JPH11297561A - 複合ペロブスカイト化合物を用いた積層セラミックコンデンサ - Google Patents

複合ペロブスカイト化合物を用いた積層セラミックコンデンサ

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JPH11297561A
JPH11297561A JP9772198A JP9772198A JPH11297561A JP H11297561 A JPH11297561 A JP H11297561A JP 9772198 A JP9772198 A JP 9772198A JP 9772198 A JP9772198 A JP 9772198A JP H11297561 A JPH11297561 A JP H11297561A
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multilayer ceramic
ceramic capacitor
dielectric layer
site
ions
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Toru Mori
透 森
Atsushi Ochi
篤 越智
Tadahiko Horiguchi
忠彦 堀口
Shinji Ito
伸二 伊藤
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NEC Tokin Hyogo Ltd
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NEC Corp
Tokin Ceramics Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics

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  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リラクサを用いて誘電体層の薄膜化を行って
積層セラミックコンデンサの小型高容量化を図り、かつ
焼成中に十分誘電体セラミックスの結晶粒子を成長させ
ても信頼性が低下しないような積層セラミックコンデン
サを提供する。 【解決手段】 ABO3 で表わされる複合ペロブスカイ
ト化合物のBサイトにWイオンを含み、かつAサイトイ
オンとBサイトイオンの比率A/Bが0.975以上
1.0未満である複合ペロブスカイト化合物を誘電体層
の構成材料とし、該誘電体層と内部電極が交互に積層さ
れた構造を有し、かつ該誘電体層の厚さが1μm以上9
μm未満である積層セラミックコンデンサにおいて、誘
電体層を構成する結晶粒子の平均粒径が誘電体層の厚さ
と等しいか、ないしは3μmを越えることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1000℃以下の低
温で焼結する積層セラミックコンデンサに関する。特に
誘電体層の一層当たりの厚さが9μmを下回るにも関わ
らず高い信頼性、および高い比誘電率を有する高誘電率
系積層セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサにはBaTi
3 あるいはPbTiO3 を主体とした、ペロブスカイ
ト構造を有する誘電体材料が広く用いられている。近
年、積層セラミックコンデンサの小型高容量化が急速に
進んでいるが、その手段としては誘電体層を薄くする、
または誘電体の比誘電率を高くすることが有効である。
特に誘電体層を薄くすることは積層セラミックコンデン
サの小型化にも貢献するため特に有効である。誘電体層
を薄くするためには、焼結後の誘電体セラミックの結晶
粒子が緻密でかつ十分に粒径が小さいことが必要とされ
ている。
【0003】一般にBaTiO3 ベースの誘電体の焼結
には1300℃〜1400℃という高温が必要であるの
に対して、リラクサは1000℃以下で焼結することか
ら銀リッチの銀パラジウム合金を内部電極に使えるた
め、コスト的にメリットが非常に高い。また、BaTi
3 ベースの誘電体はJIS規格のX7R特性(−55
℃〜125℃で20℃を基準とした容量変化率が±15
%以内)を満たすもので比誘電率は約2000〜300
0、Y5V特性(−30℃〜85℃で容量変化率が+2
2%〜−82%)を満たすもので12000〜1500
0程度である。それに対してリラクサではY5V特性を
満たすもので比誘電率が20000以上のものが数多く
報告されている。したがって積層セラミックコンデンサ
の高容量化のためには比誘電率の面からもリラクサは好
ましいといえる。
【0004】しかしBaTiO3 ベースの誘電体材料を
用いた場合、誘電体層の厚さは5μmを下回るものも開
発されているが、Pbを含む複合ペロブスカイト化合物
(以下リラクサと称す)を誘電体材料として用いた場
合、誘電体層の厚さが数十μmの積層セラミックコンデ
ンサでは結晶の平均粒径が3μm以上のものもある。し
かし誘電体層の厚さの薄い方は7μmまでのものしか報
告されていない(例えばProceedings of IEMT/IMC '97
Symposium, pp378)。なお、その場合でも結晶粒子の粒
径は約2μmである。
【0005】リラクサが薄い誘電体層の積層セラミック
コンデンサに不向きとされているのは、一般にリラクサ
はセラミック粉末が焼結して緻密化すると同時に著しい
粒成長を伴って比誘電率が高くなるが、その一方で機械
的強度が下がり、結果として信頼性が得られなくなるこ
とに起因する。粒成長の弊害への対処として、例えば機
械的強度を高めるために、特開平8−198675号公
報にあるように焼結後のセラミックの平均粒径を2〜5
μmで最大粒径と最小粒径の比が4〜6になるように調
整することが開示されている。また、特開平5−190
376号公報には絶縁耐圧の劣化を避けるためにリラク
サの焼結体の平均粒径を3μm以下にすることが開示さ
れている。粒成長を促進するにはリラクサのA/Bサイ
トの比率を1.0以上にすることが効果的である。しか
しこの場合信頼性の確保が難しい。
【0006】一方、粒成長を抑制するにはリラクサのA
/Bサイトの比率を1未満にすることが効果的である
が、その場合比誘電率が犠牲になる場合が多い。その極
端なケースとして、リラクサを薄膜コンデンサに応用す
る技術が挙げられる。例えば特開平7−183165号
公報にあるようにDRAMのセルに適用する技術が開示
されているが、この場合粒径は数十nmから数百nm程
度であり、比誘電率はせいぜい200程度であり、本来
の高い誘電率が得られない。したがってリラクサを誘電
体に用いた場合、比誘電率を十分に高くなるように結晶
粒子を成長させ、かつ誘電体層が十分に薄い積層セラミ
ックコンデンサは実現していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高い比誘電率が得られ
かつ1000℃以下の低温焼結が可能なリラクサを、十
分にその結晶粒子を成長させて積層セラミックコンデン
サに適用することは、積層セラミックコンデンサの小型
高容量化および低コスト化のために有効である。しかし
リラクサは焼成中に粒成長させると信頼性の面から誘電
体の薄層化には向かないという問題点がある。
【0008】そこで本発明の目的は、リラクサを用いて
誘電体層の薄膜化を行って積層セラミックコンデンサの
小型高容量化を図り、かつ焼成中に十分誘電体セラミッ
クスの結晶粒子を成長させても信頼性が低下しないよう
な積層セラミックコンデンサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を満たすため
に、本発明では、ABO3 で表わされる複合ペロブスカ
イト化合物のBサイトにWイオンを含み、かつAサイト
イオンとBサイトイオンの比率A/Bが0.975以上
1.0未満である複合ペロブスカイト化合物を誘電体層
の構成材料とし、該誘電体層と内部電極が交互に積層さ
れた構造を有し、かつ該誘電体層の厚さが1μm以上9
μm未満である積層セラミックコンデンサにおいて、誘
電体層を構成する結晶粒子の平均粒径が誘電体層の厚さ
と等しいか、ないしは3μmを越えることを特徴として
いる。
【0010】さらに上記複合ペロブスカイト化合物のA
サイトにPbイオンを95%以上含有するもの、および
/またはBサイトにMgイオン、Znイオンの少なくと
も1種を含むものを積層セラミックコンデンサに用いる
ことを特徴としている。また、これらの複合ペロブスカ
イト化合物ABO3 に対して、Mnイオンとして1mo
l%以下の、MnOもしくは他のマンガン化合物を添加
したものを誘電体層の構成材料とすることを特徴として
いる。また、これらの積層セラミックコンデンサにおい
て、内部電極が銀パラジウム合金であることを特徴とし
ており、さらにまた該銀パラジウム合金における銀の比
率が50%以上90%以下であることを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、リラクサすな
わちABO3 で表わされる複合ペロブスカイト化合物の
AサイトイオンとBサイトイオンの比率A/B≧1では
焼結が促進されてより低温で焼結できるようになる反
面、焼結体の粒界に第二相が残留しやすく信頼性を悪く
する原因となる。一方A/B<1では粒界に第二相が残
留しにくくなるが、Aサイトの不足率が大きくなると焼
結が阻害され低温焼結の特徴が生かせなくなる。その影
響を極力抑えうる限界が不足率2.5%、すなわちA/
B=0.975である。
【0012】誘電体層の厚さに関しては、リラクサを用
いた積層セラミックコンデンサにおいて誘電体層間の厚
さが7μm、結晶粒径が約2μmという公知例があるの
で、誘電体層一層に3個の結晶粒子が存在すれば、信頼
性は確保できるといえる。したがって結晶粒径の下限を
3μmとすると有効誘電体層の厚さが9μm以上であれ
ば、粒成長をさせても公知例から信頼性が確保できるこ
とが推定される。
【0013】有効誘電体層の厚さが9μmを下回る積層
セラミックコンデンサにおいては、従来技術にあるよう
にセラミックスの平均粒径が3μm以下では誘電体層一
層当たりに三個以上の結晶粒子が存在する。しかし平均
粒径が3μmを越えると誘電体層一層当たりの結晶粒子
の数が場所によってはそれ以下になるため、結晶粒子の
粒界相、いわゆる第二層の存在の有無が信頼性に大きな
影響を及ぼす。すなわちリラクサのAサイトのBサイト
に対する存在比が本発明の比率に限定される。一方誘電
体層の厚さが3μmを下回ると、一層当たり結晶粒子が
一個しか存在しなくても平均粒径は3μm以下になる。
その場合においても誘電体の比誘電率をできるだけ大き
くしようとすれば一層当たり結晶粒子一個が望ましい
が、やはり本発明のA/Bサイト比率を満たすことが必
要である。なお、誘電体層一層の厚さが1μm以下にな
るとたとえ一層当たり結晶粒子一個でも結晶粒径が1μ
m以下になって比誘電率が低くなるので有益とはいえな
い。
【0014】以上述べた理由により、本発明の積層セラ
ミックコンデンサにおいては、誘電体層の厚さは1μm
以上9μm未満、誘電体層を構成する結晶粒子の平均粒
径は誘電体層の厚さと等しいか、ないしは3μmを越え
ることをその構成要件とするものである。
【0015】本発明におけるABO3 で表わされる複合
ペロブスカイト化合物のAサイトは、Pbイオンが主で
あることが好ましいが、一部Ba、SrまたはCaイオ
ンで置換されていても同様の効果が得られる。しかしそ
の置換比率が5%を越えると焼結が阻害され低温焼結の
特徴が得られにくくなる。したがって、複合ペロブスカ
イト化合物のAサイトにPbイオンを95%以上含有す
るのが好適である。また、複合ペロブスカイト化合物に
は数多くの組み合わせがあり得るが、1000℃以下で
焼結させるためにはBサイトの主成分組成にWイオンを
含む必要があり、更にMgイオン、Znイオンの少なく
とも1種を含むことが望ましい。またZnイオンと共に
Nbイオンを含むものも同様に使用できる。具体的にい
えば、本発明で用いるABO3 で表わされる複合ペロブ
スカイト化合物の好適な例は、Pb(Zn1/2W1/
2)O3 、Pb(Mg1/2W1/2)O3 、Pb(Z
n1/3Nb2/3)O3 等である。これらを含まない
ものは焼結温度が1000℃ないし1000℃を越える
ため、効果は認められるもののあまり望ましくない。ま
た、積層セラミックコンデンサ用の誘電体材料には通常
Mnが添加されるが、Mnの添加量がMnとして1mo
l%を越えると焼結が阻害されるので問題がある。した
がって、本発明においては、ABO3 で表わされる複合
ペロブスカイト化合物に対して、Mnイオンとして1m
ol%以下の、MnOもしくは他のマンガン化合物を添
加したものを誘電体層の構成材料とするのが好ましい。
【0016】また、リラクサを用いた積層セラミックコ
ンデンサには内部電極に銀パラジウム合金が使われるこ
とがほとんどであるが、該合金におけるAgの比率が9
0%を越えると融点が1000℃以下になるため好まし
くない。一方Pdの比率を増加させると信頼性は向上す
るもののコストアップにもつながるので、Pdの比率は
50%未満であることが望ましい。
【0017】
【実施例】以下、本発明の詳細について実施例を用いて
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
ない。
【0018】実施例1 誘電体材料に用いるリラクサ主成分組成を30Pb(M
g1/2W1/2)O 3 −30Pb(Ni1/3Nb2
/3)O3 −40PbTiO3 とし、副成分としてPb
(Mn1/3Nb2/3)O3 を主成分1molに対し
て1.0mol%添加した。さらに主成分1molに対
してPbOを1.0mol%減じた組成を選んだ。誘電
体粉末は通常の酸化物法によって合成した。すなわち、
各成分の酸化物(PbO、MgO、WO3 、NiO、N
25 、TiO2 、MnCO3)を所定の比率になる
ように秤量し鉛芯樹脂ボールと樹脂ポットで水を媒体と
して72時間混合し、濾過、乾燥を経て750〜800
℃で仮焼した後再び前記ボールミルで72時間粉砕し、
乾燥させることによって誘電体粉末を得た。誘電体粉末
の粒径はグリーンシートの薄層化のために0.3μm以
下が望ましい。得られた誘電体粉末を有機バインダと共
に有機溶媒中に分散させてスラリーを作製し、キャリア
フィルムの上にドクターブレード法で8μmの厚さのセ
ラミックグリーンシートを作製した。グリーンシート上
に内部電極として銀パラジウムペーストをスクリーン印
刷法で印刷し、乾燥後グリーンシートをキャリアフィル
ムから剥離し、切断、積層、熱圧着した後に所定のチッ
プの形状に切断して積層セラミックコンデンサの生積層
体を得た。用いた内部電極の銀パラジウム比は銀75%
パラジウム25%、内部電極を印刷したシートの積層数
は80枚とした。生積層体を450℃〜500℃でバイ
ンダを分解した後900℃〜1000℃で焼成した。焼
成したチップコンデンサの両端に銀ペーストを焼き付け
ることによって端子電極を形成し積層セラミックコンデ
ンサを作製した。
【0019】作製した積層セラミックコンデンサの破断
面の走査電子顕微鏡(SEM)による2次電子像から焼
結体の結晶粒子の平均粒径を図1に示した方法で求め
た。すなわち写真上に結晶粒子のみを横切るように長さ
Lの直線を引き、その直線が横切る結晶粒子数をnとし
たときのL/nを平均粒径Dとした。作製した積層セラ
ミックコンデンサの平均粒径と比誘電率と焼成温度との
関係を図2に、平均粒径と絶縁抵抗と焼成温度との関係
を図3に、平均粒径と絶縁破壊電圧(10Pの平均値)
と焼成温度との関係を図4に、信頼性評価試験における
絶縁抵抗の累積不良数のデータを表1にそれぞれ示し
た。比誘電率は、LCRメータを用いて1kHz〜1V
rmsの交流を印加して測定した静電容量から計算によ
って求めた。計算式は以下の通りである。 ε=Cd/ε0 S(n−1) ここでεは比誘電率、ε0 は真空中での誘電率、dは誘
電体の有効層の厚み、Sは内部電極の有効重なり面積、
nは内部電極が形成されている誘電体の層数を示す。
d、Sは試料の断面観察によって求めた。
【0020】絶縁抵抗は10VDCを印加後60秒後の
リーク電流値から計算で求めた。絶縁破壊電圧は印加電
圧を20V/秒で昇圧し、コンデンサに1mAの電流が
流れた時の電圧値を絶縁破壊電圧とした。信頼性評価試
験は125℃で定格電圧×2の電圧を印加したとき、お
よび85℃−85〜95%RH%の高温高湿下で定格電
圧×1の電圧を印加したときの絶縁抵抗の経時変化を測
定することによって調べた。本実施例においては定格電
圧を10Vとした。
【0021】
【表1】 実施例2 誘電体材料に用いるリラクサ主成分組成を50Pb(M
g1/2W1/2)O 3 −20Pb(Zn1/3Nb2
/3)O3 −30PbTiO3 とし、副成分としてPb
(Mn1/3Nb2/3)O3 を主成分1molに対し
て0.5mol%添加し、さらに主成分1molに対し
てPbOを2.5mol%減じた組成を用いた。誘電体
粉末、積層セラミックコンデンサは実施例1に示した方
法に従って作製した。積層セラミックコンデンサの平均
粒径および比誘電率と焼成温度との関係を図5に、平均
粒径と絶縁抵抗と焼成温度との関係を図6に、平均粒径
と絶縁破壊電圧と焼成温度との関係を図7に、信頼性評
価試験における絶縁抵抗の累積不良数のデータを表2に
それぞれ示した。各特性の測定方法は実施例1に示した
方法に従った。
【0022】
【表2】 比較例1 誘電体材料に用いるリラクサ主成分組成を30Pb(M
g1/2W1/2)O 3 −30Pb(Ni1/3Nb2
/3)O3 −40PbTiO3 とし、副成分としてPb
(Mn1/3Nb2/3)O3 を主成分1molに対し
て1.0mol%添加した。実施例1とは異なり、Pb
OはBサイトイオンの総数に対して化学量論量とした。
誘電体粉末、積層セラミックコンデンサは実施例1に示
した方法に従って作製した。積層セラミックコンデンサ
の平均粒径および比誘電率と焼成温度との関係を図8
に、平均粒径および絶縁抵抗と焼成温度との関係を図9
に、平均粒径および絶縁破壊電圧と焼成温度との関係を
図10に、信頼性評価試験における絶縁抵抗の累積不良
数のデータを表3にそれぞれ示した。各特性の測定方法
は実施例1に示した方法に従った。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】本発明が、電気的特性(比誘電率、絶縁
抵抗)、破壊電圧、高温負荷特性、耐湿負荷特性に及ぼ
す信頼性評価に及ぼす効果は、実施例と比較例を見れば
明らかである。すなわち、WあるいはWとZnを含む組
成系では、PbOを減らした組成を誘電体に用いても9
00℃前後の焼成で十分に比誘電率が高くなる。結晶の
平均粒径が大きくなると比誘電率が大きくなるという傾
向は実施例、比較例いずれにおいても見られるが比誘電
率が15000を上回るには焼結体結晶の平均粒径が3
μmを越える必要があるといえる。平均粒径が3μmを
越えても、実施例においては絶縁抵抗、破壊電圧の低下
は特に見られない。また高温負荷試験、耐湿負荷試験に
おいても故障による絶縁抵抗の低下はほとんど見られな
い。880℃、ないし860℃焼成で不良が発生してい
るがこれは焼成温度が低いために焼結が若干不十分であ
るためと考えられる。
【0025】それに対して比較例においては、平均粒径
が3μmを越えるまで焼成すると比誘電率は高くなるが
絶縁抵抗、破壊電圧は低下し、特に高温負荷試験、耐湿
負荷試験においては焼成温度が高くなるにしたがって故
障による絶縁抵抗不良の累積数が著しく増加する。
【0026】このように実施例に示した組成以外でも焼
成温度は多少高くなるものの実施例に示した結果と同様
の傾向が得られる。また、組成比によって比誘電率は大
きく変わるが、誘電体本来の比誘電率を得るにはやは
り、結晶の平均粒径を3μm以上にすることが望まし
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの断面写真から結晶
粒子の平均粒径を求める方法の模式図。
【図2】実施例1における積層セラミックコンデンサの
静電容量から計算で求めた比誘電率の焼成温度に対する
依存性を示すグラフ。
【図3】実施例1における積層セラミックコンデンサの
絶縁抵抗の焼成温度に対する依存性を示すグラフ。
【図4】実施例1における積層セラミックコンデンサの
破壊電圧(BDV)の焼成温度に対する依存性を示すグ
ラフ。
【図5】実施例2における積層セラミックコンデンサの
静電容量から計算で求めた比誘電率の焼成温度に対する
依存性を示すグラフ。
【図6】実施例2における積層セラミックコンデンサの
絶縁抵抗の焼成温度に対する依存性を示すグラフ。
【図7】実施例2における積層セラミックコンデンサの
破壊電圧(BDV)の焼成温度に対する依存性を示すグ
ラフ。
【図8】比較例1における積層セラミックコンデンサの
静電容量から計算で求めた比誘電率の焼成温度に対する
依存性を示すグラフ。
【図9】比較例1における積層セラミックコンデンサの
絶縁抵抗の焼成温度に対する依存性を示すグラフ。
【図10】比較例1における積層セラミックコンデンサ
の破壊電圧(BDV)の焼成温度に対する依存性を示す
グラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀口 忠彦 兵庫県宍粟郡山崎町須賀沢231番地 兵庫 日本電気株式会社内 (72)発明者 伊藤 伸二 兵庫県宍粟郡山崎町須賀沢231番地 兵庫 日本電気株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ABO3 で表わされる複合ペロブスカイ
    ト化合物のBサイトにWイオンを含み、かつAサイトイ
    オンとBサイトイオンの比率A/Bが0.975以上
    1.0未満である複合ペロブスカイト化合物を誘電体層
    の構成材料とし、該誘電体層と内部電極が交互に積層さ
    れた構造を有し、かつ該誘電体層の厚さが1μm以上9
    μm未満である積層セラミックコンデンサにおいて、誘
    電体層を構成する結晶粒子の平均粒径が誘電体層の厚さ
    と等しいか、ないしは3μmを越えることを特徴とする
    積層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記複合ペロブスカイト化合物のAサイ
    トにPbイオンを95%以上含有することを特徴とする
    請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記複合ペロブスカイト化合物のBサイ
    トにMgイオン、Znイオンの少なくとも1種を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミッ
    クコンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記ABO3 で表わされる複合ペロブス
    カイト化合物に対して、Mnイオンとして1mol%以
    下の、MnOもしくは他のマンガン化合物を添加したも
    のを誘電体層の構成材料とすることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の積層セラミックコン
    デンサ。
  5. 【請求項5】 前記内部電極が銀パラジウム合金である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記銀パラジウム合金における銀の比率
    が50%以上90%以下であることを特徴とする請求項
    5に記載の積層セラミックコンデンサ。
JP9772198A 1998-04-09 1998-04-09 複合ペロブスカイト化合物を用いた積層セラミックコンデンサ Pending JPH11297561A (ja)

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