JP3155072B2 - 8置換ポルフィリン金属錯体 - Google Patents
8置換ポルフィリン金属錯体Info
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- JP3155072B2 JP3155072B2 JP18150292A JP18150292A JP3155072B2 JP 3155072 B2 JP3155072 B2 JP 3155072B2 JP 18150292 A JP18150292 A JP 18150292A JP 18150292 A JP18150292 A JP 18150292A JP 3155072 B2 JP3155072 B2 JP 3155072B2
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- dimethyl
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸素運搬機能を持つ8置
換ポルフィリン金属錯体に関する。
換ポルフィリン金属錯体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ヘモグロ
ビンやミオグロビンは、その活性中心である鉄(II)
ポルフィリン錯体をグロビン鎖の形成する疎水環境(ヘ
ムポケット)に保持することで、水中における可逆的な
酸素吸脱着を達成している。このように生体中に存在す
る多くのヘム蛋白質および関連する金属蛋白質などは、
その機能活性部位として補欠分子族である金属ポルフィ
リン誘導体を含有しているが、それは蛋白質の疎水領域
に結合している場合が多い。
ビンやミオグロビンは、その活性中心である鉄(II)
ポルフィリン錯体をグロビン鎖の形成する疎水環境(ヘ
ムポケット)に保持することで、水中における可逆的な
酸素吸脱着を達成している。このように生体中に存在す
る多くのヘム蛋白質および関連する金属蛋白質などは、
その機能活性部位として補欠分子族である金属ポルフィ
リン誘導体を含有しているが、それは蛋白質の疎水領域
に結合している場合が多い。
【0003】ヘモグロビンと類似の機能を合成の錯体で
実現しようとする研究は従来数多く報告されている。そ
の例としては、J.P.Collman,Accoun
tsof Chemical Reseach,10,
265(1977); F.Basolo,B.M.H
offman,J.A.Ibers,ibid,8,3
84(1975)などが挙げられる。しかし、これら合
成の金属錯体(ポルフィリン錯体など)を用いて 酸素
運搬機能を生理条件(生理塩水溶液(pH7.4)、室
温ないし37゜C)下で再現し、工業面あるいは医療面
で利用しようとする場合、錯体を水に溶解するとともに
それを疎水環境に包埋固定することが要件となる。水
溶液中で微視的疎水環境を簡便に作成するには、界面活
性剤からなるミセル及びリン脂質などからなる二分子膜
小胞体の利用が良く知られている。しかし、ミセルはそ
の形態が動的でありリン脂質小胞体に比べ安定性を欠く
とともに、形成する疎水環境の疎水性が低い。従って、
形状が比較的安定で十分な疎水性領域を提供できるリン
脂質小胞体が金属錯体のキャリアーとして広く利用され
ている。しかしながら、この種のリン脂質小胞体の疎水
場に対して、高濃度の錯体を取り込ませる方法は開発さ
れていない。即ち、リン脂質小胞体の二分子層層間に、
錯体を配向性高く、かつ高濃度に配置固定させ、生理条
件下で安定に酸素を運搬できる酸素運搬系の開発が盛ん
に推進されているのが現状である。
実現しようとする研究は従来数多く報告されている。そ
の例としては、J.P.Collman,Accoun
tsof Chemical Reseach,10,
265(1977); F.Basolo,B.M.H
offman,J.A.Ibers,ibid,8,3
84(1975)などが挙げられる。しかし、これら合
成の金属錯体(ポルフィリン錯体など)を用いて 酸素
運搬機能を生理条件(生理塩水溶液(pH7.4)、室
温ないし37゜C)下で再現し、工業面あるいは医療面
で利用しようとする場合、錯体を水に溶解するとともに
それを疎水環境に包埋固定することが要件となる。水
溶液中で微視的疎水環境を簡便に作成するには、界面活
性剤からなるミセル及びリン脂質などからなる二分子膜
小胞体の利用が良く知られている。しかし、ミセルはそ
の形態が動的でありリン脂質小胞体に比べ安定性を欠く
とともに、形成する疎水環境の疎水性が低い。従って、
形状が比較的安定で十分な疎水性領域を提供できるリン
脂質小胞体が金属錯体のキャリアーとして広く利用され
ている。しかしながら、この種のリン脂質小胞体の疎水
場に対して、高濃度の錯体を取り込ませる方法は開発さ
れていない。即ち、リン脂質小胞体の二分子層層間に、
錯体を配向性高く、かつ高濃度に配置固定させ、生理条
件下で安定に酸素を運搬できる酸素運搬系の開発が盛ん
に推進されているのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、前
記した従来技術の現状に鑑み、ポルフィリン環面の両側
に計8個の末端親水性アルキル置換基を導入し、ポルフ
ィリンに両親媒性を付与すれば、リン脂質二分子膜小胞
体の疎水領域の中心へ それを配向性高く包埋できるも
のと考え、先に両親媒性8置換ポルフィリン金属錯体を
合成、これらの鉄ポルフィリン錯体をリン脂質小胞体の
二分子層層間の中心に包埋させることにより、水相系で
の有効な酸素運搬系を提案している(特開平3−275
687号)。
記した従来技術の現状に鑑み、ポルフィリン環面の両側
に計8個の末端親水性アルキル置換基を導入し、ポルフ
ィリンに両親媒性を付与すれば、リン脂質二分子膜小胞
体の疎水領域の中心へ それを配向性高く包埋できるも
のと考え、先に両親媒性8置換ポルフィリン金属錯体を
合成、これらの鉄ポルフィリン錯体をリン脂質小胞体の
二分子層層間の中心に包埋させることにより、水相系で
の有効な酸素運搬系を提案している(特開平3−275
687号)。
【0005】さらに、本発明者らは 金属錯体自身が水
相系で分子集合することにより、酸素配位座近傍に微視
的疎水環境を構築できれば、他分子の形成する疎水環境
の支援が無くとも機能活性の発現が可能な、これまでに
全く類例の無い酸素運搬系が提供できるものと考えた。
すなわち、本発明者らは、生理条件下において、可逆的
な酸素結合解離能を有する金属ポルフィリン錯体集合組
織の分子設計に鋭意研究を重ねた結果、ポルフィリン環
の両側にリン脂質類似構造を有する長鎖アルキル基を導
入することで、ポルフィリン錯体自身が水中で組織化
し、水相系での酸素運搬体が提供できるものと考え、本
発明を完成するに至った。
相系で分子集合することにより、酸素配位座近傍に微視
的疎水環境を構築できれば、他分子の形成する疎水環境
の支援が無くとも機能活性の発現が可能な、これまでに
全く類例の無い酸素運搬系が提供できるものと考えた。
すなわち、本発明者らは、生理条件下において、可逆的
な酸素結合解離能を有する金属ポルフィリン錯体集合組
織の分子設計に鋭意研究を重ねた結果、ポルフィリン環
の両側にリン脂質類似構造を有する長鎖アルキル基を導
入することで、ポルフィリン錯体自身が水中で組織化
し、水相系での酸素運搬体が提供できるものと考え、本
発明を完成するに至った。
【0006】本発明の目的は、酸素結合能を持つことが
知られている金属ポルフィリン誘導体にリン脂質類似構
造を付与することで、酸素錯体を安定に保持できる微視
的疎水環境をその集合組織により達成できるポルフィリ
ン金属錯体を提供することである。
知られている金属ポルフィリン誘導体にリン脂質類似構
造を付与することで、酸素錯体を安定に保持できる微視
的疎水環境をその集合組織により達成できるポルフィリ
ン金属錯体を提供することである。
【0007】本発明の化合物は、一般式〔I〕 (ここで、kは3〜12の整数を示す。)で示されるポ
ルフィリン、または、これに第4〜第5周期の遷移金属
イオンが配位した一般式〔II〕
ルフィリン、または、これに第4〜第5周期の遷移金属
イオンが配位した一般式〔II〕
【化4】 〔ここで、kは3〜12の整数を示し、Mは第4〜第5
周期の遷移金属イオンを示し、X- はハロゲンイオン
(塩化イオン、臭素イオン)を示し、X- の個数nは前
記金属イオンの価数から2を差引いた整数を示す。〕で
示されるポルフィリン金属錯体で達成される。
周期の遷移金属イオンを示し、X- はハロゲンイオン
(塩化イオン、臭素イオン)を示し、X- の個数nは前
記金属イオンの価数から2を差引いた整数を示す。〕で
示されるポルフィリン金属錯体で達成される。
【0008】一般式〔II〕において、遷移金属イオンと
しては特に鉄およびコバルトイオンが好ましい。より具
体的には、中心金属が+2価または+3価の状態にあり、か
つ塩基性軸配位子が1つまたは2つ配意した錯体であ
る。実際に酸素結合能を有する錯体は、例えば適当な塩
基性軸配位子(イミダゾール誘導体、ピリジン誘導体な
ど)を添加した系である。
しては特に鉄およびコバルトイオンが好ましい。より具
体的には、中心金属が+2価または+3価の状態にあり、か
つ塩基性軸配位子が1つまたは2つ配意した錯体であ
る。実際に酸素結合能を有する錯体は、例えば適当な塩
基性軸配位子(イミダゾール誘導体、ピリジン誘導体な
ど)を添加した系である。
【0009】一般式〔II〕で示されるポルフィリン金属
錯体は例えば以下のプロセスにより合成出来る。
錯体は例えば以下のプロセスにより合成出来る。
【0010】α,ω−アルカンジオールを無水ジメチル
ホルムアミドに溶解し、そこへピリジンを加え、反応溶
液を70〜120℃、好ましくは90℃に加温する。次
いでハロゲン化トリチル(好ましくは塩化トリチル)
(等モル)を四分割し、約1〜2時間で加えた後、10
0℃で2〜5時間反応させる。反応溶液を氷水中に注ぎ
油状物質をクロロホルムで抽出、純水で洗浄した。有機
層を脱水処理後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロ
ロホルム)にて分画精製し、目的物を集める。溶媒を減
圧除去し、真空乾燥することにより無色透明の粘調固体
であるα−トリチルオキシアルカノールを得る。この化
合物と3,3−ジメチルグルタル酸無水物(2〜4倍モ
ル)を乾燥溶媒(テトラヒドロフラン、ジクロロメタ
ン、ジエチルエーテルなど)中、塩基(4−(N,N−
ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミンなど)存
在下で40〜50℃に加温し、攪拌する。さらにアルゴ
ン雰囲気下40〜80℃にて10〜20時間反応させ
る。溶媒を減圧除去して得た残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで分画精製し、目的物を集めた。溶媒を減圧
除去し、真空乾固して3,3−ジメチル−4−(α−ト
リチルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチル酸(一
般式〔III〕)を得る。
ホルムアミドに溶解し、そこへピリジンを加え、反応溶
液を70〜120℃、好ましくは90℃に加温する。次
いでハロゲン化トリチル(好ましくは塩化トリチル)
(等モル)を四分割し、約1〜2時間で加えた後、10
0℃で2〜5時間反応させる。反応溶液を氷水中に注ぎ
油状物質をクロロホルムで抽出、純水で洗浄した。有機
層を脱水処理後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロ
ロホルム)にて分画精製し、目的物を集める。溶媒を減
圧除去し、真空乾燥することにより無色透明の粘調固体
であるα−トリチルオキシアルカノールを得る。この化
合物と3,3−ジメチルグルタル酸無水物(2〜4倍モ
ル)を乾燥溶媒(テトラヒドロフラン、ジクロロメタ
ン、ジエチルエーテルなど)中、塩基(4−(N,N−
ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミンなど)存
在下で40〜50℃に加温し、攪拌する。さらにアルゴ
ン雰囲気下40〜80℃にて10〜20時間反応させ
る。溶媒を減圧除去して得た残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで分画精製し、目的物を集めた。溶媒を減圧
除去し、真空乾固して3,3−ジメチル−4−(α−ト
リチルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチル酸(一
般式〔III〕)を得る。
【化5】
【0011】こうして得た3,3−ジメチル−4−(α
−トリチルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチル酸
を適当な乾燥溶媒(テトラヒドロフラン、クロロホル
ム、ジエチルエーテルなど)に溶解し、縮合剤(ジシク
ロヘキシルカルボジイミドなど)および塩基(4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミ
ンなど)を加え、室温で攪拌、数分間反応させる。この
反応溶液に5,10,15,20−テトラキス(2,6
−ビス(ハイドロキシ)フェニル)ポルフィリンの乾燥
溶液を滴下し、室温で6〜20時間遮光下で反応させ
る。反応溶液中に存在する析出物を濾別し、次いで溶媒
を減圧除去して得られる残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィーで分画精製し、5,10,15,20−テトラキ
ス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(α−トリ
チルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチロイルオキ
シ)フェニルポルフィナト鉄(一般式〔IV〕)を得る。
−トリチルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチル酸
を適当な乾燥溶媒(テトラヒドロフラン、クロロホル
ム、ジエチルエーテルなど)に溶解し、縮合剤(ジシク
ロヘキシルカルボジイミドなど)および塩基(4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミ
ンなど)を加え、室温で攪拌、数分間反応させる。この
反応溶液に5,10,15,20−テトラキス(2,6
−ビス(ハイドロキシ)フェニル)ポルフィリンの乾燥
溶液を滴下し、室温で6〜20時間遮光下で反応させ
る。反応溶液中に存在する析出物を濾別し、次いで溶媒
を減圧除去して得られる残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィーで分画精製し、5,10,15,20−テトラキ
ス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(α−トリ
チルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチロイルオキ
シ)フェニルポルフィナト鉄(一般式〔IV〕)を得る。
【化6】
【0012】次いで、5,10,15,20−テトラキ
ス(2,6−ビス(3、3−ジメチル−4−(α−トリ
チルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチロイルオキ
シ)フェニルポルフィリンを適当な乾燥溶媒(ジクロロ
メタン、クロロホルムなど)に溶解し、三臭化ホウ素メ
タノール錯体を氷冷下で加えて、10〜60分間反応さ
せた。反応溶液を氷水中に滴下し、例えばクロロホルム
などの有機溶媒で抽出後、残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで分画精製し、5,10,15,20−テトラ
キス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(α−ハ
イドロキシアルカンオキシカルボニル)ブチロイルオキ
シ)フェニルポルフィナト鉄(一般式〔V〕)を得る。
ス(2,6−ビス(3、3−ジメチル−4−(α−トリ
チルオキシアルカンオキシカルボニル)ブチロイルオキ
シ)フェニルポルフィリンを適当な乾燥溶媒(ジクロロ
メタン、クロロホルムなど)に溶解し、三臭化ホウ素メ
タノール錯体を氷冷下で加えて、10〜60分間反応さ
せた。反応溶液を氷水中に滴下し、例えばクロロホルム
などの有機溶媒で抽出後、残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで分画精製し、5,10,15,20−テトラ
キス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(α−ハ
イドロキシアルカンオキシカルボニル)ブチロイルオキ
シ)フェニルポルフィナト鉄(一般式〔V〕)を得る。
【化7】
【0013】一般式〔V〕で表される化合物へ常法に従
い中心鉄を導入し鉄錯体とする。この鉄錯体を例えば塩
化メチレンに溶解後、2−クロロ−2−オキソ−1,
3,2−ジオキサホスホラン、次いでトリエチルアミン
を氷冷下で加え、2〜6時間反応させ、さらに室温で1
2時間反応させた。反応溶液を減圧除去し、残渣を乾燥
ジメチルホルムアミドに再溶解させ、そこに過剰量のト
リメチルアミンを加え、室温で2〜4時間、さらに60
℃で12〜24時間反応させる。反応溶媒を減圧除去
し、残渣を無水エーテルで洗浄し、12時間真空乾燥す
る。次いでメタノールに溶解してイオン交換カラムクロ
マトグラフィー、さらに、ゲルパーミェーションクロマ
トグラフィーにて分画精製し、溶媒を減圧除去すること
により目的物(一般式〔II〕)を得る。
い中心鉄を導入し鉄錯体とする。この鉄錯体を例えば塩
化メチレンに溶解後、2−クロロ−2−オキソ−1,
3,2−ジオキサホスホラン、次いでトリエチルアミン
を氷冷下で加え、2〜6時間反応させ、さらに室温で1
2時間反応させた。反応溶液を減圧除去し、残渣を乾燥
ジメチルホルムアミドに再溶解させ、そこに過剰量のト
リメチルアミンを加え、室温で2〜4時間、さらに60
℃で12〜24時間反応させる。反応溶媒を減圧除去
し、残渣を無水エーテルで洗浄し、12時間真空乾燥す
る。次いでメタノールに溶解してイオン交換カラムクロ
マトグラフィー、さらに、ゲルパーミェーションクロマ
トグラフィーにて分画精製し、溶媒を減圧除去すること
により目的物(一般式〔II〕)を得る。
【0014】鉄(II)錯体は、例えば次のようにして調
製出来る。一般式〔II〕で示される錯体の内、鉄(II
I)錯体を適当な塩基性軸配位子の存在下あるいは非存
在下、適当な還元剤(亜二チオン酸ソーダ、アスコルビ
ン酸など)を用い常法により中心鉄を3価から2価へ還
元すれば良い。
製出来る。一般式〔II〕で示される錯体の内、鉄(II
I)錯体を適当な塩基性軸配位子の存在下あるいは非存
在下、適当な還元剤(亜二チオン酸ソーダ、アスコルビ
ン酸など)を用い常法により中心鉄を3価から2価へ還
元すれば良い。
【0015】一般式〔II〕で示される5,10,15,
20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−
4−(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキ
シ)ホスホナトオキシ)アルカンオキシカルボニル)ブ
チロイルオキシ)フェニル)ポルフィナト金属錯体の集
合組織は、例えば次の様にして得られる。一般式〔I
I〕で表されるポルフィリン金属錯体(1μ mo
l)、 および軸配位子(例えば、1−ラウリルイミダ
ゾール(3〜20μ mol) )のメタノール溶液をロ
ータリーエバポレーターで薄膜乾固させた。そこへpH
7〜8のリン酸緩衝液を例えば20ml加え、ボルテッ
クス攪拌(例えば10分)を行う。その溶液を測定セル
に移し窒素置換し、少量のアスコルビン酸水溶液を加え
密閉する。こうして、鉄(II)−5,10,15,20
−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−
(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)
ホスホナトオキシ)アルカンオキシカルボニル)ブチロ
イルオキシ)フェニル)ポルフィリン−ビス(1−ラウ
リルイミダゾール)錯体の集合組織分散液を得る。電子
顕微鏡観察から、該ポルフィリン金属錯体集合組織は紐
状集合体、及び小胞体を形成していることが確認でき
る。
20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−
4−(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキ
シ)ホスホナトオキシ)アルカンオキシカルボニル)ブ
チロイルオキシ)フェニル)ポルフィナト金属錯体の集
合組織は、例えば次の様にして得られる。一般式〔I
I〕で表されるポルフィリン金属錯体(1μ mo
l)、 および軸配位子(例えば、1−ラウリルイミダ
ゾール(3〜20μ mol) )のメタノール溶液をロ
ータリーエバポレーターで薄膜乾固させた。そこへpH
7〜8のリン酸緩衝液を例えば20ml加え、ボルテッ
クス攪拌(例えば10分)を行う。その溶液を測定セル
に移し窒素置換し、少量のアスコルビン酸水溶液を加え
密閉する。こうして、鉄(II)−5,10,15,20
−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−
(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)
ホスホナトオキシ)アルカンオキシカルボニル)ブチロ
イルオキシ)フェニル)ポルフィリン−ビス(1−ラウ
リルイミダゾール)錯体の集合組織分散液を得る。電子
顕微鏡観察から、該ポルフィリン金属錯体集合組織は紐
状集合体、及び小胞体を形成していることが確認でき
る。
【0016】一般式〔II〕で表される化合物は、酸素吸
着剤、酸素運搬体として有用である。
着剤、酸素運搬体として有用である。
【0017】
実施例1 (1)1,12−ドデカンジアール32.4g(0.1
6mol)を無水ジメチルホルムアミド90mlに溶解
し、そこへピリジン70mlを加え反応溶液を90℃に
加温する。次いで塩トリチル49.0g(0.18mo
l)を四分割し約1時間で加えた後、100℃で3時間
反応させた。反応溶液を氷水中500mlに注ぎ油状物
質をクロロホルムで抽出、純水で洗浄した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで脱水処理後、濾液を減圧除去するこ
とによって白色の粘調油状物質を得た。これを熱ヘキサ
ンに溶解させ、徐々に冷却すると未反応物である1,1
2−ドデカンジオールが析出する。これを濾別し、濾液
を減圧除去し、無色透明の粘調固体を得た。シリカゲル
カラム(クロロホルム)にて分画精製し、Rf=0.2
5(モノスポット)の分画を回収した。溶媒を減圧除去
し、真空乾燥することにより無色透明の粘調固体である
1−トリチルオキシドデカノールを収量22.2g(収
率31%)で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,c
m−1):3344νOH,alcohol),159
7,1491,1448(νC=C,phenyl)。
EI−Mass:[M]+=444。元素分析:Fo
und(%):C79.84(79.70),H9.0
2(9.17)(但し、括弧内の値は C31H40O
2・1.25H2Oに対する計算値)。1H−核磁気共
鳴スペクトル(CDCl3,TNS基準,δ(pp
m))1.3(20H,m,−(CH 2)10−),
3.0(2H,t,−OCH 2−),3.6(2H,
t,−CH 2OH),7.1−7.5(15H,m,p
henyl)。
6mol)を無水ジメチルホルムアミド90mlに溶解
し、そこへピリジン70mlを加え反応溶液を90℃に
加温する。次いで塩トリチル49.0g(0.18mo
l)を四分割し約1時間で加えた後、100℃で3時間
反応させた。反応溶液を氷水中500mlに注ぎ油状物
質をクロロホルムで抽出、純水で洗浄した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで脱水処理後、濾液を減圧除去するこ
とによって白色の粘調油状物質を得た。これを熱ヘキサ
ンに溶解させ、徐々に冷却すると未反応物である1,1
2−ドデカンジオールが析出する。これを濾別し、濾液
を減圧除去し、無色透明の粘調固体を得た。シリカゲル
カラム(クロロホルム)にて分画精製し、Rf=0.2
5(モノスポット)の分画を回収した。溶媒を減圧除去
し、真空乾燥することにより無色透明の粘調固体である
1−トリチルオキシドデカノールを収量22.2g(収
率31%)で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,c
m−1):3344νOH,alcohol),159
7,1491,1448(νC=C,phenyl)。
EI−Mass:[M]+=444。元素分析:Fo
und(%):C79.84(79.70),H9.0
2(9.17)(但し、括弧内の値は C31H40O
2・1.25H2Oに対する計算値)。1H−核磁気共
鳴スペクトル(CDCl3,TNS基準,δ(pp
m))1.3(20H,m,−(CH 2)10−),
3.0(2H,t,−OCH 2−),3.6(2H,
t,−CH 2OH),7.1−7.5(15H,m,p
henyl)。
【0018】(2)3,3−ジメチルグルタル酸無水物
10.42g(0.07mol)を乾燥テトラヒドロフ
ラン25mlに溶解させ、15分間アルゴン通気を行い
脱気した。次いで4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリ
ジン1.2g(0.01mol)を加え、40〜50℃
に加温した。そこへ1−トリチルオキシドデカノール2
1.7g(0.05mol)の乾燥テトラヒドロフラン
60ml溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、ア
ルゴン雰囲気下60℃にて12時間反応させた。溶媒を
減圧除去して得た残渣をクロロホルムで抽出、純水で洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水処理後、溶媒を減圧
除去した。これをシリカゲルカラム(クロロホルム/酢
酸エチル(5/1)(容量/容量)) で分画精製し、
Rf=0.41(モノスポット)の分画を集めた。溶媒
を減圧除去し、真空乾固して淡黄色透明の粘調液体であ
る3,3−ジメチル−4−(1−トリチルドデカンオキ
シカルボニル)ブチル酸を収量22.1g(収率77
%)で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,c
m−1):3500〜2500(νOH,カルボン
酸),1730(νC=O,エステル),1710(ν
C=O,カルボン酸),1597,1491,1448
(νC=C,フェニル核)。EI−Mass:[M−
1]+=585。元素分析:Found(%):C7
1.19(71.22),H8.44(8.81)
(但し、括弧内の値はC38H50O5・3H2Oに対
する計算値)。1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl
3,TMS基準,δ(ppm))1.1(6H,s,m
ethyl),1.3(20H,m,−(CH 2)10
−),2.4(2H,s,−OCOCH 2−),2.5
(2H,s,−CH 2COOH),3.0(2H,t,
TrOCH 2−),4.1(2H,t,−CH 2OCO
−),7.1−7.5(15H,m,phenyl)。
10.42g(0.07mol)を乾燥テトラヒドロフ
ラン25mlに溶解させ、15分間アルゴン通気を行い
脱気した。次いで4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリ
ジン1.2g(0.01mol)を加え、40〜50℃
に加温した。そこへ1−トリチルオキシドデカノール2
1.7g(0.05mol)の乾燥テトラヒドロフラン
60ml溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、ア
ルゴン雰囲気下60℃にて12時間反応させた。溶媒を
減圧除去して得た残渣をクロロホルムで抽出、純水で洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水処理後、溶媒を減圧
除去した。これをシリカゲルカラム(クロロホルム/酢
酸エチル(5/1)(容量/容量)) で分画精製し、
Rf=0.41(モノスポット)の分画を集めた。溶媒
を減圧除去し、真空乾固して淡黄色透明の粘調液体であ
る3,3−ジメチル−4−(1−トリチルドデカンオキ
シカルボニル)ブチル酸を収量22.1g(収率77
%)で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,c
m−1):3500〜2500(νOH,カルボン
酸),1730(νC=O,エステル),1710(ν
C=O,カルボン酸),1597,1491,1448
(νC=C,フェニル核)。EI−Mass:[M−
1]+=585。元素分析:Found(%):C7
1.19(71.22),H8.44(8.81)
(但し、括弧内の値はC38H50O5・3H2Oに対
する計算値)。1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl
3,TMS基準,δ(ppm))1.1(6H,s,m
ethyl),1.3(20H,m,−(CH 2)10
−),2.4(2H,s,−OCOCH 2−),2.5
(2H,s,−CH 2COOH),3.0(2H,t,
TrOCH 2−),4.1(2H,t,−CH 2OCO
−),7.1−7.5(15H,m,phenyl)。
【0019】(3)3,3−ジメチル−4−(1−トリ
チルドデカンオキシカルボニル)ブチル酸 10.04
g(17mmol)を乾燥テトラヒドロフラン70ml
に溶解させ、そこへジシクロヘキシルカルボジイミド
3.89g(19mmol)および4−(N,N−ジメ
チルアミノ)ピリジン 0.42g(3.4mmol)
を加え、室温で反応させる。反応溶液が白濁した後さら
に20分間攪拌した。この反応混合溶液に5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(ハイドロキシ)
フェニル)ポルフィリン0.53g(0.7mmol)
の乾燥テトラヒドロフラン30ml溶液を1時間かけて
滴下した。滴下終了後、室温で12時間遮光下で反応さ
せた。反応溶液中に存在するジシクロヘキシルウレアを
濾別した後、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルカ
ラム(クロロホルム/アセトン(100/1)(容量/
容量))で分画精製し、Rf=0.43(モノスポッ
ト)の分画を集めた。溶媒を減圧除去後、真空乾燥する
ことにより赤紫色固体の5,10,15,20−テトラ
キス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−ト
リチルドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)
フェニルポルフィリンを収量3.26g(収率86%)
で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,cm−1):
1760,1730(νC=O,エステル),159
7,1491,1448(νC=C,フェニル核)1H
−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS基準,δ
(ppm))。−3.0(2H,s,inner)0.
0(48H,s,methyl),1.3(160H,
s,−(CH 2)10−),1.5(16H,s,−O
COCH 2−),1.8(16H,s,−CH 2COO
−),3.1(16H,t,TrOCH 2−),3.8
(16H,t,−CH 2OCO−),7.2−7.5
(128H,m,phenyl),7.9(4H,t,
phenyl),8.8(8H,s,pyrrole)
チルドデカンオキシカルボニル)ブチル酸 10.04
g(17mmol)を乾燥テトラヒドロフラン70ml
に溶解させ、そこへジシクロヘキシルカルボジイミド
3.89g(19mmol)および4−(N,N−ジメ
チルアミノ)ピリジン 0.42g(3.4mmol)
を加え、室温で反応させる。反応溶液が白濁した後さら
に20分間攪拌した。この反応混合溶液に5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(ハイドロキシ)
フェニル)ポルフィリン0.53g(0.7mmol)
の乾燥テトラヒドロフラン30ml溶液を1時間かけて
滴下した。滴下終了後、室温で12時間遮光下で反応さ
せた。反応溶液中に存在するジシクロヘキシルウレアを
濾別した後、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルカ
ラム(クロロホルム/アセトン(100/1)(容量/
容量))で分画精製し、Rf=0.43(モノスポッ
ト)の分画を集めた。溶媒を減圧除去後、真空乾燥する
ことにより赤紫色固体の5,10,15,20−テトラ
キス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−ト
リチルドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)
フェニルポルフィリンを収量3.26g(収率86%)
で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,cm−1):
1760,1730(νC=O,エステル),159
7,1491,1448(νC=C,フェニル核)1H
−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS基準,δ
(ppm))。−3.0(2H,s,inner)0.
0(48H,s,methyl),1.3(160H,
s,−(CH 2)10−),1.5(16H,s,−O
COCH 2−),1.8(16H,s,−CH 2COO
−),3.1(16H,t,TrOCH 2−),3.8
(16H,t,−CH 2OCO−),7.2−7.5
(128H,m,phenyl),7.9(4H,t,
phenyl),8.8(8H,s,pyrrole)
【0020】(4)5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−トリチ
ルドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェ
ニルポルフィリン3.01g(0.6mmol)を乾燥
ジクロロメタン80mlに溶解し、そこへ三臭化ホウ素
メタノール錯体3.3g(7mmol)を加え、氷冷下
で40分間反応させた。反応溶液を氷水中に滴下、クロ
ロホルムで抽出後、純水で洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムで脱水処理後、溶媒を減圧除去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール(15/1)(容量/容量)) で
分画精製し、Rf=0.31(モノスポット)の分画を
集めた。溶媒を減圧除去し、真空乾固して赤紫色固体で
ある5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−ハイドロキシドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフ
ィリンを収量1.43g(収率75%)で得た。赤外吸
収スペクトル(NaCl,cm−1):3400(ν
OH,alcohol),1760,1730(ν
C=O, エステル)。元素分析:Found(%)C
69.98(69.56),H9.55(9.1
4),N1.65(1.64)(但し、括弧内の値はC
196H302N4O40・2CH3OH に対する
値)。1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TM
S基準,δ(ppm))−3.1(2H,s,inne
r)−0.1(48H,s,methyl),1.2
(160H,s,−(CH 2)10−),1.4(16
H,s,−OCOCH 2),1.8(16H,s,−C
H 2COO−),3.6(16H,t,−CH 2O
H),3.8(16H,t,−CH 2OCO−),7.
5(8H,d,phenyl),7.8(4H,t,p
henyl),8.8(8H,s,pyrrole)。
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−トリチ
ルドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェ
ニルポルフィリン3.01g(0.6mmol)を乾燥
ジクロロメタン80mlに溶解し、そこへ三臭化ホウ素
メタノール錯体3.3g(7mmol)を加え、氷冷下
で40分間反応させた。反応溶液を氷水中に滴下、クロ
ロホルムで抽出後、純水で洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムで脱水処理後、溶媒を減圧除去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール(15/1)(容量/容量)) で
分画精製し、Rf=0.31(モノスポット)の分画を
集めた。溶媒を減圧除去し、真空乾固して赤紫色固体で
ある5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−ハイドロキシドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフ
ィリンを収量1.43g(収率75%)で得た。赤外吸
収スペクトル(NaCl,cm−1):3400(ν
OH,alcohol),1760,1730(ν
C=O, エステル)。元素分析:Found(%)C
69.98(69.56),H9.55(9.1
4),N1.65(1.64)(但し、括弧内の値はC
196H302N4O40・2CH3OH に対する
値)。1H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TM
S基準,δ(ppm))−3.1(2H,s,inne
r)−0.1(48H,s,methyl),1.2
(160H,s,−(CH 2)10−),1.4(16
H,s,−OCOCH 2),1.8(16H,s,−C
H 2COO−),3.6(16H,t,−CH 2O
H),3.8(16H,t,−CH 2OCO−),7.
5(8H,d,phenyl),7.8(4H,t,p
henyl),8.8(8H,s,pyrrole)。
【0021】(5)5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−ハイド
ロキシドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)
フェニルポルフィリン0.1g(0.03mmol)を
乾燥ジクロロメタン10mlに溶解させ、アルゴンを通
気し脱気する。そこへ2−クロロ−2−オキソ−1,
3,2−ジオキサホスホラン0.12ml(0.36m
mol)、次いで トリエチルアミン0.17ml
(0.6mmol)を氷冷下で添加し、2時間攪拌後、
さらに室温で12時間反応させた。反応溶媒を減圧除去
し、乾燥ジメチルホルムアミド15mlに再溶解させ、
そこへトリメチルアミン3mlを瞬時に注ぎ込む。耐圧
反応容器を厳重に封緘した後、室温で2時間、さらに6
0゜Cで20時間反応させた。反応終了後、反応容器を
ドライアイスメタノール浴で十分に冷却したのちに開栓
し、溶媒を減圧除去した。耐圧反応容器に析出している
残渣、および反応溶液を減圧除去して得られた残渣を無
水エーテルで洗浄した。これを12時間真空乾燥し、メ
タノールに溶解、イオン交換カラム(アンバーリスト、
メタノール)にかける。赤紫色の分画を回収し、さらに
Sephadex LH−60(メタノール)で分画精
製した。分画の目的物を回収し、溶媒を減圧除去するこ
とにより赤紫色固体の5,10,15,20−テトラキ
ス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)ホスホ
ナトオキシ)ドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニル)ポルフィリンを収量0.1g(収率7
3%)で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,cm
−1):1760,1730(νC=O,エステル),
1265(νP=O),1093(νP−O−C)。V
is.(CH3OH, λmax):673,649,
583,507,412nm。 元素分析:Found
(%):C61.5(61.0);H8.25(7.9
9);N3.67(3.59)(但し、括弧内の値はC
236H368N12O64P8に対する計算値)。1
H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS基準,
δ(ppm))−0.1(48H,s,methy
l),1.2(160H,s,−(CH 2)10−),
1.4(16H,s,−OCOCH 2−),1.65
(16H,s,−CH 2COO−),3.2(72H,
s,−N(CH 3)3),3.6(16H,t,−CH
2OH),3.65(16H,t,−CH2CH 2N
(CH3)3),3.77(16H,t,−CH 2OC
O−),4.2(16H,t,−CH 2CH2N(CH
3)3),7.45(8H,d,phenyl),7.
8(4H,t,phenyl),8.8(8H,s,p
yrrole)。
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−ハイド
ロキシドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)
フェニルポルフィリン0.1g(0.03mmol)を
乾燥ジクロロメタン10mlに溶解させ、アルゴンを通
気し脱気する。そこへ2−クロロ−2−オキソ−1,
3,2−ジオキサホスホラン0.12ml(0.36m
mol)、次いで トリエチルアミン0.17ml
(0.6mmol)を氷冷下で添加し、2時間攪拌後、
さらに室温で12時間反応させた。反応溶媒を減圧除去
し、乾燥ジメチルホルムアミド15mlに再溶解させ、
そこへトリメチルアミン3mlを瞬時に注ぎ込む。耐圧
反応容器を厳重に封緘した後、室温で2時間、さらに6
0゜Cで20時間反応させた。反応終了後、反応容器を
ドライアイスメタノール浴で十分に冷却したのちに開栓
し、溶媒を減圧除去した。耐圧反応容器に析出している
残渣、および反応溶液を減圧除去して得られた残渣を無
水エーテルで洗浄した。これを12時間真空乾燥し、メ
タノールに溶解、イオン交換カラム(アンバーリスト、
メタノール)にかける。赤紫色の分画を回収し、さらに
Sephadex LH−60(メタノール)で分画精
製した。分画の目的物を回収し、溶媒を減圧除去するこ
とにより赤紫色固体の5,10,15,20−テトラキ
ス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)ホスホ
ナトオキシ)ドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニル)ポルフィリンを収量0.1g(収率7
3%)で得た。赤外吸収スペクトル(NaCl,cm
−1):1760,1730(νC=O,エステル),
1265(νP=O),1093(νP−O−C)。V
is.(CH3OH, λmax):673,649,
583,507,412nm。 元素分析:Found
(%):C61.5(61.0);H8.25(7.9
9);N3.67(3.59)(但し、括弧内の値はC
236H368N12O64P8に対する計算値)。1
H−核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS基準,
δ(ppm))−0.1(48H,s,methy
l),1.2(160H,s,−(CH 2)10−),
1.4(16H,s,−OCOCH 2−),1.65
(16H,s,−CH 2COO−),3.2(72H,
s,−N(CH 3)3),3.6(16H,t,−CH
2OH),3.65(16H,t,−CH2CH 2N
(CH3)3),3.77(16H,t,−CH 2OC
O−),4.2(16H,t,−CH 2CH2N(CH
3)3),7.45(8H,d,phenyl),7.
8(4H,t,phenyl),8.8(8H,s,p
yrrole)。
【0022】実施例2 十分にアルゴン置換した47%臭化水素酸水溶液14m
lに電解鉄2.0gを加えて60〜70℃、アルゴン下
で1時間反応させた。さらにアルゴン雰囲気下で120
℃まで加熱し、過剰の臭化水素及び水を加熱除去すると
薄白緑色粉末のFeBr2・nH2Oが得られる。反応温
度を60〜70℃に下げ、そこへ実施例1(3)で合成
した5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−ハイドロキシドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフ
ィリン0.6g(0.18mol)および2,6−ルジ
チン41μl(0.36mmol)を含む乾燥テトラヒ
ドロフラン30ml溶液を滴下し、そのままアルゴン下
で12時間沸点還流させた。反応溶媒を減圧除去し、得
られた残渣をクロロホルムで抽出、純水で十分に洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水処理した後、濾
液を蒸発乾固させた。これをシリカゲルカラム(クロロ
ホルム/メタノール(10/1))で分画精製し、Rf
=0.26(モノスポット)の分画を集めた。これに臭
化水素酸水溶液(2〜3滴)を加えて溶媒を減圧除去
し、真空乾燥させることにより紫色固体の5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチ
ル−4−(1−ハイドロキシドデカンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフィリナト鉄を収
量0.56g(収率89%)で得た。赤外吸収スペクト
ル(NaCl,cm-1):3400(υOH),176
0,1730(υc=0 ,エステル)。元素分析:Fou
nd(%) C68.37(68.03),H9.05
(8.65),N1.73(1.57)(但し、括弧内
の値はC196H300N4O40・C6H6 に対する値)。
lに電解鉄2.0gを加えて60〜70℃、アルゴン下
で1時間反応させた。さらにアルゴン雰囲気下で120
℃まで加熱し、過剰の臭化水素及び水を加熱除去すると
薄白緑色粉末のFeBr2・nH2Oが得られる。反応温
度を60〜70℃に下げ、そこへ実施例1(3)で合成
した5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−ハイドロキシドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフ
ィリン0.6g(0.18mol)および2,6−ルジ
チン41μl(0.36mmol)を含む乾燥テトラヒ
ドロフラン30ml溶液を滴下し、そのままアルゴン下
で12時間沸点還流させた。反応溶媒を減圧除去し、得
られた残渣をクロロホルムで抽出、純水で十分に洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水処理した後、濾
液を蒸発乾固させた。これをシリカゲルカラム(クロロ
ホルム/メタノール(10/1))で分画精製し、Rf
=0.26(モノスポット)の分画を集めた。これに臭
化水素酸水溶液(2〜3滴)を加えて溶媒を減圧除去
し、真空乾燥させることにより紫色固体の5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチ
ル−4−(1−ハイドロキシドデカンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフィリナト鉄を収
量0.56g(収率89%)で得た。赤外吸収スペクト
ル(NaCl,cm-1):3400(υOH),176
0,1730(υc=0 ,エステル)。元素分析:Fou
nd(%) C68.37(68.03),H9.05
(8.65),N1.73(1.57)(但し、括弧内
の値はC196H300N4O40・C6H6 に対する値)。
【0023】実施例3 実施例1(5)において、5,10,15,20−テト
ラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
ハイドロキシドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニルポルフィリンを用いる代わりに、実施例
2で合成したその鉄錯体(0.37g,0.11mmo
l)を用いる以外は同様な手法に従って、紫色固体の
5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−(((2−トリメチル
アンモニオ)エトオキシ)ホスホナトオキシ)ドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポル
フィリナト鉄を収量0.42g(収率81%)で得た。
赤外吸収スペクトル(NaCl,cm−1):176
0,1730(νC=O,エステル),1265(ν
P=O),1093(νP−O−C)。Vis.(CH
3OH,λmax):676,645,582,50
6,413nm。元素分析:Found(%):C5
9.71(59.31);H7.99(7.72),N
3.63(3.49)(但し、括弧内の値はC236H
366N12O64P8FeBrに対する計算値)。
ラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
ハイドロキシドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニルポルフィリンを用いる代わりに、実施例
2で合成したその鉄錯体(0.37g,0.11mmo
l)を用いる以外は同様な手法に従って、紫色固体の
5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−(((2−トリメチル
アンモニオ)エトオキシ)ホスホナトオキシ)ドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポル
フィリナト鉄を収量0.42g(収率81%)で得た。
赤外吸収スペクトル(NaCl,cm−1):176
0,1730(νC=O,エステル),1265(ν
P=O),1093(νP−O−C)。Vis.(CH
3OH,λmax):676,645,582,50
6,413nm。元素分析:Found(%):C5
9.71(59.31);H7.99(7.72),N
3.63(3.49)(但し、括弧内の値はC236H
366N12O64P8FeBrに対する計算値)。
【0024】実施例1(1)〜(4)において3,3−
ジメチル−4−(1−トリチルオキシドデカンオキシカ
ルボニル)ブチル酸の代わりに3,3−ジメチル−4−
(1−トリチルオキシプロパンオキシカルボニル)ブチ
ル酸を用いた以外は同様な手法に従い、5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチ
ル−4−(1−ハイドロキシプロパンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフィリンを得た。
実施例2に従い鉄を導入した後、実施例1(5)におい
て5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−ハイドロキシドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフ
ィリンの代わりに5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−ハイド
ロキシプロパンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)
フェニルポルフィリナト鉄を用いた以外は同様な手法に
従って、5,10,15,20−テトラキス(2,6ビ
ス(3,3−ジメチル−4−(1−(((2−トリメチ
ルアンモニオ)エトオキシ)ホスホナトオキシ)プロパ
ンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポ
ルフィリナト鉄を得た。赤外吸収スペクトル(NaC
l,cm-1):1760,1730(υc=0,エステ
ル),1265(υp=0),1093(υp−0−
c)。可視急襲スペクトル(CH3OH,λmax):
676,645,582,506,413nm。元素分
析:Found(%):C52.46(52.26),
H6.31(5.94),N4.13(4.46)(但
し、括弧内の値はC164H222N12O64P8FeBrに対
する計算値)。
ジメチル−4−(1−トリチルオキシドデカンオキシカ
ルボニル)ブチル酸の代わりに3,3−ジメチル−4−
(1−トリチルオキシプロパンオキシカルボニル)ブチ
ル酸を用いた以外は同様な手法に従い、5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチ
ル−4−(1−ハイドロキシプロパンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフィリンを得た。
実施例2に従い鉄を導入した後、実施例1(5)におい
て5,10,15,20−テトラキス(2,6−ビス
(3,3−ジメチル−4−(1−ハイドロキシドデカン
オキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニルポルフ
ィリンの代わりに5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−ハイド
ロキシプロパンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)
フェニルポルフィリナト鉄を用いた以外は同様な手法に
従って、5,10,15,20−テトラキス(2,6ビ
ス(3,3−ジメチル−4−(1−(((2−トリメチ
ルアンモニオ)エトオキシ)ホスホナトオキシ)プロパ
ンオキシカルボニル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポ
ルフィリナト鉄を得た。赤外吸収スペクトル(NaC
l,cm-1):1760,1730(υc=0,エステ
ル),1265(υp=0),1093(υp−0−
c)。可視急襲スペクトル(CH3OH,λmax):
676,645,582,506,413nm。元素分
析:Found(%):C52.46(52.26),
H6.31(5.94),N4.13(4.46)(但
し、括弧内の値はC164H222N12O64P8FeBrに対
する計算値)。
【0025】実施例5 実施例1において5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(ハイドロキシ)フェニル)ポルフィリ
ンの代わりに5,10,15,20−テトラキス(2,
6−ビス(ハイドロキシ)フェニル)ポリフィリナトコ
バルトを用いた以外は同様な手法に従い、5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチ
ル−4−(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エト
オキシ)ホスホナトオキシ)ドデカンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポルフィリナトコバ
ルトを合成した。赤外吸収スペクトル(NaCl,cm
-1):3400(υOH),1760,1730(υc=
o,エステル)。元素分析:Found(%) C6
0.68(60.28),H7.99(7.85),N
3.19(3.57)(但し、括弧内の値はC236H366
N12O64P8Coに対する値)。
(2,6−ビス(ハイドロキシ)フェニル)ポルフィリ
ンの代わりに5,10,15,20−テトラキス(2,
6−ビス(ハイドロキシ)フェニル)ポリフィリナトコ
バルトを用いた以外は同様な手法に従い、5,10,1
5,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメチ
ル−4−(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エト
オキシ)ホスホナトオキシ)ドデカンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポルフィリナトコバ
ルトを合成した。赤外吸収スペクトル(NaCl,cm
-1):3400(υOH),1760,1730(υc=
o,エステル)。元素分析:Found(%) C6
0.68(60.28),H7.99(7.85),N
3.19(3.57)(但し、括弧内の値はC236H366
N12O64P8Coに対する値)。
【0026】参考例1 実施例3で合成した5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)ホスホ
ナトオキシ)ドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニル)ポルフィリナト鉄(1μmol)、1
−ラウリル−2−メチルイミダゾール(20μmol)
のメタノール溶液をロータリーエバポレーターでナスフ
ラスコ内壁に薄膜乾固させた。そこへpH7.4の1m
Mリン酸緩衝水を例えば20ml加え、ボルテックス攪
拌(例えば、10分)を行う。その溶液を分光測定セル
に移した後、窒素置換を行い、少量のアスコルビン酸水
溶液を加え密閉した。どうして、鉄(II)−5,10,
15,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメ
チル−4−(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エ
トオキシ)ホスホナトオキシ)アルカンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポリフィリン−(1
−ラウリル−2−メチルイミダゾール)錯体の分散水溶
液を得た。この溶液の可視吸収スペクトルはλmax
561,533,435nmで、デオキシ型に相当す
る。透過型電子顕微鏡および準粘弾性光散乱測定による
集合形態観察から、この集合体は平均粒径約100nm
の小胞体であった。
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)ホスホ
ナトオキシ)ドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニル)ポルフィリナト鉄(1μmol)、1
−ラウリル−2−メチルイミダゾール(20μmol)
のメタノール溶液をロータリーエバポレーターでナスフ
ラスコ内壁に薄膜乾固させた。そこへpH7.4の1m
Mリン酸緩衝水を例えば20ml加え、ボルテックス攪
拌(例えば、10分)を行う。その溶液を分光測定セル
に移した後、窒素置換を行い、少量のアスコルビン酸水
溶液を加え密閉した。どうして、鉄(II)−5,10,
15,20−テトラキス(2,6−ビス(3,3−ジメ
チル−4−(1−(((2−トリメチルアンモニオ)エ
トオキシ)ホスホナトオキシ)アルカンオキシカルボニ
ル)ブチロイルオキシ)フェニル)ポリフィリン−(1
−ラウリル−2−メチルイミダゾール)錯体の分散水溶
液を得た。この溶液の可視吸収スペクトルはλmax
561,533,435nmで、デオキシ型に相当す
る。透過型電子顕微鏡および準粘弾性光散乱測定による
集合形態観察から、この集合体は平均粒径約100nm
の小胞体であった。
【0027】この溶液に酸素ガスを吹き込むと直ちにス
ペクトルが変化し、λmax542,422nmのスペ
クトルが得られた。これは明らかに酸素化錯体となって
いることを示す。この酸素化錯体溶液に窒素ガスを吹き
込むことにより、可視吸収スペクトルは酸素化型スペク
トルからデオキシ型スペクトルへ可逆的に変化し、酸素
の吸脱着が可逆的に生起することを確認した。なお、酸
素を吹き込み、次に窒素を吹き込む操作を繰り返し、酸
素吸脱着を連続して行うことができた。
ペクトルが変化し、λmax542,422nmのスペ
クトルが得られた。これは明らかに酸素化錯体となって
いることを示す。この酸素化錯体溶液に窒素ガスを吹き
込むことにより、可視吸収スペクトルは酸素化型スペク
トルからデオキシ型スペクトルへ可逆的に変化し、酸素
の吸脱着が可逆的に生起することを確認した。なお、酸
素を吹き込み、次に窒素を吹き込む操作を繰り返し、酸
素吸脱着を連続して行うことができた。
【0028】参考例2 実施例3で合成した5,10,15,20−テトラキス
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)ホスホ
ナトオキシ)ドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニル)ポルフィリナト鉄(1μmol)、1
−ラウリルイミダゾール(3μmol)および、ジミリ
ストイルフォスファチジルコリン68.7mg(5μm
ol)のメタノール溶液をロータリーエバポレーターで
薄膜乾固させた。そこへpH7.0〜8.0の30mM
リン酸緩衝液20mlを加え、超音波照射(60W,1
0分)を行った。その溶液を窒素置換し、少量のアスコ
ルビン酸水溶液を加え測定セルに移し密閉した。こうし
て、鉄(II)−5,10,15,20−テトラ(2´,
6´−ジピバロイロキシフェニル)ポルフィリン・ビス
(1−ラウリルイミダゾール)錯体のリン脂質小胞体水
溶液を得た。この溶液の可視吸収スペクトルは、λma
x562,536,432nmで、デオキシ型に相当す
る。
(2,6−ビス(3,3−ジメチル−4−(1−
(((2−トリメチルアンモニオ)エトオキシ)ホスホ
ナトオキシ)ドデカンオキシカルボニル)ブチロイルオ
キシ)フェニル)ポルフィリナト鉄(1μmol)、1
−ラウリルイミダゾール(3μmol)および、ジミリ
ストイルフォスファチジルコリン68.7mg(5μm
ol)のメタノール溶液をロータリーエバポレーターで
薄膜乾固させた。そこへpH7.0〜8.0の30mM
リン酸緩衝液20mlを加え、超音波照射(60W,1
0分)を行った。その溶液を窒素置換し、少量のアスコ
ルビン酸水溶液を加え測定セルに移し密閉した。こうし
て、鉄(II)−5,10,15,20−テトラ(2´,
6´−ジピバロイロキシフェニル)ポルフィリン・ビス
(1−ラウリルイミダゾール)錯体のリン脂質小胞体水
溶液を得た。この溶液の可視吸収スペクトルは、λma
x562,536,432nmで、デオキシ型に相当す
る。
【0020】この溶液に、酸素ガスを吹き込むと直ちに
スペクトルが変化し、λmax545,424nmのス
ペクトルが得られた。これは明らかに酸素化錯体となっ
ていることを示す。この酸素化錯体溶液に窒素ガスを1
分間吹き込むことにより、可視吸収スペクトルは酸素化
型スペクトルからデオキシ型スペクトルへ可逆的に変化
し、酸素の吸脱着が可逆的に生起することを確認した。
なお、酸素を吹き込み、次に窒素を吹き込む操作を繰り
返し、酸素吸脱着を連続して行うことができた。
スペクトルが変化し、λmax545,424nmのス
ペクトルが得られた。これは明らかに酸素化錯体となっ
ていることを示す。この酸素化錯体溶液に窒素ガスを1
分間吹き込むことにより、可視吸収スペクトルは酸素化
型スペクトルからデオキシ型スペクトルへ可逆的に変化
し、酸素の吸脱着が可逆的に生起することを確認した。
なお、酸素を吹き込み、次に窒素を吹き込む操作を繰り
返し、酸素吸脱着を連続して行うことができた。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るポルフィリン金属錯体は、
それ自身が水相系で分子集合することにより、微視的疎
水環境を構築し、酸素配位錯体を安定に保持するととも
に、優れた酸素運搬機能を発現できるものである。
それ自身が水相系で分子集合することにより、微視的疎
水環境を構築し、酸素配位錯体を安定に保持するととも
に、優れた酸素運搬機能を発現できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/6558 C07F 15/02 C07F 15/06 A61K 31/685 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (ここで、kは3〜12の整数を示す。)で示されるポ
ルフィリン、または、これに第4〜第5周期の遷移金属
イオンが配位した一般式〔II〕 【化2】 〔ここで、kは3〜12の整数を示し、Mは第4〜第5
周期の遷移金属イオンを示し、X- はハロゲンイオン
(塩化イオン、臭素イオン)を示し、X- の個数nは前
記金属イオンの価数から2を差引いた整数を示す。〕で
示されるポルフィリン金属錯体。 - 【請求項2】 Mが鉄イオンまたはコバルトイオンであ
る請求項1記載のポルフィリン金属錯体。 - 【請求項3】 鉄の価数が+2価または+3価である請
求項2記載のポルフィリン金属錯体。 - 【請求項4】 コバルトの価数が+2価である請求項2
記載のポルフィリン金属錯体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18150292A JP3155072B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 8置換ポルフィリン金属錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18150292A JP3155072B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 8置換ポルフィリン金属錯体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673078A JPH0673078A (ja) | 1994-03-15 |
JP3155072B2 true JP3155072B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=16101884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18150292A Expired - Fee Related JP3155072B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 8置換ポルフィリン金属錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3155072B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-28 JP JP18150292A patent/JP3155072B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0673078A (ja) | 1994-03-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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