JP4145433B2 - 竿体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣竿の竿体は、軽量でかつ耐衝撃性,屈曲性等の機械的強度に優れるという特性が求められる。そこで、従来の釣竿の竿体は、例えば、炭素繊維,ガラス繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂をシート状に加工したもの(一般に「プリプレグシート」と呼ばれる)を芯材に巻回して焼成して製造される。
【0003】
プリプレグシートは一種類のものを単純に芯材に巻回するのではなく、例えば、最内層には芯材の周方向に強化繊維が引き揃えられたプリプレグシート(以下「逆目プリプレグシート」という)を巻回し、その外周には芯材の軸方向に強化繊維が引き揃えられたプリプレグシート(以下「順目プリプレグシート」という)を巻回する場合もある。このように複数のプリプレグシートを巻回し、強化繊維の配向方向が異なるプリプレグシートを使い分けることによって、竿体の周方向及び軸方向の強度・剛性を良好なものとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の竿体の製造方法で芯材に巻回されるプリプレグシートは、周方向において切れ目が生じて破断箇所が生じることのないように、芯材の円周長より長いものが準備される。そして、周方向において一部分が重複するように芯材に巻回される。この結果、周方向において部分的に肉厚が異なる部分(「竿体の背骨」と呼ばれる部分である)が軸方向に連続的に生じることになる。
【0005】
この「竿体の背骨」は、製造される竿体の剛性を周方向において不均一化することになり、釣竿の調子を低下させる恐れがある。
本発明の課題は、剛性が良好で用いやすい竿体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る竿体の製造方法は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体の製造方法であって、以下の工程を含む。
◎芯材の周方向に強化繊維が配向された第1繊維強化樹脂シートを芯材にn周+α(nは整数であり、0<α≦1/4周とする)巻回する工程。
◎芯材の軸方向に強化繊維が配向された第2繊維強化樹脂シートを、第1繊維強化樹脂シートの外周にm周−β(mは整数であり、0<β≦1/4周とする)巻回する工程。
◎第2繊維強化樹脂シートの外周に成型シートを加圧巻回する工程。
【0007】
この方法では、最内層に位置する第1繊維強化樹脂シートが芯材にn周+α分巻回され、周方向において切れ目が存在するのを防止している。ここでは当然に周方向において他の部分より肉厚の重複部分(α部分)が生じることになる。次に、第1繊維強化樹脂シートの外周にm周−β分巻回される第2繊維強化樹脂シートが、周回に足りない部分(β部分)において第1繊維強化樹脂シートの重複部分(α部分)を打ち消すことになる。
【0008】
もっとも、厳密にα部分とβ部分とが一致して直ちに竿体の部分的肉厚化を打ち消すことはできない場合もあるが、さらに成型シートを加圧巻回することにより、重複部分(α部分)を打ち消すことが可能である。即ち、成型シートを加圧巻回すると、第2繊維強化樹脂シートの合成樹脂は周方向に均一になるように周方向に移動可能であるので(第2繊維強化樹脂シートは強化繊維が芯材の長手方向に配向されているので、その合成樹脂は比較的周方向へ移動しやすい)、第1繊維強化樹脂シート及び第2繊維強化樹脂シートは全体として均一な円周化可能である。
【0009】
なお、α,βは過度に大きくなることは好ましくなく、円周の1/4以下程度とするのが良好である。α,βは一致する場合もあるが、必ずしも一致することを必要としない。
発明2に係る方法は、発明1の方法であって、第1繊維強化樹脂シートは第2繊維強化樹脂シートに貼り合わされており、第1繊維強化樹脂シート及び第2繊維強化樹脂シートは同工程で芯材に巻回される。
【0010】
この場合には、第1繊維強化樹脂シートと第2繊維強化樹脂シートとが貼り合わされ一体化しているので、製造工程が簡略化され製造が容易になる。
発明3に係る方法は、発明1または2の方法であって、0<α≦1/8周であり0<β≦1/8周である。
この場合には、過度に重複部分(α部分)を大きくすることなく、調子の良好な竿体を製造する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施形態を採用した竿体からなる釣竿は、図1に示すように、複数の竿体を並継式に連結した竿体1と、竿体1の竿元側端部に固定された竿元グリップ2と、竿元グリップの穂先側に固定された前グリップ3と、竿元グリップ2と前グリップ3との間に形成されリール5を脱着自在に固定可能なリールシート4とを有している。この竿体1は、後に詳しく説明するように、炭素繊維,ガラス繊維,チタン繊維等に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプレグをマンドレルに巻回して焼成して得られた先細り筒状部材である。また、竿体1にはリール5からの釣糸Lを挿通可能な釣糸ガイド6が所定の間隔を隔てて複数設けられている。そして、リール5からの釣糸Lは順次釣糸ガイド6を通って穂先側に導かれる。
【0012】
この竿体1は以下のように製造される。
まず、図2に示すように、先細りのテーパが形成された棒状部材であるマンドレルMの外周にワックス等の離型剤を必要に応じて塗布する。なお、この離型剤の外周面に必要に応じてポリプロピレン等からなる離型テープを巻回してもよい。続いて、マンドレルMに、プリプレグシートPを巻回する。プリプレグシートPは、第1プリプレグシート10と第2プリプレグシート11とからなり、第1プリプレグシート10は第2プリプレグシート11上に1辺をあわせて貼り合わされている。
【0013】
図3に示すように、これら第1プリプレグシート10及び第2プリプレグシート11は、炭素繊維,ガラス繊維,チタン繊維等の強化繊維を一定方向に引き揃えて配向し合成樹脂を含浸させたシート状のものである。第1プリプレグシート10は、マンドレルMの周方向に強化繊維14が引き揃えて配向されており、マンドレルMの外周に沿って1周+α(0<α≦1/8周)巻回可能な幅方向長さを有している。また、第2プリプレグシート11は、マンドレルMの軸方向に強化繊維15が引き揃えて配向されており、マンドレルMの外周に沿って3周−β(0<β≦1/8周)巻回可能な幅方向長さを有している。
【0014】
このような、第1プリプレグ10及び第2プリプレグ11をマンドレルMに巻回すると、図4に示すように、最内層に位置する第1プリプレグシート10がマンドレルMに1周+α分巻回され、周方向において切れ目が存在するのを防止している。そして、マンドレルMの周方向において他の部分より肉厚の重複部分(α部分)が生じることになる。一方、第1プリプレグシート10の外周に3周−β分巻回される第2プリプレグシート11には周回に足りない部分(β部分)が生じる。なお、α,βは過度に大きくなることは好ましくなく、最大でも円周の1/4以下程度とするのが良好である。α,βは一致する場合もあるが、必ずしも一致することを必要としない。
【0015】
その後、図5に示すように、プリプレグシートPの外周にポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンからなる成形シート12を強く圧をかけながら巻回して竿素材を得る。この際、図6に示すように、成型シート12を加圧巻回すると、第2プリプレグシート11の合成樹脂11aは周方向に均一になるように周方向に移動可能であるので(第2プリプレグシート11は強化繊維15がマンドレルMの長手方向に配向されているので、その合成樹脂11aは比較的周方向へ移動しやすい)、第1プリプレグシート10及び第2プリプレグシート11は全体として均一な円周となる。
【0016】
このようにして得られた竿素材を焼成した後、マンドレルMを抜き取り、保護用テープや成形テープ12を順次剥離する。そして、両端を所望の長さに切りそろえ、表面を平滑に研磨しさらに必要な塗装を施して、竿体1を製造する。
以上の方法によって竿体1を製造すると、周方向において第1プリプレグシート10に切れ目が生じて破断箇所が生じることもなく、周方向において「竿体の背骨」が発生することもない。
【0017】
[他の実施形態]
(a)第1プリプレグシート及び/または第2プリプレグシートのマンドレルへの巻回数は任意に設定可能である。また、α,βの値も所定の範囲内において任意に設定可能である。
炭素繊維に代えて、ガラス繊維や他の有機繊維を用いてもよい。
(b)第1プリプレグシートをマンドレルMに巻回後、別途第2プリプレグシートを巻回してもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明に係る方法によれば、「竿体の背骨」の発生を抑えることができ、釣竿の調子が低下するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】竿体の製造工程を示す図。
【図3】図2のIII−III断面図。
【図4】マンドレルにプリプレグを巻回した状態を示した断面図。
【図5】マンドレルにプリプレグ及び成形テープを巻回した状態を示した断面図。
【図6】図5の部分的各大断面図。
【符号の説明】
1 竿体
10 第1プリプレグテープ
11 第2プリプレグテープ
14,15 強化繊維
M マンドレル
P プリプレグ
Claims (3)
- 魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体の製造方法であって、
芯材の周方向に強化繊維が配向された第1繊維強化樹脂シートを芯材にn周+α(nは整数であり、0<α≦1/4周とする)巻回する工程と、
芯材の軸方向に強化繊維が配向された第2繊維強化樹脂シートを、前記第1繊維強化樹脂シートの外周にm周−β(mは整数であり、0<β≦1/4周とする)巻回する工程と、
前記第2繊維強化樹脂シートの外周に成型シートを加圧巻回する工程と
を含む、竿体の製造方法。 - 前記第1繊維強化樹脂シートは前記第2繊維強化樹脂シートに貼り合わされており、前記第1繊維強化樹脂シート及び前記第2繊維強化樹脂シートは同工程で芯材に巻回される、請求項1に記載の製造方法。
- 0<α≦1/8周であり0<β≦1/8周である、請求項1または2に記載の製造方法。
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