JP3453886B2 - ステッピングモータの脱調防止装置 - Google Patents

ステッピングモータの脱調防止装置

Info

Publication number
JP3453886B2
JP3453886B2 JP32525594A JP32525594A JP3453886B2 JP 3453886 B2 JP3453886 B2 JP 3453886B2 JP 32525594 A JP32525594 A JP 32525594A JP 32525594 A JP32525594 A JP 32525594A JP 3453886 B2 JP3453886 B2 JP 3453886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
command
stepping motor
deviation
controller
pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32525594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08182392A (ja
Inventor
俊雄 高橋
Original Assignee
石川島播磨重工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 石川島播磨重工業株式会社 filed Critical 石川島播磨重工業株式会社
Priority to JP32525594A priority Critical patent/JP3453886B2/ja
Publication of JPH08182392A publication Critical patent/JPH08182392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3453886B2 publication Critical patent/JP3453886B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステッピングモータの
脱調防止装置に係り、特に、ステッピングモータの利点
を損なわずに脱調を確実に防止できるステッピングモー
タの脱調防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは、通常、オープン
ループで制御される。これはステッピングモータが、そ
のメカニカルな位置関係で位置決めされるため、移動さ
せたい距離(角度)に応じた数の駆動パルスを与えるだ
けでよく、フィードバックを必要としないからである。
このようにステッピングモータは、オープンループ制御
で位置精度の高い利点を有する。一般に、ステッピング
モータの制御系は、図8に示されるように、ステッピン
グモータと、位置の指令を出すコントローラと、この指
令に応じてステッピングモータの励磁を行う駆動回路と
から構成されている。
【0003】反面、ステッピングモータには脱調という
特有の現象がある。これは上記メカニカルな位置関係で
決まる安定位置が無限に存在するため、本来の位置を飛
び越えて別の安定位置に移動してしまう現象である。図
8のコントローラは、位置の指令として、回転方向を示
す信号と必要な数のパルスを出力し、駆動回路は、パル
スの切り替わりに応じて励磁電流を切り換え、励磁状態
を回転方向に進めるだけであって、ステッピングモータ
の実際の位置を検出していないから、脱調が起きたこと
も認識できず、脱調から復帰することもできない。従っ
て、通常は、脱調が起きないように急激な動作を避けて
運転を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、脱調が起き
やすいのは急激な動作、例えば運転・停止或いは正逆転
を短時間のうちに繰り返したりするときである。このよ
うな、急激な動作を避けて運転を行なえば脱調は避けら
れる。しかしながら、こうした頻繁に切り換える動作が
必要な機器に対しては、ステッピングモータが制約を与
えてしまう。即ち、ステッピングモータは、オープンル
ープ制御で位置精度が高いという利点を有しながら、頻
繁な切り換えのある用途には利用が困難であった。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、ステッピングモータの利点を損なわずに脱調を確実
に防止できるステッピングモータの脱調防止装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ステッピングモータの回転位置を指令する
指令パルスを出すコントローラとこの指令パルスに応じ
て順次ステッピングモータの励磁を行う駆動回路とを有
するステッピングモータの駆動装置において、ステッピ
ングモータの回転軸に回転方向の位置を検出する回転セ
ンサを取り付けると共に、上記コントローラと上記駆動
回路との間に、上記回転センサからの検出位置とコント
ローラからの指令パルスに基づく指令位置との偏差を検
出し、その偏差がステッピングモータを指令位置へ戻そ
うとするトルクが得られる安定領域を越える前に現時点
指令パルスに相当する励磁状態を保持するように駆動回
路を制御する制御回路を設け、上記制御回路は、上記偏
差が安定領域を越える前に上記コントローラからの指令
パルスを遮断すると共に上記駆動回路をその時点の指令
パルスに相当する励磁状態に保持させ、この保持した励
磁状態に基づく保持指令位置と上記回転センサからの検
出位置との偏差が収束するまで待機し、この保持待機の
後、コントローラからの指令パルスを通過させるもので
ある。
【0007】
【0008】上記制御回路は、上記駆動回路を保持待機
させると同時にコントローラに指令パルスの停止を要請
し、これよりコントローラが停止するまでの指令パルス
を蓄積し、上記保持待機の後、保持指令位置から蓄積し
た指令パルスに基づく指令位置までステッピングモータ
を安定回転させるべく上記駆動回路に補正指令パルスを
順次出力し、その後、コントローラに指令パルスの再開
を要請してもよい。
【0009】上記制御回路は、上記保持待機後も偏差が
小さくならないときには過負荷と判定して保持待機を継
続し、過負荷の解消によって偏差が小さくなるのを待
ち、その後、偏差が収束すれば上記補正指令パルスの出
力を開始してもよい。
【0010】上記制御回路は、上記保持待機中に偏差が
大きくなって安定領域を外れたとき過負荷による脱調と
判定し、保持待機を継続したまま上記回転センサの検出
する位置が静止するのを待ち、この静止位置と保持指令
位置との位置ずれから過負荷が解消されたときの収束位
置を求め、この収束位置に保持指令位置を修正し、その
後、偏差が収束すれば上記補正指令パルスの出力を開始
してもよい。
【0011】
【作用】図7を用いて5相ステッピングモータを例とし
て、ステッピングモータの安定領域を説明する。
【0012】図7には、横軸に位置、縦軸にトルクが示
されており、位置はステッピングモータのステップ間隔
で目盛ってある。原点0はコントローラが指令した位
置、即ち駆動回路の現在の励磁状態に対応する安定位置
である。図7は、ステッピングモータの現在位置が安定
位置からずれていると縦軸に現れるトルクが作用するこ
とを意味している。
【0013】ここで、緩慢な動作であれば、ステッピン
グモータの現在位置はコントローラが指令した位置によ
く追従し、安定位置からずれることがない。ところが頻
繁に切り換える動作を行うと、ステッピングモータに振
動が起きる。即ち、コントローラが指令した位置(安定
位置)とステッピングモータの現在位置とがずれてく
る。このずれは、振動によるものであるから、ステッピ
ングモータを停止(現在の励磁状態に固定)すれば振動
の収束により解消される。しかし、振動の振幅が大き
く、ステッピングモータの現在位置のずれが、例えば正
逆5ステップを越えていると、ステッピングモータを停
止したとき図7の原点0の安定位置ではなく、図外の別
の安定位置に跳んでしまい、脱調する。これは、原点0
へ戻そうとするトルクが得られないからである。
【0014】原点0へ戻そうとするトルクが得られる範
囲を安定領域と呼ぶ。この安定領域内であれば原点0へ
戻ることができる。このように、安定領域には有限の幅
があるので、頻繁な切り換え動作によって振動が生じて
いるときでも、すぐに脱調するわけではなく、多少の余
裕があることが分かる。
【0015】上記構成により、回転センサが検出した位
置とコントローラから指令された位置との偏差がステッ
ピングモータの安定領域を出ないように駆動回路が制御
される。偏差が安定領域内に充分収まっているときには
駆動回路はコントローラの指令どおりにステッピングモ
ータの励磁を行えばよい。しかし、頻繁な切り換え動作
等によって振動が大きくなり偏差が安定領域から外れそ
うになると、駆動回路が制御される。駆動回路が制御さ
れることによって偏差が抑制され、脱調が回避される。
【0016】駆動回路の制御は、偏差が安定領域を越え
てからでは遅いので、安定領域を越える前に行うのがよ
い。制御の内容は、コントローラの指令にかかわらず、
駆動回路を現時点の指令パルスに相当する励磁状態に保
持させることであり、その保持した励磁状態で待機すれ
ば、ステッピングモータの特性に応じた時間で偏差は自
然に収束し、回転センサからの検出位置は保持指令位置
に一致する。偏差が収束した後は、駆動回路の制御は必
要なくなり、コントローラからの指令パルスをもと通り
通過させることになる。
【0017】保持待機の間にコントローラの指令パルス
が先へ進んでしまうのを避けるために、制御回路は、駆
動回路の保持と同時にコントローラに指令の停止を要請
する。しかし、コントローラがすぐには停止せず、駆動
回路の保持後もしばらく指令パルスを出すこともあるの
で、この指令パルスを蓄えておく。待機が終了後、ステ
ッピングモータの現在位置である保持指令位置とコント
ローラが既に指令を出し終えた指令位置とにギャップが
あるので、制御回路からのパルスで駆動回路の励磁を切
り換えてステッピングモータを回転させ、ギャップを解
消させる。このとき制御回路は、ステッピングモータを
安定回転させるような補正指令パルスを順次出力する。
回転センサの検出する位置が蓄積した指令パルスに基づ
く指令位置に一致すれば、ギャップは解消したことにな
り、爾後、コントローラからの指令パルスどおりにステ
ッピングモータの励磁を行うことができる。
【0018】ステッピングモータはトルクが決まってい
るので負荷が大きいと回らないことがある。また、停止
しても安定位置に戻らないことがある。この場合、偏差
が大きくなると、脱調してしまう。従って、保持待機後
も偏差が小さくならないときには過負荷と判定し、その
励磁状態を維持する。過負荷の解消によって偏差が小さ
くなれば、上記ギャップの解消を経て通常の運転に戻
る。このようにして過負荷による脱調が回避される。
【0019】負荷が大き過ぎると、その負荷によってス
テッピングモータが回されてしまうことがある。保持待
機中に偏差が大きくなって安定領域を外れたとき脱調と
判定する。この場合、負荷には対抗できないので、上記
の励磁状態を維持したまま回転センサの検出する位置が
静止するまで待つ。負荷によってステッピングモータが
回され、負荷とトルクとが釣り合う位置で静止すること
になる。この静止した状態では、既に脱調しているもの
の、負荷が適正に戻ればステッピングモータは脱調によ
る別の安定位置に収束する。従って、その収束位置を求
め、この収束位置に保持指令位置を修正する。その後、
過負荷の解消によって偏差が小さくなれば、この修正し
た保持指令位置から蓄積した指令パルスに基づく指令位
置まで、上記ギャップの解消を経て通常の運転に戻る。
このように、過負荷によって脱調した場合も、コントロ
ーラが既に指令を出し終えた指令位置まで戻すことがで
きるので、脱調から復帰できる。
【0020】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0021】図1に示されるように、ステッピングモー
タ1の回転軸に回転方向の位置を検出する回転センサ2
が取り付けられている。位置の指令を出すコントローラ
3とこの指令に応じてステッピングモータ1の励磁を行
う駆動回路4との間に制御回路5が設けられている。回
転センサ2が検出した位置の信号は制御回路5にフィー
ドバックされている。コントローラ3は従来と同じもの
であり、指令パルスCW0及びCCW0を出力するよう
になっている。駆動回路4は従来と同じものであり、制
御回路の出す指令パルスCW及びCCWに応じステッピ
ングモータ1に励磁電流を流すようになっている。制御
回路の出す指令パルスCW及びCCWは、コントローラ
3からの指令パルスCW0及びCCW0又は制御回路で
発生する指令パルスCW1及びCCW1のいずれかであ
る。回転センサ2は、位置の変化及び方向をパルスで示
す相対的な回転センサであってもよいし、絶対位置を出
力する絶対位置回転センサであってもよい。
【0022】なお、このステッピングモータ1は同軸に
取り付けられたステッピングシリンダ6の内筒を回転さ
せ、その内筒の角度に応じて油圧回路が開閉されること
により、ステッピングシリンダ6の直線運動が得られる
ようになっている。
【0023】図2に示されるように、制御回路5はコン
トローラからの指令パルスCW0及びCCW0を入力と
して増減カウントするカウンタ21、回転センサ2から
の出力パルスA相及びB相を入力として増減カウントす
るカウンタ22、上記2つのカウント値をそれぞれの分
解能に応じて比較し、偏差を出力する差分回路23、偏
差が安定領域内に設けた所定値を越えたことを判定する
判定回路24、判定により開閉されるスイッチ回路2
5、指令パルスCW1及びCCW1を発生するパルス発
振器26からなる。
【0024】コントローラからの指令パルスCW0及び
CCW0はスイッチ回路25にも入力されており、スイ
ッチ回路25が閉のときは指令パルスCW及びCCWと
して駆動回路(ドライブユニット)4へ送られる。回転
センサ2からの出力パルスZ相は、回転センサ2の零位
置を示す。判定回路24からコントローラに対し、指令
の停止を要請するための補正動作出力信号が出力できる
ようになっている。
【0025】次に実施例の作用を述べる。
【0026】まず、図7を見ると、ステッピングモータ
の現在位置のずれが正逆3ステップ以内であれば十分に
安定位置へ戻れるが、正逆5ステップを越えていると戻
れないことが分かる。そこで、安定領域内の所定値とし
て4ステップに相当する値を採用し、偏差が4ステップ
になるまではコントローラの指令どおりに駆動回路を動
作させ、偏差が4ステップになったときから駆動回路を
制御すればよい。
【0027】制御回路5の動作を図3に従い説明する。
【0028】では、コントローラ3の指令パルスCW
0及びCCW0から指令位置Piを求め、回転センサ2
の出力パルスA相及びB相から検出位置Pbを求める。
これはカウンタ21、22の動作に相当する。では、
偏差Pi−Pbを計算する。これは差分回路23の動作
に相当する。この偏差はコントローラが現在指令してい
る位置と実際の位置との偏差であるから絶対偏差とい
う。では、この絶対偏差と安定領域内の所定値とを比
較する。
【0029】絶対偏差が安定領域内の所定値に満たない
とき、指令パルスCW0及びCCW0をそのまま指令パ
ルスCW及びCCWとする。即ち、判定回路24がスイ
ッチ回路25を閉とし、指令パルスCW0及びCCW0
を指令パルスCW及びCCWとして駆動回路4へ通過さ
せる。
【0030】絶対偏差が安定領域内の所定値に達してい
るとき、指令パルスCW及びCCWを停止する。これ
は、スイッチ回路25を開いて指令パルスCW0及びC
CW0を遮断することに相当する。また、補正偏差Pe
を確認する。補正偏差Peは収束によって安定位置に戻
すべき偏差のことである。さらに、コントローラに対し
指令の停止を要請する。即ち、補正動作出力信号をON
にする。ここまでは瞬時に行われる。
【0031】制御回路5は、このまま所定時間待機す
る。駆動回路4は新たな指令パルスが供給されないの
で、現在の励磁状態を保持することになる。ステッピン
グモータは待機中に収束、安定し、補正偏差Peが解消
される。しかし、コントローラがすぐには停止せず、駆
動回路の保持待機開始後もしばらく指令パルスを出す。
この場合、指令位置Piが変化し検出位置Pbとの間に
絶対偏差を生じている。そこで、絶対偏差を補正するべ
くパルス発振器26の指令パルスCW1及びCCW1を
指令パルスCW及びCCWとして駆動回路4へ送る。こ
れによってステッピングモータが回転する。絶対偏差が
解消されれば指令パルスCW及びCCWを停止し、コン
トローラに対し指令の停止解除を要請する。即ち、補正
動作出力信号をOFFにする。また、スイッチ回路25
を閉とし、指令パルスCW0及びCCW0を指令パルス
CW及びCCWとして駆動回路4へ通過できるようにす
る。
【0032】次に、ステッピングモータの動作を図4、
図5、図6を用いて説明する。
【0033】図4に示されるように、コントローラから
の指令パルスによる指令位置(線41で示す)は時間と
共に進んでいるため、階段状になる。これに伴い、安定
領域(線42,43で示す)も階段状になる。ステッピ
ングモータの実際の位置(線44で示す)は指令に完全
に追従するわけではなく、振動しながら追従する。時間
0で安定領域を越えそうになったため、補正動作出力信
号(線45で示す)が出力されると共に駆動回路が制御
され、その時点の励磁状態に基づく保持指令位置(線4
6で示す)に保持したまま待機中となる。ステッピング
モータは振動が収束し、補正待機時間tの経過後には保
持指令位置に安定する。即ち、補正偏差=0となる。一
方、補正動作出力信号の出力後も、しばらくコントロー
ラが指令を出し、階段状に指令位置Pまで進む。即ち、
絶対偏差が残る。この指令位置Pまでステッピングモー
タを送るために、補正待機時間tの経過直後より、駆動
回路4に補正指令パルスが出力される。この補正指令パ
ルスは、ステッピングモータ1に大きな振動を発生させ
ないようにパルス調整時間t1を確保してある。ステッ
ピングモータ1の実際の位置が指令位置Pに一致したと
き、補正動作出力信号が解除され、その後(時間T)、
コントローラからの位置の指令パルスによる通常の動作
が再開される。
【0034】時間0から時間Tまでは制御回路5の介在
により脱調防止の動作となるが、それ以外は通常の動作
であり、コントローラは一時的に停止の要請を受けるも
のの、その前後を通じて支障なく動作することができ
る。即ち、ステッピングモータの利点を損なわずに脱調
を確実に防止できることになる。
【0035】図5は、過負荷の場合を示している。コン
トローラからの指令パルスによる指令位置(線51で示
す)、安定領域(線52,53で示す)は前例と同様、
階段状になる。ところがステッピングモータの実際の位
置(線54で示す)は負荷が大きいため途中から進まな
くなる。やがて時間0で安定領域を越えそうになったた
め、現在の励磁状態を保持して待機中となる。前例と異
なり、補正待機時間tの経過後も保持指令位置(線56
で示す)との偏差は解消しない。このとき前例と同じよ
うに指令位置との偏差を解消しようとして、駆動回路4
に指令パルスを出力してもステッピングモータが回るこ
とは期待できず、脱調に至る虞れがある。そこで、励磁
状態を維持し、モータロック出力(線57で示す)を出
力する。この信号は、いわば過負荷による回転不能の検
出出力であり、上位システムに対する警報に使用され
る。これによって、負荷の異常が除去されるとステッピ
ングモータは安定位置に戻り始める。安定位置の近傍ま
で来ると安定位置への復帰が確実となるから、補正偏差
=動作値を検出してから再度の補正待機時間tの経過を
待つ。その後、絶対偏差が残っているならば、駆動回路
4に補正指令パルスが出力される。
【0036】このように、過負荷の状態が脱調に至る以
前に検出されて、ステッピングモータが保持待機中とな
り、負荷が軽くなるのを待って制御が再開されるので、
過負荷による脱調が防止される。
【0037】図6は、過負荷に負けて脱調した場合を示
している。コントローラからの指令パルスによる指令位
置(線61で示す)、安定領域(線62,63で示す)
は前例と同様、階段状になる。ところがステッピングモ
ータの実際の位置(線64で示す)は途中で負荷が大き
くなっため、逆戻しされている。時間0で現在の励磁状
態を保持して待機中となるが、その後も引き続き逆戻し
されている。やがて、ステッピングモータと負荷とが釣
り合う位置で静止する。従来ならば、すでに脱調してい
るのでこれ以後の制御は不能である。本発明では回転セ
ンサが位置を検出しているので、復帰が可能である。補
正待機時間tが経過した時点で保持指令位置(線66で
示す)との偏差が限界値を越えていれば脱調と判断し、
その後、回転センサの検出位置の変化がないまま停止確
認時間t2を経過したとき、静止を確認する。ステッピ
ングモータが静止したときには、脱調は停止したが過負
荷状態は継続している。このとき、脱調によって生じた
補正偏差のずれを修正する。補正偏差をes、保持を開
始したときのコントローラの指令位置と静止を確認した
ときの回転センサの検出位置との距離であるずれ偏差を
ev、ステッピングモータの同一励磁状態での安定位置
の間隔をステップの数で表した電気ステップ数をstと
すると、 es=evMODst (1) となる。
【0038】この補正偏差esは、過負荷が解消された
とき収束する。その収束位置が脱調によって生じた補正
偏差のずれを修正した保持指令位置であるから、この保
持指令位置と指令位置Pとのギャップを解消するべく補
正指令パルスを出せばよいことになる。
【0039】負荷が軽くなれば、前例と同様にして補正
偏差が解消される。さらに補正指令パルスの順次出力に
よって絶対偏差が解消され、ステッピングモータの実際
の位置がコントローラの指令位置に一致するようにな
る。このようにして脱調からの復帰が達成される。
【0040】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0041】(1)位置決め精度の高いステッピングモ
ータの利点は失われず、脱調が確実に防止される。
【0042】(2)回転センサ、制御回路を付加するだ
けで、従来システムにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すステッピングモータの
制御系統図である。
【図2】本発明の制御回路の回路図である。
【図3】本発明の制御回路の制御流れ図である。
【図4】本発明によるステッピングモータの動作の遷移
図である。
【図5】本発明によるステッピングモータの動作の遷移
図である。
【図6】本発明によるステッピングモータの動作の遷移
図である。
【図7】ステッピングモータの位置−トルク関係図であ
る。
【図8】従来例を示すステッピングモータの制御系統図
である。
【符号の説明】 1 ステッピングモータ 2 回転センサ 3 コントローラ 4 駆動回路 5 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 8/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータの回転位置を指令す
    る指令パルスを出すコントローラとこの指令パルスに応
    じて順次ステッピングモータの励磁を行う駆動回路とを
    有するステッピングモータの駆動装置において、ステッ
    ピングモータの回転軸に回転方向の位置を検出する回転
    センサを取り付けると共に、上記コントローラと上記駆
    動回路との間に、上記回転センサからの検出位置とコン
    トローラからの指令パルスに基づく指令位置との偏差を
    検出し、その偏差がステッピングモータを指令位置へ戻
    そうとするトルクが得られる安定領域を越える前に現時
    点指令パルスに相当する励磁状態を保持するように駆動
    回路を制御する制御回路を設け、上記制御回路は、上記
    偏差が安定領域を越える前に上記コントローラからの指
    令パルスを遮断すると共に上記駆動回路をその時点の指
    令パルスに相当する励磁状態に保持させ、この保持した
    励磁状態に基づく保持指令位置と上記回転センサからの
    検出位置との偏差が収束するまで待機し、この保持待機
    の後、コントローラからの指令パルスを通過させること
    を特徴とするステッピングモータの脱調防止装置。
  2. 【請求項2】 上記制御回路は、上記駆動回路を保持待
    機させると同時にコントローラに指令パルスの停止を要
    請し、これよりコントローラが停止するまでの指令パル
    スを蓄積し、上記保持待機の後、保持指令位置から蓄積
    した指令パルスに基づく指令位置までステッピングモー
    タを安定回転させるべく上記駆動回路に補正指令パルス
    を順次出力し、その後、コントローラに指令パルスの再
    開を要請することを特徴とする請求項記載のステッピ
    ングモータの脱調防止装置。
  3. 【請求項3】 上記制御回路は、上記保持待機後も偏差
    が小さくならないときには過負荷と判定して保持待機を
    継続し、過負荷の解消によって偏差が小さくなるのを待
    ち、その後、偏差が収束すれば上記補正指令パルスの出
    力を開始することを特徴とする請求項記載のステッピ
    ングモータの脱調防止装置。
  4. 【請求項4】 上記制御回路は、上記保持待機中に偏差
    が大きくなって安定領域を外れたとき過負荷による脱調
    と判定し、保持待機を継続したまま上記回転センサの検
    出する位置が静止するのを待ち、この静止位置と保持指
    令位置との位置ずれから過負荷が解消されたときの収束
    位置を求め、この収束位置に保持指令位置を修正し、そ
    の後、偏差が収束すれば上記補正指令パルスの出力を開
    始することを特徴とする請求項記載のステッピングモ
    ータの脱調防止装置。
JP32525594A 1994-12-27 1994-12-27 ステッピングモータの脱調防止装置 Expired - Fee Related JP3453886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32525594A JP3453886B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ステッピングモータの脱調防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32525594A JP3453886B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ステッピングモータの脱調防止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08182392A JPH08182392A (ja) 1996-07-12
JP3453886B2 true JP3453886B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=18174774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32525594A Expired - Fee Related JP3453886B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ステッピングモータの脱調防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3453886B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5491207B2 (ja) 2010-01-13 2014-05-14 キヤノン株式会社 ステッピングモータの駆動装置
CN111193443B (zh) * 2020-01-21 2022-03-04 追觅科技(上海)有限公司 步进电机控制方法、装置及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08182392A (ja) 1996-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3453886B2 (ja) ステッピングモータの脱調防止装置
JPH11113289A (ja) 位置制御用モータの制御装置
JP2002359997A (ja) ステッパモータの駆動制御方法及びそのステッパモータ装置
JPH0459267A (ja) 記録装置
JP4006875B2 (ja) モータ保護装置
JP5408534B2 (ja) 電動雲台装置
JP3151845B2 (ja) ロボットアームのサーボ制御装置
US5196777A (en) Stepping motor drive control system
JP4340080B2 (ja) カメラ移動装置
JPH03207289A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JPH0759395A (ja) ステッピングモータの駆動方法
JP6568626B1 (ja) コンクリートバイブレータ用ブラシレスモータの制御装置
JP3223110B2 (ja) ステッピングモータの駆動回路
JPH11252996A (ja) パルスモータの駆動装置とその駆動方法
JPH02168899A (ja) 駆動制御装置
JP2006060925A (ja) ステッピングモータのマイクロステップ駆動装置、電動雲台カメラおよびズームカメラ
JP2002084794A (ja) ステッピングモータの制御装置
JPH0681552B2 (ja) ステッピングモータの脱調検出方法
JP3102792B2 (ja) スキャナ制御装置
JP3584733B2 (ja) モータ駆動装置
JP2968975B2 (ja) スキャナ制御装置
JPH0654592A (ja) ステップモータの制御方法
JPH08186997A (ja) パルスモータの原点復帰制御方法
JPH1127990A (ja) ステッピングモータ制御方法
JPS59204492A (ja) パルスモ−タの位置補正回路

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees