く、第2相とし
てベイナイトが生成したために、Hv-asd×LD/Ceq<20
0 となり、強度・冷間加工性バランスが劣化した。 【0056】試験 No.26(比較例)の場合は、C量、C
eqともに高すぎてHv-asd×LD/Ceq等の機械的特性が劣
化した。 【0057】 【表1】 【0058】 【表2】【0059】 【表3】【0060】 【表4】 【0061】 【発明の効果】本発明に係る中高炭素鋼は、以上の如
く、特殊な合金成分の添加によるのではなく、鋼の組織
制御によって、非調質の状態でも優れた冷間鍛造性を有
し、且つ、充分に高い強度を有するようにしたものであ
る。従って、環境負荷が少なく、環境負荷低減の要求を
充たした状態で、調質処理をしなくてもボルト材料製造
等のための冷間鍛造をし得、高強度を有するボルト材料
等の材料が得られるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】 Ceqと鍛造材硬さとの関係を示す図である。 【図2】 Ceqと伸線材硬さとの関係を示す図である。 【図3】 Ceq/sqrt(ラメラ間隔)×(1−フェライ
ト分率(%) )と鍛造材硬さとの関係を示す図である。 【図4】 sqrt(ノジュール径×初析フェライト径)と
割れ限界LDとの関係を示す図である。 【図5】 CeqとHv-asd×LDとの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿南 吾郎 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式 会社神戸製鋼所 神戸製鉄所内 (72)発明者 長谷川 豊文 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式 会社神戸製鋼所 神戸製鉄所内 (72)発明者 百▲崎▼ 寛 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式 会社神戸製鋼所 神戸製鉄所内 (72)発明者 畠 英雄 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 長尾 護 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 C:0.40〜1.0 質量%を含み、且つ、下
    記式で求められるCeqが0.6 〜1.2 %であると共に、
    主要組織がパーライト及び/又は擬似パーライトからな
    り、フェライト,ベイナイト,マルテンサイト,初析セ
    メンタイトの1種以上からなる第2相の体積率が7%以
    下であって、旧オーステナイト粒に析出した初析フェラ
    イトの大きさが4μm 以下であり、前記パーライトのノ
    ジュール径が4.0 〜20μm 、前記パーライトのラメラ間
    隔が120nm 以下であることを特徴とする冷間鍛造性に優
    れた中高炭素鋼。 Ceq=C量+Si量/24+Mn量/6+(Cr量+Mo量)/5 +Ni量/40+(Ti量+Nb量+V量)/5+5×B量 -----式 但し、上記式においてC量,Si量,Mn量,Cr量,Mo
    量,Ni量,Ti量,Nb量,V量およびB量は、全て質量%
    での値である。
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