JP3445927B2 - 中通し竿及びその製造方法 - Google Patents

中通し竿及びその製造方法

Info

Publication number
JP3445927B2
JP3445927B2 JP30542097A JP30542097A JP3445927B2 JP 3445927 B2 JP3445927 B2 JP 3445927B2 JP 30542097 A JP30542097 A JP 30542097A JP 30542097 A JP30542097 A JP 30542097A JP 3445927 B2 JP3445927 B2 JP 3445927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
ridge
prepreg
fishing line
reinforced resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP30542097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1094349A (ja
Inventor
宗樹 岡田
和也 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimano Inc filed Critical Shimano Inc
Priority to JP30542097A priority Critical patent/JP3445927B2/ja
Publication of JPH1094349A publication Critical patent/JPH1094349A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3445927B2 publication Critical patent/JP3445927B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fishing Rods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、竿体の内部に釣糸
を通す中通し竿に関する。
【0002】
【従来の技術】中通し竿は、釣糸の繰り出し及び巻き取
りの際に、竿体の内部に設けられた釣糸通路を釣糸が通
過する。このとき、釣糸が釣糸通路の内面に接触して摺
動抵抗を受けることになり、釣糸の繰り出しや巻き取り
がスムーズに行い難くなり易い。
【0003】そこで、このような摺動抵抗を少なくする
ための技術が提案されている。特開平4−341133
号公報には、断面円形の線状体からなる案内リングを、
釣糸通路の内周に一部が突出する状態で埋め込んでおく
技術が示されている。同様の線状体を螺旋状に配置して
おく技術も示されている。ここでは、断面円形の線状体
によって釣糸を支持することで摺動抵抗を減らそうとし
ている。
【0004】しかし、この技術では、線状体の一部が竿
体に埋め込まれているだけなので、釣糸から加わる力で
線状体が竿体から外れ易いという問題がある。すなわ
ち、断面円形の線状体と断面円形の釣糸とは点接触をす
るので、接触点に大きな応力が発生し線状体が外れ易く
なる。また、大きな応力が生じると、線状体あるいは釣
糸がすり切れたり釣糸の耐久性が損なわれるという問題
も生じる。
【0005】このような問題を解決する技術として、実
開平5−88259号公報に示された技術がある。この
技術は、繊維強化樹脂で竿体を製造する際に用いるマン
ドレルに、樹脂テープを螺旋状に巻回しておき、その上
にプリプレグを巻回して焼成し、製造された竿体の内面
から樹脂テープを取り除くことで、竿体の内面に螺旋帯
状の凹凸を形成する。この螺旋帯状の凹凸のうち凸部を
釣糸の支持構造として利用する。
【0006】この技術では、釣糸の支持構造である螺旋
帯状の凸部が竿体と同じ材料で一体成形されているの
で、凸部が竿体から外れ難く、耐久性に優れたものとな
る。凸部の先端面にはある程度の面積があるので釣糸と
の接触面積が適度にあり、凸部および釣糸に過大な接触
応力が発生するのを防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した螺旋帯状の凸
部を用いる技術では、螺旋帯状の凸部の配置形状によっ
て、釣糸の支持機能に大きな違いが生じる。凸部の形状
によって、釣糸に対する接触抵抗が過大になったり、釣
糸が損傷し易くなったりする。また、竿体と一体成形さ
れた凸部であっても、釣糸から加わる接触抵抗力が過大
になったり長期間使用していると、竿体の本体部分から
剥がれたり変形したりすることがある。
【0008】本発明の目的は、釣糸に対する接触抵抗を
十分に小さくするとともに釣糸および釣糸の支持構造の
損傷を防いで耐久性を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明1にかかる中通し竿
の製造方法は、内部に釣糸を挿通可能な釣糸通路を有す
る中通し竿の製造方法であって、以下の工程を含んでい
る。 ◎マンドレルの外周に所定の間隔で突条テープを巻回す
る工程。 ◎突条テープの外周に離型用テープを密に巻回し、突条
テープを断面台形状に変形させる工程。 ◎離型用テープの外周に繊維強化樹脂からなる複数のプ
リプレグテープを巻回し、焼成する工程。 ◎突条テープ及び離型用テープを剥離する工程。
【0010】発明2にかかる中通し竿の製造方法は、発
明1の方法であって、プリプレグテープを巻回する工程
は、強化繊維がマンドレルの周方向に配向されるように
内周用プリプレグテープを離型用テープの外周に巻回
し、強化繊維がマンドレルの軸方向に配向されるように
外周用プリプレグテープを内周用プリプレグテープの外
周に巻回する。
【0011】発明3にかかる中通し竿の製造方法は、内
部に釣糸を挿通可能な釣糸通路を有する中通し竿の製造
方法であって、以下の工程を含んでいる。 ◎マンドレルの外周に所定の間隔で突条テープを巻回す
る工程。 ◎突条テープの外周に繊維強化樹脂からなる複数のプリ
プレグテープを密に巻回し、突条テープを断面台形状に
変形させる工程。 ◎プリプレグテープを巻回した素材を焼成する工程。 ◎突条テープを剥離する工程。
【0012】発明4にかかる中通し竿の製造方法は、発
明3の方法であって、複数のプリプレグテープを巻回す
る工程は、突条テープの外周に繊維強化樹脂からなる第
1〜第3プリプレグシートを順次巻回するものである。
発明5にかかる中通し竿の製造方法は、発明4の方法で
あって、第1プリプレグテープ及び第3プリプレグテー
プはそれぞれ同じ厚さを有しており、第2プリプレグテ
ープは第1プリプレグテープ及び第3プリプレグテープ
の厚さに比べて厚く形成されている。
【0013】発明6にかかる中通し竿の製造方法は、発
明4又は5の方法であって、プリプレグテープを巻回す
る工程は、強化繊維が前記マンドレルの周方向に配向さ
れるように、第1プリプレグテープを突条テープの外周
に巻回し、強化繊維がマンドレルの軸方向に配向される
ように、第2プリプレグテープを第1プリプレグテープ
の外周に巻回し、強化繊維がマンドレルの周方向に配向
されるように、第3プリプレグテープを第2プリプレグ
テープの外周に巻回する工程である。
【0014】発明7にかかる中通し竿の製造方法は、内
部に釣糸を挿通可能な釣糸通路を有する中通し竿の製造
方法であって、以下の工程を含んでいる。 ◎マンドレルの外周に所定の間隔で突条テープを巻回す
る工程。 ◎マンドレルの突条テープの隙間部分に繊維強化樹脂か
らなる支持突条形成用プリプレグテープを巻回する工
程。 ◎突条テープ及び支持突条形成用プリプレグテープの外
周に繊維強化樹脂からなる複数の竿体形成用プリプレグ
テープを密に巻回し、突条テープ及び支持突条形成用プ
リプレグテープを断面台形状に変形させる工程。 ◎プリプレグテープを巻回した素材を焼成する工程。 ◎突条テープを剥離する工程。
【0015】発明8にかかる中通し竿の製造方法は、発
明7の方法であって、竿体形成用プリプレグテープを巻
回する工程は、プリプレグテープとガラスクロスとを交
互に突条テープ及び支持突条形成用プリプレグテープの
外周に巻回する。発明9にかかる中通し竿は、内部に釣
糸通路を有する竿体と、竿体とともに繊維強化樹脂で一
体成形されて釣糸通路の内面に螺旋帯状に配置され断面
台形状で上辺角部に弧状部を有する釣糸支持突条とを備
えている。そして、竿体は、周方向に強化繊維が配向さ
れた第1繊維強化樹脂層と、第1繊維強化樹脂層の外周
に設けられ長さ方向に強化繊維が配向された第2繊維強
化樹脂層と、第2繊維強化樹脂層の外周に設けられ周方
向に強化繊維が配向された第3繊維強化樹脂層とを有す
る。
【0016】発明10にかかる中通し竿は、発明9の中
通し竿であって、釣糸支持突条は断面台形状の下辺部に
弧状部をさらに有している。発明11にかかる中通し竿
は、内部に釣糸通路を有する竿体と、竿体とともに繊維
強化樹脂で一体成形されて釣糸通路の内面に螺旋帯状に
配置され断面台形状で下辺角部に弧状部を有する釣糸支
持突条とを備えている。そして、竿体は、周方向に強化
繊維が配向された第1繊維強化樹脂層と、第1繊維強化
樹脂層の外周に設けられ長さ方向に強化繊維が配向され
た第2繊維強化樹脂層と、第2繊維強化樹脂層の外周に
設けられ周方向に強化繊維が配向された第3繊維強化樹
脂層とを有している。
【0017】発明12にかかる中通し竿は、発明9〜1
1のいずれかの中通し竿であって、竿体は、第3繊維強
化樹脂層の外周に設けられ長さ方向に強化繊維が配向さ
れた第4繊維強化樹脂層をさらに有している。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1に示す中通し竿10は、中通し竿
10を操作するためのグリップ部12と、グリップ部1
2の先端側に連結された竿体14とを有する。竿体14
は繊維強化樹脂で成形されている。グリップ部12に
は、釣糸30を巻回するリール20が装着されている。
竿体14は筒状をなし、竿元側に釣糸30の導入口16
を有する。竿体14の先端には管状の釣糸案内部18を
有する。リール20から引き出された釣糸30は、導入
口16から竿体14の内部に入り、釣糸案内部18から
外部に引き出される。
【0019】図2に示すように、竿体14の内部には釣
糸通路15を有する。釣糸通路15の内面には螺旋帯状
の釣糸支持突条40が竿体14と一体に成形されてい
る。図3に示すように、釣糸支持突条40は断面台形状
をなし、幅の広い下辺が釣糸通路15の内面側に接続さ
れ、幅の狭い上辺が釣糸通路15の中心側に突き出して
いる。釣糸支持突条40の上辺角部には弧状部45が設
けられている。釣糸支持突条40の下辺角部にも弧状部
46が設けられている。
【0020】釣糸支持突条40は、その内部に多数の強
化繊維44が並んで埋め込まれている。強化繊維44は
撚糸からなる。強化繊維44は、螺旋状をなす釣糸支持
突条40の螺旋方向とほぼ平行になるように配向されて
いる。強化繊維44として、チラノ繊維(SIC繊維)
と呼ばれる強化繊維が用いられる。このチラノ繊維は、
Si、C、O元素を主成分としてTi、B、N元素を含
んでいる。この繊維を、繊維径8.5μmで0.8K×
4本ヨリ(160ターンヨリ)で用いる。
【0021】釣糸支持突条40の各部の寸法として、下
辺の幅W2 が0.6〜1.2mmに設定されている。断面
台形状であるから、上辺の幅W1 は下辺の幅W2 よりも
少し小さくなっている。高さHは0.2〜0.6mmに設
定されている。螺旋帯状のリード角θ(図1参照)が5
0°以下に設定されている。上辺角部の弧状部45は半
径R1 =0.05〜2mmの円弧であり、下辺角部の弧状
部46は半径R2 =0.05〜2mmの円弧である。
【0022】上記のような構造の釣糸支持突条40を竿
体14に設けるには、前記した実開平5−88259号
公報に開示された製造技術が適用できる。この製造工程
で、竿体14を製造するためのマンドレルに巻回してお
く樹脂テープの幅、厚み、巻き付けリード角などの条
件、あるいは、プリプレグの特性、プリプレグを構成す
る合成樹脂と強化繊維の特性などを調整することで、前
記した釣糸支持突条40の形状構造が形成される。
【0023】次に、具体的製造例について説明する。図
4(a) に示すように、マンドレル100の外周にワック
スなどからなる離型剤110を塗布する。離型剤110
の上に、ポリプロピレン樹脂からなる離型用テープ11
2を密に巻回する。離型用テープ112の外周に、成形
しようとする釣糸支持突条40の形状に対応する突条テ
ープ114を所定のピッチで間隔をあけて螺旋状に巻回
する。突条テープ114は、布を基材とするテープであ
る。突条テープ114の上に、前記同様の離型用テープ
116を密に巻回する。離型用テープ116の外周に
は、突条テープ114の外周形状に対応する断面台形状
の螺旋突条が形成される。突条テープ114は、巻回前
の状態では断面矩形状をなすが、マンドレル100に緊
張状態で巻回されたり離型用テープ116で加圧された
りすることによって、マンドレル100側に押しつけら
れて台形状に変形している。なお、予め断面台形状に成
形された突条テープ114を用いることもできる。
【0024】離型用テープ116の上に、複数層のプリ
プレグ層120〜126を配置する。プリプレグ層12
0〜126は、炭素繊維などの強化繊維を樹脂に含浸さ
せたシート状プリプレグを細いテープ状に裁断したプリ
プレグテープを用いて、このプリプレグテープを密に巻
回して形成する。最内層のプリプレグ層120は、プリ
プレグテープとしてテープの長さ方向に強化繊維が配向
されたものを用い、プリプレグテープを突条テープ11
4の螺旋方向と同じ向きに巻回する。その結果、プリプ
レグ層120の強化繊維の配向は、マンドレル100の
周方向に沿って突条テープ114の螺旋方向とほぼ一致
することになる。
【0025】第2のプリプレグ層122は、強化繊維が
テープ幅方向に配向されたプリプレグテープを用いた
り、強化繊維が長手方向に配向されたプリプレグシート
を長手方向がマンドレル100の軸方向に沿うように巻
回したりして作製する。その結果、プリプレグ層122
は、強化繊維がマンドレル100の軸方向に配向された
状態になる。
【0026】第3のプレプレグ層124および第4のプ
レプレグ層126は、第2のプリプレグ層122と同様
にして作製する。強化繊維はマンドレル100の軸方向
に配向される。このようにして4層のプリプレグ層12
0〜126が配置された後、その外周にポリエチレンテ
レフタレート(PET)やポリプロピレンなどからなる
保形用テープ(図示せず)を巻回して、常法により焼成
を行う。焼成後に外周の保形用テープを剥離し、内周の
離型用テープ112、突条テープ114および離型用テ
ープ116を取り外せば、図4(b) に示す竿体14が得
られる。
【0027】竿体14の内周には断面円形状の釣糸通路
15が形成され、釣糸通路15の内周面には断面台形状
をなす螺旋状の釣糸支持突条40が形成される。図4
(b) には、説明を判り易くするために各プリプレグ層1
20〜126を分離して表示しているが、焼成後の竿体
14においては各プリプレグ層120〜126は一体化
している。
【0028】なお、釣糸支持突条40の断面形状は、台
形状をなすとともに、上辺および下辺の角部が弧状にな
る。これは、突条テープ114や離型用テープ116の
凹凸形状の角部に若干の丸みがあったり、プリプレグ層
120の樹脂が成形される際に樹脂の特性によって角部
に丸みが生じるためである。突条テープ114の角部を
円弧状に形成しておかなくても、釣糸支持突条40に弧
状部45、46を形成することは可能である。
【0029】上記実施の形態では、ポリプロピレン樹脂
からなる離型用テープ112を用いているので、離型用
テープ112の表面には若干の界面活性剤が付いてい
る。この界面活性剤が竿体14の内周面で釣糸支持突条
40の間の谷部分の表面を親水性にする。その結果、釣
糸支持突条40の間の谷部分で水滴ができ難くなり排水
が良好に行われるようになる。
【0030】[第2実施形態]前記第1実施形態におけ
る製造方法と基本的な工程は同じであり、相違点を主に
説明する。図5に示すように、マンドレル100の外周
に離型剤110を塗布する。この離型剤110の上に直
接に突条テープ114を螺旋状に巻く。突条テープ11
4の外周に離型用テープを介さず直接にプリプレグ層1
20〜126を配置する。その後の工程は前記第1実施
形態と同じである。
【0031】上記第2実施形態では、第1実施形態に比
べて離型用テープ112、116が不要になるので製造
工程が簡略化される。但し、突条テープ114とプリプ
レグ層120が直接に触れるので、突条テープ114と
して剥離性の良いものを用いる。成形時にプリプレグ層
120の内周面の一部が離型剤110が接触しているこ
とで、製造後の釣糸支持突条40の先端にも離型剤11
0が付着した状態になり撥水性が向上する。
【0032】また、突条テープ114に表面処理を施し
ておくことで、突条テープ114が接触するプリプレグ
層120の表面すなわち釣糸支持突条40の間に生じる
谷部分の釣糸通路15表面を親水性に出来る。このよう
にすれば、親水性を有する釣糸通路15の谷部分に沿っ
て水が流れるので、竿体14内部に浸入した水の排出が
良好に行われる。
【0033】[第3実施形態]基本的な工程は第2実施
形態と同じである。図6に示すように、竿体14をプリ
プレグ層130〜134で構成する。内層のプリプレグ
層130は、釣糸支持突条40の螺旋方向に沿って強化
繊維が配向している。外層のプリプレグ層134は、竿
体14の軸に対して略直角方向すなわち周方向に強化繊
維が配向している。中間層のプリプレグ層132は、竿
体14の軸方向に沿って強化繊維が配向しているととも
に、内外層のプリプレグ層130、134に比べて分厚
く形成されている。具体的には、中間層132の厚みを
内外層130、134の厚みの3倍程度にすることがで
きる。
【0034】[第4実施形態]基本的な工程は第2実施
形態と同じである。図7に示すように、竿体14を、プ
リプレグ層140、142、144、146と各プリプ
レグ層140〜146の間に介在するガラスクロス層1
41、143、145とで構成する。
【0035】最内層のプリプレグ層140は、釣糸支持
突条40の部分のみに配置されている。具体的には、マ
ンドレル100に離型剤110を塗布し、その上に突条
テープ114を螺旋状に巻回したあと、突条テープ11
4の隙間部分を埋めるようにプリプレグテープを巻回す
ることでプリプレグ層140が形成される。プリプレグ
層140の強化繊維の配向は、突条テープ114の螺旋
方向と一致している。
【0036】プリプレグ層140と突条テープ114の
外周面で構成される平坦面にガラスクロス層141を配
置する。ガラスクロス層141…とプリプレグ層142
…を交互に積み重ねて配置する。最内層のプリプレグ層
140を除くプリプレグ層142…は、竿体14の軸方
向に沿って強化繊維が配向されている。各プリプレグ層
140…の層間にガラスクロス層141…を介在させる
ことで、竿体14の軸方向に強化繊維が配向されてバラ
ケを生じやすいプリプレグ層142…のバラケ発生を阻
止できる。
【0037】[第5実施形態]基本的な工程は第2実施
形態と同じである。図8に示すように、竿体14を、プ
リプレグ層150〜153で構成する。内層のプリプレ
グ層150と第3層のプリプレグ層152は、竿体14
の周方向に沿って強化繊維が配向されており、第2層の
プリプレグ層151と外層のプリプレグ層153は竿体
14の軸方向に沿って強化繊維が配向されている。外層
のプリプレグ層153は、他のプリプレグ層152…に
比べて、約3〜5倍程度の厚みに設定されている。
【0038】このような層構成を採用することで、曲げ
強度の高い竿体14が得られる。 [他の実施形態] (a) 中通し竿10の構造は、図示した実施形態のほか、
通常の中通し竿と同様の構造を適宜に組み合わせて構成
することができる。リール20やグリップ部12、導入
口16、釣糸案内部18などの構造も、通常の中通し竿
と同様の構造が採用できる。
【0039】(b) 竿体14および釣糸支持突条40を構
成する繊維強化樹脂の材料は、通常の釣り竿に用いられ
ている材料が使用できる。釣糸支持突条40に埋め込ま
れる強化繊維44は、竿体14を構成する繊維強化樹脂
における強化繊維と同様の材料を用いることができる。 (c) 釣糸支持突条40の断面形状および寸法は、前記実
施例の条件を全て備えているのが好ましいが、本願発明
の範囲から外れなければ、一部の形状および寸法を変更
して実施することもできる。
【0040】(d) 釣糸支持突条40は、竿体14の全長
にわたって設けておいてもよいし、釣糸30の支持に必
要な一部の個所のみに設けておいてもよい。釣糸支持突
条40の形状や寸法を竿体14の場所によって変えてお
くこともできる。本願発明の釣糸支持突条40と、従来
の釣糸支持構造を併用することもできる。 (e) 釣糸支持突条40を含む竿体14を構成する繊維強
化樹脂の樹脂としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
が用いられる。また、熱可塑性樹脂を用いることも可能
である。強化繊維としては、炭素繊維やボロン繊維な
ど、通常の繊維強化樹脂に利用されている強化繊維が使
用できる。
【0041】(f) 竿体14の製造方法は、前記した各製
造例のほか、各製造例に示された材料や層構成および製
造工程を適宜に組み合わせて構成することができる。ま
た、前記各製造例には示されていない既知の釣竿製造技
術を組み合わせることもできる。 (g) 製造時に用いる離型剤110、118としては、前
記したワックスの他、シリコンなどの通常の離型剤が用
いられる。
【0042】(h) 製造時に用いる突条テープ114は、
布や合成樹脂、ゴムなどの材料を組み合わせて構成する
ことができる。例えば、アセテート布に熱硬化性ゴム系
粘着剤を塗布したものが用いられる。 (i) 製造工程として、前記した焼成によって竿体14お
よび釣糸支持突条40が成形された後、必要に応じて、
釣糸支持突条40の表面を研磨して釣糸支持突条40の
形状を加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を表す中通し竿の正面図
【図2】竿体の拡大断面図
【図3】釣糸支持突条の拡大断面図
【図4】竿体の製造方法を表す製造途中(a) および製造
後(b) の断面図
【図5】別の製造方法を表す製造途中の断面図
【図6】別の製造方法を表す製造後の断面図
【図7】別の製造方法を表す製造後の断面図
【図8】別の製造方法を表す製造後の断面図
【符号の説明】
10 中通し竿 14 竿体 15 釣糸通路 30 釣糸 40 釣糸支持突条 44 強化繊維 45、46 弧状部

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に釣糸を挿通可能な釣糸通路を有する
    中通し竿の製造方法であって、 マンドレルの外周に所定の間隔で突条テープを巻回する
    工程と、 前記突条テープの外周に離型用テープを密に巻回し、前
    記突条テープを断面台形状に変形させる工程と、 前記離型用テープの外周に繊維強化樹脂からなる複数の
    プリプレグテープを巻回し、焼成する工程と、 前記突条テープ及び離型用テープを剥離する工程とを含
    む中通し竿の製造方法。
  2. 【請求項2】前記プリプレグテープを巻回する工程は、 強化繊維が前記マンドレルの周方向に配向されるよう
    に、内周用プリプレグテープを前記離型用テープの外周
    に巻回し、 強化繊維が前記マンドレルの軸方向に配向されるよう
    に、外周用プリプレグテープを前記内周用プリプレグテ
    ープの外周に巻回する、請求項1に記載の中通し竿の製
    造方法。
  3. 【請求項3】内部に釣糸を挿通可能な釣糸通路を有する
    中通し竿の製造方法であって、 マンドレルの外周に所定の間隔で突条テープを巻回する
    工程と、 前記突条テープの外周に繊維強化樹脂からなる複数のプ
    リプレグテープを密に巻回し、前記突条テープを断面台
    形状に変形させる工程と、 前記プリプレグテープを巻回した素材を焼成する工程
    と、 前記突条テープを剥離する工程とを含む中通し竿の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記複数のプリプレグテープを巻回する工
    程は、突条テープの外周に繊維強化樹脂からなる第1〜
    第3プリプレグシートを順次巻回するものである、請求
    項3に記載の中通し竿の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1プリプレグテープ及び第3プリプ
    レグテープはそれぞれ同じ厚さを有しており、前記第2
    プリプレグテープは前記第1プリプレグテープ及び第3
    プリプレグテープの厚さに比べて厚く形成されている、
    請求項4に記載の中通し竿の製造方法。
  6. 【請求項6】前記プリプレグテープを巻回する工程は、 強化繊維が前記マンドレルの周方向に配向されるよう
    に、第1プリプレグテープを前記突条テープの外周に巻
    回し、 強化繊維が前記マンドレルの軸方向に配向されるよう
    に、第2プリプレグテープを前記第1プリプレグテープ
    の外周に巻回し、 強化繊維が前記マンドレルの周方向に配向されるよう
    に、第3プリプレグテープを前記第2プリプレグテープ
    の外周に巻回する、請求項4又は5に記載の中通し竿の
    製造方法。
  7. 【請求項7】内部に釣糸を挿通可能な釣糸通路を有する
    中通し竿の製造方法であって、 マンドレルの外周に所定の間隔で突条テープを巻回する
    工程と、 前記マンドレルの前記突条テープの隙間部分に繊維強化
    樹脂からなる支持突条形成用プリプレグテープを巻回す
    る工程と、 前記突条テープ及び支持突条形成用プリプレグテープの
    外周に繊維強化樹脂からなる複数の竿体形成用プリプレ
    グテープを密に巻回し、前記突条テープ及び支持突条形
    成用プリプレグテープを断面台形状に変形させる工程
    と、 前記プリプレグテープを巻回した素材を焼成する工程
    と、 前記突条テープを剥離する工程とを含む中通し竿の製造
    方法。
  8. 【請求項8】前記竿体形成用プリプレグテープを巻回す
    る工程は、プリプレグテープとガラスクロスとを交互に
    前記突条テープ及び支持突条形成用プリプレグテープの
    外周に巻回する、請求項7に記載の中通し竿の製造方
    法。
  9. 【請求項9】周方向に強化繊維が配向された第1繊維強
    化樹脂層と、前記第1繊維強化樹脂層の外周に設けられ
    長さ方向に強化繊維が配向された第2繊維強化樹脂層
    と、前記第2繊維強化樹脂層の外周に設けられ周方向に
    強化繊維が配向された第3繊維強化樹脂層とを有し、内
    部に釣糸通路を有する竿体と、 前記竿体とともに繊維強化樹脂で一体成形されて前記釣
    糸通路の内面に螺旋帯状に配置され断面台形状で上辺角
    部に弧状部を有する釣糸支持突条とを備えた中通し竿。
  10. 【請求項10】前記釣糸支持突条は断面台形状の下辺部
    に弧状部をさらに有する、請求項9に記載の中通し竿。
  11. 【請求項11】周方向に強化繊維が配向された第1繊維
    強化樹脂層と、前記第1繊維強化樹脂層の外周に設けら
    れ長さ方向に強化繊維が配向された第2繊維強化樹脂層
    と、前記第2繊維強化樹脂層の外周に設けられ周方向に
    強化繊維が配向された第3繊維強化樹脂層とを有し、内
    部に釣糸通路を有する竿体と、 前記竿体とともに繊維強化樹脂で一体成形されて前記釣
    糸通路の内面に螺旋帯状に配置され断面台形状で下辺角
    部に弧状部を有する釣糸支持突条とを備えた中通し竿。
  12. 【請求項12】前記竿体は、前記第3繊維強化樹脂層の
    外周に設けられ長さ方向に強化繊維が配向された第4繊
    維強化樹脂層をさらに有している、請求項9〜11のい
    ずれかに記載の中通し竿。
JP30542097A 1997-11-07 1997-11-07 中通し竿及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3445927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30542097A JP3445927B2 (ja) 1997-11-07 1997-11-07 中通し竿及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30542097A JP3445927B2 (ja) 1997-11-07 1997-11-07 中通し竿及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6324808A Division JP2740638B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 中通し竿

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1094349A JPH1094349A (ja) 1998-04-14
JP3445927B2 true JP3445927B2 (ja) 2003-09-16

Family

ID=17944925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30542097A Expired - Lifetime JP3445927B2 (ja) 1997-11-07 1997-11-07 中通し竿及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3445927B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4623532B2 (ja) * 2000-10-25 2011-02-02 株式会社シマノ 釣竿
JP5231475B2 (ja) * 2010-04-23 2013-07-10 グローブライド株式会社 魚釣用リールのハンドル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1094349A (ja) 1998-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7374629B2 (en) Pass-through fishing rod and method of manufacturing same
US20020023380A1 (en) Intra-line fishing rod
KR100879904B1 (ko) 장대의 제조 방법
JP2740638B2 (ja) 中通し竿
JP3445927B2 (ja) 中通し竿及びその製造方法
JP3062284B2 (ja) 中通し竿及びその製造方法
US5806231A (en) Pass-through fishing rod
JP3374951B2 (ja) 中通し釣竿
JP4271289B2 (ja) 竿
JP2003070385A (ja) 竿体の製造方法
JP3553365B2 (ja) 釣竿
JP7408742B2 (ja) 釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法
JP4183842B2 (ja) 釣竿
JP4109369B2 (ja) 釣竿
JP3638364B2 (ja) 中通し竿用穂先竿
JP2022127119A (ja) 繊維強化プラスチック製ロッド及びその製造方法
JPH0735948Y2 (ja) コンクリ−ト用補強材
JP3033051B2 (ja) 竿の製造方法とその竿
JP4145433B2 (ja) 竿体の製造方法
JP3801555B2 (ja) 中通し釣竿
JP3801554B2 (ja) 中通し釣竿
JP4803725B2 (ja) 中通し竿及びその製造方法
JPH0748406Y2 (ja) ビードワイヤ
JPH08117363A (ja) バドミントンラケット
JPH11266749A (ja) 中通し釣竿

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term