JPH07332417A - 防振装置及びその製造方法 - Google Patents

防振装置及びその製造方法

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JPH07332417A
JPH07332417A JP11991294A JP11991294A JPH07332417A JP H07332417 A JPH07332417 A JP H07332417A JP 11991294 A JP11991294 A JP 11991294A JP 11991294 A JP11991294 A JP 11991294A JP H07332417 A JPH07332417 A JP H07332417A
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JP
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vibration
molecular weight
less
low molecular
number average
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JP11991294A
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Inventor
Hiroshi Hasegawa
拓 長谷川
Masanori Murase
正典 村瀬
Keiichiro Mizuno
恵一郎 水野
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で振動の吸収性を向上させる。 【構成】 内筒金具16と外筒金具12との間に配置さ
れた弾性体14の振動入力時に変形する部分に貫通孔1
4Aを形成しておき、その貫通孔14Aに、数平均分子
量が20000以上の熱可塑性物質と数平均分子量が2
0000未満の低分子有機物質との混合体であり、かつ
上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構造を有し、
その体積分率が30%以下であり、25°C,5Hz で
の剪断弾性率が5×105 ダイン/cm2 以下とされた
低ばね定数でかつ減衰係数の大きな低分子材保持複合物
18を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、一般産業用機
械に用いられ、振動発生部から伝達する振動を吸収する
防振装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図11に示すようなブッシュ型の
防振装置100があり、自動車のサスペンションブッシ
ュ、エンジンマウント等に使用されている。この防振装
置100は、金属の内筒金具102及び外筒金具104
との間に筒状の弾性体106が配設されており、振動入
力時に弾性体106が弾性変形してショックや振動を吸
収するようになっている。
【0003】弾性体106は、一般に加硫されたゴムが
使用されており、用途によって弾性率が適宜変えられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】サスペンションブッシ
ュにおいては、ショック感(振動の第1波に関係する。
振動の第1波が小さいと、ショックが少ないと感じ
る。)及びダンピング感(振動の減衰時間に関係する。
振動の減衰時間が短いとダンピングが良いと感じる。)
を向上することが重要課題である。ショックを吸収する
ために、ばね定数を小さくすることが考えられるが、弾
性体にすぐり(凹部や貫通した孔等)を設けてばね定数
を低下させるとショック感を向上させることは出来る
が、伸縮方向共にばね定数が低下するためダンピング感
の向上は望めない。勿論、サスペンションブッシュに限
らず、その他の一般の防振装置においても、これらの問
題を有する。
【0005】また、近年では、振動の吸収能力を向上す
るために、液体封入式の防振装置も種々提案されてい
る。しかしながら、液体封入式の防振装置は複数の液
室、液体の通路等を備えて複雑な構造をしており、小型
化にも限界が有り、コストも高いので用途は限られてい
る。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、簡単な構造
で、かつ、従来よりも振動吸収性を向上させた防振装置
及びその製造方法を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の防振装
置は、振動発生部及び振動受部との何れか一方に連結さ
れる第1の部材と、振動発生部及び振動受部との何れか
他方に連結される第2の部材と、前記第1の部材及び前
記第2の部材との間に配置され数平均分子量が2000
0以上の熱可塑性物質と数平均分子量が20000未満
の低分子有機物質との混合体であり、かつ上記熱可塑性
物質が3次元網状の連続骨格構造を有し、その体積分率
が30%以下であり、25°C,5Hz での剪断弾性率
が5×105 ダイン/cm2 以下である振動吸収用の低
分子材保持複合物と、を有することを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の防振装置は、振動発生部
及び振動受部との何れか一方に連結される第1の部材
と、振動発生部及び振動受部との何れか他方に連結され
る第2の部材と、前記第1の部材及び前記第2の部材と
の間に配置され振動入力時に弾性変形して振動を吸収す
る弾性体と、前記弾性体の振動入力時に変形する部分に
設けられ数平均分子量が20000以上の熱可塑性物質
と数平均分子量が20000未満の低分子有機物質との
混合体であり、かつ上記熱可塑性物質が3次元網状の連
続骨格構造を有し、その体積分率が30%以下であり、
25°C,5Hzでの剪断弾性率が5×105 ダイン/
cm2 以下である低分子材保持複合物と、を有すること
を特徴としている。
【0009】また、請求項3に記載の防振装置の製造方
法は、振動入力時に変形する少なくとも一つの充填部を
備えかつ振動入力時に弾性変形して振動を吸収する弾性
体を、振動発生部及び振動受部との何れか一方に連結さ
れる第1の部材と振動発生部及び振動受部との何れか他
方に連結される第2の部材との間に配置する工程と、数
平均分子量が20000以上の熱可塑性物質と数平均分
子量が20000未満の低分子有機物質との混合体であ
り、かつ上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構造
を有し、その体積分率が30%以下であり、25°C,
5Hzでの剪断弾性率が5×105 ダイン/cm2 以下
である低分子材保持複合物を前記充填部に充填する工程
と、を含むことを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の防振装置は、数平均分子量が
20000以上の熱可塑性物質と数平均分子量が200
00未満の低分子有機物質との混合体であり、かつ上記
熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構造を有し、その
体積分率が30%以下であり、25°C,5Hz での剪
断弾性率が5×105 ダイン/cm2 以下である低分子
材保持複合物を振動吸収用の弾性体として用いている。
この低分子材保持複合物は、低ばね定数で、特に、振動
入力時の損失係数が大きいので、この防振装置は、従来
の防振装置よりも振動の吸収性を向上させることが出来
る。
【0011】請求項2に記載の防振装置は、数平均分子
量が20000以上の熱可塑性物質と数平均分子量が2
0000未満の低分子有機物質との混合体であり、かつ
上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構造を有し、
その体積分率が30%以下であり、25°C,5Hz で
の剪断弾性率が5×105 ダイン/cm2 以下である
低分子材保持複合物を弾性体の振動入力時に変形する部
分に設けたので、従来の防振装置よりも振動の吸収性を
向上させることが出来る。特に、振動時に大きく変形す
る部分に低分子材保持複合物を配置することにより、効
果が上がる。
【0012】請求項3に記載の防振装置の製造方法で
は、先ず最初の工程で、少なくとも一つの充填部を備
え、かつ振動入力時に弾性変形して振動を吸収する弾性
体が振動発生部及び振動受部との何れか一方に連結され
る第1の部材と振動発生部及び振動受部との何れか他方
に連結される第2の部材との間に配置される。
【0013】次の工程で、数平均分子量が20000以
上の熱可塑性物質と数平均分子量が20000未満の低
分子有機物質との混合体であり、かつ上記熱可塑性物質
が3次元網状の連続骨格構造を有し、その体積分率が3
0%以下であり、25°C,5Hzでの剪断弾性率が5
×105 ダイン/cm2 以下である低分子材保持複合物
が前記充填部に充填され、振動吸収性に優れた防振装置
が完成する。
【0014】
【実施例】本発明の防振装置の実施例を図面を参照しな
がら説明する。
【0015】図1は、アクスルビームタイプのサスペン
ション装置の全体図である。図1に示すように、路面側
からの振動が伝達される一対のタイヤ32(図1上、一
方のみ示す)をショックアブソーバ36とで支持してい
る板状のトレーリングアーム34の基端側には、円管か
らなるブラケット30が固着されている。
【0016】このブラケット30には、防振装置である
ブッシュ10の円管状に形成された第1の部材としての
外筒金具12が緊密に嵌合されている。
【0017】この外筒金具12の内側であって外筒金具
12と同軸状の位置には、円管状に形成される第2の部
材としての内筒金具16が配置されている。さらに、外
筒金具12と内筒金具16との間には、外筒金具12及
び内筒金具16にそれぞれ加硫接着されたゴム製の弾性
体14が配置されている。そして、この内筒金具16
が、図示しない車体の一部にボルト等により連結される
構造となっている。
【0018】図2及び図3に示すように、弾性体14に
は、内筒金具16よりも矢印X方向側で、かつ外筒金具
12近傍に貫通孔14Aが形成されている。貫通孔14
Aは、図3に示すように、ブッシュ10の軸方向からみ
た形状が外筒金具12に沿った円弧状を呈しており、図
2に示すようにブッシュ10の軸方向に貫通している。
【0019】この貫通孔14Aには、低分子材保持複合
物18が充填されている。この低分子材保持複合物18
は、数平均分子量が20000以上の熱可塑性物質と数
平均分子量が20000未満の低分子有機物質との混合
体であり、かつ上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨
格構造を有し、その体積分率が30%以下であり、25
°C,5Hz で の剪断弾性率が5×105 ダイン/c
2 以下である。
【0020】更に詳しく説明すると、上記熱可塑性物質
は、その数平均分子量が20000以上、特に3000
0以上、とりわけ40000以上であることが好まし
い。高分子有機材料の種類としては、例えば、ポリスチ
レン系、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィン系、ポリエ
ステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系などの各種熱
可塑性エラストマー並びにそれらの水添、その他による
変性物、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ナイロン、
塩化ポリエテール、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化
−塩化エチレン、ポリフッ化エチレンプロピレン、アセ
チルセルロース、エチルセルロース、ポリビニリデン、
ポリビニルブチラール、ポリプロピレンオキサイド等の
熱可塑性樹脂及びこれらの樹脂のゴム変性物などが挙げ
られる。
【0021】特に熱可塑性物質としては、結晶構造、凝
集構造などの硬質ブロックを形成し易い部分と、アモル
ファス構造などの軟質ブロックとを一緒にもち合わせて
いるものが好ましい。例えば、ポリブタジエンとブタジ
エン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体
を水添して得られるポリエチレン/ブチレンとエチレン
−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体や、
ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、
或いはポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重
合体を水添して得られるポリエチレン/ブチレンとポリ
スチレンとのブロック共重合体などが挙げられる。この
うち特にポリエチレン/ブチレンとエチレン−スチレン
ランダム共重合体とのブロック共重合構造のものが好ま
しい。
【0022】これらの各種熱可塑性物質は主に単独で用
いられるが、2種以上をブレンドして用いても良い。
【0023】一方、低分子有機物質としては、その数平
均分子量は20000未満、特に10000以下、とり
わけ5000以下であることが好ましい。低分子有機物
質としては特に制限はないが、次のものが適している。 軟化剤:鉱物油系、植物油系、合成油系等の各種ゴム
用或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、アロマティ
ック系、ナフテン系、パラフィン系等のプロセス油等が
挙げられる。植物油系としては、ひまし油、綿実油、あ
まに油、菜種油、大豆油、パーム油、椰子油、落花生
油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が挙げられ
る。 可塑剤:フタル酸エステル、フタル酸混基エステル、
脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸
エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エステル等の
各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、その他プラ
スチック用可塑剤又はフタレート系、アジペート系、セ
バケート系、フォスフェート系、ポリエーテル系、ポリ
エステル系等のNBR用可塑剤。 粘着付与剤:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン
誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)。 オリゴマー:クラウンエーテル、含フッ素オリゴマ
ー、ポリイソブチレン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリ
エチレンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポ
リアルキレングリコールジアクリレート、液状ゴム(ポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン
−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリ
コン系オリゴマー、ポリ−α−アレフィン等の各種オリ
ゴマー。 滑剤:パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤、高
級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑
剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコ
ールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル等のエス
テル系滑剤、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグ
リコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、金
属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0024】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、歴青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更にシリ
コーンオイル、フォスファゼンなども低分子有機物質と
して適している。更に、牛油、豚油、馬油等の動物油、
鳥油或いは魚油、蜂蜜、果汁、チョコレート、ヨーグル
ト等の乳製品系、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、
アルコール系、フェノール系、エーテル系、アセタール
系、ケトン系、脂肪酸系、エステル系、窒素化合物系、
硫黄化合物系等の有機溶剤、或いは種々の薬効成分、土
壌改質剤、肥料類、石油類、水、水溶液等も用いられ
る。
【0025】これらの成分は1種で用いても、2種以上
を混合して用いてもよい。この低分子材保持複合物18
は、このような熱可塑性物質と低分子有機物質とを混合
することによって三次元連続の網状骨格構造を形成する
ものであるが、その際熱可塑性物質の体積分率を30%
以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以
下、更に好ましくは15%以下の割合で使用する。な
お、その下限は3%、好ましくは5%である。
【0026】この低分子材保持複合物18には、必要に
応じて、更に次のような充填剤を配合してもよい。即
ち、クレー、珪藻土、カーボンブラック、シリカ、タル
ク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミ
ニウム等の鱗片状無機充填剤、各種の金属粉、木片、ガ
ラス粉、セラミック粉、粉末ポリマー等の粒状ないし粉
末状個体充填剤、その他各種の天然又は人工の短繊維、
長繊維(例えば、ワラ、毛、ガラスファイバー、金属フ
ァイバー、その他各種のポリマーファイバー等)などを
配合することができる。更に内部が中空であるバルン、
例えばガラスバルン、セラミックバルン、ポリ塩化ビニ
リデン等からなる高分子有機材料バルンを配合してもよ
い。
【0027】この低分子材保持複合物18には上記熱可
塑性物質及び低分子有機物質、必要に応じてその他の配
合剤を、熱可塑性物質が三次元網状の連続骨格構造を形
成し得る混合条件にて混合することにより得ることがで
きる。この場合、熱可塑性物質による均一な三次元連続
の網状骨格構造を得るためには、熱可塑性物質と低分子
有機物質との混合にあたり、高速撹拌が必要であり、撹
拌速度は300rpm以上、好ましくは500rpm以
上、最も好ましくは1000rpm以上が望ましい。ま
た、混合機としては高剪断型混合機が最適である。
【0028】なお、熱可塑性物質と低分子有機物質とを
一般のロールやローター型ミキサー、シリンダー型ミキ
サーを用い、低速度で混合した場合には、目的とする熱
可塑性物質の均一な三次元連続の網状骨格構造を得るこ
とはできない。
【0029】このようにして得られる低分子材保持複合
物18は、熱可塑性物質で形成される三次元網状の連続
骨格構造内に低分子有機物質が分散した如き状態のもの
であるが、この三次元網状骨格構造において、骨格の平
均直径は50μm以下、好ましくは20μm以下、より
好ましくは10μm以下、セル(網目)の平均直径は5
00μm以下、好ましくは200μm以下、より好まし
くは100μm以下であることが望ましい。
【0030】この低分子材保持複合物18は、25℃,
5Hzでの剪断弾性率が5×105ダイン/cm2
下、好ましくは3×105 ダイン/cm2 以下、より好
ましくは1×105 ダイン/cm2 以下である。また、
tanδ(損失正接)が0.05以上、より好ましくは
0.08以上、更に好ましくは0.1以上であることが
望ましい。更に、アスカー硬度が45°以下、より好ま
しくは35°以下であることが望ましい。
【0031】本実施例の低分子材保持複合物18は、熱
可塑性エラストマーとして水添SBR(分子量:12
万)を用い、低分子有機物質としてロジン酸エステル
(分子量:400)を用いて、水添SBRとロジン酸エ
ステルとを重量比12:88の割合で使用し(なお、水
添SBRとロジン酸エステルとの溶融パラメーター(s
p値)差は、0.1である。)、高剪断型混合機を用い
て温度170°C、回転数3000rpmで1時間攪拌
して得たものである。
【0032】また、低分子材保持複合物18としては、
前記熱可塑性物質と、前記低分子有機物質に、硬化可能
なゴム組成物をブレンドし、硬化した複合物も使用する
ことができる。
【0033】低分子材保持複合物18を弾性体14の貫
通孔14Aに充填する方法としては、例えば、シリンダ
のようなものを使用して充填したり、ブッシュ10を軸
方向両側から金型で挟持し、金型の間に配置した低分子
材保持複合物18に圧力をかけて充填することができ
る。この低分子材保持複合物18は高い粘着性を有し、
貫通孔14Aに充填された際に弾性体14に粘着するの
で、振動等によって弾性体14から剥離するようなこと
はない。なお、低分子材保持複合物18と接触する金型
等の表面には剥離剤を塗布しておくことが好ましい。
【0034】尚、図1上、図示しない他方のタイヤ32
側にも上記と同様な構造の一対のブッシュ10が配置さ
れており、トレーリングアーム34と車体との間の接続
部分にブッシュ10が配置されることになる。
【0035】次に本実施例の作用を以下に説明する。こ
のサスペンション装置のブッシュ10に車体前後方向の
振動が入力した場合、弾性体14の貫通孔14Aに充填
された低分子材保持複合物18が弾性変形するが、この
低分子材保持複合物18は、弾性体14よりも柔らか
く、且つ高い損失係数を有するので、本実施例のブッシ
ュ10は路面側から入力する車体前後方向の振動(車両
が走行中に突起を乗り越えたとき等に路面側から入力す
る車体前後方向の振動)を効果的に吸収し、車両のシャ
ーシのフロアに作用する前後方向の加速度を低く抑える
ことができると共に、その振動を短時間で収束させるこ
とができる。
【0036】なお、内筒金具12の上下方向(矢印Z方
向及び矢印Z方向とは反対方向)には、低分子材保持複
合物18が設けられていないので、ブッシュ10の上下
方向のばね定数の低下は殆ど無い。即ち、本実施例のブ
ッシュ10には異方性が有り、目的の方向の減衰係数を
上げることができる。
【0037】(試験例)図4には、本実施例のブッシュ
10の動ばね定数と従来のブッシュの動ばね定数とを比
較したグラフ、図5には本実施例のブッシュ10の損失
係数(tan δ)と従来のブッシュの損失係数とを比較し
たグラフが示されている。なお、試験時の振動変位の方
向は、内筒と低分子材保持複合物18とを結ぶ方向とし
た。
【0038】図4からも、振動の入力方向に低弾性の低
分子材保持複合物18を配置した本実施例のブッシュ1
0は、振動の入力方向に沿った方向の動ばね定数を低減
できることは明らかである。
【0039】また、図5から、本実施例のブッシュ10
は、振動の吸収性に優れることが分かる。
【0040】また、本発明の効果を確かめるために、本
実施例のブッシュ10を用いた車両(乗用車)と、従来
のブッシュ(弾性体に貫通孔が無く、低分子材保持複合
物も使用されていないブッシュ)を用いた車両と、を用
意し、試験路にて走行試験を行い、突起乗り越し時のフ
ロア前後振動加速度及びパルス操舵時(急激なレーンチ
ェンジ)のヨーレイトを計測した。
【0041】図6に示す突起乗り越し時フロア前後振動
加速度グラフ及び図7に示すパルス操舵時のヨーレイト
グラフからも、本発明の適用されたブッシュ10は、振
動吸収性能に優れていることは明らかであり、本実施例
のブッシュ10を用いることによりショック感及びダン
ピング感が向上したことは明らかである。
【0042】なお、前記実施例では、低分子材保持複合
物18を弾性体14の貫通孔14Aに充填したが、この
低分子材保持複合物18は粘弾性を有し、それ自身がオ
ゾンクラックを発生することが無いため、弾性体14、
24の表面全体に薄肉状に付着させ、ゴムと空気との接
触を絶つことにより、ゴムのオゾンクラックを防止する
ことができ、ブッシュ10、20の寿命を延ばすことが
可能である。
【0043】なお、前記実施例では、ブッシュ10を自
動車のサスペンションに用いた例を示したが、このブッ
シュ10は、エンジンマウント、一般産業用機械の防振
装置等の自動車のサスペンション以外にも使用できると
は勿論である。
【0044】また、低分子材保持複合物18を充填する
部位は、前記実施例の位置にかぎるものではなく、例え
ば、図8(A),(B)に示すように、弾性体14の軸
方向両側に円弧状の凹み14Bを形成し、その凹み14
Bに充填しても良く、図9(A),(B)に示すよう
に、弾性体14の軸方向両側に環状の凹み14Cを形成
し、その環状の凹み14Cに充填しても良い。なお、図
9に示す防振装置10では、低分子材保持複合物18が
環状に配置されるので異方性が無い。
【0045】また、図9に示すブッシュ10の変形例と
して、図10(A),(B)に示すように、弾性体14
の一部に貫通孔14Aを形成し、その貫通孔14Aにも
充填するようにしても良く、その他の任意の位置に充填
することができる。
【0046】なお、前記実施例では低分子材保持複合物
18をブッシュ型の防振装置に適用した例を示したが、
本発明はこれに限らず、ブッシュ型以外の防振装置に適
用できることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る防振装置
は、簡単な構造で、従来よりも振動吸収性を向上できる
という優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振装置が使用されたサスペンション
装置の部分断面全体図である。
【図2】防振装置の軸線に沿った断面図である。
【図3】図2に示す防振装置の軸線に直角な断面図であ
る。
【図4】本実施例のブッシュと従来のブッシュの絶対ば
ね定数の比較を示すグラフである。
【図5】本実施例のブッシュと従来のブッシュの減衰係
数の比較を示すグラフである。
【図6】突起乗り越し時フロア前後振動加速度を示すグ
ラフである。
【図7】パルス操舵時のヨーレイトを示すグラフであ
る。
【図8】(A)は他の実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図であり、(B)は図8(A)の8(B)−8
(B)線断面図である。
【図9】(A)は更に他の実施例に係る防振装置の軸線
に沿った断面図であり、(B)は図9(A)の9(B)
−9(B)線断面図である。
【図10】(A)は更に他の実施例に係る防振装置の軸
線に沿った断面図であり、(B)は図10(A)の10
(B)−10(B)線断面図である。
【図11】従来の防振装置の軸線に沿った断面図であ
る。
【符号の説明】
10 防振装置 12 内筒部材(第2の部材) 14 弾性体 16 外筒部材(第1の部材) 18 低分子材保持複合物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部との何れか一方
    に連結される第1の部材と、 振動発生部及び振動受部との何れか他方に連結される第
    2の部材と、 前記第1の部材及び前記第2の部材との間に配置され数
    平均分子量が20000以上の熱可塑性物質と数平均分
    子量が20000未満の低分子有機物質との混合体であ
    り、かつ上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構造
    を有し、その体積分率が30%以下であり、25°C,
    5Hz での剪断弾性率が5×105 ダイン/cm2 以下
    である振動吸収用の低分子材保持複合物と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 振動発生部及び振動受部との何れか一方
    に連結される第1の部材と、 振動発生部及び振動受部との何れか他方に連結される第
    2の部材と、 前記第1の部材及び前記第2の部材との間に配置され振
    動入力時に弾性変形して振動を吸収する弾性体と、 前記弾性体の振動入力時に変形する部分に設けられ数平
    均分子量が20000以上の熱可塑性物質と数平均分子
    量が20000未満の低分子有機物質との混合体であ
    り、かつ上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構造
    を有し、その体積分率が30%以下であり、25°C,
    5Hz での剪断弾性率が5×105 ダイン/cm2 以下
    である低分子材保持複合物と、 を有することを特徴とする防振装置。
  3. 【請求項3】振動入力時に変形する少なくとも一つの充
    填部を備えかつ振動入力時に弾性変形して振動を吸収す
    る弾性体を、振動発生部及び振動受部との何れか一方に
    連結される第1の部材と振動発生部及び振動受部との何
    れか他方に連結される第2の部材との間に配置する工程
    と、 数平均分子量が20000以上の熱可塑性物質と数平均
    分子量が20000未満の低分子有機物質との混合体で
    あり、かつ上記熱可塑性物質が3次元網状の連続骨格構
    造を有し、その体積分率が30%以下であり、25°
    C,5Hzでの剪断弾性率が5×105 ダイン/cm2
    以下である低分子材保持複合物を前記充填部に充填する
    工程と、 を含む防振装置の製造方法。
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