JP3453857B2 - 積層型バリスタの製造方法 - Google Patents
積層型バリスタの製造方法Info
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Description
法に関するものである。
田により、Ag外部電極が、侵されてしまうため、Ag
外部電極の上にNiメッキ等を施し、この上からさら
に、半田付け性向上のため半田メッキを施している。し
かし、ZnOバリスタは、半導体であるため電解メッキ
を行うと、セラミック素子表面もメッキされてしまうの
で、これを防ぐために、セラミック素子表面にSi,
B,Bi,Pb,Ca等からなるガラスをディップし
て、高抵抗層を形成していた。
高抵抗層は選択的にセラミック素子表面だけに形成する
ことができず、また均一な厚さにすることが困難であっ
た。このため、メッキをするときメッキ流れをおこして
ショートしたり、水分等がセラミック素子内部に浸入し
てバリスタ特性を劣化させたりするという問題点を有し
ていた。
し、選択的にセラミック素子表面に高抵抗層を形成し、
耐メッキ性、耐湿性に優れたバリスタを提供することを
目的とするものである。
に、本発明はバリスタ素子の表面に電極を形成し、次に
バリスタ素子の表面にSiO2を主成分とする混合物を
配し、その後焼成し、バリスタ素子表面の少なくとも電
極に覆われていない部分に主成分がZn−Si−O系の
物質である高抵抗層を形成するものである。
分がSiO2と反応し、バリスタ素子表面に主成分がZ
n−Si−O系の物質である高抵抗層が形成される。し
かし、バリスタ素子表面に設けられた電極とSiO2は
反応しないので選択的に電極形成部分を除く、バリスタ
素子表面に、高抵抗層が形成され、前記電極上にメッキ
することができる。また、この高抵抗層は、緻密で均一
な厚みを有するので、メッキ流れや余分な水分などが浸
入するのを防ぐことができるので、耐湿性、耐メッキ性
に優れたバリスタを得ることができる。
極とバリスタ素子の間にも、高抵抗層が形成されるの
で、内部電極の遊端と、対向する外部電極の距離を短く
することができる。すなわち、内部電極の面積を大きく
することができるので、サージ耐量の大きなバリスタを
得ることができる。
層が形成される理由は、現時点で明確になっていない
が、バリスタ素子の成分とSiO2とが反応して液相化
し、界面から液相化した高抵抗成分が素子内に浸入する
ためであると思われる。
内部にはAg製の内部電極2が複数設けられている。こ
れらの内部電極2には、交互にバリスタ素子1の両端に
引き出され、その両端において、外部電極3と電気的に
接続されている。
されたセラミックシート1aは、ZnOを主成分とし、
副成分としてBi2O3,Co2O3,MnO2,Sb
2O3,B2O3等を含んでいる。
1aは図2において(5)で示すごとく原料の混合、粉
砕、スラリー化、シート成形により作製した。次にこの
セラミックシート1aと、内部電極2とを積層(6)
し、それを切断(7)し、930℃で30分間焼成
(8)後、シェーカーで1時間、セラミック素子1の表
面の面取(9)をした。
極ペーストを塗布(10)し、750℃〜850℃でA
g電極焼付(11)し、その後、図3に示すごとくSi
O2を主成分とする混合物15にバリスタ素子1を埋没
させ、空気中あるいは酸素雰囲気中で750℃〜950
℃で5分〜10時間、焼成した(図2の12)。
ZnOと、SiO2が反応して、主にZn2SiO4から
なる高抵抗層4aが前記バリスタ素子1表面上に形成さ
れる。また、バリスタ素子1に副成分として、Bi2O3
を添加した場合、Bi2O3がSiO2と反応して、主に
Zn2SiO4からなる高抵抗層4aと、この高抵抗層4
aの上に、主にBi4(SiO4)3からなる高抵抗層4b
とがバリスタ素子1の表面上に形成される。
O3を添加した場合、B2O3がSiO 2と反応して、主に
Zn2SiO4からなる高抵抗層4aと、この上に、主に
B2(SiO4)3からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子
1の表面上に形成される。
て、Bi2O3とB2O3とを添加した場合、Bi2O3とB
2O3とがSiO2と反応して、主にZn2SiO4からな
る高抵抗層4aと、この上に、主にBi4(SiO4)3と
B2(SiO4)3とからなる高抵抗層4bとがバリスタ素
子1の表面上に形成される。これら反応により生じた物
質は、バリスタの特性への悪影響は生じず、バリスタと
して極めて特性の優れたものが得られる。ここで重要な
ことは、図3に示すごとく個々のバリスタ素子1を全て
SiO2を主成分とする混合物15に埋没させておくこ
とである。そのために、まずアルミナのるつぼ16の中
に所定の厚さでSiO2を主成分とする混合物15を敷
きつめ、その上に、バリスタ素子1を隣接するものと接
触しないように並べ、その状態でSiO2を主成分とす
る混合物15を充分に覆いかぶせた。この状態で焼成を
行った後に、バリスタ素子1表面と、外部電極3表面の
SiO 2を主成分とする混合物15を取り除いた。この
除去は例えば容器内にSiCの玉石と純水とバリスタ素
子1とを入れて撹拌したり、エアーガンで複数のバリス
タ素子1を容器内で揺動させたりして行った。その後、
外部電極3表面に2A,30minで電解Niメッキ、そ
の上に0.6A,30minで半田メッキ(図2の14)
を行い、バリスタを得た。
みは、Niメッキが1.2μm、半田メッキは1.3μ
mであった。
た。
bを有していないバリスタ素子1にメッキを行うと、外
部電極3の形成部分以外のバリスタ素子1の表面積の1
00%がメッキされてしまう。
面にガラスによる高抵抗層を形成したものは、7〜8%
メッキされた。しかし、本実施例によるものは、バリス
タ素子1の外部電極3形成部分以外は全くメッキされな
かった。
メッキ液による、バリスタ素子1の腐食が起きないの
で、優れた特性を有するものである。
電極3塗布(10)後のバリスタ素子1を、図3に示す
ごとく、SiO2を主成分とする混合物15に、埋没さ
せ、この状態で、750〜950℃で5分〜10時間焼
成した。その後、外部電極3上に、さらにAg電極ペー
ストを塗布し、750〜850℃で10〜60分間Ag
電極焼付を行い、次にメッキ(14)を行ってバリスタ
を得た。
とする混合物15にバリスタ素子1を埋没させて反応さ
せた後、外部電極3上についたSiO2の反応物は実施
例1と同様に除去してから、さらに外部電極3の上にA
gを塗布して焼付てもよい。
バリスタ素子1の主成分ZnOと、SiO2が反応し
て、主にZn2SiO4からなる高抵抗層4aが前記バリ
スタ素子1表面上に形成される。また、バリスタ素子1
に副成分として、Bi2O3が添加した場合、Bi2O3が
SiO2と反応して、主にZn2SiO4からなる高抵抗
層4aと、この高抵抗層4aの上に、主にBi4(SiO
4)3からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子1の表面上
に形成される。
O3を添加した場合、B2O3がSiO 2と反応して、主に
Zn2SiO4からなる高抵抗層4aと、この上に、主に
B2(SiO4)3からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子
1の表面上に形成される。
て、Bi2O3とB2O3とを添加した場合、Bi2O3とB
2O3とがSiO2と反応して、主にZn2SiO4からな
る高抵抗層4aと、この上に、主にBi4(SiO4)3と
B2(SiO4)3とからなる高抵抗層4bとがバリスタ素
子1の表面上に形成される。これら反応により生じた物
質は、バリスタの特性への悪影響は生じず、バリスタと
して、極めて優れた特性を有するものが得られる。
(9)後、図3に示すごとく、SiO2を主成分とする
混合物15にバリスタ素子1を埋没させ、この状態で7
50℃〜950℃で5分〜10時間、加熱する。加熱
後、外部電極3を塗布(10)し、750℃〜850
℃、10〜60分でAg電極焼付、メッキ(14)を行
う。
バリスタ素子1の主成分ZnOと、SiO2が反応し
て、主にZn2SiO4からなる高抵抗層4aが前記バリ
スタ素子1表面上に形成される。また、バリスタ素子1
に副成分として、Bi2O3を添加した場合、Bi2O3が
SiO2と反応して、主にZn2SiO4からなる高抵抗
層4aと、この高抵抗層4aの上に、主にBi4(SiO
4)3からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子1の表面上
に形成される。
O3を添加した場合、B2O3がSiO 2と反応して、主に
Zn2SiO4からなる高抵抗層4aと、この上に、主に
B2(SiO4)3からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子
1の表面上に形成される。
て、Bi2O3とB2O3とを添加した場合、Bi2O3とB
2O3とがSiO2と反応して、主にZn2SiO4からな
る高抵抗層4aと、この上に、主にBi4(SiO4)3と
B2(SiO4)3とからなる高抵抗層4bとがバリスタ素
子1の表面上に形成される。これら反応により生じた物
質は、バリスタの特性への悪影響は生じず、バリスタと
して、極めて優れた特性を有するものが得られる。
ミック素子1を得た後、(CH3O)4Si,(C2H 5O)4
Si,(C3H7O)4Si,(C4H9O)4Siのうち少なく
とも1種類以上含む液体に、セラミック素子1を浸漬さ
せ、その後、空気中あるいは酸素雰囲気中で、700〜
850℃で30分間焼成して高抵抗層4a,4bを形成
した。このようにバリスタ素子1を上記液体に浸漬する
ことにより、この液体が、バリスタ素子1の表面に入り
込み、接触面積が広くなり、反応性が良くなると共に均
一な厚さの膜が得られる。
リスタ素子1の主成分ZnOと、SiO2が反応して、
主にZn2SiO4からなる高抵抗層4aが前記バリスタ
素子1表面上に形成される。また、バリスタ素子1に副
成分として、Bi2O3を添加した場合、Bi2O3がSi
O2と反応して、主にZn2SiO4からなる高抵抗層4
aと、この高抵抗層4aの上に、主にBi4(SiO4)3
からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子1の表面上に形
成される。
O3を添加した場合、B2O3がSiO 2と反応して、主に
Zn2SiO4からなる高抵抗層4aと、この上に、主に
B2(SiO4)3からなる高抵抗層4bとがバリスタ素子
1の表面上に形成される。
て、Bi2O3とB2O3とを添加した場合、Bi2O3とB
2O3とがSiO2と反応して、主にZn2SiO4からな
る高抵抗層4aと、この上に、主にBi4(SiO4)3と
B2(SiO4)3とからなる高抵抗層4bとがバリスタ素
子1の表面上に形成される。これら反応により生じた物
質は、バリスタの特性への悪影響は生じず、バリスタと
して、極めて優れた特性を有するものが得られる。
分とする混合物15にバリスタ素子1を埋没させる場
合、図4のように埋め込むだけでも高抵抗層は形成され
るが、反応性を考えた場合、図3のようにアルミナのる
つぼ16中で反応させ、さらにおもしなどをして、圧力
をかけてSiO2を主成分とする混合物15とバリスタ
素子1との密着性を上げた方がよい。また、ニッケル製
あるいは磁器製等のバリスタ素子1と反応しない材料で
できた容器内にニッケルあるいはジルコニア等のバリス
タ素子1と反応しない玉石と、バリスタ素子1とSiO
2を主成分とする混合物15とを入れ、回転させながら
撹拌して反応を行うと、より均一に反応させることがで
きると思われる。
例1〜3と同様に、混合物15に埋没させて、高抵抗層
4a,4bを形成するとさらに均一な厚さを有する緻密
なものが形成できる。
さいものを用いることが好ましい。また混合物15はS
iO2を主成分とする粉体であるが、バリスタ素子1と
の反応性を良くするために、粒径を2μm以下にするこ
とが望ましい。そして、SiO2以外に混合物15に用
いる粉体として、マンガン、鉄、ニッケル、アンチモ
ン、アルミニウム、ジルコニア等の酸化物が望ましい。
ることにより膜厚を制御できる。また、高抵抗層を形成
する際、1200℃以下にすることが望ましい。という
のは1200℃を越えるとSiがガラス化してしまい、
バリスタ素子1同士がひっついてしまうからである。
スタ素子1の成分が蒸発して、ポアになるのを防ぐこと
ができる。これに対して降温は、特に500〜800℃
の間は、50℃/hで降温させることが望ましい。これ
により、バリスタ素子1の内部に酸素が十分に供給さ
れ、低電流領域でのバリスタ特性が向上する。
の湿中負荷試験を行い、その結果を図5に示した。
タは100時間を過ぎると
は、ほとんど変化していない。このように、本発明のバ
リスタは従来のものと比較すると非常に耐湿性に優れて
いることがわかる。
要な無効層厚みを示している。
れ電流を防ぐため、サージ耐量が500Aのバリスタで
は、無効層の厚みを有効層一層の厚みの2倍に、また2
00Aのバリスタでは、無効層の厚みを有効層一層の厚
みと同じに最低限しなければならなかった。しかし、本
発明のバリスタは、サージ耐量が1000Aのバリスタ
でも、無効層の厚みを有効層一層の厚みの0.2倍にし
ても、外部電極3とバリスタ素子1の間に高抵抗層4
a,4bが介在しているので、もれ電流を防ぐことがで
きる。
場合、外部電極3とバリスタ素子1の間にも、高抵抗層
3aが形成されるので、内部電極2の遊端2aと、対向
する外部電極3の距離を短くすることができる。すなわ
ち、内部電極2の面積を大きくすることができるので、
サージ耐量の大きなバリスタを得ることができる。
が形成される理由は現時点で十分判明していないが、バ
リスタ素子の成分とSiO2とが、反応して液相化し、
界面から液相化した高抵抗成分が素子内に浸入するため
であると思われる。
面の電極に覆れていない部分に、主成分がZn2SiO4
の高抵抗層、あるいは下層がZn2SiO4を主成分とす
る高抵抗層、上層がBi4(SiO4)3を主成分とする高
抵抗層、あるいは下層がZn2SiO4を主成分とする高
抵抗層、上層がB2(SiO4)3を主成分とする高抵抗
層、あるいは、下層がZn2SiO4を主成分とする高抵
抗層、上層が主にBi4(SiO4)3とB2(SiO4)3から
なる高抵抗層を形成するものである。
有するので不要な水分などがバリスタ素子内に浸入し
て、バリスタ特性を劣化させることがない。また、メッ
キ時も、メッキ流れを起こしショート不良が発生するの
を防ぐことができる。さらに、無効層の厚みを従来より
も薄くすることができるので、小型化を図ることができ
る。このように、本発明の高抵抗層は耐薬品性、耐湿性
に優れているので、優れた特性を有するバリスタを得る
ことができる。
極とバリスタ素子の間にも、高抵抗層が形成されるの
で、内部電極の遊端と、対向する外部電極の距離を短く
することができる。すなわち、内部電極の面積を大きく
することができるので、サージ耐量の大きなバリスタを
得ることができる。
図
表す特性曲線図
Claims (5)
- 【請求項1】 ZnOを主成分とするセラミックシート
と内部電極とを積層し焼成してバリスタ素子を得る第1
の工程と、次に、前記バリスタ素子の両端面に外部電極
を形成する第2の工程と、次に、前記外部電極を形成し
た前記バリスタ素子の表面にSiO2を主成分とする混
合物(ガラスを除く)を配して焼成し前記バリスタ素子
のZnOとSiO 2 とを反応させ前記バリスタ素子の表
面にZn 2 SiO 4 を主成分とする高抵抗層を形成する第
3の工程と、次に、前記外部電極の表面にメッキする第
4の工程とを有する積層型バリスタの製造方法。 - 【請求項2】 第3の工程において、外部電極を形成し
たバリスタ素子をSiO2を主成分とする混合物(ガラ
スを除く)に埋没させ圧力をかけて焼成する請求項1に
記載の積層型バリスタの製造方法。 - 【請求項3】 第3の工程において、外部電極を形成し
たバリスタ素子とSiO2を主成分とする混合物(ガラ
スを除く)と玉石とを容器に入れ回転させながら焼成す
る請求項1に記載の積層型バリスタの製造方法。 - 【請求項4】 外部電極の表面にメッキする第4の工程
の前に、前記外部電極の上に第2の外部電極を形成する
工程を有する請求項1に記載の積層型バリスタの製造方
法。 - 【請求項5】 外部電極の表面にメッキする第4の工程
の前に、前記外部電極の表面に付着したSiO2を主成
分とする混合物を除去する工程を有する請求項1に記載
の積層型バリスタの製造方法。
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