JP2642390B2 - 厚膜コンデンサ - Google Patents

厚膜コンデンサ

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JP2642390B2
JP2642390B2 JP6838888A JP6838888A JP2642390B2 JP 2642390 B2 JP2642390 B2 JP 2642390B2 JP 6838888 A JP6838888 A JP 6838888A JP 6838888 A JP6838888 A JP 6838888A JP 2642390 B2 JP2642390 B2 JP 2642390B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、厚膜コンデンサに関するものである。
(従来の技術) 一般に、強誘電体化合物は焼結性が劣るため、単独で
厚膜コンデンサの強誘電体層を構成することができな
い。このため、従来では強誘電体化合物に結晶質又は非
晶質のガラスを無機バインダとして添加して強誘電体層
を形成することが行われている。しかしながら、ガラス
の添加は強誘電体層としての誘電特性の低下を招く。例
えば、誘電率20000を有する強誘電体無機化合物に結晶
質又は非晶質の市販ガラスを添加した場合、得られた強
誘電体層の誘電率は100〜1000を示し、添加前の1/20〜1
/200と大幅に低下してしまう。また、かかる方法で得ら
れた強誘電体層はガラスを含むため、耐湿特性や耐マイ
グレーションに劣る等の欠点を有し、実用上大きな問題
となっていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の課題を解決するためになされた
もので、優れた誘電特性を有する強誘電体層を備えた厚
膜コンデンサを提供しようとするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、絶縁基板上に、ペロブスカイト構造を有す
る強誘電体無機化合物及び液相生成温度が該無機化合物
の焼結温度以下である共晶組成を有する無機バインダを
含む強誘電体ペースト層と電極用導体ペースト層とを積
層し、焼成処理により前記絶縁基板上に強誘電体層及び
電極を設けた構造の厚膜コンデンサにおいて、前記強誘
電体層は焼成過程でその中の無機バインダ成分が前記電
極及び絶縁基板に拡散された組成を有することを特徴と
する厚膜コンデンサである。
上記ペロブスカイト構造を有する強誘電体無機化合物
としては、例えばPb(Fe1/2Nb1/2)O3−Ba(Cu
1/21/2)O3、(Pb,Ba){(Zn1/3Nb2/3)(Mg1/3Nb
2/3)Ti}O3、(Pb,Ca){(Zn1/3Nb2/3)(Mg1/3N
b2/3)Ti}O3、BaTiO3、PbTiO3等を挙げることができ
る。
上記無機バインダは、ペロブスカイト構造を有する強
誘電体無機化合物の厚膜形成時のバインダとして作用さ
せると共に同無機化合物のペロブスカイト構造を変化さ
せない必要があるため、液相生成温度が該強誘電体無機
化合物の焼結温度以下であることが必要である。また、
前記無機バインダは共晶組成を持ち、部分の広い範囲に
亙って融液の存在があるため、焼結性を安定的に促進す
る作用を有する。更に、無機バインダは焼結に際して強
誘電体化合物の収縮を促進して組織を緻密化させる作用
を有する。こうした無機バインダとしては、例えばPbO
−CuO、PbO−WO3、PbO−Nb2O5、PbO−Fe2O3、PbO−Zn
O、PbO−TiO2、PbO−CaO、PbO−Sb2O3、BaO−WO3、Nb2O
3−TiO2、TiO2−MgO、PbO−MgO等を挙げることができ
る。これらの無機バインダは、酸化物の他に、焼結時に
酸化物に変換される窒化物、ハロゲン化物、又はアルキ
ル基等を有する有機化合物の形態で使用してもよい。ま
た、無機バインダの配合割合は該バインダの配合による
強誘電体層の強度の向上化の観点から下限値を、誘電特
性を向上する観点から上限値を設定することが望まし
く、通常、強誘電体無機化合物に対して1.0〜50重量%
配合すればよい。なお、かかる混合系の無機バインダは
混合後そのまま強誘電体無機化合物に添加されるが、必
要に応じて仮焼してから同無機化合物に添加してもよ
い。
上記強誘電体ペーストは、前記強誘電体無機化合物及
び無機バインダの他に有機バインダ及び粘度調整のため
の溶剤が添加された組成になっている。かかる有機バイ
ンダとしては、例えばエチルセルロース、メチルセルロ
ース、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ニ
トロセルロース等のセラミック成形用樹脂を用いること
ができる。前記溶剤としては、例えばターピネオール、
メチルエチルセロソルブ、n−ブタノール等の通常のも
のを使用することができる。
上記導体ペーストは、金属等の導体に前述したのと同
様な有機バインダ及び粘度調整のための溶剤が添加され
た組成を有する。かかる導体としては、例えばAu、Ag、
Ag−Pd、Pt、Ag−Pt、Cu、Ni、Pd、W等を挙げることが
できる。こうした導体ペースト層の印刷、焼結すること
により形成される電極は、例えば一方が前記絶縁基板上
に設けられ、この電極上に前記組成の強誘電体層が形成
され、更に該強誘電体層上に他方の電極が設けられる。
この場合、前記一方の電極と絶縁基板の間に前記組成の
強誘電体層を介在させてもよい。
次に、本発明の厚膜コンデンサを得るための製造方法
について説明する。
.まず、強誘電体無機化合物の構成成分を所定の化学
式で示される組成となるように調整した後、仮焼等を行
なって強誘電体無機化合物を合成する。この合成に際し
て、強誘電体無機化合物の結晶構造は100%ペロブスカ
イト相を有さなくてもよい。つづいて、無機バインダの
構成成分を共晶組成となるように調整し、これを強誘電
体無機化合物に混合する。この時の無機バインダの強誘
電体無機化合物に対する混合比は、該強誘電体無機化合
物及び無機バインダの種類により一概に限定できない
が、多くし過ぎると強誘電体層としての誘電特性が不十
分となり、かといって少な過ぎると焼結が不十分となっ
て強誘電体層として機能しなくなるため、誘電特性及び
焼結性の良好な強誘電体層が得られる混合比に設定する
ことが望ましい。
次いで、前記強誘電体無機化合物と無機バインダの混
合物を粉砕して所定の粒径とし、この粒子に前述した有
機バインダ及び溶剤を添加して強誘電体ペーストを調製
する。前記混合物粒子としては、平均粒径で1.0〜10μ
mのものを使用することが望ましい。この理由は、その
平均粒径を1.0μm未満にすると焼結時の粒成長が生じ
難く、誘電率の低下の原因になったり、異常粒成長を招
き、かといってその平均粒径が10μmを越えると調製さ
れた強誘電体ペーストの印刷の際に支障となる恐れがあ
るからである。
次いで、前記強誘電体ペーストと前述した電極用導体
ペーストを用いて、絶縁基板上に電極用金属ペースト、
強誘電体ペースト及び電極用金属ペーストを順次印刷法
により印刷し、焼成することによって、第1図に示すよ
うに絶縁基板1上に上下に電極2a、2bが配置された強誘
電体層3からなる厚膜コンデンサ4を製造する。こうし
た焼成過程において、前記強誘電体層3中の無機バイン
ダ成分がその両側に設けられた電極2a、2bに拡散し、か
つ絶縁基板1にも電極2aを通して該無機バインダ成分が
拡散される。かかる焼成は、940〜980℃の温度範囲で30
〜50分間行なうことが望ましい。この理由は、焼成温度
を940℃未満すると強誘電体層中の無機バインダ成分を
電極及び絶縁基板に充分に拡散できず、一方その温度が
980℃を超えると絶縁基板上の電極や強誘電体層及び他
の抵抗、配線等に脹れや剥離を生じる恐れがあるからで
ある。
.前記の方法で調製した強誘電体ペーストと電極用
導体ペーストを用いて、絶縁基板上に強誘電体ペース
ト、電極用導体ペースト、強誘電体ペースト及び電極用
導体ペーストを順次印刷法により印刷し、焼成すること
によって基板1上に強誘電体層3aを挟んで上下に電極2
a、2bが配置された強誘電体層3bを形成し、更に絶縁基
板1を所望の寸法に切断することにより第2図に示すチ
ップコンデンサ5を製造する。こうした焼成過程におい
て、前記強誘電体層3a、3b中の無機バインダ成分がそれ
らの両側に設けられた絶縁基板、電極2a、2bに拡散され
る。かかる焼成条件は、前記に述べたのと同様な理由
により940〜980℃の温度範囲で30〜50分間行なうことが
望ましい。なお、強誘電体層及び電極の二層構造物を複
数積層してチップコンデンサを製造してもよい。また、
前記絶縁基板1と直接接する強誘電体層3aはその上下の
絶縁基板1と電極2aとの機械的接合強度を促進すると共
に、誘電特性を向上する役目を果たす。
(作用) 本発明によれば、絶縁基板上にペロブスカイト構造を
有する強誘電体無機化合物及び液相生成温度が該無機化
合物の焼結温度以下である共晶組成を有する無機バイン
ダを含む強誘電体ペースト層と電極用導体ペースト層と
を積層し、焼成処理により前記絶縁基板上に強誘電体層
及び電極を設けた構造の厚膜コンデンサにおいて、前記
強誘電体層は焼成過程でその中の無機バインダ成分が前
記電極及び絶縁基板に拡散された組成を有するものであ
る。即ち、強誘電体層中の無機バインダ成分が電極及び
絶縁基板に拡散し、該強誘電体層中の複合構造成分であ
る無機バインダ成分を低減するため、強誘電体無機化合
物に近似した組成の強誘電体層となる。換言すれば、強
誘電体層は強誘電体無機化合物の粒界に無機バインダを
見出すような複合構造をもつことなく、無機バインダが
誘電特性に最少許容限度の影響を与えるような強誘電体
無機化合物中に拡散して存在した組成となっている。従
って、誘電特性[例えば誘電率、誘電正接(tan δ×10
-2)、体積抵抗率等]の優れた強誘電体層を備えた厚膜
コンデンサを得ることができる。この場合、無機バイン
ダとしてガラスを添加した強誘電体層では前述した誘電
特性の向上化は望めない。
また、前記焼結後の絶縁基板を所望寸法に切断するこ
とによりチップコンデンサを極めて簡単に得ることが可
能となる。即ち、従来のようにグリーンシート法でチッ
プコンデンサを製造する場合には特殊な治具や装置を必
要であるが、本発明ではかかる治具が不要となり、かつ
工程数の低減を達成できるばかりか、脱脂、焼成も厚膜
用ベルト炉等を使用でき、短時間の製造が可能となる。
(発明の実施例) 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1〜16 まず、出発原料としてPbO、Fe2O3、WO3、Nb2O5、BaCO
3、CuO、MgCO3、NiOを用いて、略語と組成式の対照表で
ある第1表に示す組成式中のPFN、BCW、添加物としての
NiO、MgO及びMnOのモル比が下記第2表に示すように秤
量した。但し、前記PFN、BCWはx(PFN)−y(BCW)
〔(x+y)=1〕となるように設定する。つづいて、
これらの原料をボールミルで湿式混合した後、700〜800
℃で仮焼し、再度、ボールミルで粉砕し、乾燥して強誘
電体無機化合物を調製した。
また、PbO、CuO及びWO3を用いて、PbO−CuO、PbO−WO
3のうち共晶組成となるようにそれらのモル比を同第2
表に示すように秤量した。つづいて、これらの原料をボ
ールミルで湿式混合した後、乾燥したそのままのもの、
及び600〜830℃で仮焼した後ボールミルで粉砕、乾燥し
たものを夫々無機バインダとして用意した。
次いで、予め調製した強誘電体化合物と無機バインダ
を同第2表に示す割合で秤量して16種の原料を秤量し
た。つづいて、これら原料68重量%、ターピネオール
(溶剤)28重量%、エチルセルロース(有機バインダ)
4重量%を混合して強誘電体ペーストを調製した。
得られた各強誘電体ペースト及びAg−Pb系の電極用導
体ペースト(強誘電体ペーストと同量のターピネオー
ル、エチルセルロースを含む)を用いて2インチ×2イ
ンチのアルミナ基板上に印刷した後、ベルト炉により94
0℃×30分間の条件で焼成して前述した第1図図示の構
造をもつ厚膜コンデンサを製造した。
焼成後の各厚膜コンデンサについて、誘電率及び誘電
正接(tan δ×10-2)を1kHzで測定した。その結果を同
第2表に併記した。なお、同第2表中には無機バインダ
としてガラスを用いたコンデンサを比較例1〜5として
併記した。
上記第2表から明らかなようにガラスを無機バインダ
として配合した誘電体層を有する比較例1〜5の厚膜コ
ンデンサは、誘電率が12〜270と低いのに対し、焼成過
程で強誘電体層中の共晶組成からなる無機バインダを電
極及びアルミナ基板側に拡散させた構造を有する本実施
例1〜16の厚膜コンデンサはいずれも誘電率が4000〜70
00と極めて高い値を示すことがわかる。
実施例17〜46 まず、出発原料としてPbO、Fe2O3、WO3、Nb2O5、BaCO
3、CuO、MgCO3、MnCO3、NiO、SrCO3、CaCO3、ZrO2、Co2
O3、ZnO、TiO2、Sb2O3、Ta2O5を用いて、前述した略語
と組成式の対照表である第1表に示す組成式、添加物と
してのMnOのモル比が下記第3表及び第4表に示すよう
に秤量した。但し、前記組成式の合計モル比は1となる
ように設定する。つづいて、これらの原料をボールミル
で湿式混合した後、700〜800℃で仮焼し、再度、ボール
ミルで粉砕し、乾燥して強誘電体無機化合物を調製し
た。
また、PbO、CuO、WO3、Nb2O5、Sb2O3、BaO、Fe2O3、Z
nO、CaOを用いて、PbO−CuO、PbO−WO3、PbO−Nb2O5、P
bO−Sb2O3、PbO−CaO、PbO−Fe2O3、PbO−ZnO、BaO−WO
3のうち共晶組成となるようにそれらのモル比を同第3
表及び第4表に示すように秤量した。つづいて、これら
の原料をボールミルで湿式混合した後、乾燥したそのま
まのもの、及び700〜830℃で仮焼した後ボールミルで粉
砕、乾燥したものを夫々無機バインダとして用意した。
次いで、予め調製した強誘電体化合物と無機バインダ
を同第3表及び第4表に示す割合で秤量して30種の原料
を秤量した。つづいて、これら原料68重量%、ターピネ
オール(溶剤)28重量%、エチルセルロース(有機バイ
ンダ)4重量%を混合して強誘電体ペーストを調製し
た。
得られた各強誘電体ペースト及び同第3表及び第4表
に示す電極用導体ペースト(強誘電体ペーストと同量の
ターピネオール、エチルセルロースを含む)を用いて2
インチ×2インチのアルミナ基板上に印刷した後、ベル
ト炉により940℃×30分間の条件で焼成して前述した第
1図図示の構造をもつ厚膜コンデンサを製造した。
焼成後の各厚膜コンデンサについて、誘電率及び誘電
正接(tan δ×10-2)を1kHzで測定した。その結果を同
第3表及び第4表に併記した。但し、第3表中の実施例
21、23についてはアルミナ基板と電極の間に同実施例2
1、23の強誘電体ペーストと同種の材料からなるバッフ
ァ層を設けて焼成した構造とした。なお、同第4表中に
は無機バインダとしてガラスを用いたコンデンサを比較
例6〜10として併記した。
上記第3表及び第4表から明らかなようにガラスを無
機バインダとして配合した誘電体層を有する比較例6〜
10の厚膜コンデンサは、誘電率が50〜2900と低い。これ
に対し、焼成過程で強誘電体層中の共晶組成からなる無
機バインダを電極及びアルミナ基板側に拡散させた構造
を有する本実施例17〜46の厚膜コンデンサはいずれも誘
電率が4000〜11000と極めて高い値を示すことがわか
る。
また、上記実施例1〜46及び比較例1〜10において、
上層の電極ペーストの印刷の後、絶縁ペースト膜を介し
て市販の抵抗ペーストを印刷し、焼成するか、強誘電体
ペースト等を印刷したアルミナ基板に近接して市販の抵
抗ペーストを印刷した後に焼成して形成された抵抗体の
良否を調べた。その結果、本実施例1〜46の場合では目
的とする抵抗値を有する抵抗体の形成が可能であったの
に対し、比較例1〜10の場合では強誘電体ペースト中の
ガラスの抵抗体への拡散等により目的とする抵抗値を有
する抵抗体の形成が困難であった。
実施例47〜61 まず、出発原料としてPbO、Fe2O3、WO3、Nb2O5、BaCO
3、CuO、MgCO3、NiOを用いて、前記略語と組成式の対照
表である第1表に示す組成式中のPFN、BCW、添加物とし
てのNiO、MgO及びMnOのモル比が下記第5表に示すよう
に秤量した。但し、前記PFN、BCWはx(PFN)−y(BC
W)〔(x+y)=1〕となるように設定する。つづい
て、これらの原料をボールミルで湿式混合した後、700
〜800℃で仮焼し、再度、ボールミルで粉砕し、乾燥し
て強誘電体無機化合物を調製した。
また、PbO、CuO及びWO3を用いて、PbO−CuO、PbO−WO
3のうち共晶組成となるようにそれらのモル比を同第5
表に示すように秤量した。つづいて、これらの原料をボ
ールミルで湿式混合した後、乾燥したそのままのもの、
及び600〜830℃で仮焼した後ボールミルで粉砕、乾燥し
たものを夫々無機バインダとして用意した。
次いで、予め調製した強誘電体化合物と無機バインダ
を同第5表に示す割合で秤量して15種の原料を秤量し
た。つづいて、これら原料68重量%、ターピネオール
(溶剤)28重量%、エチルセルロース(有機バインダ)
4重量%を混合して強誘電体ペーストを調製した。
得られた各強誘電体ペースト及びAg−Pb系の電極用導
体ペースト(強誘電体ペーストと同量のターピネオー
ル、エチルセルロースを含む)を用いて2インチ×2イ
ンチのアルミナ基板上に印刷した後、ベルト炉により94
0℃×30分間の条件で焼成し、更に切断して前述した第
2図図示の構造を有するチップコンデンサを製造した。
焼成後の各チップコンデンサについて、誘電率及び誘
電正接(tan δ×10-2)を1kHzで測定した。その結果を
同第5表に併記した。なお、同第5表中には無機バイン
ダとしてガラスを用いたチップコンデンサを比較例11〜
15として併記した。また、同第5表中にはグリーンシー
ト法による市販のチップコンデンサを比較例16として併
記した。
上記第5表から明らかなようにガラスを無機バインダ
として配合した誘電体層を有する比較例12〜16のチップ
コンデンサは、誘電率が12〜270と低いのに対し、焼成
過程で強誘電体層中の共晶組成からなる無機バインダを
電極及びアルミナ基板側に拡散させた構造を有する本実
施例47〜61のチップコンデンサはいずれも誘電率が4000
〜7000と極めて高い値を示すことがわかる。
また、上記第5表から明らかなように厚膜法を適用し
た本実施例47〜61のチップコンデンサでは、その厚さを
グリンシート法によりチップコンデンサ(比較例16)の
0.6〜1.0mmに対して0.5mm以下と薄くできる。
実施例62〜91 まず、出発原料としてPbO、Fe2O3、WO3、Nb2O5、BaCO
3、CuO、MgCO3、MnCO3、NiO、SrCO3、CaCo3、ZrO2、Co2
O3、ZnO、TiO2、Sb2O3、Ta2O5を用いて、前記略語と組
成式の対照表である第1表に示す組成式、添加物として
のMnOのモル比が下記第6表及び第7表に示すように秤
量した。但し、前記組成式の合計モル比は1となるよう
に設定する。つづいて、これらの原料をボールミルで湿
式混合した後、700〜800℃で仮焼し、再度、ボールミル
で粉砕し、乾燥して強誘電体無機化合物を調製した。
また、PbO、CuO、WO3、Nb2O5、Sb2O3、BaO、Fe2O3、Z
nO、CaOを用いて、PbO−CuO、PbO−WO3、PbO−Nb2O5、P
bO−Sb2O3、PbO−CaO、PbO−Fe2O3、PbO−ZnO、BaO−WO
3のうち共晶組成となるようにそれらのモル比を同第6
表及び第7表に示すように秤量した。つづいて、これら
の原料をボールミルで湿式混合した後、乾燥したそのま
まのもの、及び700〜830℃で仮焼した後ボールミルで粉
砕、乾燥したものを夫々無機バインダとして用意した。
次いで、予め調製した強誘電体化合物と無機バインダ
を同第6表及び第7表に示す割合で秤量して30種の原料
を秤量した。つづいて、これら原料68重量%、ターピネ
オール(溶剤)28重量%、エチルセルロース(有機バイ
ンダ)4重量%を混合して強誘電体ペーストを調製し
た。
得られた各強誘電体ペースト及び同第6表及び第7表
に示す電極用導体ペースト(強誘電体ペーストと同量の
ターピネオール、エチルセルロースを含む)を用いて2
インチ×2インチのアルミナ基板上に印刷した後、ベル
ト炉により940℃×50分間の条件で焼成し、更に切断し
て前述した第2図図示の構造を有するチップコンデンサ
を製造した。
焼成後の各チップコンデンサについて、誘電率及び誘
電正接(tan δ×10-2)を1kHzで測定した。その結果を
同第6表及び第7表に併記した。なお、同第7表中には
無機バインダとしてガラスを用いたコンデンサを比較例
17〜21として併記した。
上記第6表及び第7表から明らかなようにガラスを無
機バインダとして配合した誘電体層を有する比較例17〜
21のチップコンデンサは、誘電率が50〜2900と低い。こ
れに対し、焼成過程で強誘電体層中の共晶組成からなる
無機バインダを電極及びアルミナ基板側に拡散させた構
造を有する本実施例62〜91のチップコンデンサはいずれ
も誘電率が4000〜11000と極めて高い値を示すことがわ
かる。
また、上記第6表及び第7表から明らかなように厚膜
法を適用した本実施例62〜91のチップコンデンサでは、
その厚さをグリンシート法によるチップコンデンサ(比
較例16)の0.6〜1.0mmに対して0.5mm以下と薄くでき
る。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば誘電特性の優れた
強誘電体層を備えた厚膜コンデンサを提供できるもので
ある。また、優れた誘電特性を有し、かつ工程数の低減
を図ることができ、かつ小型、薄型実装に有利な強誘電
体層を備えたチップコンデンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の厚膜コンデンサの一形態を示す断面
図、第2図は本発明のチップコンデンサを示す断面図で
ある。 1……基板、2a、2b……電極、3、3a、3b……強誘電体
層、4……厚膜コンデンサ、5……チップコンデンサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に、ペロブスカイト構造を有す
    る強誘電体無機化合物及び液相生成温度が該無機化合物
    の焼結温度以下である共晶組成を有する無機バインダを
    含む強誘電体ペースト層と電極用導体ペースト層とを積
    層し、焼成処理により前記絶縁基板上に強誘電体層及び
    電極を設けた構造の厚膜コンデンサにおいて、前記強誘
    電体層は焼成過程でその中の無機バインダ成分が前記電
    極及び絶縁基板に拡散された組成を有することを特徴と
    する厚膜コンデンサ。
JP6838888A 1988-03-23 1988-03-23 厚膜コンデンサ Expired - Lifetime JP2642390B2 (ja)

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