JP4018318B2 - 脆性亀裂発生特性に優れた鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脆性亀裂発生(COD:Crack Opening Displacement)特性に優れ、更には低温靭性にも優れた鋼板を効率よく製造する方法に関するものである。本発明によれば、構造物の安全性を確保するために重要な性能の一つであるCOD特性、更には低温靭性にも優れた鋼板を、Ni等の高価な元素を多量に添加することなく安価に提供することができるので極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】
鋼板のCOD特性や低温靭性を高める為には、鋼板のフェライト(α)結晶粒の微細化が非常に有効であることは知られている。その代表例として、オーステナイト(γ)の未再結晶温度域において制御圧延を行った後、加速冷却することによりγからαへの変態時にα粒を微細化する方法が提案され、実用化されている。上記方法の如く未再結晶温度域圧延後の加速冷却を利用してα粒を微細化する方法では、冷却速度が速ければ速いほど微細化効果は向上する一方、極度に速くなり過ぎると第二相が硬質のベイナイトあるいはマルテンサイトになる為、却って脆性破壊亀裂発生特性や低温靭性が低下する恐れがある。
【0003】
また、他の結晶粒微細化方法として、特開平2−301540号公報には、鋼を少なくとも一部がフェライトからなる組織状態としておき、これに塑性加工を加えつつ変態点(Ac1)以上の温度域に昇温するか、この昇温に続いてAc1点以上の温度域に一定時間保持してフェライトからなる組織の一部又は全部を一旦オーステナイトに逆変態させて超微細オーステナイト粒を出現させ、その後冷却する方法が開示されている。即ち、上記方法は、鋼板を一旦二相域まで冷却した後、加工による加工発熱を利用して昇温によるα→γへの逆変態を利用するものであり、これにより、板厚全断面に対して結晶粒が微細化される結果、COD特性や低温靭性は向上すると考えられる。しかしながら上記方法では、加工発熱若しくは誘導加熱による昇温を利用している為、線材や薄い熱延鋼板には有効であるが、より厚い板厚の鋼板に上記方法を適用することは困難であり、たとえ適用し得たとしても、製造コストが高くつくという問題がある。
【0004】
また、特開平8−295982号公報には、鋼板を所定温度に加熱し、オーステナイト域で粗圧延してから、仕上圧延として二層域圧延を650〜750℃の温度で終了することにより、板厚方向全断面のα結晶粒径を微細化する方法が開示されている。即ち、この方法は、圧延温度を二相域まで冷却した後、低温条件下にて仕上圧延する方法であるが、この方法によれば、変形抵抗の異なるオーステナイトとフェライトが混在する二相域で圧延を施す為、鋼板形状の制御が困難であり、鋼板に要求される板厚精度若しくは平坦度が劣化する恐れが大きい。
【0005】
その他、特開昭61−235534や特開平4−141517等には、強制冷却した鋼板の内部顕により、鋼板表層部の昇温中による加工を利用した結晶粒微細化方法が提案されている。ところが上記方法によれば、昇温中の圧延を必須工程としている為、昇温待ちの間は他の材料を圧延することができず、生産性低下の要因となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、前述の従来技術が抱える問題点を伴うことなく、−80℃等の低温環境下においても構造物の脆性破壊亀裂の発生を抑制し得、更には、−100℃以下の低温靭性にも優れた鋼板を生産性良く製造することのできる新規な方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し得た本発明の製造方法とは、熱間圧延により、
C :0.03〜0.2%,
Si:0.5%以下,
Mn:1.8%以下,
Al:0.01〜0.1%,
N :0.01%以下
を満たし、且つ、
ミクロ組織が実質的にフェライト組織及びパーライト組織より構成されている鋼板を得た後、
板厚両表面から夫々5%以上15%以下の領域を4〜15℃/sの平均冷却速度で450〜650℃の温度域まで一次冷却し、
次いでAr3変態点以下まで復熱させてから、
1〜10℃/sの平均冷却速度で二次冷却するところに要旨を有するものである。
【0008】
鋼中に、更に、
Ti:0.02%以下,
Nb:0.03%以下,
V :0.05%以下,及び
B :0.002%以下
よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するもの;
更に、Cu:0.5%以下,及びNi:0.5%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するもの;
更に、Cr:0.1%以下,及びMo:0.1%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するもの;
更に、Ca:0.01%以下,及びZr:0.01%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するものはいずれも本発明の好ましい態様である。
【0009】
上記方法によれば、板の両表面部が非常に微細化されたフェライト粒を有する層で構成された鋼板が得られる為、特に脆性亀裂発生特性に優れたものとなる。上記方法により得られる鋼板は、通常、板の両表面部が板厚両表面から夫々5%以上15%以下に亘って、円相当粒径:4μm以下、アスペクト比:2以下のフェライト粒を有する層で構成されているものである。
【0010】
また、上記一次冷却に当たり、板厚方向中心領域のうち板厚の50%以上75%以下の領域をAr3変態点以上にて冷却を停止すると、低温靭性が高められるので有用である。この方法によれば、通常、板の中心部が板厚の50%以上75%以下に亘って、円相当平均粒径:7μm以下、アスペクト比:2以下のフェライト粒を有する層で構成された鋼板が得られることになる。
【0011】
更に、圧延に当たり、板厚両表面から夫々板厚の5%以上15%以下の領域には、Ar3変態点以上900℃以下の温度範囲でεr≧0.6の残留累積相当塑性歪を付与し;板厚方向中心領域のうち板厚の50%以上75%以下の領域には、εr≧0.4の残留累積相当塑性歪を付与したときには、脆性亀裂発生特性及び低温靭性が一層向上するので極めて有用である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、COD特性、更には低温靭性にも優れた鋼板を効率よく製造することのできる新規な方法を提供すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、COD特性の向上には、特に鋼板表層部の組織を微細なフェライト−パーライト組織に制御することが有効であり、一方、低温靭性の向上には、特に鋼板中央部の組織を微細化することが重要であることを突き止め、かかる三層構造を有する鋼板を、生産性良く製造し得る製造方法について引続き研究を進めた。その結果、圧延終了後に二段階に分けて所定の冷却速度で冷却することにより所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成したのである。
【0013】
以下、本発明に到達した実験経緯を述べつつ本発明について詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明者らは、板厚30〜40mmの厚鋼板を用いて実験を重ねたところ、所望の特性が付与された鋼板を得る為には、板厚全断面を均一に微細化する必要はなく、COD特性の向上には、鋼板表層部におけるフェライト結晶粒の微細化が有効であり、一方、低温靭性の向上には、板厚中央部(内部)における等軸フェライト粒の微細化が有効であることを突き止めた。そして、かかる鋼板を生産性良く製造し得る方法について更に検討を進めてきた。
【0015】
まず、従来より実施されている結晶粒の微細化法、即ち、制御圧延及びそれに引続く加速冷却を行ったところ、冷却速度の増加に伴い結晶粒が微細化することが確認された。ところが本発明者らの検討結果によれば、冷却速度を約5℃/s以上にまで高めると、ミクロ組織が、所望のフェライト−パーライトではなく、より硬質のベイナイト組織に遷移してしまい、同時に低温靭性が低下することが明らかになった。
【0016】
そこで、かかるベイナイト組織の生成を抑制する為に、未再結晶温度域で圧下し、焼入れ性を低下させる方法を適用してみた。しかしながら、上記方法を採用したとしても、冷却速度が約10℃/s以上に高くなると、やはりベイナイト組織が生成してしまう他、得られるフェライト結晶粒にしても、6μm程度が限界であることが判明した。
【0017】
本発明者らは、フェライト結晶粒の微細化に関して加速冷却を有効に活用することを主眼とし、冷却時のベイナイト相生成に関して調査した結果、ベイナイトの生成は瞬時に行われるのではなく或る程度の潜状時間をおいて開始することを把握した。そこで、この事実を利用し、冷却後に復熱現象を利用して昇温すれば、通常よりも高い冷却速度(最大で15℃/s)を適用したとしても、低温靭性に有害なベイナイトの生成が抑制されると共に、粒径が4μm以下の微細フェライト粒が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0018】
本発明法は、圧延により所定の成分組成及び組織からなる鋼板を得た後、板厚両表面から夫々板厚の5%以上15%以下の領域を4〜15℃/sの平均冷却速度で450〜650℃の温度域まで一次冷却し、次いでAr3変態点以下まで復熱させてから、1〜10℃/sの平均冷却速度で二次冷却するところに特徴を有するものである。この様に本発明法は圧延終了後に一次冷却→復熱→二次冷却を行うところに最重要ポイントがあり、これにより、一次冷却工程における平均冷却速度を、従来の平均冷却速度(最高でもせいぜい10℃/s程度)に比べて高めたとしても、有害なベイナイトの生成を抑制しつつ、微細フェライトを形成し得るというメリットが得られる。
【0019】
まず、圧延終了後の一次冷却工程では、板厚両表面から夫々板厚の5%以上15%以下の領域(以下「鋼板表層域」と呼ぶ場合がある)を4〜15℃/sの平均冷却速度で450〜650℃の温度域まで冷却する。本発明法では、上記鋼板表層域を特定の平均冷却速度で所定温度域まで冷却することが必要であり、これ以上の表層領域を冷却した場合でも、COD特性の更なる向上が期待されず、しかも鋼板内部顕熱による復熱は困難である。
【0020】
上記一次冷却工程では、450〜650℃の範囲で冷却を停止する。これにより、未再結晶温度域圧延によってオーステナイト粒内に導入された歪からのフェライト核生成が活性化し、粒界フェライト及び粒内フェライトの生成が相俟って一層微細なフェライト粒が得られるからである。尚、一次冷却停止温度が650℃よりも高温の場合、結晶粒の生成は、オーステナイト粒界からのフェライト粒生成が主となる為、得られるフェライト粒は粗大化してしまう。好ましくは600℃以下である。一方、一次冷却停止温度が450℃よりも低温の場合、未再結晶温度域圧延により焼入れ性を低下させたとしてもやはりベイナイト組織が生成してしまい、低温靭性が低下する。好ましくは500℃以上である。
【0021】
また、一次冷却工程における平均冷却速度は4〜15℃/sの範囲に制御する。好ましくは7℃/s以上、12℃/s以下である。
【0022】
上記一次冷却を行った後、内部顕熱により前記鋼板表層域をAr3変態点以下まで復熱させた後、二次冷却を行うが、当該工程では1〜10℃/sの平均冷却速度で冷却する。1℃/s未満では未変態オーステナイト相より生成するフェライト結晶粒が粗大化し易い。好ましくは3℃/s以上である。一方、平均冷却速度が10℃/sを超えると、未変態オーステナイト相より硬質相であるベイナイトまたはマルテンサイトが生成する為、COD特性や低温靭性が劣化してしまう。好ましくは8℃/s以下である。
【0023】
上記方法により、鋼板表層域には極めて微細なフェライト粒を有する層が生成される結果、優れたCOD特性が発揮されることになる。上記層としては通常、円相当粒径:4μm以下、アスペクト比:2以下のフェライト粒を有する層が生成される様になる。
【0024】
尚、上記一次冷却に当たり、板厚方向中心領域のうち板厚の50%以上75%以下の領域(以下、「鋼板内部域」と呼ぶ場合がある)をAr3変態点以上にて冷却を停止し、二次冷却を開始すると、低温靭性が一層高められるので極めて有用である。これは、板の中心部に、低温靭性向上に有効な微細組織が得られるからである。例えば上記方法により、通常、板厚の50%以上75%以下に亘って円相当平均粒径:7μm以下、アスペクト比:2以下のフェライト粒を有する層が得られる様になる。
【0025】
ここで、上記「円相当粒径」とは該当する組織における個々のフェライト粒に着目し、その面積が等しくなるように想定したときの円の直径を求めたものであり、これを平均したものが「円相当平均粒径」である。
【0026】
更に本発明では、圧延に当たり、上記鋼板表層域ではAr3変態点以上900℃以下の温度範囲でεr≧0.6の残留累積相当塑性歪を付与し、また、鋼板内部域ではεr≧0.4の残留累積相当塑性歪を付与することが好ましく、これにより、更なる特性の向上を図ることができる。
【0027】
本発明者らが検討したところ、冷却前の残留累積相当塑性歪量(εr)が少ないときにはフェライト粒は十分微細化せず、所望の微細フェライト組織を効率よく得る為には、εrを適切に制御することが重要であることが判明した。ここで、残留累積相当塑性歪量とは、従来の累積圧下率(圧延によって導入された歪の合計を示すもの)とは異なり、冷却前に材料内部に実質的に残留している歪量を示すものである。圧延によって導入された歪は時間と共に減少していく為、同じ累積圧下率で圧延したとしても、圧延終了から冷却開始までの時間が異なる場合には、その実質的残留歪量は時間の差に応じて大きく変化することになる。その結果、所定の歪量を確保できない場合が生じ、目的とする微細フェライトが得られなくなる恐れがある為、本発明では、累積圧下率ではなく残留累積相当塑性歪を制御した次第である。
【0028】
具体的には、鋼板表層域ではAr3変態点以上900℃以下の温度範囲でεr≧0.6の残留累積相当塑性歪を付与することが好ましく、これにより、一層優れたCOD特性が得られる。εrは大きい程フェライト粒が微細化するが、厚板の場合、幾何学的な面、設備面、製造面等を勘案してもその上限は2が限界である。従って、εrが0.6〜2の範囲では、フェライト粒径は4〜2μmの範囲内に制御される。
【0029】
また、鋼板内部域ではεr≧0.4の残留累積相当塑性歪を付与することが好ましく、これにより、一層優れた低温靭性が得られる。
【0030】
以上詳述した通り、本発明はベイナイト変態での変態潜伏期を解明し、これをうまく利用したところに技術的意義を有するものであり、従来に比べて高い平均冷却速度で、より低い冷却停止温度まで冷却した後、復熱し、更に二次冷却を行うことにより、表層部に微細フェライト粒が生産性良く得られる点で極めて有用である。
【0031】
尚、本発明における上記要件の特定理由を一層明らかにするため、図1〜図6に、これらの各要件が、COD特性や低温靭性に及ぼす影響について調べた結果をグラフ化して示す。これらのデータは、後記する実施例より抽出したものであり、いずれも表1(後記する)の鋼種A、試験板厚30mmを用いて調べた例である。このうちCOD特性は、COD試験(Crack Opening Displacement:亀裂塑性開口変位試験)を実施し、−80℃での脆性破壊発生限界値(mm)を算出することにより評価した。また、低温靭性はシャルピー試験における破面遷移温度を測定することにより評価した。
【0032】
まず、図1は、累積相当塑性歪量とフェライト粒径との関係を示すグラフである。図1より、累積相当塑性歪量が0.4以上になるとフェライト粒径は7μm以下に微細化され、更に累積相当塑性歪量が0.6以上になるとフェライト粒径は4μm以下にまで微細化されることが分かる。尚、図1は一次冷却工程を、冷却停止温度580℃、冷却速度4℃/sで実施した結果をプロットしたものである。
【0033】
次に図2は、板厚全厚に占める微細フェライト粒(3.5〜4μm)の割合とCOD特性との関係を示すグラフである。図2より、板の両表面部を板厚の5%以上に亘って4μm以下のフェライト粒径に制御することにより所望のCOD特性(目標値:−80℃での脆性破壊発生限界値0.2mm以上)が得られることが分かる。
【0034】
図3は、フェライト粒径と低温靭性との関係を示すグラフである。図3より、鋼板内部のフェライト粒径が7μm以下のフェライト−パーライト組織を有する鋼板(図中○)では、所望の低温靭性(目標値:脆性破面遷移温度−100℃以下)が得られたのに対し、ベイナイト組織を含む鋼板(図中●)では、目標レベルを達成できなかった。
【0035】
図4は、鋼種Aを用いたときの、フェライト粒径とCOD特性との関係を示すグラフである。図4より、鋼板表層部のフェライト粒径を4μm以下、アスペクト比を2以下に制御することにより、所望のCOD特性が得られることが分かる。
【0036】
図5は、一次冷却工程における冷却停止温度と鋼板表層域のフェライト粒径との関係を示すグラフである。図5より、冷却停止温度及び累積相当塑性歪を本発明の範囲内に制御すると、フェライト粒径が4μm以下のフェライト−パーライト組織を有する鋼板が得られるのに対し、本発明の範囲を外れて製造したときには、有害なベイナイト組織が発生した。
【0037】
図6は、一次冷却工程における平均冷却停止温度と鋼板表層域のフェライト粒径との関係を示すグラフである。図6より、平均冷却速度及び累積相当塑性歪を本発明の範囲内に制御すると、フェライト粒径が4μm以下のフェライト−パーライト組織を有する鋼板が得られるのに対し、本発明の範囲を外れて製造したときには、有害なベイナイト組織が発生した。
【0038】
尚、本発明では、圧延終了後の冷却工程を特定したところに最重要ポイントが存在し、圧延終了前の工程については特に制限されず、通常用いられる方法を採用することができる。
【0039】
次に、本発明鋼板の鋼中化学成分について説明する。
【0040】
C:0.03〜0.2%
必要強度を確保するためにはCを0.03%以上添加することが好ましい。より好ましくは0.05%以上である。但し、過度の添加は溶接性および母材靭性を劣化させることから、その上限を0.2%にすることが好ましい。より好ましくは0.17%以下である。
【0041】
Si:0.5%以下(0%を含まない)
Siは、母材の強度上昇および溶鋼の脱酸材として有用な元素であり、その為には0.05%以上添加することが好ましい。但し、過度の添加は溶接性および母材靭性を劣化させるので、その上限を0.5%とすることが好ましい。より好ましくは0.45%以下である。
【0042】
Mn:1.8%以下(0%を含まない)
Mnは、母材の強度上昇元素として有用であり、その為には0.5%以上添加することが好ましい。より好ましくは0.7%以上である。但し、過度の添加は溶接性および母材靭性を劣化させるので、その上限を1.8%以下にすることが好ましい。より好ましくは1.6%以下である。
【0043】
Al:0.01〜0.1%
Alは、脱酸剤として有用であるのみならず、窒化物を形成して母材組織の細粒化作用を有するが、0.01%未満ではこの様な作用を有効に発揮することができない。より好ましくは0.015%以上である。但し、0.1%を超えて添加すると母材靭性が劣化するため、その上限を0.1%とすることが好ましい。より好ましくは0.05%以下である。
【0044】
N:0.01%以下(0%を含まない)
Nは、上記Al,Ti,Nb,Vなどの添加元素と窒化物を形成し、母材組織の細粒化作用を有する。この様な作用を有効に発揮させるには0.001%以上添加することが好ましい。但し、0.01%を超えて過剰に添加すると固溶Nの増大を招き、特に溶接部の靭性が劣化するのでその上限を0.01%とすることが好ましい。
【0045】
本発明鋼板は、上記元素を必須成分として含有し、残部:実質的にFeであるが、本発明の作用を損なわない範囲で他の許容成分や不純物を含有していても良い。本発明では、更に種々の特性付与を目指して、下記元素を積極的に添加することが推奨される。
【0046】
Ti:0.02%以下,Nb:0.03%以下,V:0.05%以下,及びB:0.002%以下よりなる群から選択される少なくとも一種(いずれの元素も0%を含まない)
これらの元素は、鋼片加熱時のオーステナイト粒粗大化抑制作用、圧延終了後のフェライト変態核生成促進作用、またはオーステナイト粒再結晶抑制効果を通じてフェライト結晶粒の微細化効果を有する元素である。具体的には、Tiは窒化物の形成によって上記作用が得られるが、この様な作用を有効に発揮させるためには0.004%以上添加することが好ましい。但し、0.02%を超えて過剰に添加しても母材靭性を劣化させるため、その上限を0.02%以下にすることが好ましい。
【0047】
また、Nbは炭窒化物の形成により、圧延中のオーステナイト粒粗大化作用および再結晶抑制作用を発揮し、圧延終了後のフェライト粒微細化に有効な元素であるが、この様な作用を有効に発揮させるためには、0.002%以上添加することが好ましい。但し、0.03%を超えて過剰に添加すると溶接性が劣化するため、その上限を0.03%にすることが好ましい。
【0048】
Vは、Nbと同様、炭窒化物の形成により、圧延中のオーステナイト粒粗大化および再結晶抑制作用を発揮し、圧延終了後のフェライト粒微細化に有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させるには0.002%以上添加することが好ましい。但し、0.05%を超えて過剰に添加すると溶接性が劣化するため、その上限を0.03%とすることが好ましい。
【0049】
Bは、溶接熱影響部(HAZ)の靭性を向上させるのに有効な元素であり、この様な作用を有効に発揮させるためには0.0002%以上の添加が好ましい。但し、0.002%を超えて添加すると、焼入れ性が増加し、母材の低温靭性劣化を招くことから、その上限を0.002%とすることが好ましい。
【0050】
Cu:0.5%以下及びNi:0.5%以下よりなる群から選択される少なくとも一種(いずれの元素も0%を含まない)
これらの元素は、いずれもオーステナイト結晶粒の微細化および低温靭性の向上に寄与する元素である。
【0051】
具体的には、Cuは、結晶粒の微細化に有効な元素であり、この様な作用を有効に発揮させるためには、0.2%以上添加することが好ましい。但し、多量に添加すると母材の溶接性を劣化させるので、その上限を0.5%とすることが好ましい。
【0052】
Niは、低温靭性の向上に有効な元素であるが、高価なため、その上限を0.5%とすることが好ましい。
【0053】
これらの元素は単独で使用しても良いし、或いは併用しても構わないが、Cuを単独添加すると熱間割れが発生する可能性があることから、Niも同時に添加し、熱間割れを防止することが好ましい。
【0054】
Cr:0.1%以下及びMo:0.1%以下よりなる群から選択される少なくとも一種(いずれの元素も0%を含まない)
Cr及びMoは、いずれも炭窒化物を析出させ、強度上昇に寄与する元素であり、この様な作用を有効に発揮させるためには、いずれの元素も0.03%以上添加することが好ましい。但し、過度の添加は溶接性および母材靭性を劣化させるため、その上限を0.1%とすることが好ましい。
【0055】
Ca:0.01%以下及びZr:0.01%以下よりなる群から選択される少なくとも一種(いずれの元素も0%を含まない)
これらの元素は鋼中の介在物形態を球状化させることによって母材の靭性を高める作用を有する。
【0056】
このうちCaは、鋼中介在物の形態を球状化させることにより、母材の靭性を改善する効果を有する。この様な作用を有効に発揮させるためには0.0005%以上添加することが好ましい。但し、過剰の添加は逆に母材の靭性を劣化させるため、その上限を0.01%とすることが好ましい。
【0057】
Zrは、Caと同様、鋼中介在物の形態を球状化させることによって母材の靭性を改善する作用を有する。この様な作用を有効に発揮させるためには、0.003%以上添加することが好ましい。但し、過剰の添加は逆に母材の靭性を劣化させるため、その上限を0.01%とすることが好ましい。
【0058】
尚、本発明では、熱間圧延により得られる鋼板のミクロ組織は、実質的にフェライト組織及びパーライト組織より構成されたものである。ここで「実質的に」とは、主に、フェライト組織及びパーライト組織で構成されていることを意味し、これらの組織が合計で約90%以上(好ましくは95%以上)存在する鋼板も、本発明の範囲内に包含される。
【0059】
以下実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
【0060】
【実施例】
表1に記載の鋼種A〜Iを用い、表2及び表4に示す条件で加熱し、圧延した後、二段階に分けて冷却することにより、表3及び表5に記載の組織を有する鋼板を製造した。
【0061】
この様にして得られた種々の鋼板につき、脆性亀裂発生特性の指標としてCOD試験を実施し、−80℃での脆性破壊発生限界値(mm)を算出すると共に、−100℃での低温靭性は、脆性破面遷移温度を測定することにより評価した。
【0062】
これらの結果を表3及び5に併記する。
【0063】
【表1】
Figure 0004018318
【0064】
【表2】
Figure 0004018318
【0065】
【表3】
Figure 0004018318
【0066】
【表4】
Figure 0004018318
【0067】
【表5】
Figure 0004018318
【0068】
表3のNo.1〜25は本発明の要件を満足する方法(表2)により得られた鋼板であるが、いずれも、−80℃での脆性破壊発生特性が目標値の0.2mmを超えると共に、低温靭性の指標である脆性破面遷移温度も目標値の−100℃を下回っており、両特性に優れていることが分かる。
【0069】
これに対し、本発明の要件を満足しない方法(表4)により得られた表5のNo.26〜46は、−80℃での脆性破壊発生特性または脆性破面遷移温度のいずれか一方若しくは双方が目標レベルに達しておらず、両特性を満足することができなかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、高価な合金元素を添加しなくとも、−80℃での限界COD特性、更には−100℃での低温靭性に優れた鋼板を生産性良く安価に実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、鋼種Aを用いたときの、累積相当塑性歪量とフェライト粒径との関係を示すグラフである。
【図2】 図2は、鋼種Aを用いたときの、板厚全厚に占める微細フェライト粒の割合とCOD特性(−80℃での脆性破壊発生特性)との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、鋼種Aを用いたときの、フェライト粒径と低温靭性(脆性破面遷移温度)との関係を示すグラフである。
【図4】図4は、鋼種Aを用いたときの、フェライト粒径とCOD特性との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、鋼種Aを用いたときの、一次冷却工程における冷却停止温度と、フェライト粒径及び組織との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、鋼種Aを用いたときの、一次冷却工程における平均冷却速度と、フェライト粒径および組織組との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 熱間圧延により、
    C :0.03〜0.2%(質量%の意味。以下、成分について同じ)
    Si:0.5%以下,
    Mn:1.8%以下,
    Al:0.01〜0.1%,
    N :0.01%以下を満たし、
    更に、Ti:0.02%以下,Nb:0.03%以下,V:0.05%以下,及びB:0.002%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有し、
    残部がFeおよび不可避不純物からなり、且つ、
    ミクロ組織が実質的にフェライト組織及びパーライト組織より構成されている鋼板を得た後、
    板厚両表面から夫々5%以上15%以下の領域を4〜15℃/sの平均冷却速度で450〜650℃の温度域まで一次冷却し、
    次いでAr変態点以下まで復熱させてから、
    1〜10℃/sの平均冷却速度で二次冷却することを特徴とする脆性亀裂発生特性に優れた鋼板の製造方法。
  2. 更に、Cu:0.5%以下,及びNi:0.5%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 更に、Cr:0.1%以下,及びMo:0.1%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 更に、Ca:0.01%以下,及びZr:0.01%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記脆性亀裂発生特性に優れた鋼板は、板の両表面部が板厚両表面から夫々5%以上15%以下に亘って、円相当粒径:4μm以下、アスペクト比:2以下のフェライト粒を有する層で構成されているものである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記一次冷却に当たり、板厚方向中心領域のうち板厚の50%以上75%以下の領域をAr変態点以上にて冷却を停止することにより低温靭性が高められたものである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記低温靭性が高められた鋼板は、板の中心部が板厚の50%以上75%以下に亘って、円相当平均粒径:7μm以下、アスペクト比:2以下のフェライト粒を有する層で構成されているものである請求項6に記載の製造方法。
  8. 熱間圧延に当たり、
    板厚両表面から夫々板厚の5%以上15%以下の領域には、Ar変態点以上900℃以下の温度範囲でεr≧0.6の残留累積相当塑性歪を付与し、
    板厚方向中心領域のうち板厚の50%以上75%以下の領域には、εr≧0.4の残留累積相当塑性歪を付与するものである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
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