JP5231475B2 - 魚釣用リールのハンドル - Google Patents

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本発明は、魚釣用リールのハンドルに関する。
一般に、魚釣用リールは、スプールに釣糸を巻回する巻き取り操作を行なうためのハンドルを有しており、このハンドルは、一般に、ハンドルアームと、該ハンドルアームに取り付けられて手の指で握持されるハンドルノブとから成る(例えば、特許文献1参照)。
ハンドルノブは、ハンドルアームに対して様々な構造形態で取り付けられるが、例えば、ハンドルアームに貫通して設けられる孔部と筒状のハンドルノブの内孔とにわたって支軸としてのリベットを挿通し、ハンドルアームの前記孔部から突出するリベットの突出端部をハンドルアーム側でカシメることにより、ハンドルノブをハンドルアームに対して取り付けることが一般に知られている。
特開平8−89141号公報
ところで、前記ハンドルアームは、従来から様々な材質によって形成されるが、最近では、軽量化などを目的としてカーボン繊維強化樹脂製のものも知られており、そのようなハンドルアームは、一般に、カーボン繊維束から成るシートを積層することにより構成される。ここで、カーボン繊維束を織布状にして成るシートだけを積層したアーム構造は、前記孔部での強度を確保できるが、織布であるため、繊維が折り曲げられ、また、方向も直交方向の組み合わせとなることから、比強度、比剛性を高めるのには限界がある。そのため、繊維が一方向に引き揃えられた一方向(UD)繊維層(シート)を用いることにより比強度および比剛性を向上させることも考えられるが、その場合には、前述したようにハンドルアームに対してハンドルノブをカシメ固着するような取り付け形態において、前記孔部に大きな負荷が局所的に作用し、この孔部領域でハンドルアームが破損(割れが発生)し易くなる。
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、比強度および比剛性が高く、特にカシメが行なわれる孔部領域における強度を高めることができる、軽量で高剛性の魚釣用リールのハンドルを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、魚釣用リールの釣糸巻き取り機構に結合するハンドル軸に回転可能に結合されるハンドルアームと、該ハンドルアームに取り付けられるハンドルノブとを有し、前記ハンドルアームに貫通して設けられる孔部と前記ハンドルノブの内孔とにわたってリベット軸を挿通し、前記ハンドルアームの前記孔部から突出するリベット軸の突出端部をハンドルアーム側でカシメることにより、前記ハンドルノブを支持する前記リベット軸が前記ハンドルアームに対して取り付けられる魚釣用リールのハンドルにおいて、前記ハンドルアームは、その厚さ方向に沿って炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシートを積層することによって形成されるとともに、前記カシメが行なわれる第1の面と、第1の面と反対側の第2の面とを有し、前記第1および第2の面を形成する両側の表層は、少なくとも2つ以上の方向に引き揃えられた繊維束同士が織布状に交差して成り、前記表層間で積層される複数の中間層は、繊維が一方向に引き揃えられて成る一方向層を中間層全体の厚さの半分以上にわたって配するとともに、前記一方向層全体の厚さの中でハンドルアームの長手方向と略平行に繊維が引き揃えられて成る第1の一方向層の全体の厚さが最も大きく、少なくとも前記孔部近傍において繊維がハンドルアームの長手方向に対して略90度の角度を成す第2の一方向層を前記第2の面側よりも前記第1の面側の方において多く配して成ることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、ハンドルアームが炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシートを積層することによって形成されるため、ハンドル全体の軽量化を図ることができる。また、これに加え、ハンドルアームを構成する層のうち、両側の表層が、2つの方向に引き揃えられた繊維束同士を織布状に交差して成るため、表層の表面のせん断強度が高められる。そのため、該表層が障害物に衝突した場合でも該表層に割れが生じ難い。また、前記中間層は、その肉厚の半分以上が一方向層(ハンドルの長手方向に対する繊維の角度が互いに異なる様々な一方向層が混在してもよく、また、その角度も任意である)から成り、それらの一方向層の中で第1の一方向層が最も多いため、ハンドル長手方向の比強度および比剛性を高めることが可能になる。更に、第2の一方向層がカシメられる第1の表面側に多く配されているため、長手方向および該長手方向に対して垂直な方向の両方向でハンドルアームの変形が抑制され、リベット軸をハンドルアームの孔部にカシメ取り付けする際のハンドルアームの割れ等の破損を防止することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中間層の全てが一方向層から成ることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、中間層の全てが一方向層から成るため、ハンドル長手方向の比強度および比剛性を効果的に向上できる。そのため、軽量化を図りつつ、高強度仕様、高剛性仕様、および、形状デザインといった設計仕様に大きな自由度をもたせることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記第2の一方向層が前記第2の面の近傍にも配されていることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、第2の一方向層が第2の面の近傍にも配されているため、ハンドル成形時の変形、特に反りを防止できる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記表層は、繊維がハンドルアームの長手方向に対して略±45度の角度を成していることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、表層の繊維がハンドルアームの長手方向に対して略±45度の角度を成しているため、ハンドルアームの長手方向に対して0度、90度、±45度を成す方向でハンドルの変形を抑制でき、リベット軸をハンドルアームの孔部にカシメ取り付けする際のハンドルアームの割れ等の破損を効果的に防止できる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記第1の面側に配される前記第2の一方向層は、前記孔部近傍のカシメ領域にのみ配される層を含むことを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、第2の一方向層を必要箇所に効率良く使用することで、高剛性を確保しつつ効果的な軽量を図ることができる。
本発明によれば、比強度および比剛性が高く、特にカシメが行なわれる孔部領域における強度を高めることができる、軽量で高剛性の魚釣用リールのハンドルが得られる。
本発明の第1の実施形態に係るハンドルが設けられる両軸受型リールとしての魚釣用リールの断面図である。 図1のA方向矢視図(側面図)である。 ハンドルアームにハンドルノブを取り付ける手順を段階的に示す側面図である。 (a)は図3の(c)のカシメ部の拡大断面図(カシメ前)、(b)は図3の(d)のカシメ部の拡大断面図(カシメ後)である。 (a)ハンドルアームの正面図、(b)はハンドルアームにハンドルノブが取り付けられたハンドルの側面図である。 (a)は図5の(b)のB−B線に沿う断面を一部に含むハンドルアームの側面図、(b)は(a)の断面領域の拡大図である。 図5のハンドルアームの積層構造の各層を形成するそれぞれのプリプレグシートを平面的に並べた状態で示す積層パターン図である。 (a)本発明の第2の実施形態に係るハンドルアームの正面図、(b)は(a)のハンドルアームにハンドルノブが取り付けられたハンドルの側面図である。 (a)は図8の(b)のC−C線に沿う断面を一部に含むハンドルアームの側面図、(b)は(a)の断面領域の拡大図、(c)は図8の(b)のD−D線に沿う断面を一部に含むハンドルアームの側面図、(d)は(c)の断面領域の拡大図である。 図9の(d)のハンドルアームの積層構造の各層を形成するそれぞれのプリプレグシートを平面的に並べた状態で示す積層パターン図である。 ハンドルアームの成形用金型の概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る魚釣用リールの実施形態について説明する。
図1〜図7は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係るハンドルが設けられる魚釣用リール1は、両軸受型リールであり、左右フレーム2a,2bと、これら左右フレーム2a,2bに装着される円形状の左右側板3a,3bとによってリール本体が構成されている。左右フレーム2a,2bは、複数の支柱を介して一体化されている。
左右フレーム2a,2b(左右側板3a,3b)間には、スプール軸5が軸受6を介して回転可能に支持されており、このスプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール5aが一体に取り付けられている。
右フレーム2bおよび右側板3bには軸受8を介してハンドル軸9(駆動力伝達機構10に結合される)が回転可能に支持されており、ハンドル軸9の端部にはハンドル30が回転可能に装着されている。この場合、ハンドル30を回転操作すると、その操作力は、スプール5aに釣糸を巻き取るための釣糸巻き取り機構としての駆動力伝達機構10を介してスプール5aに伝達され、スプール5aを回転駆動するようになっている。なお、ハンドル軸9は、右側板3bとの間に介在された転がり式の一方向クラッチ11(逆転防止機構)によって、釣糸巻取方向にのみ回転可能となっている。
また、右フレーム2bと右側板3bとの間には、駆動力伝達機構10の駆動力の伝達を継脱するクラッチ機構12と、魚釣時にスプール5aから釣糸が繰り出された際にスプール5aの回転にドラグ力を付与する公知のドラグ機構13とが収容されている。
なお、ハンドル30の近傍、具体的には、リール本体とハンドル9aとの間には、ドラグ機構13によるドラグ力の調整を行なうための星型のドラグ調整ノブ(スタードラグ)13aが設けられており、また、スプール5aの前側には、スプール5aに対して釣糸を均一に平行巻きするためのレベルワインド機構50が設けられている。
駆動力伝達機構10は、ハンドル軸9に回転可能に支持された駆動歯車14と、この駆動歯車14に噛合するピニオン15とを備えている。ピニオン15は、スプール軸5と同軸的に延出し且つ右側板3bに軸受を介して回転可能に支持されたピニオン軸5bに設けられており、このピニオン軸5bに沿って軸方向に移動できる。また、ピニオン軸5bの外周には円周溝29が形成されており、この円周溝29には、ピニオン15を軸方向に移動させるクラッチ機構12の作動部材(ヨーク)22が係合している。
また、ピニオン軸5b(ピニオン15)は、スプール軸5の端部に形成された断面が非円形の係合部と嵌合する嵌合部を端部に有しており、作動部材22によってスプール5a側に移動されると、前記嵌合部がスプール軸5の前記係合部に嵌合状態で係合してハンドル9aの操作力(駆動歯車14の回転駆動力)をスプール軸5(スプール5a)に伝達する(クラッチON状態(釣糸巻取状態))とともに、作動部材22によって右側板3b側に移動されると、前記嵌合部がスプール軸5の前記係合部から外れてハンドル9aの操作力をスプール軸5(スプール5a)に伝達しない(クラッチOFF状態(釣糸放出状態))。
ところで、本実施形態に係るハンドル30は、図1〜図5に示されるように、魚釣用リールの釣糸巻き取り機構(駆動力伝達機構10)に結合するハンドル軸9に回転可能に結合されるハンドルアーム31と、ハンドルアーム31に取り付けられるハンドルノブ32とを有する。ハンドルアーム31は、略平板状(断面が略矩形状)を成しており、ハンドル軸9に対して略直交する長手方向(図5〜図7に矢印Lで示される方向)に沿って所定の長さで延びるとともに、ハンドル軸9の軸方向に沿う所定の厚さTを有しており、その厚さ方向に沿って炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシート(炭素繊維強化プラスチック)を積層することによって形成される。また、ハンドルアーム31は、その中央部に、ハンドル軸9が挿通される中心孔31b(図5の(a)参照)を有する。また、ハンドルアーム31の長手方向Lの両端部には、ハンドルノブ32を取り付けるためのリベット軸33が挿通される孔部31aが形成されている(図5参照)。更に、ハンドルアーム31は、厚さT方向に対向するその両端面として、ドラグ調整ノブ13aに対向する第1の面50と、その反対側の第2の面51とを有する。
ハンドルアーム31に対してハンドルノブ32を取り付けるための手順が図3に示されている。図示のように、ハンドルアーム31に対するハンドルノブ32の取り付けは、ハンドルアーム31の孔部31aとハンドルノブ32の内孔32aとにわたってリベット軸33を挿通し、ハンドルアーム31の孔部31aから突出するリベット軸33の突出端部33aをハンドルアーム31側でカシメることにより成される。具体的には、図3の(a)に示されるように、筒状のハンドルノブ32の本体の貫通孔にハンドルノブ32の一部を構成するべく筒状部材としてのカラー34を圧入または接着によって嵌め付ける。その後、図3の(b)および図3の(c)に示されるように、カラー34によって形成されるハンドルノブ32の内孔32aとハンドルアーム31の孔部31aとにわたってリベット軸33を挿通し、ハンドルアーム31の孔部31aから突出するリベット軸33の突出端部33aにワッシャ35を嵌着する(図3の(c))。これを拡大した状態が図4の(a)に断面で示されている。そして、図3の(c)の状態で、ハンドルアーム31の孔部31aから突出するリベット軸33の突出端部33aをハンドルアーム31の第1の面50でカシメることにより、図3の(e)に示されるようにハンドルアーム31に対してハンドルノブ32が取り付けられる(このとき、カラー34の基端側開口部を閉塞するためにキャップ40が圧入、接着、螺合等により取り付けられる)。これを拡大した状態が図4の(b)に示されている。図示のように、カシメ工程により、ハンドルアーム31の孔部31aから突出するリベット軸33の突出端部33aの径が拡大され、それにより、カシメ部39が形成される。なお、このカシメにより、ハンドルアーム31のカシメ側(第1の面50側)には大きな負荷がかかるが、本実施形態では、後述する特徴的なハンドルアーム積層構造により前記負荷に伴うハンドルアーム31の変形が抑制されるようになっている。
前述したように、本実施形態のハンドルアーム31は、炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシート(炭素繊維強化プラスチック)を積層することによって形成されており、カシメ部39での変形抑制を実現し得る特徴的な積層配列を成している。具体的には、本実施形態のハンドルアーム31は、第1および第2の面50,51を形成する両側に表層60,61を有する。これらの表層60,61は、2つの方向に引き揃えられた繊維束同士が織布状に交差して成る。具体的に、本実施形態において、表層60,61は、ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略0度を成す繊維束と略90度を成す繊維束とが織布状に交差している。なお、本実施形態において、ハンドルアーム31に対する繊維の角度は、ハンドルアーム31の長手方向Lと直交する方向を0度、ハンドルアーム31の長手方向Lと平行な方向を90度として示している。
また、ハンドルアーム31は、表層60,61間で積層される複数の中間層70を有する。中間層70は、繊維が一方向に引き揃えられて成る一方向層70A,70B,70C,70Dを中間層70全体の厚さの半分以上にわたって配することが好ましく、特に本実施形態では、中間層70の全てが一方向層70A,70B,70C,70Dから成る。具体的には、中間層70は、ハンドルアーム31の長手方向Lと略平行に繊維が引き揃えられて成る第1の一方向層(繊維角度が90度)70Aと、繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略90度の角度を成す第2の一方向層(繊維角度が0度)70Bと、繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度の角度を成す第3の一方向層70Cと、繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略−45度の角度を成す第4の一方向層70Dとを有する。そして、図6および図7に明確に示されるように、ハンドルアーム31は、第1の表面50側から第2の表面51側へ向かって順に、(表層60)、(第2の一方向層70B)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第3の一方向層70C)、(第4の一方向層70D)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(表層61)がそれぞれ積層される配列形態(全部で12層)を成し、それにより、一方向層70全体の厚さの中で第1の一方向層70Aの全体の厚さが最も大きく、第2の一方向層70Bが第2の面51側よりも第1の面50側(カシメ側)の方において多く配されるようになっている。なお、このような積層構造Sは、少なくとも孔部31aの近傍(図5の(b)のB−B線に沿う断面)において実現される必要があるが、本実施形態では、ハンドルアーム31の全体にわたって実現される。この場合、各層の厚み及び数並びに繊維の弾性率および樹脂含有率は任意であり、要は、ハンドルアーム31を構成する中間層70において、第1の一方向層70Aの全体の厚さが一方向層70全体の厚さの中で最も大きく、少なくとも孔部31a近傍において第2の一方向層70Bが第2の面51側よりも第1の面50側の方において多く配されていれば良い。なお、生産性を考慮すると、各層の厚みは、0.05〜0.40mm程度のものが好ましく、樹脂含有率は25〜45(wt%)が好ましい。また、繊維方向の「略」の範囲については、±15°である。
なお、ハンドルアーム31の炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシートの積層配列形態としては、上記形態の他、例えば、第1の表面50側から第2の表面51側へ向かって順に、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層60’)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+60度の角度を成す第5の一方向層)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略−60度の角度を成す第6の一方向層)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層61’)がそれぞれ積層される配列形態(全部で12層)、あるいは、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層60’)、(第2の一方向層70B)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+75度の角度を成す第7の一方向層)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略−75度の角度を成す第8の一方向層)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第2の一方向層70B)、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層61’)がそれぞれ積層される配列形態(全部で12層)などが挙げられる。後者の配列形態では、第2の面51の近傍にも第2の一方向層70Bが配されており、これにより、ハンドル成形時の変形、特に反りを防止できる。また、前者および後者の配列形態では、表層60’,61’の繊維がハンドルアーム31の長手方向に対して略±45度の角度を成しているため、ハンドルアーム31の長手方向に対して0度、90度、±45度を成す方向でハンドル30の変形を抑制でき、リベット軸33をハンドルアーム31の孔部31aにカシメ取り付けする際のハンドルアーム31の割れ等の破損を効果的に防止できる。
また、以上のような積層構造Sのハンドルアーム31は、例えば以下のように成形される。すなわち、前述した各層を構成する熱硬化性エポキシ樹脂と炭素繊維とから成るプリプレグシートを裁断して、それを前述した配列形態で積層し、その積層体120を図11に示されるように金型100,102間に配置する。そして、その状態で、加圧工程および熱硬化工程(例えば、130℃で2時間)を施した後、積層体120を金型100,102から取り出す。その後、切削加工、研磨工程、および、ショットブラスト工程を施すことにより、ハンドルアーム31の外形、孔部31a,31bを形作り、必要に応じて塗装を行なって、前述した構成のハンドルアーム31を得る。
以上説明したように、本実施形態によれば、ハンドルアーム31が炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシートを積層することによって形成されるため、ハンドル30全体の軽量化を図ることができる。また、これに加え、ハンドルアーム31を構成する層のうち、両側の表層60,61が、2つの方向に引き揃えられた繊維束同士を織布状に交差して成るため、表層60,61の表面のせん断強度が高められる。そのため、表層60,61が障害物に衝突した場合でも表層60,61に割れが生じ難い。また、中間層70は、その肉厚の半分以上が一方向層70A,70B,70C,70Dから成り、それらの一方向層の中で第1の一方向層70Aが最も多いため、ハンドル長手方向の比強度および比剛性を高めることが可能になる。更に、第2の一方向層70Bがカシメられる第1の表面50側に多く配されているため、長手方向および該長手方向に対して垂直な方向の両方向でハンドルアーム31の変形が抑制され、リベット軸33をハンドルアーム31の孔部31aにカシメ取り付けする際のハンドルアーム31の割れ等の破損を防止することができる。
また、本実施形態によれば、中間層70の全てが一方向層70A,70B,70C,70Dから成るため、ハンドル長手方向の比強度および比剛性を効果的に向上できる。そのため、軽量化を図りつつ、高強度仕様、高剛性仕様、および、形状デザインといった設計仕様に大きな自由度をもたせることができる。
図8〜図10は本発明の第2の実施形態を示している。図8に示されるように、本実施形態のハンドル30Aを構成するハンドルアーム31Aは、クランク型の外形を有しており、表層60,61の繊維方向および孔部31a付近を第2の一方向層で局所的に集中補強した点が第1の実施形態と異なり、それ以外は第1の実施形態と同じである。
具体的には、本実施形態のハンドルアーム31Aは、その孔部31a付近と、それ以外の領域とで、積層形態が若干異なっている。すなわち、孔部31a付近を除く領域では、図9の(a)(b)に示されるように、ハンドルアーム31は、第1の表面50側から第2の表面51側へ向かって順に、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層60’)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第3の一方向層70C)、(第4の一方向層70D)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層61’)がそれぞれ積層される配列形態(全部で11層)を成している。一方、孔部31a付近では、図9の(c)(d)に示されるように、ハンドルアーム31は、第1の表面50側から第2の表面51側へ向かって順に、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層60’)、(局部的に配置される小形状の第2の一方向層70B’)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第3の一方向層70C)、(第4の一方向層70D)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(ハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+45度を成す繊維束と略−45度を成す繊維束とが織布状に交差して成る表層61’)がそれぞれ積層される配列形態(全部で12層)を成し、それにより、一方向層70全体の厚さの中で第1の一方向層70Aの全体の厚さが最も大きく、第2の一方向層70B,70B’が第2の面51側よりも第1の面50側(カシメ側)の方において多く配されるようになっている。
以上から分かるように、本実施形態では、孔部31a付近の積層構造は、それ以外の領域の積層構造と比べて、局部的に配置される小形状の一対の第2の一方向層70B’が付加された形態となっている。小形状の第2の一方向層70B’は、図10に明確に示されるように、孔部31a近傍のカシメ領域にのみ配され、カシメ部39近傍領域の大きさしかない。本実施形態では、第2の一方向層70B’を必要箇所(孔部31a付近)に効率良く使用することで、高剛性を確保しつつ効果的な軽量を図ることができる。また、実施形態によれば、表層60’,61’の繊維がハンドルアーム31の長手方向に対して略±45度の角度を成しているため、ハンドルアームの長手方向に対して0度、90度、±45度を成す方向でハンドルの変形を抑制でき、リベット軸33をハンドルアーム31の孔部31aにカシメ取り付けする際のハンドルアーム31の割れ等の破損を効果的に防止できる。
なお、この第2の実施形態の特徴を有する変形例として、孔部31a付近のハンドルアーム31の積層構造は、例えば、第1の表面50側から第2の表面51側へ向かって順に、(表層60’)、(局部的に配置される小形状の第2の一方向層70B’)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+60度の角度を成す第5の一方向層)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略−60度の角度を成す第6の一方向層)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(表層61’)がそれぞれ積層される配列形態(全部で12層)、あるいは、(表層60’)、(局部的に配置される小形状の第2の一方向層70B’)、(第1の一方向層70A)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略+75度の角度を成す第7の一方向層)、(繊維がハンドルアーム31の長手方向Lに対して略−75度の角度を成す第8の一方向層)、(第1の一方向層70A)、(第1の一方向層70A)、(第2の一方向層70B)、(第1の一方向層70A)、(表層61’)がそれぞれ積層される配列形態(全部で12層)を成していても良い。いずれの配列形態も、第2の面51の近傍に第2の一方向層70Bが配されており、これにより、ハンドル成形時の変形、特に反りを防止できる。また、両方の配列形態では、表層60’,61’の繊維がハンドルアーム31の長手方向に対して略±45度の角度を成しているため、ハンドルアーム31の長手方向に対して0度、90度、±45度を成す方向でハンドル30の変形を抑制でき、リベット軸33をハンドルアーム31の孔部31aにカシメ取り付けする際のハンドルアーム31の割れ等の破損を効果的に防止できる。
9 ハンドル軸
10 駆動力伝達機構(釣糸巻き取り機構)
30 ハンドル
31 ハンドルアーム
31a 孔部
32 ハンドルノブ
33 リベット軸
39 カシメ部
50 第1の面
51 第2の面
60,61,60’,61’ 表層
70 中間層
70A 第1の一方向層
70B 第2の一方向層

Claims (5)

  1. 魚釣用リールの釣糸巻き取り機構に結合するハンドル軸に回転可能に結合されるハンドルアームと、該ハンドルアームに取り付けられるハンドルノブとを有し、前記ハンドルアームに貫通して設けられる孔部と前記ハンドルノブの内孔とにわたってリベット軸を挿通し、前記ハンドルアームの前記孔部から突出するリベット軸の突出端部をハンドルアーム側でカシメることにより、前記ハンドルノブを支持する前記リベット軸が前記ハンドルアームに対して取り付けられる魚釣用リールのハンドルにおいて、
    前記ハンドルアームは、その厚さ方向に沿って炭素繊維強化樹脂製のプリプレグシートを積層することによって形成されるとともに、前記カシメが行なわれる第1の面と、第1の面と反対側の第2の面とを有し、
    前記第1および第2の面を形成する両側の表層は、少なくとも2つ以上の方向に引き揃えられた繊維束同士が織布状に交差して成り、
    前記表層間で積層される複数の中間層は、繊維が一方向に引き揃えられて成る一方向層を中間層全体の厚さの半分以上にわたって配するとともに、前記一方向層全体の厚さの中でハンドルアームの長手方向と略平行に繊維が引き揃えられて成る第1の一方向層の全体の厚さが最も大きく、少なくとも前記孔部近傍において繊維がハンドルアームの長手方向に対して略90度の角度を成す第2の一方向層を前記第2の面側よりも前記第1の面側の方において多く配して成ることを特徴とする魚釣用リールのハンドル。
  2. 前記中間層の全てが一方向層から成ることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル。
  3. 前記第2の一方向層が前記第2の面の近傍にも配されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リールのハンドル。
  4. 前記表層は、繊維がハンドルアームの長手方向に対して略±45度の角度を成していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の魚釣用リールのハンドル。
  5. 前記第1の面側に配される前記第2の一方向層は、前記孔部近傍のカシメ領域にのみ配される層を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用リールのハンドル。
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