JP3455174B2 - 塩基性軸配位子を有する置換テトラフェニルポルフィリン化合物 - Google Patents
塩基性軸配位子を有する置換テトラフェニルポルフィリン化合物Info
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Description
結合脱離でき、安定な人工酸素運搬体として利用できる
テトラフェニルポルフィリン化合物に関するものであ
る。
中に存在するヘム、すなわちポルフィリン鉄(II)錯体
は、酸素分子を可逆的に吸脱着できる。この様な天然の
ヘムと類似の酸素吸脱着機能を合成のポルフィリン鉄(I
I)錯体で実現しようとする研究は従来数多く報告されて
いる(例えば、J. P. Collman, Acc. Chem. Res., 10,
265 (1977)、F. Basolo, B. M. Hoffman, J. A. Ibers,
ibid, 8, 384 (1975)など)。特に、室温条件下で安定
な酸素錯体を形成できると報告されているポルフィリン
鉄(II)錯体としては、5,10,15,20-テトラキス(α,
α,α,α−o−ピバルアミドフェニル)ポルフィリン
鉄(II)錯体(以下、FeTpivPP錯体と呼ぶ)が知られてい
る(J. P. Collman, et al., J. Am. Chem. Soc., 197
5, 97, 1427)。
ダゾール、1−アルキル−2−メチルイミダゾールなど
の軸塩基が共存すると、ベンゼン、トルエン、N,N−
ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中、室温において
分子状酸素を可逆的に結合できる。また、この錯体は、
リン脂質から成る二分子膜小胞体に包埋させれば生理条
件下(水相系、pH 7.4、≦40oC)でも同様の機能を発
揮する(E. Tsuchida,et al., J. Chem. Soc., Dalton
Trans., 1984, 1147)。しかし、FeTpivPP錯体が酸素を
可逆的に結合解離するために軸塩基として必要なイミダ
ゾール誘導体には薬理作用を持つものがあり、体内毒性
の高いものが多い。また、リン脂質小胞体を利用する場
合、過剰なイミダゾール誘導体がその形態を不安定化さ
せる要因となるという問題もあった。
する方法として、分子内に共有結合でイミダゾール誘導
体を導入することが考えられる。この出願の発明者ら
は、ポルフィリン鉄錯体へ置換基として、例えばアルキ
ルイミダゾール誘導体を導入すれば、軸塩基を外部添加
することなく安定な酸素運搬体を供給できるものと考
え、既にポルフィリン環の2位に置換基を有するFeTpiv
PP錯体と、これをリン脂質小胞体中あるいはヒト血清ア
ルブミンに結合させた系について、可逆的な酸素の吸脱
着反応を報告している(特開昭59-164791号公報、特開
昭59-162924号公報、特開平8-301873号公報)。
水溶液や分散液を赤血球の代替物として使用することを
考えた場合には、分子設計の過程で、酸素親和性(全体
の50%のヘムに酸素が結合する際の酸素分圧)を適当な
値、すなわち生理条件下で赤血球と同等の酸素親和性の
値に調整することが重要となる。一般に、N-置換イミダ
ゾールを分子内に結合した場合、酸素親和性が高く、赤
血球代替物として使用できるものにはならない。そこ
で、酸素親和性を下げる方法として、従来、イミダゾー
ル環の2位にメチル基などの立体障害基を導入し、イミ
ダゾール窒素と中心鉄(II)の結合を緩めることにより、
酸素親和性を調節することが広く行われてきた。しかし
その一方で、メチル基の存在により、酸素錯体の安定性
が低下する傾向も見られていた。つまり、イミダゾール
環の2位に立体障害基がなく、酸素親和性が適当な値を
示す、分子内塩基型のポルフィリン鉄(II)錯体の開発が
望まれていたのが実情である。
近位塩基はヒスチジン残基のイミダゾールであることは
良く知られているが、これを合成のポルフィリン化合
物、特にテトラフェニルポルフィリン化合物に導入する
場合には、これまで必ずN-置換イミダゾール誘導体やピ
リジン誘導体が用いられてきた(例えば、Momentau et a
l., Chem. Rev., 110, 7690 (1994)など)。すなわち、
ヒスチジン誘導体をテトラフェニルポルフィリン化合物
に共有結合した例は、これまで知られていなかったので
ある。
の事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点
を解消し、赤血球の値に近い酸素親和性を有し、安定性
の高い酸素錯体を形成でき、人工酸素運搬体として有効
に作用するポルフィリン化合物を提供することを課題と
している。
な酸素錯体を形成できる塩基性軸配位子を結合した置換
ポルフィリン化合物の分子設計と機能発現に鋭意研究を
重ねた結果、5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o
-置換アミドフェニル)ポルフィリン化合物の2位置へ酸
素吸着能を有効に発揮させるために必要な置換基、すな
わち塩基性軸配位子であるイミダゾール誘導体、特にヒ
スチジン誘導体をポルフィリン1モルに対して1モルの
割合で導入することにより(分子内に軸塩基を持つポル
フィリンと成る)、酸素親和性を適当な値に保ちなが
ら、従来系に比べてより安定な酸素錯体を形成し得る新
しい酸素運搬体が提供できるものと考え、本発明を完成
するに至った。
般式(I)
い炭化水素基、R2はC1〜C10のアルキル基、R3はC1
〜C18のアルキル基を表わし、Mは二つの水素原子X-
はハロゲンイオン、nは0である)で示される置換テト
ラフェニルポルフィリン化合物を提供する。
一般式(I)の化合物において、R1が一般式(II)
ある)または1-メチルシクロヘキシル基である置換テト
ラフェニルポルフィリン化合物を提供する。
般式(I)
い炭化水素基、R2はC1〜C10のアルキル基、R3はC1
〜C18のアルキル基を表わし、Mは第4〜5周期の遷移
金属イオンであり、X-はハロゲンイオン、nはX-の個
数を示す金属イオンの価数から2を差し引いた整数であ
る)で示される置換テトラフェニルポルフィリン金属錯
体を提供する。
たはCoのイオンである前記第3の発明の置換テトラフ
ェニルポルフィリン金属錯体を、第5には、Feの価数
が+2価または+3価である置換テトラフェニルポルフ
ィリン金属錯体を、第6には、Coの価数が+2価であ
る置換テトラフェニルポルフィリン金属錯体を提供す
る。
なくとも前記のいずれかの置換テトラフェニルポルフィ
リン金属錯体を含有する人工酸素運搬体をも提供する。
ニルポルフィリン化合物は、次の一般式(I)
い炭化水素基、R2はC1〜C10のアルキル基、R3はC1
〜C18のアルキル基を表わし、Mは二つの水素原子また
は第4〜5周期の遷移金属イオン、X-はハロゲンイオ
ン、nはX-の個数を示す金属イオンの価数から2を差
し引いた整数である)で表わされるものである。
周期の遷移金属イオンである場合には、この置換テトラ
フェニルポルフィリン化合物は、置換テトラフェニルポ
ルフィリン金属錯体であり、分子内のヒスチジンのイミ
ダゾール残基が配位した状態となる。このような置換テ
トラフェニルポルフィリン金属錯体は、当該分子のみで
酸素結合能を発揮できるものである。また、この出願の
発明の置換テトラフェニルポルフィリン金属錯体では、
近位塩基であるヒスチジン誘導体のイミダゾール環2位
に立体障害基が存在しないため、酸素親和性を適当な値
に保ちつつ、従来系よりも格段に安定な酸素配位錯体が
生成される。このようなヒスチジン誘導体は天然アミノ
酸由来のものであるため、生体適合性に優れており、好
ましい。
ェニルポルフィリン金属錯体は、使用時に軸塩基濃度を
極限まで低減できることはもちろんのこと、体内毒性の
高い遊離イミダゾールの存在を解消できるため、生体内
投与において安全性が高く、人工酸素運搬体として有効
に作用する。
ィリン金属錯体は、さらに、酸化還元反応、酸素酸化反
応または酸素添加反応の触媒としても作用するものであ
る。したがって、この出願の発明の置換テトラフェニル
ポルフィリン化合物は、人工酸素運搬体として利用でき
るだけでなく、ガス吸着剤、酸化還元触媒、酸素酸化反
応触媒、酸素添加反応触媒としても利用可能なものであ
る。
ィリン化合物は、どのような方法で製造されてもよい
が、例えば、次の一般式(III)
α,α,α-o-アミノフェニル)ポルフィリンを出発物質
として合成できる。
m. Soc., 97, 1427 (1975)に記載の方法に従って合成さ
れた5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-アミノ
フェニル)ポルフィリンを適当な乾燥有機溶剤、例えば
乾燥テトラヒドロフランに溶解し、塩基(例えばピリジ
ン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジンな
ど)と2,2-ジメチルアルカン酸クロライド、または、1-
メチルシクロヘキサン酸クロライドを加えて、暗所、氷
冷するか、または室温で撹拌する。その後、溶媒を減圧
除去し、これをクロロホルムなどの有機溶媒で抽出し、
水で洗浄、濾過後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで分画精製する。こうして、5,10,15,20-テトラキス
(o-アミノフェニル)ポルフィリンの4つのアトロプ異性
体のうち、5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-
置換アミドフェニル)ポルフィリンのみが得られる。
ドを氷水で冷却し、オキシ塩化リンを加え、室温で1〜2
時間撹拌してVilsmeier試薬を調製する。ここに乾燥ジ
クロロメタンまたはクロロホルムに溶解した5,10,15,20
-テトラキス(α,α,α,α-o-置換アミドフェニル)ポ
ルフィリンを室温で滴下する。この時、反応溶液は瞬時
に紫色からジカチオンの緑色に変化する。これを12〜24
時間沸点還流させ、放冷後、飽和酢酸ナトリウム水溶液
を反応溶液に加え、緑色から紫色に変化することを確認
した後、更に20〜40℃で20〜120分間撹拌を続ける。こ
れを適当な有機溶剤で抽出し、水で洗浄、乾燥、濾過
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画精製す
る。こうして2-ホルミル-5,10,15,20-テトラキス(α,
α,α,α-o-置換アミドフェニル)ポルフィリンが得ら
れる。
(α,α,α,α-o-置換アミドフェニル)ポルフィリン
を適当な有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ベンゼンなど)に溶解し、メタノールを加えて窒
素で十分に脱気する。氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム
を加え5〜15分間撹拌した後、水を加えて反応を停止さ
せる。これをクロロホルムなどの有機溶媒で抽出し、水
で洗浄、乾燥、濾過後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで分画精製する。こうして2-ヒドロキシメチル-
5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-置換アミド
フェニル)ポルフィリンが得られる。
5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-置換アミド
フェニル)ポルフィリンの2-ヒドロキシエチル基へのヒ
スチジン誘導体の導入は、例えば以下の方法により達成
できる。
ス(α,α,α,α-o-置換アミドフェニル)ポルフィリ
ンを適当な乾燥有機溶剤(例えばテトラヒドロフラン、
ジクロロメタン、ベンゼンなど)に溶解し、ジカルボン
酸の環状無水物(例えば、グルタル酸無水物など)、4-
ジメチルアミノピリジンを加え、窒素雰囲気下で、10〜
24時間沸点環流させる。溶媒を減圧除去した後、これを
クロロホルムなどの有機溶媒で抽出し、水で洗浄、乾
燥、濾過後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分
画精製する。こうして2-カルボキシアルカノイルオキシ
メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-置換
アミドフェニル)ポルフィリンを得る。
ル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-置換アミ
ドフェニル)ポルフィリン、トリエチルアミンを無水ジ
メチルホルムアミドに溶解させ、10〜30分間窒素バブル
する。カップリング試薬であるBOPを加え、さらに窒素
雰囲気下で10〜30分間攪拌する。その後、L-ヒスチジン
アルキル・2塩酸塩を加え、窒素雰囲気下、遮光しなが
ら室温で10〜18時間攪拌する。反応の進行をTLCで確認
後、これを純水中に滴下し、ポルフィリンを沈殿させ
る。沈殿物をG4グラスフィルターでろ別し、ろ物をクロ
ロホルムに溶解して採取する。無水硫酸ナトリウムで乾
燥させた後、溶媒を減圧除去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで分画精製する。こうして目的物2-(L-
アルキルヒスチジンアミドアルカノイルオキシメチル)-
5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-置換アミド
フェニル)ポルフィリンが得られる。
ミダゾール環が分解してしまうので、精製操作は暗所に
て行うことが好ましい。
属導入は、例えば D. Dolphin 編、The Porphyrin、197
8年、アカデミック・プレス社などに記載の一般法によ
り達成され、相当のポルフィリン化合物として得られ
る。一般に、鉄錯体の場合にはポルフィリン鉄(III)錯
体が、コバルト錯体の場合にはポルフィリンコバルト(I
I)錯体が得られる。
ン金属錯体の内、鉄(III)錯体の形を有する場合は、適
当な還元剤(亜二チオン酸ナトリウム、アスコルビン酸
など)を用い、常法により中心金属を3価から2価へ還
元すれば酸素結合活性が付与できる。
フィリン化合物の鉄(II)錯体は、リン脂質分子から成る
二分子膜小胞体に包埋したり、リン脂質被覆脂肪乳剤中
へ内包、ヒト血清アルブミンに包接、組換えヒト血清ア
ルブミンに包接、あるいは、アルブミン多量体に包接す
るなどしてもよい。これらの包埋物、内包物、包接物等
においても、置換テトラフェニルポルフィリン鉄(II)錯
体は、酸素との接触によって速やかに安定な酸素錯体を
生成できる。
ニルポルフィリン金属錯体は、酸素分圧に応じて酸素を
吸脱着できるものである。つまり、このような酸素結合
解離は可逆的に繰り返し行うことができるものであり、
この出願の発明の置換テトラフェニルポルフィリン金属
錯体は、酸素吸脱着剤や酸素運搬体として有効に作用す
るのである。
ポルフィリン金属錯体は、金属に配位できる気体であれ
ば、酸素に限らず、例えば、一酸化炭素、一酸化窒素、
二酸化窒素などを結合することもできる。したがって、
この出願の発明の置換テトラフェニルポルフィリン金属
錯体は、均一系、不均一系での酸化還元反応触媒やガス
吸着剤としても応用できるものである。
する。なお、本発明が実施例のものに限定されないこと
は言うまでもない。
α,α,α-o-アミノフェニル)ポルフィリン0.4g(0.59
mmol)をテトラヒドロフラン55 mLに溶解し、ピリジン
1.7 mL(20.7 mmol)と1-メチルシクロヘキサン酸クロ
ライド2.11 g(14.8 mmol)を加えて、室温、暗所で2時
間撹拌させた。その後、溶媒を減圧除去し、これをクロ
ロホルムで抽出し、5 %アンモニア水で洗浄した後、純
水で数回洗浄する。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濾過後、溶媒を減圧除去する。残渣を少量
のクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラム(クロロ
ホルム/酢酸エチル:10/1(容量/容量))で分画精製
し、目的物を集め、真空乾燥した。こうして、紫色の5,
10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシク
ロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリンを収量0.56 g
(収率82%)で得た。
-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリ
ンの分析結果は、以下のとおりであった。
酢酸エチル:10/1(容量/容量):Rf:0.50(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、3428 (νNH)。
423, 516, 549, 590, 647 nm)。FAB-MSスペクトル(m/
z):1172 [M]+。
pm)): -2.3 (s, 2H, innerH), 0.2(s, 12H, 1-methy
l), 0.3-1.2(m, 40H, cyclohexyl), 7.5(t, 4H, ph
enyl-4), 7.6(s、4H、amide-H), 7.8(t, 4H, pheny
l-5)、7.9(d、4H、phenyl-3), 8.8(d, 4H, phenyl-
6), 8.9(s, 8H, pyrrole-βH)。 <参考例2>5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o
-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリ
ン0.54g(0.461 mmol)をクロロホルム10 mLに溶解し、
塩化銅二水和物177 mg(1.15 mmol)とTEA 233 mg(2.3
1 mmol)のメタノール溶液(2 mL)を加えて、65℃で1時
間、沸点環流した。反応溶液の可視吸収スペクトルで、
銅イオンがポルフィリンに挿入されたことを確認した
後、溶媒を減圧除去し、これをクロロホルムで抽出し、
純水で数回洗浄した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濾過後、溶媒を減圧除去した後、残渣を
少量のクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラム(ク
ロロホルム/酢酸エチル:5/1(容量/容量))で分画精
製した。目的物を集め、真空乾燥して紫色の 5,10,15,2
0-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキ
シルアミド)フェニル)ポルフィリン銅(II)を収量0.45 g
(収率79%)で得た。
α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフ
ィリン銅(II)の分析結果は、以下のとおりであった。
酢酸エチル:10/1(容量/容量):Rf:0.74(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、3434 (νNH)。
423, 541, 576 nm)。
アミド6.3 mLを氷水で冷却し、オキシ塩化リン7.4 mLを
加え、室温で1時間撹拌させると、赤橙色のVilsmeier
試薬が得られた。そこジクロロメタン14 mLに溶解した
5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシ
クロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリン銅(II)0.45
g(0.36 mmol)を室温で滴下した。反応の進行に伴
い、溶液の色は紫色から濃緑色に変化し、イミニウム塩
の生成が確認できた。これを18時間沸点還流させた後、
放冷し、飽和酢酸ナトリウム水溶液300mlを加えること
により、中和させると、反応溶液の色は緑色から紫色に
変化した。そして、更に40℃で3時間撹拌を続けた。こ
れをクロロホルムで抽出し、純水で数回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を減圧除去し
た。シリカゲルカラム(クロロホルム/酢酸エチル:5
/1(容量/容量))で分画精製、目的物を集め、真空
乾燥した。こうして、紫色の2-ホルミル-5,10,15,20-テ
トラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシル
アミド)フェニル)ポルフィリン銅(II)を収量 0.22 g
(収率50%)で得た。
(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フ
ェニル)ポルフィリン銅(II)の分析結果は、以下のとお
りであった。
酢酸エチル:5/1(容量/容量):Rf:0.53(モノスポッ
ト))。
O(ホルミル))、1692(νC=O(アミド))、3428(νNH)。
430, 552, 593 nm)。
α,α,α-o-(1−メチルシクロヘキシルアミド)フ
ェニル)ポルフィリン銅(II)0.22 g(0.175 mmol)をジ
クロロメタン8 mLに溶解し、そこへ濃硫酸2 mLを加え、
室温で10分間激しく攪拌させると、溶液の色は緑色に変
化した。この溶液を、クロロホルムと氷水の二層溶液中
へ滴下し、炭酸ナトリウムで中和したところ、クロロホ
ルム層は、紫色に戻った。クロロホルム層を純水で数回
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、溶
媒を減圧除去した。残渣を少量のクロロホルムに溶解さ
せ、シリカゲルカラム(クロロホルム/酢酸エチル:5
/2(容量/容量))で分画精製し、目的物を集め、真空
乾燥した。こうして、紫色の 2-ホルミル-5,10,15,20-
テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシ
ルアミド)フェニル)ポルフィリンを収量0.18 g(収率84
%)で得た。
ス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)
フェニル)ポルフィリンの分析結果は、以下のとおりで
あった。
酢酸エチル:5/2(容量/容量):Rf:0.60(モノスポッ
ト))。
C=O(ホルミル))、1691(νC=O(アミド))、3429
(νNH)。
432, 527, 555, 597, 662 nm)。
pm)):-2.3 (s, 2H, innerH), 0.2(d, 12H, 1-methy
l), 0.3-1.0(m, 40H, cyclohexyl), 7.4-7.6(m, 8
H, amide-H , phenyl-4), 7.8-7.9(m、8H、phenyl-3,
5), 8.7-8.9(m, 10H, pyrrole-βH, phenyl-6), 9.4
(s, 1H, pyrrole-H), 9.6 (s, 1H, formyl)。 <実施例3>2-ホルミル-5,10,15,20-テトラキス(α,
α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニ
ル)ポルフィリン177 mg(0.147 mmol)をジクロロメタ
ン 2.5mLに溶解し、メタノール7 mLを加えて窒素で十分
に脱気した。氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム53.6 mg
(1.47 mmol)を加え10分間撹拌し、水を加えて反応を
停止させた。これをクロロホルムで抽出し、純水で数回
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、溶
媒を減圧除去した。残渣を少量のクロロホルムに溶解さ
せ、シリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール:30
/1(容量/容量))で分画精製し、目的物を集め、真空
乾燥した。こうして、紫色の 2-ヒドロキシメチル-5,1
0,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシク
ロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリンを収量89.3 m
g(収率50 %)で得た。
テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシ
ルアミド)フェニル)ポルフィリンの分析結果は、以下の
とおりであった。
メタノール:30/1(容量/容量):Rf:0.29(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、3427(νNH)。
423, 517, 548, 591, 645 nm)。
pm)): -2.6 (s, 2H, innerH), 0.1(m, 12H, 1-methy
l), 0.3-1.0(m, 40H, cyclohexyl), 4.9 (q, 2H, -C
H2OH), 7.4-7.6(m, 8H, amide-H , phenyl-4), 7.7-
7.8(m、8H、phenyl-3,5), 8.6-8.8(m, 10H, pyrrole
-βH, phenyl-6), 9.0 (s, 1H, pyrrole-H)。 <実施例4>2-ヒドロキシメチル-5,10,15,20-テトラキ
ス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)
フェニル)ポルフィリン 0.54 g (0.45 mmol)の蒸留テト
ラヒドロフラン溶液(15 mL)にグルタル酸無水物(155 m
g, 0.67 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(32.7 mg,
0.27 mmol)を加え、窒素雰囲気下で、60℃、18時間反応
させた。溶媒を減圧除去してから、これをクロロホルム
で抽出し、純水で数回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、濾過後、溶媒を減圧除去する。残渣を少量の
クロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラム(クロロホ
ルム/メタノール:10/1(容量/容量))で分画精製
し、目的物を集め、真空乾燥した。こうして、紫色の 2
-(3-カルボキシペンタノイルオキシ)メチル-5,10,15,20
-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシ
ルアミド)フェニル)ポルフィリンを収量0.45 g(収率79
%)で得た。
キシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o
-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリ
ンの分析結果は、以下のとおりであった。
メタノール:5/1(容量/容量):Rf:0.49(モノスポッ
ト))。
C=O(アミド))、1734(νC=O(エステル))、3427
(νNH)。
423, 517, 547, 591, 646 nm)。
pm)):-2.6 (s, 2H, innerH), 0.1(m, 12H, 1-methy
l), 0.3-1.0(m, 40H, cyclohexyl), 2.0 (t, 2H, -C
H2COOH), 2.4 (m, 4H, -CH2 CH2C(=O)O-), 5.3 (q, 2H,
-CH2OC(=O)-), 7.4-7.5(m,8H, amide-H , phenyl-
4), 7.7-7.8(m、8H、phenyl-3,5), 8.6(s, 1H, pyr
role-βH), 8.7-8.8(m, 10H, pyrrole-βH, phenyl-
6)。 <実施例5>2-(3-カルボキシペンタノイルオキシ)メチ
ル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチ
ルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリン (46 m
g, 35μmol)とTEA (37.7μL, 0.31 mmol)の蒸留DMF溶液
(4.6 mL)に、10分間窒素を通気して脱気した後、BOP (1
51 mg, 0.35 mmol)を加え、さらに窒素雰囲気下、室温
で10分攪拌した。その後、ヒスチジンメチルエステル・2
塩酸塩 25.1 mg (0.11mmol)を加えて、窒素雰囲気下、
室温で遮光しながら、12時間攪拌した。反応の進行をTL
Cで確認した後、反応液を純水に滴下して、ポルフィリ
ンを沈殿させた。沈殿物をG4グラスフィルターで濾別
し、濾物をクロロホルムに溶解させて採取した。クロロ
ホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過、溶
媒を減圧除去した。残渣を少量のクロロホルムに溶解さ
せ、シリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール:30
/1(容量/容量))で分画精製し、目的物を集め、真空
乾燥した。こうして、紫色の 2-(3-メチルヒスチジンア
ミドペンタノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキ
ス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)
フェニル)ポルフィリンを収量 19.1 mg(収率37 %)で
得た。
ルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,
α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフ
ィリンの分析結果は、以下のとおりであった。
メタノール:20/1(容量/容量):Rf:0.16(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、1740(νC=O(エステル))、3428
(νNH)。
423, 517, 549, 591, 646 nm)。
pm)):-2.6 (s, 2H, innerH), 0.0-0.1(m, 12H, 1-me
thyl), 0.3-1.0(m, 40H, cyclohexyl), 1.9 (t, 2H,
-CH 2CONH-), 2.3-2.5 (m, 4H, -CH 2CH 2C(=O)O-), 3.2
(s, 2H, Im-CH2-), 3.7 (m,3H, His-OCH3), 4.9 (m, 1
H, His-CH2CH-), 5.2-5.4 (q, 2H, -CH2OC(=O)-), 7.2
(s, 1H, Im), 7.4-7.5(m, 8H, amide-H , phenyl-4),
7.7 (s, 1H, Im), 7.8(m、8H、phenyl-3,5), 8.6-8.
8(m, 11H, pyrrole-βH, phenyl-6)。 <実施例6>ポルフィリンへの鉄導入反応は、例えば
D. Dolphin 編、The Porphyrin、1978年、アカデミック
・プレス社などに記載の一般法により達成できる。
気し、脱酸素を行った後、素早く電解鉄 87 mg(1.56 m
mol)を加え、80℃まで昇温、1時間撹拌した。溶液の色
は無色透明から薄緑色へと変化した。電解鉄が完全に溶
けたら130℃まで昇温し、臭化水素酸、及び水を蒸発さ
せた。水が無くなると白色固体の臭化第一鉄が得られ
る。完全に水が除去できたら、反応容器を放冷した。実
施例5で得た2-(3-メチルヒスチジンアミドペンタノイ
ルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,
α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフ
ィリン19 mg(13μmol)をテトラヒドラフラン溶液に溶
解し、2,6−ルチジン 17.2μL(0.16 mmol)を加えて、
十分に脱気した。これを調製した臭化第一鉄に窒素雰囲
気で滴下し、2時間沸点還流する。溶媒を減圧除去後、
これをクロロホルムで抽出し、水で洗浄、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濾過後、また溶媒を減圧除去した。シリ
カゲルカラム(クロロホルム/メタノール(10/1)
(容量/容量))で分画精製、目的物を集め、真空乾燥
した。こうして、2-(3-メチルヒスチジンアミドペンタ
ノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,
α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポ
ルフィリン鉄(III)臭化物を収量 9.1 mg(収率46 %)
で得た。
ルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,α,
α-o-(1-メチルシクロヘキシルアミド)フェニル)ポルフ
ィリン鉄(III)臭化物の分析結果は、以下のとおりであ
った。
メタノール:10/1(容量/容量):Rf:0.44(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、1740(νC=O(エステル))、3420
(νNH)。
420, 505, 581 nm)。
酸クロライドの代わりに、ピバロイルクロライドを用
い、さらに実施例5においてヒスチジンメチルエステル
・2塩酸塩の代わりにヒスチジンオクタデシルエステル・2
塩酸塩を用いた以外は実施例1〜6と全く同様な方法に
従って、2-(3-オクタデシルヒスチジンアミドペンタノ
イルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,
α,α-o-ピバルアミドフェニル)ポルフィリン鉄(III)
臭化物を定量的に合成した。
ミドペンタノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキ
ス(α,α,α,α-o-ピバルアミドフェニル)ポルフィ
リン鉄(III)臭化物の分析結果は、以下のとおりであっ
た。
メタノール:10/1(容量/容量):Rf:0.50(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、1741(νC=O(エステル))、3420
(νNH)。
420, 506, 582 nm)。
酸クロライドの代わりに、2,2-ジメチルオクタデカン酸
クロライドを用い、さらに実施例4において無水グルタ
ル酸の代わりに無水コハク酸を用いた以外は実施例1〜
5と全く同様な方法に従って、2-(3-メチルヒスチジン
アミドプロパノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラ
キス(α,α,α,α-o-2,2-ジメチルオクタデカンアミ
ドフェニル)ポルフィリンを定量的に合成した。
メタノール:20/1(容量/容量):Rf:0.11(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、1739(νC=O(エステル))、3428
(νNH)。
423, 516, 548, 592, 646 nm)。
pm)):-2.6 (s, 2H, innerH), -1.5-0.5(m, 24H, 2,2
-dimethyl), 0.5-1.5(m, 52H, -(CH2)5CH3), 1.9
(t, 2H, -CH2CONH-), 2.3 (m, 2H, -CH 2C(=O)O-), 3.2
(s, 2H, Im-CH2-), 3.7 (m, 3H, His-OCH3), 4.9 (m, 1
H, His-CH2CH-), 5.2-5.4 (q, 2H, -CH2OC(=O)-), 7.2
(s, 1H, Im), 7.4-7.5(m, 8H, amide-H , phenyl-4),
7.7 (s, 1H, Im), 7.8(m、8H、phenyl-3,5), 8.6-8.
8(m, 11H, pyrrole-βH, phenyl-6)。
ンアミドプロパノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テト
ラキス(α,α,α,α-o-2,2-ジメチルオクタデカンア
ミドフェニル)ポルフィリンに2,6-ルチジンを含む乾燥
テトラヒドロフラン中で、塩化コバルトと反応させ、コ
バルト錯体である2-(3-メチルヒスチジンアミドプロパ
ノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,α,
α,α-o-2,2-ジメチルオクタデカンアミドフェニル)ポ
ルフィリンコバルト(II)を定量的に合成した。
ロパノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テトラキス(α,
α,α,α-o-2,2-ジメチルオクタデカンアミドフェニ
ル)ポルフィリンコバルト(II)の分析結果は、以下の
とおりであった。
メタノール:10/1(容量/容量):Rf:0.61(モノスポ
ット))。
C=O(アミド))、1740(νC=O(エステル))、3420
(νNH)。
403, 521, 553 nm)。
ンアミドペンタノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テト
ラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルア
ミド)フェニル)ポルフィリン鉄(III)臭化物48.1 μg(
0.03 μmol)を10 mLの無水トルエン溶液とし、窒素置
換後、亜二チオン酸水溶液と不均一系で約2時間混合攪
拌し、鉄(II)へ還元した。
水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後、濾別し、得られたトル
エン溶液を測定セルに移し密閉した。こうして、2-(3-
メチルヒスチジンアミドペンタノイルオキシ)メチル-5,
10,15,20-テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシク
ロヘキシルアミド)フェニル)ポルフィリン鉄(II)錯体の
トルエン溶液を得た。
42、545、565 nmで、当該錯体はイミダゾールが1つ配
位した5配位デオキシ型に相当するものであった。
スペクトルが変化し、λmax:431、553 nmのスペクトル
が得られた。これより、錯体が酸素化錯体になっている
ことが確認された。
き込むことにより、可視吸収スペクトルは酸素化型スペ
クトルからデオキシ型スペクトルへ可逆的に変化し、酸
素の吸脱着が可逆的に生起することを確認した。さら
に、酸素を吹き込み、次に窒素を吹き込む操作を繰り返
したところ、酸素吸脱着が連続して行えることも確認さ
れた。
微量の水により徐々に酸化劣化していったが、その半減
期は約12時間(25℃)であった。また、酸素親和性(P
1/2)は、1.7 Torr(25℃)で、赤血球の値(8 Torr)
に近い。 <応用例2>実施例6で合成した2-(3-メチルヒスチジ
ンアミドペンタノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-テト
ラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシルア
ミド)フェニル)ポルフィリン鉄(III)臭化物48.1μg(0.
03μmol)、およびジパルミトイルフォスファチジルコ
リン2.2 mg(3.0μmol)を15μLのメタノール溶液と
し、窒素置換後、一酸化炭素を通気し、アスコルビン酸
水溶液を加えて還元、一酸化炭素錯体とした。これを3
mLの水(70℃)に注入することによって、一酸化炭素化
錯体の小胞体分散液が得られた(λmax:427、543 n
m)。
離させたところ、可視吸収スペクトルは、λmax:440、
542、563 nmに移行し、イミダゾールの1つ配位した5
配位デオキシ型となることが確認された。この分散液の
電子顕微鏡観察から、粒径100〜200 nmの均一な二分子
膜小胞体の形成が確認された。
ろ、直ちにスペクトルが変化し、λma x:426、551 nmの
スペトルが得られた。これより酸素化錯体の形成が確認
された。この酸素化錯体溶液に窒素ガスを1分間吹き込
むことにより、可視吸収スペクトルは酸素化型スペクト
ルからデオキシ型スペクトルへ可逆的に変化したことか
ら、酸素の吸脱着が可逆的に生起することが確認され
た。
む操作を繰り返したところ、酸素吸脱着が連続して行え
ることが確認された。 <応用例3>実施例6に従い合成した2-(3-メチルヒス
チジンアミドペンタノイルオキシ)メチル-5,10,15,20-
テトラキス(α,α,α,α-o-(1-メチルシクロヘキシ
ルアミド)フェニル)ポルフィリン鉄(III)臭化物(20μM)
を特開平8-301873号公報に記載の手法に従ってヒト血清
アルブミン(2.5μM)に包接し、調製したアルブミン−ヘ
ム複合体(ポルフィリン/アルブミン:8 (mol/mol))のリ
ン酸緩衝水溶液(pH7.4、1/30mM) 3 mLを石英製分光測定
用セルに移し、窒素雰囲気下で密封した。その可視吸収
スペクトルはλmaxが443, 540, 567 nmであり、包接さ
れたポルフィリン鉄(II)錯体は分子内軸塩基が1つ配位
したFe(II)高スピン5配位錯体を形成していることが確
認された。
可視吸収スペクトルのλmaxは425,551 nmへ移行し、酸
素化錯体の形成が示された。この酸素化錯体溶液に窒素
ガスを1分間吹き込むことにより、可視吸収スペクトル
は酸素化型スペクトルからデオキシ型スペクトルへと可
逆的に変化したことから、酸素の吸脱着が可逆的に生起
することが確認された。
む操作を繰り返したところ、酸素吸脱着を連続して行え
ることが確認された。
4時間(25℃)であることが確認された。これは従来
の系に比べて長いものであった。
い酸素親和性を有し、酸素錯体の安定性の高い置換テト
ラフェニルポルフィリン化合物が提供される。この化合
物は、2位に塩基性軸配位子として機能するヒスチジン
誘導体を有するため、遊離イミダゾールを添加すること
なく優れた酸素結合性を示し、人工酸素運搬体のほか、
ガス吸着剤、酸素吸脱着剤、酸化還元触媒、酸素酸化反
応触媒などとしても有効に作用するものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (ここで、R1は置換基を有していてもよい炭化水素
基、R2はC1〜C10のアルキル基、R3はC1〜C18のア
ルキル基を表わし、Mは二つの水素原子、X-はハロゲ
ンイオン、nは0である)で示される置換テトラフェニ
ルポルフィリン化合物。 - 【請求項2】 R1は一般式(II) 【化2】 (ここで、R4はC1〜C18のアルキル基である)または
1-メチルシクロヘキシル基である請求項1の置換テトラ
フェニルポルフィリン化合物。 - 【請求項3】 一般式(I) 【化3】 (ここで、R1は置換基を有していてもよい炭化水素
基、R2はC1〜C10のアルキル基、R3はC1〜C18のア
ルキル基を表わし、Mは第4〜5周期の遷移金属イオン
であり、X-はハロゲンイオン、nはX-の個数を示す金
属イオンの価数から2を差し引いた整数である)で示さ
れる置換テトラフェニルポルフィリン金属錯体。 - 【請求項4】 MがFeまたはCoのイオンである請求
項3の置換テトラフェニルポルフィリン金属錯体。 - 【請求項5】 Feの価数が+2価または+3価である
請求項4の置換テトラフェニルポルフィリン金属錯体。 - 【請求項6】 Coの価数が+2価である請求項4の置
換テトラフェニルポルフィリン金属錯体。 - 【請求項7】 少なくとも請求項3ないし6のいずれか
の置換テトラフェニルポルフィリン金属錯体を含有する
人工酸素運搬体。
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JP2006008623A (ja) * | 2004-06-28 | 2006-01-12 | Hidetoshi Tsuchida | スクシンイミジル基を持つポルフィリン化合物もしくはその金属錯体、ポルフィリン金属錯体結合アルブミンおよびそれを含有する酸素輸液 |
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