JPH05120915A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
- Publication number
- JPH05120915A JPH05120915A JP3284469A JP28446991A JPH05120915A JP H05120915 A JPH05120915 A JP H05120915A JP 3284469 A JP3284469 A JP 3284469A JP 28446991 A JP28446991 A JP 28446991A JP H05120915 A JPH05120915 A JP H05120915A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- percentage
- temperature
- cuo
- dielectric ceramic
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】誘電体磁器組成物として、BaTiO3 18.
0〜27.0重量%と、Nd2 O3 31.6〜36.3
重量%と、TiO2 27.6〜35.6重量%、Bi2
O3 2.5〜8.1重量%およびPb3 O4 5.6〜
9.0重量%の割合からなる主成分に対して、焼結促進
成分としてSiO2 を1.0〜3.0重量%、ZnOを
0.5〜3.0重量%、B2 O3を0.1〜1.30重
量%、CuOを0.5〜1.5重量%添加する。 【効果】950℃〜1000℃の低い温度で焼成するこ
とが可能となり、しかも気孔の発生を防止され、グリー
ンシートの厚みを薄くしても、高温高湿度負荷試験で劣
化を生じることがなく、耐候性に優れた性能を有すると
ともに、品質係数(Q値)を大きくすることができ、高
品質、高信頼性を具備する小型化が可能な積層コンデン
サを提供できる。
0〜27.0重量%と、Nd2 O3 31.6〜36.3
重量%と、TiO2 27.6〜35.6重量%、Bi2
O3 2.5〜8.1重量%およびPb3 O4 5.6〜
9.0重量%の割合からなる主成分に対して、焼結促進
成分としてSiO2 を1.0〜3.0重量%、ZnOを
0.5〜3.0重量%、B2 O3を0.1〜1.30重
量%、CuOを0.5〜1.5重量%添加する。 【効果】950℃〜1000℃の低い温度で焼成するこ
とが可能となり、しかも気孔の発生を防止され、グリー
ンシートの厚みを薄くしても、高温高湿度負荷試験で劣
化を生じることがなく、耐候性に優れた性能を有すると
ともに、品質係数(Q値)を大きくすることができ、高
品質、高信頼性を具備する小型化が可能な積層コンデン
サを提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電容量の温度係数が
小さい温度補償用積層型磁器コンデンサに適した誘電体
磁器組成物に関する。
小さい温度補償用積層型磁器コンデンサに適した誘電体
磁器組成物に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、高誘電率を有し、静電容量の温度
係数が小さい温度補償用積層型磁器コンデンサは、薄層
の誘電体の表面にAg等からなる内部電極を形成したも
のを複数枚積層し、内部電極を交互に外部接続用電極に
電気的に並列に接続されるように配置し、これを同時焼
成し一体化することにより得られる。この種の積層型コ
ンデンサは、一般に1200℃以上の比較的高温で焼成
することにより得られていたが、内部電極として安価な
Ag/Pdを用いる場合には、誘電体磁器と電極との反
応性を抑制するために、1100℃以下の低温で焼成す
ることが必要である。
係数が小さい温度補償用積層型磁器コンデンサは、薄層
の誘電体の表面にAg等からなる内部電極を形成したも
のを複数枚積層し、内部電極を交互に外部接続用電極に
電気的に並列に接続されるように配置し、これを同時焼
成し一体化することにより得られる。この種の積層型コ
ンデンサは、一般に1200℃以上の比較的高温で焼成
することにより得られていたが、内部電極として安価な
Ag/Pdを用いる場合には、誘電体磁器と電極との反
応性を抑制するために、1100℃以下の低温で焼成す
ることが必要である。
【0003】そこで、従来より低温で焼成可能な高誘電
率系誘電体磁器が開発されている。
率系誘電体磁器が開発されている。
【0004】具体的にはNd2 Ti2 O7 にBaTiO
3 、TiO2 、Bi2 O3 、Pb3 O4 を添加した主成
分にZnOやSiO2 を添加した組成物(特開昭57−
170405号参照)や、さらにはBaTiO3 、Nd
2 O3 、TiO2 にBi2 O3 を添加した系において、
内部電極成分であるAgとBi2 O3 との反応を抑制す
るためにB2 O3 やコレマナイト(2CaO・3B2 O
3 )を添加したもの(特開昭60−124308号、特
開平2−44069号)等が提案されている。
3 、TiO2 、Bi2 O3 、Pb3 O4 を添加した主成
分にZnOやSiO2 を添加した組成物(特開昭57−
170405号参照)や、さらにはBaTiO3 、Nd
2 O3 、TiO2 にBi2 O3 を添加した系において、
内部電極成分であるAgとBi2 O3 との反応を抑制す
るためにB2 O3 やコレマナイト(2CaO・3B2 O
3 )を添加したもの(特開昭60−124308号、特
開平2−44069号)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
先行技術によれば、その焼成温度は特開昭57−170
405号が1050℃以上と高く、しかもAgとBi2
O3 との反応性について解決されておらず、また、特開
平2−44069号の組成物は焼成温度が1000℃〜
1050℃と低く、AgとBi2 O3 との反応性につい
ては解決されたが、磁器内部に若干の気孔が存在するた
めに、静電容量を高めるために積層コンデンサの誘電体
層の厚みを薄くするにしても限界があった。そのため
に、コンデンサの小型化を阻害するという問題があっ
た。
先行技術によれば、その焼成温度は特開昭57−170
405号が1050℃以上と高く、しかもAgとBi2
O3 との反応性について解決されておらず、また、特開
平2−44069号の組成物は焼成温度が1000℃〜
1050℃と低く、AgとBi2 O3 との反応性につい
ては解決されたが、磁器内部に若干の気孔が存在するた
めに、静電容量を高めるために積層コンデンサの誘電体
層の厚みを薄くするにしても限界があった。そのため
に、コンデンサの小型化を阻害するという問題があっ
た。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
問題点に対し、特に低温焼成における焼結性に対して焼
結助剤の検討を行ったところ、CuOを適量添加するす
ることにより磁器の焼結性を促進するとともに磁器中の
気孔が存在しない緻密な磁器が得られることを知見した
ものである。
問題点に対し、特に低温焼成における焼結性に対して焼
結助剤の検討を行ったところ、CuOを適量添加するす
ることにより磁器の焼結性を促進するとともに磁器中の
気孔が存在しない緻密な磁器が得られることを知見した
ものである。
【0007】即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、Ba
TiO3 18.0〜27.0重量%と、Nd2 O3 3
1.6〜36.3重量%と、Bi2 O3 2.5〜8.1
重量%およびPb3 O4 5.6〜9.0重量%からなる
主成分に対して、低温における焼結促進成分としてZn
Oを0.5〜3.0重量%、B2 O3 を0.1〜1.3
重量%、CuOを0.5〜1.5重量%およびSiO2
を1.0〜3.0重量%の割合で添加してなることを特
徴とするものである。
TiO3 18.0〜27.0重量%と、Nd2 O3 3
1.6〜36.3重量%と、Bi2 O3 2.5〜8.1
重量%およびPb3 O4 5.6〜9.0重量%からなる
主成分に対して、低温における焼結促進成分としてZn
Oを0.5〜3.0重量%、B2 O3 を0.1〜1.3
重量%、CuOを0.5〜1.5重量%およびSiO2
を1.0〜3.0重量%の割合で添加してなることを特
徴とするものである。
【0008】本発明の磁器組成物において、各化合物の
組成を上記範囲に限定したのは、BaTiO3 が上記範
囲を逸脱すると、1000℃以下での焼成が難しく、N
d2 O3 が31.6重量%未満でも焼成温度が高くな
り、しかも絶縁抵抗IRが小さく、機械的品質係数(Q
値)が小さくなり、36.3重量%を越えると容量温度
係数が正側に大きく移行する。TiO2 が27.6重量
%より少ないと焼成温度が高くなり、35.5重量%を
越えると容量温度係数が負側に移行する。Bi2 O3 が
2.5重量%未満では容量温度係数が負側に移行すると
ともに、焼成温度を高くする必要があり、8.1重量%
を越えると容量温度係数が負側に大きく移行するととも
に絶縁抵抗IRが低下する。Pb3 O4 が5.6重量%
未満であると容量温度係数が負側に大きく移行し、9.
0重量%を越えると容量温度係数が正側に大きく移行す
る。
組成を上記範囲に限定したのは、BaTiO3 が上記範
囲を逸脱すると、1000℃以下での焼成が難しく、N
d2 O3 が31.6重量%未満でも焼成温度が高くな
り、しかも絶縁抵抗IRが小さく、機械的品質係数(Q
値)が小さくなり、36.3重量%を越えると容量温度
係数が正側に大きく移行する。TiO2 が27.6重量
%より少ないと焼成温度が高くなり、35.5重量%を
越えると容量温度係数が負側に移行する。Bi2 O3 が
2.5重量%未満では容量温度係数が負側に移行すると
ともに、焼成温度を高くする必要があり、8.1重量%
を越えると容量温度係数が負側に大きく移行するととも
に絶縁抵抗IRが低下する。Pb3 O4 が5.6重量%
未満であると容量温度係数が負側に大きく移行し、9.
0重量%を越えると容量温度係数が正側に大きく移行す
る。
【0009】また、低温での焼結性を改善する成分であ
るB2 O3 が0.1重量%未満では、焼成温度を高く設
定する必要があり、AgとBi2 O3 との反応を抑制す
ることができず、1.3重量%を越えると焼成時にセッ
ターとの融着が生じやすくなる。さらにSiO3が前述
の範囲を逸脱すると焼成温度が高くなるとともにIR、
Q値が低下する。ZnOが0.5重量%未満では焼成温
度が高くなるとともにIRやQ値が小さくなり、3.0
重量%を越えると品質係数Q値が小さくなるとともに容
量温度係数が正側に大きくなる。さらにCuOの量が
0.5%より少ないと低温での焼成の効果が得られず、
1.5重量%を越えると、Q値が低下する傾向にあっ
た。
るB2 O3 が0.1重量%未満では、焼成温度を高く設
定する必要があり、AgとBi2 O3 との反応を抑制す
ることができず、1.3重量%を越えると焼成時にセッ
ターとの融着が生じやすくなる。さらにSiO3が前述
の範囲を逸脱すると焼成温度が高くなるとともにIR、
Q値が低下する。ZnOが0.5重量%未満では焼成温
度が高くなるとともにIRやQ値が小さくなり、3.0
重量%を越えると品質係数Q値が小さくなるとともに容
量温度係数が正側に大きくなる。さらにCuOの量が
0.5%より少ないと低温での焼成の効果が得られず、
1.5重量%を越えると、Q値が低下する傾向にあっ
た。
【0010】上記誘電体磁器組成物を用いて積層コンデ
ンサを作成する場合には、まず、磁器を構成する各酸化
物粉末が前述の範囲になるように秤量混合し、700〜
840℃で仮焼処理した後に、粉砕し、ドクターブレー
ド法等によりグリーンシートを作成する。その後、この
グリーンシートの表面にAg/Pdの内部電極形成用ペ
ーストを塗布し、これを複数枚積層する。
ンサを作成する場合には、まず、磁器を構成する各酸化
物粉末が前述の範囲になるように秤量混合し、700〜
840℃で仮焼処理した後に、粉砕し、ドクターブレー
ド法等によりグリーンシートを作成する。その後、この
グリーンシートの表面にAg/Pdの内部電極形成用ペ
ーストを塗布し、これを複数枚積層する。
【0011】その後、この積層体を950〜1000℃
の大気中で2〜4時間程度焼成して一体化する。そし
て、積層焼成物の端面にAg等よりなる外部電極用ペー
ストを塗布し、650〜750℃で焼付けを行うことに
より積層コンデンサを得ることができる。
の大気中で2〜4時間程度焼成して一体化する。そし
て、積層焼成物の端面にAg等よりなる外部電極用ペー
ストを塗布し、650〜750℃で焼付けを行うことに
より積層コンデンサを得ることができる。
【0012】なお、原料粉末として用いる金属酸化物
は、酸化物の形態の他に加熱により酸化物を生成し得る
炭酸塩、硝酸塩等の形態で用いることもできる。さらに
B2 O3 については、有機溶媒を用いずに水を溶媒とし
て用いることを考慮し、2CaO・3B2 O3 (コレマ
ナイト)を用いることが望ましい。その場合には、B2
O3 が前述した範囲になるように調製すればよい。
は、酸化物の形態の他に加熱により酸化物を生成し得る
炭酸塩、硝酸塩等の形態で用いることもできる。さらに
B2 O3 については、有機溶媒を用いずに水を溶媒とし
て用いることを考慮し、2CaO・3B2 O3 (コレマ
ナイト)を用いることが望ましい。その場合には、B2
O3 が前述した範囲になるように調製すればよい。
【0013】
【作用】なお、上記成分において、BaTiO3 、Nd
2 O3 、TiO2 、Bi2 O3 およびPb3 O4 からな
る主成分により磁器の主結晶相が形成され、焼結促進成
分であるB2 O3 、ZnO、SiO2およびCuOによ
りマトリックス(粒界)が形成される。これら焼結促進
成分は、これらの成分の融合により低融点物質が形成さ
れ、且つマトリックスの結晶化が抑制されることによ
り、低温におけるマトリックスの流動性が増すとともに
磁器の焼結過程においてその圧力上昇に従い、主結晶粒
とマトリックスの濡れを向上し、それにより磁器の焼成
を950℃〜1000℃の低い温度で焼成することが可
能となり気孔の発生をも防止することができる。
2 O3 、TiO2 、Bi2 O3 およびPb3 O4 からな
る主成分により磁器の主結晶相が形成され、焼結促進成
分であるB2 O3 、ZnO、SiO2およびCuOによ
りマトリックス(粒界)が形成される。これら焼結促進
成分は、これらの成分の融合により低融点物質が形成さ
れ、且つマトリックスの結晶化が抑制されることによ
り、低温におけるマトリックスの流動性が増すとともに
磁器の焼結過程においてその圧力上昇に従い、主結晶粒
とマトリックスの濡れを向上し、それにより磁器の焼成
を950℃〜1000℃の低い温度で焼成することが可
能となり気孔の発生をも防止することができる。
【0014】それによりグリーンシートの厚みを約25
μm以下にまで薄くしても、高温高湿度負荷試験で劣化
を生じることがなく、耐候性に優れた性能を有するとと
もに、品質係数(Q値)を大きくすることができ、高品
質、高信頼性を具備する小型化が可能な積層コンデンサ
を提供することができる。
μm以下にまで薄くしても、高温高湿度負荷試験で劣化
を生じることがなく、耐候性に優れた性能を有するとと
もに、品質係数(Q値)を大きくすることができ、高品
質、高信頼性を具備する小型化が可能な積層コンデンサ
を提供することができる。
【0015】
実施例1 原料粉末として純度99.5%以上のBaTiO3 、T
iO2 、Bi2 O3 、Pb3 O4 、2CaO・3B2 O
3 、SiO2 、ZnOおよびCuO粉末を用いて、Ba
TiO3 24.6重量%、Nd2 O3 34.4重量%、
TiO2 29.7重量%、Bi2 O3 5.15重量%、
Pb3 O4 6.15重量%からなる主成分に対してZn
Oを2.5重量%、SiO2 を2.5重量%、2CaO
・3B2 O3 を0.8重量%(B2 O3 で0.52重量
%)相当量を添加し、さらにCuO粉末を0.1〜2.
0重量%相当量を添加しボールミルで混合した。その
後、混合物を760℃で仮焼しメノウ玉石で粉砕して一
次原料粉末を得る。次に、この粉末1.2Kgに水0.
96g、分散剤30gを内容積10リットルの樹脂ポッ
トに入れて回転せしめ、スラリーを調製した。スラリー
にアクリルバインダー(エマルジョン)と可塑剤を加え
てドクターブレード法にて厚さ20μmのグリーンシー
トを成形した。
iO2 、Bi2 O3 、Pb3 O4 、2CaO・3B2 O
3 、SiO2 、ZnOおよびCuO粉末を用いて、Ba
TiO3 24.6重量%、Nd2 O3 34.4重量%、
TiO2 29.7重量%、Bi2 O3 5.15重量%、
Pb3 O4 6.15重量%からなる主成分に対してZn
Oを2.5重量%、SiO2 を2.5重量%、2CaO
・3B2 O3 を0.8重量%(B2 O3 で0.52重量
%)相当量を添加し、さらにCuO粉末を0.1〜2.
0重量%相当量を添加しボールミルで混合した。その
後、混合物を760℃で仮焼しメノウ玉石で粉砕して一
次原料粉末を得る。次に、この粉末1.2Kgに水0.
96g、分散剤30gを内容積10リットルの樹脂ポッ
トに入れて回転せしめ、スラリーを調製した。スラリー
にアクリルバインダー(エマルジョン)と可塑剤を加え
てドクターブレード法にて厚さ20μmのグリーンシー
トを成形した。
【0016】得られたグリーンシートにAg/Pd(=
70:30)の内部電極形成用ペーストを印刷し、32
層積層して880℃でで焼成し、縦2.0mm、横1.
25mmの積層型磁器コンデンサを作成した。その後、
コンデンサの端面にAg外部電極ペーストを塗布し65
0℃で焼き付けた後、NiおよびSnの電気メッキを施
し、評価試料を作成した。
70:30)の内部電極形成用ペーストを印刷し、32
層積層して880℃でで焼成し、縦2.0mm、横1.
25mmの積層型磁器コンデンサを作成した。その後、
コンデンサの端面にAg外部電極ペーストを塗布し65
0℃で焼き付けた後、NiおよびSnの電気メッキを施
し、評価試料を作成した。
【0017】各試料素子の誘電率(εr)、機械的品質
係数(Q値)、絶縁抵抗(IR)、容量温度係数(−5
5℃と+125℃との平均値)を測定し、さらに121
℃、2気圧で24時間保持し、その後、高温高湿負荷試
験(65℃、95%RH、50VDC、1000hr
s)を行い、各試料1000個中、故障した素子中を調
べた。さらに各試料のグリーンシートを積層して得た単
板にて磁器密度を測定した。結果は表1に示した。
係数(Q値)、絶縁抵抗(IR)、容量温度係数(−5
5℃と+125℃との平均値)を測定し、さらに121
℃、2気圧で24時間保持し、その後、高温高湿負荷試
験(65℃、95%RH、50VDC、1000hr
s)を行い、各試料1000個中、故障した素子中を調
べた。さらに各試料のグリーンシートを積層して得た単
板にて磁器密度を測定した。結果は表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1によれば、CuOを全く添加しなかっ
た試料では880℃ではほとんど焼成できず、密度は
5.20g/ccであったのに対して、CuOを添加す
ることにより密度が向上し、CuOを1重量%添加した
系で最も密度が高くなり、しかも特性的に高いQ値を有
する優れた誘電体を得ることができた。また、寿命試験
においても故障したものは全くなかった。しかしながら
CuO添加量が1.5重量%を越えるとQ値の低下が見
られた。
た試料では880℃ではほとんど焼成できず、密度は
5.20g/ccであったのに対して、CuOを添加す
ることにより密度が向上し、CuOを1重量%添加した
系で最も密度が高くなり、しかも特性的に高いQ値を有
する優れた誘電体を得ることができた。また、寿命試験
においても故障したものは全くなかった。しかしながら
CuO添加量が1.5重量%を越えるとQ値の低下が見
られた。
【0020】実施例2 実施例1で用いた原料と全く同様を原料を用いて、表2
に示す組成となるようにそれぞれ秤量混合し、CuO量
を1重量%に固定して、焼成温度880℃にて焼成し、
主成分やCuO以外の焼結促進成分の組成による影響を
調べた。特性評価としては実施例1に基づき、誘電率、
Q値、抵抗(IR)、容量温度係数の−55℃と125
℃との平均値を示した。結果は表2、表3に示した。
に示す組成となるようにそれぞれ秤量混合し、CuO量
を1重量%に固定して、焼成温度880℃にて焼成し、
主成分やCuO以外の焼結促進成分の組成による影響を
調べた。特性評価としては実施例1に基づき、誘電率、
Q値、抵抗(IR)、容量温度係数の−55℃と125
℃との平均値を示した。結果は表2、表3に示した。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】表2および表3によれば、CuOを添加す
ることにより本発明の組成範囲のものはいずれも緻密化
することが可能で、しかも特性も良好なものであった。
しかしながら、主成分の組成が本発明の範囲を逸脱する
試料では、いずれも特性的に不十分なものであった。
ることにより本発明の組成範囲のものはいずれも緻密化
することが可能で、しかも特性も良好なものであった。
しかしながら、主成分の組成が本発明の範囲を逸脱する
試料では、いずれも特性的に不十分なものであった。
【0024】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の誘電体磁器
組成物によれば、950℃〜1000℃の低い温度で焼
成することが可能となり、しかも気孔の発生を防止する
ことができる。それによりグリーンシートの厚みを薄く
しても、高温高湿度負荷試験で劣化を生じることがな
く、耐候性に優れた性能を有するとともに、品質係数
(Q値)を大きくすることができ、高品質、高信頼性を
具備する小型化が可能な積層コンデンサを提供すること
ができる。
組成物によれば、950℃〜1000℃の低い温度で焼
成することが可能となり、しかも気孔の発生を防止する
ことができる。それによりグリーンシートの厚みを薄く
しても、高温高湿度負荷試験で劣化を生じることがな
く、耐候性に優れた性能を有するとともに、品質係数
(Q値)を大きくすることができ、高品質、高信頼性を
具備する小型化が可能な積層コンデンサを提供すること
ができる。
Claims (1)
- 【請求項1】BaTiO3 18.0〜27.0重量%
と、 Nd2 O3 31.6〜36.3重量%と、 TiO2 27.6〜35.6重量%と、 Bi2 O3 2.5〜8.1重量%及び Pb3 O4 5.6〜9.0重量% からなる主成分に対して、焼結促進成分として ZnO0.5〜3.0重量%、 B2 O3 0.1〜1.3重量%、 CuOを0.5〜1.5重量%及び SiO2 を1.0〜3.0重量% の割合で添加してなることを特徴とする誘電体磁器組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28446991A JP3439774B2 (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28446991A JP3439774B2 (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05120915A true JPH05120915A (ja) | 1993-05-18 |
JP3439774B2 JP3439774B2 (ja) | 2003-08-25 |
Family
ID=17678934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28446991A Expired - Fee Related JP3439774B2 (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3439774B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6340649B1 (en) * | 1999-03-16 | 2002-01-22 | Tdk Corporation | Composition of dielectric ceramics and producing method thereof |
KR100731220B1 (ko) * | 2005-01-26 | 2007-06-22 | 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 | 고 유전상수 세라믹 재료의 코어를 갖는 다성분 ltcc기판 및 그의 개발 방법 |
WO2007122948A1 (ja) | 2006-03-30 | 2007-11-01 | Ngk Insulators, Ltd. | 誘電体磁器組成物および電子部品 |
JP2017038036A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-10-30 JP JP28446991A patent/JP3439774B2/ja not_active Expired - Fee Related
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