JP3036443B2 - 炭化水素検出センサの製造方法 - Google Patents
炭化水素検出センサの製造方法Info
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- JP3036443B2 JP3036443B2 JP8315936A JP31593696A JP3036443B2 JP 3036443 B2 JP3036443 B2 JP 3036443B2 JP 8315936 A JP8315936 A JP 8315936A JP 31593696 A JP31593696 A JP 31593696A JP 3036443 B2 JP3036443 B2 JP 3036443B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雰囲気中の炭化水
素濃度を測定するための炭化水素検出センサの製造方法
に関し、その構成を簡素化して生産性を高め、さらに小
型化、加熱電力の低減をはかったものである。
素濃度を測定するための炭化水素検出センサの製造方法
に関し、その構成を簡素化して生産性を高め、さらに小
型化、加熱電力の低減をはかったものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の炭化水素検出センサは、特
開昭59−109856号公報に記載されているものが
一般的である。このセンサは、図6に示すように筒体1
2の内部空間部に、白金電極膜10a、10bを両面に
形成した酸素イオン導電性固体電解質9を配置し、白金
電極膜10bの左側空間部分に酸化触媒11の粒子群を
充填したものである。そして、通気性の有る蓋13a、
13bで筒体12を両側から挟みこみ、酸化触媒11の
粒子群および酸素イオン導電性固体電解質9がこぼれな
いようにしている。また、筒体12の周囲には加熱体1
4を配置し、酸素イオン導電性固体電解質9および酸化
触媒11の加熱に用いている。
開昭59−109856号公報に記載されているものが
一般的である。このセンサは、図6に示すように筒体1
2の内部空間部に、白金電極膜10a、10bを両面に
形成した酸素イオン導電性固体電解質9を配置し、白金
電極膜10bの左側空間部分に酸化触媒11の粒子群を
充填したものである。そして、通気性の有る蓋13a、
13bで筒体12を両側から挟みこみ、酸化触媒11の
粒子群および酸素イオン導電性固体電解質9がこぼれな
いようにしている。また、筒体12の周囲には加熱体1
4を配置し、酸素イオン導電性固体電解質9および酸化
触媒11の加熱に用いている。
【0003】一方、酸素イオン導電性固体電解質9に白
金電極膜10a、10bを形成する同種ガスセンサに着
目すると、特開平5−99894号公報に記載されてい
るものがある。このガスセンサは、図7に示すように、
3価以下の金属またはその酸化物を0.05〜10.0
重量%含有する酸素イオン導電性の固体電解質体15
に、3価以下の金属またはその酸化物を0.05〜1
0.0重量%含有する電極層16a、16bを積層し、
得られた積層体を酸化性雰囲気中において焼成し、固体
電解質体15と電極層16a、16bとを接合した構成
である。そして3価以下の金属として、銅、ビスマス、
亜鉛、カドミニウムから選択された少なくとも一種を使
用することが記載されている。
金電極膜10a、10bを形成する同種ガスセンサに着
目すると、特開平5−99894号公報に記載されてい
るものがある。このガスセンサは、図7に示すように、
3価以下の金属またはその酸化物を0.05〜10.0
重量%含有する酸素イオン導電性の固体電解質体15
に、3価以下の金属またはその酸化物を0.05〜1
0.0重量%含有する電極層16a、16bを積層し、
得られた積層体を酸化性雰囲気中において焼成し、固体
電解質体15と電極層16a、16bとを接合した構成
である。そして3価以下の金属として、銅、ビスマス、
亜鉛、カドミニウムから選択された少なくとも一種を使
用することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の炭
化水素検出センサは、図6に示すように筒体12の内部
空間部に酸化触媒11の粒子群を充填した構成であるた
め、酸化触媒11の粒子群の取り扱いが煩雑でその充填
に多くの工数を要し、生産性が向上しない課題があっ
た。また筒体12の内部空間部に酸素イオン導電性固体
電解質9および酸化触媒11の粒子群を配置し、加熱体
14を筒体12の周囲に配置した構成であるため、セン
サの大型化する課題があった。しかも加熱体14の熱
が、効果的に酸素イオン導電性固体電解質9や酸化触媒
11に伝達されにくく、加熱電力が大きい課題もあっ
た。
化水素検出センサは、図6に示すように筒体12の内部
空間部に酸化触媒11の粒子群を充填した構成であるた
め、酸化触媒11の粒子群の取り扱いが煩雑でその充填
に多くの工数を要し、生産性が向上しない課題があっ
た。また筒体12の内部空間部に酸素イオン導電性固体
電解質9および酸化触媒11の粒子群を配置し、加熱体
14を筒体12の周囲に配置した構成であるため、セン
サの大型化する課題があった。しかも加熱体14の熱
が、効果的に酸素イオン導電性固体電解質9や酸化触媒
11に伝達されにくく、加熱電力が大きい課題もあっ
た。
【0005】一方、図7に示すような酸素イオン導電性
の固体電解質体15に電極層16a、16bを形成する
同種ガスセンサは、この技術を安定化ジルコニアの固体
電解質体に応用すると、安定化ジルコニアとの熱膨張係
数の一致や酸素イオン導電性が考慮された材料組成・製
法の電極膜になっていないため、安定化ジルコニアが割
れる、密着性がない、特性が得られないなどの課題があ
る。以下、詳細にその内容を説明する。酸化ビスマス
は、酸素イオン導電性に優れるが熱膨張係数が14×1
0ー6(degー1)もあり、白金の9×10ー6(de
gー1)、安定化ジルコニアの10×10ー6(degー1)
と比べてその値が約1.4倍大きい。また、酸化ビスマ
スは820℃で溶融し酸素イオン導電性に優れた結合材
となるが、焼成温度が低いと溶融せず結合材の役割をな
さないし、焼成温度が高いと変質して酸素イオン導電性
の低下と結合力の低下が起こる性質がある。一方、酸化
銅や酸化カドミニウムは、熱膨張係数が約11〜12×
10ー6(degー1)であり白金や安定化ジルコニアより
1.1〜1.2倍大きいが、酸素イオン導電性がほとん
どない欠点がある。このように、銅、ビスマス、亜鉛、
カドミニウムの金属酸化物さらに金属を電極層に含有さ
せた白金電極膜を安定化ジルコニアに形成するために
は、安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一致や酸素イオ
ン導電性を考慮した最適な結合材組成と製造方法が必要
であり、これらが最適でないとジルコニアが割れる、密
着性がない、特性が得られないの課題が発生する。
の固体電解質体15に電極層16a、16bを形成する
同種ガスセンサは、この技術を安定化ジルコニアの固体
電解質体に応用すると、安定化ジルコニアとの熱膨張係
数の一致や酸素イオン導電性が考慮された材料組成・製
法の電極膜になっていないため、安定化ジルコニアが割
れる、密着性がない、特性が得られないなどの課題があ
る。以下、詳細にその内容を説明する。酸化ビスマス
は、酸素イオン導電性に優れるが熱膨張係数が14×1
0ー6(degー1)もあり、白金の9×10ー6(de
gー1)、安定化ジルコニアの10×10ー6(degー1)
と比べてその値が約1.4倍大きい。また、酸化ビスマ
スは820℃で溶融し酸素イオン導電性に優れた結合材
となるが、焼成温度が低いと溶融せず結合材の役割をな
さないし、焼成温度が高いと変質して酸素イオン導電性
の低下と結合力の低下が起こる性質がある。一方、酸化
銅や酸化カドミニウムは、熱膨張係数が約11〜12×
10ー6(degー1)であり白金や安定化ジルコニアより
1.1〜1.2倍大きいが、酸素イオン導電性がほとん
どない欠点がある。このように、銅、ビスマス、亜鉛、
カドミニウムの金属酸化物さらに金属を電極層に含有さ
せた白金電極膜を安定化ジルコニアに形成するために
は、安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一致や酸素イオ
ン導電性を考慮した最適な結合材組成と製造方法が必要
であり、これらが最適でないとジルコニアが割れる、密
着性がない、特性が得られないの課題が発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、安定化ジルコニア焼結板の表面に、白金に
酸化ビスマスを1.5〜5wt%混合した白金電極膜を2
個厚膜印刷した後に、酸化触媒粉末を含有とした酸化触
媒膜を前記白金電極膜の片側上部に厚膜印刷して積層
し、前記白金電極膜と前記酸化触媒膜を700〜100
0℃で同時に焼成した。また酸化触媒は、融点1100
℃以上の高活性材料である白金、酸化銅、酸化鉄、酸化
ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ガリウ
ム、酸化クロム、酸化チタンの群から選択した少なくと
も1種であるとしたものである。
するために、安定化ジルコニア焼結板の表面に、白金に
酸化ビスマスを1.5〜5wt%混合した白金電極膜を2
個厚膜印刷した後に、酸化触媒粉末を含有とした酸化触
媒膜を前記白金電極膜の片側上部に厚膜印刷して積層
し、前記白金電極膜と前記酸化触媒膜を700〜100
0℃で同時に焼成した。また酸化触媒は、融点1100
℃以上の高活性材料である白金、酸化銅、酸化鉄、酸化
ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ガリウ
ム、酸化クロム、酸化チタンの群から選択した少なくと
も1種であるとしたものである。
【0007】上記発明によれば、酸化触媒膜は厚膜印刷
という簡単な製法で白金電極膜に固定化されるため、取
り扱いが簡単になり生産性が向上する。しかも白金電極
膜は、安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一致や酸素イ
オン導電性を考慮した結合材組成と製造方法であるた
め、高活性なセンサがジルコニア割れなどの不良品を製
造することなく高い部留まりで得られる。
という簡単な製法で白金電極膜に固定化されるため、取
り扱いが簡単になり生産性が向上する。しかも白金電極
膜は、安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一致や酸素イ
オン導電性を考慮した結合材組成と製造方法であるた
め、高活性なセンサがジルコニア割れなどの不良品を製
造することなく高い部留まりで得られる。
【0008】また本発明は上記課題を解決するために、
酸化触媒膜および白金電極膜付き安定化ジルコニア焼結
板と、ヒータ膜付きフォルステライト基板とを、熱膨張
係数が安定化ジルコニアおよびフォルステライト基板と
概略同じである硝子膜を介して接合固定したものであ
る。そのため、ヒータ膜が効果的に安定化ジルコニア焼
結板や酸化触媒膜に伝達され、センサの小型化および加
熱電力の低減ができる。
酸化触媒膜および白金電極膜付き安定化ジルコニア焼結
板と、ヒータ膜付きフォルステライト基板とを、熱膨張
係数が安定化ジルコニアおよびフォルステライト基板と
概略同じである硝子膜を介して接合固定したものであ
る。そのため、ヒータ膜が効果的に安定化ジルコニア焼
結板や酸化触媒膜に伝達され、センサの小型化および加
熱電力の低減ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、酸化イットリウム8モ
ル%とジルコニア92モル%からなる安定化ジルコニア
焼結板の表面に、白金に酸化ビスマスを1.5〜5wt%
混合した白金電極膜を2個厚膜印刷した後に、酸化触媒
粉末を含有とした酸化触媒膜を前記白金電極膜の片側上
部に厚膜印刷して積層し、前記白金電極膜と前記酸化触
媒膜を700〜1000℃で同時に焼成した構成と製法
であり、前記酸化触媒が白金、酸化銅、酸化鉄、酸化ニ
ッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ガリウム、
酸化クロム、酸化チタンの群から選択した少なくとも1
種であるとしたものである。
ル%とジルコニア92モル%からなる安定化ジルコニア
焼結板の表面に、白金に酸化ビスマスを1.5〜5wt%
混合した白金電極膜を2個厚膜印刷した後に、酸化触媒
粉末を含有とした酸化触媒膜を前記白金電極膜の片側上
部に厚膜印刷して積層し、前記白金電極膜と前記酸化触
媒膜を700〜1000℃で同時に焼成した構成と製法
であり、前記酸化触媒が白金、酸化銅、酸化鉄、酸化ニ
ッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ガリウム、
酸化クロム、酸化チタンの群から選択した少なくとも1
種であるとしたものである。
【0010】そして酸化触媒は膜化して白金電極膜に積
層化し同時焼成するため、簡単な製法で酸化触媒が固定
でき、取り扱いが簡素化されて生産性が向上する。ま
た、白金電極膜は安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一
致や酸素イオン導電性を考慮した結合材組成と製造方法
であるため、ジルコニア割れなどの不良品を製造するこ
となく高い部留まりで高活性なセンサが得られる。また
酸化触媒は、融点1100℃以上の高活性な酸化触媒で
あるため、検出感度の高いセンサが得られる。
層化し同時焼成するため、簡単な製法で酸化触媒が固定
でき、取り扱いが簡素化されて生産性が向上する。ま
た、白金電極膜は安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一
致や酸素イオン導電性を考慮した結合材組成と製造方法
であるため、ジルコニア割れなどの不良品を製造するこ
となく高い部留まりで高活性なセンサが得られる。また
酸化触媒は、融点1100℃以上の高活性な酸化触媒で
あるため、検出感度の高いセンサが得られる。
【0011】さらに、白金電極膜は、酸化ビスマス量を
B、酸化カドミニウム量をC、その混合比をC/Bとす
ると、0.1≦C/B≦1なる条件で両材料を混合した
ものである。
B、酸化カドミニウム量をC、その混合比をC/Bとす
ると、0.1≦C/B≦1なる条件で両材料を混合した
ものである。
【0012】そして、白金電極膜に融点820℃の酸化
ビスマスとともに融点700℃の酸化カドミニウムをさ
らに小量混合することでこれら結合材の融解性が向上
し、白金電極膜と安定化ジルコニア焼結板との密着性が
良くなって白金電極膜から安定化ジルコニア焼結板への
酸素伝達特性が向上する。そのため、検出感度の高いセ
ンサが得られる。
ビスマスとともに融点700℃の酸化カドミニウムをさ
らに小量混合することでこれら結合材の融解性が向上
し、白金電極膜と安定化ジルコニア焼結板との密着性が
良くなって白金電極膜から安定化ジルコニア焼結板への
酸素伝達特性が向上する。そのため、検出感度の高いセ
ンサが得られる。
【0013】また酸化触媒が、白金または酸化銅である
としたものである。白金および酸化銅は、炭化水素の酸
化能力が高い。しかも熱膨張係数が、白金は9×10ー6
(degー1)、酸化銅は11×10ー6(degー1)であ
り、安定化ジルコニア焼結板の10×10ー6(de
gー1)と概略同じある。従って、酸化触媒が白金電極膜
に良好に固定化され、検出感度の高いセンサが得られ
る。
としたものである。白金および酸化銅は、炭化水素の酸
化能力が高い。しかも熱膨張係数が、白金は9×10ー6
(degー1)、酸化銅は11×10ー6(degー1)であ
り、安定化ジルコニア焼結板の10×10ー6(de
gー1)と概略同じある。従って、酸化触媒が白金電極膜
に良好に固定化され、検出感度の高いセンサが得られ
る。
【0014】さらに、ジルコニア焼結板と、前記ジルコ
ニア焼結板の片側表面に形成した2個の白金電極膜と、
前記白金電極膜の片側上部に積層固定されており酸化触
媒を主成分とした酸化触媒膜と、前記ジルコニア焼結板
の他面側に形成されており熱膨張係数が9〜11×10
ー6(degー1)の硝子膜と、前記硝子膜に積層固定した
フォルステライト基板と、前記フォルステライト基板の
他面側に形成したヒータ膜から構成としたものである。
ニア焼結板の片側表面に形成した2個の白金電極膜と、
前記白金電極膜の片側上部に積層固定されており酸化触
媒を主成分とした酸化触媒膜と、前記ジルコニア焼結板
の他面側に形成されており熱膨張係数が9〜11×10
ー6(degー1)の硝子膜と、前記硝子膜に積層固定した
フォルステライト基板と、前記フォルステライト基板の
他面側に形成したヒータ膜から構成としたものである。
【0015】そして、硝子膜は熱膨張係数がジルコニア
焼結板およびフォルステライト基板と概略同じであるた
め、白金電極膜付きジルコニア焼結板とヒータ膜付きフ
ォルステライト基板とが簡単に固定できる。また酸化触
媒は膜であるため簡単に白金電極膜に固定できる。従っ
て、ヒータ膜が効果的にジルコニア焼結板や酸化触媒膜
に伝達され、センサの小型化および加熱電力の低減がで
きる。
焼結板およびフォルステライト基板と概略同じであるた
め、白金電極膜付きジルコニア焼結板とヒータ膜付きフ
ォルステライト基板とが簡単に固定できる。また酸化触
媒は膜であるため簡単に白金電極膜に固定できる。従っ
て、ヒータ膜が効果的にジルコニア焼結板や酸化触媒膜
に伝達され、センサの小型化および加熱電力の低減がで
きる。
【0016】また、硝子膜が酸化アルミナが3〜7%、
酸化ホウソが3〜7%、酸化カルシウムが1〜2%、酸
化ストロンチウムが4〜6%、酸化バリウムが0.2〜
1.5%、酸化ナトリウムが10〜13%、酸化カリウ
ムが4〜8%、酸化チタンが6〜9%、残部が酸化珪素
であるとしたものである。
酸化ホウソが3〜7%、酸化カルシウムが1〜2%、酸
化ストロンチウムが4〜6%、酸化バリウムが0.2〜
1.5%、酸化ナトリウムが10〜13%、酸化カリウ
ムが4〜8%、酸化チタンが6〜9%、残部が酸化珪素
であるとしたものである。
【0017】そして、これら材料組成の硝子は、熱膨張
係数が9〜11×10ー6(degー1)でありジルコニア
焼結板とフォルステライト基板とを良好に接合固定でき
る。しかも、700〜1000℃の焼成で接合固定でき
るため、白金電極膜や酸化触媒膜への影響が少なく検出
感度の高いセンサが得られる。
係数が9〜11×10ー6(degー1)でありジルコニア
焼結板とフォルステライト基板とを良好に接合固定でき
る。しかも、700〜1000℃の焼成で接合固定でき
るため、白金電極膜や酸化触媒膜への影響が少なく検出
感度の高いセンサが得られる。
【0018】また、酸化触媒膜が、酸化触媒の粒子群を
耐熱繊維束に内部に充填した構成のマットであるとした
ものである。
耐熱繊維束に内部に充填した構成のマットであるとした
ものである。
【0019】そして、マットとすることで、酸化触媒膜
は簡単に白金電極膜に固定でき、取り扱いが簡素化され
て生産性が向上する。
は簡単に白金電極膜に固定でき、取り扱いが簡素化され
て生産性が向上する。
【0020】(実施例)以下、本発明の実施例を添付図
面に基づいて説明する。
面に基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明の実施例である炭化水素検
出センサの断面図である。炭化水素検出センサは、酸化
イットリウム8モル%とジルコニア92モル%からなる
安定化ジルコニア焼結板1と、安定化ジルコニア焼結板
1の表面に形成した2個の白金電極膜2a、2bと、片
側の白金電極膜2bの上部に積層した酸化触媒膜3とか
ら構成される。白金電極膜2a、2bは、高粘性有機溶
剤に小量の酸化ビスマス粉末3と多量の白金粉末2を混
合したペーストの厚膜印刷膜である。酸化触媒膜3は、
高粘性有機溶剤に多量の白金、酸化銅、酸化鉄、酸化ニ
ッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ガリウム、
酸化クロム、酸化チタンの群から選択した少なくとも1
種の酸化触媒粉末5を混合したペーストの厚膜印刷膜で
ある。白金電極膜2a、2bと酸化触媒膜3は700〜
1000℃で同時に焼成する。
出センサの断面図である。炭化水素検出センサは、酸化
イットリウム8モル%とジルコニア92モル%からなる
安定化ジルコニア焼結板1と、安定化ジルコニア焼結板
1の表面に形成した2個の白金電極膜2a、2bと、片
側の白金電極膜2bの上部に積層した酸化触媒膜3とか
ら構成される。白金電極膜2a、2bは、高粘性有機溶
剤に小量の酸化ビスマス粉末3と多量の白金粉末2を混
合したペーストの厚膜印刷膜である。酸化触媒膜3は、
高粘性有機溶剤に多量の白金、酸化銅、酸化鉄、酸化ニ
ッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ガリウム、
酸化クロム、酸化チタンの群から選択した少なくとも1
種の酸化触媒粉末5を混合したペーストの厚膜印刷膜で
ある。白金電極膜2a、2bと酸化触媒膜3は700〜
1000℃で同時に焼成する。
【0022】安定化ジルコニア焼結板1は、その片側表
面に2個の白金電極膜2a、2bを形成しており、その
他面側には熱膨張係数が9〜11×10ー6(degー1)
の硝子膜6を介してヒータ膜8付きフォルステライト基
板7を固定している。
面に2個の白金電極膜2a、2bを形成しており、その
他面側には熱膨張係数が9〜11×10ー6(degー1)
の硝子膜6を介してヒータ膜8付きフォルステライト基
板7を固定している。
【0023】白金電極膜2a、2bおよびヒータ膜8に
は、白金と硝子1〜5wt%との混合物であるリ−ド線固
定材(記載せず)を介して白金リード線(記載せず)が
固定されている。
は、白金と硝子1〜5wt%との混合物であるリ−ド線固
定材(記載せず)を介して白金リード線(記載せず)が
固定されている。
【0024】材料について記す。白金電極膜2a、2b
は、白金に混合された酸化ビスマス量をBとすると1.
5wt%≦B≦5wt%であり、必要に応じて酸化カドミニ
ウムの量をCとしその混合比をC/Bとすると0.1≦
C/B≦1なる条件でさらに混合したものである。な
お、これら値は焼成後の値である。硝子膜6は、酸化ア
ルミナが3〜7%、酸化ホウソが3〜7%、酸化カルシ
ウムが1〜2%、酸化ストロンチウムが4〜6%、酸化
バリウムが0.2〜1.5%、酸化ナトリウムが10〜
13%、酸化カリウムが4〜8%、酸化チタンが6〜9
%、残部が酸化珪素である。この材料組成の硝子は、熱
膨張係数が9〜11×10ー6(degー1)であるため、
安定化ジルコニア焼結板とフォルステライト基板とを良
好に接合固定できる。しかも、700〜1000℃の焼
成で良好に接合固定できるため、白金電極膜や酸化触媒
膜への熱影響が少ない。ヒータ膜8は、白金である。
は、白金に混合された酸化ビスマス量をBとすると1.
5wt%≦B≦5wt%であり、必要に応じて酸化カドミニ
ウムの量をCとしその混合比をC/Bとすると0.1≦
C/B≦1なる条件でさらに混合したものである。な
お、これら値は焼成後の値である。硝子膜6は、酸化ア
ルミナが3〜7%、酸化ホウソが3〜7%、酸化カルシ
ウムが1〜2%、酸化ストロンチウムが4〜6%、酸化
バリウムが0.2〜1.5%、酸化ナトリウムが10〜
13%、酸化カリウムが4〜8%、酸化チタンが6〜9
%、残部が酸化珪素である。この材料組成の硝子は、熱
膨張係数が9〜11×10ー6(degー1)であるため、
安定化ジルコニア焼結板とフォルステライト基板とを良
好に接合固定できる。しかも、700〜1000℃の焼
成で良好に接合固定できるため、白金電極膜や酸化触媒
膜への熱影響が少ない。ヒータ膜8は、白金である。
【0025】動作について説明する。図1において、ヒ
ータ膜8が直流電圧(記載せず)の印加により発熱し4
50℃に加熱されると、ジルコニア焼結板1および酸化
触媒膜3はフォルステライト基板7および硝子膜6を介
して450℃に加熱される。次に、炭化水素(例えば一
酸化炭素)と酸素を含むガスがセンサに接触すると、酸
化触媒膜3が配置された白金電極膜2b側では、炭化水
素と酸素が酸化触媒膜3によって反応して炭化水素が消
滅するとともに酸素濃度が減少する。一方、他方の白金
電極膜2a側は、酸素がそのまま存在する。従って、白
金電極膜2b側と白金電極膜2a側とで酸素濃度の差が
生じて酸素が移動し、炭化水素濃度に対応したセンサ出
力が生じる。
ータ膜8が直流電圧(記載せず)の印加により発熱し4
50℃に加熱されると、ジルコニア焼結板1および酸化
触媒膜3はフォルステライト基板7および硝子膜6を介
して450℃に加熱される。次に、炭化水素(例えば一
酸化炭素)と酸素を含むガスがセンサに接触すると、酸
化触媒膜3が配置された白金電極膜2b側では、炭化水
素と酸素が酸化触媒膜3によって反応して炭化水素が消
滅するとともに酸素濃度が減少する。一方、他方の白金
電極膜2a側は、酸素がそのまま存在する。従って、白
金電極膜2b側と白金電極膜2a側とで酸素濃度の差が
生じて酸素が移動し、炭化水素濃度に対応したセンサ出
力が生じる。
【0026】本発明の効果を、酸化触媒として白金を用
いた炭化水素検出センサで確認した。
いた炭化水素検出センサで確認した。
【0027】ジルコニア焼結板として、安定化ジルコニ
ア(ZrO2の92モル%とY2O3の8モル%の固溶
体)の粉末に有機溶剤を混合してシート状に成型した乾
燥品を1400℃で4時間焼成し10mm角に切断した板
を準備した。
ア(ZrO2の92モル%とY2O3の8モル%の固溶
体)の粉末に有機溶剤を混合してシート状に成型した乾
燥品を1400℃で4時間焼成し10mm角に切断した板
を準備した。
【0028】白金電極膜用ペーストとして、白金の粉末
97wt%と酸化ビスマス粉末3wt%と高粘性有機溶剤1
9wt%の混合物を準備した。そしてジルコニア焼結板の
片面にこの白金電極膜用ペーストを厚膜印刷し、乾燥さ
せた。
97wt%と酸化ビスマス粉末3wt%と高粘性有機溶剤1
9wt%の混合物を準備した。そしてジルコニア焼結板の
片面にこの白金電極膜用ペーストを厚膜印刷し、乾燥さ
せた。
【0029】酸化触媒膜用ペーストとして、酸化触媒粉
末である白金100wt%と高粘性有機溶剤19wt%の混
合物を準備した。そして前述の乾燥済みの白金電極膜の
片側に積層して、この酸化触媒膜用ペーストを厚膜印刷
し乾燥させた。
末である白金100wt%と高粘性有機溶剤19wt%の混
合物を準備した。そして前述の乾燥済みの白金電極膜の
片側に積層して、この酸化触媒膜用ペーストを厚膜印刷
し乾燥させた。
【0030】また、フォルステライト製基板を準備し白
金製ヒータ膜を片側に形成した。さらに硝子膜用ペース
トとして、酸化アルミナが3〜7%、酸化ホウソが3〜
7%、酸化カルシウムが1〜2%、酸化ストロンチウム
が4〜6%、酸化バリウムが0.2〜1.5%、酸化ナ
トリウムが10〜13%、酸化カリウムが4〜8%、酸
化チタンが6〜9%、残部が酸化珪素である硝子粉末6
0wt%と高粘性の有機溶剤40wt%の混合物を準備し
た。そして、この硝子膜用ペーストをフォルステライト
製基板の他面側に厚膜印刷し、乾燥させた。その後、乾
燥硝子膜を介してフォルステライト製基板とジルコニア
焼結板とを積層した。
金製ヒータ膜を片側に形成した。さらに硝子膜用ペース
トとして、酸化アルミナが3〜7%、酸化ホウソが3〜
7%、酸化カルシウムが1〜2%、酸化ストロンチウム
が4〜6%、酸化バリウムが0.2〜1.5%、酸化ナ
トリウムが10〜13%、酸化カリウムが4〜8%、酸
化チタンが6〜9%、残部が酸化珪素である硝子粉末6
0wt%と高粘性の有機溶剤40wt%の混合物を準備し
た。そして、この硝子膜用ペーストをフォルステライト
製基板の他面側に厚膜印刷し、乾燥させた。その後、乾
燥硝子膜を介してフォルステライト製基板とジルコニア
焼結板とを積層した。
【0031】最後にこれら白金電極膜と酸化触媒膜から
なる積層膜を、920℃で10分同時焼成した。白金電
極膜は、この焼成により有機溶剤が除去されて白金97
wt%と酸化ビスマス3wt%の混合膜となるとともに、酸
化ビスマスの溶融により白金粉末がジルコニア焼結板に
密着固定され、溶融時の酸化ビスマスの体積膨張により
多孔質な膜となる。一方、酸化触媒膜は、この焼成によ
り有機溶剤が除去されて酸化銅の酸化触媒100wt%と
なるのだが、白金電極膜に混合されている酸化ビスマス
が微量混入し、白金電極膜に強固に固定される。また硝
子膜は、この焼成により有機溶剤が除去されて硝子とな
り、フォルステライト製基板とジルコニア焼結板とを接
合固定した。最後にリード線を付け完成である。
なる積層膜を、920℃で10分同時焼成した。白金電
極膜は、この焼成により有機溶剤が除去されて白金97
wt%と酸化ビスマス3wt%の混合膜となるとともに、酸
化ビスマスの溶融により白金粉末がジルコニア焼結板に
密着固定され、溶融時の酸化ビスマスの体積膨張により
多孔質な膜となる。一方、酸化触媒膜は、この焼成によ
り有機溶剤が除去されて酸化銅の酸化触媒100wt%と
なるのだが、白金電極膜に混合されている酸化ビスマス
が微量混入し、白金電極膜に強固に固定される。また硝
子膜は、この焼成により有機溶剤が除去されて硝子とな
り、フォルステライト製基板とジルコニア焼結板とを接
合固定した。最後にリード線を付け完成である。
【0032】450℃において一酸化炭素濃度とセンサ
出力の関係を測定した結果を図2に示す。酸化触媒とし
て白金を用いた本発明品は、一酸化炭素濃度に対応した
センサ出力が生じていることがわかる。
出力の関係を測定した結果を図2に示す。酸化触媒とし
て白金を用いた本発明品は、一酸化炭素濃度に対応した
センサ出力が生じていることがわかる。
【0033】本発明の効果を、白金電極膜に混合される
酸化ビスマスの量を変化させた炭化水素検出センサで確
認した。なお酸化触媒は白金を用いている。
酸化ビスマスの量を変化させた炭化水素検出センサで確
認した。なお酸化触媒は白金を用いている。
【0034】実験は、白金電極膜用ペーストとして、白
金粉末と酸化ビスマス粉末からなる固定分100wt%に
高粘性有機溶剤19wt%を混合するに際し酸化ビスマス
の量を変化させた混合物を使用した以外は、前述と同じ
構成、材料、製造方法である。
金粉末と酸化ビスマス粉末からなる固定分100wt%に
高粘性有機溶剤19wt%を混合するに際し酸化ビスマス
の量を変化させた混合物を使用した以外は、前述と同じ
構成、材料、製造方法である。
【0035】一酸化炭素濃度1000ppmの450℃に
おいて、酸化ビスマス量とセンサ出力の関係を測定した
結果を図3に示す。
おいて、酸化ビスマス量とセンサ出力の関係を測定した
結果を図3に示す。
【0036】白金電極膜に混合される酸化ビスマスが
1.5〜5wt%のセンサは、大きな値のセンサ出力が得
られた。一方、1.5wt%未満にすると、結合材である
酸化ビスマスが不足しているため、白金粉末とジルコニ
ア焼結板との密着不良が発生してセンサ出力が極端に低
下した。また、5wt%を越えると熱膨張係数の大きい酸
化ビスマスの影響でセンサ割れが起こり不良品が多発し
た。以上のことより、酸化ビスマスは結合材としての役
割をはたすための混合量とそれにともなう熱膨張係数の
増大を考慮すると、1.5〜5wt%が密着性が良好なセ
ンサが得られる点で適切であり、特に2〜5wt%は密着
性が優れる点で最適である。
1.5〜5wt%のセンサは、大きな値のセンサ出力が得
られた。一方、1.5wt%未満にすると、結合材である
酸化ビスマスが不足しているため、白金粉末とジルコニ
ア焼結板との密着不良が発生してセンサ出力が極端に低
下した。また、5wt%を越えると熱膨張係数の大きい酸
化ビスマスの影響でセンサ割れが起こり不良品が多発し
た。以上のことより、酸化ビスマスは結合材としての役
割をはたすための混合量とそれにともなう熱膨張係数の
増大を考慮すると、1.5〜5wt%が密着性が良好なセ
ンサが得られる点で適切であり、特に2〜5wt%は密着
性が優れる点で最適である。
【0037】本発明の効果を、白金電極膜と酸化触媒膜
からなる積層膜の焼成温度を変化させた炭化水素検出セ
ンサで確認した。なお酸化触媒は白金を用いている。
からなる積層膜の焼成温度を変化させた炭化水素検出セ
ンサで確認した。なお酸化触媒は白金を用いている。
【0038】実験は、白金電極膜と酸化触媒膜の積層膜
を同時焼成する温度を変化させた以外は、前述と同じ構
成、材料、製造方法である。
を同時焼成する温度を変化させた以外は、前述と同じ構
成、材料、製造方法である。
【0039】一酸化炭素濃度1000ppmの450℃に
おいて、焼成温度とセンサ出力の関係を測定した結果を
図4に示す。
おいて、焼成温度とセンサ出力の関係を測定した結果を
図4に示す。
【0040】焼成温度が700〜1000℃のセンサ
は、密着性が良好であるため大きな値のセンサ出力が得
られた。一方、700℃未満では白金電極膜の焼成不充
分のため白金粉末とジルコニア焼結板との接触状態が悪
くなって密着不良が発生しセンサ出力が極端に低下し
た。また1000℃を越えると白金電極膜に混合される
酸化ビスマスが変質を起こしてその酸素イオン導電性低
下と密着不良が発生しセンサ出力が極端に低下した。
は、密着性が良好であるため大きな値のセンサ出力が得
られた。一方、700℃未満では白金電極膜の焼成不充
分のため白金粉末とジルコニア焼結板との接触状態が悪
くなって密着不良が発生しセンサ出力が極端に低下し
た。また1000℃を越えると白金電極膜に混合される
酸化ビスマスが変質を起こしてその酸素イオン導電性低
下と密着不良が発生しセンサ出力が極端に低下した。
【0041】以上のことより、積層膜の焼成温度は、結
合材として使用する酸化ビスマスの焼成温度の変化にと
もなう結合力の変化を考慮すると、700〜1000℃
が密着性が良好なセンサが得られる点で適切であり、特
に750〜950℃が密着性が優れる点で最適である。
合材として使用する酸化ビスマスの焼成温度の変化にと
もなう結合力の変化を考慮すると、700〜1000℃
が密着性が良好なセンサが得られる点で適切であり、特
に750〜950℃が密着性が優れる点で最適である。
【0042】またこのことより、ジルコニア焼結板とフ
ォルステライト基板とを接合固定する硝子は、白金電極
膜焼成と同温度である700〜1000℃で焼成する
と、白金電極膜や酸化触媒膜への影響が少ないことがわ
かる。
ォルステライト基板とを接合固定する硝子は、白金電極
膜焼成と同温度である700〜1000℃で焼成する
と、白金電極膜や酸化触媒膜への影響が少ないことがわ
かる。
【0043】本発明の効果を、白金電極膜に酸化カドミ
ニウムをさらに混合しその混合割合を変化させた炭化水
素検出センサで確認した。なお酸化触媒は白金を用いて
いる。
ニウムをさらに混合しその混合割合を変化させた炭化水
素検出センサで確認した。なお酸化触媒は白金を用いて
いる。
【0044】実験は、白金電極膜用ペーストとして、白
金粉末と酸化ビスマス粉末と酸化カドミニウム粉末から
なる固定分100wt%に高粘性有機溶剤19wt%を混合
するに際し、酸化ビスマスと酸化カドミニウムの混合比
の量を変化させた混合物を使用した以外は、前述と同じ
構成、材料、製造方法である。酸化カドミニウムは、融
点700℃、熱膨張係数12×10ー6(degー1)で、
酸化ビスマスより低融点、低熱膨張係数である。
金粉末と酸化ビスマス粉末と酸化カドミニウム粉末から
なる固定分100wt%に高粘性有機溶剤19wt%を混合
するに際し、酸化ビスマスと酸化カドミニウムの混合比
の量を変化させた混合物を使用した以外は、前述と同じ
構成、材料、製造方法である。酸化カドミニウムは、融
点700℃、熱膨張係数12×10ー6(degー1)で、
酸化ビスマスより低融点、低熱膨張係数である。
【0045】一酸化炭素濃度1000ppmの450℃に
おいて、酸化ビスマスと酸化カドミニウムの混合比とセ
ンサ出力の関係を、酸化ビスマスの混合量を変化させて
測定した結果を図5に示す。
おいて、酸化ビスマスと酸化カドミニウムの混合比とセ
ンサ出力の関係を、酸化ビスマスの混合量を変化させて
測定した結果を図5に示す。
【0046】酸化ビスマス量(B)と酸化カドミニウム
量(C)の混合比(C/B)が0.1〜1のセンサは、
酸化ビスマス単独の場合と比較して大きな値のセンサ出
力が得られた。これは、低融点、低熱膨張係数の酸化カ
ドミニウムをさらに混合することで両者の相乗効果が発
揮され、白金電極膜とジルコニア焼結板との接触状態が
良くなって密着性が一層向上し、白金粉末からジルコニ
ア焼結板への酸素伝達特性が向上するためである。一
方、混合比(C/B)が1.0倍を越えると、酸化ビス
マスのもつ優れた酸素イオン導電性特性が酸素イオン導
電性のない酸化カドミニウムにより低下して、白金粉末
からジルコニア焼結板への酸素伝達が悪くなり必要な電
極特性が得られない。また、混合比(C/B)が0.1
未満は両者の相乗効果が生じないため、センサ出力は増
大しないし密着性も向上しない。
量(C)の混合比(C/B)が0.1〜1のセンサは、
酸化ビスマス単独の場合と比較して大きな値のセンサ出
力が得られた。これは、低融点、低熱膨張係数の酸化カ
ドミニウムをさらに混合することで両者の相乗効果が発
揮され、白金電極膜とジルコニア焼結板との接触状態が
良くなって密着性が一層向上し、白金粉末からジルコニ
ア焼結板への酸素伝達特性が向上するためである。一
方、混合比(C/B)が1.0倍を越えると、酸化ビス
マスのもつ優れた酸素イオン導電性特性が酸素イオン導
電性のない酸化カドミニウムにより低下して、白金粉末
からジルコニア焼結板への酸素伝達が悪くなり必要な電
極特性が得られない。また、混合比(C/B)が0.1
未満は両者の相乗効果が生じないため、センサ出力は増
大しないし密着性も向上しない。
【0047】以上のことより、酸化ビスマス量(B)と
酸化カドミニウム量(C)の混合比(C/B)は0.1
〜1が、両者の相乗効果で密着性が向上する、酸素伝達
特性が向上する点で適切である。
酸化カドミニウム量(C)の混合比(C/B)は0.1
〜1が、両者の相乗効果で密着性が向上する、酸素伝達
特性が向上する点で適切である。
【0048】本発明の効果を、酸化触媒として各種金属
酸化物を用いた炭化水素検出センサで確認した。検討し
た金属酸化物は、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバル
ト、酸化マンガン、酸化ガリウム、酸化クロム、酸化チ
タンである。実験は、酸化触媒膜用ペーストとして、金
属酸化物粉末100wt%と高粘性の有機溶剤19wt%の
混合物を使用した以外は、前述と同じ構成・材料・製造
方法である。白金電極膜と酸化触媒膜からなる積層膜
は、これら金属酸化物がいずれも融点1000℃以上で
あることを考慮して、920℃で10分同時焼成してい
る。
酸化物を用いた炭化水素検出センサで確認した。検討し
た金属酸化物は、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバル
ト、酸化マンガン、酸化ガリウム、酸化クロム、酸化チ
タンである。実験は、酸化触媒膜用ペーストとして、金
属酸化物粉末100wt%と高粘性の有機溶剤19wt%の
混合物を使用した以外は、前述と同じ構成・材料・製造
方法である。白金電極膜と酸化触媒膜からなる積層膜
は、これら金属酸化物がいずれも融点1000℃以上で
あることを考慮して、920℃で10分同時焼成してい
る。
【0049】一酸化炭素濃度1000ppmの450℃に
おいて、得られるセンサ出力を表1に示す。
おいて、得られるセンサ出力を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】また発明の効果を、白金を酸化触媒として
用い白金粒子群を耐熱繊維束に内wt%に充填した構成の
マット状酸化触媒膜で確認した。このマット状酸化触媒
膜の本発明品は、一酸化炭素濃度1000ppmの450
℃において、30mvの高センサ出力を得ることができ
た。
用い白金粒子群を耐熱繊維束に内wt%に充填した構成の
マット状酸化触媒膜で確認した。このマット状酸化触媒
膜の本発明品は、一酸化炭素濃度1000ppmの450
℃において、30mvの高センサ出力を得ることができ
た。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
炭化水素検出センサによれば、次の効果が得られる。
炭化水素検出センサによれば、次の効果が得られる。
【0053】(1)酸化触媒は膜化して白金電極膜に積
層化し同時焼成するため、簡単な製法で酸化触媒が固定
でき、取り扱いが簡素化されて生産性が向上する。また
白金電極膜は、安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一致
や酸素イオン導電性を考慮した結合材組成、製造方法で
あるため、ジルコニア割れなどの不良品を製造すること
なく高い部留まりで、高活性なセンサが得られる。さら
に酸化触媒は、融点1100℃以上の高活性な酸化触媒
であるため、検出感度の高いセンサが得られる。
層化し同時焼成するため、簡単な製法で酸化触媒が固定
でき、取り扱いが簡素化されて生産性が向上する。また
白金電極膜は、安定化ジルコニアとの熱膨張係数の一致
や酸素イオン導電性を考慮した結合材組成、製造方法で
あるため、ジルコニア割れなどの不良品を製造すること
なく高い部留まりで、高活性なセンサが得られる。さら
に酸化触媒は、融点1100℃以上の高活性な酸化触媒
であるため、検出感度の高いセンサが得られる。
【0054】(2)白金電極膜に酸化カドミニウムをさ
らに小量混合することで酸化ビスマスの融解性が向上
し、白金電極膜と安定化ジルコニア焼結板との密着性が
良くなる。そのため、白金電極膜から安定化ジルコニア
焼結板への酸素伝達特性が向上し、検出感度の高いセン
サが得られる。
らに小量混合することで酸化ビスマスの融解性が向上
し、白金電極膜と安定化ジルコニア焼結板との密着性が
良くなる。そのため、白金電極膜から安定化ジルコニア
焼結板への酸素伝達特性が向上し、検出感度の高いセン
サが得られる。
【0055】(3)炭化水素の酸化能力が高く熱膨張係
数が概略同じの白金または酸化銅を、酸化触媒として使
用したため、酸化触媒が白金電極膜に良好に固定化さ
れ、検出感度の高いセンサを得ることができる。
数が概略同じの白金または酸化銅を、酸化触媒として使
用したため、酸化触媒が白金電極膜に良好に固定化さ
れ、検出感度の高いセンサを得ることができる。
【0056】(4)安定化ジルコニアおよびフォルステ
ライトと熱膨張係数が概略同じの硝子膜を使用したた
め、白金電極膜付き安定化ジルコニア焼結板とヒータ膜
付きフォルステライト基板とが簡単に固定できる。また
酸化触媒は膜であるため簡単に白金電極膜に固定でき
る。従って、ヒータ膜が効果的に安定化ジルコニア焼結
板や酸化触媒膜に伝達され、センサの小型化および加熱
電力の低減ができる。
ライトと熱膨張係数が概略同じの硝子膜を使用したた
め、白金電極膜付き安定化ジルコニア焼結板とヒータ膜
付きフォルステライト基板とが簡単に固定できる。また
酸化触媒は膜であるため簡単に白金電極膜に固定でき
る。従って、ヒータ膜が効果的に安定化ジルコニア焼結
板や酸化触媒膜に伝達され、センサの小型化および加熱
電力の低減ができる。
【0057】(5)熱膨張係数が9〜11×10ー6(d
egー1) であり700〜1000℃の焼成で接合固定
できる硝子膜を使用したため、白金電極膜や酸化触媒膜
への影響が少なく検出感度の高いセンサが得ることがで
きる。
egー1) であり700〜1000℃の焼成で接合固定
できる硝子膜を使用したため、白金電極膜や酸化触媒膜
への影響が少なく検出感度の高いセンサが得ることがで
きる。
【0058】(6)マット状の酸化触媒膜にしたため、
白金電極膜に簡単に固定でき、取り扱いが簡素化されて
生産性を向上することができる。また、酸化触媒膜の活
性が高まり、センサ出力の高い高感度センサを得ること
ができる。
白金電極膜に簡単に固定でき、取り扱いが簡素化されて
生産性を向上することができる。また、酸化触媒膜の活
性が高まり、センサ出力の高い高感度センサを得ること
ができる。
【図1】本発明の実施例の炭化水素検出センサの断面図
【図2】同炭化水素検出センサの効果特性図
【図3】同炭化水素検出センサの効果特性図
【図4】同炭化水素検出センサの効果特性図
【図5】同炭化水素検出センサの効果特性図
【図6】従来の炭化水素検出センサの断面図
【図7】従来の炭化水素検出センサの断面図
1 安定化ジルコニア焼結板 2 白金 2a、2b 白金電極膜 3 酸化ビスマス 4 酸化触媒膜 5 酸化触媒 6 硝子膜 7 フォルステライト基板 8 白金ヒータ膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/409 G01N 27/416 JICSTファイル(JOIS)
Claims (6)
- 【請求項1】酸化イットリウム8モル%とジルコニア9
2モル%からなる安定化ジルコニア焼結板の表面に、白
金に酸化ビスマスを1.5〜5wt%混合した白金電極膜
を2個厚膜印刷した後に、酸化触媒粉末を含有した酸化
触媒膜を前記白金電極膜の片側上部に厚膜印刷して積層
し、前記白金電極膜と前記酸化触媒膜を700〜100
0℃で同時に焼成し、前記酸化触媒が白金、酸化銅、酸
化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸
化ガリウム、酸化クロム、酸化チタンの群から選択した
1種である炭化水素検出センサの製造方法。 - 【請求項2】酸化ビスマス量をBとし、酸化カドミニウ
ム量をCとし、その混合比をC/Bとすると、0.1≦
C/B≦1なる条件で混合した白金電極膜を有する請求
項1記載の炭化水素検出センサの製造方法。 - 【請求項3】酸化触媒が、白金または酸化銅である請求
項1記載の炭化水素検出センサの製造方法。 - 【請求項4】安定化ジルコニア焼結板と、前記安定化ジ
ルコニア焼結板の片側表面に形成した2個の白金電極膜
と、前記白金電極膜の片側上部に積層固定されており酸
化触媒を主成分とした酸化触媒膜と、前記安定化ジルコ
ニア焼結板の他面側に形成されており熱膨張係数が9〜
11×10ー6(degー1)の硝子膜と、前記硝子膜に積
層固定したフォルステライト基板と、前記フォルステラ
イト基板の他面側に形成したヒータ膜を備えた請求項1
ないし3のいずれか1項記載の炭化水素検出センサの製
造方法。 - 【請求項5】硝子膜が、酸化アルミナが3〜7%、酸化
ホウソが3〜7%、酸化カルシウムが1〜2%、酸化ス
トロンチウムが4〜6%、酸化バリウムが0.2〜1.
5%、酸化ナトリウムが10〜13%、酸化カリウムが
4〜8%、酸化チタンが6〜9%、残部が酸化珪素であ
る請求項4記載の炭化水素検出センサの製造方法。 - 【請求項6】酸化触媒膜が、酸化触媒の粒子群を耐熱繊
維束の内部に充填した構成のマットである請求項4記載
の炭化水素検出センサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8315936A JP3036443B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 炭化水素検出センサの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8315936A JP3036443B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 炭化水素検出センサの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10160700A JPH10160700A (ja) | 1998-06-19 |
JP3036443B2 true JP3036443B2 (ja) | 2000-04-24 |
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US7419580B2 (en) * | 2000-12-14 | 2008-09-02 | The University Of Hong Kong | Methods and apparatus for the oxidation of glucose molecules |
-
1996
- 1996-11-27 JP JP8315936A patent/JP3036443B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10160700A (ja) | 1998-06-19 |
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