JP2002105586A - 耐衝突性に優れた形鋼及びその製造方法 - Google Patents

耐衝突性に優れた形鋼及びその製造方法

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JP2002105586A
JP2002105586A JP2000297926A JP2000297926A JP2002105586A JP 2002105586 A JP2002105586 A JP 2002105586A JP 2000297926 A JP2000297926 A JP 2000297926A JP 2000297926 A JP2000297926 A JP 2000297926A JP 2002105586 A JP2002105586 A JP 2002105586A
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cooling
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less
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Minoru Suwa
稔 諏訪
Shinji Mitao
眞司 三田尾
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合金元素の添加等によるコス卜の増加や船体
構造設計の変更を生じることなく、衝突時のエネルギー
吸収能を増加させることが可能な耐衝突性に優れた形鋼
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明による耐衝突性に優れた形鋼は、
鋼組成が下記の(1)式で定義される炭素当量(Ceq)
≦0.38質量%を満たし、鋼組織がフェライト相と硬
質相とからなり、前記フェライト相の相分率が70%以
上、硬さがHv150以下、平均粒径が5μm以上であ
り、且つ、前記硬質相のアスペクト比の平均又は前記硬
質相が連なった硬質相バンドのアスペクト比の平均が
1.5以上である。但し(1)式において、各元素記号
は質量%表示の含有量である。 Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15 ……(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶等の大型構造
物に使用される形鋼及びその製造方法に関し、詳しく
は、高い一様伸びを有し、船舶衝突時等の損害抑制に効
果がある、耐衝突性に優れた形鋼及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大型タンカーの座礁や衝突によっ
て発生する油流出による環境汚染が問題となっている。
これらの事故による油流出を防止するために、船殻の二
重構造化等の船体構造面からの取り組みは行われている
が、船体用鋼材については十分な対応策が検討されてい
ない。その中でも、船体用鋼材面からの取り組みとし
て、衝突時のエネルギーを鋼材自体に多く吸収させるこ
とが提案されているが、未だ十分な実用段階には達して
おらず、形鋼に関してはほとんど検討さえ為されていな
い。
【0003】厚鋼板に関してではあるが、衝突時のエネ
ルギー吸収能カを向上させる方法として、厚鋼板の組織
をフェライト主体とし、且つフェライト相を強化する技
術が特開平10−306340号公報に提案されてい
る。この技術では、厚鋼板のフェライト分率Fを80%
以上とし、且つフェライトの硬さHの下限値をH≧40
0−2.6×Fとなるように規定している。又、これも
厚鋼板に関してではあるが、厚鋼板の表裏層に残留γ相
を含ませる技術が特開平11−246935号公報に提
案されている。この技術では、厚鋼板のC、Si、M
n、Alの含有量と炭素当量(Ceq)とを規定し、更
に、少なくとも板厚の1/8以上の表裏層には、面積率
で1.0〜20%の残留γを含ませている。
【0004】これらの技術においては、衝突時のエネル
ギー吸収を、鋼材の強度(降伏応力YPと破断応力TS
との平均値)と全伸びとの積として評価しており、その
ため、鋼材の強度及び全伸びの両者を向上させることに
より、吸収エネルギーの増加を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技
術で用いられている全伸びによる吸収エネルギーの評価
は、必ずしも船体構造の安全性の評価に繋がるとは限ら
ず、耐衝突性を議論する場合には相応しない。即ち、引
張試験における標点距離とは比べものにならない長大な
スパンで防撓材に支えられている船体外板の伸び変形を
評価するには、試験片形状の影響を受ける、局部伸びを
含んだ全伸びの評価は適切ではない。衝突時の吸収エネ
ルギーを考える場合には、船体外板の伸び特性と相関が
高いと判断される一様伸びで評価する方が適切であり、
一様伸びで評価する必要がある。
【0006】前述の厚鋼板に関する従来技術では、この
点は解決されておらず、例えば特開平10−30634
0号公報の技術では、フェライト粒径は5μm以下で、
フェライトの硬さはHv160〜190(同号公報の表
2参照)であり、高めとなっている。そのため、全伸び
(同表のEL)でも23〜32%であり、一様伸びは全
伸びより高くなり得ないので、せいぜい10数%程度に
止まるものと推定される。
【0007】又、前述の特開平11−246935号公
報の技術では、組織に残留γを含むようにするために、
合金元素が添加されており、実施例の鋼は炭素当量(C
eq)が高いか、若しくはSi含有量が高い鋼種となって
いる。例えば同号公報の表1に記載された鋼種Aの炭素
当量を計算すると約0.38質量%であり、又、鋼種B
〜FではSi含有量が0.55〜1.94質量%であ
り、何れも高めとなっている。
【0008】これらの鋼種については、靭性或いは溶接
性に関する試験結果が全く開示されていない。尚、同号
公報で衝撃吸収エネルギーというのは、前述したよう
に、表2のEL×(YP+TS)/2であり、全伸びと
強度との積のことである。そこで、これら鋼種の材質に
ついて通常の厚鋼板の材質から判断すると、Si含有量
が高めの鋼種は靭性が低く、炭素当量が高めの鋼種は溶
接性に問題があると推測される。
【0009】一般に、船体用鋼材においては、設計上の
要求から必要な降伏応力が決められており、使用する部
位に応じて鋼材の強度等級が変更されるため、必要以上
の強度は特に必要とされておらず、又、鋼材の強度を向
上させると、合金元素の添加等によるコスト上昇や溶接
性の劣化を生じる。これらの観点から、鋼材の強度増加
による吸収エネルギーの向上は好ましくない。
【0010】以上説明したように、船舶衝突時のエネル
ギー吸収性能に優れた鋼材は未だ開発されていないのが
実状である。しかも、前述の技術は何れも厚鋼板に関す
るものであり、厚鋼板に比べてプロセス上制約が多く、
材質の造り込みが難しい形鋼のに関しては、ほとんど検
討すら為されていないのが現状である。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、現状用いられている形鋼に対
比して、合金元素の添加等によるコス卜の増加や船体構
造設計の変更を生じることなく、衝突時のエネルギー吸
収能を増加させることが可能な耐衝突性に優れた形鋼及
びその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、軟質相である
フェライトと、ベイナイト、セメンタイト、マルテンサ
イト等の硬質相との2相以上の組織からなる鋼を用い、
それぞれの相の機械的性質を最適化すると共に、その組
み合わせを最適化することにより、通常の船体用形鋼と
ほぼ同じ成分で耐衝突性に優れた形鋼、即ち、強度を低
下させることなく、一様伸び性に優れた形鋼を得ること
ができるとの知見を得た。
【0013】本発明は、この知見に基づきなされたもの
であり、第1の発明による耐衝突性に優れた形鋼は、鋼
組成が下記の(1)式で定義される炭素当量(Ceq)≦
0.38質量%を満たし、鋼組織がフェライト相と硬質
相とからなり、前記フェライト相の相分率が70%以
上、硬さがHv150以下、平均粒径が5μm以上であ
り、且つ、前記硬質相のアスペクト比の平均又は前記硬
質相が連なった硬質相バンドのアスペクト比の平均が
1.5以上であることを特徴とするものである。但し、
(1)式において、各元素記号は質量%表示の含有量で
ある。
【0014】
【数1】
【0015】本発明において、耐衝突性に優れた形鋼の
ミクロ組織及び成分組成を上述のように限定した理由を
それぞれの作用と共に説明する。
【0016】鋼の組織:本発明の鋼の組織は、フェライ
ト相と硬質相とからなる。硬質相は、ベイナイト、パー
ライト、マルテンサイト等のフェライト相に比べて硬度
の高い組織により構成される。前述したように、強度を
低下させることなく、一様伸びを向上させるためには、
軟質相であるフェライトと硬質相との2相以上の組織を
有する鋼が適している。
【0017】フェライト相分率:フェライト相分率が高
くなるほど、一様伸びが向上する。フェライト相分率が
70%以上で、十分な一様伸びが得られるため、フェラ
イト相分率を70%以上に限定する。
【0018】フェライト相の硬さ:フェライト相の硬さ
が低いほど、一様伸びが向上する。フェライト相の硬さ
がHvで150以下になると一様伸びが優れるため、フ
ェライト相の硬さをHvで150以下に限定する。
【0019】フェライト相の平均結晶粒径:フェライト
相の平均結晶粒径が小さいほど、一様伸びは低下する。
特に、平均結晶粒径が5μm未満になると、一様伸びが
急激に劣化する。従って、フェライト相の平均結晶粒径
を5μm以上に限定する。
【0020】硬質相の形状:硬質相のアスペクト比又は
硬質相が連なったバンドのアスペクト比が一定値を越え
ると、一様伸びが向上する。ここで、硬質相バンドとい
うのは、硬質相の中で互いに連結している一塊りの集合
のことをいう。又、アスペクト比とは、硬質相バンドの
板厚方向の寸法に対する圧延方向の寸法の比率のことを
いう。後述のように、硬質相又は硬質相バンドのアスペ
クト比の平均が1.5以上になると一様伸びが優れるた
め、硬質相のアスペクト比又は硬質相が連なったバンド
のアスペクト比を1.5以上に限定する。
【0021】炭素当量(Ceq):本発明では鋼の組成を
上記の(1)式で定義する炭素当量(Ceq)(以下「C
eq」と記す)で限定する。Ceqが高いほど強度が上が
り、フェライトの強度も高くなるため、一様伸びが低下
する。Ceqが0.38質量%(以下「%」と記す)を超
えると、一様伸びの低下が著しい。又、Ceqは溶接熱影
響部の靭性の指標であり、0.38%を超えた場合、大
入熱溶接の熱影響部靭性が劣化する。このため、Ceqを
0.38%以下に限定する。
【0022】第2の発明による耐衝突性に優れた形鋼
は、第1の発明において、鋼組成として、質量%で、
C:0.05〜0.16%、Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.8〜1.6%、sol.Al:0.002〜0.
07%を含有し、残部が実質的にFeからなることを特
徴とするものである。
【0023】この発明は、第1の発明において更に成分
組成を規定したものである。以下、個々の化学成分の限
定理由について説明する。
【0024】C:Cは強度を確保するために含有する
が、0.05%未満ではその効果が十分でなく、一方、
0.16%を超えるとフェライト主体の組織が得られ
ず、一様伸びが劣化する。そのためC含有量を0.05
〜0.16%に限定する。
【0025】Si:Siは製鋼段階の脱酸剤及び強度向
上元素として含有するが、0.1%未満ではその効果が
不十分であり、一方、0.5%を超えると延性を劣化さ
せる。そのためSi含有量を0.1〜0.5%に限定す
る。
【0026】Mn:Mnは強度を確保するために含有す
るが、0.8%未満ではその効果が不十分であり、一
方、1.6%を越えるとフェライト主体の組織が得られ
なくなる。そのためMn含有量を0.8〜1.6%に限
定する。
【0027】sol.Al:Alは脱酸のために添加する。
sol.Al量で0.002%未満の場合にはその効果が十
分でなく、一方、0.07%を超えて含有すると、形鋼
の表面疵が発生し易くなる。そのため、sol.Alを0.
002〜0.07%に限定する。尚、sol.Alとは、A
23 などの酸化物になっていないAlであり、酸可
溶Alとも呼ばれるものである。
【0028】そして、残部を実質的にFeとする。ここ
で、「残部が実質的にFeである」とは、本発明の作用
効果をなくさない限り、不可避不純物をはじめ、他の微
量元素を含有するものが本発明の範囲に含まれ得ること
を意味するものとする。
【0029】第3の発明による耐衝突性に優れた形鋼
は、第1の発明において、鋼組成として第2の発明の鋼
組成に加えて更に、質量%で、Ti:0.003〜0.
03%を含有することを特徴とするものである。
【0030】この発明では、更にTiを添加することで
靭性をより一層向上させる。Tiは圧延加熱時或いは溶
接時にTiNを生成し、オーステナイト粒径を微細化
し、母材靭性並びに溶接熱影響部の靭性を向上させる。
但し、その含有量が0.003%未満ではその効果が十
分でなく、一方、0.03%を超えると溶接熱影響部の
靭性を劣化させる。そのため、添加する場合には、Ti
含有量を0.003〜0.03%に限定する。
【0031】第4の発明による耐衝突性に優れた形鋼
は、第1の発明において、鋼成分として第2又は第3の
発明の鋼成分に加えて更に、質量%で、Nb:0.00
5〜0.05%を含有することを特徴とするものであ
る。
【0032】この発明では強度を向上させるためにNb
を添加する。但し、その含有量が0.005%未満では
その効果が十分でなく、一方、0.05%を超えると溶
接熱影響部の靭性を劣化させる。そのため、添加する場
合には、Nb含有量を0.005〜0.05%に限定す
る。
【0033】第5の発明による耐衝突性に優れた形鋼
は、第1の発明において、鋼組成として、第2乃至第4
の何れかの発明の鋼組成に加えて更に、質量%で、C
r:0.1〜0.5%、Mo:0.02〜0.3%、
V:0.01〜0.08%、Cu:0.1〜0.6%の
1種又は2種以上を含有することを特徴とするものであ
る。
【0034】この発明では強度を向上させるためにC
r、Mo、V、Cuを単独添加或いは複合添加する。以
下、個々の化学成分の限定理由について説明する。
【0035】Cr:Crが0.1%未満では強度向上の
効果が不十分であり、一方、0.5%を超えると溶接性
及び溶接熱影響部の靭性が劣化する。そのため、添加す
る場合には、Cr含有量を0.1〜0.5%に限定す
る。
【0036】Mo:Moが0.02%未満では強度向上
の効果が不十分であり、一方、0.3%を超えると溶接
性及び溶接熱影響部の靭性が著しく劣化する。そのた
め、添加する場合には、Mo含有量を0.02〜0.3
%に限定する。
【0037】V:Vが0.01%未満では強度向上の効
果が不十分であり、一方、0.08%を超えると靭性が
著しく劣化する。そのため、添加する場合には、V含有
量を0.01〜0.08%に限定する。
【0038】Cu:Cuが0.1%未満では強度向上の
効果が不十分であり、一方、0.6%を超えて添加する
とCu割れの懸念が高まる。そのため、添加する場合に
はCu含有量を0.1〜0.6%に限定する。
【0039】第6の発明による耐衝突性に優れた形鋼
は、第1の発明において、鋼組成として、第2乃至第5
の何れかの発明の鋼組成に加えて更に、質量%で、N
i:0.1〜0.5%を含有することを特徴とするもの
である。
【0040】この発明では靭性を向上させるためにNi
を添加する。Niの含有量が0.1%未満ではその効果
が十分でなく、一方、0.5%を超えると形鋼コストの
上昇が著しい。そのため、添加する場合にはNi含有量
を0.1〜0.5%に限定する。
【0041】第7の発明による耐衝突性に優れた形鋼の
製造方法は、第1乃至第6の何れかの発明の鋼組成を有
する鋼素材を加熱後圧延してAr3以上の温度域で圧延を
終了し、圧延後、板厚平均温度が[Ar3−100]℃以
上Ar3以下の範囲となるまで、平均冷却速度Vc(℃/
秒)がVc<10、且つ、冷却時間T(秒)がT≧35
/Vcの関係を満たす条件で第一段の冷却を行い、次い
で、板厚平均温度が[Ar3−100]℃以上の状態か
ら、板厚平均温度が300℃以上600℃以下の範囲と
なるまで、10℃/秒以上の平均冷却速度で第二段の冷
却を行うことを特徴とするものである。
【0042】この発明は、上述した発明による形鋼の製
造方法に関するもので、特に圧延条件と冷却条件を規定
している。以下、個々の条件について説明する。尚、鋼
素材とは、造塊−分塊法等により製造した鋼片や連続鋳
造法等により製造した鋳片である。
【0043】圧延条件:フェライト相の硬さをHv15
0以下とするために、形鋼の圧延をAr3以上の温度域で
終了する。圧延終了温度がAr3以下となり、変態後のフ
ェライト相に加工歪が導入されると、フェライト相が硬
化し、Hv150を越えてしまう場合があり、一様伸び
が劣化してしまう。従って、圧延終了温度をAr3以上の
温度域とする。尚、Ar3は、例えば下記の(2)式で求
めることができる。但し(2)式において、各元素記号
は質量%表示の含有量である。
【0044】
【数2】
【0045】第1段の冷却条件:第1段の冷却は、フェ
ライト相の相分率、硬さ、粒径、及び、硬質相のアスペ
クト比を所定のものとするために実施する。そのために
は、形鋼各部位での平均冷却速度Vc(℃/秒)に対し
て、冷却時間T(秒)が[35/Vc]秒未満である
と、フェライト変態が十分に進行しないため、フェライ
ト分率が70%に満たない。又、平均冷却速度Vcが1
0℃/秒以上になると、フェライト相からオーステナイ
ト相へのCの拡散が十分に進行せず、フェライト相の硬
さがHv150以下にならない。同時にCの拡散濃縮に
より形成される硬質相のアスペクト比が1.5以上にな
らない。従って、平均冷却速度Vcと冷却時間Tとの関
係がT≧35/Vcを満たし、且つ、平均冷却速度Vc
は10℃/秒未満とする。
【0046】第1段の冷却の温度範囲:板厚平均温度が
[Ar3−100]℃未満の範囲となるまで上記冷却条件
で冷却すると、第2段の冷却条件を如何に変更しても所
定の強度を得ることができなくなってしまうことから、
冷却温度範囲を[Ar3−100]℃以上とする。尚、冷
却の開始に関しては、冷却速度を制御する必要のある温
度域は変態の始まるAr3以下であるが、冷却開始はAr3
を超える温度であっても構わない。要するに、板厚平均
温度が[Ar3−100]℃以上Ar3以下の範囲となるま
で、上記の冷却条件で冷却すればよい。尚、板厚平均温
度とは、フランジ部の板厚方向の平均温度であり、板厚
平均温度は、形鋼の形状、表面温度、及び冷却条件等が
与えられた場合に、シミュレーション計算等により求め
られたものを用いることができる。
【0047】第2段の冷却条件:第2段の冷却は、硬化
相の強度を向上させて、所定の強度を確保するために実
施する。冷却開始温度が低いほど強度が低下し、板厚平
均温度が[Ar3−100]℃未満になると所定の強度が
得られなくなるため、冷却開始温度を[Ar3−100]
℃以上とする。冷却速度が速いほど強度が向上するが、
平均冷却速度で10℃/秒未満では所定の強度が得られ
ないので、冷却速度を10℃/秒以上とする。冷却終了
温度が低いほど強度が向上するが、300℃未満まで冷
却すると延靭性が劣化する。逆に、600℃を超える温
度で冷却を停止すると、所定の強度が得られない。従っ
て、冷却終了温度を300℃以上600℃以下とする。
【0048】第8の発明による耐衝突性に優れた形鋼の
製造方法は、第1乃至第6の何れかの発明の鋼組成を有
する鋼素材を有する鋼素材を加熱後圧延してAr3以上の
温度域で圧延を終了し、圧延後、板厚平均温度がAr3以
上の状態から、板厚平均温度が[Ar3−80]℃以上
[Ar3−30]℃以下の範囲となるまで、10℃/秒以
上の平均冷却速度で第一段の冷却を行い、次いで、板厚
平均温度が[Ar3−100]℃以上[Ar3−30]℃以
下の範囲で30秒間以上放冷し、その後、板厚平均温度
が[Ar3−100]℃以上の状態から、板厚平均温度が
300℃以上600℃以下の範囲となるまで、10℃/
秒以上の平均冷却速度で第二段の冷却を行うことを特徴
とするものである。
【0049】この発明も、第7の発明と同様、第1乃至
第6の発明による形鋼の製造方法に関するもので、圧延
条件と冷却条件とを規定している。以下、個々の条件に
ついて説明する。尚、第8の発明における圧延に引き続
く冷却は、第7の発明における冷却方法とは異なるが、
冷却の効果は両者で同等である。
【0050】圧延条件:圧延条件は、前述の第7の発明
と同様、変態後のフェライト相の硬度を低く抑え、一様
伸びを向上させることを目的として設定している。この
圧延条件およびその限定理由は、前述の第7の発明と同
一であるので、説明を省略する。
【0051】第1段の冷却:第1段の冷却は、それに続
く放冷により、フェライト相の相分率、硬さ、粒径と、
硬質相のアスペクト比とを所定のものにするために行な
う。このため、冷却中はなるべく変態が起こらないよう
に冷却する。冷却温度域は、板厚平均温度が変態の開始
する前のAr3以上の温度から開始し、放冷中に変態の制
御が行い易い[Ar3−80]℃以上[Ar3−30]℃以
下の温度範囲までとする。冷却速度は、平均冷却速度で
10℃/秒未満であると、変態が進行して放冷中の変態
制御が難しくなるため、10℃/秒以上とする。
【0052】第1段の冷却後の放冷:この放冷は、フェ
ライト相の相分率、硬さ、粒径と、硬質相のアスペクト
比とを所定のものにするため行なう。放冷温度域につい
ては、板厚平均温度が[Ar3−100]℃未満の温度域
ではフェライト変態を進行させるのに長時間を要し、
[Ar3−30]℃を超える温度域ではフェライトの変態
率が70%に達しない。従って、放冷温度域を[Ar3−
100]℃以上[Ar3−30)]℃以下の範囲とする。
放冷時間については、30秒未満であるとフェライト変
態が十分に進行しないためにフェライト分率が70%に
満たず、又、フェライト相からオーステナイト相へのC
の拡散が十分に進行せず、フェライト相の硬さがHv1
50以下にならない。同時にCの拡散濃縮により形成さ
れる硬質相のアスペクト比が1.5以上にならない。従
って、放冷時間を30秒以上とする。
【0053】第2段の冷却条件:第2段の冷却は、前述
の第7の発明と同様、硬化相の強度を向上させて、所定
の強度を確保するために実施する。冷却条件及びその限
定理由は、前述の第7の発明と同一であるので、説明を
省略する。
【0054】
【発明の実施の形態】本発明は、通常の船体用形鋼とほ
ぼ同じ成分で、耐衝突性、即ち一様伸び性に優れた形鋼
及びその製造方法を提供する。形鋼の製造に当たって
は、上記の鋼組成、製造方法に基づき、組織制御を行
う。例えば、通常の転炉や電気炉等で所定の鋼組成の鋼
を溶製し、連続鋳造機等により得られた鋳片をそのまま
或いは冷却した後に圧延を行う。圧延においては、圧延
条件或いは冷却条件を調節して形鋼の組織制御を行い、
目標の複合組織を得る。この場合、前述した第7の発明
又は第8の発明による製造方法を用いることにより、組
織制御を容易に実施することができる。
【0055】製造された形鋼は、強度を低下させること
なく、一様伸びを向上させるために、軟質相であるフェ
ライトと硬質相であるベイナイト、セメンタイト、マル
テンサイト等の2相以上の組織からなる鋼とする。尚、
この形鋼の組織は、それぞれの相の機械的性質を最適化
すると共に、その組み合わせを最適化することを基本方
針に検討を行なう中で得られたものであり、以下の知見
に基づいている。
【0056】一般に、2相以上の組織を有する複相鋼に
おいては、軟質相が主に延靭性向上の役割を担い、硬質
相が主に強度向上の役割を担う。そこで、先ず一様伸び
を向上させるために軟質相であるフェライト相の性質を
検討した。一様伸びは軟質材ほど優れていることは明ら
かであるが、他に硬質相が存在する場合は、両相の硬度
差が或る程度大きい方が軟質相への歪の集中が大きくな
り、一様伸びに対する軟質相の寄与が大きくなる。硬質
相として、比較的強度の低いベイナイト相を考えた場合
は、フェライト相への歪集中を大きくするために、フェ
ライト相の硬度をHv150以下にしなければならな
い。
【0057】又、一様伸びは結晶粒径が小さくなるほど
低下するため、複相鋼のフェライト結晶粒径の影響を調
査したところ、平均結晶粒径が5μm以下になると急速
に一様伸びが低下することを確認した。ここで、局部伸
びは結晶粒径の影響を比較的受けないため、結晶粒径の
減少による全伸びの低下は、一様伸びの低下に比べて相
対的に小さいことも確認した。よって、このことから
も、延性を評価する場合には、一様伸びと全伸びとを区
別して考える必要があることが分かる。
【0058】更に、軟質相の割合と、一様伸びとの関係
を検討したところ、フェライト相の分率が高いほど一様
伸びの向上が見られ、特にフェライト相分率が70%以
上で、一様伸びに優れることを見出した。このようにフ
ェライト相分率を所定割合確保するには、冷却条件を適
切に調節すればよい。
【0059】例えば、平均冷却速度Vc及び冷却時間T
が相分率へ及ぼす影響は次のようになる。平均冷却速度
Vcが小さい場合は、相平衡が律速となり、或る温度以
下にならないとフェライト変態率が70%にならない。
そこで、この場合には冷却時間Tを十分にとり、フェラ
イト変態が進むように温度降下させる必要がある。一
方、平均冷却速度Vcが大きい場合には、相平衡として
は相変態に必要な温度域に速やかに温度低下する。この
場合、平均冷却速度Vcが大きいほど相変態の駆動力が
大きくなるので、冷却時間Tは短くてよい。但し、或る
程度原子が拡散し、相変態が進行する時間が必要である
ため、冷却時間Tには下限がある。
【0060】以上より、実験結果等から平均冷却速度V
cと冷却時間Tとが満たすべき関係として、T≧35/
Vcが得られた。実際には、平均冷却速度Vcは形鋼の
板厚や冷却設備により、又、冷却時間Tは設備配置等に
より、それぞれ或る範囲に限定されるが、上記の不等式
の範囲であればそれぞれ任意に設定可能である。
【0061】次に、一様伸びに対する硬質相の影響を検
討したところ、硬質相の分率が30%以下の場合は、組
織分率の影響は小さく、硬質相の形状が大きく影響する
ことを見出した。形状の影響としては、硬質相が形鋼の
圧延方向に伸展した形状の方が等軸状の場合よりも一様
伸びを向上させることを見出した。但し、硬質相が各々
孤立分散した形で存在しているときは、個々の硬質相が
或る程度伸展した形状をしていなければ効力を発揮する
ことはできないが、硬質相が連続した形で存在している
場合には、個々の硬質相が伸展した形をしていなくて
も、バンド状組織として或る程度の長さを有していれば
効力を発揮する。
【0062】以上の組織の場合、一様伸びの向上は形鋼
の圧延方向と直角方向の両方で達成されることも同時に
知見した。
【0063】ここで、典型的な硬質相の形状を模式的に
図1に示す。図1において、1は軟質相、2は硬質相で
ある。図1(a)は、硬質相2のアスペクト比が単独で
1.5以上の場合の組織である。このように伸展した硬
質相2は、Cが拡散濃縮する時間を適度に確保すること
によって得ることができる。図1(b)は、硬質相2の
アスペクト比が単独では1.5未満であるが、連結した
状態で1.5以上の場合の組織である。図1(c)は、
硬質相2のアスペクト比が1.5未満で連結していない
場合の組織である。尚、硬質相2のアスペクト比は、C
の拡散濃縮時間だけでなく、鋳造条件や圧延条件にも影
響を受ける場合がある。又、硬質相2のアスペクト比
は、図1に示す圧延方向の寸法aと板厚方向の寸法bと
の比(a/b)で表される。
【0064】次に、強度に対する組織の影響を検討し
た。強度は、硬質相の強度及び分率に大きく影響を受け
るが、鋼の成分組成が一定の場合には、たとえ組織が変
化しても、製造条件の選択により、強度をほぼ一定に制
御できることを確認した。即ち、硬質相の分率を比較的
大きくしたい場合には、圧延後の水冷温度を高めにした
り、冷却速度を低目にして硬質相の強度を低目とするこ
とにより、強度を一定に保つことが可能である。一方、
硬質相の分率を比較的小さくしたい場合には、逆に、圧
延後の水冷温度を低目にしたり、冷却速度を高目にして
硬質相の強度を高くすることにより、強度を一定に保つ
ことが可能である。
【0065】尚、このような強度の制御は、硬質相の分
率が小さい場合には、フェライト相から変態時に排出さ
れて硬質相に濃化するCの濃度が高くなり、硬質相がよ
り硬化し易くなるという原理から、比較的容易に達成さ
れる。又、冷却速度の制御方法は、所定の条件を満たせ
ば放冷でも構わないが、保温する場合には形鋼の上に断
熱カバーを設けたり、一方、冷却速度を上げる場合には
水冷することが考えられる。
【0066】最後に、船舶等に使用される形鋼において
は、靭性も重要な機械的性質の一つであり、本発明が対
象にしているフェライト主体の組織の形鋼においては、
靭性は主にフェライト結晶粒径の影響を受ける。そのた
め、フェライト結晶粒径を望ましくは40μm以下にす
ることが好ましい。結晶粒径の制御は、圧延工程での圧
下率を一定値以上にすること等により可能である。
【0067】
【実施例】以下、実施例について説明する。表1に実施
例に用いた供試鋼の成分を示す。表示しない残部は、実
質的にFe及び不可避不純物よりなる。表1における鋼
種A〜Gは、第2の発明乃至第6の発明の何れかの発明
を満足する成分組成の鋼であり、一方、鋼種HとIはC
eqが本発明の範囲外となっている。これらの鋼組成を有
する鋳片を加熱後、300mm×90mm×11mm×
16mmのサイズを有する不等辺不等厚山形鋼に圧延
し、圧延後、種々の冷却条件で冷却した。表2に、26
種類の条件で行った形鋼(鋼番1〜26)の製造条件を
示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】これらの形鋼のミクロ組織を光学顕微鏡に
て観察し、フェライト相及び硬質相の分率、フェライト
相の結晶粒径、硬質相のアスペクト比を測定した。フェ
ライト相の硬さはマイクロビッカース硬度計により測定
した。
【0071】機械的特性として、強度、一様伸び、靭性
を求めた。引張試験は、全厚のJIS−1B号試験片を
フランジ端部側のフランジ幅1/3の箇所から圧延方向
と平行な方向に採取し、この試験片で試験した。一様伸
びは、最大応力時の伸びとして評価した。衝撃試験は、
JIS−4号標準試験片をフランジ端部側のフランジ幅
1/3の箇所から圧延方向と平行に且つ表層に寄せて
(形鋼の表面と試験片の端面との間隔が2mm以下)採
取し、この試験片で試験した。靭性は、vTsにより評価
した。表3に、鋼番1〜26における形鋼のミクロ組織
及び機械的特性を示す。尚、本実施例では、強度、一様
伸び、靭性の全てが目標を満足したものを発明材とし、
それ以外は比較材と定義した。即ち、一様伸びに優れて
いても、目的とする強度、靭性が得られないものは比較
材と定義した。
【0072】
【表3】
【0073】表3において、鋼番1〜14は、上記表1
の鋼種A〜Gを用いた製造例で、本発明による発明材で
ある。鋼種Aを用いた鋼番1及び鋼番8は、YP315
MPa級鋼として製造したもので、強度並びに靭性は何
れも目標特性とするYP≧315MPa、TS≧440
MPa、vTs≦0℃を満足している。又、一様伸びは強
度に依存し、従来鋼においてはおおよそ、一様伸び=3
8−0.053×YPの関係にあるが、鋼番1及び鋼番
8では一様伸びが従来鋼レベルに比べて2割以上優れて
いる。鋼番2〜7及び鋼番9〜14は、YP355MP
a級鋼として製造したもので、強度並びに靭性は何れも
目標特性とするYP≧355MPa、TS≧490MP
a、vTs≦0℃を満足している。又、一様伸びは従来鋼
レベルに比べて2割以上優れている。
【0074】これに対して、鋼番15〜26は強度、一
様伸び、靭性の何れかが目標値を達成していない比較材
である。先ず、鋼組成と組織の観点から説明すると、次
のようになる。鋼番15は、フェライト相の硬度が高
く、且つフェライト結晶粒径が小さいため、一様伸びが
劣っている。鋼番16は、フェライト相の分率が低く、
且つ硬質相のアスペクト比が1.5に満たないため、一
様伸びが劣っている。
【0075】鋼番17〜19及び鋼番24は、鋼組成と
組織は本発明の範囲内であり、優れた一様伸びが得られ
たが、後述するように製造条件が不適切なために目標と
する強度が得られなかった。鋼番20と鋼番26は、C
eqが高いためにフェライト相の硬度が高く、一様伸びが
劣っている。鋼番21、22は、フェライト相分率が低
く、且つ硬質相のアスペクト比が1.5に満たないた
め、一様伸びが劣っている。鋼番23は、フェライト相
分率が低いため、一様伸びが劣っている。鋼番25は、
フェライト相の硬さが高いため、一様伸びが劣ってい
る。
【0076】次に、これらの比較材について製造条件の
観点から説明すると、次のようになる。尚、鋼組織につ
いても繰り返しになるが説明する。鋼番15は、圧延仕
上温度が低かったため、フェライト相の硬度が高く、一
様伸びが劣っている。鋼番16は、第1段冷却における
平均冷却速度Vcと冷却時間Tとの関係がT≧35/V
cの関係を満たしていないため、フェライト相分率が低
く、且つ硬質相のアスペクト比が小さくなり、一様伸び
が劣っている。
【0077】鋼番17は、第1段冷却の終了温度が低か
ったため、目的とする強度が得られなかった。鋼番18
と鋼番24は、第2段冷却の冷却速度が低かったため、
目的とする強度が得られなかった。鋼番19は、第2段
冷却の冷却終了温度が高かったため、目的とする強度が
得られなかった。鋼番21、22は、第1段冷却の終了
温度が適切でなかったため(それぞれ、高すぎ、低す
ぎ)、フェライト相分率が低くなり、一様伸びが劣って
いる。鋼番23は、第1段冷却と第2段冷却との間の放
冷時間が短かったため、フェライト相分率が低くなり、
一様伸びが劣っている。鋼番25は、第2段冷却の終了
温度が低かったため、フェライト相の硬度が高くなり、
一様伸びが劣っている。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、通常の船体用形鋼とほ
ぼ同じ成分で、軟質相であるフェライトと硬質相との2
相以上の組織からなる鋼を用い、それぞれの相の機械的
性質を最適化し、その組み合わせを最適化することによ
り、一様伸びが高く、耐衝突性に優れた形鋼を得ること
が可能となる。その結果、現状用いられている形鋼に対
して合金元素の添加等によるコストの増加なしに、船舶
の衝突時のエネルギー吸収性能に優れた形鋼が提供可能
となり、産業上その効果は極めて大きい。又、大型タン
カーの座礁や衝突による油流出の防止に寄与し、環境保
護の効果も極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬質相の形状を模式的に示す図であり、(a)
は硬質相のアスペクト比が単独で1.5以上の場合、
(b)は硬質相のアスペクト比が単独では1.5未満で
あるが、連結した状態で1.5以上の場合、(c)は硬
質相のアスペクト比が1.5未満で連結していない場合
を示す図である。
【符号の説明】
1 軟質相 2 硬質相

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼組成が下記の(1)式で定義される炭
    素当量(Ceq)≦0.38質量%を満たし、鋼組織がフ
    ェライト相と硬質相とからなり、前記フェライト相の相
    分率が70%以上、硬さがHv150以下、平均粒径が
    5μm以上であり、且つ、前記硬質相のアスペクト比の
    平均又は前記硬質相が連なった硬質相バンドのアスペク
    ト比の平均が1.5以上であることを特徴とする耐衝突
    性に優れた形鋼。 Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15 ……(1) 但し(1)式において、各元素記号は質量%表示の含有
    量である。
  2. 【請求項2】 鋼組成として、質量%で、C:0.05
    〜0.16%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.8
    〜1.6%、sol.Al:0.002〜0.07%を含有
    し、残部が実質的にFeからなることを特徴とする請求
    項1に記載の耐衝突性に優れた形鋼。
  3. 【請求項3】 鋼組成として、請求項2に記載の鋼組成
    に加えて更に、質量%で、Ti:0.003〜0.03
    %を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐衝突
    性に優れた形鋼。
  4. 【請求項4】 鋼組成として、請求項2又は請求項3に
    記載の鋼組成に加えて更に、質量%で、Nb:0.00
    5〜0.05%を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の耐衝突性に優れた形鋼。
  5. 【請求項5】 鋼組成として、請求項2乃至請求項4の
    何れか1つに記載の鋼組成に加えて更に、質量%で、C
    r:0.1〜0.5%、Mo:0.02〜0.3%、
    V:0.01〜0.08%、Cu:0.1〜0.6%の
    1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1
    に記載の耐衝突性に優れた形鋼。
  6. 【請求項6】 鋼組成として、請求項2乃至請求項5の
    何れか1つに記載の鋼組成に加えて更に、質量%で、N
    i:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする請求
    項1に記載の耐衝突性に優れた形鋼。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れか1つに記
    載の鋼組成を有する鋼素材を加熱後圧延してAr3以上の
    温度域で圧延を終了し、圧延後、板厚平均温度が[Ar3
    −100]℃以上Ar3以下の範囲となるまで、平均冷却
    速度Vc(℃/秒)がVc<10、且つ、冷却時間T
    (秒)がT≧35/Vcの関係を満たす条件で第一段の
    冷却を行い、次いで、板厚平均温度が[Ar3−100]
    ℃以上の状態から、板厚平均温度が300℃以上600
    ℃以下の範囲となるまで、10℃/秒以上の平均冷却速
    度で第二段の冷却を行うことを特徴とする耐衝突性に優
    れた形鋼の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項6の何れか1つに記
    載の鋼組成を有する鋼素材を加熱後圧延してAr3以上の
    温度域で圧延を終了し、圧延後、板厚平均温度がAr3以
    上の状態から、板厚平均温度が[Ar3−80]℃以上
    [Ar3−30]℃以下の範囲となるまで、10℃/秒以
    上の平均冷却速度で第一段の冷却を行い、次いで、板厚
    平均温度が[Ar3−100]℃以上[Ar3−30]℃以
    下の範囲で30秒間以上放冷し、その後、板厚平均温度
    が[Ar3−100]℃以上の状態から、板厚平均温度が
    300℃以上600℃以下の範囲となるまで、10℃/
    秒以上の平均冷却速度で第二段の冷却を行うことを特徴
    とする耐衝突性に優れた形鋼の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010280932A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Sumitomo Metal Ind Ltd 低降伏比鋼材およびその製造方法
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JP2013136829A (ja) * 2011-11-30 2013-07-11 Jfe Steel Corp 耐衝突性に優れた鋼材およびその製造方法
JP2017137576A (ja) * 2016-01-29 2017-08-10 Jfeスチール株式会社 山形鋼および山形鋼の製造方法

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