JP3456550B2 - 浴室床パネル固定構造 - Google Patents

浴室床パネル固定構造

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JP3456550B2 JP15832194A JP15832194A JP3456550B2 JP 3456550 B2 JP3456550 B2 JP 3456550B2 JP 15832194 A JP15832194 A JP 15832194A JP 15832194 A JP15832194 A JP 15832194A JP 3456550 B2 JP3456550 B2 JP 3456550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は浴室床パネル固定構
造、更に詳しくは、浴室の床をパネル化して形成する浴
室床パネルおよびその浴室床パネルを建物躯体に固定す
る構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の建物における浴室の組立につい
て、図6及び図7を参照させながら説明する。ここに示
す従来例は、浴室を床から天井まで一つのユニットとし
て形成したいわゆるユニットバスの組立ではなく、浴室
の床基礎材の上に載置する防水パンを用いた浴室の組立
例である。
【0003】まず、壁80に対し、水平な下地材81を
固定し、その下地材81の下端に防水シート82の上端
を貼付する。そして、その防水シート82の下端をめく
るようにして防水パン90の上端を壁80および下地材
81に当接させ、防水パン90を建物躯体へ固定させ
る。なお、防水パン90の上端には、それを補強するた
めの補強材91が固定されている。
【0004】防水パン90の固定が終えたら、防水パン
90の上端部において垂直断面形状がクランク状をなし
ている部分の上面に、浴室内の仕上げ壁となる壁板83
を載置して固定する。このとき、壁板83の下端には、
断面コ字状の見切り材84を、埋め込み材85を用いて
固定しておき、壁板83の下端部を保護するとともに防
水パン90との水密性を高める。
【0005】なお、見切り材84は用いずに防水パン9
0と壁板83との間に水密のためのコーキングを施すこ
ともあるし、見切り材84を用いていても水密を高める
ためにコーキングを施すことも多い。
【0006】ところで、近年では、住宅内の足元の安全
性を高めるため、敷居の高さをできるだけ低くしたり、
隣接する部屋の浴衣傘を同じにしたりする工夫がなされ
ることが多くなっており、ユニットバスを用いて、浴室
の床に対しても浴室の出入口となる部屋の床との高さを
同じにしている住宅もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の防水パ
ンを用いた浴室の組立においては、以下のような問題が
あった。まず、防水パンを設置する前に浴室の浴室の床
基礎材を、防水パンの形状に合わせて形成しなければな
らなかった。
【0008】また、防水パンと、防水パンに接する建物
躯体との境界部には、コーキングを施して水密を担保し
なければならないが、完全な水密を期すコーキングには
手間がかかっていた。更に、ユニットバスを用いなくて
も、浴室の床に対しても浴室の出入口となる部屋の床と
の高さを同じにして、住宅内の安全性を高めたいという
要望もある。
【0009】本発明が解決すべき課題は、浴室の組立の
簡易化、防水処理の手間の軽減、および浴室の出入口と
なる部屋の床の高さと同じにして安全性を高める浴室床
の構造を提供することにある。
【0010】本願発明の目的は、浴室の組立の簡易化
と、浴室の出入口となる部屋の床の高さと同じにして安
全性向上とを達成するとともに、排水性能も担保した浴
室床パネル固定構造を提供することである。 また、防水
処理の手間の軽減を達成した浴室床パネル固定構造を提
供することである。 また更に、壁への防水処理の手間の
軽減を達成した浴室床パネル固定構造を提供することで
ある。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、枠状の外枠材
およびその外枠材の内側に固定されて浴室の床面を形成
する防水パンを備えて浴室の床を形成する浴室床パネル
と、その浴室床パネルによって形成される浴室のための
出入口となる部屋の床を形成する床部材および浴室の壁
を形成する壁部材を備えて形成される建物躯体との固定
構造であって、外枠材は基礎土台から立設されるアンカ
ーボルトを貫通させることができる貫通穴を備え、貫通
させたアンカーボルトは壁部材の芯材の下部分をも貫通
した後、ナットにて締め付けられることによって、基礎
土台に対して床部材、浴室床パネルおよび壁部材を固定
する構造であり、防水パンの床面は、浴室のための出入
口となる部屋の床の高さと同じ高さとなるように形成さ
れるとともに、該防水パンには、浴室の床面に流れた水
を排水する排水溝が凹設されていることを特徴とする。
また、上記外枠材の内側であって、且つ、防水パンの上
面周囲で建物躯体を構成する部材との間に、浴室の水が
建物躯体側へ侵入することを防ぐための水密材を挟み込
んで固定し、上記排水溝は浴室の床面の周囲に設けた周
囲溝とし、上記壁部材の浴室側には、浴室の仕上げ壁と
なる装飾壁を固定するとともに、その装飾壁の下端は、
該周囲溝内に位置させたことを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】本願発明の浴室床パネル構造の作用を説明す
る。 すなわち本願発明においては、浴室の出入口となる
部屋の床を床部材(30)によって形成し、浴室床パネ
ル(40)の外枠材(41)を建物躯体を構成する部材
間に挟み込んで固定する。その後、壁部材(20)を外
枠材(41)に接するようにして建物躯体に組み込む。
すると、防水パン(44)のなす床の上面は、浴室の出
入口となる部屋の床の高さと同じになるので、安全性が
高まる。更に、防水パン(44)がなす浴室の床面より
も低いところに排水溝(48)が存在するので、浴室の
床面に流れた水を排水させることができる。 また、外枠
材(41)の内側であって、且つ、防水パン(44)の
上面周囲で建物躯体を構成する部材との間には、水密材
(46)が挟み込んで固定されているので、浴室床パネ
ル(40)を建物躯体へ固定するだけで、浴室内の水が
建物躯体へ浸入することを防げる。 更に、浴室の壁を仕
上げる際には、装飾壁(24)の下端は、周囲溝(4
8)内に位置させてから壁部材(20)へと固定する。
すると、装飾壁(24)の下端に防水処理を施しても、
その防水処理部分は周囲溝(48)の内部であるので、
外から見えにくく、外観品質が向上する。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例及び図面に基づいて、
更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1乃至
図5である。図1は、本発明の実施例の主要部を示す組
立断面図である。図2は、本発明の実施例の主要部を示
す断面図である。図3は、本発明の実施例を示す断面図
である。図4は、本発明の実施例を示す組立斜視図であ
る。図5は、本発明の実施例を示す斜視図である。
【0020】まず、本実施例の構成について説明する。
本実施例は、1階に浴室を備える場合の浴室床パネル4
0およびその浴室床パネル40の建物躯体への固定構造
である。図3および図4に示すように、本実施例の浴室
床パネル40を固定すべき建物躯体は、基礎土台10に
載置固定されるとともに、1階の床を形成する床部材3
0と、部屋の周囲に立設される壁部材20とを備えて形
成される。
【0021】床部材30は、四角枠状の芯材31と、そ
の芯材31の上面に固定される面材32とを備えて形成
される床パネルによってその基礎部分を形成されてい
る。すなわち、浴室の入口となる部屋の床も、床パネル
によって形成されている。また、壁部材20は、四角枠
状の芯材21と、その芯材21の両面に固定される面材
22,22とを備えて形成される壁パネル20によって
その基礎部分を形成されている。
【0022】浴室床パネル40は、枠状の外枠材41
と、その外枠材41の内側に固定されて浴室の床面を形
成する上面防水パン44と、浴室の床下を形成する下面
防水パン43とを備えている。上面防水パン44の周囲
には、段差を形成するような鍔部47が形成されてお
り、建物躯体への固定が行い易いようになっている。そ
して、上面防水パン44と下面防水パン43との間に
は、その鍔部47を補強するため、板状の補強芯材45
を介在させている。
【0023】上面防水パン44は、浴室の床面を形成す
る。その床面の高さは、浴室の出入口となる部屋の床面
を形成する床部材30の面材32上面の高さと同一とし
ている。
【0024】上面防水パン44の鍔部47の内周におけ
る浴槽50の設置部分以外の周囲には、浴室の床面に流
れた水を回収して排水するための周囲溝48が設けられ
ている。そして、その周囲溝48の蓋を兼ね、浴室の床
面高さを周囲溝48の上においても同じになるように、
踏み台49がはめ込まれる。なお、周囲溝48は、踏み
台49を支えるための段差を備えている。
【0025】ここにおいて浴室の出入口となる部屋の床
面と、上面防水パン44の上面および踏み台49の上面
とは、同一の高さに形成できたこととなる。従って、足
が引っかかったりするものが存在せず、安全性が向上す
る。
【0026】鍔部47の上面周囲には、浴室の水が建物
躯体側への浸入することを防ぐための溌水性および弾力
性のある水密材46を壁部材20との間に挟み込んだ状
態で固定している。従って、浴室床パネル40を建物躯
体へ固定するだけで、浴室内の水が建物躯体側へ浸入す
ることを防げる。
【0027】外枠材41の内側であって、上面防水パン
44および下面防水パン43の間には、浴室床パネル4
0の周囲部分を補強するため、枠状の枠内芯材42が、
上面防水パン44の周囲溝48における踏み台49を支
えるためのの段差に当接するように備えられている。外
枠材41は、床部材30の芯材31および面材32が形
成する床部材30の厚さと同厚であり、基礎土台10に
載置可能である。
【0028】また、浴室の周囲を形成する建物躯体に固
定可能であるように、基礎土台10から立設されるアン
カーボルト11を貫通させることができる貫通穴を備え
ている。貫通させたアンカーボルト11は、壁部材20
の芯材21の下部分をも貫通した後、ナット12にて締
め付けられることによって、基礎土台10に対して床部
材30、浴室床パネル40を壁部材20との間で挟みこ
んだ状態で、これらと壁部材20を固定する。
【0029】なお、外枠材41とその外枠材41に接す
べき壁部材20の箇所との間、すなわち壁部材20にお
ける芯材21の下面および浴室側の面材22の側面の下
部には、防水シート23を貼付している。従って、浴室
内から建物躯体側へ浸入したとしても、壁部材20は、
防水シート23によって浸入した水から守られる。
【0030】壁部材20を立設させた後には、浴室内側
の面材22に乾式壁24を積層させて固定してゆく。最
下部の乾式壁24は、周囲溝48に設けられた段差の浴
室外側部分の下端において、上面防水パン44との間に
防水構造を施して固定する。すなわち、防水性のあるチ
ューブ28を周回させ、そのチューブ28の浴室側にコ
ーキング29を施す。これによって、浴室側からの建物
躯体への防水性を担保する。この防水処理を施した部分
は、踏み台49を設置してしまえば見えないので、仕上
がりを気にせずに施すことができ、工事の迅速化に寄与
する。
【0031】浴室床パネル40の建物躯体への固定が終
わったら、浴室内部の設備工事を行う。例えば、浴槽5
0の設置などである。
【0032】次に、上記した実施例の効果について説明
する。上記実施例によれば、浴室の組立の簡易化、防水
処理の手間の軽減、および安全性の向上を達成できる浴
室床パネル固定構造を提供することができた。
【0033】次に、上記した実施例のバリエーションに
ついて説明する。上記実施例では、建物の一階部分に浴
室を設ける場合について説明したが、一階部分に限られ
るものではない。
【0034】
【発明の効果】本願の発明によれば、浴室の組立の簡素
化と、浴室の出入口となる部屋の床の高さと同じにして
安全性向上とを達成した浴室床パネル固定構造を提供す
ることができた。更に、排水性能も担保した浴室床パネ
ル固定構造を提供することができた。また、防水処理の
手間の軽減を達成した浴室床パネル固定構造を提供する
ことができた。 更に、壁への防水処理の手間の軽減を達
成した浴室床パネル固定構造を提供することができた。
【0035】
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の主要部を示す組立断面図で
ある。
【図2】 本発明の実施例の主要部を示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の実施例を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施例を示す組立斜視図である。
【図5】 本発明の実施例を示す斜視図である。
【図6】 従来の技術を示す組立断面図である。
【図7】 従来の技術を示す断面図である。
【符号の説明】
10 基礎土台 11 アン
カーボルト 12 ナット 20 壁部材 21 芯材 22 面材 23 防水
シート 24 乾式壁 28 チューブ 29 コー
キング 30 床部材 31 芯材 32 面材 40 浴室床パネル 41 外枠
材 42 枠内芯材 43 下面
防水パン 44 上面防水パン 45 補強
芯材 46 水密材 47 鍔部 48 周囲溝 49 踏み
台 50 浴槽 80 壁 81 下地
材 82 防水シート 83 壁板 84 見切材 85 埋め
込み材 90 防水パン 91 補強

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状の外枠材およびその外枠材の内側に
    固定されて浴室の床面を形成する防水パンを備えて浴室
    の床を形成する浴室床パネルと、その浴室床パネルによ
    って形成される浴室のための出入口となる部屋の床を形
    成する床部材および浴室の壁を形成する壁部材を備えて
    形成される建物躯体との固定構造であって、外枠材は基
    礎土台から立設されるアンカーボルトを貫通させること
    ができる貫通穴を備え、貫通させたアンカーボルトは壁
    部材の芯材の下部分をも貫通した後、ナットにて締め付
    けられることによって、基礎土台に対して床部材、浴室
    床パネルおよび壁部材を固定する構造であり、防水パン
    の床面は、浴室のための出入口となる部屋の床の高さと
    同じ高さとなるように形成されるとともに、該防水パン
    には、浴室の床面に流れた水を排水する排水溝が凹設さ
    れていることを特徴とする浴室床パネル固定構造。
  2. 【請求項2】 上記外枠材の内側であって、且つ、防水
    パンの上面周囲で建物躯体を構成する部材との間に、浴
    室の水が建物躯体側へ侵入することを防ぐための水密材
    を挟み込んで固定したことを特徴とする請求項1記載の
    浴室床パネル固定構造。
  3. 【請求項3】 上記排水溝は、浴室の床面の周囲に設け
    た周囲溝とし、 上記壁部材の浴室側には、浴室の仕上げ壁となる装飾壁
    を固定するとともに、 その装飾壁の下端は、該周囲溝内に位置させたことを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の浴室床パネル固
    定構造。
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