JP3451094B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及び空気入りタイヤ

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JP3451094B2
JP3451094B2 JP53426497A JP53426497A JP3451094B2 JP 3451094 B2 JP3451094 B2 JP 3451094B2 JP 53426497 A JP53426497 A JP 53426497A JP 53426497 A JP53426497 A JP 53426497A JP 3451094 B2 JP3451094 B2 JP 3451094B2
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俊二 荒木
正明 土橋
勲 西
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Kao Corp
Bridgestone Corp
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Kao Corp
Bridgestone Corp
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、シリカを配合したゴム組成物において、シ
リカのゴム中への分散性の改良と、発熱性及び耐摩耗性
が改良されたゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた空気
入りタイヤに関する。
背景技術 従来より、ゴム用補強充填材としては、カーボンブラ
ックが使用されている。これは、カーボンブラックが他
の充填材に較べ、高い補強性並びに耐摩耗性を有するた
めであるが、近年、省エネルギー、省資源の社会的要請
の下、とりわけ、自動車の燃料消費を節約するため、ゴ
ム組成物の低発熱化も同時に求められるようになってき
た。
カーボンブラックにより、ゴム組成物の低発熱化を狙
う場合、カーボンブラックの少量充填、あるいは、大粒
径カーボンブラックの使用が考えられるが、いづれの方
法においても、低発熱化は、補強性及び耐摩耗性とは二
率背反の関係にあることは、よく知られている。
一方、ゴム組成物の低発熱化充填材としては、シリカ
が知られており、現在までに、特開平3−252431号公報
など、多くの特許が出願されている。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラ
ノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあ
り、ゴム中へのシリカ粒子の分散を良くするために混練
時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカ粒
子の分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高
くなり、押し出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有し
ていた。
さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加
硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組
成物の加硫が十分に行われず、弾性率が上がらないとい
う欠点も有していた。
これらの欠点を改良するために、シランカップリング
剤が開発されたが、依然として、シリカの分散は十分な
レベルに達しておらず、特に、工業的に良好なシリカ分
散を得ることは困難であった。
また、特開平5−51484号公報には、シリカの分散性
を改良するために、シリル化剤を配合することが開示さ
れているが、混練中という短い時間でシリカとシリル化
剤を反応させなければならないため、反応効率が十分で
はなく、さらに、これらシリル化剤は沸点が低く、混練
中に揮発し、反応が十分行われないという欠点を有して
いた。
さらに、特公昭63−2886号公報及び特開平6−157825
号公報には、疎水性沈降ケイ酸を用いることが開示され
ているが、完全疎水化処理をした沈降ケイ酸を用いてい
るため、シランカップリング剤が反応する表面シラノー
ル基が存在しなくなるため、ゴムの補強が十分にとれな
いという欠点を有していた。
他方、特開平3−197536号公報には、天然ゴム及びジ
エン系合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも一種
のゴム100重量部に対して、カーボンブラックなどの補
強性充填材20〜150重量部と、アルキルアミン化合物0.0
5〜20重量部とを配合した発熱性が改良されたゴム組成
物が開示されている。
上記特開平3−197536号公報は、発熱性を改良するた
めにアルキルアミン化合物を配合しているものである
が、シリカを配合したゴム組成物においてシリカの分散
性の改良及びシリカを配合したゴム組成物においても発
熱性及び耐摩耗性が改良されることについては何等記載
も示唆もないものである。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、シ
リカのゴム中への分散性の改良と、発熱性及び耐摩耗性
が改良されたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供する
ことを目的とする。
発明の開示 本発明者等は、前記の課題を解決するため、鋭意研究
を行った結果、所定量のシリカに対し、特定の分散改良
剤を練り込むことにより、シリカのゴム中への分散を大
幅に改良し、かつ低発熱性、高耐摩耗性のゴム組成物及
び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを得ることに成
功し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤ
は、下記(1)〜(7)に存する。
(1)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴ
ム成分100重量部に対し、シリカ15〜85重量部と、下記
一般式(I)で示される3級アミン化合物を前記シリカ
の量に対して1〜15重量%配合してなるゴム組成物。
〔上記一般式(I)中で、R1は、炭素数1〜36のアルキ
ル基、アルケニル基又はアルコキシ基及びこれらのヒド
ロキシ置換基、ベンジル基、炭素数4〜36のアルキル基
又はアルケニル基で置換されたベンジル基、下記一般式
(II)で表される基を表し、R2、R3は、夫々独立に炭素
数1〜36のアルキル基又はアルケニル基、ベンジル基、
シクロヘキシル基及びこれらのヒドロキシ置換基を表
す。
上記一般式(II)中で、R4は、炭素数1〜36のアルキル
基又はアルケニル基を表し、R5は、エチレン基又はプロ
ピレン基を表し、Xは、水素、炭素数1〜18のアルキル
基、アルケニル基、アルキロイル基又はアルケニロイル
基を表し、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基又はヒド
ロキシアルキレン基を表し、mは、1〜10の整数であ
り、mが2以上の場合、それぞれのAは同じでも異なっ
ていてもよく、nは、1〜10の整数である。〕 (2)前記一般式(I)で示される3級アミン化合物の
分子量が180以上である上記(1)記載のゴム組成物。
(3)前記一般式(I)で示されるR1、R2がメチル基
で、R3が炭素数12〜36のジメチルアルキルアミンである
上記(1)記載のゴム組成物。
(4)前記一般式(I)で示される3級アミン化合物が
ジメチルステアリルアミンである上記(1)記載のゴム
組成物。
(5)さらに、シランカップリング剤を前記シリカの量
に対し、1〜15重量%配合してなる上記(1)記載のゴ
ム組成物。
(6)さらにカーボンブラックをゴム成分100重量部に
対し、20〜80重量部以下配合してなる上記(1)記載の
ゴム組成物。
(7)トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と
を備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッドは、上
記(1)〜(6)の何れか一つに記載のゴム組成物から
なる空気入りタイヤ。
発明を実施するための最良の形態 以下に、本発明の実施の形態について詳しく説明す
る。
本発明におけるゴム成分としては、天然ゴム(NR)又
は合成ゴムを単独又はこれらをブレンドして使用するこ
とができる。合成ゴムとしては、例えば、合成ポリイソ
プレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)やスチレ
ンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
本発明で用いるシリカとしては、例えば、合成含水ケ
イ酸が好ましいが、特に限定するものではない。シリカ
の配合量は、上記ゴム成分100重量部に対し、15〜85重
量部である。シリカの配合量が15重量部未満では、補強
性がとれず、85重量部超過では、熱入れ押出し等の作業
性の悪化をもたらす。補強性、低発熱性、作業性の面か
ら、シリカの配合量は20〜65重量部が好ましい。
本発明の分散改良剤として用いられるアミン化合物
は、下記一般式(I)で示される3級アミン化合物であ
る。
〔上記一般式(I)中で、R1は、炭素数1〜36のアルキ
ル基、アルケニル基又はアルコキシ基及びこれらのヒド
ロキシ置換基、ベンジル基、炭素数4〜36のアルキル基
又はアルケニル基で置換されたベンジル基、下記一般式
(II)で表される基を表し、R2、R3は、夫々独立に炭素
数1〜36のアルキル基又はアルケニル基、ベンジル基、
シクロヘキシル基及びこれらのヒドロキシ置換基を表
す。
上記一般式(II)中で、R4は、炭素数1〜36のアルキル
基又はアルケニル基を表し、R5は、エチレン基又はプロ
ピレン基を表し、Xは、水素、炭素数1〜18のアルキル
基、アルケニル基、アルキロイル基又はアルケニロイル
基を表し、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基又はヒド
ロキシアルキレン基を表し、mは、1〜10の整数であ
り、mが2以上の場合、それぞれのAは同じでも異なっ
ていてもよく、nは、1〜10の整数である。〕 R1としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ラウリル基、ステアリル基、ラウロイルアミノ
エチレン基、ステアロイルオキシエチレン基、アクリロ
イルオキシプロピレン基、メタクリロイルオキシプロピ
レン基、2−ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシドデ
シル基、ベンジル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。
R2及びR3としては、具体的には、メチル基、エチル
基、ラウリル基、ステアリル基、ビニル基、アリル基、
3−アリルオキリ−2−ヒドロキシプロピル基、ベンジ
ル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
R4としては、具体的には、メチル基、エチル基、ラウ
リル基、ステアリル基、ビニル基、アリル基等が挙げら
れる。
Xとしては、具体的には、水素、エチル基、ラウリル
基、ステアリル基、ビニル基、アリル基、ラウロイル
基、ステアロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル
基等が挙げられる。
本発明に用いられる3級アミン化合物の具体例として
は、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、ジメチ
ルステアリルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチル
ミリスチルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、ジメ
チルオクタデセニルアミン、ジメチルヘキサデセニルア
ミン、ジメチルメタクリロキシプロピルアミン、メチル
ジビニルアミン、N、N、N−トリラウリルアミン、
N、N、N−トリステアリルアミン、N、N−ジメチル
−N−ラウリルアミン、N、N−ジメチル−N−ステア
リルアミン、N−メチル−N、N−ジラルリルアミン、
N−メチル−N、N−ジステアリルアミン、N、N−ジ
ベンジル−N−ステアリルアミン、N−ベンジル−N、
N−ジラウリルアミン、N、N−ジアリル−N−ステア
リルアミン、N、N−ジアリル−N−ラウリルアミン、
N、N−ジメチル−N−ラウロイルオキシエチルアミ
ン、N、N−ジメチル−N−ステアロイルオキシエチル
アミン、N、N−ジメチル−N'−ラウロイル−プロピル
アミン、N、N−ジヒドロキシエチル−N−ステアリル
アミン、N、N−ジヒドロキシエチル−N−ラウリルア
ミン、N、N−ジヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキ
シドデシルアミン、N、N−ポリオキシエチレン−N−
ステアリルアミン、N、N−ジ(−2−ヒドロキシ−3
−アリルオキシプロピル)−N−ヘキサデシルアミン、
N、N−ジ(−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロ
ピル)−N−オクタデシルアミン、N、N−ジ(−2−
ヒドロキシ−3−アクリルオキシカルボニル)プロピル
−N−ヘキサデシルアミン、N、N−ジ(−2−ヒドロ
キシ−3−アクリルオキシカルボニル)プロピル−N−
オクタデシルアミン、N、N−ジ(−5−ヒドロキシ−
3、7−ジオキシ−9−デシル−1イル)−N−オクタ
デシルアミン、アクリル酸、メタクリル酸とのエステル
化物や脂肪酸エステル化物等を挙げることができる。
好ましくは、R1、R2がメチル基で、R3が炭素数12〜36
のジメチルアルキルアミンであり、さらに好ましくは、
引火点と低発熱性、分散改良の面からジメチルステアリ
ルアミンである。
上記3級アミン化合物の配合量は、シリカの量の1〜
15重量%、好ましくは、3〜10重量%とする必要があ
る。上記3級アミン化合物の配合量が1重量%未満で
は、目的である分散性、低発熱性及び耐摩耗性の向上を
十分に発揮することができず、また、15重量%超過で
は、シリカの分散改良効果が飽和し、逆に上記3級アミ
ン化合物が可塑剤として働くため、対摩耗性が低下する
(なお、この点については更に実施例において詳しく説
明する)。
また、本発明で用いる3級アミン化合物の分子量は、
180以上であることが好ましい。3級アミン化合物の分
子量が180より低いと引火点が低くなり、加工工程で発
火の恐れがあり、好ましくない。
本発明で用いるシランカップリング剤は、通常ゴム業
界で使用されるものであれば特に限定されないが、具体
的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリ
スルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シランが挙げられる。シランカップリング剤の配合量
は、シリカ重量に対し1〜15重量%が好ましく、更に好
ましくは5〜12重量%である。シランカップリング剤の
配合量が1重量%未満では、カップリング効果が小さ
く、15重量%超過ではポリマーのゲル化を引き起し、好
ましくない。
本発明で用いるカーボンブラックとしては、SAF、ISA
F、HAFが好ましく使用できるが、特に限定されるもので
はない。カーボンブラックの配合量は、補強性、低発熱
性の面から上記ゴム成分100重量部に対し、20〜80重量
部であることが好ましい。カーボンブラックの配合量が
80重量部超過では、発熱性が大幅に悪化する。25〜60重
量部で効果が顕著である。
なお、本発明においては、上記のゴム成分、シリカ、
3級アミン化合物、シランカップリング剤、カーボンブ
ラック以外に、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、加
硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の通常ゴム工業で使
用される配合剤を適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤは、上記ゴム
成分、シリカ、3級アミン化合物、シランカップリング
剤、カーボンブラック、上記必要に応じて配合する上記
ゴム配合剤等をバンバリーミキサーなどにより混合する
ことにより製造される。
本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤが何故シリカ
のゴム中への分散性を大幅に改良すると共に、発熱性及
び耐摩耗性を改良するのかの作用機構は下記のように推
察される。
通常、シリカは、その表面官能基であるシラノール基
の水素結合により、シリカ粒子同士が凝集し、ゴム中で
の分散不良を起す。
また、ゴム業界で一般的に使用されているシランカッ
プリング剤は、アルコキシル基の加水分解で生じたシラ
ノール基と、シリカ表面のシラノール基の脱水縮合反応
によりシリカ粒子表面のシラノール基を減少させ、ゴム
中の分散を改良する。しかし、この反応は低温では起こ
りづらく、140℃以上の温度にて反応すると考えられて
いる。一方、170℃以上の高温になると、シランカップ
リング剤により、ゴムの三次元橋かけ反応が起り、粘度
が急激に上昇する。実際のゴム練り工程においては、練
りゴムの温度の上昇が速いためシリカと、シランカップ
リング剤の反応時間が十分にとれないのが現実である。
他方、上記3級アミンの窒素原子は、シリカ表面のシ
ラノール基と、水素結合を形成する能力が高く、シリカ
表面シラノール基のマスキング効果により、シリカ粒子
同士の凝集を防ぐものと考えられる。この反応は、一次
結合ではなく化学的吸着であるため、室温近辺の低温領
域においても、この効果を発揮する。
従って、ゴム練り初期の低温領域から、シリカ粒子の
凝集を防ぐ効果があり、その結果、本発明のゴム組成物
及び空気入りタイヤでは、シリカのゴム中への分散が大
幅に改良され、発熱性及び耐摩耗性が改良されるものと
推察される。
実施例 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明は、これらの実施例によって何等限定される
ものではない。
(実施例1〜13及び比較例1〜8) 下記表1に示した基本配合割合、および下記表2、表
3に示した配合内容でゴム組成物を調製した。なお、表
中の重量単位は重量部である。
得られた実施例1〜13及び比較例1〜8のゴム組成物
について下記評価方法によりペイン効果(ΔE′)、低
発熱性及び耐摩耗性について評価した。
これらの結果を下記表2及び表3に示す。
(1)ペイン効果(ΔE′) 東洋精機製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーター
を使用し、周波数50Hz、初期荷重100g、25℃の条件で引
っ張りの動歪を0.1〜5%の範囲内で変化させたときの
E′(動的貯蔵弾性率)の変化を測定した。
試験片は厚さ2mm、幅5mmのスラブシートを用い、試料
挟み間距離2cmとした。初期荷重を100gとした。
ΔE′=E′max−E′min とし、対照物と対比した指数で表わした。
ペイン効果は、ゴム中への充填材の分散程度を表わす
と考えられており、指数の値が小さい程、ΔE′が小さ
く、ゴム中への充填材の分散は良好である。
(2)低発熱性 JISK6255−1996(3)に従い、該JISの参考2の装置
を用いて温度25℃で測定した反発弾性率を使用し、対照
物と対比した指数で表わした。指数の値が小さいほど反
発弾性率が高く、低発熱性は良好である。
(3)耐摩耗性 耐摩耗性を表わす耐摩耗指数はランボーン摩耗試験機
を用い、JISK6264−1993に準じた方法により、接地圧5k
g/cm2、スリップ率40%にて測定し、次式により算出し
た。
この指数が大きい程耐摩耗性が良好なことを示す。な
お、上記評価において、比較例1のゴム組成物を対照物
(コントロール)とした。
(4)転がり抵抗性能の測定 ゴム組成物を、195/65R15サイズの乗用車用タイヤの
トレッドに適用し、内圧2.0kg、荷重440kg、リム6JJの
タイヤを、外径1.7mのドラムの上に接触させてドラムを
回転させ、一定速度まで上昇後、ドラムを惰行させて速
度80km/時のときの慣性モーメントより算出した値か
ら、下記式によって評価した。数値は、大きいほど好ま
しい。
(5)実地耐摩耗の測定 2000ccの国産車にタイヤを装着し、10、000km走行後
の残溝深さを測定し、下記式によって評価した。数値
は、大きいほど好ましい。
表2及び表3に示された結果から、総論的にみると、
本発明の範囲内となる実施例1〜13は、本発明の範囲外
となる比較例1〜8に較べ、シリカのゴム中への分散性
が高く、また、発熱性が低く、耐摩耗性が優れているこ
とがことが判明した。
個別的にみると、実施例1〜3は、本発明の範囲内と
なるゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び3級
アミン化合物を配合したゴム組成物及び空気入りタイヤ
であり、この実施例1〜3の配合組成とは3級アミン化
合物のみが配合されない比較例1(コントロール)と較
べ、シリカのゴム中への分散性が高く、発熱性が低く、
耐摩耗性が優れていることが判った。
比較例2は、本発明の範囲外となるものであり、3級
アミン化合物がシリカに対して20重量%(>15重量%)
配合したものであるが、シリカの分散改良効果は飽和し
ており、逆に耐摩耗性が悪化する。
実施例4〜12は、本発明の範囲内となるゴム成分、シ
リカ、シランカップリング剤及び各種の3級アミン化合
物を配合したゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイ
ヤであり、この実施例4〜13の配合組成とは3級アミン
化合物のみが配合されないコントロール(比較例1と比
較例4)と較べ、シリカのゴム中への分散性が高く、発
熱性が低く、耐摩耗性が優れていることが判った。
比較例3は、本発明の範囲外となるものであり、シリ
カの配合量がゴム成分100重量部に対して90重量部(>8
5重量部)配合したものであり、耐摩耗性は向上してい
るが、シリカのゴム中への分散性がかえって悪化すると
共に、発熱性も悪化することが判明した。
比較例4、5及び実施例11、12は、シリカとカーボン
ブラックとの併用系であり、比較例4をコントロールと
している。
比較例5は、本発明の範囲外となるものであり、シリ
カの配合量が下限の15重量部を下まわっており、ゴム組
成物の低発熱性が劣り、空気入りタイヤの転がり抵抗性
にも劣る。
以上の結果を総合すると、本発明のゴム組成物及び空
気入りタイヤは、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム
100重量部に対し、シリカ15〜85重量部及び上記一般式
(I)で示される3級アミン化合物をシリカに対して1
〜15重量%配合したときに初めてシリカのゴム中への分
散性の改良と、発熱性及び耐摩耗性が改良されることが
判った。
産業上の利用可能性 本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤは、低発熱
性、高耐摩耗性が要求される用途に好適に使用できるも
のであり、特に、タイヤ、コンベアベルト、ホースなど
のゴム製品に好適に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/541 C08L 9/00 C08L 9/00 C08K 5/54 (72)発明者 西 勲 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平9−59478(JP,A) 特開 平1−101344(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 1/00 C08K 3/04 C08K 3/36 C08K 5/54 C08L 7/00 - 21/02 WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから
    なるゴム成分100重量部に対し、シリカ15〜85重量部
    と、下記一般式(I)で示される3級アミン化合物を前
    記シリカの量に対して1〜15重量%配合してなるゴム組
    成物。 〔上記一般式(I)中で、R1は、炭素数1〜36のアルキ
    ル基、アルケニル基又はアルコキシ基及びこれらのヒド
    ロキシ置換基、ベンジル基、炭素数4〜36のアルキル基
    又はアルケニル基で置換されたベンジル基、下記一般式
    (II)で表される基を表し、R2、R3は、夫々独立に炭素
    数1〜36のアルキル基又はアルケニル基、ベンジル基、
    シクロヘキシル基及びこれらのヒドロキシ置換基を表
    す。 上記一般式(II)中で、R4は、炭素数1〜36のアルキル
    基又はアルケニル基を表し、R5は、エチレン基又はプロ
    ピレン基を表し、Xは、水素、炭素数1〜18のアルキル
    基、アルケニル基、アルキロイル基又はアルケニロイル
    基を表し、Aは、炭素数2〜6のアルキレン基又はヒド
    ロキシアルキレン基を表し、mは、1〜10の整数であ
    り、mが2以上の場合、それぞれのAは同じでも異なっ
    ていてもよく、nは、1〜10の整数である。〕
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で示される3級アミン化
    合物の分子量が180以上である請求項1記載のゴム組成
    物。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)中のR1、R2がメチル基
    で、R3が炭素数12〜36のジメチルアルキルアミンである
    請求項1記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】前記一般式(I)で示される3級アミン化
    合物がジメチルステアリルアミンである請求項1記載の
    ゴム組成物。
  5. 【請求項5】さらに、シランカップリング剤を前記シリ
    カの量に対し、1〜15重量%配合してなる請求項1記載
    のゴム組成物。
  6. 【請求項6】さらに、カーボンブラックをゴム成分100
    重量部に対し、20〜80重量部以下配合してなる請求項1
    記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】トレッド部と、サイドウォール部と、ビー
    ド部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド
    は、請求項1〜6の何れか1項記載のゴム組成物からな
    る空気入りタイヤ。
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KR100943816B1 (ko) * 2008-06-20 2010-02-25 금호타이어 주식회사 타이어용 사이드월 고무조성물

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