JPH0939821A - 車両の後輪操舵制御装置 - Google Patents

車両の後輪操舵制御装置

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JPH0939821A
JPH0939821A JP19767495A JP19767495A JPH0939821A JP H0939821 A JPH0939821 A JP H0939821A JP 19767495 A JP19767495 A JP 19767495A JP 19767495 A JP19767495 A JP 19767495A JP H0939821 A JPH0939821 A JP H0939821A
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JP
Japan
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steering
wheel steering
rear wheel
vehicle speed
vehicle
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JP19767495A
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Manabu Kato
加藤  学
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪操舵本来の機能を制限することなく、後
輪操舵に起因したドライバの違和感の解消する車両の後
輪操舵制御装置を提供する。 【解決手段】 車両の後輪操舵制御装置は、後輪を操舵
する後輪操舵アクチュエータ8と、後輪操舵アクチュエ
ータ8の作動を制御するフィードバックコントローラ1
3と、フィードバックコントローラ13に目標後輪舵角
δr(t)を出力するコントロールユニット14を備えてお
り、コントロールユニット14は算出式に基づき、目標
後輪舵角δr(t)を算出する算出部26と、算出部26の
算出式中、前輪舵角速度の項に働きかける制御変数Nを
車両の旋回走行状況に応じて出力するニューラルネット
ワーク36とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、前輪の操舵に伴
い後輪を操舵する車両の後輪操舵制御装置に係わり、特
に、目標後輪舵角をニューラルネットワークを利用して
求めるようにした車両の後輪操舵制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】この種の後輪操舵制御装置は例え
ば特開平6−270827号公報に開示されており、こ
の公知の後輪操舵制御装置は4輪操舵コントローラ(4
WSコントローラ)及びニューラルネットワークを備え
ている。4WSコントローラではハンドル角や車速に基
づいて目標後輪舵角が算出され、そして、算出された目
標後輪舵角はニューラルネットワークからの出力である
制御ゲインにより補正される。より詳しくは、車両の旋
回走行状況によっては後輪の操舵がドライバに違和感を
与えてしまうため、これを防止するために制御ゲインに
より目標後輪舵角が補正される。
【0003】この後、補正後の目標後輪舵角はフィード
バックコントローラに出力され、このフィードバックコ
ントローラは目標後輪舵角に実後輪舵角を一致させるべ
く後輪操舵アクチュエータの作動を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した後輪操舵制御
装置によれば、4WSコントローラからの目標後輪舵角
の全体に制御ゲインが効くため、その旋回走行状況では
本来の4輪操舵機能が得られないことになる。また、後
輪操舵制御装置のニューラルネットワークでは、その入
力を得るために各種センサからのセンサ信号の前処理や
車体重心スリップ角の近似値を算出する必要があるな
ど、制御ゲインの演算が複雑となり、更に、制御ゲイン
が有効に働くための車両の走行状況の判定が不十分とな
る不具合がある。
【0005】この発明は、上述した事情に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、ニューラルネッ
トワークへの入力及び出力を改善して、ニューラルネッ
トワークを使用した後輪操舵制御を効果的に行え、しか
も、、ニューラルネットワーク内での演算処理の効率化
をも図ることができる車両の後輪操舵制御装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題は、この発明
の車両の後輪操舵制御装置によって達成され、請求項1
の装置は、前輪の操舵状態を検出する操舵状態検出手段
と、車両の車速を検出する車速検出手段と、検出された
前輪操舵状態量及び車速に加えて、前輪操舵状態量に働
きかける制御変数に基づき目標後輪操舵量を算出する算
出手段と、入力に前輪操舵状態量及び車速を有したニュ
ーラルネットワークを含み、このニューラルネットワー
クの出力として車両の旋回走行状況に応じた制御変数を
演算する制御変数演算手段とを備えている。
【0007】請求項1の装置によれば、前輪の操舵状
態、車速及びニューラルネットワークから出力される制
御変数に基づき、その車両の旋回走行状況に応じた目標
後輪操舵量自体が算出され、そして、この目標後輪操舵
量に直接的に従い、後輪の操舵が制御される。請求項2
の装置の場合、操舵状態検出手段は、ステアリングハン
ドルのハンドル角を検出し、ハンドル角を出力するハン
ドル角検出手段と、検出したハンドル角に基づき前輪舵
角及び前輪舵角速度を算出する手段とを備えており、そ
して、算出手段は、前輪舵角及び前輪舵角速度を前輪操
舵状態量とし、その前輪舵角速度に制御変数を乗算して
目標後輪操舵量を算出するものとなっている。
【0008】請求項2の装置によれば、制御変数が前輪
舵角速度のみに乗算されることから、前輪舵角速度に基
づく後輪操舵分をその時点での旋回走行状況、つまり、
旋回過渡期の状況に応じて増減した結果の目標後輪操舵
量が算出される。請求項3の装置の場合、制御変数演算
手段は、ニューラルネットワークからの制御変数の出力
を車速に応じて規制する規制手段を備えている。
【0009】請求項3の装置によれば、制御変数の出力
が規制されるため、ニューラルネットワークへの学習デ
ータが少なくてすみ、その学習は簡単且つ短時間で行わ
れる。具体的には、請求項4における装置の規制手段
は、車速が所定の速度域にあるときには車速の増加に伴
って0から1に向かって増加し、速度域以上では1に維
持される減衰係数を制御変数に乗算し、その乗算結果を
出力する。
【0010】請求項5の装置の場合、その制御変数演算
手段が3層のニューラルネットワークを有しており、こ
のニューラルネットワークにおける入力層の各ユニット
には車速、ステアリングハンドルのハンドル角に関する
時系列データ及びハンドル角速、並びに、車両に関する
横加速度、ヨーレイト及びロールレイトがそれぞれ入力
され、そして、入力層の各ユニットは中間層の各ユニッ
トにそれぞれ結合されている。
【0011】請求項5における装置のニューラルネット
ワークによれば、このニューラルネットワークはハンド
ル角の時系列データ、ハンドル角速度、横加速度、ヨー
レイト及びロールレイトに基づき、旋回走行状況に応じ
た制御変数を出力する。請求項6の装置の場合、その制
御変数演算手段は4層のニューラルネットワークを有し
ており、このニューラルネットワークにおける入力層の
各ユニットには車速、ステアリングハンドルのハンドル
角に関する時系列データ及びハンドル角速度がそれぞれ
入力され、入力層内の前記時系列データが入力されるユ
ニットは第1中間層の各ユニットにそれぞれ結合されて
いる一方、入力層のハンドル角速度及び車速が入力され
るユニットは、第1中間層の各ユニットに結合された第
2中間層の各ユニットにそれぞれ結合されている。
【0012】請求項6の装置におけるニューラルネット
ワークによれば、このニューラルネットワークは、ハン
ドル角の時系列データ、ハンドル角速度及び車速のみの
入力だけで、請求項5のニューラルネットワークと同様
な制御変数の出力が得られる。
【0013】
【発明の実施の態様】図1を参照すると、前後輪操舵式
車両(4WS車両)は左右の前輪FWL,FWRを操舵す
る前輪操舵系6と、左右の後輪RWL,RWRを操舵する
後輪操舵系10とを備えている。前輪操舵系6はステア
リングハンドル4の操作に応じて作動するパワーステア
リング装置を含み、このパワーステアリング装置はラッ
ク・ピニオン機構が内蔵されたパワーシリンダ2を有し
ている。
【0014】一方、後輪操舵系10は、油圧シリンダか
らなる後輪操舵アクチュエータ8を含み、この後輪操舵
アクチュエータ8は電磁バルブ12の切換作動により作
動される。電磁バルブ12は、フィードバックコントロ
ーラ13を介してコントロールユニット14に電気的に
接続されており、フィードバックコントローラ13には
後輪舵角センサ11が電気的に接続されている。
【0015】コントロールユニット14にて目標後輪操
舵量、即ち、目標後輪舵角が算出されると、この目標後
輪舵角はフィードバックコントローラ13に供給され、
このフィードバックコントローラ13はその目標後輪舵
角に従い電磁バルブ12の開弁方向及び開度を制御して
後輪操舵アクチュエータ8を作動させ、これにより、目
標後輪舵角に後輪舵角センサ11にて得た実後輪舵角を
一致させるべく、左右の後輪RWL,RWRが操舵され
る。なお、図1中、前輪操舵系6及び後輪操舵系10の
油圧回路は省略されている。
【0016】コントロールユニット14にて目標後輪舵
角を算出するため、コントロールユニット14にはハン
ドル角センサ16、車速センサ18、横加速度センサ2
0、ヨーレイトセンサ22及びロールレイトセンサ24
がそれぞれ電気的に接続されている。ハンドル角センサ
16はステアリングハンドル4の操作量つまりハンドル
角θHを検出し、このハンドル角θHをコントロールユニ
ット14に供給する。
【0017】車速センサ18は車両のスピードメータで
あってもよいが、各車輪に車輪速センサが装備されてい
る場合には、これら車輪速センサにて検出した車輪速か
ら求めた車速Vをコントロールユニット14に供給す
る。この場合、具体的には、前輪FWの車輪速の平均値
と後輪RWの車輪速の平均値とが比較され、その小さい
方の平均値が車速Vとして設定される。
【0018】横加速度センサ20、ヨーレイトセンサ2
2及びロールレイトセンサ24は、車両に対して、その
幅方向に作用する横加速度Gy、その垂直軸線周りに作
用するヨーレイトγ及びその前後軸線周りに作用するロ
ールレイトRをそれぞれ検出し、これらをコントロール
ユニット14に供給する。コントロールユニット14の
詳細は図2に示されており、このコントロールユニット
14は目標後輪舵角δrの算出部26を備えており、こ
の算出部26では、次式から、現時点での目標後輪舵角
δr(t)が算出される。
【0019】δr(t)=(k/(k+1))・δr(t-1)+(1/
(k+1))・{K1・δf(t)+N・K2・dδf(t)} 上式中、δr(t-1),k,δf(t),dδf(t),K1,K
2,Nは以下の通りである。 δr(t-1) :前回の演算サイクルにて算出された目標後
輪舵角 k :時定数 δf(t) :今回の演算サイクルで算出された前輪舵角 dδf(t) :今回の演算サイクルで算出された前輪舵角
速度(=dδf(t)/dt) K1 :前輪舵角δf(t)に対する操舵角比 K2 :前輪舵角速度dδf(t)に対する操舵角比 N :前輪舵角速度dδf(t)に乗算される制御変数 前記の算出式から明らかなように目標後輪舵角δr(t)
は、その第1項における前回の目標後輪舵角δr(t-1)に
その第2項の操舵成分を加えて求められるものとなって
おり、そして、第2項の操舵成分は、前輪舵角δf(t)か
ら得られる部分と前輪舵角速度dδf(t)から得られる部
分との和からなっている。
【0020】次に、前輪舵角δf(t)、前輪舵角速度dδf
(t)、時定数k、操舵角比K1,K2及び制御変数Nに
関して順次説明する。 :時定数k:図2に示されているようにコントロールユ
ニット14は時定数の演算部28を備えており、この演
算部28は車速V及び車両諸元に基づき時定数kを算出
し、算出した時定数kを前記算出部26に供給する。従
って、演算部28には車両諸元のデータが予め与えられ
ているともに、車速Vが供給される。
【0021】ここで、車両諸元には、車両重量、車両の
前後重量配分、ヨー慣性モーメント、ホイールベース、
前輪1輪の等価コーナリングパワー、後輪1輪の等価コ
ーナリングパワーなどが含まれている。 :操舵角比K1,K2:コントロールユニット14は操
舵角比の演算部30を備えており、この演算部30は前
述した演算部28と同様に車速V及び車両諸元に基づ
き、操舵角比K1,K2をそれぞれ算出し、算出した操
舵角比K1,K2を算出部26に供給する。具体的に
は、操舵角比K1,K2は図3に示されているマップか
ら車速Vに基づいてそれぞれ読み出される。図3から明
らかなように実線で示されている操舵角比K1は車速V
が0から増加するに従い負の値から増加し、車速VがV
1に一致したとき0となり、そして、V1を越えて増加す
ると、正の値に収束していく特性を有している。一方、
破線で示されている操舵角比K2は、車速Vが0から増
加するに従い0から負の方向に一旦増加した後、正の方
向つまり0に向けて徐々に増加する特性を有している。
【0022】:前輪舵角δf(t):コントロールユニット
14は乗算部32を備えており、この乗算部32には前
述したハンドル角センサ16からのハンドル角θHが供
給される。乗算部32はハンドル角θHに前輪操舵系6
のステアリング比ρを乗算して前輪舵角δf(t)を求め、
この前輪舵角δf(t)を算出部26に供給する。
【0023】:前輪舵角速度dδf(t):乗算部32から
出力された前輪舵角δf(t)は微分部34にも供給され、
この微分部34は前輪舵角δf(t)を時間微分して前輪舵
角速度dδf(t)を求め、この前輪舵角速度dδf(t)を算出
部26に供給する。 :制御変数N:コントロールユニット14はニューラル
ネットワーク36を備えており、このニューラルネット
ワーク36にはその入力情報として、ハンドル角θHに
関する時系列データ、ハンドル角速度dθH(=dθH/d
t)、横加速度Gy、ヨーレイトγ、ロールレイトR及び
車速Vが与えられ、そして、ニューラルネットワーク3
6の出力が制御変数Nとなる。
【0024】ハンドル角θHの時系列データ及びハンド
ル角速度dθHに関してより詳しく説明すると、ハンドル
角センサ16からのハンドル角θHはメモリ38に格納
され、このメモリ38内にてハンドル角θHに関し、現
時点tから例えば50msec間毎の時系列データθH(t),θ
H(t-1),θH(t-2),・・・,θH(t-n)が作成され、これ
ら時系列データがニューラルネットワーク36に供給さ
れる。ここで、nは20であって、従って、時系列デー
タのデータ数は21個となる。
【0025】また、ハンドル角θHは微分部40にも供
給され、この微分部40はハンドル角θHを時間微分し
てハンドル角速度dθHとし、このハンドル角速度dθHを
ニューラルネットワーク36に供給する。図4に示した
モデルから明らかなように、ニューラルネットワーク3
6は3層の階層型であって、入力層、中間層及び出力層
を有し、入力層の各入力ユニットIUに前述した入力情
報がそれぞれ供給されている。中間層の各中間ユニット
MUは各入力ユニットIUにそれぞれ結合されている。
そして、出力層は制御変数Nを出力する1つの出力ユニ
ットOUを有しており、この出力ユニットOUは各中間
ユニットMUにそれぞれ結合されている。
【0026】次に、ニューラルネットワーク36の出力
である制御変数Nは出力減衰部42に供給され、この出
力減衰部42には車速Vもまた供給されている。出力減
衰部42では、制御変数Nに車速Vから求まる減衰係数
Knwを乗算し、その乗算結果である制御変数Nを出力レ
ンジ制限部44に供給する。減衰係数Knwは、図5に示
すマップから車速Vに基づいて読み出される。図5から
明らかなように減衰係数Knwは、車速Vが前述の車速V
1よりも低い車速V0以上になると、車速Vの増加に伴っ
て0から徐々に増加し、車速VがV1になったときに0.5
となる。車速Vが更に上昇し、V1よりも高いV2以上に
達すると、減衰係数Knwは1に維持される。
【0027】また、出力レンジ制限部44は図6に示す
マップに従い、制御変数Nをクリップし、その結果を算
出部26に供給する。より詳しくは、出力レンジ制限部
44ではその入力制御変数Nが最小値Nmin以下の場
合、その出力制御変数Nは最小値Nminに維持され、ま
た、入力制御変数Nが最大値Nmax以上の場合、その出
力制御変数Nは最大値Nmaxに維持される。そして、入
力制御変数Nが最小値Nminと最大値Nmaxとの間にある
とき、出力レンジ制限部44は入力された制御変数Nを
制限することなく、そのまま算出部26に供給する。
【0028】前述したコントロールユニット14を含む
4WS車両は、種々の旋回走行条件での走行試験を繰り
返して受け、そして、個々の走行試験の結果を受けて、
つまり、算出部26からの出力である目標後輪舵角δr
(t)がその旋回走行状況にとって最適な値をとるように
ニューラルネットワーク36に教師データが与えられ
る。即ち、ニューラルネットワーク36はバックプロパ
ゲーション法に従い、その学習が繰り返される。
【0029】ニューラルネットワーク36の学習に関
し、車速VがV0よりも低い低車速域にあると、前述し
た出力減衰部42の減衰係数Knwが0に設定される結
果、出力減衰部42を通過して出力される制御変数Nの
値も0となる。つまり、低車速域では、前輪舵角速度d
δf(t)から算出される目標後輪舵角δr(t)の成分は後輪
操舵の効果を余り発揮するものではないので、この場
合、制御変数Nを0としても後輪操舵機能が低下するこ
とはない。
【0030】従って、前記低車速域での各種旋回走行条
件でのニューラルネットワーク36の学習が不要となる
ので、学習データが少なくなって、その学習を短時間で
行え、また、学習後におけるニューラルネットワーク3
6の出力精度をも向上することになる。 :後輪操舵ルーチン:ニューラルネットワーク36はそ
の学習が完了して初めて有効に機能し、その学習済みの
ニューラルネットワーク36を含むコントロールユニッ
ト14の機能は図7の制御ルーチンに示されている。
【0031】この制御ルーチンでは、先ず、前述した各
種センサからのセンサ情報として、車速V、ハンドル角
θH、横加速度Gy、ヨーレイトγ及びロールレイトRが
コントロールユニット14に入力され(ステップS
1)、コントロールユニット14内ではハンドル角θH
の時系列データが作成され、そのメモリ38にセーブさ
れる(ステップS2)。そして、コントロールユニット
14の演算部28,30では車速Vに基づいて操舵角比
K1,K2が計算され(ステップS3)、また、時定数
kが計算される(ステップS4)。これら操舵角比K
1,K2、時定数kは算出部26に供給される。
【0032】次のステップS5,S6にて、ニューラル
ネットワーク36はその入力情報、つまり、ハンドル角
θHの時系列データ、ハンドル角速度dθH、横加速度G
y、ヨーレイトγ、ロールレイトR及び車速Vから制御
変数Nを計算し、また、出力減衰部42は車速Vに基づ
き減衰係数Knwを計算する。そして、ニューラルネット
ワーク36からの制御変数Nに減衰係数Knwが乗算さ
れ、その乗算結果は出力レンジ制限部44を経て算出部
26に供給され、また、この算出部26にはハンドル角
θHから求めた前輪舵角δf(t)及び前輪舵角速度dδf(t)
が供給される。
【0033】算出部26では、供給されたデータから前
記の算出式に基づき目標後輪舵角δr(t)を算出し(ステ
ップS7)、コントロールユニット14は、算出した目
標後輪舵角δr(t)をフィードバックコントローラ13に
出力する。この後、コントロールユニット14では制御
ルーチンの処理が終了した否かを判別し(ステップS
9)、その判別結果が偽(No)の場合にはステップS1か
らの処理を繰り返して実行し、その判別結果が真(Yes)
になったとき、制御ルーチンを終了する。
【0034】コントロールユニット14からの目標後輪
舵角δr(t)を受け取ると、フィードバックコントローラ
13は前述したように目標後輪舵角δr(t)に実後輪舵角
を一致させるべく後輪操舵アクチュエータ8の作動を制
御し、これにより、前輪FWともに左右の後輪RWが操
舵される。前述した後輪操舵制御装置によれば、目標後
輪舵角δr(t)の算出にあたり、ニューラルネットワーク
36からの制御変数Nが前輪舵角速度dδf(t)の項から
得られる後輪操舵分のみに働くことから、車両が旋回過
渡期にあっても、算出部26はその旋回過渡期に適合し
た目標後輪舵角δr(t)を算出することができる。
【0035】つまり、旋回過渡期での後輪RWの操舵に
関しては、そのときの走行条件によってドライバに違和
感を与えることもあるが、しかしながら、この発明の場
合にあっては、その違和感を解消すべくニューラルネッ
トワーク36の学習が実施されているので、その出力で
ある制御変数Nは前輪舵角速度dδf(t)の項から得られ
る後輪操舵分をその時点での旋回走行条件に応じて最適
に設定することができ、後輪の操舵がドライバに違和感
を与えることはない。
【0036】また、制御変数Nは前述したように目標後
輪舵角δr(t)の全体に効くのではないので、前記の算出
式から得られた目標後輪舵角δr(t)に基づいて後輪RW
の実後輪舵角が制御されると、4輪操舵本来の機能が十
分に発揮されることになる。更に、目標後輪舵角δr(t)
の算出にあたり、ニューラルネットワーク36への入力
情報を得るために従来のような前処理や車体重心スリッ
プ角の近似値を計算する必要もないので、コントロール
ユニット14内での演算処理が簡単になるばかりでな
く、ニューラルネットワーク36には車両の旋回走行状
況を示す各種センサからの情報が直接的に入力されるの
で、ニューラルネットワーク36からは各種の旋回走行
条件に適合した制御変数Nが高精度に出力されることと
なる。
【0037】次に、図8を参照すれば、ニューラルネッ
トワークの使用を路面の摩擦係数が高い高μ路の限定し
た変形例が示されている。この変形例のニューラルネッ
トワーク46は4層の階層型であって、入力層、第1及
び第2中間層及び出力層を有しており、入力層の各入力
ユニットIUには、ハンドル角θHの時系列データ、ハ
ンドル角速度dθH及び車速Vのみがそれぞれ供給されて
いる。
【0038】そして、ハンドル角θHの時系列データが
供給される入力層の各入力ユニットIUは第1中間層の
各中間ユニットMU1とそれぞれ結合されており、これ
に対し、ハンドル角速度dθH及び車速Vが供給される入
力層の各入力ユニットIUは第2中間層の各中間ユニッ
トMU2にそれぞれ結合されている。各中間ユニットM
U1は各中間ユニットMU2にそれぞれ結合されてい
る。
【0039】図8のニューラルネットワーク46のよう
に、ハンドル角θHの時系列データのみが第1中間層に
て先ず纏めて処理され、そして、その処理結果にハンド
ル角速度dθH及び車速Vとが加えられて第2中間層にて
処理されると、この場合、ドライバによるステアリング
ハンドル4の操作パターンに関して、そのパターン認識
精度が向上する結果、高μ路において図8のニューラル
ネットワーク46は図7のニューラルネットワーク36
と同様な精度で制御変数Nの出力が可能となる。
【0040】従って、図8のニューラルネットワーク4
6を使用すれば、その入力情報として横加速度Gy、ヨ
ーレイトγ及びロールレイトRが不要となるので、これ
らを検出するセンサを削減でき、また、入力情報がフィ
ードフォワード要素のみで構成されるため、ニューラル
ネットワーク46の学習をも容易となる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1,5の後輪操舵制御装置によれば、ニューラルネット
ワークから制御変数を目標後輪操舵量自体の算出に使用
しているから、種々の旋回走行状況に適合した目標後輪
操舵量の算出が可能となる。従って、4輪操舵本来の機
能を制限することもなく、また、後輪操舵から受けるド
ライバの違和感をも解消することができる。更に、この
場合、ニューラルネットワークに与えられる入力に関し
て、その前処理なども不要となるので、制御変数の演算
処理が簡単になる。
【0042】請求項2の装置によれば、目標後輪操舵量
の算出に関し、制御変数が前輪操舵角速度から得られる
後輪操舵分のみに働くから、車両の旋回過渡期での後輪
操舵に起因したドライバの違和感が確実に解消すること
ができる。請求項3,4の装置によれば、ニューラルネ
ットワークからの制御変数は車速に応じて規制されるの
で、ニューラルネットワークの学習が容易になるばかり
でなく、その学習を短時間で完了させることができる。
【0043】請求項6の装置によれば、ニューラルネッ
トワークの使用を高μ路に限定することによってニュー
ラルネットワークに与えるべき入力情報が少なくて済
み、後輪操舵装置に要するセンサ数を大幅に削減できる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の後輪操舵制御装置の全体を示した概略図
である。
【図2】図1のコントロールユニットの機能を示すブロ
ック図である。
【図3】車速に対する操舵角比の特性を示したグラフで
ある。
【図4】図2のニューラルネットワークのモデルを示し
た概略図である。
【図5】車速に対する減衰係数の特性を示したグラフで
ある。
【図6】図2の出力レンジ制限部の機能を示すグラフで
ある。
【図7】コントロールユニットが実行する制御ルーチン
を示したフローチャートである。
【図8】変形例のニューラルネットワークのモデルを示
した概略図である。
【符号の説明】
2 パワーシリンダ 4 ステアリングハンドル 8 後輪操舵アクチュエータ 11 後輪舵角センサ 12 電磁弁 13 フィードバックコントローラ 14 コントロールユニット 16 ハンドル角センサ 18 車速センサ 20 横加速度センサ 22 ヨーレイトセンサ 24 ロールレイトセンサ 26 算出部 36 ニューラルネットワーク 38 メモリ 42 出力減衰部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪が操舵されるとき、前輪の操舵に基
    づいて後輪を操舵する車両の後輪操舵制御装置におい
    て、 前輪の操舵状態を検出し、前輪操舵状態量を出力する操
    舵状態検出手段と、 車両の車速を検出し、車速を出力する車速検出手段と、 前記前輪操舵状態量及び前記車速に加えて、前記前輪操
    舵状態量に働きかける制御変数に基づいて目標後輪操舵
    量を算出する算出手段と、 入力に前記前輪操舵状態量及び前記車速を有したニュー
    ラルネットワークを含み、このニューラルネットワーク
    の出力として、車両の旋回走行状況に応じた前記制御変
    数を演算する制御変数演算手段とを具備したことを特徴
    とする車両の後輪操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 前記操舵状態検出手段は、ステアリング
    ハンドルのハンドル角を検出し、ハンドル角を出力する
    ハンドル角検出手段と、検出したハンドル角に基づき前
    輪舵角及び前輪舵角速度を算出する手段とを含み、 前記算出手段は、前記前輪舵角及び前輪舵角速度を前記
    前輪操舵状態量として前記目標後輪操舵量を算出し、こ
    の算出の際、前記制御変数は前記前輪舵角速度に乗算さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の車両の後輪操舵
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御変数演算手段は、前記ニューラ
    ルネットワークから出力された制御変数を前記車速に応
    じて規制する規制手段を備えていることを特徴とする請
    求項1に記載の車両の後輪操舵制御装置。
  4. 【請求項4】 前記規制手段は、前記車速が所定の速度
    域にあるときには車速の増加に伴い0から1に向かって
    増加し、前記速度域以上では1に維持される減衰係数を
    前記制御変数に乗算し、減衰後の制御変数を出力するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の車両の後輪操舵制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記制御変数演算手段は3層のニューラ
    ルネットワークを有しており、このニューラルネットワ
    ークにおける入力層の各ユニットには車速、ステアリン
    グハンドルのハンドル角に関する時系列データ及びハン
    ドル角速度、並びに、車両に関する横加速度、ヨーレイ
    ト及びロールレイトがそれぞれ入力され、入力層の各ユ
    ニットは中間層の各ユニットにそれぞれ結合されている
    ことを特徴とする請求項1の車両の後輪操舵制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御変数演算手段は4層のニューラ
    ルネットワークを有し、このニューラルネットワークに
    おける入力層の各ユニットには車速、ステアリングハン
    ドルのハンドル角に関する時系列データ及びハンドル角
    速度がそれぞれ入力され、入力層内の前記時系列データ
    が入力されるユニットは第1中間層の各ユニットにそれ
    ぞれ結合されている一方、入力層の前記ハンドル角速度
    及び車速が入力されるユニットは、前記第1中間層の各
    ユニットに結合された第2中間層の各ユニットにそれぞ
    れ結合されていることを特徴とする請求項1に記載の車
    両の後輪操舵制御装置。
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