JP3447852B2 - 車両の前後輪操舵装置 - Google Patents

車両の前後輪操舵装置

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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ヨーレートフィードバ
ッグ型の車両の前後輪操舵装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、ハンドル角と車速とから求め
られる規範ヨーレイトと、車両に作用する実ヨーレート
との偏差に基づいて後輪を転舵させる前後輪操舵装置
(4WS)を搭載した乗用車にあって、例えば車体の挙
動が不安定になり易いABS(アンチロックブレーキン
グシステム)作動時に前後輪操舵装置の制御パラメータ
を切り替えることが知られている(特開平4−1767
80号公報参照)。これは、ABS作動時にその信号を
前後輪操舵装置に取り込み、作動直前または直後の車速
(車輪速)を保持し、その車速に於ける制御パラメータ
を用いるように構成し、ABS作動時はそれ以外の場合
に比べて大きなフィードバック効果があるように動作さ
せるものである。 【0003】一方、車両運転中には上記ABS作動時以
外にも高い横加速度が発生している(高G)旋回中にド
ライバの不用意な操作によって車両の挙動が不安定にな
り易い場合がある。例えば前輪駆動車では、アクセルを
急に戻したとき、ブレーキを軽く踏んだときまたはシフ
トダウンしたときには車両挙動はオーバーステア傾向に
なり易く、またアクセルを急に踏み込んだとき、ブレー
キを強く踏み込んだときには車両挙動はアンダーステア
傾向になり易い。従って、上記のような状況に於てもフ
ィードバック制御の効果がより大きく働くことが望まれ
ていた。 【0004】ところが、フィードバック制御の効果を大
きくするには一般的にはフィードバックパラメータのゲ
インを大きくすれば良いが、路面の凹凸等によるヨーレ
ートの微小な変化によっても後輪舵角が過敏に制御され
るとドライバに不快感を与えることとなる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、通常走
行時に於ける過度のフィードバック制御を抑制すると共
に高い横加速度が発生している旋回中の車両挙動を安定
化することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記した目的は本発明に
よれば、ハンドル角と車速とから求められる規範ヨーレ
イトと、車両に作用する実ヨーレートとの偏差に基づい
後輪を転舵させる車両の前後輪操舵装置に於て、車速
と横加速度との値から車両が高速かつ高Gで旋回してい
ることを判定する高G旋回判定手段(5)と、アクセル
開度の変化率の絶対値が所定値を超える操作行われた
ことを判定するアクセル操作判定手段(8)と、前記高
G旋回判定手段と前記アクセル操作判定手段とにより高
速での高G旋回中にアクセル開度の変化率の絶対値が所
定値を超える操作が行われたと判定されたときにヨーレ
ートフィードバックのゲインを通常時より大きくするゲ
イン調整手段(7)とを備えたことを特徴とする車両の
前後輪操舵装置を提供することにより達成される。 【0007】 【作用】このように、高い横加速度が発生している高速
旋回中であること及びドライバにより車両の挙動が不安
定になるようなアクセル操作が行われたことを検出し、
これに基づきヨーレートフィードバックのゲインを通常
時より大きくすることで、車両挙動が不安定になる状況
を特定してその場合のみフィードバックのゲインを大き
くでき、低速時のヨーレートフィードバックのゲインを
変えず、低速時の取り廻しには影響を与えないようにす
ることが可能となる。 【0008】 【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面を参
照して詳しく説明する。 【0009】図1に本発明が適用されたヨーレートフィ
ードバック型4WSの要部構成を示すブロック図であ
る。本実施例では高い横加速度が発生している高速旋回
中に車両の挙動が不安定になるようなドライバによる操
作として、特に、アクセルの急激な操作を想定する。 【0010】図示されないハンドル角センサからのハン
ドル角信号は車両1、フィードフォワード補償器2及び
規範ヨーレート算出器3に入力されるようになってい
る。また、車両1から出力される車速信号はフィードフ
ォワード補償器2、フィードバック補償器4、旋回横加
速度判定回路5及び規範ヨーレート算出器3に入力され
るようになっている。この旋回横加速度判定回路5には
ローパスフィルタ6を介して車両1から出力される実ヨ
ーレートも入力され、これら車速及び実ヨーレートから
後記する手順により求められた横加速度フラグFlag
Gがフィードバックパラメータ調整回路7に入力される
ようになっている。フィードバック補償器4には、規範
ヨーレート算出器3から出力される規範ヨーレートとロ
ーパスフィルタ6を介して車両1から出力される実ヨー
レートとの差、即ちヨーレート偏差も入力され、これら
車速及びヨーレート偏差から求められたヨーレートフィ
ードバックゲインが、これを調整するためのフィードバ
ックパラメータ調整回路7に入力されるようになってい
る。 【0011】一方、図示されない各センサによりアクセ
ル開度信号、ブレーキ信号及びシフトポジション信号が
それぞれアクセル操作判定回路8、ブレーキ操作判定回
路9及びシフトチェンジ判定回路10に入力されるよう
になっている。これら各判定回路から後記する手順に従
い求められたアクセル操作判定フラグFlagTh、ブ
レーキ操作判定フラグFlagBr及びシフトチェンジ
判定フラグFlagShが出力され、フィードバックパ
ラメータ調整回路7に入力されるようになっている。 【0012】フィードバックパラメータ調整回路7は、
上記した各フラグFlagTh、FlagBr、Fla
gSh、FlagG及びフィードバックゲインから後記
する手順でフィードバックチューニングゲインPを求
め、これをフィードバック補償器4から出力されるフィ
ードバックゲインに乗じて出力する。このフィードバッ
クチューニングゲインPが乗じられたフィードバックゲ
インとフィードフォワード補償器2から出力されるフィ
ードフォワードゲインとが加算処理されて後輪制御装置
11に入力され、後輪舵角として車両1に入力されるよ
うになっている。 【0013】以下に本実施例の作動要領について図2〜
図7を参照して説明する。まず本実施例で行われる処理
を全体的に説明する。図1に示すように、走行中に高い
横加速度が発生していること及び高速旋回中であること
を旋回横加速度判定回路5にて判定し、ドライバにより
車両の挙動が不安定になるような操作、即ちアクセル操
作、ブレーキ操作またはシフトチェンジが行われたこと
をアクセル操作判定回路8、ブレーキ操作判定回路9及
びシフトチェンジ判定回路10にて判定し、これらに基
づきフィードバックパラメータ調整回路7にてフィード
バックチューニングゲインPを求める。これを上記した
ように、フィードバックゲインに乗じ、即ち後輪操舵の
ヨーレートフィードバックゲインを変更し、このフィー
ドバックチューニングゲインPが乗じられたフィードバ
ックゲインとフィードフォワード補償器2から出力され
るフィードフォワードゲインとを加算処理して後輪制御
装置11に入力し、後輪舵角として車両1に入力する。 【0014】次に、旋回横加速度判定回路5の処理を説
明する。図2に示すように、まず、車速Vを読み込み
(ステップ11)、これが所定の速度V0よりも大きい
か否かにより高速走行中であるか否かを判定し(ステッ
プ12)、高速走行中であればヨーレートγを読み込
み(ステップ13)、横加速度αを求め(ステップ1
4)、この横加速度αが所定の横加速度α0よりも大き
い状態が所定時間T0以上続いているか否かを判定し
(ステップ15、16)、T0以上続いていれば高い横
加速度が発生している高速旋回中であると判定してFl
agGに「1」をセットし(ステップ17)、そうでな
ければFlagGに「0」をセットして(ステップ1
8)フィードバックパラメータ調整回路7に出力する。 【0015】また、アクセル操作判定回路8では、図3
に示すようにアクセル開度を読込み(ステップ21)、
その変化率を公知の疑似微分方などにより計算してノイ
ズの影響を取り除き(ステップ22)、上記変化率の絶
対値が所定値を越えているか否かを判定し(ステップ2
3)、越えていればドライバにより車両の挙動が不安定
になるようなアクセル操作が行われたとしてFlagT
hに「1」をセットし(ステップ24)、そうでなけれ
ばFlagThに「0」をセットして(ステップ25)
フィードバックパラメータ調整回路7に出力する。 【0016】また、ブレーキ操作判定回路9では、図4
に示すようにブレーキ信号を読込み(ステップ31)、
ブレーキがオンであるか否かを判定し(ステップ3
2)、オンであればドライバにより車両の挙動が不安定
になるようなブレーキ操作が行われたとしてFlagB
rに「1」をセットし(ステップ33)、そうでなけれ
ばFlagBrに「0」をセットして(ステップ34)
フィードバックパラメータ調整回路7に出力する。 【0017】また、シフトチェンジ判定回路10では、
図5に示すようにシフトポジション信号を読込み(ステ
ップ41)、シフトダウンされたか否かを判定し(ステ
ップ42)、シフトダウンされた場合、ドライバにより
車両の挙動が不安定になるようなシフト操作が行われた
としてFlagShに「1」をセットし(ステップ4
3)、そうでなければFlagShに「0」をセットし
て(ステップ44)フィードバックパラメータ調整回路
7に出力する。 【0018】一方、フィードバックパラメータ調整回路
7では、図6に示すように、まずFlagGに「1」で
あり、かつFlagTh、FlagBr及びFlagS
hのいずれかが「1」であるか否かを判定し(ステップ
1、2)、そうであった場合、即ち高い横加速度が発生
している高速旋回中にドライバにより車両の挙動が不安
定になるようないずれかの操作が行われた場合、フィー
ドバックチューニングゲインPを徐々に変化させてセッ
トし(ステップ3)、フィードバック補償器から出力さ
れるフィードバックゲインにフィードバックチューニン
グゲインPを乗じて出力する(ステップ4)。また、F
lagGが「0」であるか、またはフラッグFlagT
h、FlagBr及びFlagShのいずれもが「0」
である場合、フィードバックチューニングゲインPには
「1」をセットする(ステップ5)。 【0019】ここで、上記したように各フラッグにより
高い横加速度が発生している高速旋回中にドライバによ
って車両の挙動が不安定になるようないずれかの操作が
行われたと判定された場合、図7の部分Aに示すよう
に、急激にフィードバックゲインが変化しないようにフ
ィードバックチューニングゲインPを徐々に大きくして
目的値にセットするように設定している。また、逆にフ
ィードバックチューニングゲインPが「1」より大きい
状態からFlagGが「0」になるか、またはフラッグ
FlagTh、FlagBr及びFlagShのいずれ
もが「0」になった場合にも図7の部分Bに示すよう
に、急激にフィードバックゲインが変化しないようにフ
ィードバックチューニングゲインPを徐々に小さくして
「1」にセットするように設定している。 【0020】 【発明の効果】上記した説明により明らかなように、本
発明による前後輪操舵装置によれば、高い横加速度が発
生している高速旋回中であること及びドライバにより車
両の挙動が不安定になるようなアクセル操作が行われた
ことを検出し、これに基づきヨーレートフィードバック
のゲインを通常時より大きくすることで、低速時のヨー
レートフィードバックのゲインを変えることなく、車両
挙動が不安定になる状況を特定してその場合のみフィー
ドバックのゲインを大きくできる。従って、低速時の取
り廻しには影響を与えることなく、高い横加速度が発生
している旋回中の車両挙動を安定化することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明が適用されたヨーレートフィードバック
型前後輪操舵装置の要部構成を示すブロック図。 【図2】図1の前後輪操舵装置の旋回横加速度判定回路
の処理手順を説明するフローチャート。 【図3】図1の前後輪操舵装置のアクセル操作判定回路
の処理手順を説明するフローチャート。 【図4】図1の前後輪操舵装置のブレーキ操作判定回路
の処理手順を説明するフローチャート。 【図5】図1の前後輪操舵装置のシフトチェンジ判定回
路の処理手順を説明するフローチャート。 【図6】図1の前後輪操舵装置のフィードバックパラメ
ータ調整回路の処理手順を説明するフローチャート。 【図7】図1の前後輪操舵装置のフィードバックパラメ
ータ調整回路によるフィードバックチューニングゲイン
Pのセット方法を説明するグラフ。 【符号の説明】 1 車両 2 フィードフォワード補償器 3 規範ヨーレート算出器 4 フィードバック補償器 5 旋回横加速度判定回路 6 ローパスフィルタ 7 フィードバックパラメータ調整回路 8 アクセル操作判定回路 9 ブレーキ操作判定回路 10 シフトチェンジ判定回路 11 後輪制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 113:00 B62D 113:00 137:00 137:00 (56)参考文献 特開 平4−283166(JP,A) 特開 平6−270829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 7/14 B62D 6/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ハンドル角と車速とから求められる規
    範ヨーレイトと、車両に作用する実ヨーレートとの偏差
    に基づいて後輪を転舵させる車両の前後輪操舵装置に於
    て、車速と横加速度 との値から車両が高速かつ高Gで旋回し
    ていることを判定する高G旋回判定手段と、アクセル開度の変化率の絶対値が所定値を超える 操作
    行われたことを判定するアクセル操作判定手段と、 前記高G旋回判定手段と前記アクセル操作判定手段とに
    より高速での高G旋回中にアクセル開度の変化率の絶対
    値が所定値を超える操作が行われたと判定されたときに
    ヨーレートフィードバックのゲインを通常時より大きく
    するゲイン調整手段とを備えたことを特徴とする車両の
    前後輪操舵装置。
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