JP3456367B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3456367B2
JP3456367B2 JP16019897A JP16019897A JP3456367B2 JP 3456367 B2 JP3456367 B2 JP 3456367B2 JP 16019897 A JP16019897 A JP 16019897A JP 16019897 A JP16019897 A JP 16019897A JP 3456367 B2 JP3456367 B2 JP 3456367B2
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ゆかり 小勝
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単数あるいは複数
の画像形成手段によって画像を得る電子写真式複写機,
電子写真式プリンタ,イオノグラフィプリンタ,インク
ジェットプリンタ,ファクシミリ装置等の画像形成装置
に関し、特に、振動抑制効果の高い制振構造体を用いた
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の制振構造体として、例えば、特開
平2ー179738号公報および特開平5ー30567
7号公報に示されるものがある。
【0003】特開平2ー179738号公報に示された
従来の制振構造体は、2枚の金属製の外板の間に多数の
セルを形成し、各セル中に粉体を封入した構成を有す
る。この構成によって、外板と粉体の接触により振動を
摩擦エネルギーとして消耗することで、制振効果を図っ
ている。
【0004】特開平5ー305677号公報に示された
従来の制振構造体は、樹脂バインダーの中に充填剤を分
散させた粒子を相互に接着させた多孔質構造体からな
る。この構成によって、単一材料での制振効果を図って
いる。
【0005】一方、画像形成装置は、画像信号に応じて
変調された光ビームを出射し、この光ビームをポリゴン
モータによって回転させられるポリゴンミラーによって
偏向し、偏向させられた光ビームによって副走査方向に
回転する感光体を主走査方向に走査して感光体上に画像
信号に応じた静電潜像を形成する。感光体上の静電潜像
は、現像によってトナー像にされ、トナー像は転写媒体
上に転写され、転写後に定着されて画像として記録され
る。従って、記録される画像の品質を向上させるために
は、上記ポリゴンモータおよび上記ポリゴンミラーを含
む光ビームスキャナ全体かその一部分の振動やポリゴン
ミラーの振動を抑えて光ビームの露光位置の変動を抑制
することが重要である。
【0006】これを実現しようとした従来の画像形成装
置として、例えば、特開昭63−301074号公報お
よび特開平5−103164号公報に示されるものがあ
る。
【0007】特開昭63−301074号公報に示され
た従来の画像形成装置は、ポリゴンミラー、fθレン
ズ、反射ミラーが取付けられている光ビームスキャナを
レーザプリンタ本体のフレームに防振材を介して固定す
る構成を有する。この構成によって、光ビームスキャナ
以外で発生した振動を光ビームスキャナに伝わりにくく
することで画質の向上を図っている。
【0008】特開平5−103164号公報に示された
従来の画像形成装置は、光ビームスキャナが発生する振
動数と所定の値だけ離れた固有周波数を有する支持部材
に光ビームスキャナを固定した構成を有する。この構成
によって光ビームスキャナを固定する支持部材の共振現
象を抑えて画質の向上を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−1
79738号公報に示された従来の制振構造体による
と、外板と粉体とを接触させることで振動が摩擦エネル
ギーとして消散されるものの、消散されるエネルギーは
小さいため、制振効果は小さい。また、曲げ加工を施す
と、外板とセル間に亀裂や永久変形が発生し易く、外板
を曲げてから屈曲した外板間に沿って多数のセルを形成
するのは困難であり、曲げ加工や成形性等の点において
も十分なものではなかった。
【0010】また、特開平5−305677号公報に示
された従来の制振構造体によると、樹脂バインダーの中
に充填剤を分散させることで界面摩擦により振動エネル
ギーの消散ができるものの、粒子間の接着力不足により
強度の点において構造体として十分なものではなかっ
た。
【0011】また、特開昭63−301074号公報に
示された従来の画像形成装置によると、光ビームスキャ
ナ以外で発生した振動を光ビームスキャナに伝わりにく
くするものの、ポリゴンモータの振動が光ビームの露光
位置、および感光体との相対位置を変動させるために、
画質の向上に限界があった。
【0012】また、特開平5−103164号公報に示
された従来の画像形成装置によると、光ビームスキャナ
を固定する支持部材の共振を抑えるものの、ポリゴンモ
ータ自身の振動が光ビームの露光位置、および感光体と
の相対位置を変動させるため、画質の向上に限界があっ
た。
【0013】従って、本発明の目的は、ポリゴンモータ
等の振動を抑制して画質の向上を図った画像形成装置を
提供することにある。
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】 発明は、上記の目的を
達成するため、回転可能に支持された像担持体と、前記
像担持体を回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によ
って回転する前記像担持体を光走査して前記像担持体の
表面に静電潜像を形成する光走査手段を備え、前記光走
査手段は、画像信号に基づいて変調された光ビームを出
射する光源と、回転軸に取り付けられて回転可能に支持
され、前記光源から出射された前記光ビームを偏向する
ポリゴンミラーと、前記回転軸をベアリングを介して支
持するとともに、相対回転するコイルおよびマグネット
の磁極間を磁気的に接続するステータヨークを有し、前
記ポリゴンミラーを回転駆動して前記ポリゴンミラーで
偏向された前記光ビームによって前記像担持体を走査す
るポリゴンモータと、前記ポリゴンモータを支持する支
持フレームを備え、前記ステータヨークは、複数の空隙
を有する制振構造体から構成されたことを特徴とする画
像形成装置を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る制振構造体を示す。この制振構造体100は、
複数の空隙101aを有する基体(多孔質体)101を
備え、各空隙101a内に制振部材102を充填したも
のである。
【0017】基体101には、ニッケル,クロム等の金
属、金属合金、セラミック、あるいは合成樹脂を用いる
ことができる。本実施の形態では、ニッケルとクロムの
合金を用いた。複数の空隙101aは、互いに連続して
存在する連泡的空隙、互いに独立して存在する単泡的空
隙、あるいは連泡的空隙と単泡的空隙が混在して存在す
る空隙でもよい。本実施の形態では、連泡的空隙とし
た。また、空隙101aの数は1インチあたり10〜4
0個、空隙101aの比表面積は500〜3000m2
/m3 、空隙率は80%から98%、空隙101aの大
きさはおよそ0.2mm〜5mmの範囲とした。
【0018】制振部材102には、合成樹脂、天然樹脂
等の粘弾性材料を用いることができる。本実施の形態で
は、アクリル系1液型の高粘性樹脂(コスモペテロテッ
ク社製:キャットフット)の粘弾性材料を用いた。ま
た、制振部材3に用いる粘弾性材料は、JIS K22
0における針入度が30〜250度を有することが好ま
しい。なお、「針入度」は、25℃の温度下で100g
の荷重の付いた規格の針を試料に落とし、5秒間に貫入
する針の深さ(mm)を10倍した値であり、針入度が
大きいほど試料が柔らかいことを示す。また、粘弾性材
料のせん断接着力は、0.7kg/cm2 以上であるこ
とが好ましい。
【0019】上記のように構成された制振構造体100
の一製造方法を説明する。複数の空隙101aが連泡的
空隙である場合は、複数の空隙101aを有する基体1
01を作製した後、制振部材102を空隙101a内に
注入することで、制振構造体100を作製することがで
きる。また、複数の空隙101aが単泡的空隙である場
合は、基体101と同じ材質からなるカプセル内に制振
部材102を封入したものを複数個製作しておき、これ
らのカプセルを分散させた状態で周囲を基体101で形
成することにより制振構造体100を作製することがで
きる。
【0020】図2は、制振性能の比較結果を示す。試験
片の寸法は25mm×250mm×3mmとし、試験片
の支持方法は一次の曲げ振動における振幅の節に相当す
る箇所を吊り糸による4点支持で行い、インパルスハン
マーによる打撃加振による自由振動の減衰を調査した。
同図において、比較例1は鉄の薄板を用いたものであ
り、比較例2は不飽和ポリエステルの薄板を用いたもの
であり、比較例3は不飽和ポリエステルの薄板の上に厚
比1:1の割合で未加硫のブチルゴムを積層したもので
あり、実験例1は、基体101にニッケルとクロムの合
金の多孔質体を用い、空隙101aに制振部材102を
充填したものであり、実験例2は、基体101にニッケ
ルとクロムの合金の多孔質体を用い、空隙101aに制
振部材102を充填しなかったものである。
【0021】図2から明らかなように、減衰比は、比較
例1では約0.1%、比較例2では約0.9%、比較例
3では約1.2%、実験例1では約3.8%、実験例2
では約1.9%となり、制振性能は実験例1が最も高
く、次いで実験例2が高いことが分かった。
【0022】次に、本発明の第2の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
ニッケルとクロムの合金の多孔質体を用い、制振部材に
未加硫のブチルゴムを用いたものである。未加硫のブチ
ルゴムは、原料となるブチルゴムに粘着付与剤としてテ
ンペル系樹脂、フェノール系樹脂、クロマニンデン樹
脂、あるいは石油系樹脂を添加したものである。この未
加硫のブチルゴムは、従来のブチルゴムに比べて反発弾
性が20%以下に小さくなり、また損失係数も大きくな
り、更に、それ自身で粘着性が高いことから全ての面に
対して良く密着するという特性を有している。そのた
め、ずれによる振動エネルギーの消費効率が大変優れて
いる。粘着性に関しては油粘土,シリコン系ゴムおよび
シリコン系のゲル状樹脂についても同様の特性を有して
いる。この第2の実施の形態について第1の実施の形態
と同様に自由振動の減衰を調査した結果、実験例1とほ
ぼ同等の効果が得られた。
【0023】次に、本発明の第3の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
セラミックの多孔質体を用い、制振部材にアクリル系1
液型の高粘性樹脂を用いたものである。この第3の実施
の形態について第1の実施の形態と同様に自由振動の減
衰を調査した結果、実験例1とほぼ同等の効果が得られ
た。
【0024】次に、本発明の第4の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
セラミックの多孔質体を用い、制振部材に第2の実施の
形態と同様に未加硫のブチルゴムを用いたものである。
この第4の実施の形態について第1の実施の形態と同様
に自由振動の減衰を調査した結果、実験例1とほぼ同等
の効果が得られた。
【0025】次に、本発明の第5の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
アルミの多孔質体を用い、制振部材に一液型RTVゴム
脱オキシタイプのシリコーン接着剤を用いたものであ
る。この第5の実施の形態について、制振部材を充填し
た後室温にて16時間経過後に第1の実施の形態と同様
に自由振動の減衰を調査した結果、実験例1より多少劣
るもののほぼ同等の効果が得られた。
【0026】次に、本発明の第6の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
不飽和ポリエステルの多孔質体を用い、制振部材にアク
リル系水性塗料キャットフットを用いたものである。こ
の第6の実施の形態について第1の実施の形態と同様に
自由振動の減衰を調査した結果、実験例1とほぼ同等の
効果が得られた。
【0027】次に、本発明の第7の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
不飽和ポリエステルの多孔質体を用い、制振部材に第2
の実施の形態と同様に未加硫のブチルゴムを用いたもの
である。この第7の実施の形態について第1の実施の形
態と同様に自由振動の減衰を調査した結果、実験例1よ
り多少劣るもののほぼ同等の効果が得られた。
【0028】次に、本発明の第8の実施の形態に係る制
振構造体について説明する。この制振構造体は、基体に
樹脂の焼結多孔質体(ポリプロピレン)を用い、制振部
材に第2の実施の形態と同様に未加硫のブチルゴムを用
いたものである。この第8の実施の形態について第1の
実施の形態と同様に自由振動の減衰を調査した結果、実
験例1より多少劣るもののほぼ同等の効果が得られた。
【0029】なお、上記第1〜第8の実施の形態に係る
構成を組み合せたものでもよい。この組合せてにおいて
も、良好な減衰効果を示すことが分かった。また、制振
部材には、上記実施の形態の他に、油粘土、シリコン系
ゴム、シリコン系のゲル状樹脂あるいは加硫ゴム等の粘
弾性材料を用いることもできる。シリコン系のゲル状樹
脂は、特に、シーゲル社製の商標名β−GELあるいは
γ−GELが好ましい。
【0030】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る
画像形成装置を適用した電子写真式複写機を示す。この
複写機1は、箱形状の本体1Aを具備し、この本体1A
の上面には、原稿(図示省略)が載置されるプラテンガ
ラス等の透明の原稿載置台2と、原稿載置台2上に載置
された原稿を押さえる原稿押さえカバー3とを設けてい
る。
【0031】また、本体1A内の上部には、原稿載置台
2上に載置された原稿から画像データを読み取る画像読
取部4を配置している。この画像読取部4は、原稿載置
台2上の原稿に光を照射するランプ40、および原稿か
らの反射光を反射する反射ミラー41Aを備え、同図中
Xで示す方向に移動して原稿を光学的に走査する走査部
42と、反射ミラー41Aからの反射光を反射する反射
ミラー41B,41Cと、反射ミラー41Cから入射す
る反射光を集束させるレンズ43と、レンズ43で集光
された反射光を青色光,赤色光および緑色光にそれぞれ
分離する第1のプリズム44A,第2のプリズム44B
および第3のプリズム44Cからなるプリズム群44
と、プリズム群44で分離された青色光,赤色光および
緑色光をそれぞれ受光してR,G,B信号に変換する光
電変換器45R,45G,45Bと、光電変換器45
R,45G,45Bで得られたR,G,B信号をブラッ
ク(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー
(Y)に補色分解してK,C,M,Y各色のデジタルカ
ラー画像データを生成する画像処理部46とを備えてい
る。
【0032】また、本体1A内の中央には、駆動ローラ
5A、従動ローラ5B,5Bに張架され、同図矢印方向
へ循環移動して記録用紙を搬送する無端状の搬送ベルト
6を配置している。この搬送ベルト6の上方には、K,
C,M,Y各色に対応して設けられた感光体7(7K,
7C,7M,7Y)と、対応するカラー画像データに基
づいて各感光体7上に静電潜像を形成する光ビームスキ
ャナ8(8K,8C,8M,8Y)と、各感光体7に形
成された静電潜像を対応するカラー(K,C,M,Y)
のトナーで現像する現像器9(9K,9C,9M,9
Y)とが配設されている。
【0033】また、本体1A内の下部には、各種の記録
用紙を収容する箱形状の第1および第2の給紙カセット
10A,10Bを設け、本体1Aの右側中央に手差しト
レイ11を設け、本体1Aの左側中央に排紙トレイ12
を設け、第1および第2の給紙カセット10A,10B
と排紙トレイ12との間に搬送ベルト6の下流側を経由
する記録用紙の搬送路13を形成している。各給紙カセ
ット10A,10Bには、給紙カセット10A,10B
から記録用紙を一枚ずつ給紙する給紙ローラ14A,1
4Bを設けている。搬送路13の下流側には、記録用紙
に転写されたトナー像を定着する定着ローラ15a,1
5bを有する定着部15を設けている。各光ビームスキ
ャナ8は、支持フレーム80に支持されており、後述す
る半導体レーザ,ポリゴンミラー,平面ミラー等が設け
られている。
【0034】図4は、光ビームスキャナ8を示す。光ビ
ームスキャナ8は、画像データに基づいて強度変調され
た光ビーム(レーザビーム)を出射する半導体レーザ8
1と、光ビームをコリメート光に整形するコリメータレ
ンズ82と、光ビームを所定の位置で副走査方向に集光
するシリンドリカルレンズ83と、シリンドリカルレン
ズ83を透過した光ビームを反射する平面ミラー84
と、ポリゴンモータ85の駆動によって回転して光ビー
ムを偏向するミラー面86aを有したポリゴンミラー8
6と、所定の主走査線上で走査速度が一定になるように
光ビームを補正するfθレンズ87A,87Bと、光ビ
ームを前述した所定の主走査線上へ反射し、かつ、シリ
ンドリカルレンズ83とともにポリゴンミラー86のミ
ラー面86aの倒れを補正するシリンドリカルミラー8
8とを有する。
【0035】図5は、支持フレーム80の全体構造を示
す。支持フレーム80は、図1に示した制振構造体10
0と同様の構成、すなわち、複数の空隙を有した基体か
らなり、各空隙に制振部材を充填した構成となってお
り、光ビームの通過孔89aを備えたベース89に取り
付けられている。
【0036】図6は、ポリゴンモータ85を示す。ポリ
ゴンモータ85は、支持フレーム80に固定されたフラ
ンジ状のステータヨーク850と、ステータヨーク85
0の円筒部850aでベアリング851A,851Bを
介して支持される回転軸852と、ステータヨーク85
0の円筒部850aに一体的に形成され、コイル853
が巻装されたステータ854と、回転軸852の下端に
圧入されるロータヨーク855と、ロータヨーク855
の周辺部に固定されたマグネット856より構成され
る。ポリゴンミラー86は、回転軸852の上部に圧入
されたロータハブ85Aによって所定の位置に位置決め
される。
【0037】次に、本複写機1の動作を説明する。走査
部42が原稿載置台2上に載置された原稿を光学的に走
査すると、光電変換器45R,45G,45BでR,
G,B信号が得られ、画像処理部46にてK,C,M,
Yの各色に補色分解され、画像データとして各色毎にメ
モリ(図示せず)にストアされる。光検出器(図示せ
ず)から走査開始信号(SOS)が出力されると、各色
毎にメモリから読み出された画像データに応じて変調さ
れた光ビームが半導体レーザ81より出射され、コリメ
ータレンズ82、シリンドリカルレンズ83、平面ミラ
ー84を経てポリゴンモータ85の駆動によって回転さ
せられるポリゴンミラー86で偏向され、fθレンズ8
7A,87B、シリンドリカルミラー88を経て、図示
しない帯電器によって帯電された感光体7上に照射され
る。各色毎の感光体7には、静電潜像の現像器9による
現像によって各色毎のトナー像が形成され、給紙カセッ
ト10A,10Bから給紙されて搬送ベルト6上を搬送
される記録用紙に順次転写され、定着器15で定着処理
を受け、定着された画像を有する記録用紙は排紙トレイ
12へ排紙される。
【0038】ポリゴンモータ85によって生じる振動
は、ステータヨーク850を支持する支持フレーム80
の多孔質構造によって吸収されるとともに、その空隙1
01aに充填されている制振部材102にも吸収され
る。すなわち、制振部材102は、振動エネルギーを主
として分子間摩擦に基づく熱エネルギーに変換して放散
する。
【0039】図7(a) ,(b) は記録用紙に記録された画
像の濃度むらを示し、(a) は制振構造体を有しない場
合、(b) は支持フレーム80を制振構造体にした場合を
それぞれ示している。(a) と(b) の比較から明らかなよ
うに、(a) では加振周波数である160〜170Hz近
傍に大きな変動(濃度むら約1.7%)が現れている
が、(b) では0.3%以上の濃度むらは現れていない。
すなわち、制振構造体の支持フレーム80が、ポリゴン
モータ85によって発生した振動を吸収し、支持フレー
ム80に支持されているミラー84,86,88および
レンズ82,83,87A,87B等の光学部品への伝
達を抑制していることになる。従って、第1の実施の形
態に係る複写機1によれば、ポリゴンモータ85の回転
に基づいて発生した振動が、支持フレーム80の多孔質
構造およびその空隙部101aに充填されている制振部
材102に吸収されるので、感光体7上に照射される各
色毎の光ビームはポリゴンモータ85の振動の影響を受
けないで感光体7の所定の位置を露光することができ、
高画質の画像が得られる。
【0040】次に、本発明の第2の実施の形態に係る画
像形成装置を適用した電子写真式複写機について説明す
る。この複写機は、第1の実施の形態に係る複写機1に
おいて、支持フレーム80を通常の金属から構成し、ス
テータヨーク850を図1に示した制振構造体100と
同様の構成、すなわち、複数の空隙を有した基体からな
り、各空隙に制振部材を充填した構成としたものであ
り、他は第1の実施の形態に係る複写機1と同様に構成
されている。
【0041】図8は、ステータヨーク850を制振構造
体にした場合の記録用紙に記録された画像の濃度むらを
示す。ステータヨーク850を制振構造体にした場合
は、加振周波数である160〜170Hz近傍には大き
な変動は起きておらず、0.3%以上の濃度むらは現れ
ていない。すなわち、制振構造体のステータヨーク85
0がポリゴンモータ85の回転に基づいて発生した振動
を吸収し、支持フレーム80への伝達を抑制しているこ
とになる。従って、第2の実施の形態に係る複写機によ
れば、ポリゴンモータ85で発生した振動が、コイル8
53及びマグネット856の磁極間を磁気的に接続する
ステータヨーク850の多孔質構造およびその空隙10
1aに充填されている制振部材102に吸収されるの
で、感光体7上に照射される各色毎の光ビームはポリゴ
ンモータ85の振動の影響を受けないで感光体7の所定
の位置を露光し、高画質の画像が得られる。
【0042】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず、種々な実施の形態が可能である。例えば、上記実
施の形態では、支持フレーム80およびステータヨーク
850の一方を制振構造体で構成したが、両方を制振構
造体で構成してもよい。また、感光体7の駆動系や搬送
ベルト6の駆動系等の他の振動発生源の構造体、あるい
は振動発生源を支持する構造体に制振構造体を用いても
よい。また、複数の空隙を有する基体からなり、各空隙
に制振部材を充填しない制振構造体を画像形成装置にお
ける振動発生源の構造体、あるいは振動発生源を支持す
る構造体に用いてもよい。
【0043】
【0044】
【発明の効果】 以上説明した通り、 本発明の画像形成装
置によると、ポリゴンミラーの回転に伴って発生した振
動が、ポリゴンミラーが取り付けられた回転軸をベアリ
ングを介して支持する制振構造体のステータスヨーク
吸収されるので、像担持体に対する光走査が正確とな
り、高画質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制振構造体の
斜視図である。
【図2】制振性能を比較結果を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置
を適用した電子写真式複写機の概略構成図である。
【図4】本発明に係る光ビームスキャナの斜視図であ
る。
【図5】本発明に係る光ビームスキャナの断面図であ
る。
【図6】本発明に係るポリゴンモータの断面図である。
【図7】(a) は支持フレームに制振構造体を用いない場
合の画像の濃度むらを示し、(b) は支持フレームに制振
構造体を用いた場合の画像の濃度むらを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置
を適用した電子写真式複写機で記録した画像の濃度むら
を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真式複写機 1A 本体 2 原稿載置台 3 原稿押さえカバー 4 画像読取部 5A 駆動ローラ 5B 従動ローラ 6 搬送ベルト 7K,7C,7M,7Y 感光体 8K,8C,8M,8Y 光ビームスキャナ 9K,9C,9M,9Y 現像器 10A 第1の給紙カセット 10B 第2の給紙カセット 11 手差しトレイ 12 排紙トレイ 13 搬送路 14A,14B 給紙ローラ 15a,15b 定着ローラ 15 定着器 40 ランプ 41A〜41C 反射ミラー 42 走査部 43 レンズ 44 プリズム群 44A 第1のプリズム 44B 第2のプリズム 44C 第3のプリズム 45R,45G,45B 光電変換器 46 画像処理部 80 支持フレーム 81 半導体レーザ 82 コリメータレンズ 83 シリンドリカルレンズ 84 平面ミラー 85 ポリゴンモータ 86 ポリゴンミラー 86a ミラー面 86A ロータハブ 87A,87B fθレンズ 88 シリンドリカルミラー 89 ベース 89a 通過孔 100 制振構造体 101 基体 101a 空隙 102 制振部材 850 ステータヨーク 850a ステータヨークの円筒部 93A,93B ベアリング 852 回転軸 853 コイル 854 ステータ 855 ロータヨーク 856 マグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−209691(JP,A) 特開 平8−109947(JP,A) 特開 平1−195412(JP,A) 特開 平3−9318(JP,A) 特開 平8−68959(JP,A) 特開 平8−275455(JP,A) 特開 平9−37512(JP,A) 特開 昭62−184429(JP,A) 特開 平5−100177(JP,A) 実開 平3−126631(JP,U) 実開 昭63−135037(JP,U) 実開 昭62−172044(JP,U) 実開 平2−103778(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/04 F16F 15/02 G02B 26/10 102 G03G 15/00 550

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能に支持された像担持体と、 前記像担持体を回転駆動する駆動手段と、 前記駆動手段によって回転する前記像担持体を光走査し
    て前記像担持体の表面に静電潜像を形成する光走査手段
    を備え、 前記光走査手段は、画像信号に基づいて変調された光ビ
    ームを出射する光源と、回転軸に取り付けられて回転可
    能に支持され、前記光源から出射された前記光ビームを
    偏向するポリゴンミラーと、前記回転軸をベアリングを
    介して支持するとともに、相対回転するコイルおよびマ
    グネットの磁極間を磁気的に接続するステータヨークを
    有し、前記ポリゴンミラーを回転駆動して前記ポリゴン
    ミラーで偏向された前記光ビームによって前記像担持体
    を走査するポリゴンモータと、前記ポリゴンモータを支
    持する支持フレームを備え 記ステータヨークは、複数の空隙を有する制振構造体
    から構成されたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】記支持フレームは、複数の空隙を有す
    振構造体から構成された請求項記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】前記制振構造体は、金属、金属合金、セラ
    ミックあるいは合成樹脂から構成された請求項記載の
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記複数の空隙は、互いに連続して存在す
    る連泡的空隙、互いに独立して存在する単泡的空隙、あ
    るいは前記連泡的空隙と前記単泡的空隙が混在して存在
    する空隙である構成の請求項記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】前記複数の空隙は、複数の制振部材が充填
    された構成の請求項記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】前記制振部材は、合成樹脂、天然樹脂、シ
    リコン系ゴム、シリコン系のゲル状樹脂、未加硫ゴムあ
    るいは加硫ゴム等の粘弾性材料から構成された請求項
    記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】前記粘弾性材料は、針入度30〜250度
    を有する構成の請求項記載の画像形成装置。
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