JP3449581B2 - 果菜物選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、蜜柑、林
檎、梨、柿、桃、或いは、胡瓜、茄子、人参、芋等の果
菜物を等階級別に選別する作業に用いられる果菜物選別
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような蜜柑を等階級別に
選別する方法としては、例えば、生産者側から持ち込ま
れる多数個の各蜜柑を選別用コンベアの各バケットに順
次移載し、同各バケットに載置された各蜜柑の上部周面
を撮像用カメラで順次撮像すると共に、同撮像用カメラ
で撮像した画像データと、判定装置本体に格納された等
階級データとを比較して、各バケットに載置された各蜜
柑の等階級を判定し、その判定に基づいて各バケットに
載置された各蜜柑を等階級別に選別する方法がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
各バケットに載置された各蜜柑を撮像用カメラにより上
方から撮像する場合、蜜柑の下部周面或いは側部周面に
変色した部分や腐敗した部分があっても、蜜柑の周面全
体を撮像用カメラにより撮像することができず、その等
階級を適確に判定することができない。且つ、判定装置
本体に格納された等階級データと、バケットに載置され
た蜜柑本来の等階級とが一致せず、精度の高い選別処理
が行えないという問題点を有している。

【０００４】また、各バケットに載置された各蜜柑の下
部周面を撮像用カメラにより下方から撮像する場合、例
えば、前後に配設した各コンベア間の下部位置に撮像用
カメラを配設して、同各コンベアの隙間から各蜜柑の下
部周面を撮像用カメラにより順次撮像するが、各蜜柑の
搬送姿勢及び搬送速度が不安定であるため、各蜜柑の下
面側を正確に撮像することができず、等階級を適確に判
定することが困難であるという問題点を有している。

【０００５】この発明は上記問題に鑑み、果菜物載置部
に載置された果菜物を３６０度回転して、同果菜物の周
面全体を撮像用カメラにより撮像することにより、果菜
物の等階級を適確に判定でき、等階級別に選別する作業
が確実に行える果菜物選別装置の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上記果菜物載置部の中央部載置面に上記果菜物の下面側
中央部と対接して回転体を回転可能に設け、上記果菜物
載置部の中央部載置面を中心として、該果菜物載置部の
周縁部載置面に上記果菜物の下面側周縁部と対接して複
数個の各回転体を所定間隔に隔てて回転可能に設け、上
記果菜物載置部の中央部載置面に設けた回転体を上記果
菜物が前後回転される方向に回転し、該果菜物載置部の
周縁部載置面に設けた各回転体を上記果菜物が水平回転
される方向に回転する果菜物回転手段を設けた果菜物回
転手段を設けた果菜物選別装置であることを特徴とす
る。

【０００７】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記果菜物載置部の中央部載置面に形
成した開口部と、該果菜物載置部の周縁部載置面に形成
した各開口部とに上記各回転体の上部周面を出没可能に
設けた果菜物選別装置であることを特徴とする。

【０００８】請求項３記載の発明は、上記請求項１又は
２記載の構成と併せて、上記果菜物回転手段を、上記果
菜物載置部の中央部載置面及び周縁部載置面に設けた各
回転体の外周面に対して圧接される位置に、該各回転体
に対して回転力を付与する各回転付与部材を設けて構成
した果菜物選別装置であることを特徴とする。

【０００９】請求項４記載の発明は、上記請求項１又は
２記載の構成と併せて、上記果菜物回転手段を、上記果
菜物載置部の周縁部載置面に設けた各回転体の外周面に
対して圧接される位置に、該各回転体に対して同一円周
方向に回転力を付与する環状回転部材を設けて構成した
果菜物選別装置であることを特徴とする。

【００１０】

【作用】請求項１記載の果菜物選別装置は、果菜物回転
手段を駆動して、果菜物載置部の中央部載置面に設けた
各回転体を回転して、同各回転体の上部周面に載置され
た果菜物を前後回転する。且つ、果菜物載置部の周縁部
載置面に設けた各回転体を回転して、同各回転体の上部
周面に載置された果菜物を水平回転させ、果菜物載置部
に載置された果菜物を３６０度回転することで、果菜物
の周面全体を撮像用カメラにより確実に撮像することが
でき、撮像用カメラにより撮像した周面全体の画像デー
タに基づいて果菜物の等階級を等階級判定手段により判
定するので、果菜物の等階級が適確に判定でき、等階級
別に選別する作業が容易に行える。

【００１１】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の作用と併せて、果菜物載置部の中央部載置面及び周縁
部載置面に形成した各開口部よりも上方に各回転体の上
部周面を突出することで、予め設定した位置に於いて、
果菜物載置部に載置された果菜物を各回転体の回転力に
より３６０度回転することができる。且つ、各開口部よ
りも下方に各回転体を没入することで、果菜物載置部に
載置された果菜物の載置姿勢が安定し、果菜物の周面全
体を撮像用カメラにより確実に撮像することができる。

【００１２】請求項３記載の果菜物選別装置は、上記請
求項１又は２記載の作用と併せて、果菜物載置部の中央
部載置面及び周縁部載置面に設けた各回転体の外周面に
各回転付与部材を圧接して、同各回転付与部材により中
央部載置面及び周縁部載置面に設けた各回転体を所定方
向に夫々回転させ、果菜物載置部に載置された果菜物を
３６０度回転することで、撮像用カメラにより撮像した
周面全体の画像データに基づいて果菜物の等階級を適確
に判定できる。

【００１３】請求項４記載の果菜物選別装置は、上記請
求項１又は２記載の作用と併せて、果菜物載置部の周縁
部載置面に設けた各回転体の外周面に環状回転部材を圧
接して、同環状回転部材により周縁部載置面に設けた各
回転体を同一円周方向に同期回転させ、各回転体の上部
周面に載置された果菜物を水平方向に回転することで、
各回転体の回転速度が常時一定し、果菜物載置部に載置
された果菜物の向きを確実に変更できる。

【００１４】

【発明の効果】この発明によれば、果菜物載置部に載置
された果菜物を３６０度回転して、同果菜物の周面全体
を撮像用カメラにより撮像するので、撮像用カメラによ
る撮像範囲に死角が無く、果菜物の周面全体を正確且つ
確実に撮像できる。しかも、撮像用カメラにより撮像し
た周面全体の画像データに基づいて果菜物の等階級を総
合的に判定するため、仮に、果菜物の一部周面に変色又
は腐敗した部分があっても確実に発見でき、周面全体の
画像データから果菜物の等階級が適確に判定できると共
に、大きさ及び品質の異なる様々な果菜物を等階級別に
選別する作業が確実に行え、精度の高い選別処理が行え
る。

【００１５】

【実施例】図面は果菜物の一例として多数個の各蜜柑を
等階級別に選別する作業に用いられる第１実施例の果菜
物選別装置を示し、図１、図２、図３に於いて、この果
菜物選別装置１は、例えば、生産者から持ち込まれる多
数個の各蜜柑Ａ…を４条並設した各仕分け用コンベア２
…の各載置カップ３…に１個ずつ載置し、各仕分け用コ
ンベア２…上に設定した検査位置Ｓに於いて、同位置下
部に配設した各ローラ回転機５…により各載置カップ３
…に載置された各蜜柑Ａ…を３６０度反転すると共に、
同位置上部に配設した等階級判定装置４の各撮像用カメ
ラ３４…により各載置カップ３…に載置された各蜜柑Ａ
…を撮像して、各撮像用カメラ３４…により撮像した周
面全体の画像データに基づいて各蜜柑Ａ…の等階級を等
階級判定装置４により１本ずつ判定する。各仕分け用コ
ンベア２…上に設定した等階級別の各仕分け位置ａ，
ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇ，ｈに於いて、等階級判定装置
４による判定に基づいて、各仕分け位置ａ〜ｈ下部に配
設した各供給用コンベア６…に対して各蜜柑Ａ…を等階
級別に振分け供給し、各供給用コンベア６…に振分け供
給された各蜜柑Ａ…を人為的作業又は機械的作業により
箱詰め処理する。一方、等階級に該当しない規格外の各
蜜柑Ａ…を仕分け用コンベア２の送り側終端部に配設し
た回収用コンベア７に順次放出して回収する。

【００１６】上述した仕分け用コンベア２は、左右に張
架した各周回用チェーン１０，１０の長手側対向面に多
数本の各支持軸１１…を送り方向に対して所定等間隔に
隔てて軸架し、同各支持軸１１…上に１個分の蜜柑Ａが
載置される大きさ及び形状に形成した各載置カップ３…
の前端部を連結して、蜜柑Ａが載置される水平姿勢と、
蜜柑Ａが放出される垂下姿勢とに各載置カップ３…を上
下回動可能に設け、各載置カップ３…の載置面全体を、
例えば、ウレタンゴム、スポンジゴム或いはポリカーボ
ネート、シリコン等の合成樹脂により被覆又は形成して
いる。且つ、各載置カップ３…の右側後端部に突設した
各ガイドピン１２…を、同側下段に架設した走行レール
１３上に係合して、蜜柑Ａが載置される水平姿勢に各載
置カップ３…を回動規制する。つまり、減速機付き駆動
モータ（図示省略）の駆動力により各周回用チェーン１
０，１０を送り方向Ｂに回転して、各周回用チェーン１
０，１０間に架設した多数台の各載置カップ３…を送り
方向Ｂに周回移動させ、生産者から持ち込まれる多数個
の各蜜柑Ａ…を各載置カップ３…に１個ずつ載置する。

【００１７】且つ、図４に示すように、各仕分け位置ａ
〜ｈと対応する走行レール１３の走行部分に、上述した
ガイドピン１２の脱落が許容される各切欠き部１３ａ…
を切欠き形成し、各切欠き部１３ａ…の送り側前端部に
連結した各連結レール１４…と、同各切欠き部１３ａ…
の下段側に配設した各電磁ソレノイド１５…とを連結し
て、後述する等階級判定装置４から出力される指令信号
に基づいて各電磁ソレノイド１５…を独立作動し、走行
レール１３の各切欠き部１３ａ…を閉塞する位置と、同
各切欠き部１３ａ…を開放する位置とに各連結レール１
４…を上下回動する。

【００１８】上述した載置カップ３は、図３に示すよう
に、凹面形状に形成したカップ本体３ａの中央部載置面
に、例えば、楕円形、長方形、正方形等の任意形状を有
する取付け孔３ｂを１箇所形成し、同取付け孔３ｂの両
側縁部に形成した各支持片３ｃ，３ｃ間に鼓形の各回転
ローラ１６，１６を送り方向Ｂに直交して自由回転可能
に軸受すると共に、各回転ローラ１６，１６の外周面
を、カップ本体３ａに形成した取付け孔３ｂよりも上面
側に若干突出する大きさであって、各支持片３ｃ，３ｃ
よりも下面側に若干突出する大きさに形成している。

【００１９】且つ、カップ本体３ａの四隅部載置面に、
例えば、台形、錐形、長方形等の任意形状を有する各取
付け孔３ｄ…を対角線方向に４箇所形成し、同各取付け
孔３ｄ…の前後縁部に形成した各支持片３ｅ，３ｅ間に
円錐形の各回転ローラ１７…を自由回転可能に軸受し
て、上述した各回転ローラ１６，１６の載置側周面部よ
りも上方に突出される突出位置と、各回転ローラ１６，
１６の載置側周面部よりも下方に没入される没入位置と
に各回転ローラ１７…を上下動可能に軸受すると共に、
各回転ローラ１７…の外周面を、カップ本体３ａに形成
した各取付け孔３ｄ…よりも上面側に若干突出する大き
さであって、各支持片３ｅ，３ｅよりも下面側に若干突
出する大きさに形成している。なお、上述した各ローラ
１６，１７の周面全体を、例えば、ウレタンゴム、スポ
ンジゴム或いはポリカーボネート、シリコン等の合成樹
脂により被覆又は形成している。

【００２０】前述した等階級判定装置４は、仕分け用コ
ンベア２上に設定した検査位置Ｓ上部に、同位置に周回
移動される各載置カップ３…の載置面と対向して各撮像
用カメラ３４…及び各照光ランプ３５…を垂設し、同位
置に周回移動される各載置カップ３…の一側部に近接し
て各番地用リーダ３６…を配設し、各撮像用カメラ３４
…と各番地用リーダ３６…とを判定装置本体３７に接続
すると共に、各仕分け位置ａ〜ｈに配設した各電磁ソレ
ノイド１５…を判定装置本体３７に接続している。つま
り、各番地用リーダ３６…による各載置カップ３…の番
地読取りに対応して、各載置カップ３…に載置された各
蜜柑Ａ…の外周面を各撮像用カメラ３４…で撮像すると
共に、後述する各ローラ回転機５…により各載置カップ
３…に載置された各蜜柑Ａ…を３６０度回転させ、各撮
像用カメラ３４…で撮像した周面全体の画像データに基
づいて各蜜柑Ａ…の等階級を判定し、その判定データと
番地データとを対応させて判定装置本体３７に一旦記憶
する。

【００２１】つまり、各載置カップ５…に載置された各
蜜柑Ａ…を、例えば、ハロゲンランプ等で構成される各
照光ランプ３６…により照光し、各載置カップ３…に載
置された各蜜柑Ａ…の周面全体を、例えば、ＣＣＤカメ
ラ等で構成される各撮像用カメラ３４…により１個ずつ
撮像し、各撮像用カメラ３４…から出力される周面全体
の画像データと、判定装置本体３７に格納された等階級
データとを比較して、各載置カップ３…に載置された各
蜜柑Ａ…が何れの等階級（例えば、秀、優、良等の等級
及びＬＬ、Ｌ、Ｍ、Ｓ等の階級）に対応するかを判定
し、その判定に基づいて各載置カップ３…に載置された
各蜜柑Ａ…を等階級別に仕分け処理する。等階級別に設
定した各仕分け位置ａ〜ｈに各載置カップ３…が移動す
るまでタイムラグを計数し、等階級判定装置４による判
定と対応する各仕分け位置ａ〜ｈに各載置カップ３…が
移動したとき、その判定と対応する各仕分け位置ａ〜ｈ
の各電磁ソレノイド１５…を独立作動して、各載置カッ
プ３…に載置された各蜜柑Ａ…を各仕分け位置ａ〜ｈの
各供給用コンベア６…に対して等階級別に振分け供給す
る。

【００２２】前述した各ローラ回転機５…は、図５、図
６に示すように、仕分け用コンベア２上に設定した検査
位置Ｓの下段側中央部に、各載置カップ３…の下面側中
央部に軸受した各回転ローラ１６，１６の下部周面と対
向して接触抵抗の大きい合成ゴム製の回転ベルト１８を
送り方向Ｂに張架し、同検査位置Ｓの下段側両側部に、
各載置カップ３…の下面側四隅部に軸受した各回転ロー
ラ１７…の下部周面と対向して接触抵抗の大きい合成ゴ
ム製の各回転ベルト１９，１９を送り方向Ｂに張架して
いる。

【００２３】つまり、仕分け用コンベア２上に設定した
検査位置Ｓに各載置カップ３…を順次移動して、各載置
カップ３…の下面側中央部に軸受した各回転ローラ１
６，１６を、同位置の下段側中央部に張架した回転ベル
ト１８の上面側に圧接し、各載置カップ３…の下面側四
隅部に軸受した左右の各回転ローラ１７，１７を、同位
置の下段側両側部に張架した各回転ベルト１９，１９の
上面側に圧接する。同時に、下段側中央部に配設した減
速機付き回転用モータ２０の駆動力により、各プーリ２
１，２２及び駆動ベルト２３を介して、仕分け用コンベ
ア２の送り方向Ｂと一致する方向に回転ベルト１８を高
速回転させ、同回転ベルト１８に圧接された中央部の各
回転ローラ１６，１６を矢印方向に回転して、各回転ロ
ーラ１６，１６の上部周面に載置された蜜柑Ａを前後方
向に回転する。なお、載置カップ３に軸受した各回転ロ
ーラ１６，１６と、予め回転停止した回転ベルト１８と
を互いに接触させ、相互の相対移動により各回転ローラ
１６，１６を矢印方向に回転するもよく、各回転ローラ
１６，１６の上部周面に載置された蜜柑Ａを前後方向に
回転できる。

【００２４】且つ、下段側両側部に配設した減速機付き
各回転用モータ２４，２４の駆動力により、各プーリ２
５，２６及び駆動ベルト２７を介して、左右の各回転ベ
ルト１９，１９を相反する方向に回転させ、各回転ベル
ト１９，１９に圧接された４個の各回転ローラ１７…を
矢印方向に回転して、同各回転ローラ１７…の上部周面
に載置された蜜柑Ａを水平方向に回転する。同時に、各
回転ローラ１７…の下部周面に各回転ベルト１９，１９
を圧接したとき、各回転ローラ１６，１６よりも上方に
各回転ローラ１７…が突出され、各回転ローラ１６，１
６に載置された蜜柑Ａを各回転ローラ１７…により所定
高さに持上げることができる。

【００２５】なお、上述した各回転ベルト１８，１９の
代わりに、例えば、接触抵抗の大きい合成ゴム製の回転
付与部材（図示省略）を各回転ローラ１６，１６及び各
回転ローラ１７…に夫々圧接して、相互の相対移動によ
り各回転ローラ１６，１６及び各回転ローラ１７…を矢
印方向に夫々回転するもよい。

【００２６】図示実施例は上記の如く構成するものとし
て、以下、果菜物選別装置１により多数個の各蜜柑Ａ…
を等階級別に選別するときの作業を説明する。先ず、図
１、図２、図３に示すように、４条並設した各仕分け用
コンベア２…の各載置カップ３…を送り方向Ｂに周回移
動し、各載置カップ３…に軸支した各ガイドピン１２…
を各走行レール３１…に順次係合して、各載置カップ３
…を送り方向Ｂに周回移動させながら水平姿勢に回動復
帰させると共に、生産者から持ち込まれる多数個の各蜜
柑Ａ…を各仕分け用コンベア２…の各載置カップ３…に
対して１個ずつ載置する。

【００２７】次に、仕分け用コンベア２上に設定した検
査位置Ｓに各載置カップ３…を順次移動して、図５に示
すように、各載置カップ３…の下面側中央部に軸受した
各回転ローラ１６，１６を、同位置の下段側中央部に張
架した回転ベルト１８の上面側に圧接し、各載置カップ
３…の下面側四隅部に軸受した左右の各回転ローラ１
７，１７を、同位置の下段側両側部に張架した各回転ベ
ルト１９，１９の上面側に圧接する。且つ、各番地用リ
ーダ３８…による各載置カップ３…の番地読取りに対応
して、各載置カップ３…に載置された各蜜柑Ａ…の表側
周面を各撮像用カメラ３４…で撮像し、各撮像用カメラ
３４…で撮像した表側周面の画像データと、各載置カッ
プ３…の番地データとを対応させて判定装置本体１３に
記憶する。

【００２８】次に、図６、図７に示すように、ローラ回
転機５を構成する各回転用モータ２４，２４の駆動力に
より、左右の各回転ベルト１９，１９を相反する方向に
回転して、同各回転ベルト１９，１９に圧接された四隅
部の各回転ローラ１７…を矢印方向に夫々回転させ、同
各回転ローラ１７…の上部周面に載置された蜜柑Ａを水
平方向に任意角度回転する。なお、後述する第２又は第
４実施例のローラ回転機５により載置カップ３に軸受し
た各回転ローラ１７…を回転するもよい。

【００２９】この後、回転用モータ２０の駆動力によ
り、各載置カップ３…の移動速度よりも回転ベルト１８
を送り方向Ｂに高速回転又は反送り方向Ｂに低速回転し
て、同回転ベルト１８に圧接された中央部の各回転ロー
ラ１６，１６を矢印方向に回転させ、各回転ローラ１
６，１６の上部周面に載置された蜜柑Ａを前後方向に１
８０度回転すると共に、各回転ローラ１６，１６の大径
側周面部及び小径側周面部に載置された大小の各蜜柑Ａ
…を同一位置で表裏反転する。各載置カップ３…に載置
された各蜜柑Ａ…の裏側周面を各撮像カメラ３４…で撮
像し、同各撮像カメラ３４…で撮像した裏側周面の画像
データと、各載置カップ３…の番地データとを対応させ
て判定装置本体１３に記憶する。

【００３０】次に、各撮像用カメラ３４…で撮像した周
面全体の画像データと、判定装置本体３７に格納された
等階級データとを比較して、各載置カップ３…に載置さ
れた各蜜柑Ａ…の等階級を総合的に判定するので、撮像
範囲に死角が無く、各載置カップ３…に載置された各蜜
柑Ａ…の周面全体を一つの撮像用カメラ３４で撮像する
ことができる。仮に、載置カップ３に載置された蜜柑Ａ
の側部周面に変色した部分又は腐敗した部分があって
も、蜜柑Ａ全体の画像データから等階級を適確に判定す
ることができる。

【００３１】次に、等階級判定装置４による判定と対応
する各仕分け位置ａ〜ｈに各載置カップ３…が移動する
までのタイムラグを計数し、例えば、「Ｍ」サイズの判
定データを持った載置カップ３がＭサイズの仕分け位置
ｂに移動したとき、図４に示すように、その判定と対応
する位置の電磁ソレノイド１５を作動して、同位置に連
結した連結レール１４を開放位置に回動すると共に、載
置カップ３に軸支したガイドピン１２を走行レール１３
の切欠き部１３ａから脱落させ、「Ｍ」サイズの蜜柑Ａ
が載置された載置カップ３を開放姿勢に後方回動して、
同載置カップ３に載置された蜜柑Ａを仕分け位置ｂ直下
の供給用コンベア６に放出する。

【００３２】以下同様に、等階級判定装置４による判定
に基づいて、各仕分け用コンベア２…の各載置カップ３
…に載置された各蜜柑Ａ…を、各仕分け位置ａ〜ｈ下部
に配設した各供給用コンベア６…に対して等階級別に振
分け供給し、各供給用コンベア６…に振分け供給された
各蜜柑Ａ…を人為的作業又は機械的作業により箱詰め処
理する。なお、等階級に該当しない規格外の各蜜柑Ａ…
は回収用コンベア７に順次放出して回収する。

【００３３】以上のように、仕分け用コンベア２の各載
置カップ３…に載置された各蜜柑Ａ…を３６０度回転し
て、各載置カップ３…に載置された各蜜柑Ａ…の周面全
体を１台の撮像用カメラ３４により撮像するので、撮像
用カメラ３４による撮像範囲に死角が無く、各蜜柑Ａ…
の周面全体を正確且つ確実に撮像できる。しかも、撮像
用カメラ３４により撮像した周面全体の画像データに基
づいて各蜜柑Ａ…の等階級を総合的に判定するので、仮
に、載置カップ３に載置された蜜柑Ａの一部周面に変色
又は腐敗した部分があっても確実に発見でき、周面全体
の画像データから各蜜柑Ａ…の等階級が適確に判定でき
ると共に、大きさ及び品質の異なる様々な蜜柑Ａを等階
級別に選別する作業が確実に行え、精度の高い選別処理
が行える。

【００３４】図８は仕分け用コンベア２上に設定した検
査位置Ｓの下段側中央部に回転ベルト１８を送り方向Ｂ
に張架し、同検査位置Ｓの下段側前後部に各回転ベルト
１９，１９を送り方向Ｂに直交して張架した第２実施例
のローラ回転機５を示し、仕分け用コンベア２上に設定
した検査位置Ｓに載置カップ３を移動した後、ローラ回
転機５を駆動して、載置カップ３の下面側中央部に軸受
した各回転ローラ１６，１６を回転ベルト１８により回
転させ、同載置カップ３の下面側四隅部に軸受した各回
転ローラ１６…を前後の各回転ベルト１９，１９により
回転させ、載置カップ３に載置された蜜柑Ａを３６０度
回転することで、第１実施例と同様に、載置カップ３に
載置された蜜柑Ａの周面全体を撮像用カメラ３４により
撮像でき、同撮像用カメラ３４により撮像した周面全体
の画像データに基づいて蜜柑Ａの等階級が適確に判定で
きる。

【００３５】図９は載置カップ３に軸受した各回転ロー
ラ１６，１６及び各回転ローラ１７…を合成ゴム製の各
駆動ローラ３２，３３により回転する第３実施例のロー
ラ回転機５を示し、仕分け用コンベア２上に設定した検
査位置Ｓの下段側に可動台２９を配設し、同可動台２９
の上面側中央部に上述した各回転ローラ１６，１６の下
部周面と対向して駆動ローラ３２を軸受し、同台の上面
側四隅部に上述した各回転ローラ１７…の下部周面と対
向して各駆動ローラ３３…を軸受して、例えば、電動式
モータ、空気圧式モータ、油圧式モータ等の駆動手段に
より各駆動ローラ３２，３３を回転する。

【００３６】つまり、仕分け用コンベア２上に設定した
検査位置Ｓに載置カップ３を移動した後、ローラ回転機
５を駆動して、載置カップ３の下面側中央部に軸受した
各回転ローラ１６，１６を駆動ローラ３２により回転さ
せ、同載置カップ３の下面側四隅部に軸受した各回転ロ
ーラ１６…を各駆動ローラ３３…により回転させ、載置
カップ３に載置された蜜柑Ａを３６０度回転すること
で、第１実施例と同様に、載置カップ３に載置された蜜
柑Ａの周面全体を撮像用カメラ３４により確実に撮像で
き、同撮像用カメラ３４により撮像した周面全体の画像
データに基づいて蜜柑Ａの等階級が適確に判定できる。

【００３７】図１０は載置カップ３の下面側四隅部に軸
受した各回転ローラ１７…をリング状の回転パッド２８
により回転する第４実施例のローラ回転機５を示し、仕
分け用コンベア２上に設定した検査位置Ｓの下段側に可
動台２９を昇降可能に設け、同台の上面側中央部に軸受
した回転パッド２８の回転中心と、同台の一側部に配設
した減速機付き回転用モータ３０とを連結すると共に、
同位置下部に配設した昇降用シリンダ３１を可動台２９
の下面側中央部に固定している。

【００３８】つまり、仕分け用コンベア２上に設定した
検査位置Ｓの前位撮像範囲に載置カップ３を移動した
後、ローラ回転機５を駆動して、載置カップ３の下面側
中央部に軸受した各回転ローラ１６，１６を回転ベルト
１８により回転させ、検査位置Ｓの後位撮像範囲に載置
カップ３を移動した後、昇降用シリンダ３１を作動し
て、載置カップ３の下面側四隅部に軸受した各回転ロー
ラ１６…にリング状の回転パッド２８を圧接し、回転用
モータ３０の駆動力により回転パッド２８を矢印方向に
回転して、同回転パッド２８の上面側に圧接された各回
転ローラ１７…を矢印方向に回転させ、載置カップ３に
載置された蜜柑Ａを３６０度回転することで、第１実施
例と同様に、載置カップ３に載置された蜜柑Ａの周面全
体を撮像用カメラ３４により確実に撮像でき、同撮像用
カメラ３４により撮像した周面全体の画像データに基づ
いて蜜柑Ａの等階級が適確に判定できる。

【００３９】図１１は載置カップ３に形成した取付け孔
３ｂ及び各取付け孔３ｄ…に各回転ローラ１６，１６及
び各回転ローラ１７…を下方から挿入して、同載置カッ
プ３に載置された蜜柑Ａを各回転ローラ１６，１６及び
各回転ローラ１７…により３６０度回転する第５実施例
のローラ回転機５を示し、仕分け用コンベア２上に設定
した検査位置Ｓの下段側に可動台２９を昇降可能に設
け、同可動台２９の上面側中央部に各回転ローラ１６，
１６を軸受し、同台の上面側四隅部に各回転ローラ１７
…を軸受すると共に、同位置下部に配設した昇降用シリ
ンダ３１を可動台２９の下面側中央部に連結している。

【００４０】つまり、仕分け用コンベア２上に設定した
検査位置Ｓに載置カップ３を移動した後、昇降用シリン
ダ３１を作動して、載置カップ３に形成した取付け孔３
ｂよりも上方に各回転ローラ１６，１６の上部周面を突
出し、各取付け孔３ｄ…よりも上方に各回転ローラ１７
…の上部周面を夫々突出する。第１，２又は第３実施例
の回転手段により載置カップ３の下面側中央部に軸受し
た各回転ローラ１６，１６と、下面側四隅部に軸受した
各回転ローラ１７…とを回転させることで、第１実施例
と同様に、予め設定した検査位置Ｓに於いて、載置カッ
プ３に載置された蜜柑Ａを３６０度回転することができ
る。且つ、各取付け孔３ｂ，３ｄよりも下方に各回転ロ
ーラ１６，１７を没入することで、載置カップ３に載置
された蜜柑Ａの載置姿勢が安定し、撮像用カメラ３４に
より蜜柑Ａの周面全体を確実に撮像できると共に、同撮
像用カメラ３４により撮像した周面全体の画像データに
基づいて蜜柑Ａの等階級を適確に判定することができ
る。

【００４１】なお、各載置カップ３…の移動速度と同期
して、ローラ回転機５を構成する各回転ローラ１６，１
６及び各回転ローラ１７…を送り方向Ｂに平行移動又は
周回移動させながら、各回転ローラ１６，１６及び各回
転ローラ１７…の回転力により蜜柑Ａを３６０度回転す
ることで、第１実施例と同様に、撮像用カメラ３４によ
り蜜柑Ａの周面全体を確実に撮像でき、蜜柑Ａの等階級
を適確に判定できる。

【００４２】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の果菜物は、実施例の蜜柑Ａに対応
し、以下同様に、等階級判定手段は、等階級判定装置４
に対応し、果菜物載置部は、仕分け用コンベア２を構成
する載置カップ３に対応し、開口部は、各取付け孔３
ｂ，３ｄに対応し、回転体は、回転ローラ１６，１７に
対応し、果菜物回転手段は、ローラ回転機５を構成する
各回転ベルト１８，１９と、回転パッド２８と、各駆動
ローラ３２，３３とに対応し、回転付与部材は、各回転
ベルト１８，１９と、各駆動ローラ３２，３３とに対応
し、環状回転部材は、回転パッド２８に対応するも、こ
の発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもので
はない。

【００４３】上述した各実施例では、各載置カップ３…
に載置された各蜜柑Ａ…を１台の撮像用カメラ３４によ
り１個ずつ撮像しているが、例えば、左右又は前後の各
載置カップ３…に載置された複数個の各蜜柑Ａ…を１台
の撮像用カメラ３４により同時撮像し、或いは、一つの
載置カップ３に載置された蜜柑Ａを２台の各撮像用カメ
ラ３４，３４により同時撮像するもよく、１台又は２台
の各撮像用カメラ３４…で撮像した周面全体の画像デー
タに基づいて蜜柑Ａの等階級が適確に判定できる。

【００４４】また、仕分け用コンベア２を構成する各載
置カップ３…を後方回動して、各仕分け位置ａ〜ｈに配
設した各供給用コンベア６…に対して各蜜柑Ａ…を等階
級別に振分け供給するが、例えば、各載置カップ３…を
送り方向Ｂに対して直交する方向（例えば、左向き姿勢
又は右向き姿勢）に傾動して各蜜柑Ａ…を等階級別に振
分け供給するもよく、各蜜柑Ａ…を移載するときの落差
が小さくなり、品質が損なわれるのを防止できる。

【００４５】さらに、各実施例では、果菜物選別装置１
により各蜜柑Ａ…を等階級別に選別する作業を説明して
いるが、例えば、林檎、梨、柿、桃、或いは、胡瓜、茄
子、人参、長芋等の果菜物を等階級別に選別する作業に
も用いることができ、実施例の蜜柑Ａのみに限定される
ものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の果菜物選別装置の全体構成を示す
平面図。

【図２】仕分け用コンベアによる蜜柑の搬送状態を示す
側面図。

【図３】載置カップに軸受された各回転ローラの取付け
状態を示す底面図。

【図４】載置カップに載置された蜜柑の振分け動作を示
す側面図。

【図５】撮像用カメラ及びローラ回転機の配置状態を示
す正面図。

【図６】載置カップに軸受した各回転ローラの回転動作
を示す平面図。

【図７】載置カップに載置された蜜柑の回転順序を示す
斜視図。

【図８】第２実施例のローラ回転機による各回転ローラ
の回転動作を示す平面図。

【図９】第３実施例のローラ回転機による各回転ローラ
の回転動作を示す正面図。

【図１０】第４実施例のローラ回転機による各回転ロー
ラの回転動作を示す正面図。

【図１１】第５実施例のローラ回転機による各回転ロー
ラの上下動作を示す正面図。

【符号の説明】

Ａ…蜜柑 １…果菜物選別装置 ２…仕分け用コンベア ３…載置カップ ３ａ…カップ本体 ３ｂ，３ｄ…取付け孔 ３ｃ，３ｅ…支持片 ４…等階級判定装置 ５…ローラ回転機 ６…供給用コンベア ７…回収用コンベア １６，１７…回転ローラ １８，１９…回転ベルト ２８…回転パッド ２９…可動台 ３０…回転用モータ ３１…昇降用シリンダ ３２，３３…駆動ローラ ３４…撮像用カメラ ３６…番地用リーダ ３７…判定装置本体

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】果菜物載置部に載置された果菜物を撮像用
   カメラで撮像し、該撮像用カメラで撮像した画像データ
   に基づいて果菜物の等階級を等階級判定手段により判定
   する果菜物選別装置であって、上記果菜物載置部の中央
   部載置面に上記果菜物の下面側中央部と対接して回転体
   を回転可能に設け、上記果菜物載置部の中央部載置面を
   中心として、該果菜物載置部の周縁部載置面に上記果菜
   物の下面側周縁部と対接して複数個の各回転体を所定間
   隔に隔てて回転可能に設け、上記果菜物載置部の中央部
   載置面に設けた回転体を上記果菜物が前後回転される方
   向に回転し、該果菜物載置部の周縁部載置面に設けた各
   回転体を上記果菜物が水平回転される方向に回転する果
   菜物回転手段を設けた果菜物選別装置。
2. 【請求項２】上記果菜物載置部の中央部載置面に形成し
   た開口部と、該果菜物載置部の周縁部載置面に形成した
   各開口部とに上記各回転体の上部周面を出没可能に設け
   た請求項１記載の果菜物選別装置。
3. 【請求項３】上記果菜物回転手段を、上記果菜物載置部
   の中央部載置面及び周縁部載置面に設けた各回転体の外
   周面に対して圧接される位置に、該各回転体に対して回
   転力を付与する各回転付与部材を設けて構成した請求項
   １又は２記載の果菜物選別装置。
4. 【請求項４】上記果菜物回転手段を、上記果菜物載置部
   の周縁部載置面に設けた各回転体の外周面に対して圧接
   される位置に、該各回転体に対して同一円周方向に回転
   力を付与する環状回転部材を設けて構成した請求項１又
   は２記載の果菜物選別装置。