JP5326827B2 - 低降伏比鋼材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低降伏比鋼材およびその製造方法に関し、詳しくは、特に、建築用の素材として好適に用いることができる低降伏比鋼材およびその製造方法に関する。
なお、本発明の鋼材は、厚さが16mmを超える板状のもの、つまり「鋼板」を主な対象とするものである。このため、以下において、「鋼材」を「鋼板」として説明することがある。
また、本発明の鋼材の強度クラスとしては、引張強さが490MPa以上のものが対象となる。
大型構造物に用いられる厚鋼板は、スラブをオーステナイト温度域、すなわち、Ac3点以上に加熱後、所定の厚みまで圧延を行い、冷却処理することにより製造される。
厚鋼板の特性は、鋼組成、加熱温度条件、圧延条件、冷却条件などにより決定し、これらの条件を適宜調整することにより、付加価値の高い厚鋼板を製造することが可能になる。
厚鋼板の製造における加熱温度は、通常、1150℃程度とオーステナイト温度域でも比較的高い温度で行われてきた。これは、高温加熱によるスラブの軟化作用により、次工程である圧延工程において、圧下の負荷を小さくするためである。
ところで、鋼板の製造では常にエネルギー原単位の減少が求められるが、近年のエネルギー資源の価格の高騰から、より一層のエネルギー原単位の減少が要求されるようになってきた。また、近年の環境への配慮から二酸化炭素などの温室効果ガスをなるべく出さずに鋼板を製造する技術が求められている。
厚鋼板の製造では、加熱工程として、スラブを加熱し、該スラブの中央部まで温度を均一化することが好ましい。このため、加熱工程では大量のエネルギーを必要とする。よって、加熱温度を低くして、例えば、加熱温度を1000℃未満として、厚鋼板を製造することができれば、上述の要求を満足することができる。
厚鋼板の製造方法が、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
すなわち、特許文献1には、加熱温度をAc3点以上と規定し、1000℃未満の温度で加熱した実施例を含む発明が開示されている。
また、特許文献2には、加熱温度をAc3変態点以上、1200℃以下と規定し、950℃で加熱した実施例を含む発明が開示されている。
さらに、特許文献3には、加熱温度を950℃以上と規定し、975℃で加熱した実施例を含む発明が開示されている。
しかし、これらの特許文献1〜3に開示された技術は、その実施例に1000℃以上の加熱温度の記載が多数あることからも明らかなように、積極的に1000℃未満の低い加熱温度で厚鋼板を製造する技術ではない。
一方、特に、建築用途をも意識した鋼、厚鋼板、あるいは鋼材が、例えば、特許文献4〜9に開示されている。
すなわち、特許文献4には、平均結晶粒径が2.5μm以下のフェライトまたはベーナイトを主体とする組織で構成される鋼に係る発明が開示されている。
特許文献5〜7には、平均結晶粒径が3μm以下のフェライトまたはベーナイトを主体とする組織で構成される鋼に係る発明が開示されている。
特許文献8には、平均結晶粒径20μm以下のフェライトと硬質第二相としてのベイナイトまたは/およびマルテンサイトからなる組織で構成される鋼に係る発明が開示されている。
上記の特許文献4〜8には、製造方法の発明として、鋼、鋼材、鋼の素材または鋼片をAc3点以上に加熱後、一定の工程を経て当該鋼あるいは厚鋼板を製造することも開示されている。そして、これらの特許文献における発明例として記載されたものの一部は、鋼、鋼材、鋼の素材または鋼片を1000℃未満の温度に加熱したものである。
しかしながら、これらの特許文献4〜8に開示された技術もまた、その実施例に1000℃以上の加熱温度で製造する発明例の記載が多数あることからも明らかなように、積極的に1000℃未満の加熱温度で厚鋼板を製造する技術ではない。
また、特許文献9には、最大結晶粒径40μm以下で平均結晶粒径25μm以下のフェライトとパーライトからなる組織で構成される鋼材に係る発明が開示されている。
上記の特許文献9には、特許文献4〜8とは異なって、製造方法の発明として、鋼の最低加熱温度の理論値であるAc3点以上ではなく、鋼を950℃以上に加熱して当該鋼材を製造することも開示され、1000℃未満の温度で加熱した鋼材の発明例も多数記載されている。
しかしながら、特許文献9に記載された発明も、積極的に1000℃未満の加熱温度で鋼材を製造する技術ではない。
特開平6−299237号公報 特開平8−60239号公報 特開2004−2934号公報 特開平11−140584号公報 特開平11−181543号公報 特開平11−181544号公報 特開平11−181546号公報 特開2003−3229号公報 特開平10−280088号公報
近年、建築構造物の設計思想は、構造物は剛体であるべきという「許容応力度設計型」の思想から、構造物が塑性変形することは許容するが人命救助の観点から構造物が倒壊することは防止するという「終局耐力型」の思想に変化してきている。この終局耐力型の設計思想は、具体的には、震度7を超えるような巨大地震が発生しても、構造物のある一部を損壊させて地震エネルギーを吸収し、これによって建築構造物の倒壊を防ぐというものである。
構造物の強度は使用鋼材の降伏強度に依存するところ、近年、鋼材の降伏比(以下、「YR」ともいう。)が鋼製構造物の破壊に及ぼす影響に関する調査・研究が進み、その結果、鋼材に対して低降伏比化の要求が高まりつつある。
既に、建築鉄骨用の鋼材については、JIS規格においてもYR規制として「低降伏比化」を盛り込んだ規格案が検討されており、それに先立って実際に、係るYR規制を満足した鋼材が製造・使用されている。より具体的には、建築鉄骨用の鋼材について、オーステナイトとフェライトの二相域からのオンラインまたはオフライン焼入れを利用して低降伏比鋼を製造する技術が実用化されている。
一方、前述のようにエネルギー資源の価格高騰および温室効果ガスの排出防止の観点から、スラブを低温度域で加熱して、鋼材を製造することが求められている。
そこで、本発明は、高騰するエネルギーコストを抑えて安価に製造できる経済性に優れた低降伏比鋼材およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明の別の面からの目的は、エネルギー消費量が小さいことから、環境へも配慮した低降伏比鋼材およびその製造方法を提供することにある。
なお、本発明の低降伏比鋼材は、具体的には、降伏比が80%以下、引張強度(以下、「TS」という。)が490MPa(50kgf/mm2)以上、鋼材の厚さが20mm超えるものについてはJIS Z 2242(2005)に記載の幅10mmVノッチ試験片を用いたシャルピー衝撃試験において、また、鋼材の厚さが20mm以下のものについてはJIS Z 2242(2005)に記載の幅7.5mmのサブサイズVノッチ試験片を用いたシャルピー衝撃試験において、延性破面率が50%となる破面遷移温度(以下、「vTrs」という。)が−20℃以下を満足するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため種々検討を重ねた。その結果、鋼材の化学組成およびミクロ組織を適宜コントロールすることにより、所望の低降伏比鋼材を製造できることが明らかになった。
本発明の要旨は、下記(1)および(2)に示す低降伏比鋼材ならびに(3)に示す低降伏比鋼材の製造方法にある。
(1)質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.10〜0.50%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Nb:0.01%以下およびAl:0.003〜0.050%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、ミクロ組織が、平均結晶粒径が3μmを超えて20μm以下のフェライト相、ベイナイト、マルテンサイトまたは島状マルテンサイトからなる平均アスペクト比が10未満である硬質相および残部が不可避的形成される(フェライト相および硬質層を除く。)からなり、かつ、該フェライト相の割合が40%以上で、さらに不可避的形成される相の割合が5%以下であることを特徴とする建築用低降伏比鋼材。
(2)化学組成が、質量%で、さらに、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.2%以下およびV:0.05%以下のうちから選択される1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする上記(1)に記載の建築用低降伏比鋼材。
(3)上記(1)または(2)に記載の化学組成を有するスラブを下記の工程(a)〜(d)で順次処理することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の建築用低降伏比鋼材の製造方法。

工程(a):スラブをAc3点以上1000℃未満の温度に加熱する。

工程(b):オーステナイト未再結晶温度域で、累積圧下率が30%以上となる圧延を行う。

工程(c):Ar3点以上の温度で圧延を完了する。

工程(d):5〜40℃/sの冷却速度で、500℃以下の温度まで冷却する。


なお、残部としての「Feおよび不純物」における「不純物」とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、その他種々の要因によって不可避的に混入するものを指す。
本発明で規定するミクロ組織は、厚鋼板の板厚中心部におけるものをいい、ミクロ組織における「硬質相」とは、ベイナイト、マルテンサイトおよび島状マルテンサイト(以下、「MA」という。)を意味する。
また、「不可避的形成相」とはフェライト相および硬質相以外に不可避的に形成される相、具体的にはパーライトなどの相を意味する。
本発明で規定するスラブの加熱温度は、スラブ表面における温度を指す。同様に、圧延を行う温度、圧延を完了する温度も、被圧延材の表面における温度を指す。さらに、500℃以下の温度で冷却を終える温度もまた、圧延を完了した鋼材の表面温度を指す。
そして、本発明で規定する冷却速度とは、圧延を完了した鋼材の表面温度から求めた値を指す。
また、オーステナイト未再結晶温度域での「累積圧下率」とは、
〔(圧延前のスラブの厚さ−オーステナイト未再結晶温度域での圧延による被圧延材の最終の厚さ)/圧延前のスラブの厚さ〕×100
で表した値を指す。
本発明の低降伏比鋼材は、YRが80%以下、TSが490MPa以上、vTrsが−20℃以下という特性を有するため、特に、建築用鋼材として使用した場合、地震エネルギーを吸収し、建築構造物の倒壊を防止することが可能で、終局耐力型の設計思想に基づいた建築用の素材として好適に用いることができる。さらに、この低降伏比鋼材は、高騰するエネルギーコストを抑えて工業的な規模で低コストに製造することが容易であって、製造時のエネルギー消費量は小さくてもよいので、二酸化炭素など温室効果ガスの放出を抑制することができるという効果も得られる。
以下に、本発明の構成要件について詳しく説明する。なお、各成分元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)化学組成について:
C:0.05〜0.20%
Cは、鋼の強度を上昇させるのに必要な元素である。このため、0.05%以上のCを含有させる。一方、Cの含有量が0.20%を超えると、いわゆる「強度−靱性バランス」、溶接性および靱性に悪影響を及ぼす。したがって、Cの含有量は0.05〜0.20%とする。C含有量の下限は好ましくは0.08%である。また、C含有量の上限は好ましくは0.17%である。
Si:0.10〜0.50%
Siは、鋼の強度上昇および脱酸作用を有する。しかしながら、Siの含有量が0.10%未満では、特に、必要とする強度を確保することができない。一方、Siの含有量が0.50%を超えると、溶接性の低下が生じ、さらに、溶接熱影響部(以下「HAZ」という。)の靱性も劣化する。したがって、Siの含有量は0.10〜0.50%とする。Si含有量の下限は好ましくは0.20%である。また、Si含有量の上限は好ましくは0.40%である。
Mn:1.0〜2.0%
Mnは、鋼の強度上昇とともに靱性を向上させる作用を有する。しかしながら、Mnの含有量が1.0%未満ではこれらの効果が小さい。一方、Mnの含有量が2.0%を超えると、溶接性が低下するとともにHAZの靱性が劣化する。さらに、連続鋳造スラブの中心偏析も助長される。したがって、Mnの含有量は1.0〜2.0%とする。Mn含有量の下限は好ましくは1.2%である。また、Mn含有量の上限は好ましくは1.45%である。
P:0.05%以下
Pは、鋼中に不純物として存在する元素である。Pの含有量が多くなって特に0.05%を超えると、粒界に偏析して靱性を低下させるだけではなく、HAZの靱性の劣化を招く。したがって、Pの含有量は0.05%以下とする。なお、Pの含有量は少ないほど好ましいため、下限の含有量については特に規定するものではない。
S:0.02%以下
SもPと同様に、鋼中に不純物として存在する元素である。Sの含有量が多くなって特に0.02%を超えると、中心偏析を助長したり、延伸したMnSが多量に生成するため、母材およびHAZの機械的性質が劣化する。したがって、Sの含有量を0.02%以下とする。なお、Sの含有量は少ないほど好ましいため、下限の含有量については特に規定するものではない。
Nb:0.01%以下
Nbは、スラブ中でNb炭化物を形成し、このNb炭化物がマトリックスに固溶しない場合にはHAZの靱性劣化を招いてしまう。そして、Nbの含有量が多くなって、特に、0.01%を超えると、1000℃未満という低いスラブ加熱温度の場合には、未固溶のNb炭化物が極めて多くなってHAZの靱性劣化が著しくなる。したがって、Nbの含有量は0.01%以下とする。なお、好ましいNbの含有量は0.005%以下であり、少なければ少ないほど好ましい。
Al:0.003〜0.050%
Alは、鋼の脱酸およびAlNとして析出することによる靱性向上作用を有する。しかしながら、Alの含有量が0.003%未満ではこれらの効果が小さい。一方、Alの含有量が0.050%を超えると、鋼の清浄性が劣化する。したがって、Alの含有量を0.003〜0.050%とする。
本発明に係る低降伏比鋼材の一つは、上記元素のほか、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有するものである。
本発明に係る低降伏比鋼材の他の一つは、上記の元素に加えてさらに、任意元素として、Cu、Ni、Cr、MoおよびVのうちから選んだ1種以上の元素を含有する化学組成を有するものである。
すなわち、上記のCu、Ni、Cr、MoおよびVは、強度を高める作用を有するため、より大きな強度を確保したい場合には、これらの元素を含有させてもよい。以下、これらの元素について詳しく説明する。
Cu:0.5%以下
Cuを含有させると、強度を向上させることができる。すなわち、Cuを含有させると、降伏比の上昇を抑制しながら鋼の強度を向上させることができる。したがって、上記の効果を得るためにCuを含有してもよい。しかしながら、Cuの含有量が0.5%を超えると、溶接性が低下するとともに、熱間圧延時のCuクラック発生を誘発するおそれがある。このため、含有させる場合のCuの含有量は0.5%以下とする。含有させる場合のCu含有量の上限は好ましくは0.4%である。
なお、Cuによる上記の効果を確実に発現させるためには、Cuを0.01%以上含有させることが好ましい。含有させる場合のCu含有量の下限はより好ましくは0.10%である。
Ni:0.5%以下
Niを含有させると、強度を向上させることができる。すなわち、Niを含有させると、降伏比の上昇を抑制しながら鋼の強度を向上させることができ、さらに、靱性を高めることもできる。したがって、上記の効果を得るためにNiを含有してもよい。しかしながら、Niの含有量が0.5%を超えると、溶接性が低下することに加えて、無意味なコスト上昇を招くおそれがある。このため、含有させる場合のNiの含有量は0.5%以下とする。含有させる場合のNi含有量の上限は好ましくは0.4%である。
なお、Niによる上記の効果を確実に発現させるためには、Niを0.01%以上含有させることが好ましい。含有させる場合のNi含有量の下限はより好ましくは0.15%である。
Cr:0.5%以下
Crを含有させると、強度を上昇させることができる。すなわち、Crを含有させると、降伏比の上昇を抑制しながら鋼の強度を向上させることができる。したがって、上記の効果を得るためにCrを含有してもよい。しかしながら、Crの含有量が0.5%を超えると、溶接性が低下することに加えて、無意味なコスト上昇を招くおそれがある。このため、含有させる場合のCrの含有量は0.5%以下とする。含有させる場合のCr含有量の上限は好ましくは0.3%である。
なお、Crによる上記の効果を確実に発現させるためには、Crを0.01%以上含有させることが好ましい。含有させる場合のCr含有量の下限はより好ましくは0.10%である。
Mo:0.2%以下
Moを含有させると、強度を上昇させることができる。すなわち、Moを含有させると、降伏比の上昇を抑制しながら鋼の強度を向上させることができる。したがって、上記の効果を得るためにMoを含有してもよい。しかしながら、Moの含有量が0.2%を超えると、HAZの靱性劣化を招くおそれがある。このため、含有させる場合のMoの含有量は0.2%以下とする。含有させる場合のMo含有量の上限は好ましくは0.18%である。
なお、Moの含有量は微量であっても上記の効果が得られるが、その効果を確実に発現させるためには、0.02%以上含有させることが好ましい。含有させる場合のMo含有量の下限はより好ましくは0.03%である。
V:0.05%以下
Vを含有させると、強度を上昇させることができる。すなわち、Vを含有させると、析出硬化により鋼の強度を向上させることができ、さらに、靱性を高めることもできる。したがって、上記の効果を得るためにVを含有してもよい。しかしながら、Vの含有量が0.05%を超えると、靱性が劣化するおそれがある。このため、含有させる場合のVの含有量は0.05%以下とする。含有させる場合のV含有量の上限は好ましくは0.045%である。
なお、Vによる上記の効果を確実に発現させるためには、Vを0.02%以上含有させることが好ましい。含有させる場合のV含有量の下限はより好ましくは0.03%である。
なお、上記のCu、Ni、Cr、MoおよびVは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種以上の複合で含有させることができる。なお、これらの元素の合計含有量は4.6%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の低降伏比鋼材は、次に示す
Ceq=C+(Si/24)+(Mn/6)+(Ni/40)+(Cr/5)+(Mo/4)+(V/14)・・・(1)
で表されるCeqの値が0.30〜0.43%となるようにすることが好ましい。Ceqの値がこの範囲にあれば、より安定して前述した目標、すなわち、
・YR:80%以下、
・TS:490MPa以上、
・vTrs:−20℃以下、
を満たすことができる。Ceqの値の下限は好ましくは0.33である。また、Ceqの値の上限は好ましくは0.42である。
なお、上記の(1)式における〔Ceq〕は、鋼材の焼入れ性や溶接性を評価する指標として一般に広く使用されている「炭素当量」であり、(1)式中のC、Si、Mn、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の質量%での含有量を表す。
(B)ミクロ組織について:
本発明の低降伏比鋼材に、前述したYR,TSおよびvTrsという機械的性質の目標を満足させるためには、その鋼材のミクロ組織を、平均結晶粒径が3μmを超えて20μm以下のフェライト相、平均アスペクト比が10未満である硬質相および不可避的形成相からなり、かつ、該フェライト相の割合が40%以上で、さらに不可避的形成相の割合が5%以下であるものとする必要がある。
なお、本発明の低降伏比鋼材では、そのミクロ組織中に不可避的形成相が存在しないこと(その割合が0%であること)が好ましいが、本発明の低降伏比鋼材の特性を損なわない程度の不可避的形成相は許容できる。具体的には、ミクロ組織に占める不可避的形成相の割合が5%以下なら、本発明の低降伏比鋼材の特性が損なわれることはない。
以下、ミクロ組織について詳しく説明する。
(B−1)ミクロ組織を構成する相について:
本発明の低降伏比鋼材のミクロ組織を構成する相は、本発明の低降伏比鋼材の特性を損なうことのない上記した割合の不可避的形成相以外は、フェライト相と硬質相でなければならない。
なお、既に述べたように、「硬質相」とは、ベイナイト、マルテンサイトおよびMAを意味する。また、「不可避的形成相」とは、フェライト相および硬質相以外に不可避的に形成される相、具体的にはパーライトなどの相を指す。
ミクロ組織におけるフェライト相の割合を40%以上とすることによって、本発明の低降伏比鋼材に80%以下のYRを確保させることができる。
ミクロ組織は強度に大きな影響を及ぼすので、490MPa以上のTSを確保させるために、ミクロ組織におけるフェライト相の割合は90%以下とすることが好ましい。
なお、YRが80%以下の490MPa級(TS:490〜610MPa、降伏強度(以下、「YS」という。):325MPa以上)低降伏比鋼材を得たい場合には、ミクロ組織におけるフェライト相の割合を80〜90%とすることが好ましい。
また、YRが80%以下の590MPa級(TS:590〜740MPa、YS:325MPa以上)低降伏比鋼材を得たい場合には、ミクロ組織におけるフェライト相の割合を40〜80%とすることが好ましい。
ミクロ組織に占める特定の相の割合は、通常のミクロ組織の観察手段によって面積割合を測定すればよい。これは、ミクロ組織における相の体積割合は面積割合に等しいことが知られているためである。
なお、ミクロ組織に占める特定の相の割合の具体的な測定方法の一例を、後述の実施例に示した。
(B−2)フェライトの平均結晶粒径について:
上記のミクロ組織におけるフェライト相の平均結晶粒径が20μmを超えると、靱性が低下する。一方、上記ミクロ組織におけるフェライト相の平均結晶粒径が3μm以下の場合には、YSが大きく上昇するためYRの上昇を招いて、80%以下のYRを確保できない。
したがって、本発明の低降伏比鋼材のミクロ組織を構成するフェライト相の平均結晶粒径は、3μmを超えて20μm以下とする。上記フェライト相の平均結晶粒径の下限は5μm以上であることが好ましく、上限は17μm以下であることが好ましい。
フェライト相の結晶粒径は、通常のミクロ組織の観察手段によって得られた像を画像解析して求めることができ、個々のフェライト相の結晶粒径からフェライト相の平均結晶粒径を導出することができる。
なお、具体的なフェライト相の平均結晶粒径の導出方法の一例を、後述の実施例に示した。
(B−3)硬質相の平均アスペクト比について:
上記のミクロ組織における硬質相の平均アスペクト比が10以上になると、硬質相がバンド状となるため、塑性変形能が低下する。そして、塑性変形能の低下はYRの上昇を招くため、80%以下のYRを確保できない。さらに、平均アスペクト比が大きい硬質相は破壊時の起点になりやすいため靱性の劣化を招き、特に、平均アスペクト比が10以上の硬質相は靱性を大きく低下させるため、−20℃以下という目標のvTrsを確保できない。したがって、本発明の低降伏比鋼材のミクロ組織を構成する硬質相の平均アスペクト比は、10未満とする。
なお、特に590MPa級の低降伏比鋼材を得たい場合には、上記硬質相の平均アスペクト比を5以下とすることが好ましい。
なお、「アスペクト比」とは、結晶粒の長径を短径で除した値を指す。
上述したフェライトの平均結晶粒径の導出の場合と同様に、通常のミクロ組織の観察手段による像を画像解析して得た硬質相の長径と短径から個々の硬質相のアスペクト比を求め、この個々の硬質相のアスペクト比から硬質相の平均アスペクト比を導出することができる。なお、具体的な硬質相の平均アスペクト比の導出方法の一例を、後述の実施例に示した。
アスペクト比は1に近いほど、異方性が小さくなるため、硬質相の理想的なアスペクト比は1であり、したがって、理想的な平均アスペクト比も1である。
なお、例えば、本発明の製造方法を採用することによって、前記(A)項に記載の化学組成を有する鋼材のミクロ組織を上述したもの、つまり、平均結晶粒径が3μmを超えて20μm以下のフェライト相、平均アスペクト比が10未満である硬質相および不可避的形成相からなり、かつ、該フェライト相の割合が40%以上で、さらに不可避的形成相の割合が5%以下であるものとすることができる。
(C)製造条件について:
以下に詳述する本発明の製造条件は、工業的な規模で本発明の低降伏比鋼材を経済的に要領よく実現するための方法の一つであり、低降伏比鋼材自体の技術的範囲はこの製造条件によって規定されるものではない。
本発明に係る低降伏比鋼材は、前述の化学組成を有するスラブに対し、例えば、以下の工程(a)〜(d)で順次処理することにより製造することができる。
なお、工程(a)〜(d)で順次処理する場合のスラブの製造については、特にその鋳造条件を特定する必要はない。これは、工程(a)〜(d)で順次処理することにより、ミクロ組織が制御できるからである。
ただし、平均アスペクト比および平均結晶粒径は、圧下率と圧延温度に依存する傾向にある。このため、本発明に係る低降伏比鋼材を製造する製造指針として、出発材料、つまり、圧延素材としてのスラブを予め一定の大きさとしておくことが好ましい。これは、圧延工程において圧下率が大きいと、最終製品である上記低降伏比鋼材の平均アスペクト比が大きくなって10以上になることがあるためである。したがって、圧延素材としてのスラブは薄手のものであることが好ましい。具体的には、厚さが300mm以下のスラブを本発明に係る鋼材を製造するための圧延素材とすることが好ましい。一方、結晶粒の細粒化を図るためには特定割合以上の圧下が必要となる。このため、厚さが220mm以上のスラブを圧延素材とすることが好ましい。なお、このような薄手のスラブを製造するために、厚手のスラブを予め薄く加工し、このスラブを本発明に係る鋼材の圧延素材としてもよい。
(C−1)加熱工程:
加熱工程としての工程(a)では、本発明の低降伏比鋼材製造のための圧延素材としてのスラブをAc3点以上1000℃未満の温度に加熱する。
スラブをAc3点以上に加熱するのは、オーステナイト変態させて、均一な組織とするためである。一方、スラブ加熱温度を1000℃未満とするのは、結晶粒の粗大化を防止し、最終製品である上記鋼材のフェライト相の平均結晶粒径を20μm以下に抑えるためである。一方、別の観点からは、エネルギー消費の減少および地球環境への配慮から1000℃未満とする。スラブ加熱温度の上限は、好ましくは975℃未満、より好ましくは950℃未満である。
なお、スラブの中央部まで温度を均一化するために、上記温度域でのスラブの加熱時間は、3時間以上とすることが好ましい。ただし、本発明の目的から加熱時間の上限は12時間程度とすることが好ましい。
(C−2)圧延工程:
工程(a)で加熱したスラブを、オーステナイト未再結晶温度域で、累積圧下率が30%以上となる圧延(工程(b))を行い、Ar3点以上の温度で圧延を完了する(工程(c))。
こうした圧延を行うのは、オーステナイト未再結晶温度域で累積圧下率30%以上の圧延を行うことによって、80%以下のYRを確保できるとともに、結晶粒の十分な細粒化がなされて、良好な靱性も確保することができるためである。
なお、上記オーステナイト未再結晶温度域での累積圧下率は50%以上とすることが好ましい。工程(b)における上記の累積圧下率の上限は、結晶粒の過度の細粒化を防ぐため、70%とすることが好ましい。
なお、加熱炉により抽出された直後のスラブはオーステナイト再結晶温度域にある。本発明は必ずしもスラブ温度がオーステナイト未再結晶温度域まで低下してから圧延を開始するというものではなく、このようなスラブに対し、オーステナイト再結晶温度域で一定の圧延を行ってもよい。
全ての圧延はAr3点以上の温度で完了させる。これは、Ar3点を下回る低温域で圧下を行った場合、加工硬化によってYRの上昇を招くため、80%以下のYRを確保できないからである。
(C−3)冷却工程:
圧延工程としての工程(b)および(c)の後は、5〜40℃/sの冷却速度で、500℃以下の温度まで冷却する(工程(d))。
なお、工程(b)および(c)の後、5℃/s以上の冷却速度を得るための方法としては、例えば、水冷が挙げられるので、以下、「冷却」に「水冷」を用いて説明する。
水冷する際の冷却速度が5℃/s未満であると、焼入れの効果が得られず、TSで490MPa以上という強度を確保することができない。なお、5℃/s以上の冷却速度で水冷した場合でも、500℃以下の温度まで水冷を行わなければ、焼入れの効果が得られないので、上記のTSで490MPa以上という強度が得られない。
一方、40℃/sを超える冷却速度で水冷した場合には、焼きが入りすぎて、鋼材中の硬質相の量が多くなるためYRの上昇を招き、80%以下のYRを確保できない。
なお、上記の5〜40℃/sの冷却速度での水冷は、500℃以下の温度であればどんな温度で停止してもよい。そして、水冷を停止した後は、例えば、大気中で放冷して室温まで冷却してもよい。もちろん、室温近傍まで水冷を続けてもよい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼1〜13を通常の方法で溶製、連続鋳造して厚さが250〜300mmのスラブにした。なお、表1には、前記(1)式で表されるCeqの値、Ac3点およびAr3点の値を併記した。
表1中の鋼1〜5は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。一方、鋼6〜13は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼である。
これらの各種の鋼のスラブを用い、表2に示す製造条件に基づいて厚さ16〜100mmの鋼材を製造した。なお、圧延完了後の冷却は水冷によって行い、表2に記載の「冷却停止温度」で水冷を停止し、水冷停止後は、大気中で放冷して室温まで冷却した。
Figure 0005326827
Figure 0005326827
上記のようにして得た各鋼材について、先ず、ミクロ組織を調査した。
すなわち、圧延面に平行な面であるいわゆる「L断面」が被検面になるように、各鋼材の厚さ中心部から試験片を採取し、次いで、その試験片を樹脂に埋め込んで鏡面研磨した後ナイタール(硝酸+エタノール)によって腐食して、厚さ中心部におけるミクロ組織を調査した。
具体的には、ナイタール(硝酸+エタノール)によって腐食した面を光学顕微鏡を用いて倍率を500倍として100視野観察し、各視野に存在する相を調査するとともに、観察によって得られた像を画像解析し、各視野の全面積に占めるフェライト相の割合を算出し、さらに、全100視野についてのフェライト相の面積割合を算術平均することによって、ミクロ組織に占めるフェライト相の割合を求めた。
さらに、上記の観察によって得られた像を画像解析し、個々のフェライト相について、短径と長径を測定してそれらを算術平均して各フェライト相の結晶粒径を求めた。次いで、上記のような調査を100視野における個々のフェライト相について行い、その結晶粒径を算術平均して、フェライト相の平均結晶粒径を求めた。
同様に、上記の光学顕微鏡観察によって得られた像を画像解析して、個々の硬質相の長径と短径から個々の硬質相のアスペクト比を求めた。次いで、上記のような調査を100視野における個々の硬質相について行い、そのアスペクト比を算術平均して、硬質相の平均アスペクト比を求めた。
次に、得られた各鋼材について機械的特性としての引張特性および靱性の調査を行った。
引張特性は、JIS Z 2201(1998)に準じた引張試験片を、鋼材の厚さ1/4位置を中心としてC方向に採取し、JIS Z 2241(1998)に記載の方法で室温での引張試験を行って調査し、YSとTSを求めた。なお、YSは下降伏点から求め、明確な降伏点が現れない場合は0.2%耐力をもってYSとした。
なお、TSが490MPa以上、かつYRが80%以下であることを引張特性の目標とした。
靱性は、鋼材の厚さが20mm超のものについてはJIS Z 2242(2005)に記載の幅10mmVノッチ試験片を、また、鋼材の厚さが20mm以下のものについてはJIS Z 2242(2005)に記載の幅7.5mmのサブサイズVノッチ試験片を、鋼材の厚さ1/4位置および1/2位置を中心として、いずれも、L方向に採取し、シャルピー衝撃試験を行って、vTrsを求めた。なお、vTrsが−20℃以下であることを靱性の目標とした。
表3に、上記のミクロ組織、引張特性および靱性の調査結果をまとめて併せて示す。
Figure 0005326827
表3から、本発明で規定する条件から外れた比較例の試験番号1−1、2−1、3−1、4−1、5−1、6−2、7−2、9−2、12−2の鋼材の場合には、上記の引張特性および靱性の目標を全て同時には達成することができないことが明らかである。
これに対して、本発明で規定する条件を満たす本発明例の試験番号6−1、7−1、8−1、9−1、10−1、11−1、12−1および13−1の鋼材の場合には、引張特性としてのTSおよびYRの目標、ならびに靱性としてのvTrsの目標を全て同時に達成することができた。
なお、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼6を用いた試験番号6−1と6−2との比較、鋼7を用いた試験番号7−1と7−2との比較、鋼9を用いた試験番号9−1と9−2との比較、および鋼12を用いた試験番号12−1と12−2との比較から、本発明の製造方法を採用することによって、本発明の低降伏比鋼材が容易に得られることが明らかである。
以上のとおり、本発明の低降伏比鋼材は、YRが80%以下、TSが490MPa以上、vTrsが−20℃以下という特性を有するため、特に、建築用鋼材として使用した場合、地震エネルギーを吸収し、建築構造物の倒壊を防止することが可能で、終局耐力型の設計思想に基づいた建築用の素材として好適に用いることができる。さらに、この低降伏比鋼材は、高騰するエネルギーコストを抑えて工業的な規模で低コストに製造することが容易であって、製造時のエネルギー消費量は小さくてもよいので、二酸化炭素など温室効果ガスの放出を抑制することができるという効果も得られる。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.10〜0.50%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Nb:0.01%以下およびAl:0.003〜0.050%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、ミクロ組織が、平均結晶粒径が3μmを超えて20μm以下のフェライト相、ベイナイト、マルテンサイトまたは島状マルテンサイトからなる平均アスペクト比が10未満である硬質相および残部が不可避的形成される(フェライト相および硬質層を除く。)からなり、かつ、該フェライト相の割合が40%以上で、さらに不可避的形成される相の割合が5%以下であることを特徴とする建築用低降伏比鋼材。
  2. 化学組成が、質量%で、さらに、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.2%以下およびV:0.05%以下のうちから選択される1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の建築用低降伏比鋼材。
  3. 請求項1または2に記載の化学組成を有するスラブを下記の工程(a)〜(d)で順次処理することを特徴とする請求項1または2に記載の建築用低降伏比鋼材の製造方法。
    工程(a):スラブをAc3点以上1000℃未満の温度に加熱する。
    工程(b):オーステナイト未再結晶温度域で、累積圧下率が30%以上となる圧延を行う。
    工程(c):Ar3点以上の温度で圧延を完了する。
    工程(d):5〜40℃/sの冷却速度で、500℃以下の温度まで冷却する。
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