JP2006008859A - 高減衰エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高減衰で、剛性の温度依存性が小さく、かつ高剛性の高減衰エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)を必須成分とする高減衰エラストマー組成物であって、下記の(A)成分中のジブロック成分(a)と、(B)成分との合計割合が、(A)成分と(B)成分との合計量全体の70〜95重量%の範囲内であり、かつ、下記の(C)成分と、(D)成分との重量混合比が、(C)成分/(D)成分=1/5〜5/1の範囲内であるという構成をとる。
(A)ジブロック成分(a)を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー。
(B)未加硫ゴム。
(C)補強性充填材。
(D)減衰性充填材。
【選択図】なし
【解決手段】下記の(A)〜(D)を必須成分とする高減衰エラストマー組成物であって、下記の(A)成分中のジブロック成分(a)と、(B)成分との合計割合が、(A)成分と(B)成分との合計量全体の70〜95重量%の範囲内であり、かつ、下記の(C)成分と、(D)成分との重量混合比が、(C)成分/(D)成分=1/5〜5/1の範囲内であるという構成をとる。
(A)ジブロック成分(a)を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー。
(B)未加硫ゴム。
(C)補強性充填材。
(D)減衰性充填材。
【選択図】なし
Description
本発明は、高減衰エラストマー組成物に関するものであり、詳しくは、建築分野における制震や免震等の用途に好適な高減衰エラストマー組成物に関するものである。
建築分野における制震装置や免震装置は、地震や風等による振動、大型車の走行等による交通振動等から、建築物に対する振動を抑制する目的で使用される。そのため、制震装置や免震装置等に用いられる減衰材料には、建築物の剛性にあわせて小振幅から大振幅までの振動吸収性能が求められる。また、建築分野において安定した減衰性能を発揮するためには、建築物の外気雰囲気において安定した減衰性能が求められることになり、剛性の温度依存性が小さいことが望まれる。従来、このような用途に用いられる減衰材料としては、ガラス転移温度(Tg)の高いアクリル系ポリマーやエポキシ系ポリマー等からなる高分子材料、あるいはゴムやポリジエン系熱可塑性エラストマー(TPE)等に、ガラス転移温度(Tg)の高いポリマーや軟化点の高い粘着付与剤等を配合してなる高分子材料が用いられている。
上記高分子材料(減衰材料)により、大きな減衰性能を発現させる場合、主にtanδ(損失正接)ピークの存在するガラス転移温度(Tg)領域が用いられることになる。ところが、このガラス転移温度(Tg)領域は、ガラス状態からゴム状態へと急激な変化を起こす領域であるため、剛性の温度依存性が極めて大きいという難点がある。例えば、10℃の等価剛性と、30℃の等価剛性との比は、ほとんどの場合2倍以上となってしまう。そのため、上記のような高分子材料(減衰材料)を用いてなるダンパー等の制振装置は、環境温度によって性能の変化が著しいという難点がある。また、これらの温度依存性を改良するために、シリコーン系の材料を使用する例もみられるが、材料コストが大幅にアップするため、建築費用の負担増加に繋がるという難点がある。
そこで、本発明者らは、これらの問題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ジブロック成分を含有もしくは非含有の熱可塑性エラストマーと、未加硫ゴムとを併用するとともに、ジブロック成分と未加硫ゴムとの含有量を特定の範囲内に設定してなる高減衰エラストマー組成物を用いると、上記の問題を解決できることを見出し、このような高減衰エラストマー組成物について、先に特許出願した(特許文献1参照)。
特開2003−261717号公報
本発明者らは、本件出願人の出願に係る上記特許文献1の発明についてさらに改良を図るため研究を続けた結果、この高減衰エラストマー組成物は、高減衰で、剛性の温度依存性が小さい点では優れているが、剛性がやや小さいという傾向がみられた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高減衰で、剛性の温度依存性が小さく、かつ高剛性の高減衰エラストマー組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の高減衰エラストマー組成物は、下記の(A)〜(D)を必須成分とする高減衰エラストマー組成物であって、下記の(A)成分中のジブロック成分(a)と、(B)成分との合計割合が、(A)成分と(B)成分との合計量全体の70〜95重量%の範囲内{〔(a)+(B)〕/〔(A)+B)〕=70〜95重量%}であり、かつ、下記の(C)成分と、(D)成分との重量混合比が、(C)成分/(D)成分=1/5〜5/1の範囲内であるという構成をとる。
(A)ジブロック成分(a)を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー。
(B)未加硫ゴム。
(C)補強性充填材。
(D)減衰性充填材。
(A)ジブロック成分(a)を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー。
(B)未加硫ゴム。
(C)補強性充填材。
(D)減衰性充填材。
すなわち、本発明者らは、本件出願人の出願に係る上記特許文献1の発明についてさらに改良を図るため、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、ジブロック成分非含有のスチレン系熱可塑性エラストマーではなく、ジブロック成分を含有するスチレン系熱可塑性エラストマーを選択し、これと未加硫ゴムとを併用し、ジブロック成分と未加硫ゴムとの合計割合を所定範囲に設定してなるエラストマー組成物は、高減衰で、剛性の温度依存性が小さい点では優れているが、剛性がやはり小さくなる傾向がみられた。そこで、剛性の向上を図るため、さらに研究を続ける過程で、補強性充填材を配合することを想起したが、補強性充填材を配合すると、減衰性が低下するというのが技術常識であった。本発明者らは、この技術常識を打破して実験を続けた。その実験の過程で、補強性充填材と、減衰性充填材とを特定の重量比でブレンドして用いると、減衰性を低下させずに、剛性のみを向上させることができることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明の高減衰エラストマー組成物は、ジブロック成分を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と、未加硫ゴム(B成分)と、補強性充填材(C成分)と、減衰性充填材(D成分)とを必須成分とする高減衰エラストマー組成物であって、補強性充填材(C成分)と、減衰性充填材(D成分)との重量混合比が、特定の範囲に設定されている。そのため、従来の技術常識に反して、減衰性を低下させずに、剛性のみを向上させることができ、しかも高減衰で、剛性の温度依存性が小さいという効果も得ることができる。このように、本発明の高減衰エラストマー組成物は、材料の減衰性を低下させずに、剛性のみを向上させることができるため、小さな面積で大きな減衰力を発揮することができる。したがって、本発明の高減衰エラストマー組成物を用いると、ダンパー等の制振装置や免震装置の小型化を図ることができる。また、従来、減衰性はオイルや粘着付与剤等の低分子材料により調整していたため、コンパウンド粘度が低く、加工性が悪いという難点があったが、本発明では、特定のスチレン系熱可塑性エラストマー等の高分子材料、減衰性充填剤とで減衰性を調整できるため、コンパウンディングやロールシート加工が容易となる。なお、本発明の高減衰エラストマー組成物は、汎用性の高い材料を用いているため、従来のシリコーン系の材料を使用する場合に比べて、材料コストの削減を図ることもできる。
また、上記補強性充填材(C成分)と、減衰性充填材(D成分)との合計配合量を特定の範囲内に設定すると、減衰性と剛性とのバランスがさらに良好となる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の高減衰エラストマー組成物は、特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と、未加硫ゴム(B成分)と、補強性充填材(C成分)と、減衰性充填材(D成分)とを必須成分とするものである。
本発明においては、A成分中のジブロック成分(a)と、B成分との合計割合が、A成分とB成分との合計量全体の70〜95重量%の範囲内であり、かつ、C成分と、D成分との重量混合比が、C成分/D成分=1/5〜5/1の範囲内であって、これらが最大の特徴である。
上記特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)としては、ジブロック成分を含有するスチレン系熱可塑性エラストマーであれば特に限定はなく、例えば、ジブロック成分を含有するスチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー(SIS)、ジブロック成分を含有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー(SBS)、ジブロック成分を含有するスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックポリマー(SEBS)、ジブロック成分を含有するスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックポリマー(SEPS)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記ジブロック成分を含有するSISの具体例としては、日本ゼオン社製のクインタック3520(ジブロック成分含量:78重量%)や、クレイトンポリマーズ社製のクレイトンD−1119(ジブロック成分含量:66重量%)等があげられる。
なお、本発明において、ジブロック成分とは、ハードセグメント(ポリスチレン)と、ポリイソプレン,ポリブタジエン等のソフトセグメントとが、各1セットのみからなる成分であって、ソフトセグメントの一方の末端にのみ、ハードセグメント(ポリスチレン)が連結しており、ソフトセグメントの他方の末端には、ハードセグメント(ポリスチレン)が連結していない成分をいう。このように、ジブロック成分は、ソフトセグメントの片末端が、ハードセグメント(ポリスチレン)により固定されておらず、非常に運動性が高く、滑り(粘性)が生じやすいため、高い減衰性を発現することができる。本発明では、このジブロック成分と、後述の未加硫ゴム(B成分)との合計割合を所定範囲に設定しているため、ジブロック成分による減衰性と、未加硫ゴム(B成分)の粘性的な性質(減衰性)とにより、より高い減衰性を発現することができる。
上記特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)中のジブロック成分の含有量は、70〜95重量%の範囲内が好ましく、特に好ましくは75〜90重量%の範囲内である。すなわち、ジブロック成分の含有量が70重量%未満であると、減衰性が劣る傾向がみられ、逆にジブロック成分の含有量が95重量%を超えると、エラストマー本来の弾性が劣る傾向がみられるからである。
つぎに、上記特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)とともに用いられる、未加硫ゴム(B成分)としては、特に限定はなく、スチレン−ブタジエンゴム(SBR),エチレン−プロピレン共重合体(EPM),エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM),クロロプレンゴム(CR),イソプレンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),ブタジエンゴム(BR),ニトリルゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),塩素化ポリエチレン(CM),フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムや、天然ゴムが用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、スチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性に特に優れる点で、BR、EPM、EPDM、IR、SBRが好適に用いられる。
また、前記特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)と、未加硫ゴム(B成分)との重量混合比は、A成分/B成分=30/70〜5/95の範囲内が好ましく、特に好ましくはA成分/B成分=25/75〜10/90の範囲内である。すなわち、A成分の重量混合比が5未満である(B成分の重量混合比が95を超える)と、エラストマー本来の弾性が劣る傾向がみられ、逆にA成分の重量混合比が30を超える(B成分の重量混合比が70未満である)と、減衰性が劣る傾向がみられるからである。
本発明においては、上記特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)中のジブロック成分(a)と、未加硫ゴム(B成分)との合計割合は、A成分とB成分との合計割合の70〜95重量%の範囲内に設定する必要があり、好ましくは80〜90重量%の範囲内である。すなわち、ジブロック成分(a)と、未加硫ゴム(B成分)との合計割合が70重量%未満であると、減衰性能が著しく劣り、逆にジブロック成分(a)と、未加硫ゴム(B成分)との合計割合が95重量%を超えると、コールドフロー性が著しく悪化するからである。
つぎに、上記特定のスチレン系熱可塑性エラストマー(A成分)および未加硫ゴム(B成分)とともに用いられる補強性充填材(C成分)としては、エラストマー組成物の補強性(剛性)を向上させ得るものであれば特に限定はなく、例えば、カーボンブラック、シリカ等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、上記シリカとしては、例えば、シロキサン等の疎水化剤によって表面を処理した、疎水性表面処理済みシリカ等を用いても差し支えない。
また、上記A〜C成分とともに用いられる減衰性充填材(D成分)としては、エラストマー組成物の減衰性を向上させ得るものであれば特に限定はなく、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明においては、上記補強性充填材(C成分)と減衰性充填材(D成分)との重量混合比が、C成分/D成分=1/5〜5/1の範囲内に設定されている必要があり、好ましくはC成分/D成分=1/3〜3/1の範囲内である。すなわち、C成分の重量混合比が1未満である(D成分の重量混合比が5を超える)と、剛性の向上効果が小さく、逆にC成分の重量混合比が5を超える(D成分の重量混合比が1未満である)と、減衰性が低下するからである。
また、上記補強性充填材(C成分)と減衰性充填材(D成分)との合計配合量は、上記特定の熱可塑性エラストマー(A成分)と未加硫ゴム(B成分)との合計100重量部(以下「部」と略す)に対して、10〜200部の範囲内が好ましく、特に好ましくは20〜150部の範囲内である。すなわち、C成分とD成分との合計配合量が10部未満であると、剛性や減衰性の向上効果が乏しく、逆に200部を超えると、剪断破断伸び等の物性が低下する傾向がみられるからである。
なお、上記補強性充填材(C成分)および減衰性充填材(D成分)のそれぞれの配合量は、両者の重量混合比に応じて異なるが、例えば、つぎのような範囲が好ましい。
上記補強性充填材(C成分)の配合量は、上記A成分とB成分との合計100部に対して、2〜165部の範囲内が好ましく、特に好ましくは5〜113部の範囲内である。すなわち、上記補強性充填材(C成分)が2部未満では、剛性が小さくなり、逆に165部を超えると、伸び等の物性が低下する傾向がみられるからである。
また、上記減衰性充填材(D成分)の配合量は、上記A成分とB成分との合計100部に対して、2〜165部の範囲内が好ましく、特に好ましくは5〜113部の範囲内である。すなわち、上記減衰性充填材(D成分)が2部未満では、減衰性能の向上効果が乏しく、逆に165部を超えると、伸び等の物性が低下する傾向がみられるからである。
なお、本発明の高減衰エラストマー組成物には、上記A〜D成分に加えて、粘着付与剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤(老化防止剤)等を、必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
上記粘着付与剤は、減衰性や接着性の向上を目的として用いられるものであり、例えば、水添脂環族系炭化水素樹脂、クマロン樹脂、ロジン、ロジンエステル、テルペンフェノール樹脂、ケトン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が好適に用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記可塑剤は、硬度の調整等を目的とするものであり、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)等の合成可塑剤、パラフィン系オイル,アロマオイル等の鉱物油があげられる。
上記加硫剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物、アルキルフェノール樹脂等があげられる。上記加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系加硫促進剤、ベンゾチアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤等があげられる。
上記酸化防止剤(老化防止剤)としては、例えば、Zincジブチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤等があげられる。
本発明の高減衰エラストマー組成物は、例えば、上記A〜D成分および必要に応じてその他の成分等を、ニーダー,プラネタリーミキサー,混合ロール,2軸スクリュー式攪拌機等を用いて混練することにより得ることができる。そして、この高減衰エラストマー組成物を、溶融温度以上に加熱して溶融させ、これを型枠内に流し込み、放冷して所定形状に成形することにより、高減衰エラストマー組成物の製品として用いることができる。
本発明の高減衰エラストマー組成物は、建築用の制震壁,制震ダンパー等の制震装置や免震装置に好適に用いられるが、これに限定するものではなく、例えば、家電用や電子機器用の制振ダンパー,制振材,衝撃吸収材の他、自動車用の制振材,衝撃吸収材等に用いることもできる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔SIS−a(A成分)〕
日本ゼオン社製、クインタック3520(ジブロック成分含量:78重量%)
日本ゼオン社製、クインタック3520(ジブロック成分含量:78重量%)
〔SIS−b(A成分)〕
クレイトンポリマーズ社製、クレイトンD−1119(ジブロック成分含量:66重量%)
クレイトンポリマーズ社製、クレイトンD−1119(ジブロック成分含量:66重量%)
〔EPDM(B成分)〕
三井化学社製、EPT4010
三井化学社製、EPT4010
〔シリカ(C成分)〕
東ソーシリカ社製、ニプシールER
東ソーシリカ社製、ニプシールER
〔カーボンブラック(C成分)〕
昭和キャボット社製、ショウブラックN330
昭和キャボット社製、ショウブラックN330
〔炭酸カルシウム(D成分)〕
白石カルシウム社製、白艶華CC
白石カルシウム社製、白艶華CC
〔老化防止剤A〕
芳香族第二級アミン系老化防止剤(精工化学社製、オゾノン3C)
芳香族第二級アミン系老化防止剤(精工化学社製、オゾノン3C)
〔老化防止剤B〕
特殊ワックス系老化防止剤(日本精鑞社製、サンノック)
特殊ワックス系老化防止剤(日本精鑞社製、サンノック)
〔老化防止剤C〕
特殊ワックス系老化防止剤(精工化学社製、サンタイトS)
特殊ワックス系老化防止剤(精工化学社製、サンタイトS)
〔老化防止剤D〕
アミン−ケトン系老化防止剤(精工化学社製、ノンフレックスRD)
アミン−ケトン系老化防止剤(精工化学社製、ノンフレックスRD)
〔老化防止剤E〕
フェノール系老化防止剤(チバスペシャルティーケミカル社製、イルガノックス1010)
フェノール系老化防止剤(チバスペシャルティーケミカル社製、イルガノックス1010)
〔加工助剤〕
花王社製、ルーナックS30
花王社製、ルーナックS30
〔実施例1〜14、比較例1〜8〕
後記の表1〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをニーダーで混練して、目的とするエラストマー組成物を調製した。
後記の表1〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをニーダーで混練して、目的とするエラストマー組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例のエラストマー組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1〜表3に併せて示した。なお、SISとEPDMとの合計量中に占める、SIS中のジブロック成分とEPDMとの合計割合を、前述の方法に従って求め、これをジブロック成分等の割合として、表中に記載した。
〔コールドフロー性〕
各エラストマー組成物を80℃のオーブン中で3日間放置した後、形成保持しているかどうかを目視により観察した。コールドフロー性の評価は、形成保持しているものを○、少なくとも一部が流動しているものを×とした。
各エラストマー組成物を80℃のオーブン中で3日間放置した後、形成保持しているかどうかを目視により観察した。コールドフロー性の評価は、形成保持しているものを○、少なくとも一部が流動しているものを×とした。
〔動的剪断特性〕
図1に示すような装置を用いて、エラストマー組成物の動的剪断特性の評価を行った。すなわち、ブラスト処理を施した金具2に、ゴム用2液接着剤を塗布した後、上記金具2間にエラストマー組成物を挟み、乾燥を行った。これを100℃で5分間熱プレス成型して、試料(大きさ25mm×20mm、厚み4mm)1を作製した。そして、これを、矢印方向に加振させて、図2に示す荷重−歪みループ曲線に基づいて、動的剪断特性の評価を行った。すなわち、加振機(鷲宮製作所社製、DYNAMIC SERVO)と、入力信号発振機(横河電気社製、シンセサイズドファンクションゼネレータFC320)と、出力信号処理機(小野測器社製、ポータブルFFTアナライザーCF−3200)を用いて、所定の条件における、加振の時間に対する剪断歪み値(δ)と、荷重値(Qd)の解析から、下記の数式(1)〜(4)に従い、等価剪断弾性率(Ge)、等価減衰定数(Ce)および減衰定数(he)を求めた。なお、測定条件は、剪断歪み量:±16mm(試料厚みに対して200%)、周波数(f):0.5Hz、測定温度:10℃、20℃および30℃であった。これらの結果を後記の表1〜表3に併せて示した。
図1に示すような装置を用いて、エラストマー組成物の動的剪断特性の評価を行った。すなわち、ブラスト処理を施した金具2に、ゴム用2液接着剤を塗布した後、上記金具2間にエラストマー組成物を挟み、乾燥を行った。これを100℃で5分間熱プレス成型して、試料(大きさ25mm×20mm、厚み4mm)1を作製した。そして、これを、矢印方向に加振させて、図2に示す荷重−歪みループ曲線に基づいて、動的剪断特性の評価を行った。すなわち、加振機(鷲宮製作所社製、DYNAMIC SERVO)と、入力信号発振機(横河電気社製、シンセサイズドファンクションゼネレータFC320)と、出力信号処理機(小野測器社製、ポータブルFFTアナライザーCF−3200)を用いて、所定の条件における、加振の時間に対する剪断歪み値(δ)と、荷重値(Qd)の解析から、下記の数式(1)〜(4)に従い、等価剪断弾性率(Ge)、等価減衰定数(Ce)および減衰定数(he)を求めた。なお、測定条件は、剪断歪み量:±16mm(試料厚みに対して200%)、周波数(f):0.5Hz、測定温度:10℃、20℃および30℃であった。これらの結果を後記の表1〜表3に併せて示した。
〔剪断伸び率〕
上記図1に示すような装置を用いて、剪断伸び率の評価を行った。すなわち、歪み速度100%である4mm/秒で、引っ張った時の試料1の剪断伸び率〔剪断伸び率(%)=伸度(mm)÷厚み×100〕を測定した。
上記図1に示すような装置を用いて、剪断伸び率の評価を行った。すなわち、歪み速度100%である4mm/秒で、引っ張った時の試料1の剪断伸び率〔剪断伸び率(%)=伸度(mm)÷厚み×100〕を測定した。
〔総合評価〕
コールドフロー性が良好で、20℃の等価剪断弾性率(Ge)が0.1(N/mm2 )以上、20℃の減衰定数(he)が0.4以上、Ge10℃/Ge30℃の比が2未満で、かつ、剪断伸び率が260%以上であるものを○、上記○のなかでも特に剪断伸び率が300%以上のものを◎、20℃の等価剪断弾性率(Ge)が0.1(N/mm2 )未満、20℃の減衰定数(he)が0.4未満で0.34以上のいずれか一つでも該当するものがあるものを△、コールド性が劣るか、もしくは20℃の減衰定数(he)が0.34未満のものを×として、剪断特性の総合評価を行った。
コールドフロー性が良好で、20℃の等価剪断弾性率(Ge)が0.1(N/mm2 )以上、20℃の減衰定数(he)が0.4以上、Ge10℃/Ge30℃の比が2未満で、かつ、剪断伸び率が260%以上であるものを○、上記○のなかでも特に剪断伸び率が300%以上のものを◎、20℃の等価剪断弾性率(Ge)が0.1(N/mm2 )未満、20℃の減衰定数(he)が0.4未満で0.34以上のいずれか一つでも該当するものがあるものを△、コールド性が劣るか、もしくは20℃の減衰定数(he)が0.34未満のものを×として、剪断特性の総合評価を行った。
上記結果から、実施例品はいずれも、高減衰、高剛性で、温度依存性が小さく、コールドフロー性も良好であった。なお、実施例のEPDMに代えて、BRやEPMを用いた実施例においても、EPDMを用いた実施例と同様の優れた効果が得られた。
これに対して、比較例1品は、補強性充填剤および減衰性充填剤をいずれも配合していないため、減衰定数が小さく、剛性も小さかった。比較例2,3品は、減衰性充填剤を配合していないため、減衰定数が小さかった。比較例4品は、補強性充填剤を配合していないため、剛性が小さかった。比較例5品は、補強性充填剤および減衰性充填剤をいずれも配合しているが、減衰性充填剤の混合比が高いため、剛性が小さかった。比較例6品は、補強性充填剤および減衰性充填剤をいずれも配合しているが、補強性充填剤の混合比が高いため、減衰定数が小さかった。比較例7品は、ジブロック成分等の含有量が小さいため、減衰性能が劣っていた。比較例8品は、ジブロック成分等の含有量が大きいため、コールドフロー性が劣っていた。
本発明の高減衰エラストマー組成物は、建築用の制震壁,制震ダンパー等の制震装置や免震装置に好適に用いられるが、これに限定するものではなく、例えば、家電用や電子機器用の制振ダンパー,制振材,衝撃吸収材の他、自動車用の制振材,衝撃吸収材等に用いることもできる。
Claims (2)
- 下記の(A)〜(D)を必須成分とする高減衰エラストマー組成物であって、下記の(A)成分中のジブロック成分(a)と、(B)成分との合計割合が、(A)成分と(B)成分との合計量全体の70〜95重量%の範囲内であり、かつ、下記の(C)成分と、(D)成分との重量混合比が、(C)成分/(D)成分=1/5〜5/1の範囲内であることを特徴とする高減衰エラストマー組成物。
(A)ジブロック成分(a)を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー。
(B)未加硫ゴム。
(C)補強性充填材。
(D)減衰性充填材。 - 上記(C)成分と(D)成分との合計配合量が、上記(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内である請求項1記載の高減衰エラストマー組成物。
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