JP2501487B2 - 管状体の防振構造の製造方法 - Google Patents

管状体の防振構造の製造方法

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JP2501487B2
JP2501487B2 JP2407225A JP40722590A JP2501487B2 JP 2501487 B2 JP2501487 B2 JP 2501487B2 JP 2407225 A JP2407225 A JP 2407225A JP 40722590 A JP40722590 A JP 40722590A JP 2501487 B2 JP2501487 B2 JP 2501487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管状体の振動防止構造
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機械の商品性能向上により、騒音
問題が社会問題としてクローズアップされてきている。
特に、労働者確保のため、作業環境において騒音防止が
必要であるが、これは従来あまり重視されなかった分野
であるだけに、その要求は益々大きくなっている。騒音
は物体の振動により生じるものであるから、振動系の構
造部材の共鳴、共振現象を排除でき、振動吸収性能に優
れ、振動低減効果の大きい構造部材を使用することが、
最も効率的な騒音の低減方法と考えられる。そこで、従
来から、機械、構造物の支柱や動力伝達等の軸として
は、軽量化を計る目的で、重量が少ない割には高い剛性
が得られる点から、しばしば管状体が使用されている。
【0003】しかし、機械、構造物の支柱や軸は、その
機械等が振動する場合に振動を受けて共振を起こし、そ
の結果、振動を増幅したり、騒音を発生しやすい等の欠
点があり、近年益々深刻化した騒音問題に対して配慮が
必要となっている。しかし、これらの支柱や軸は、機構
上機械等と強固に結合されている場合が多く、支柱や軸
に振動を伝達させないようにゴム等の振動絶縁物を介し
て機械等と結合する事が機構上不可能な場合が多い。一
方、防振効果のある金属管状体を得る目的で、金属内管
と金属外管の間にガラス繊維等のインサート材を挟んだ
三層管が、例えば特開昭51−52515 号公報等により公知
であるが、振動減衰効果を発揮しない。
【0004】また、一般に構造部材で振動を防止するに
は、(1)重量増または剛性強化、(2)共振の回避、
(3)振動の減衰の三つの原則しかないが、管の場合に
は、使用板厚を厚くしても、又は中実の棒を使用して
も、重量増による共振周波数変化があるもののほとんど
振動減衰の効果がなく、従来はもっぱら共振の回避が採
用されて来た。これは、支柱等に使用される管状体の共
振周波数を、特定箇所に重量を取付けた局部重量増で振
動源の周波数と異なった点にずらせる事で共振による振
動増幅を回避する手段であるが、振動源の周波数が狭い
周波数スペクトルには効果があっても、広い周波数スペ
クトルの場合には効果がなくなるとか、共振点を可聴音
域外にずらせる事は不可能な事もあり、すべての機械等
で実用的な効果が得られるものではない。
【0005】一方、振動の減衰を目的として、構造部材
自身に振動エネルギー吸収性能を持たせる手段として、
鋼板の場合には多くの手段が公知である。例えば、特公
昭39−12451 号公報或いは特公昭45−34703 号公報など
に見られるように、2枚の鋼板間に力学的損失率の高い
粘弾性樹脂を挟んだ、いわゆるサンドイッチ形の制振鋼
板が、極めて高い振動吸収性能を有することは広く知ら
れている。しかし、このようなサンドイッチ形の構造を
管状体に適用して二重管構造とし、管状体の間に粘弾性
物質を挟みこんだ構造の制振管では、鋼板の場合と異な
り、高い振動吸収性能が得られない。そこで、本発明者
等は特公昭63−9978で提案したが、重量増が問題になら
ない部位への適用では充分な効果が得られるものの、重
量増を極力小さくしたい部位へと適用(例えばモーター
等の動力による回転体や機械自体が常時移動するもの
等)すると、わざわざモーター能力を大ききする必要が
生じたり、運転上要する消費コストの増加につながり、
騒音防止効果はあるものの適用は困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、効果
的に種々の機械部品等の振動を吸収できるような軽量
の、管状体の振動防止構造の製造方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、管状体の防振
構造を製造するのに際して、非加硫ゴム系の粘弾性体、
ブロックポリマー系の粘弾性体、ノルボーネン樹脂系の
粘弾性体および液状ゴムをメインポリマーとした粘弾性
体からなる群より選ばれた粘弾性体に発泡剤が均一に分
散されている粘弾性体からなる成形体であって、JIS
−K−2530に規定する方法で測定して40〜300 の針入度
を有し、かつ80℃〜200 ℃の温度範囲で加熱処理を行っ
た際の体積増加率がこの加熱処理前の粘弾性体の体積に
対して20%〜150 %である成形体を得、この成形体を管
状体の内側空間に配置し、成形体を80℃〜200 ℃の温度
範囲で加熱処理することによって、粘弾性体を発泡させ
て振動吸収体に変化させ、この発泡の過程で振動吸収体
を管状体の内壁面に圧着させ、かつ振動吸収体の体積膨
張が管状体の内壁面との圧着によって抑制されているこ
とを特徴とする、管状体の防振方法に係るものである。
【0008】
【実施例】図1は、幅方向断面が円形の管状体2Aの内
側空間に振動吸収体1Aを設けた防振構造を示す正面図
である。即ち、粘弾性体に熱膨脹剤を均一に分散し、次
いでいったい成形することによって、所定形状、例えば
円柱形状をした、熱膨脹性粘弾性体からなる成形体を製
造する。この成形体を管状体2Aの内側空間に挿入し、
配置する。そして、80℃〜200 ℃の温度範囲で成形体を
加熱処理し、熱膨脹性粘弾性体を膨脹させて振動吸収体
1Aに変化させると共に、この振動吸収体1Aを管状体
2Aの内側壁面8に密着させる。円柱状の熱膨脹性粘弾
性体の成形体を管状体2Aの内側空間に配置するには、
この円柱状の成形体の幅方向の直径が管状体2Aの内側
空間の直径よりも小さくなるように熱膨脹性粘弾性体を
成形するか、またはこの成形体を予め引き伸ばして内側
空間に充填し易くしてから、充填する。
【0009】こうした構成により、管状体2A自体の振
動エネルギーを振動吸収体1Aに吸収して熱エネルギー
に変換し、管状体2Aの振動速度や振動振幅を減衰させ
て音響放射を大幅に低減することができることが解っ
た。
【0010】しかも、本発明者の研究により、管状体2
Aの内側空間に充填すべき成形体を構成する熱膨脹性粘
弾性体は、以下の条件を具備している必要のあることが
明らかとなった。
【0011】即ち、こうした熱膨脹性粘弾性体として
は、充填作業が容易でありながら、熱膨脹性粘弾性体の
復元性及び熱膨脹性により管体内壁と密着し、かつ力学
的損失率が大である粘弾性体であることが要望される。
ここで力学的損失率ηとは、減衰振動における対数減衰
率δからη=δ/πで定義される値であり、力学的損失
率ηが大きければ振動減衰が早いか、共振曲線の山が緩
くなり、η=2では原理的に振動しなくなるはずのもの
である。なお、一般には、力学的損失率ηが0.05以上の
ものを、振動吸収性能の優れた制振材料と呼称してい
る。
【0012】そして、こうした振動吸収性能は、針入度
により決定される事も判った。即ち、針入度が40〜300
の間にある事が必要条件である。針入度が40以下の場合
は、充分な振動減衰性が得られない。逆に針入度が300
以上の場合は、熱膨脹後の収縮が大きくなりすぎ、供用
温度によっては流出したり、局部的に円周方向への密着
性が不充分な部分が出来やすいという危険性が生じるの
で、好ましくない。
【0013】以上、図1を主として参照しつつ説明した
が、管状体の幅方向断面形状は円形に限定されるもので
はなく、例えば、図2に示す断面三角形の管状体2B、
図3に示す断面四辺形の管状体2C、図4に示す断面楕
円形の管状体2Dにも本発明の防振方法を適用できる。
なお、図2〜図4において、1B、1C、1Dはいずれ
も、熱膨脹性粘弾性体を加熱処理して得た振動吸収体を
示す。また、管状体の材質としては、熱膨脹性粘弾性体
との間で接着性があればよく、例えば金属、プラスチッ
ク、セラミックス等であってよい。
【0014】本発明に使用できる粘弾性体は、粘弾性体
と発砲剤とを混合、分散したものである。
【0015】本発明に用いられる熱膨脹性粘弾性体は、
次の4つに分類することができる。即ち、(1)非加硫
ゴム系、(2)ノルボーネン樹脂系、(3)ブロックポ
リマー系、(4)架橋粘弾性体系である。これらの熱膨
脹性粘弾性体を供用する時は、振動減衰効果が高いこ
と、長期に亘り変質しないこと、管状体内壁に密着して
いること及び上記の条件を満たして出来るだけ軽量であ
ることとが求められ、通常の粘弾性体と異なり、比較的
大きな伸縮変位量に対する追従性や耐酸化劣化性や耐候
性等多くの耐久性が求められるものではない。従って上
記の様な幅広い組成物の対応が可能となる。特に、架橋
粘弾性体を形成し、管状体に充填された後に加熱により
熱膨脹し、管内壁に密着するものが好適である。
【0016】(1)の非加硫ゴム系とは、ブチルゴム、
ブチル再生ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリイソブチ
レン、イソプレン、クロロプレン、エチレンプロピレン
多元共重合体、ブタジエン、スチレンブタジエン共重合
体、アクリロニトリル共重合体、天然ゴム、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムを単独若しくは併
用し、熱膨脹剤、可塑剤、充填剤、粘着付与樹脂、老化
防止剤、難燃剤等を適宜配合して作られるものである。
この時のポリマー選定には、成型加工上及び復元性の点
でグリーンストレングスを考慮する必要がある。
【0017】(2)ノルボーネン樹脂系とは、ノルボー
ネン樹脂の吸油性と吸油後に粘弾性体を形成するという
性質を利用したもので、ノルボーネン樹脂と可塑剤と充
填剤、熱膨脹剤、老化防止剤、粘着付与樹脂等を配合し
て作られるものである。
【0018】(3)ブロックポリマー系とは、SIS,
SBS,SEBS,熱可塑性ウレタン等のソフトセグメ
ントとハードセグメントを1分子中に有するポリマーを
メインポリマーとし、可塑剤、充填剤、熱膨脹剤、粘着
付与樹脂、老化防止剤等を適宜配合して作られるもので
あるが、復元性の度合等から、ポリイソブチレン系ポリ
マーやEVAその他のポリマー、瀝青物等を混合して調
整する事もできる。
【0019】(4)架橋粘弾性系は、ポリサルファイ
ド、ウレタン、液状ポリブタジエン、シリコン、変性シ
リコン等の液状ゴムをメインポリマーとし、発砲剤を混
入したタイプのものである。必要に応じて可塑剤、充填
剤、瀝青物、粘着付与樹脂、難燃剤、老化防止剤を架橋
剤と組合せて架橋成型したものである。液状ゴムと架橋
剤の組合せ例は表Iに示した。
【0020】
【表1】
【0021】次に上記の配合剤として挙げたものを説明
する。発泡剤は、本発明の重要なポイントとなるもので
ある。その具体例として、炭酸水素ナトリウム、N,
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、リン酸ア
ンモニウム、リン酸メラミン、リン酸グアニジン、硫酸
アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、硼酸ナト
リウム、タングステン酸ナトリウム、ポリリン酸アンモ
ニウム、トリファニルフォスファイト、アゾジカルボン
アミド、ベンゼンスルホンヒドラジド、ニトロソスルホ
ンアミド、ベンズアジド、アミノグアニル尿素、珪酸ナ
トリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、重炭酸ナトリ
ウム、水酸化マグネシウム、硝酸ナトリウム、尿素、ゼ
オライト、熱膨脹性黒鉛、ヒル石、コルク粉末、ステア
リン酸、芳香族カルボン酸、芳香族短鎖ジオール、ポリ
オール、ブロックイソシアネート等を挙げる事が出来
る。
【0022】次に可塑剤について説明する。本発明で言
う可塑剤とは、ポリマー間の潤滑剤的役割を演じ、分子
間の流動性を助け、分子間内部摩擦を減少させて可塑性
を与える物である。その具体例としては、ナフテン系オ
イル、芳香族系オイル、パラフィン系オイルより成る石
油系軟化剤、ヒマシ油、大豆油、パインタール等の動植
物油、DBP、DOP等から成るフタル酸エステル系、
DOA、DBS等から成る脂肪族二塩基酸エステル系、
TOTM、TDTM等より成るトリメリット酸エステル
系、エポキシ化脂肪酸モノエステル、エポキシ化亜麻仁
油等から成るエポキシ系、TCP、TOP等より成るリ
ン酸エステル系、ジブチルカルビトールアジペート、ト
リエチレングリコールジ−2−エチルブチレート等より
成るエーテル系、アジピン酸ポリエステル、アゼライン
酸ポリエステル等より成るポリエステル系、塩素化脂肪
酸エステル、塩素化パラフィン等より成る塩素系などの
可塑剤やポリブテンや末端反応基を含まない液状ゴムを
可塑剤として、単独又は併用で使用できる。
【0023】次に充填剤としては、振動減衰性、比重、
軽量化、熱伝導性、難燃性の改善に効果があり、ゴム及
び塗料関連業界で一般に使用されるものが使用できる。
その具体例としては、マイカ、グラファイト、ヒル石、
タルク、クレー等の鱗片状無機粉末、フェライト、亜鉛
華、酸化鉄、金属粉、硫酸バリウム、リトポン等の高比
重及び熱伝導性充填剤、炭酸カルシウム、微粉シリカ、
カーボン、炭酸マグネシウム等の汎用充填剤、三酸化ア
ンチモン、硼砂、水酸化アルミニウム等の難燃性向上充
填剤、ガラス中空粉末、パーライト、樹脂発泡体粉末、
ゴム発泡体粉末、樹脂粉末、ゴム粉末、繊維粉末、紙粉
末等の軽量化充填剤を加える事により目的を達する事も
出来る。
【0024】次に粘着付与樹脂としては、管状体内壁へ
の密着効果と振動減衰性向上効果があり、その具体例と
しては天然樹脂、ロジン、変性ロジン、ロジン及び変性
ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性
体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹
脂、芳香族系石油樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェ
ノール−アセチレン系樹脂、キシレン樹脂、クマロン−
インデン樹脂、ビニルトルエン−αメチルスチレン共重
合体等を単独又は併用して用いる事が出来る。
【0025】次に瀝青物は、管状体内面密着効果と振動
減衰性向上効果があり、その具体例としてはストレート
アスファルト、ブロンアスファルト、タール、ピッチが
挙げられる。その他の配合剤としては防錆剤、老化防止
剤、加硫剤、触媒、界面活性剤等が挙げられ、必要に応
じて添加する事が出来る。
【0026】次に成型された熱膨脹性粘弾性体の表面に
配設できる密着助剤について説明する。密着助剤とは、
熱膨脹性粘弾性体のブロッキング防止と熱膨脹時に一層
密着性を与える意味と管体への充填作業の向上の意味で
有利なものであるが、必ずしも使う必要はない。密着助
剤の具体例を挙げると、粘着付与樹脂の粉砕品、融点の
比較的低い樹脂粉末を単独若しくは併用でき、タルク等
の鱗片状充填剤と併用し管状体内面とのすべり効果によ
り一層充填しやすくして用いる事も出来る。また、熱融
着フィルムでソーセージ状に又はノリ巻状に巻き付けて
も同様の効果が得られ、熱融着性と熱収縮性の両方を兼
ね備えたフィルム若しくはネット状物の場合は一層密着
効果が得られる。
【0027】以下、さらに具体的な実施例について説明
する。 実施例、比較例の試料 管状体は、実施例1〜5、比較例1〜4において同一と
し、外径32mmφ、板厚2mm、長さ780mm の鉄パイプを使
用した。実施例1の試料では、後述の配合物を加圧ニー
ダーにて混練し、発泡剤を可塑剤の一部に分散させ、最
後に添加混合した。次に押出機にて26mmφに押し出し、
タルクとテルペンフェノール粘着付与樹脂粉末の混合槽
を通し、390mm に切断し、冷却することによって、熱膨
張性粘弾性体からなる成形体を得た。実施例2の試料で
は、ノルボーネン樹脂粉末、加硫剤、熱膨脹剤をアロマ
チックオイル中に均一に分散させた後、充填剤を撹拌さ
せながら加えて、均一になった所で390mm ×26mmφの金
型に注入し、室温に一昼夜放置した後取り出し、注型し
2週間室温に静置することによって、熱膨張性粘弾性体
からなる成形体を得た。実施例3の試料では、加圧ニー
ダーにてポリマー、ストレートアスファルト、タルクを
混練し、可塑剤と熱膨脹性黒鉛を混練した。次に押出機
にて26mmφ径で成形し、390mm 長さに切断し、室温で2
週間静置することによって、熱膨張性粘弾性体からなる
成形体を得た。実施例4の試料では、配合剤に含まれる
物のうち架橋剤以外を撹拌後、インクロールを通し、そ
の配合物と架橋剤とを混合し、金型に注型し、脱型し、
室温で2週間静置することによって、熱膨張性粘弾性体
からなる成形体を得た。実施例5の試料では、可塑剤の
一部に熱膨脹剤を添加混合し、インクロールを通す直前
で添加混合し、インクロール後の配合剤を作製し、架橋
剤と混合し、金型に注型し、室温で2週間静置すること
によって、熱膨張性粘弾性体からなる成形体を得た。な
お、比較例1では、実施例で使用した管状体単体で供試
した。
【0028】供試体の加熱処理 室温で2週間経過した後の各成形体を、充填しやすくす
る為に引き伸ばした後に、各成形体を、図5に示すよう
に管状体の内側空間の中央に充填し、150 ℃でl5分の加
熱処理を行い、室温で冷却した。
【0029】 試験方法 (1)、振動減衰性能 FFT振動解析装置で図6に示した2本吊り法により振
動伝達特性を測定し、一次及び二次共振周波数及びイナ
ータンス(A/F)と力学的損失率(η)を測定した。
ただし、図6において、3はピックアップ、4は加振
点、5はインパルスハンマー、6は吊り糸、7は支持体
を示す。 (2)、針入度 上記において、室温で2週間静置した後の各熱膨脹性粘
弾性体につき、JIS−K−2530に基づいて針入度を測
定した。 (3)、体積変化率 メスシリンダー中に強制的に沈め、水置換法により加熱
前後の体積変化を測定した。ただし、このときの加熱温
度は80℃、150 ℃、200 ℃の3種類とした。 (4)、密着性 JIS−A−5758の引張試験に準じて試料をセットし、
加熱処理を150 ℃で15分行い、室温で冷却した後、引張
試験を行い、熱膨脹性粘弾性体が凝集破壊をするか又は
1kgf/cm2 以上の接着応力を有するかを測定した。 (5)、復元性 成型された熱膨脹性粘弾性体試料に50%の引張応力を与
え、元の長さ(100%) に対し、90〜120 %に復元した時
間を測定し、30秒以上かかるものを○、それ以外を×と
した。 (6)、80℃での流動性及び体積減少性 外径32mmφ、板厚2mm: 長さ100mm の鉄パイプの中央
に、26mmφ×50mmの成型した試料を入れ、150 ℃で15分
加熱処理した後、室温に冷却し、水置換法にて熱膨脹後
の振動吸収体の体積を求めた。次に80℃で24時間加熱
し、流出の有無をチェックし、流出の認められるものは
×、認められないものは再度、水置換法により体積減少
率をチェックした。減少率が60%以内のものは○、それ
以外のものは×で表示した。
【0030】実施例、比較例の配合 実施例1 配合剤 配合重量 ブチル再生ゴム(注1) 100 テルペン樹脂(注2) 30 可塑剤(注3) 60 充填剤 炭酸カルシウム 50 〃 タルク 20熱膨脹剤(注4) 3 合計 263 注1 早川ゴム社製 ML1+4 (100℃)30 タイプ
ブチル再生ゴム 注2 安原ケミカル社製 YSレジンA#800 注3 出光興産社製 ダイアナプロセスオイルA
H−16 注4 永和化成社製 セルラーD
【0031】実施例2 配合剤 配合重量 ノルボーネン樹脂(注1) 100 可塑剤(注2) 400 充填剤(注3) 200 熱膨脹剤A(注4) 3 〃 B(注5) 3加硫剤 イオウ 1 合計 707 注1 日本ゼオン社製 ノーソレックス 注2 出光興産社製 ダイアナプロセスオイル 注3 旭硝子社製 Qセル 注4 永和化成社製 セルラーL80 注5 永和化成社製 セルペーストK−4
【0032】実施例3 配合剤 配合重量 SIS(注1) 80 可塑剤(注2) 60 ブチル再生ゴム(注3) 20 充填剤 タルク 30 熱膨脹性黒鉛 50ストレートアスファルト60/80 40 合計 280 注1 シェル化学社製 カリフレックスTR1107 注2 出光興産社製 ダイアナプロセスオイルKL
−1 注3 早川ゴム社製 ML1+4 (100℃)30 タイプ
ブチル再生ゴム
【0033】実施例4 配合剤 配合重量 液状ゴム(注1) 100 可塑剤(注2) 100 ストレートアスファルト60/80 500 短鎖ジオール(注3) 10 ブロックイソシアネート(注4) 3架橋剤(注5) 17 合計 730 注1 出光石油化学社製 Poly Bd R-45HT 注2 出光興産社製 ダイアナプロセスオイ
ルAH−16 注3 三菱アップジョン社製 アイソノールC−100 注4 Huels (ヒュルス)社製 Blocked IPDI Adduct
B989 注5 日本ポリウレタン社製 ミリオネートMTL
【0034】実施例5 配合剤 配合重量 液状ゴム(注1) 100 ストレートアスファルト60/80 200 可塑剤:ジオクチルフタレート 150 熱膨脹剤A(注2) 5 〃 B(注3) 5 粘着付与樹脂(注4) 20架橋剤(注5) 11 合計 491 注1 出光石油化学社製 Poly Bd R-45HT 注2 永和化成社製 セルラーL80 注3 永和化成社製 セルペーストK−4 注4 安原ケミカル社製 YSレジンA#800 注5 日本ポリウレタン社製 ミリオネートMTL
【0035】比較例1 鋼管単体 比較例2では300 %発泡ウレタンを充填した。 比較例3 配合剤 配合重量 ポリイソブチレン(注1) 60 ブチレンゴム(注2) 40 テルペン樹脂(注3) 30 可塑剤(注4) 50 炭酸カルシウム 100熱膨脹剤(注5) 1 合計 281 注1 日本合成ゴム社製 ビスタネックスMML−
100 注2 日本ブチル社製 11R#268 注3 安原ケミカル社製 YSレジンPx#1150 注4 日本石油社製 ポリブテン 注5 永和化成社製 セルラーD
【0036】比較例4 配合剤 配合重量 液状ゴム(注1) 100 ストレートアスファルト60/80 100 ジオクチルフタレート 100 〃 B(注2) 80 熱膨脹剤(注3) 5硬化剤:アミノエチルピペラジン 16 合計 401 注1 電気化学工業社製 デンカLCR X−050 注2 出光興産社製 ダイアナプロセスオイルA
H−16 注3 永和化成社製 セルラーD
【0037】
【表II】
【0038】
【表III】
【0039】表IIの実施例、比較例より効果を説明す
る。実施例1は熱膨脹性粘弾性体が非加硫ゴム系である
例を示し、針入度も150 と非常に軟らかい組成物であ
る。振動減衰効果も一次共振点、二次共振点で各々低減
効果が1/10,1/24の振動に抑えられ、ηも0.05以上を示
しており、効果が大きい事を示している。実施例2は熱
膨脹性粘弾性体がノルボーネン樹脂系の場合を示してい
る。針入度が285 であり、振動低減効果も一次共振点、
二次共振点が各々1/9,1/56 と大きく、ηも0.05以上を
示し、振動減衰効果が高い事を示している。実施例3は
熱膨脹性粘弾性体がブロックポリマー系の場合を示し、
針入度は45であり、振動低減効果も一次共振点、二次共
振点が各々1/5,1/51 大きく、ηも0.05以上を示し、振
動減衰効果が高い事を示している。実施例4は架橋粘弾
性系のうち、熱膨脹剤として発泡剤兼架橋剤としての効
果があるブロックイソシアネートを使用した例である。
針入度は75であり、振動低減効果も1/25,1/72と非常に
大きく、そのηも0.05以上を示し、振動減衰効果が大き
い事を示している。実施例5は熱膨脹性粘弾性体が、液
状ゴムをメインポリマーとした架橋粘弾性体である場合
を示したものであり、針入度は140 であり、振動低減効
果も一次効果も一次共振点、二次共振点共に1/54の大き
さを示し、ηも0.05を大幅に越えており、非常に振動減
衰効果が高い事を示している。
【0040】比較例1はパイプ単体を示している。比較
例2は予め発泡体となったウレタン発泡体を充填した場
合である。一次共振点と二次共振点のηが各々0.008 ;
0.01であり、ほとんど振動減衰効果は得られない。比較
例3は針入度、体積変化率が本発明の請求の範囲より外
れた場合を示した。一次共振点と二次共振点のηが0.0
2,0.04と低く、振動減衰効果が不足している。比較例
4は針入度、体積変化率が本発明の請求の範囲より外れ
た場合を示している。80℃での流動性及び体積減少性も
悪く、供用時に流動し、長期安定性に問題がある。これ
は長期間で熱膨脹した粘弾性体が収縮を起こし、振動特
性が低下する危険性があり、望ましくない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、粘弾性体をいったん成
形し、管状体内に配置し、加熱処理によって成形体を発
泡させて振動吸収体とし、この振動吸収体を管状体の内
壁に対して強固に密着させることができる。従って、管
状体の振動減衰効果が大きく、かつ軽量の防振構造を得
ることができる。従って、騒音、振動防止に有効であ
り、車両、各種機械、各種構造体への利用価値が大き
い。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】幅方向断面が円形の管状体の内側空間に振動吸
収体を形成した状態の正面図である。
【図2】幅方向断面が三角形の管状体の内側空間に振動
吸収体を形成した状態の正面図である。
【図3】幅方向断面が四辺形の管状体の内側空間に振動
吸収体を形成した状態の正面図である。
【図4】幅方向断面が楕円形の管状体の内側空間に振動
吸収体を形成した状態の正面図である。
【図5】管状体の内側空間の中央部近辺に熱膨脹性粘弾
性体を配置し、加熱処理して振動吸収体を形成した状態
を示す斜視図である。
【図6】振動吸収性能の試験方法を説明するための概略
図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D 振動吸収体 2A、2B、2C、2D 管状体 3 ピックアップ 4 加振点 5 インパルスハンマ 6 吊り糸 7 支持体 8 管状体の内側壁面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管状体の防振構造を製造するのに際して、 非加硫ゴム系の粘弾性体、ブロックポリマー系の粘弾性
    体、ノルボーネン樹脂系の粘弾性体および液状ゴムをメ
    インポリマーとした粘弾性体からなる群より選ばれた粘
    弾性体に発泡剤が均一に分散されている粘弾性体からな
    る成形体であって、JIS−K−2530に規定する方法で
    測定して40〜300 の針入度を有し、かつ80℃〜200 ℃の
    温度範囲で加熱処理を行った際の体積増加率がこの加熱
    処理前の成形体の体積に対して20%〜150 %である成形
    体を得、この成形体を前記管状体の内側空間に配置し、
    この成形体を80℃〜200 ℃の温度範囲で加熱処理するこ
    とによって、前記粘弾性体を発泡させて振動吸収体に変
    化させ、この発泡の過程で前記振動吸収体を前記管状体
    の内壁面に圧着させ、かつ前記振動吸収体の体積膨張が
    前記管状体の前記内壁面との圧着によって抑制されてい
    ることを特徴とする、管状体の防振構造の製造方法。
  2. 【請求項2】前記粘弾性体が、末端水酸基を有する液状
    ゴムと一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
    イソシアネート化合物との間で架橋構造を形成してなる
    架橋粘弾性体であり、前記発泡剤が少なくともブロック
    イソシアネートを必須成分としていることを特徴とす
    る、請求項1記載の管状体の防振構造の製造方法。
  3. 【請求項3】前記粘弾性体がノルボーネン樹脂系の粘弾
    性体であり、この粘弾性体を吸油させることによって固
    化させ、前記成形体を得ることを特徴とする、請求項1
    記載の管状体の防振構造の製造方法。
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