JPH06207951A - ヨーレートセンサの異常検出装置 - Google Patents

ヨーレートセンサの異常検出装置

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JPH06207951A
JPH06207951A JP316493A JP316493A JPH06207951A JP H06207951 A JPH06207951 A JP H06207951A JP 316493 A JP316493 A JP 316493A JP 316493 A JP316493 A JP 316493A JP H06207951 A JPH06207951 A JP H06207951A
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JP
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yaw rate
abnormality
rate sensor
value
sensor
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JP316493A
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Inventor
Tomomi Izumi
知示 和泉
Tatsuya Akita
龍也 秋田
Hiroshi Omura
博志 大村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヨーレートセンサを2つ設ける必要なくヨー
レートセンサの異常を早期に精度よく検出できるヨーレ
ートセンサの異常検出装置を提供する。 【構成】 実ヨーレートψ′の変化率Δψ′を検出し、
これが設定値Δψ′01またはΔψ′02以上になったとき
ヨーレートセンサに異常が発生したと判定する。 Δ
ψ′は、長短2種類の設定時間t=10ms、100m
s内にψ′が変化した量d1 、d2 の算出により各々検
出する。Δψ′0 は、t=10msのときの設定値Δ
ψ′01をt=100msのときの設定値Δψ′02よりも
大きい値に設定する。これにより、ヨーレートセンサを
2つ設ける必要なくヨーレートセンサの異常を早期に検
出でき、しかも設定値Δψ′0 を単に1つ設けた場合に
比して、ヨーレートセンサが異常か否かの判定を精度よ
く行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のヨーレートを検
出するヨーレートセンサの異常検出を行うヨーレートセ
ンサの異常検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前輪転舵に応じて後輪を転舵するように
構成された車両の操舵装置としては、従来より、前輪舵
角に応じてあるいはこれと車速とに応じて後輪を転舵す
るようにしたものが知られているが、例えば特開平4−
108079号公報に開示されているように、それ以外
の車両の走行状態量として前輪舵角変化率およびヨーレ
ートをも加味して後輪を転舵することにより、車両走行
時の回頭性および方向安定性を調和させ向上させるよう
にしたものも知られている。
【0003】上記操舵装置においては、車速、前輪舵
角、前輪舵角変化率およびヨーレートの各々の検出信号
から得られる信号演算値を加減算して後輪転舵制御用目
標値を決定し、この目標値に従って後輪を転舵するよう
に構成されている。
【0004】このような車両の操舵装置においては、車
両のヨーレートを検出するためのヨーレートセンサが用
いられるが、このヨーレートセンサに異常が発生すると
所期の後輪転舵制御を行うことができなくなるので、ヨ
ーレートセンサの異常発生を常時検出できるようにし、
異常発生を検出したときには、ヨーレート信号から得ら
れる信号演算値を用いないようにする必要がある。
【0005】ヨーレートセンサは、車両の操舵装置以外
にもABS(制動力制御装置)やTRC(駆動力制御装
置)等にも用いられるが、これら制御装置においてもヨ
ーレートセンサの異常検出を行うことが必要となる。
【0006】上記ヨーレートセンサの具体的構成とし
て、上下方向に配置された音叉を常時振動させておき、
車両がヨ−方向に回転したときこれに伴って上記音叉に
発生するコリオリの力を利用して車両のヨーレートを検
出するものが知られているが、このようなヨーレートセ
ンサにおいては、ヨーレートセンサの異常発振という異
常が発生しやすい。したがって、ヨーレートセンサの異
常発振を早期に精度よく検出することが望まれる。
【0007】このヨーレートセンサの異常を検出する装
置としては、ヨーレートセンサを2つ設け、各ヨーレー
トセンサの出力値が互いに不一致になったとき、ヨーレ
ートセンサに異常が発生したと判定する装置が考えられ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような異常検出
装置を採用しようとする場合には、ヨーレートセンサを
2つ設けることが必要となるが、ヨーレートセンサは高
価であるため、これを異常発振の検出だけのために1つ
余分に設けることはコスト面で無駄がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、ヨーレートセンサを2つ設ける必要な
くヨーレートセンサの異常を早期に精度よく検出するこ
とができるヨーレートセンサの異常検出装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヨーレート
センサの異常検出装置は、ヨーレートセンサの出力値の
変化率を利用したヨーレートセンサの異常検出を行うこ
とにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0011】すなわち、請求項1記載の発明は、車両の
ヨーレートを検出するヨーレートセンサの異常検出を行
う装置であって、前記ヨーレートセンサの出力値の変化
率を検出する変化率検出手段と、この変化率検出手段の
出力値が所定の設定値以上になったとき前記ヨーレート
センサに異常が発生したと判定する異常判定手段とを備
えてなり、前記変化率は、所定の設定時間内に前記ヨー
レートセンサの出力値が変化した量を算出することによ
り長短少なくとも2種類の設定時間について検出され、
前記設定値は、前記設定時間が長いときよりも短いとき
の方が大きい値に設定されている、ことを特徴とするも
のである。
【0012】また、請求項2記載の発明は、車両のヨー
レートを検出するヨーレートセンサの異常検出を行う装
置であって、左右の車輪速をそれぞれ検出し、左車輪の
所定時間平均車輪速と右車輪の所定時間平均車輪速との
差から車両の推定ヨーレートを算出する推定ヨーレート
検出手段と、この推定ヨーレート検出手段で算出された
推定ヨーレートを微分して得られる推定ヨーレート微分
値と、前記ヨーレートセンサで検出された実ヨーレート
を微分して得られる実ヨーレート微分値とが、正負逆符
号になる周期が所定値以下になったとき、前記ヨーレー
トセンサに異常が発生したと判定する異常判定手段とを
備えてなる、ことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明において
は、ヨーレートセンサの出力値の変化率が所定の設定値
以上になったときヨーレートセンサに異常が発生したと
判定する構成とされているので、ヨーレートセンサを2
つ設ける必要なくヨーレートセンサの異常を早期に検出
することができる。
【0014】しかも、上記変化率の検出は、所定の設定
時間内にヨーレートセンサの出力値が変化した量を算出
することにより長短少なくとも2種類の設定時間につい
て行われ、かつ、上記変化率設定値は、設定時間が長い
ときよりも短いときの方が大きい値となるよう設けられ
ているので、単に1つの変化率設定値が設けられている
場合に比して、ヨーレートセンサが異常か否かの判定を
精度よく行うことができる。
【0015】すなわち、設定時間を短くし変化率設定値
を大きくしておくことにより、通常の車両走行状態では
発生し得ない変化率が検出されたときは、異常発生の判
定がなされ、これによりヨーレートセンサの異常発振等
の異常検出を行うことができ、一方、設定時間を長くし
変化率設定値を小さくしておくことにより、実ヨーレー
トの変化率は通常の車両走行状態でも発生し得る範囲内
にあるがヨーレートセンサの出力値そのものが通常の車
両走行状態では発生し得ないほど大幅に変化したときに
は、異常発生の判定がなされ、これによりヨーレートセ
ンサの異常発振等以外の破損、断線等の異常検出を行う
ことができる。
【0016】仮に、ヨーレートセンサのあらゆる異常検
出を1つの変化率設定値のみで行おうとすれば、設定時
間を長くし変化率設定値を大きくする必要があるが、こ
のようにした場合には、ヨーレートセンサの異常発振等
の異常が発生するほど大きな変化率ではなく、かつこれ
が異常発振等以外の破損、断線等の異常が発生するほど
長い時間継続するものでない場合(すなわち正常な場
合)であっても、ヨーレートセンサに異常が発生したと
の判定がなされてしまうこととなる。これに対し、請求
項1記載の発明によれば、不必要に異常検出が行われる
おそれがない。
【0017】したがって、請求項1記載の発明によれ
ば、ヨーレートセンサを2つ設ける必要なくヨーレート
センサの異常を早期に精度よく検出することができる。
【0018】また、請求項2記載の発明においては、左
右の車輪速に基づいて算出された推定ヨーレートを微分
して得られる推定ヨーレート微分値とヨーレートセンサ
で検出された実ヨーレートを微分して得られる実ヨーレ
ート微分値とが正負逆符号になる周期が所定値以下にな
ったときヨーレートセンサに異常が発生したと判定する
ようになっているので、次のような作用効果を得ること
ができる。
【0019】すなわち、ヨーレートセンサの出力値は、
実際のヨーレートをリアルタイムで検出した値(実ヨー
レート)であるのに対し、上記推定ヨーレートは、左車
輪の所定時間平均車輪速と右車輪の所定時間平均車輪速
との差から算出されるものであるため、実ヨーレートに
対する位相の遅れが不可避的に生じるが、微細なヨーレ
ート変動は検出されない。
【0020】したがって、ヨーレートセンサに異常が発
生していなければ、位相遅れあるいは出力値の差が存在
するのみであり、実ヨーレート微分値と推定ヨーレート
微分値とが正負逆符号になる周期は比較的長いものとな
るが、ヨーレートセンサに異常発振等の異常が発生した
場合には、実ヨーレート微分値にのみその影響が現われ
るので、実ヨーレート微分値と推定ヨーレート微分値と
が正負逆符号になる周期は非常に短くなる。したがっ
て、両微分値が正負逆符号になる周期が所定値以下にな
ったときヨーレートセンサに異常が発生したと判定する
ようにすれば、ヨーレートセンサに異常発振等の異常が
発生したことを早期に精度よく検出することができる。
【0021】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、ヨーレートセンサを2つ設ける必要なくヨーレート
センサの異常を早期に精度よく検出することができる。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例について説明する。
【0023】図1は、本発明に係るヨーレートセンサの
異常検出装置の第1実施例が組み込まれた車両の操舵装
置を示す概要構成図である。
【0024】図示のように、本実施例に係る車両の操舵
装置10は、前輪12を転舵する前輪転舵機構14と、
この前輪転舵機構14に伝達シャフト16を介して機械
的に連結され、該前輪転舵機構14による前輪転舵と連
動して、後輪18を前輪転舵機構14から入力される前
輪舵角θF に応じた所定の目標後輪舵角TGθR (これ
については後述する。)となるよう転舵する後輪転舵機
構20と、この後輪転舵機構20内に設けられ、前輪舵
角θF に対する後輪舵角θR の比として表される転舵比
θS の設定および変更を行う転舵比可変機構22と、こ
の転舵比可変機構22を制御するコントロールユニット
24とを備えてなり、コントロールユニット24には、
左右の従動輪に設けられた1対の車速センサ26から従
動輪速V1 およびV2 、ヨーレートセンサ28からヨー
レートψ′、転舵比センサ30から転舵比θS 、前輪舵
角センサ32(ステアリングシャフトに設けられてい
る。)から前輪舵角θF の各信号が入力されるようにな
っている。上記ヨーレートセンサ28は、振動している
音叉により生じたコリオリの力を利用して車両のヨーレ
ートψ′を検出するようになっている。なお、上記後輪
転舵機構20の構成は、上記公報(特開平4−1080
79号公報)により公知であるので、その詳細な説明は
省略する。
【0025】上記コントロールユニット24は、従動輪
速V1 およびV2 を平均して得られる車速V、ヨーレー
トψ′および前輪舵角θF 、さらに前輪舵角θF を微分
して得られる前輪舵角変化率θ′F2の各々の検出信号か
ら得られる信号演算値を加減算して転舵比可変機構22
に対する目標転舵比TGθS (後輪転舵制御用目標値)
を決定し、さらにこの目標転舵比TGθS が、車速に応
じて設定された所定の許容範囲を超えたときには、この
目標転舵比TGθS を許容範囲内の値に修正するように
なっている。そして、修正後の目標転舵比TGθS1を用
いて、次式TGθR =θF ・TGθS1により、目標後輪
舵角TGθR を演算するようになっている。
【0026】上記目標転舵比TGθS は、次式 TGθS =−G1 ・f1 (V)・θS・ST +G2 ・K2 (θF2)・J2 (|θ′F2|)・f2 (V)・θS・YAW −G3 ・K3 (θF2)・f3 (V)・θS・STD +G4 ・f4 (V) で設定されている。
【0027】上式中、右辺第1項は舵角補正項であり、
第2項はヨーレート補正項であり、第3項は舵角変化率
補正項であり、第4項は車速に応じた後輪転舵制御を行
う際のベースとなる車速感応項である。このように目標
転舵比TGθS を設定することにより、車速感応型後輪
転舵制御をベースとして、直進走行状態から前輪を転舵
したとき、その転舵初期には後輪を前輪とは向きが反対
になる逆位相側へ転舵して回頭性を高めるとともに、そ
の後、ヨーレート発生に伴い後輪を前輪と向きが同じに
なる同位相側へ転舵して方向安定性を図る制御(位相反
転制御)を行うことができるようになっている。
【0028】上式中、G1 、G2 、G3 、G4 は定数で
あり、それ以外の各変数は、図2に示すように、車速
V、ヨーレートψ′および前輪舵角θF を基に、以下の
ようにして算出されるようになっている。
【0029】まず、右辺各項の変数f1 (V)、f
2 (V)、f3 (V)、f4 (V)は、車速感応ゲイン
であって、車速Vから、マップm10、m5、m13、
m1により、それぞれ算出するようになっている。上記
マップのうちマップm10、m13は、変数f
1 (V)、f3 (V)を、それぞれ低車速および高車速
領域では0、中車速領域では正の一定値とする特性にな
っている。また、上記マップのうちマップm5は、変数
2 (V)を、それぞれ低車速領域では0、中車速およ
び高車速領域では正の一定値とする特性になっている。
さらに、残りのマップm1は、変数f4 (V)を、低車
速領域では負の大きな値、中車速領域では車速が増大す
るに従って負から正の値に変化し、高車速領域では正の
大きな値とする特性になっている。
【0030】次に、右辺第1項の変数θS・STは、舵角補
正値であって、前輪舵角θF をマップm8によりオフセ
ットを付加してθF1とした後、マップm11によりこの
θF1にヒステリシスを付加してθF2とし、その絶対値を
とった|θF2|から、マップm9により算出するように
なっている。マップm8でオフセットを付加するのは、
微小舵角領域に不感帯を設けることにより不必要な制御
が行われるのを防止するためであり、また、マップm1
1でヒステリシスを付加するのは、制御にハンチングが
生じるのを防止するためである。上記マップm9は、変
数θS・STを、小舵角領域では0、中舵角領域では舵角に
比例した値、大舵角領域では正の一定値、さらに大きい
舵角領域になったときは異常が発生したとして0とする
特性になっている。
【0031】次に、右辺第2項の変数θS・YAW は、ヨー
レート補正値であって、ヨーレートψ′をマップm2に
よりオフセットを付加してψ′1 とした後、マップm3
によりこのψ′1 にヒステリシスを付加したψ′2
ら、マップm4により算出するようになっている。上記
オフセットおよびヒステリシスを付加する理由は、上記
変数θS・STの場合と同様である。上記マップm4は、変
数θS・YAW を、小ヨーレート領域ではψ′2 に比例した
値、中ヨーレート領域では正の一定値、大ヨーレート領
域では異常が発生したとして0とする特性になってい
る。
【0032】また、右辺第2項の変数K2 (θF2)は、
舵角感応ゲインであって、マップm11で得られたθF2
からマップm6により算出するようになっている。上記
マップm6は、変数K2 (θF2)を、小前輪舵角領域で
はθF2に略比例した値、前輪舵角が大きくなるに従って
増加率が減少する値とする特性になっている。
【0033】さらに、右辺の第2項の変数J2 (|θ′
F2|)は、舵角変化率感応ゲインであって、マップm1
1で得られたθF2を微分して絶対値をとった|θ′F2
からマップm7により算出するようになっている。上記
マップm7は、変数J2 (|θ′F2|)を、|θ′F2
が小さい領域すなわち小前輪舵角変化率領域では小さい
値、中前輪舵角変化率領域では大きい値、大前輪舵角変
化率領域では小前輪舵角変化率領域よりもさらに小さい
値とする特性になっている。
【0034】次に、右辺第3項の変数θS・STD は、舵角
変化率補正値であって、マップm11で得られたθF2
微分した値θ′F2からマップm12により算出するよう
になっている。上記マップm12は、変数θS・STD を、
小前輪舵角変化率領域ではθ′F2に比例した値、中前輪
舵角変化率領域では正の一定値、大前輪舵角変化率領域
では異常が発生したとして0とする特性になっている。
【0035】また、右辺第3項の変数K3 (θF2)は、
舵角感応ゲインであって、マップm11で得られたθF2
からマップm14により算出するようになっている。上
記マップm14は、変数K3 (θF2)を、小前輪舵角領
域ではθF2に略比例した値、前輪舵角が大きくなるに従
って増加率が減少する値とする特性になっている。
【0036】上記目標転舵比TGθS は、上式の右辺各
項毎に上記定数および変数を乗算して得られる信号演算
値を加減算することによって決定されるが、この加減算
値が異常値をとると、目標転舵比TGθS も異常値とな
るので、マップm15により、目標転舵比TGθS が、
車速Vに応じて設定された許容範囲(マップm15にお
いて斜線で示す部分)を超えたときには、この目標転舵
比TGθS を上記許容範囲内の上限値あるいは下限値
(マップm15において破線で示す曲線)に修正するよ
うになっている。なお、マップm15中の実線で示す曲
線は、マップm1に示す変数f4 (v)である。
【0037】上記コントロールユニット24は、さら
に、ヨーレートセンサ28の異常を検出する異常検出装
置としての構成を備えている。図3に示すように、この
異常検出装置40は、変化率検出手段42と異常判定手
段44とからなっている。
【0038】変化率検出手段42は、ヨーレートセンサ
28の出力値(実ヨーレートψ′)の変化率Δψ′を検
出するようになっている。この変化率Δψ′は、所定の
設定時間t内に実ヨーレートψ′が変化した量dを算出
することにより検出されるが、設定時間tは、t=10
ms、100msの長短2種類設定されている。
【0039】異常判定手段44は、この変化率検出手段
42の出力値すなわち変化率Δψ′が所定の設定値Δ
ψ′0 以上になったときヨーレートセンサ28に異常が
発生したと判定するようになっており、さらに、この判
定結果に基づく信号を目標値決定手段34に出力するよ
うになっている。すなわち、上記目標転舵比TGθS
演算式中の定数G1 、G2 、G3 を零に変更し、車速感
応型の後輪転舵制御のみを行わせるようになっている。
【0040】上記設定値Δψ′0 は、設定時間tが長い
ときの設定値Δψ′02よりも短いときの設定値Δψ′01
の方が大きい値に設定されている。具体的には、Δψ′
01=330deg/sec2 (t=10msのときd=
3.3deg/sec)であり、Δψ′02=200de
g/sec2 (t=100msのときd=20deg/
sec)である。
【0041】次に、本実施例の作用について説明する。
【0042】本実施例においては、実ヨーレートψ′の
変化率Δψ′が設定値Δψ′0 以上になったときヨーレ
ートセンサ28に異常が発生したと判定する構成とされ
ているので、ヨーレートセンサを2つ設ける必要なくヨ
ーレートセンサ28の異常を早期に検出することができ
る。
【0043】しかも、上記変化率Δψ′の検出は、設定
時間t内に実ヨーレートψ′が変化した量dを算出する
ことにより、長短2種類の設定時間t=10ms、10
0msについて行われ、かつ、上記設定値Δψ′0 は、
設定時間tが長いときの設定値Δψ′02よりも短いとき
の設定値Δψ′01の方が大きい値に設定されているの
で、設定値Δψ′0 が単に1つ設けられている場合に比
して、ヨーレートセンサ28が異常か否かの判定を精度
よく行うことができる。
【0044】すなわち、図4(a)に示すように、設定
時間をt=10msと短くし設定値Δψ′0 をΔψ′01
(=330deg/sec2 )と大きくしておくことに
より、通常の車両走行状態では発生し得ないような大き
な変化率Δψ′が検出されたときは異常発生の判定がな
され、これによりヨーレートセンサの異常発振等の異常
検出を行うことができ、一方、図4(b)に示すよう
に、設定時間をt=100msと長くし設定値Δψ′0
をΔψ′02(=200deg/sec2 )と小さくして
おくことにより、実ヨーレートψ′の変化率Δψ′は通
常の車両走行状態でも発生し得る範囲内にあるが実ヨー
レートψ′そのものが通常の車両走行状態では発生し得
ないほど大幅に変化したときには異常発生の判定がなさ
れ、これによりヨーレートセンサ28の異常発振等以外
の破損、断線等の異常検出を行うことができる。
【0045】仮に、ヨーレートセンサ28のあらゆる異
常検出を1つの変化率設定値のみで行おうとすれば、設
定時間tを長くし設定値Δψ′0 を大きくする必要があ
るが、このようにした場合には、図4(c)に示すよう
に、ヨーレートセンサ28の異常発振等の異常が発生す
るほど大きな変化率ではなく、かつこれが異常発振等以
外の破損、断線等の異常が発生するほど大幅な変化でな
い場合(すなわち正常な場合)であっても、ヨーレート
センサ28に異常が発生したとの判定がなされてしまう
こととなる。これに対し、本実施例によれば、不必要に
異常検出が行われるおそれがない。
【0046】したがって、本実施例によれば、ヨーレー
トセンサを2つ設ける必要なくヨーレートセンサのあら
ゆる異常を早期に精度よく検出することができる。
【0047】本実施例においては、Δψ′≧Δψ′01
たはΔψ′≧Δψ′02の判定が一度でもなされると、即
座にヨーレートセンサ28の異常検出が行われるよう構
成されているが、Δψ′≧Δψ′01またはΔψ′≧Δ
ψ′02の判定が何度か繰り返されたときに初めてヨーレ
ートセンサ28の異常検出が行われる構成としてもよ
い。このようにすることにより、異常の早期検出という
点は多少犠牲になるが、ヨーレートセンサ28に異常が
発生したことが明白になった時点で異常検出を行うこと
ができ、異常検出の精度を一層高めることができる。
【0048】また、本実施例においては、変化率Δψ′
の検出が長短2種類の設定時間tについて行われるよう
構成されているが、3種類以上の設定時間tについて変
化率Δψ′の検出を行うとともに、その各々に対応した
設定値Δψ′0 を設けるようにしてもよい。このように
することにより、異常検出の精度を一層高めることがで
きる。
【0049】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0050】本実施例に係るヨーレートセンサの異常検
出装置50は、図5に示すように、推定ヨーレート検出
手段52と異常判定手段54とからなっており、第1実
施例と同様、車両の操舵装置のコントロールユニット2
4に設けられている。
【0051】推定ヨーレート検出手段52は、左右の従
動輪速V1 、V2 をそれぞれ検出し、左の従動輪速V1
の所定時間平均車輪速と右の従動輪速V2 の所定時間平
均車輪速との差と、両従動輪間の距離とから車両の推定
ヨーレートψ′V を算出するようになっている。左右の
従動輪速V1 、V2 検出から推定ヨーレートψ′V 算出
までにはある程度の時間を要するので、この推定ヨーレ
ートψ′V は、実ヨーレートψ′に対して位相が遅れた
ものとなり、また微細なヨーレート変動は推定ヨーレー
トψ′V として検出されない。
【0052】異常判定手段54は、推定ヨーレートψ′
V および実ヨーレートψを微分するとともに、推定ヨー
レートψ′V を微分して得られる推定ヨーレート微分値
ψ″V と実ヨーレートψを微分して得られる実ヨーレー
ト微分値ψ″とが正負逆符号になる周期が所定値以下に
なったときヨーレートセンサ28に異常が発生したと判
定するようになっており、さらに、この判定結果に基づ
く信号を目標値決定手段34に出力するようになってい
る。すなわち、上記目標転舵比TGθS の演算式中の定
数G1 、G2 、G3 を零に変更し、車速感応型の後輪転
舵制御のみを行わせるようになっている。
【0053】次に、本実施例の作用について説明する。
【0054】実ヨーレートψ′に対して推定ヨーレート
ψ′V は位相遅れを生じるが、ヨーレートセンサ28が
正常に作動しているときには、図6(a)に示すよう
に、推定ヨーレートψ′V と実ヨーレートψ′との間に
は位相遅れあるいは出力値の差が存在するのみであり、
したがって、図6(a′)に示すように、両出力値を微
分した推定ヨーレート微分値ψ″V と実ヨーレート微分
値ψ″とが正負逆符号になる周期は比較的長いものとな
る。図6(a′)において斜線で示す部分が、両微分値
ψ″V 、ψ″が正負逆符号になる時間領域である。
【0055】一方、図6(b)に示すように、ヨーレー
トセンサ28に異常発振等の異常が発生した場合には、
実ヨーレートψ′が高周波成分を含んでいるので、実ヨ
ーレート微分値ψ″の周期は非常に短いものとなり、し
たがって、図6(b′)に示すように、推定ヨーレート
微分値ψ″V と実ヨーレート微分値ψ″とが正負逆符号
になる周期は非常に短くなる。図6(b′)において斜
線で示す部分が、両微分値ψ″V 、ψ″が正負逆符号に
なる時間領域である。
【0056】本実施例においては、両微分値ψ″V
ψ″が正負逆符号になる周期が所定値以下になったとき
ヨーレートセンサ28に異常が発生したと判定するよう
になっているので、ヨーレートセンサ28に異常発振等
の異常が発生したことを早期に精度よく検出することが
できる。
【0057】このように、本実施例によれば、ヨーレー
トセンサを2つ設ける必要なくヨーレートセンサ28の
異常を早期に精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヨーレートセンサの異常検出装置
の第1実施例が組み込まれた車両の操舵装置を示す概要
構成図
【図2】上記操舵装置の作用を示す制御ブロック図
【図3】第1実施例の構成を示すブロック図
【図4】第1実施例の作用を示す波形図
【図5】本発明に係るヨーレートセンサの異常検出装置
の第2実施例の構成を示すブロック図
【図6】第2実施例の作用を示す波形図
【符号の説明】
10 操舵装置 14 前輪転舵機構 20 後輪転舵機構 22 転舵比可変機構 24 コントロールユニット(目標値決定手段、異常
検出装置) 26 車速センサ 28 ヨーレートセンサ 30 転舵比センサ 32 前輪舵角センサ 34 目標値決定手段 40 異常検出装置 42 変化率検出手段 44 異常判定手段 50 異常検出装置 52 推定ヨーレート検出手段 54 異常判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 113:00 137:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のヨーレートを検出するヨーレート
    センサの異常検出を行う装置であって、 前記ヨーレートセンサの出力値の変化率を検出する変化
    率検出手段と、この変化率検出手段の出力値が所定の設
    定値以上になったとき前記ヨーレートセンサに異常が発
    生したと判定する異常判定手段とを備えてなり、 前記変化率は、所定の設定時間内に前記ヨーレートセン
    サの出力値が変化した量を算出することにより長短少な
    くとも2種類の設定時間について検出され、 前記設定値は、前記設定時間が長いときよりも短いとき
    の方が大きい値に設定されている、ことを特徴とするヨ
    ーレートセンサの異常検出装置。
  2. 【請求項2】 車両のヨーレートを検出するヨーレート
    センサの異常検出を行う装置であって、 左右の車輪速をそれぞれ検出し、左車輪の所定時間平均
    車輪速と右車輪の所定時間平均車輪速との差から車両の
    推定ヨーレートを算出する推定ヨーレート検出手段と、 この推定ヨーレート検出手段で算出された推定ヨーレー
    トを微分して得られる推定ヨーレート微分値と、前記ヨ
    ーレートセンサで検出された実ヨーレートを微分して得
    られる実ヨーレート微分値とが、正負逆符号になる周期
    が所定値以下になったとき、前記ヨーレートセンサに異
    常が発生したと判定する異常判定手段とを備えてなる、
    ことを特徴とするヨーレートセンサの異常検出装置。
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