JP6477020B2 - 熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

熱延鋼板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6477020B2
JP6477020B2 JP2015039532A JP2015039532A JP6477020B2 JP 6477020 B2 JP6477020 B2 JP 6477020B2 JP 2015039532 A JP2015039532 A JP 2015039532A JP 2015039532 A JP2015039532 A JP 2015039532A JP 6477020 B2 JP6477020 B2 JP 6477020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
steel sheet
hot
thickness
fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015039532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016160474A (ja
Inventor
武 豊田
武 豊田
力 岡本
力 岡本
大毅 鎌田
大毅 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2015039532A priority Critical patent/JP6477020B2/ja
Publication of JP2016160474A publication Critical patent/JP2016160474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6477020B2 publication Critical patent/JP6477020B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、熱延鋼板に関する。
近年の構造物は大型化の傾向にある。たとえば、建築物は高層化され、橋梁は大スパン化されている。これらの構造物は、地震及び台風等により崩壊しないよう、安全性が求められる。構造物の安全性を確保するために、これらの構造物に利用される鋼材には、低温靭性の向上が求められる。低温靭性が優れていれば、地震及び台風等による急激な振動により構造物に亀裂が発生するのを抑制でき、構造物の局所的な崩壊を防ぐことができる。
構造物には、鋼材として、角形鋼管(コラム)が多用される。近年の構造物の大型化に伴い、構造物に利用されるコラムの重量の低減や、構造物内の空間をより広く取ることが要求されている。これらの要求に応えるために、コラム用鋼板の薄手化が進められている。
以上のとおり、コラム用鋼板には、薄手化が求められるとともに、優れた低温靭性が求められる。ところで、従来のコラムは、鋼板を溶接することにより、L字又はU字形状を成形して製造されていた。しかしながら、最近では、コラムは主として、薄手のコラム用鋼板を曲げ加工することにより成形される。したがって、薄手のコラム用鋼板には、優れた低温靭性だけでなく、優れた曲げ加工性も求められる。
コラム用鋼板の低温靭性を高める技術が、特開平10−17981号公報(特許文献1)、特開平4−141517号公報(特許文献2)及び特開2008−240097号公報(特許文献3)に開示されている。
特許文献1に開示された鋼材では、鋼材の表面のうち、少なくとも2つの外表面に関して、表層から全厚みの10〜33%の範囲内の平均フェライト粒径が3μm以下であり、マルテンサイトの割合が10〜60%である。上記鋼材の製造方法は次のとおりである。熱間圧延前又は圧延途中に2〜40℃/秒の冷却速度で鋼材をAr3点以下に冷却する。Ar3点以下で、復熱が完了するまでの間に、20〜90%の累積圧下率で仕上げ圧延を完了する。鋼材をAr3点まで復熱した後、0.2〜20℃/秒の冷却速度で鋼材を冷却し、フェライト変態させる。この製造方法では、50mm程度の板厚を有する厚板の表層をAr3点以下まで冷やす。そして、圧延後、鋼板の保持熱量による復熱を利用して、表層をオーステナイトに逆変態させて微細化する。
特許文献2に開示された鋼材は、鋼材厚の2〜33%に対応する上下表層部において、5μm以下の結晶粒径のフェライトを面積率で50%以上含有し、脆性亀裂伝播停止特性及び低温靭性に優れる。上記鋼材の製造方法は次のとおりである。鋼材を熱間圧延して、鋼材厚の2〜33%に対応する上下表層部の領域を、Ar3点以上の温度から2℃/秒以上の冷却速度で冷却する。鋼材をAr3点以下に冷却した後冷却を停止して、鋼材を復熱させる。冷却後の復熱が完了する迄の間に仕上げ圧延を実施する。
特許文献3に開示された鋼板の製造方法は次のとおりである。粗圧延後、仕上げ圧延前に、シートバーに対して、表層部を50℃/秒以上の冷却速度でAr3点以下の温度に達するまで急冷する(加速冷却)。加速冷却を停止後、表層部の温度を、逆変態が完了するAc3点以上の温度まで復熱させ、その後、仕上圧延を実施する。以上の製造方法により製造された鋼板は、表面品質と延性亀裂伝播特性に優れる。
特開平10−17981号公報 特開平04−141517号公報 特開2008−240097号公報
上述のとおり、最近では、コラムは、溶接に代えて、6〜25mmの薄手のコラム用鋼板に対して曲げ加工を実施して製造される。特許文献1及び2では、表面から板厚の33%の深さ位置までの表層領域を微細化して、低温靭性に優れた鋼板を製造する。6〜25mmの板厚のコラム用鋼板に特許文献1及び2の技術を適用した場合、鋼板の表面から33%の深さ位置まで微細組織が形成される。この場合、微細組織が鋼板内部にまで形成されるため、曲げ加工性が低い。
特許文献3では、圧延後の表層部の温度をAc3点に至るまで復熱し、その後、オーステナイト単相域で鋼材を圧延する。特許文献3の鋼材はTiを含有する。そのため、フェライト変態、及び、復熱時のオーステナイト逆変態は、Tiのソリュートドラッグ効果により遅延する。その結果、変態時間が長くなり、板厚内部で粒成長が起り、低温靭性が低下する。
本発明の目的は、低温靭性及び曲げ性に優れた熱延鋼板及び熱延鋼板の製造方法を提供することである。
本発明による熱延鋼板は、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.5〜2.5%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下、Nb:0〜0.10%、B:0〜0.0030%、Ca:0〜0.0050%、Mo:0〜0.5%、及び、Cr:0〜1.0%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成と、面積分率で70%以上のフェライトと、パーライトからなる組織とを備え、6〜25mmの板厚T0を有する。板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCは5〜15μmである。熱延鋼板はさらに、表面から板厚方向に形成され、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの1.0倍未満である細粒層を含む。細粒層は、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍である特定細粒層を含む。特定細粒層の厚さをTF0とし、細粒層のうちフェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1倍未満である極細粒層の厚さをTF1とした場合、式(1)〜式(3)を満たす。特定細粒層と極細粒層のフェライト粒の平均粒径は、平均粒径GCの0.1〜0.4倍である。
2≦(TF0+TF1)/T0×100≦12 (1)
0<TF0/T0×100≦12 (2)
0≦TF1/T0×100≦2 (3)
本発明による熱延鋼板は、低温靭性及び曲げ性に優れる。
図1は、熱延鋼板の表層の細粒層(特定細粒層及び極細粒層)のフェライト粒の平均粒径の測定方法を説明するための模式図である。
本発明者らは、6〜25mmの板厚を有する薄手の熱延鋼板の低温靭性及び曲げ性について、調査及び検討を行い、次の知見を得た。
(1)薄手の鋼板では、熱間圧延中の保持熱量が小さい。したがって、鋼板の表面を冷却しすぎれば、鋼板が冷えすぎて復熱しない。この場合、鋼板内部も硬質化して、曲げ性が低くなる。
(2)薄手の鋼板に対して、板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCを5〜15μmにする。さらに、鋼板の表層を細粒化して細粒層を形成し、細粒層のフェライト粒を、その他の鋼板部分(板厚内部)のフェライト粒よりも細粒にする。ここで、細粒層とは、フェライト粒の平均粒径が板厚内部の平均粒径GCの1.0倍未満の領域を意味する。細粒層の具体的な定義は後述する。細粒層は、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍となる領域の特定細粒層を含む。細粒層はさらに、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1倍未満となる領域の極細粒層を含んでもよい。板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCが5〜15μmであり、さらに、特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の合計が所定の厚さの範囲内であれば、優れた低温靭性及び曲げ性が得られる。しかしながら、極細粒層の厚さTF1が厚すぎれば、曲げ性が低下する。
熱延鋼板の板厚をT0と定義する。板厚T0と、特定細粒層の厚さTF0と、極細粒層の厚さTF1とが、式(1)〜式(3)を満たし、特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍であれば、熱延鋼板は優れた低温靭性及び曲げ性を有する。
2≦(TF0+TF1)/T0×100≦12 (1)
0<TF0/T0×100≦12 (2)
0≦TF1/T0×100≦2 (3)
つまり、板厚T0に対する特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の合計の比(%)が2〜12%であり(式(1))、板厚T0に対する厚さTF0の比が0超〜12%であり(式(2))、かつ、板厚T0に対する極細粒層の厚さTF1の比(%)が0〜2%であって(式(3))、さらに、特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍であれば、優れた低温靭性及び曲げ性が得られる。
(3)上述の組織を有する薄手の熱延鋼板を製造するために、鋼板をAr3点以下で仕上げ圧延を実施した後、鋼材の表層のみを速い冷却速度で短時間急冷する。たとえば、仕上げ圧延装置(フィニッシャー)の最終スタンドと、最終スタンドの1つ前のスタンド(以下、前段スタンドという)との間に冷却装置を設置して、前段スタンドを出た鋼板表面を、50℃/秒以上でAr3点以下になるまで冷却する(第1冷却工程)。このような速い冷却速度でフェライト域温度まで冷却すれば、鋼板の板厚方向の温度分布が大きくなる。さらに、変態時の冷却速度が速いため、冷却後に表層に形成されるフェライト粒が細粒となる。さらに、速い冷却速度での冷却により、鋼板の保持熱量が失われず、仕上げ圧延後の鋼板の表層がAc3点以上に復熱する。復熱により鋼板表面の温度がAc3点に到達した後、2.5秒以内に再び急冷する(第2冷却工程)。これにより、表層のみがいったん逆変態し、微細化される。その結果、特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1との合計を板厚T0の2〜12%とすることができ、さらに、極細粒層の厚さTF1を板厚T0の0〜2%に抑えることができる。さらに、板厚内部のフェライト粒の平均粒径を5〜15μmとすることができ、特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径を平均粒径GCの0.1〜0.4倍にすることができる。なお、上記製造方法により、特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の合計を板厚T0の12%以下に抑えることができるため、熱延鋼板の表面品位も維持される。
(4)鋼材の表層を短時間急冷した後(第1冷却工程後)、復熱中であって表面温度がAc3点以下の鋼板に対して、20%以下の圧下率でさらに仕上げ圧延を実施してもよい。この場合、Ac3点以下の鋼板の表層に多くのひずみが導入されるため、特定細粒層がさらに形成されやすい。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態による熱延鋼板は、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.5〜2.5%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下、Nb:0〜0.10%、B:0〜0.0030%、Ca:0〜0.0050%、Mo:0〜0.5%、及び、Cr:0〜1.0%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成と、面積分率で70%以上のフェライトと、パーライトからなる組織とを備え、6〜25mmの板厚T0を有する。板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCは5〜15μmである。熱延鋼板はさらに、表面から板厚方向に形成され、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの1.0倍未満である細粒層を含む。細粒層は、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍である特定細粒層を含む。特定細粒層の厚さをTF0とし、細粒層のうちフェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1倍未満である極細粒層の厚さをTF1とした場合、式(1)〜式(3)を満たす。特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径は、平均粒径GCの0.1〜0.4倍である。
2≦(TF0+TF1)/T0×100≦12 (1)
0<TF0/T0×100≦12 (2)
0≦TF1/T0×100≦2 (3)
上記熱延鋼板の化学組成は、Nb:0.001〜0.10%、B:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0005〜0.0050%、Mo:0.02〜0.5%、及び、Cr:0.02〜1.0%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
本実施形態による熱延鋼板の製造方法は、上述の化学組成を有するスラブを1100〜1350℃に加熱する工程と、加熱されたスラブに対して、Ar3点以上で仕上げ圧延を実施して鋼板を製造する工程と、仕上げ圧延後の鋼板を50℃/秒以上の冷却速度で冷却し、鋼板の表面温度をAr3〜Ar3−200℃にする第1冷却工程と、第1冷却工程後、鋼板を復熱させて鋼板の表面温度をAc3点以上にする復熱工程と、鋼板の表面温度がAc3点に到達してから2.5秒以内に、鋼板を30℃/秒以上の冷却速度で冷却して鋼板の表面温度を700〜450℃にする第2冷却工程と、第2冷却工程後、鋼板を巻取る工程とを含む。
この場合、上述の組織を有する熱延鋼板を製造できる。
好ましくは、上記製造方法は、復熱工程中であって表面温度がAc3点以下の鋼板に対して20%以下(0%を含まない)の圧下率で仕上げ圧延をさらに実施する工程を含む。
この場合、製造された熱延鋼板の表層中のフェライト粒がさらに微細になりやすい。
以下、本実施形態の熱延鋼板について詳述する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[化学組成]
本実施形態の熱延鋼板の化学組成は、次の元素を含有する。
C:0.01〜0.20%
炭素(C)は鋼の強度を高める。C含有量は低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、鋼の低温靭性が低下する。したがって、C含有量は0.01〜0.20%である。C含有量の好ましい下限は0.04%であり、さらに好ましくは0.06%である。C含有量の好ましい上限は。0.16%であり、さらに好ましくは0.12%である。
Si:0.01〜1.0%
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Siはさらに、フェライトに固溶して鋼の強度を高める。Si含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の低温靭性が低下する。したがって、Si含有量は0.01〜1.0%である。Si含有量の好ましい下限は0.03%であり、さらに好ましくは0.1%である。Si含有量の好ましい上限は0.9%であり、さらに好ましくは0.5%である。
Mn:0.5〜2.5%
マンガン(Mn)は、フェライトに固溶して鋼の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、スラブの割れ感受性が高まり、割れが発生しやすくなる。したがって、Mn含有量は、0.5〜2.5%である。Mn含有量の好ましい下限は0.6%であり、さらに好ましくは0.8%である。Mn含有量の好ましい上限は2.0%であり、さらに好ましくは1.8%である。
P:0.1%以下
燐(P)は不純物である。Pは鋼の加工性及び溶接性を低下する。したがって、P含有量は0.1%以下である。低温靭性及び曲げ性をさらに高める場合、好ましいP含有量は0.02%以下である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
S:0.01%以下
硫黄(S)は不純物である。SはMnS等の粗大な介在物を生成し、鋼の成形性を低下する。したがって、S含有量は0.01%以下である。低温靭性及び曲げ性をさらに高める場合、好ましいS含有量は0.005%以下である。
Al:0.005〜1.0%
アルミニウム(Al)は鋼を脱酸する。Al含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、A3変態点が高くなり、本実施形態のコラム用熱延鋼板に必要な圧延温度が確保しにくくなる。したがって、Al含有量は0.005〜1.0%である。Al含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Al含有量の好ましい上限は0.6%であり、さらに好ましくは0.3%である。本実施形態でいうAl含有量とは、酸可溶Al(sol.Al)を意味する。
N:0.01%以下
窒素(N)は不純物である。Nは鋼に固溶して、鋼の延性及び低温靭性を低下する。したがって、N含有量は、製造工程への負荷が許容できる範囲で、0.01%以下である。好ましいN含有量は0.006%以下である。N含有量はなるべく低い方が好ましい。
本実施形態による熱延鋼板の化学組成の残部はFe及び不純物からなる。本明細書において、不純物とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は、製造環境などから混入するものを意味する。
本実施形態による熱延鋼板の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Nb、B、Ca、Mo、及び、Crからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
Nb:0〜0.10%
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは結晶粒を微細化する。しかしながら、Nb含有量が高すぎればフェライト変態が遅延し、表層の逆変態を活用できない。したがって、Nb含有量は0〜0.10%である上記効果をより有効に得るためのNb含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%である。Nb含有量の好ましい上限は0.05%である。
B:0〜0.0030%
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは粒界の強度を高め、鋼の低温靭性を高める。しかしながら、B含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、B含有量は0〜0.0030%である。上記効果をより有効に得るためのB含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.0008%である。B含有量の好ましい上限は0.0020%である。
Ca:0〜0.0050%
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは溶鋼中に微細な酸化物を生成し、結晶粒を微細化する。Caはさらに、鋼中のSと結合して球形のCaSを生成し、MnS等の延伸介在物の生成を抑制する。延伸介在物の生成が抑制されれば、鋼の曲げ性が高まる。したがって、Ca含有量は0〜0.0050%である。上記効果をより有効に得るためのCa含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.0010%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0045%である。
Mo:0〜0.5%
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは粒成長を抑制して結晶粒を微細化する。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、スラブの割れ感受性が高まる。したがって、Mo含有量は0〜0.5%である。上記効果をより有効に得るためのMo含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.05%である。Mo含有量の好ましい上限は0.4%である。
Cr:0〜1.0%
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crはパーライト変態を抑制し、表層の逆変態の製造範囲を拡げる。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、延性が低下する。したがって、Cr含有量は0〜1.0%である。上記効果をより有効に得るためのCr含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.04%である。Cr含有量の好ましい上限は0.8%である。
[ミクロ組織]
本実施形態による熱延鋼板の組織は、面積分率で70%以上のフェライトと、パーライトとからなる。以降の説明では、組織中のフェライトの面積分率を「フェライト分率」と称し、パーライトの面積分率を「パーライト分率」と称する。フェライト分率が70%未満であれば、鋼の曲げ性が低下する。フェライト分率が70%以上であれば、優れた曲げ性が得られる。
ミクロ組織観察及びフェライト分率は次の方法で測定される。熱延鋼板の板厚をT0(mm)と定義する。熱延鋼板の表面からT0/4深さ部分をナイタールでエッチングする。エッチングされた部分の任意の4視野(各視野は400μm×400μm)で、ミクロ組織観察を実施する。エッチングにより、フェライト、パーライト等の組織を識別できる。各視野のフェライト分率を求め、その平均をフェライト分率(%)と定義する。
[板厚T0]
本実施形態による熱延鋼板は、曲げ加工により成形されるコラムに特に好適に用いられる。そのため、本実施形態で対象とする熱延鋼板の板厚T0は、6〜25mmである。板厚T0が6mm未満である場合、後述の第1冷却工程後の復熱能力が低いため、表層が微細化されない。一方、板厚T0が25mmを超えれば、曲げ加工の対象とならない。さらに、板厚T0が25mmを超える場合、仕上げ圧延でのスタンド間の冷却において、熱延鋼板の表面から板厚T0の12%深さまでの領域(表層)をAr3点以下まで冷却するのが熱伝導の観点から困難である。そのため、生産性が低下する。したがって、本実施形態の熱延鋼板の板厚T0は6〜25mmである。
[板厚内部のフェライト粒の平均粒径GC]
本実施形態の熱延鋼板の板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCは5〜15μmである。
ここで、平均粒径GCは次の方法で測定される。熱延鋼板の圧延方向と垂直な断面(横断面という)において、表面から板厚T0の1/4〜3/4の深さ範囲を板厚内部と定義する。横断面に対して上述のミクロ組織観察を実施して、板厚内部のフェライト粒を特定する。特定されたフェライト粒の平均粒径を、JIS G0551(2013)に準拠した交点の数に基づいて求める。
板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCが5〜15μmであれば、6〜25mmの板厚T0を有する熱延鋼板において、後述の細粒層を備えることを条件に、優れた曲げ性が及び優れた低温靭性が得られる。平均粒径GCが5μm未満であれば、板厚内部のフェライト粒が微細過ぎる。この場合、板厚内部が硬質化して、曲げ性が低下する。一方、平均粒径GCが15μmを超えれば、熱延鋼板の低温靭性が低下する。
[細粒層、特定細粒層及び極細粒層]
本実施形態の熱延鋼板はさらに、表面に細粒層を備える。細粒層は、熱延鋼板の表面から内部に向かって板厚方向に形成される。熱延鋼板の表面を含む表層において、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの1.0倍未満となる領域を、「細粒層」と定義する。
細粒層のうち、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍となる領域を「特定細粒層」と定義する。さらに、細粒層のうち、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1倍未満となる領域を「極細粒層」と定義する。特定細粒層の厚さをTF0とし、極細粒層の厚さをTF1とした場合、板厚T0に対する厚さTF0及び厚さTF1の合計の比は2〜12%であり、板厚T0に対する厚さTF0の比は0超〜12%であり、板厚T0に対する厚さTF1の比は0〜2%である。換言すれば、板厚T0と、厚さTF0及びTF1とは、次の式(1)〜式(3)を満たす。
2≦(TF0+TF1)/T0×100≦12 (1)
0<TF0/T0×100≦12 (2)
0≦TF1/T0×100≦2 (3)
特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の合計(以下、特定細粒層等厚さという)は、熱延鋼板の板厚T0の2%〜12%である。特定細粒層等厚さが板厚の2%未満であれば、特定細粒層等厚さが薄すぎる。この場合、熱延鋼板の低温靭性が低下する。一方、特定細粒層等厚さが板厚の12%を超えれば、特定細粒層等厚さが厚すぎる。この場合、熱延鋼板の板厚内部に至る部分にまで細粒層が形成され、板厚内部が硬質化する。そのため、熱延鋼板の曲げ性が低下する。特定細粒層等厚さ(TF0+TF1)が板厚T0の2〜12%であれば、優れた低温靭性及び曲げ性が得られる。
極細粒層は細粒層内に存在してもよいし、存在しなくてもよい。しかしながら、極細粒層が存在する場合、極細粒層の厚さTF1が厚すぎれば、熱延鋼板が硬質化して熱延鋼板の曲げ性が低下する。したがって、極細粒層の厚さTF1は、熱延鋼板の板厚T0の0〜2%である。なお、特定細粒層は必ず存在するため、板厚T0に対する特定細粒層TF1の比は0超〜12%である。
なお、表層の細粒層が特定細粒層を含まない場合、つまり、細粒層の平均粒径が平均粒径GCの0.4倍よりも高く1.0倍未満である場合、熱延鋼板の低温靭性が低下する。
[特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径]
本実施形態では、特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径(極細粒層が存在しない場合は、特定細粒層のフェライト粒の平均粒径)は、平均粒径GCの0.1〜0.4倍である。特定細粒層及び極細粒層のフェライト粒の平均粒径が0.1倍未満であれば、熱延鋼板の曲げ性が低下し、0.4倍を超えれば、熱延鋼板の低温靭性が低下する。平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍であれば、熱延鋼板は優れた低温靭性及び優れた曲げ性を有する。
[細粒層中の特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の測定方法]
特定細粒層の厚さTF0、極細粒層の厚さTF1は、次のとおり測定される。熱延鋼板の横断面(圧延方向に垂直な断面、400μm×400μm)のうち、表面から板厚の35%深さまでの領域(以下、対象領域という)において、上述のミクロ組織観察を実施してフェライト粒を特定する。特定された各フェライト粒の粒径をJIS G0551(2013)に準拠した交点の数に基づいて求める。続いて、フェライト粒の平均粒径を、板厚T0の1%単位で測定する。具体的には、図1に示すとおり、上記横断面1を、板厚方向に、板厚T0の1%ピッチで区画する。区画された各領域10は、幅400μmであり、厚さは板厚T0の1%である。各領域10ごとに、フェライト粒の平均粒径を求める。
得られたフェライト粒の平均粒径に応じて、各領域10を、次のカテゴリに分類する。
細粒層A(特定細粒層):フェライト粒の平均粒径が、平均粒径GCの0.1〜0.4倍
細粒層B(極細粒層):フェライト粒の平均粒径が、平均粒径GCの0.1倍未満
細粒層C:フェライト粒の平均粒径が、平均粒径GCの0.4倍超〜1.0倍未満
一般層D:フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの1.0倍以上
上記カテゴリに区分された各領域10のうち、細粒層Aに区分された領域10の厚さの合計を、特定細粒層の厚さTF0と定義する。同様に、細粒層Bに区分された領域10の厚さの合計を、極細粒層の厚さTF1と定義する。
熱延鋼板の表層は、表面から鋼板中央に向かって、例えば、次のとおり層が配列され得る。
パターン1:表面→細粒層A→細粒層C→一般層D
パターン2:表面→細粒層B→細粒層A→細粒層C→一般層D
パターン3:表面→細粒層B→細粒層A→一般層D
パターン4:表面→細粒層A→細粒層B→細粒層A→細粒層C→一般層D
パターン5:表面→細粒層A→細粒層B→細粒層A→一般層D
パターン6:表面→細粒層A→一般層D
パターン7:表面→細粒層B→一般層D
パターン8:表面→細粒層B→細粒層C→細粒層D
パターン9:表面→細粒層C→一般層D
パターン10:表面→一般層D
本実施形態の熱延鋼板は、パターン1〜パターン6のいずれかである。
なお、本実施形態のコラム用熱延鋼板の引張強度は400MPa以上である。
[製造方法]
本実施形態のコラム用熱延鋼板の製造方法の一例を説明する。本製造方法は、スラブを加熱する工程(加熱工程)と、加熱されたスラブを圧延して鋼板を製造する工程(圧延工程)と、仕上げ圧延後に鋼板の表層を冷却する工程(第1冷却工程)と、第1冷却工程後、表層を復熱させる工程(復熱工程)と、復熱工程後、鋼板を急冷する工程(第2冷却工程)と、第2冷却工程後の熱延鋼板を巻取る工程(巻取り工程)とを含む。以下、各工程について説明する。
[加熱工程]
はじめに、上記化学組成を有するスラブを1100〜1350℃に加熱する。スラブは、連続鋳造により製造される。スラブの加熱温度が1100℃未満であれば、スラブの均質化が不十分となり、加工性が低下する。一方、スラブの加熱温度が1350℃を超えれば、スラブ内でオーステナイト粒が粗大になるため、熱延鋼板のフェライト粒の平均粒径を細かくすることができない。したがって、スラブを1100〜1350℃に加熱する。
[圧延工程]
圧延工程では、加熱されたスラブに対して粗圧延を実施し、さらに、仕上げ圧延を実施して鋼板を製造する。粗圧延及び第1冷却工程前の仕上げ圧延における圧延温度は、組織の均一性及び鋼板形状を確保するため、Ar3点以上である。
[第1冷却工程]
上記仕上げ圧延後の鋼板を、50℃/秒以上の冷却速度CR1で、鋼板表面がAr3点〜Ar3点−200℃となるまで冷却する(第1冷却)。第1冷却における冷却速度CR1が50℃/秒未満である場合、鋼板の表層だけでなく、板厚内部まで冷却されてしまう。この場合、表層のみを微細化することができない。したがって、冷却速度CR1は50℃/秒以上である。冷却速度CR1の好ましい下限は200℃/秒である。この場合、細粒層がより均一に微細化される。冷却速度CR1の上限は特に制限されない。しかしながら、製造設備上、冷却速度CR1の好ましい上限は1000℃/秒である。冷却速度CR1はたとえば、仕上げ圧延時の圧延速度を調整することにより、調整できる。冷却装置の冷却能力(冷却流体等を用いる場合は、その流量)を調整することにより、冷却速度CR1を調整してもよい。
第1冷却では、鋼板の表面温度がAr3点〜Ar3点−200℃になるまで冷却する。第1冷却後の表面温度がAr3点を超える場合、表層がフェライト変態しないため、微細化しない。一方、表面温度がAr3−200℃未満となれば、鋼板が冷えすぎて復熱しにくい。さらに、鋼板内部まで冷却されて、細粒層の厚さが板厚の12%を超える。したがって、第1冷却では、鋼板の表面温度がAr3点〜Ar3点−200℃になるまで冷却する。第1冷却はたとえば、仕上げ圧延機(フィニッシャー)の最終スタンドと、その1つ前の前段スタンドとの間に冷却装置を設置して、その冷却装置を用いて冷却する。
[復熱工程]
第1冷却により冷却された鋼板をAc3点まで復熱させる。鋼板の表面温度がAc3点まで復熱されれば、表層がオーステナイトに逆変態する。そのため、表層のフェライト粒を微細化できる。上述の第1冷却工程を実施した鋼板を放置しておけば、復熱により表面温度がAc3点に到達する。
好ましくは、第1冷却工程後、復熱中であって、表面温度がAc3点以下である鋼板に対して、20%以下(0%を含まない)の圧下率でさらに仕上げ圧延を実施する。この場合、フェライトにさらに多くのひずみが導入される。ひずみが多く導入されれば、復熱によりAc3点に到達した表層の組織がオーステナイトに逆変態しやすくなり、表層のフェライト粒の平均粒径がさらに微細になる。圧下率が高いほど、その効果は大きい。しかしながら、圧下率が20%を超えると、フェライトでの圧延集合組織が形成され、異方性が生じる。この場合、熱延鋼板の曲げ性が低下する。したがって、第1冷却後にさらなる仕上げ圧延を実施する場合、圧下率は20%以下である。
[第2冷却工程]
復熱により鋼板の表面温度がAc3点まで到達した後、2.5秒以内に、鋼板に対して30℃/秒以上の冷却速度CR2で急冷(強制冷却)を実施する(第2冷却)。第2冷却はたとえば、ランアウトテーブル(ROT)の冷却装置(冷却バンク)を用いる。
c3点に到達した後第2冷却を実施するまでの時間が2.5秒を超えれば、逆変態により微細化されたオーステナイトの粒成長が促進され、粗大化してしまう。この場合、上述の厚さの細粒層が得られない。したがって、Ac3点到達後、なるべく早く第2冷却を開始した方が好ましい。好ましくは、Ac3点到達後、2.0秒以内に第2冷却を開始する。
第2冷却は、30℃/秒以上の冷却速度CR2で、鋼板温度が450〜700℃になるまで実施する。冷却速度CR2の上限は特に制限されない。しかしながら、製造設備上、冷却速度CR2の好ましい上限は200℃/秒である。
[巻取り工程]
鋼板温度が450〜700℃になった後、巻取りを実施する。つまり、巻取り温度CTは450〜700℃である。巻取り温度CTが450℃未満であれば、熱延鋼板の組織がベイニティックフェライトとなる。この場合、鋼板内部のフェライト粒も微細になる。さらに、組織中に硬質なベイナイト及びマルテンサイトが生成しやすくなる。そのため、熱延鋼板の曲げ性が低下する。一方巻取り温度CTが700℃を超えれば、表層のフェライト粒が粗大化し、表層のフェライト粒の粒径と内部のフェライト粒の粒径との差が小さくなる。この場合、熱延鋼板の低温靭性が低下する。したがって、巻取り温度CTは450〜700℃である。
[製造方法]
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Iのスラブを連続鋳造により製造した。
Figure 0006477020
各鋼A〜Iのスラブの厚さは230mmであった。各スラブを用いて、表2に示す製造条件により、コラム用熱延鋼板を製造した。
Figure 0006477020
各試験番号のスラブを1200〜1250℃に加熱した。加熱されたスラブに対して粗圧延を実施して、鋼板を製造した。さらに、鋼板に対して仕上げ圧延を実施した。仕上げ圧延は、6スタンドの仕上げ圧延機(フィニッシャー)を用いた。各試験番号では、フィニッシャーの第5スタンドFT5で仕上げ圧延を実施した。第5スタンドFT5での圧延後の鋼板の表面温度は、表2の「FT5」(℃)に示すとおりであった。第5スタンドFT5で圧延後、第5スタンドと第6スタンドとの間に配置された水冷装置により、表2に示す「冷却速度CR1」(℃/秒)で鋼板の表層の冷却を実施した(第1冷却工程)。第1冷却工程後の鋼板の表面温度は、表2中の「std間温度」(℃)に示すとおりであった。その後、鋼板を復熱させた(復熱工程)。復熱工程において、第2冷却開始直前の鋼板温度を表2中の「復熱温度」(℃)に示す。
なお、試験番号2〜16,21〜28及び30では、復熱工程中において、フィニッシャーの第6スタンドFT6を用いて、さらなる仕上げ圧延を実施した。第6スタンドFT6での仕上げ圧延後の鋼板の表面温度を表2中の「FT6」(℃)に示し、第6スタンドFT6での圧下率を「FT6圧下率」(%)に示す。第6スタンドFT6での仕上げ圧延後、復熱工程を継続した。
復熱により鋼板の表面温度がAc3点に到達した後、表2に示す「冷却開始」(秒)後に、ランアウトテーブル(ROT)による強制冷却を、表2の「冷却速度CR2」(℃/秒)に示す冷却速度で実施した(第2冷却工程)。第2冷却後、表2に示す巻取り温度CT(℃)で熱延鋼板を巻取った。巻取り後の熱延鋼板の板厚は、表2の「板厚」(mm)に示すとおりであった。
[評価試験]
製造された各試験番号の熱延鋼板に対して、次の評価試験を実施した。
Figure 0006477020
[ミクロ組織観察試験]
上述の方法で各試験番号のミクロ組織観察を実施した。その結果、いずれの試験番号の熱延鋼板も、フェライト及びパーライトからなる組織であった。上述の方法により、フェライト分率(%)及びパーライト分率(%)を求めた。得られたフェライト分率及びパーライト分率を表3に示す。
[板厚内部の平均粒径GC]
各試験番号の平均粒径GC(μm)を、上述の測定方法により求めた。得られた平均粒径GCを表3に示す。
[細粒層のフェライト粒の粒径比及び厚さ]
次の方法により、各試験番号の層の粒径比及び厚さを求めた。上述の細粒層中の特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の測定方法に沿って、表面から板厚の35%深さまでの領域の各フェライト粒の粒径を測定した。具体的には、各試験番号の熱延鋼板の横断面(400μm×400μm)のうち、表面から板厚の35%深さまでの領域(以下、対象領域という)において、上述のミクロ組織観察を実施してフェライト粒を特定した。特定された各フェライト粒の粒径をJIS G0551(2013)に準拠した交点の数に基づいて求めた。続いて、フェライト粒の平均粒径を、板厚T0の1%単位で測定した。具体的には、図1に示すとおり、横断面1を、板厚方向に、板厚T0の1%ピッチで複数の領域10に区画した。各領域10ごとに、フェライト粒の平均粒径を求めた。さらに、各領域ごとに、次の式に基づいて領域ごとの粒径比を求めた。
領域ごとの粒径比=その領域の平均粒径/平均粒径GC
粒径比に応じて、各領域10を、細粒層A〜C、一般層Dに分類した。分類結果を表3中の「層種類」欄に示す。表3中の「層種類」が「A」である場合、細粒層(つまり、熱延鋼板の表面から板厚方向に形成され、フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの1.0倍未満の層)は、特定細粒層である細粒層A(フェライト粒の平均粒径が平均粒径GCの0.1〜0.4倍の層)を含み、かつ、極細粒層である細粒層Bを含まなかったことを意味する。表3中の「層種類」が「B」である場合、細粒層が極細粒層である細粒層B(フェライトの平均粒径が平均粒径GCの0.1倍未満)を含み、かつ、特定細粒層である細粒層Aを含まなかったことを意味する。表3中の「層種類」が「A+B」である場合、熱延鋼板の表面からの順序に関係なく細粒層が細粒層A及び細粒層Bのいずれも含むことを意味する。「層種類」が「C」である場合、熱延鋼板の表層から板厚方向に形成される細粒層が細粒層Cのみである、又は、表面よりも深い位置に細粒層A及び/又は細粒層Bが存在するか否かにかかわらず、表面に存在する細粒層が細粒層Cであることを意味する。「層種類」が「D」である場合、細粒層が存在しなかった、つまり、表層は一般層Dのみからなることを意味する。
各試験番号の表3中の表層平均粒径は、次の方法で算出した。層種類が「A」である場合、細粒層Aを示す領域10のフェライト粒径の総平均を算出した。層種類が「A+B」である場合、細粒層Aを示す領域10のフェライト粒径と細粒層Bを示す領域10のフェライト粒径との総平均を算出した。層種類が「C」である場合、細粒層Cを示す領域10のフェライト粒径の総平均を算出した。層種類が「D」である場合、表面から板厚T0の12%深さまでの領域のフェライト粒径の平均を算出した。フェライト粒径は、上述のJIS G0551(2013)に準拠した交点の数に基づいて求めた。
各試験番号の表3中の「粒径比」は、次の式で算出した。
粒径比=表層平均粒径/平均粒径GC
各試験番号において、表層が細粒層A、B、A+B、Cのいずれかに分類された場合、板厚T0に対する、分類された細粒層の厚さの比(%)を求めた。求めた結果を表3中の「細粒層の厚さ(%)」に示す。
[引張試験]
各試験番号の熱延鋼板の圧延幅方向(C方向)に、JIS Z2241(2011)に規定されたJIS5号試験片を採取した。JIS5号試験片を用いて、引張試験を実施して、降伏強度YP(MPa)及び引張強度TS(MPa)を求めた。得られた降伏強度YP(MPa)及び引張強度TS(MPa)を表3に示す。
[曲げ試験]
各試験番号熱延鋼板のC方向に、JIS Z2248(2006)に規定されたJIS1号試験片を採取した。JIS1号試験片を用いて、JIS Z2248(2006)に準拠した曲げ試験を実施した。試験片を180°曲げ加工しても割れが発生しなかった場合、曲げ性に優れると判断した。表3中の「曲げ性」欄の「○」印は、180°曲げ加工しても割れが発生しなかったことを示す。「×」印は、曲げ試験中に割れが発生したことを示す。
[シャルピー衝撃試験]
各試験番号の熱延鋼板から、JIS Z2242(2005)に規定されたシャルピー衝撃試験片を採取した。試験片のノッチはVノッチであり、ノッチの延在方向は圧延方向であった。
試験片を用いて、JIS Z2242(2005)に準拠して、試験温度−60℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギーを求めた。得られた吸収エネルギーを表3に示す。
[試験結果]
表3を参照して、試験番号1,6,7,9,11,13〜15,18,19,21,22,25及び27〜30では、化学組成が適切であり、かつ、製造方法も適切であった。そのため、これらの試験番号の熱延鋼板では、フェライト分率が70%以上であり、板厚内部の平均粒径GCが5〜15μmであった。さらに、細粒層は特定細粒層(細粒層A)を含み、極細粒層(細粒層B)を含まなかった。そのため、板厚T0に対する極細粒層の厚さTF1の比は0%であり(式(3))、板厚T0に対する特定細粒層の厚さTF0の比は表3中の「細粒層の厚さ」に相当するため、式(1)及び式(2)を満たした。そのため、引張強度TSはいずれも400MPa以上であり、さらに、曲げ性に優れた。また、吸収エネルギーは100J以上であり、優れた低温靭性を示した。
試験番号3,4,10,23及び26では、化学組成が適切であり、かつ、製造方法も適切であった。そのため、これらの試験番号の熱延鋼板では、フェライト分率が70%以上であり、板厚内部の平均粒径GCが5〜15μmであった。さらに、細粒層は特定細粒層(細粒層A)と極細粒層(細粒層B)とを含んだ。測定の結果、板厚T0に対する極細粒層の厚さTF1の比は2%以下であり、式(3)を満たした。さらに、板厚T0に対する特定細粒層の厚さTF0及び極細粒層の厚さTF1の比は、表3中の「細粒層の厚さ」に相当するため、式(1)及び式(2)を満たした。そのため、引張強度TSはいずれも400MPa以上であり、さらに、曲げ性に優れた。また、吸収エネルギーは100J以上であり、優れた低温靭性を示した。
一方、試験番号2では、化学組成は適切であったものの、復熱後の第2冷却の開始が遅すぎた。そのため、表層に形成されたのは細粒層Cであり、特定細粒層(細粒層A)が形成されなかった。その結果、吸収エネルギーが100J未満であった。復熱後の第2冷却の開始が遅すぎたため、製造中の熱延鋼板の板厚方向の温度分布が均一になり、その結果、表層のフェライト粒が粗大化したためと考えられる。
試験番号5では、化学組成は適切であったものの、スタンドFT6での圧下率が20%を超えた。そのため、表層に極細粒層(細粒層B)が板厚T0の8%厚さで形成されたものの、特定細粒層(細粒層A)が形成されなかった。その結果、曲げ性が低かった。圧下率が高すぎたため、表層のフェライト粒が微細になりすぎ、熱延鋼板が硬質化したためと考えられる。
試験番号8では、化学組成は適切であったものの、第1冷却工程後の鋼板の表面温度がAr3点を超えた。そのため、細粒層が形成されず(一般層Dのみが形成)、吸収エネルギーが100J未満であった。第1冷却工程で鋼板がフェライト変態しなかったため、細粒層が形成されなかったと考えられる。
試験番号12では、化学組成は適切であったものの、第1冷却工程での冷却速度CR1が低すぎた。そのため、表層に特定細粒層が形成されず、細粒層Cのみが形成された。さらに、細粒層Cの厚さが板厚の12%を超えた。その結果、曲げ性が低かった。冷却速度が低すぎたため、特定細粒層が形成されないものの、板厚の内部まで冷却されて硬質化されたためと考えられる。
試験番号16では、化学組成は適切であったものの、鋼板がAc3点まで復熱しなかった。そのため、細粒層が形成されず(一般層Dのみが形成)、吸収エネルギーが100J未満であった。鋼板がAc3点まで復熱しなかったため、表層のフェライト粒が粗大化したためと考えられる。
試験番号17では、化学組成は適切であったものの、鋼板の板厚が6mm未満であった。そのため、細粒層が形成されなかった(一般層Dのみが形成)。そのため、吸収エネルギーが100J未満であった。鋼板が薄すぎたため、圧延時の保持熱量が少なすぎ、復熱しなかったためと考えられる。
試験番号20では、化学組成は適切であったものの、第2冷却での冷却速度CR2が遅すぎた。そのため、表層に特定細粒層が形成されず、細粒層Cのみが形成された。そのため、吸収エネルギーが100J未満であった。
試験番号24では、化学組成は適切であったものの、巻取り温度CTが高すぎた。そのため、表層に特定細粒層が形成されず、細粒層Cのみが形成された。その結果、吸収エネルギーが100J未満であった。巻取り温度CTが高すぎたため、巻取り中に表層において粒成長が起こったと考えられる。
試験番号26では、化学組成は適切であったものの、巻取り温度CTが低すぎた。そのため、フェライト率が70%未満となり、板厚内部の組織がベイニティックフェライトとなった。そのため、板厚内部の平均粒径GCが5μm未満となり、曲げ性が低かった。
試験番号29では、化学組成は適切であったものの、第1冷却工程後の鋼板温度がAr3−200℃未満であった。そのため、特定細粒層の厚さTF0が板厚Tの12%を超え、曲げ性が低下した。
試験番号30では、製造条件は適切であったものの、Si含有量が高すぎた。そのため、吸収エネルギーが100J未満であった。Siが固溶することによりフェライトが硬質化したためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 横断面
10 領域

Claims (4)

  1. 熱延鋼板であって、
    C:0.01〜0.20%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.5〜2.5%、
    P:0.1%以下、
    S:0.01%以下、
    Al:0.005〜1.0%、
    N:0.01%以下、
    Nb:0〜0.10%、
    B:0〜0.0030%、
    Ca:0〜0.0050%、
    Mo:0〜0.5%、及び、
    Cr:0〜1.0%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成と、
    面積分率で70%以上のフェライトと、パーライトとからなる組織とを備え、
    6〜25mmの板厚T0を有し、
    板厚内部のフェライト粒の平均粒径GCは5〜15μmであり、
    前記熱延鋼板は、表面から板厚方向に形成され、フェライト粒の平均粒径が前記平均粒径GCの1.0倍未満である細粒層を備え、
    前記細粒層は、前記フェライト粒の平均粒径が前記平均粒径GCの0.1〜0.4倍の特定細粒層を含み、
    前記特定細粒層の厚さをTF0とし、前記細粒層のうち、前記フェライト粒の平均粒径が前記平均粒径GCの0.1倍未満となる極細粒層の厚さをTF1とした場合、式(1)〜式(3)を満たし、
    前記特定細粒層及び前記極細粒層の前記フェライト粒の平均粒径が前記平均粒径GCの0.1〜0.4倍である、熱延鋼板。
    2≦(TF0+TF1)/T0×100≦12 (1)
    0<TF0/T0×100≦12 (2)
    0≦TF1/T0×100≦2 (3)
  2. 請求項1に記載の熱延鋼板であって、
    前記化学組成は、
    Nb:0.001〜0.10%、
    B:0.0005〜0.0030%、
    Ca:0.0005〜0.0050%、
    Mo:0.02〜0.5%、及び、
    Cr:0.02〜1.0%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、熱延鋼板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の熱延鋼板の製造方法であって、
    請求項1又は請求項2に記載の化学組成を有するスラブを1100〜1350℃に加熱する工程と、
    加熱された前記スラブに対して、Ar3点以上で仕上げ圧延を実施して鋼板を製造する工程と、
    仕上げ圧延後の前記鋼板に対して50℃/秒以上の冷却速度で冷却し、前記鋼板の表面温度をAr3〜Ar3−200℃にする第1冷却工程と、
    前記第1冷却工程後、前記鋼板を復熱して前記表面温度をAc3点以上にする復熱工程と、
    前記表面温度がAc3点に到達してから2.5秒以内に、前記鋼板に対して30℃/秒以上の冷却速度で冷却して前記表面温度を700〜450℃にする第2冷却工程と、
    前記第2冷却工程後、前記鋼板を巻取る工程とを備える、熱延鋼板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の熱延鋼板の製造方法であってさらに、
    前記復熱工程中であって前記表面温度がAc3点以下の前記鋼板に対してさらに、20%以下(0%を含まない)の圧下率で仕上げ圧延を実施する工程を備える、熱延鋼板の製造方法。
JP2015039532A 2015-02-27 2015-02-27 熱延鋼板及びその製造方法 Active JP6477020B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039532A JP6477020B2 (ja) 2015-02-27 2015-02-27 熱延鋼板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039532A JP6477020B2 (ja) 2015-02-27 2015-02-27 熱延鋼板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016160474A JP2016160474A (ja) 2016-09-05
JP6477020B2 true JP6477020B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=56844306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015039532A Active JP6477020B2 (ja) 2015-02-27 2015-02-27 熱延鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6477020B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018203111A1 (en) * 2017-05-05 2018-11-08 Arcelormittal Method for producing a high strength steel sheet having high ductility, formability and weldability, and obtained steel sheet
JP6930297B2 (ja) * 2017-08-31 2021-09-01 日本製鉄株式会社 熱延鋼板およびスプライン軸受ならびにそれらの製造方法
CN113789472B (zh) * 2018-05-16 2022-11-29 中车戚墅堰机车车辆工艺研究所有限公司 合金铸钢、其制作方法及应用
CN111690871B (zh) * 2019-03-13 2021-11-16 上海梅山钢铁股份有限公司 一种冷轧电镀锌钢板用热轧钢板及制造方法
CN113073262B (zh) * 2021-03-24 2022-05-10 东北大学 具有优异超低温韧性的双梯度超细晶钢板及其制备方法
JP7396512B2 (ja) 2021-07-16 2023-12-12 Jfeスチール株式会社 厚鋼板および厚鋼板の製造方法
CN114657458B (zh) * 2022-02-18 2022-10-25 山东钢铁集团日照有限公司 大厚度高强韧高热输入焊接用原油储罐钢板及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10102186A (ja) * 1996-10-01 1998-04-21 Nippon Steel Corp 耐座屈特性に優れた溶接構造用鋼板とその製造方法
JP4018318B2 (ja) * 2000-04-18 2007-12-05 株式会社神戸製鋼所 脆性亀裂発生特性に優れた鋼板の製造方法
JP4077167B2 (ja) * 2001-02-28 2008-04-16 株式会社神戸製鋼所 アレスト特性に優れた鋼板およびその製法
JP2003221619A (ja) * 2002-01-31 2003-08-08 Kobe Steel Ltd アレスト特性および延性破壊特性に優れた厚鋼板の製造方法
JP4644075B2 (ja) * 2005-09-02 2011-03-02 新日本製鐵株式会社 穴拡げ性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法
JP5953952B2 (ja) * 2011-11-30 2016-07-20 Jfeスチール株式会社 耐衝突性に優れた鋼材およびその製造方法
US9708680B2 (en) * 2012-04-12 2017-07-18 Jfe Steel Corporation Hot rolled steel sheet for square column for building structural members

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016160474A (ja) 2016-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6477020B2 (ja) 熱延鋼板及びその製造方法
US10287661B2 (en) Hot-rolled steel sheet and method for producing the same
JP5574059B2 (ja) 低温靭性に優れた高強度h形鋼及びその製造方法
US11214847B2 (en) High-strength hot-rolled steel sheet for electric resistance welded steel pipe and manufacturing method therefor
WO2012141263A1 (ja) 局部変形能に優れた高強度冷延鋼板とその製造方法
US20130092295A1 (en) Hot-rolled steel sheet and manufacturing method thereof
US9863022B2 (en) High-strength ultra-thick H-beam steel
JP2010111936A (ja) 鋼材及びその製造方法
CA2775043A1 (en) Low yield ratio, high strength and high toughness steel plate and method for manufacturing the same
JP2017115200A (ja) 低温用h形鋼及びその製造方法
JP5768603B2 (ja) 高一様伸び特性を備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管、およびその製造方法
JP6641875B2 (ja) 低降伏比鋼板およびその製造方法
WO2014175122A1 (ja) H形鋼及びその製造方法
US20220373108A1 (en) Electric resistance welded steel pipe, method for producing the same, line pipe, and building structure
WO2020170774A1 (ja) 角形鋼管およびその製造方法、並びに建築構造物
JP6398452B2 (ja) タンク用鋼材
JP4507708B2 (ja) 低降伏比高強度高靱性鋼板の製造方法
JP4581645B2 (ja) ウエブ薄肉高強度h形鋼の製造方法
WO2020170775A1 (ja) 角形鋼管およびその製造方法並びに建築構造物
JP4506985B2 (ja) 極厚鋼材及びその製造方法
JP5533765B2 (ja) 局部変形能に優れた高強度冷延鋼板とその製造方法
JP6354571B2 (ja) 圧延h形鋼及びその製造方法
JP5895772B2 (ja) 外観に優れ、靭性と降伏強度の等方性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP5842473B2 (ja) 高一様伸び特性を備えかつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管、およびその製造方法
JP5326827B2 (ja) 低降伏比鋼材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6477020

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350