JPH10205576A - 管状複合体 - Google Patents

管状複合体

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JPH10205576A
JPH10205576A JP1285998A JP1285998A JPH10205576A JP H10205576 A JPH10205576 A JP H10205576A JP 1285998 A JP1285998 A JP 1285998A JP 1285998 A JP1285998 A JP 1285998A JP H10205576 A JPH10205576 A JP H10205576A
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JP
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viscoelastic
tubular
weight
tubular body
layer
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JP1285998A
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English (en)
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Hirobumi Kakimoto
博文 柿本
Osamu Kiso
木曽  治
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Hayakawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Hayakawa Rubber Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L55/00Devices or appurtenances for use in, or in connection with, pipes or pipe systems

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状の制振部材の制振性能を向上させ、かつ
制振部材を軽量化できるようにする。 【解決手段】 管状体1と管状体1の内側空間2に設け
られた粘弾性体3Eとを備えており、管状体1の外側か
ら伝わる振動が低減する管状複合体を得る。管状体1の
軸に平行な断面又は管状体1の軸に垂直な断面で見て、
管状体1の厚さ方向の粘弾性体3Eの厚さが変化してお
り、これによって、粘弾性体3Eに、管状体1の内壁側
とは反対側に突出している肉厚部と管状体1の内壁側に
陥入している肉薄部とが形成されており、管状体1が加
振されて変形したときに、管状体1の変形に追従して、
前記肉厚部と肉薄部とがそれぞれ変形して異なる伸縮を
示すことで、管状体1の振動が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制振部材及び制振構
造材として適した、軽量で振動吸収性能に優れた管状複
合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、商品性能の向上を目的とし、騒音
問題がクローズアップされてきている。その対象は、生
活空間に留まらず、作業空間にまで及んでおり、振動、
騒音を減らす技術が注目されている。又、一方では、ゴ
ミ処理問題の観点から、産業廃棄物を有効利用する技術
がクローズアップされている。騒音は物体の振動により
生じる故、振動吸収性能の優れた構造部材を使用して、
振動系の構造部材の共鳴、共振現象を排除することが、
最も効率的な騒音低減策である。
【0003】従来から、機械部材や構造体の支柱や動力
伝達等の軸は、管状体が多用されている。管状体は、重
量の少ない割に高い剛性が得られるので、支柱や軸を軽
量化できるからである。しかし、上記の支柱や軸は、機
械等の振動を受けて共振し、機械等の振動を増幅させ、
騒音を発生させ易い。このため、騒音公害を防止し、か
つ作業環境を改善するために、騒音対策が要望されてい
る。ところが、これらの支柱や軸は、機構上、機械等に
対して強固に結合されている場合が大半である。即ち、
支柱や軸に対して、振動絶縁物を介して機械等を結合す
る事が、機構上不可能な場合が多い。
【0004】一般に振動を防止する原則としては、
(1)重量増又は剛性強化、(2)共振の回避、(3)
振動の減衰、の3つの原則しかない。しかし、支柱や軸
を管状体にした場合には、管状体を厚くし、更には管状
体の代わりに中実の棒を使用し、支柱や軸の重量を増加
させても、共振周波数の変化は見られるが、(3)振動
の減衰効果は見られない。その為、従来は、(2)共振
の回避が行われていた。即ち、特定箇所に重量物を取付
けて局部的に重量を増加させる事により、管状体の共振
周波数を、振動源の周波数と異なった点にずらし、これ
により、共振による振動増幅を回避していた。しかし、
この方法では、振動源の周波数帯域が狭い場合しか効果
が得られないし、共振点を可聴音域外にずらす事は不可
能である。従って、必ずしも、実用的な防音効果を発揮
できるものではない。
【0005】一方、(3)振動の減衰を目的として、構
造部材自体に振動エネルギーを吸収させる性能を持たせ
る手段として、鋼板の場合には多くの手段が公知であ
る。例えば、特公昭39-12451号公報、特公昭45-34703号
公報等には、2枚の鋼板の間に、力学的損失率の高い粘
弾性体を挟んだ制振鋼板が開示されている。この様なサ
ンドイッチ形構造を管状体に適用すると、内側管状体と
外側管状体との間に粘弾性物質を挟みこんだ制振管が得
られる。しかし、こうした制振管では、鋼板の場合と異
なり、高い制振性を得る事は出来ない。
【0006】そこで、本発明者等は、以前に特公昭63-9
978 号公報において、粘弾性体を管状物内部全体に充填
した場合に、著しく制振効果を発揮することを開示し
た。上記方法では、制振性は充分あるものの、重量増と
なり、モーター等の駆動源の馬力アップを行わざるを得
ないことが多いし、また重量が増加したために運搬、移
動が難しくなった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、管状
の制振部材の制振性能を向上させ、かつ制振部材を軽量
化できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、管状体とこの
管状体の内側空間に設けられた粘弾性体とを備えてお
り、前記管状体の外側から伝わる振動を低減させる管状
複合体であって、前記管状体の軸に平行な断面又は前記
管状体の軸に垂直な断面で見て、前記管状体の厚さ方向
の前記粘弾性体の厚さが変化しており、これによって、
前記粘弾性体に、前記管状体の前記内壁側とは反対側に
突出している肉厚部と前記管状体の前記内壁側に陥入し
ている肉薄部とが形成されており、前記管状体が加振さ
れて変形したときに、前記管状体の変形に追従して、前
記肉厚部と肉薄部とがそれぞれ変形して異なる伸縮を示
すことで、前記管状体の振動が抑制される、管状複合体
に係るものである。
【0009】本発明者は、制振部材の制振性能を損なわ
ずに、いかに軽量化するかについて種々実験を重ねた。
管状体の内壁全体に均一に粘弾性体層を設けていたのだ
が、ここで通常の発想を逆転し、管状体の内壁に付いた
粘弾性体層の厚さを一部で大きく減らし、更には一部で
粘弾性体層を全く除去して騒音試験等を実施してみた。
その結果、このように粘弾性体層の厚さを不均一にし、
粘弾性体層の総重量を減らした方が、かえって制振性能
が向上するという驚くべき結果を得た。
【0010】具体的には、管状体の内壁に付いた粘弾性
体層の厚さを一部で大きく減らし、更には一部で粘弾性
体層を全く除去すると、優れた制振性を発揮する事がで
き、衝撃時の発音量を低減させ、尚かつ、減衰速度も速
くなり、騒音低減効果が非常に高くなるという知見を
得、本発明を完成した。
【0011】又、本発明においては、産業廃棄物の有効
な利用手段を提供することもできる。特に、非加硫ゴム
系粘弾性体やブロックポリマー系粘弾性体においては、
再生ゴムや発泡スチロール等の多くのプラスチック等の
産業廃棄物を混合することで、粘弾性体のガラス転移温
度やバネ定数を調整することができる。粘弾性体のガラ
ス転移温度やバネ定数は、制振部材の制振性能を左右す
る。従って、上記の産業廃棄物個々の特性を利用し、制
振部材の使用温度に合わせて粘弾性体のガラス転移温度
やバネ定数を調節し、最適な制振効果を得ることが出来
る。ノルボーネン樹脂系粘弾性体においては、オイル系
の産業廃棄物を粘弾性体に混合し、利用することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の管状複合体は、管状体
と、この管状体の内側空間に設けられた粘弾性体層とを
備えている。管状体の中心軸に対して垂直方向にみた断
面形状は、三角形、四角形、ひし形、六角形など、種々
変更できる。
【0013】管状体は、制振部材の剛性を確保するため
のものである。管状体の材質は、金属、セラミックス、
ガラス等の無機物であってよく、プラスチック、木質
材、紙等の有機物であってよく、上記の各材料の複合体
であってよい。金属としては、鋼、アルミニウム、銅、
鉛、これらの合金等がある。セラミックスとしては、陶
器、磁器、石膏、セメント等がある。
【0014】プラスチックとしては、塩化ビニル、アク
リル、メタクリル、フェノール、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等が例示できる。木質材としては、中央部に空
洞を設け、管状とした物であれば良い。紙としては、紙
管と称される物や、紙管に樹脂等を含浸させて剛性を付
与した物がある。これらの管状体の外周面及び/又は内
周面に、塗装やメッキを施し、美観や耐久性を付与して
もよい。
【0015】本発明でいう粘弾性体とは、弾性変形と粘
性流動が重なって現れる現象を示す物質の総称である。
この粘弾性体に求められる条件は、振動減衰効果が高い
こと、長期にわたり変質しないこと、管状体内壁に密着
すること、80℃以下で流動しないこと及びできるだけ軽
量であること、である。しかし、一般的に供用される粘
弾性体とは異なり、大きな伸縮変位量に対する追従性
や、耐酸化劣化性、耐候性といった多種類の耐久性は不
要である。従って、下記の様な幅広い粘弾性体を使用で
きる。
【0016】一方、従来は、剛性が低い粘弾性体の方
が、制振性能を発揮しやすい材質であるとして多用され
ている。しかし、必ずしもそうではなく、高剛性を示す
粘弾性体であっても、本発明の目的を充分に果たす事が
出来るものである。
【0017】上記観点から、制振部材の使用条件に応じ
て、多くのポリマー材質を単独若しくは併用し、最適な
ポリマー組成を得る事が出来る。次に、粘弾性体につい
て具体的に例示する。本発明に好適に用いられる粘弾性
体は次の4つに分類する事ができる。即ち、(1)非加
硫ゴム系粘弾性体、(2)ブロックポリマー系粘弾性
体、(3)熱可塑性樹脂系粘弾性体、(4)液状反応硬
化型粘弾性体、(5)液状吸油固化型粘弾性体、であ
る。
【0018】各粘弾性体を説明する。 (1)非加硫ゴム系粘弾性体:ブチルゴム、ブチル再生
ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリイソブチレン、イソ
プレン、クロロプレン、エチレンプロピレン共重合体、
ブタジエン、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル共重合体、天然ゴム、アクリルゴム、エピクロル
ヒドリンゴム、シリコンゴム、フッソゴム等のゴム原料
を使用する。2種類以上併用してもよい。
【0019】これらのゴム原料を、可塑剤、充填剤、粘
着付与樹脂、瀝青物等を適宜配合し、ゴム組成物を作
る。特に、ブチルゴム系を使用する際に、自動車チュー
ブやブチルゴムの産業廃棄物より再生した再生ブチルゴ
ムを使うと、コールドフロー性が改善され、加硫ゴムゲ
ル分を系内に導入することができ、80℃以下での流動性
を改善する効果が高く、好適であることを発見した。
【0020】又、使用温度域が室温近傍である場合に
は、特に粘弾性体のガラス転移点を室温近くにする為
に、瀝青物、粘着付与樹脂その他の樹脂等やその産業廃
棄物を併用する事が望ましい。この場合、一般的には、
相溶性の良い樹脂を用いると、制振特性の極大値を幅広
い温度範囲でとる事が出来る。しかし、相溶性の悪い樹
脂を混合しても、極大値が複数に分かれるものの、極大
値を有する温度域を互いに近づける為に配合面での工夫
を行う事により、制振性能のピーク値はある程度犠牲に
せざるを得ないとしても、より広い温度範囲をカバーし
得る粘弾性体とする事ができる。
【0021】非加硫ゴム系粘弾性体では、通常、粘弾性
体自体の剛性が低くなる傾向がある。このため、管状体
の内壁に適用した場合に、共振周波数が低周波へとシフ
トする場合が多い。ここで、前記の如く他の樹脂を併用
する事により、粘弾性体の剛性を上げ、共振周波数を高
周波側へシフトさせる事ができる。
【0022】(2)ブロックポリマー系粘弾性体:ソフ
トセグメントとハードセグメントとを1分子中に有する
ポリマーを、メインポリマーとする。ソフトセグメント
としては、SIS 、SBS 、SEBS、熱可塑性ウレタン、熱可
塑性ポリエステル、オレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビ
ニル系エラストマー、塩素化エチレンコポリマー、シン
ジオタクチック1,2─ポリブタジエン等がある。
【0023】上記のメインポリマーに、可塑剤、充填
剤、粘着付与樹脂等を適宜配合し、ブロックポリマー用
組成物を得る。(1)非加硫ゴム系粘弾性体の場合と同
様、ガラス転移点等を考慮し、その他の樹脂や瀝青物、
ワックス類を添加して制振特性を調整する事ができる。
【0024】(3)熱可塑性樹脂系粘弾性体:メインポ
リマーとして、エチレン─酢酸ビニル共重合体、酢酸ビ
ニル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、飽和ポリエステル、イソブチレン─無水マ
レイン酸共重合体樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、エチ
レン─塩化ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、フェ
ノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を、単独又は併用する。こ
のメインポリマーに、可塑剤、充填材、粘着付与樹脂等
を適宜配合する。前記と同様、ガラス転移点等を考慮
し、その他の樹脂や瀝青物、ワックス類を添加して制振
特性を調整する事ができる。
【0025】次に、(4)液状反応硬化型粘弾性体、
(5)液状吸油固化型粘弾性体について説明する。いず
れも、支持材に粘弾性体層を固定する必要がある。 (4)液状反応硬化型粘弾性体:
【0026】液状反応硬化型粘弾性体としては、ポリブ
タジエン、クロロプレン、イソプレン、スチレンブタジ
エン、アクリロニトリルブタジエン、芳香族系短鎖ジオ
ール等の主鎖骨格に、末端反応基を1分子当り2ケ以上
有するもの;主鎖骨格中の二重結合を架橋点とするも
の;これらの併用系;ポリサルファイド、ウレタン、シ
リコン、変性シリコン等のゴム弾性に富んだもの;エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フラン樹脂等の剛性の高い樹脂;を例示する事ができ
る。液状反応硬化型粘弾性体を得るための主剤と硬化剤
の反応性基の組合せを、表1に記載した。
【0027】
【表1】
【0028】(5)液状吸油固化型粘弾性体:吸油性
と、吸油後に粘弾性体を形成する性質とを有するものを
いい、ノルボーネン樹脂が代表例である。例えば、ノル
ボーネン樹脂と可塑剤、充填剤、粘着付与樹脂等を配合
して得られる。前記と同様に瀝青物やその他の樹脂や添
加剤を配合し、粘弾性体の供用条件に適した制振性を与
えることができる。又、プラスチックやゴムの粉砕品
(廃棄物)を配合したり、産業廃棄物となった廃油を可
塑剤成分として使用する事もできる。
【0029】次に、粘弾性体に配合して制振性の調整や
成形作業の安定化等を行う為の、配合材について説明す
る。可塑剤とは、ポリマー間の潤滑剤的役割を演じ、分
子間の流動性を助け、分子間内部摩擦を減少させて可塑
性を与える物である。
【0030】可塑剤の具体例としては、ナフテン系オイ
ル、芳香族系オイル、パラフィン系オイルより成る石油
系軟化剤;ヒマシ油、大豆油、パインタール等の動植物
油;DBP 、DOP 等から成るフタル酸エステル系;DOA 、
DBS 等から成る脂肪族二塩基酸エステル系;TOTM、TDTM
等より成るトリメリット酸エステル系;エポキシ化脂肪
酸モノエステル、エポキシ化亜麻仁油等から成るエポキ
シ系;TCP 、TOP 等より成るリン酸エステル系;ジブチ
ルカルビトールアジペート、トリエチレングリコールジ
‐2‐エチルブチレート等より成るエーテル系;アジピ
ン酸ポリエステル、アゼライン酸ポリエステル等より成
るポリエステル系;塩素化脂肪酸エステル、塩素化パラ
フィン等より成る塩素系;等の可塑剤がある。また、ポ
リブテンや末端反応基を含まない液状ゴムを可塑剤とし
て使用できる。可塑剤は、単独で使用でき、又は併用で
きる。
【0031】充填剤は、振動減衰性、比重、軽量化、熱
伝導性、難燃性の改善に効果があり、ゴム及び塗料関連
業界で一般に使用されるものが使用できる。その具体例
としては、マイカ、グラファイト、ヒル石、タルク、ク
レー等の鱗片状無機粉末;フェライト、亜鉛華、酸化
鉄、金属粉、硫酸バリウム、リトポン等の高比重及び熱
伝導性充填剤;炭酸カルシウム、微粉シリカ、カーボ
ン、炭酸マグネシウム等の汎用充填剤;三酸化アルチモ
ン、硼砂、水酸化アルミニウム等の難燃性向上充填剤;
ガラス中空粉末、パーライト、樹脂発泡体粉末、ゴム発
泡体粉末、樹脂粉末、ゴム粉末、繊維粉末、紙粉末等の
軽量化充填剤;がある。
【0032】粘着付与樹脂は、管状体内壁への密着効果
と振動減衰性を向上させる効果がある。その具体例とし
ては、天然樹脂、ロジン、変性ロジン、ロジン及び変性
ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性
体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹
脂、芳香族系石油樹脂:フェノール樹脂、アルキルフェ
ノール‐アセチレン系樹脂、キシレン樹脂、クマロン‐
インデン樹脂、ビニルトルエン‐αメチルスチレン共重
合体等があり、単独で使用でき、又は併用できる。
【0033】瀝青物は、管状体内壁への密着効果と振動
減衰性を向上させる効果がある。その具体例としては、
ストレートアスファルト、ブロンアスファルト、ター
ル、ピッチが挙げられる。その他の配合剤としては防錆
剤、老化防止剤、加硫剤、触媒、界面活性剤等が挙げら
れ、必要に応じて添加する事が出来る。
【0034】粘弾性体層を外部から管状体内へと挿入
し、所定位置に固定するときには、粘弾性体層が変形す
るので、面倒で時間のかかる作業が必要である。しか
し、粘弾性体層を支持材に対して固定し、次いでこの支
持材を管状体内に挿入し、固定すると、粘弾性体層自体
の挿入、固定作業が不必要なので、非常に製造が容易に
なる。また、支持材を外部部材に固定すると、支持材が
振動の拘束材として働くので、制振性が一層向上する。
【0035】支持材の材質は、金属、セラミックス、
紙、木質材、ゴム、プラスチック、繊維等が使用でき
る。ただし、管状体が金属製である場合には、支持材が
金属製であって、かつ支持材が管状体に接触している
と、錆を誘発する。従って、この場合には、支持材を、
金属以外の材料で形成する。
【0036】支持材は、粘弾性体層の中に挿入して芯材
として使用することができる。また、支持材を粘弾性体
層の周囲の全部又は一部に接触させてもよい。支持材に
粘着材、接着剤を塗布し、支持材を管状体内に挿入し、
支持材を管状体内壁に粘着又は接着させることができ
る。また、支持材として熱融着性フィルムを使用し、熱
融着性フィルム上に粘弾性体層を載せて管状体内に挿入
し、次いでフィルムを加熱して粘弾性体層を管状体内壁
に融着させることができる。
【0037】支持材の形状は、シート状、フィルム状、
凹凸フィルム状、織布状、不織布状、網状、紐状、糸
状、針金状、テープ状等を例示できる。特に、支持材が
弾性体製のフィルムからなり、このフィルムが管状体の
内壁に取り付けられており、フィルムによって凹部と凸
部とが交互に形成されており、凸部内に空気室が設けら
れており、凹部に前記粘弾性体層が設けられている場合
には、特に軽量化の効果が大きく、かつ同時に制振効果
も大きくなった。更に、こうした支持材及び粘弾性体層
の上に、繊維層と遮音層(高比重シート状物)を設ける
と、制振効果が最も大きく向上することが判った。
【0038】粘弾性体層及び支持材の合計厚さは、管状
体の厚さ以上とすると、制振効果が大きくなる。以下、
図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。図1
(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切ってみた
断面図であり、図1(b)は、管状複合体を、軸に垂直
な方向で切ってみた断面図である。
【0039】本例では、管状体1は円筒形状である。管
状体1の端部1a、1bはそれぞれ開放されている。管
状体1の内壁1cに、粘弾性体層3Aが形成されてい
る。粘弾性体層3Aは、端部1aと1bとの間に延びて
おり、その幅方向断面は略円形である。粘弾性体層3A
の内部に、紐状の支持材4が内蔵され、支持材4も、端
部1aと1bとの間に延びている。
【0040】本例では、支持材4は、粘弾性体層3Aの
芯材として作用している。粘弾性体層3Aを内側空間2
内に固定するときには、支持材4を引っ張ることで粘弾
性体層3Aを内側空間内で移動させる。粘弾性体層3A
は、管状体1の軸に垂直な断面において一部分のみに設
けられている。
【0041】図2(a)は、管状複合体を、軸に平行な
方向で切ってみた断面図であり、図2(b)は、管状複
合体を、軸に垂直な方向で切ってみた断面図である。管
状体1の内壁1cに、平坦な粘弾性体層3Bが固定さ
れ、粘弾性体層3Bの表面が、シート状の支持材14に
よってほぼ被覆されている。粘弾性体層3B及び支持材
14は、端部1aと1bとの間に延びている。粘弾性体
層3Bは、管状体1の軸に垂直な断面において一部分の
みに設けられている。
【0042】こうした管状複合体を製造する際には、支
持材14の上に、好ましくは液状の、粘弾性体用の組成
物を入れ、この状態で支持材14を管状体1の内側空間
2に収容し、上記の組成物を内壁1cに接触させ、加熱
して硬化させ、粘弾性体層3Bを形成する。即ち、支持
材14は、不定型の液状組成物を保持する一種の型枠と
して作用する。こうした製造方法であれば、様々な形状
の粘弾性体層を簡単に形成できる。
【0043】図3(a)は、管状複合体を、軸に平行な
方向で切ってみた断面図であり、図3(b)は、管状複
合体を、軸に垂直な方向で切ってみた断面図である。管
状体1の内壁1cに、平坦な支持材24が固定され、支
持材24の上に、シート状の粘弾性体層3Cが固定され
ている。粘弾性体層3C及び支持材24は、端部1aと
1bとの間に延びている。粘弾性体層3Cは、管状体1
の軸に垂直な断面において一部分のみに設けられてい
る。
【0044】粘弾性体層3Cを内側空間2内に固定する
ときには、粘弾性体層3Cを支持材24に載せ、支持材
24を内側空間2内に収容し、支持材24を内壁1cに
固定する。好ましくは、支持材24の材質として、熱融
着性フィルムを使用し、この熱融着性フィルムを内壁1
cに接触させ、次いで熱融着性フィルムを加熱し、粘弾
性体層3Cを内壁1cに融着させる。
【0045】図4(a)は、管状複合体を、軸に平行な
方向で切ってみた断面図であり、図4(b)は、管状複
合体を、軸に垂直な方向で切ってみた断面図である。支
持材34は、弾性体製のフィルムからなる。このフィル
ムが管状体1の内壁1cに取り付けられており、フィル
ムによって凹部と凸部とが交互に形成されている。各凸
部内に空気室5が設けられており、各凹部に粘弾性体層
3Dが設けられている。
【0046】粘弾性体層3D、支持材34は、管状体1
の軸に平行な断面において、端部1a、1bの周辺のみ
に設けられている。この部分では、粘弾性体層3D、支
持材34は、管状体1の軸に垂直な断面において、内壁
1cの全周にわたって設けられている。
【0047】図5(a)は、管状複合体を、軸に平行な
方向で切ってみた断面図であり、図5(b)は、管状複
合体を、軸に垂直な方向で切ってみた断面図である。こ
の粘弾性体層3D、支持材34は、図4(a)、(b)
に示したものと同じである。本例では、更に、粘弾性体
層3D上に、繊維層6及び遮音層7が形成されている。
管状体1の軸に垂直な断面を見ると(図5(b))、繊
維層6及び遮音層7は、いずれも円環状である。
【0048】図6(a)は、管状複合体を、軸に平行な
方向で切ってみた断面図であり、図6(b)は、管状複
合体を、軸に垂直な方向で切ってみた断面図である。管
状体1の内壁1cに、紐状の粘弾性体層3Eが固定され
ている。粘弾性体層3Eは、端部1aと1bとの間に延
びている。粘弾性体層3Eは、管状体1の軸に垂直な断
面において一部分のみに設けられている。
【0049】図7(a)、図7(b)に示す例では、管
状体1の内壁1cに、紐状の粘弾性体層3Fが、端部1
aの周辺と端部1bの周辺とに、それぞれ設けられてい
る。これらの部分では、粘弾性体層3Fは、管状体1の
軸に垂直な断面において、内壁1cの全周にわたって設
けられているが、その厚さは均一ではなく、凹凸が認め
られる。
【0050】図8(a)、図8(b)に示す例では、管
状体1の内壁1cに、紐状の粘弾性体層3Gが形成され
ている。特に、粘弾性体層3Gは、管状体1の軸を主軸
とする螺旋形状をなすように、内壁に固定されている。
【0051】また、図9(a)に示すように、紐状の粘
弾性体層3Hを、内壁1cの4箇所に固定することがで
きる。図9(a)の例では、特に、各粘弾性体層3Hが
互いに約90°の角度をなすように、配置されている。
また、図9(b)に示すように、内壁1cに、多数の紐
状の粘弾性体層3Iを、乱雑に配置することができる。
【0052】
【実施例】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。まず、下記の各配合物A〜Eを調製し、各配合物か
ら各粘弾性体を製造した。
【0053】
【表2】 (配合物A:非加硫ゴム系粘弾性体) ブチルゴム(日本合成ゴム株式会社製「JSR BUTYL268」) 70重量部 ポリイソブチレン(エッソスタンダード製「ビスタネックスL─100」 30重量部 ポリブテン 100重量部 テルペン樹脂(安原ケミカル社製「YSレジンPX 100」) 80重量部 重質炭酸カルシウム 100重量部 タルク 70重量部 合計 450重量部
【0054】
【表3】 (配合物B:非加硫ゴム系粘弾性体) 再生ブチルゴム(早川ゴム株式会社製糊用ブチル再生ゴム)100重量部 ポリブテン 80重量部 可塑剤(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW─380」) 20重量部 ストレートアスファルト60/80 100重量部 粉末ゴム(早川ゴム社製タイヤ粉末40メッシュパス) 50重量部 脂肪族系炭化水素樹脂(日本ゼオン社製「クイントンA─100」) 80重量部 芳香族系石油樹脂(三井石油化学製「ペトロジン♯80」) 50重量部 クレー 100重量部 重質炭酸カルシウム 100重量部 合計 680重量部
【0055】
【表4】 (配合物C:ブロックポリマー系粘弾性体) SIS(シェル化学社製「カリフレックスTR1117」)100重量部 芳香族系炭化水素樹脂(日本石油化学製「日石ネオポリマー120」) 60重量部 発泡スチロール粉砕品(産業廃棄物) 30重量部 可塑剤(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルAH─16」) 90重量部 テルペン樹脂(安原ケミカル社製「YSレジンPX 800」)30重量部 タルク 50重量部 重質炭酸カルシウム 150重量部 合 計 510重量部
【0056】
【表5】 (配合物D:熱可塑性樹脂系粘弾性体) 飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製「バイロン300」) 80重量部 塩化ビニル樹脂(三菱化成ビニル社製「サンプレーン7105」) 20重量部 ジオクチルフタレート 40重量部 タルク 100重量部 テルペンフェノール樹脂(安原ケミカル社製「YSポリスター♯2100」) 20重量部 合 計 260重量部
【0057】
【表6】 (配合物E:液状反応硬化型粘弾性体) 水酸化末端液状ポリブタジエン(出光石油化学社製「Poly BD R-45HT」) 100重量部 ストレートアスファルト60/80 200重量部 キシレン樹脂(三菱ガス化学社製「ニカノールL」) 20重量部 可塑剤(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルAH─16」) 50重量部 ハードクレー 130重量部 主剤合計 500重量部 硬化剤(日本ポリウレタン社製「ミリオネートMTL 」) 12重量部 合 計 512重量部
【0058】次いで、下記の各管状複合体を製造した。
管状体1としては、外径48.6cm、内径44cm、
長さ1000mm、厚さ2.3mmの鋼管を使用した。
そして、上記の各配合物A〜Eを用い、それぞれ粘弾性
体を形成した。
【0059】(実施例1)図1に示す管状複合体を製造
した。支持材4としては、ポリプロピレン製の紐を用い
た。粘弾性体層3Aの最大厚さは6mmにした。 (実施例2)図2に示す管状複合体を製造した。粘弾性
体層3Bの上に、ポリプロピレン製のテープ状の支持材
14を設けた。粘弾性体層3Bと支持材14との厚さの
合計の最大値は3mmであり、粘弾性体層3Bの幅は2
0mmである。
【0060】(実施例3)図7に示す管状複合体を製造
した。粘弾性体層3Fの最大厚さは3mmにした。 (実施例4)図8に示す管状複合体を製造した。粘弾性
体層3Gの最大厚さは5mmにした。
【0061】(実施例5)図2に示す粘弾性体層3B及
び支持材14を、管状体1の内壁の2箇所に、互いに相
対向するように設けた。各粘弾性体層3Bの上に、ポリ
プロピレン製のテープ状の支持材14を設けた。粘弾性
体層3Bの厚さの最大値は2.5mmであり、幅は20
mmであり、支持材14の厚さは0.5mmである。
【0062】(実施例6)図3に示す管状複合体を製造
した。支持材24としては、ポリオレフィン系ホットメ
ルトフィルムを用いた。このフィルムの上に粘弾性体層
3Cを設け、粘弾性体層3Cを内壁1cに熱融着させ
た。支持材24と粘弾性体層3cとの合計最大厚さを3
mmにした。
【0063】(実施例7)図4に示す管状複合体を製造
した。支持材34を、内壁1cに対して、粘着剤で粘着
させた。 (実施例8)図5に示す管状複合体を製造した。
【0064】(比較例1)前記鋼管を用いた。 (比較例2)粘弾性体層を、鋼管の内壁の全面にわたっ
て、厚さ1.5mmで設けた。
【0065】各例の管状複合体又は鋼管について、下記
の各特性を測定し、各測定値を表7に示した。図10に
概略的に示すような測定装置を用いた。供試体11をつ
り糸10で支持した。供試体11を構成する管状体1の
軸の延長上にマイク12を設置し、マイク12、騒音計
13、周波数分析機15、記録計16を順次に接続し
た。
【0066】更に、測定条件として、マイク12の高さ
は1.2mとし、マイク12と供試体11との距離を1
mとし、供試体11の高さを1.2mとした。支点9に
長さ600mmのつり糸10をかけ、つり糸10の末端
に45gのおもり8を吊り下げた。マイク12の反対方
向におもり8を持ち上げ、つり糸10を水平面から約9
0°の角度に固定し、次いで、振り子の原理でおもり8
を落下させて供試体11に衝突させた。
【0067】この衝突時の発生音のピーク値(dB)を
測定し、表7に示した。また、比較例1(鋼管単体)に
おける発生音のピーク値98dBを基準値とし、この基
準値からの発生音のピーク値の改善量を、表7に示し
た。また、上記の衝突時から、発生音が20dB減衰す
るまでの時間を測定し、振動減衰時間(ms)として、
表7に示した。
【0068】また、鋼管単体の重量を測定しておき、つ
いで粘弾性体層等を形成した後の管状複合体の重量を測
定し、重量の増加量を算出した。この重量の増加量を、
下の鋼管単体の重量で除し、重量増加率を算出し、表7
に示した。
【0069】
【表7】 実施例 比較例 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 粘弾性体の 配合物 A A C D B B E E − D 粘弾性体層 等の最大厚さ (mm) 6 3 3 5 3 3 4 8 ─ 1.5 発生音のピー ク値 〔dB(A)〕82 80 80 79 76 81 79 74 98 93 発生音の改善量 〔dB(A)〕16 18 18 19 22 17 19 24 ─ 5 振動減衰時間 (ms) 60 70 50 65 40 55 45 35 270 150 重量増加率 (%) 2 2 4 2 8 3 1 6 ─ 9 管状複合体の 構造 図1 図2 図7 図8 図2の 図3 図4 図5 ─ ─ 変形
【0070】実施例1は、発音量が比較例1よりも16
dB改善されており、振動減衰時間は比較例1の約1/
4であり、重量増加率は僅か2%である。実施例2は、
発音量が比較例1よりも18dB改善されており、振動
減衰時間は比較例1の約1/4であり、重量増加率は僅
か2%である。
【0071】実施例3は、発音量が比較例1よりも18
dB改善されており、振動減衰時間は比較例1の約1/
5であり、重量増加率は僅か4%である。実施例4は、
発音量が比較例1よりも19dB改善されており、振動
減衰時間は比較例1の約1/4であり、重量増加率は僅
か2%である。
【0072】実施例5は、発音量が比較例1よりも22
dB改善されており、振動減衰時間は比較例1の約1/
7であり、重量増加率は8%である。実施例6は、発音
量が比較例1よりも17dB改善されており、振動減衰
時間は比較例1の約1/5であり、重量増加率は僅か3
%である。
【0073】実施例7は、発音量が比較例1よりも19
dB改善されており、振動減衰時間は比較例1の約1/
6であり、重量増加率は僅か1%である。この例は、特
に軽量の制振層によって、大きな効果が得られている。
実施例8は、発音量が比較例1よりも24dB改善され
ており、振動減衰時間は比較例1の約1/8であり、重
量増加率は僅か6%である。この例は、特に制振特性が
優れている。
【0074】比較例2は、発音量が比較例1よりも5d
B改善されており、振動減衰時間は比較例1の約1/2
であり、重量増加率は9%である。この例では、確かに
制振効果がかなり認められるけれども、本発明例では、
更に重量増加率が大幅に低減されており、かつ更に振動
減衰時間が大幅に短くなり、発生音のピーク値が大幅に
低くなっている。
【0075】前記と同様にして各管状複合体を製造し、
それらの制振特性を評価した。ただし、各粘弾性体層を
構成するための配合物F〜Iの配合は、以下に示すよう
にした。
【0076】
【表8】 (配合物F:吸油固化型粘弾性体) ノルボーネン樹脂粉末(日本ゼオン社製「ノーソレックス」)100重量部 テルペン樹脂(安原ケミカル製「ダイマロン」) 30重量部 自動車工場の廃油 300重量部 古紙粉末 50重量部 ゴム発泡体粉砕品 120重量部 合計 600重量部
【0077】配合物Gは、一液反応型コーキング剤を使
用した(ウレタンコーキング:大鹿振興社製「TU─1
36H」)。
【0078】
【表9】 (配合物H:常温反応硬化型粘弾性体) エポキシ樹脂(旭化成工業株式会社製「AER331」) 90重量部 エポキシ樹脂(ダウケミカル社製「DER732」) 10重量部 ゴム発泡体粉砕品 50重量部 微粉シリカ 20重量部 パラノニルフェノール 1重量部 主剤の合計 171重量部 ポリアミン(三和化学社製「サンマイドM─1001」) 100重量部 クレー 50重量部 DOP 20重量部 硬化剤の合計 170重量部 主剤と硬化剤との合計 341重量部
【0079】
【表10】 (配合物I:液状反応硬化型粘弾性体、高ゴム弾性型) 水酸化末端液状ポリブタジエン(出光石油化学社製「Poly BD R-45HT」) 100重量部 ストレートアスファルト60/80 200重量部 可塑剤(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルAH─16」) 100重量部 クレー 50重量部 主剤合計 450重量部 硬化剤(日本ポリウレタン社製「ミリオネートMTL 」) 12重量部 合 計 465重量部
【0080】上記と同様にして、実施例9〜13の管状
複合体を製造した。管状体1は、上記実施例のものを用
いた。 (実施例9)図8に示す管状複合体を製造した。深さ約
5mmのらせん形状の溝を有する発泡スチロール製円筒
を、管状体1の内側空間2に挿入し、円筒の溝に、配合
物Hを流し込み、常温で反応させ、硬化させ、粘弾性体
層3Gを形成した。次いで、トルエンで発泡スチロール
を溶解させ、除去した。
【0081】(実施例10〜13)図6に示す管状複合
体を製造した。粘弾性体層3Eの最大厚さは約3mmと
した。これらの各実施例について、上記の各試験を実施
した。この結果を下記表11に示す
【0082】
【表11】 実施例 比較例 9 10 11 12 13 1 2 粘弾性体の 配合物 H F G H I − D 粘弾性体層 等の最大厚さ (mm) 5 3 3 3 3 ─ 1.5 発生音のピー ク値 〔dB(A)〕 78 79 79 83 76 98 93 発生音の改善量 〔dB(A)〕 20 19 19 15 22 ─ 5 振動減衰時間 (ms) 60 45 90 75 35 270 120 重量増加率 (%) 12 7 11 10 9 ─ 9 管状複合体の 構造 図8 図6 図6 図6 図6 ─ ─
【0083】実施例9は、常温で硬化し、高い剛性を示
す粘弾性体を使用した例であり、粘弾性体層の厚さは、
管状体1の厚さの約2倍である。発音量が比較例1より
も20dB改善されており、振動減衰時間は比較例1の
約1/4.5であり、重量増加率は12%である。実施
例10〜13は、紐状の粘弾性体層を適用した例だが、
各例とも、発音量、振動減衰時間が改善されており、か
つ重量増加率も小さい。特に、比較例2と比べると、管
状体内壁の一部に紐状の粘弾性体層を設けた方が、管状
体内壁の全面に粘弾性体層を均一に設けるよりも、制振
特性が改善されているのが判る。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、管状体の内壁に付いた
粘弾性体層の厚さを不均一にし、一部で大きく減らし、
更には一部で粘弾性体層を全く除去すると、かえって優
れた制振性を発揮する事ができ、衝撃時の発音量を低減
させ、尚かつ、減衰速度も速くなり、騒音低減効果が非
常に高くなる。
【0085】これにより、制振処理用管状体の軽量化に
成功した。この結果、機械回転体等の動力部材において
は、動力ロスの低減が可能となり、動力源の出力アップ
も必要ない。構造部材に於いては、構造体自体が軽量化
されるので、下部構造の小型化、運搬ロスの減少が可能
となる。また、粘弾性体の使用量の減少によるコスト低
減により、多くの用途への適用が可能となり、メリット
が大きい。特に、支持材を使用した場合においては、支
持材を用いて粘弾性体層を管状体内に入れたり、粘弾性
体層の成形に用いることにより、管状複合体の生産性が
向上する。
【0086】又、自動車チューブやブチルゴム廃棄物か
らの再生ブチルゴム、発泡スチロール廃棄物、各種工場
からの廃油等を使用して、産業廃棄粘弾性体本来の性能
値以上の性能を発揮する事も出来ることも見出した。こ
のように、産業廃棄物を有効に利用しつつ、騒音、振動
防止に有用で用途の広い制振部材を提供できる点で、本
発明は、極めて工業上の利用価値が高く、かつ環境保護
にも適合している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた断面図である。
【図2】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた断面図である。
【図3】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた断面図である。
【図4】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた断面図である。
【図5】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた断面図である。
【図6】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた断面図である。
【図7】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた正面図である。
【図8】(a)は、管状複合体を、軸に平行な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
垂直な方向で切ってみた正面図である。
【図9】(a)は、管状複合体を、軸に垂直な方向で切
ってみた断面図であり、(b)は、管状複合体を、軸に
平行な方向で切ってみた断面図である。
【図10】制振特性を測定するための装置を模式的に示
す模式図である。
【符号の説明】
1 管状体 1a、1b 端部 1c 内壁 2 内側空間 3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3
I 粘弾性体層 4、14、24、34 支持材 5 空気室 6 繊維層 7 遮音層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状体とこの管状体の内側空間に設けら
    れた粘弾性体とを備えており、前記管状体の外側から伝
    わる振動を低減させる管状複合体であって、 前記管状体の軸に平行な断面又は前記管状体の軸に垂直
    な断面で見て、前記管状体の厚さ方向の前記粘弾性体の
    厚さが変化しており、これによって、前記粘弾性体に、
    前記管状体の前記内壁側とは反対側に突出している肉厚
    部と前記管状体の前記内壁側に陥入している肉薄部とが
    形成されており、前記管状体が加振されて変形したとき
    に、前記管状体の変形に追従して、前記肉厚部と肉薄部
    とがそれぞれ変形して異なる伸縮を示すことで、前記管
    状体の振動が抑制される、管状複合体。
  2. 【請求項2】 前記管状体の軸に平行な断面又は前記管
    状体の軸に垂直な断面で見て、前記粘弾性体が前記管状
    体の前記内壁の一部分のみに設けられている、請求項1
    記載の管状複合体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016067961A1 (ja) * 2014-10-31 2016-05-06 花王株式会社 制振材料用のポリエステル樹脂組成物
JP2016089148A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 花王株式会社 制振材料用のポリエステル樹脂組成物
JP2017172586A (ja) * 2016-03-17 2017-09-28 花王株式会社 ファン
US10465063B2 (en) 2014-10-31 2019-11-05 Kao Corporation Polyamide resin composition for damping material

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