JP3443975B2 - 案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、案内装置に係り、詳細
には、スケジュール情報を考慮して経路探索する案内装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、道に不案内な車両運転者に対し
て、目的地までの経路案内を行う案内装置の開発が盛ん
に行われている。このような案内装置として代表的なナ
ビゲーション装置では、運転者が地点の名称や住所等を
入力することで目的地が設定されると、出発地点から設
定された目的地までの経路を探索し、探索した経路を運
転者に案内するようになっている。経路の案内は、例え
ば、表示装置に車両の現在地周辺の地図を表示し、経路
に該当する道路の色を変えて表示したり、車両の現在位
置を地図上に表示したり、進路変更が必要な交差点では
進路方向（右折、左折等）を示す矢印を表示したりして
いる。また、「２００ｍ先の交差点を左折してくださ
い」等の音声出力によって経路誘導をするものも存在し
ている。ここで、従来のナビゲーション装置が目的地ま
での経路探索に必要なデータとして要求しているデータ
は、目的地のデータと、必要に応じて現在地のデータが
要求されているだけであった。そして、ナビゲーション
装置では、入力された目的地までが最短距離となる経路
が探索されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のナビゲーション装置による目的地までの経路探索で
は、目的地までの移動に要する時間が考慮されていなか
った。このため、スケジュールに合わせて目的地に移動
する場合には、探索された経路によって目的地まで間に
合うか否かを、運転者自信が判断する必要があった。特
に、１日で移動する目的地が複数箇所あり、その各目的
地での滞在予定時間が決められているようなスケジュー
ルの場合には、スケジュールにあわせた移動を行うため
の移動時間管理が大変であった。

【０００４】そこで、本発明は、スケジュールにあわせ
た移動管理を容易にする案内装置を提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、現在地から目的地までの経路を設定して、設定され
た経路を案内する案内装置において、複数の目的地およ
び目的地における滞在時間を入力する入力手段と、この
入力手段で入力された滞在時間から、前記各目的地間を
運航するのに使用可能な時間を算出する使用可能時間算
出手段と、前記算出した使用可能時間内で移動可能な前
記各目的地間の経路を設定する設定手段と、を案内装置
に具備させて、前記目的を達成する。請求項２記載の発
明では、請求項１記載の案内装置において、前記入力手
段は、無線受信装置とする。請求項３記載の発明では、
現在地から目的地までの経路を設定して、設定された経
路を案内する案内装置において、複数の目的地を入力す
る入力手段と、この入力手段で入力された目的地間を運
航する運航時間を算出する算出手段と、この算出手段で
算出された運航時間から、各目的地に滞在可能な時間の
合計滞在時間を算出する合計滞在時間算出手段と、この
滞在時間算出手段で算出された滞在時間を出力する出力
手段、とを案内装置に具備させて前記目的を達成する。
請求項４記載の発明では、請求項３記載の案内装置にお
いて、前記出力手段を、無線送信手段とする。

【０００６】

【作用】請求項１記載の案内装置では、入力手段で入力
された滞在時間から、各目的地間を運行するのに使用可
能な時間を算出し、算出した使用可能時間内で移動可能
な各目的地間の経路を設定する。請求項２記載の発明で
は、請求項１記載の案内装置において、無線受信装置か
ら複数の目的地および目的地における滞在時間が入力さ
れる。請求項３記載の発明では、入力手段で入力された
目的地間を運航する運航時間を算出し、算出された運航
時間から、各目的地に滞在可能な時間の合計滞在時間を
算出して出力する。請求項４記載の発明では、請求項３
記載の案内装置において、無線送信手段から、合計滞在
時間を出力する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の案内装置における一実施例
を、ナビゲーション装置を例に図１ないし図４を参照し
て詳細に説明する。図１は、本実施例によるナビゲーシ
ョン装置の構成を表したものである。この図１に示すよ
うに、ナビゲーション装置は、経路を探索、探索した経
路の移動に要する時間の算出、所定時間内で移動可能な
経路の探索等の経路探索処理や、車両の現在位置を検出
して探索した経路に応じた経路の誘導を行うための経路
誘導処理等の各種処理を行うナビゲーション処理部１０
を備えている。このナビゲーション処理部１０は、ＣＰ
Ｕ１０１、ナビゲーションプログラム等の各種プログラ
ムが格納されているＲＯＭ１０２、ワーキングメモリと
してのＲＡＭ１０３、および時刻を認識するための時計
１０４を備えている。このナビゲーション処理部１０
は、データバス等のバスライン１０５を介して、絶対位
置検出用装置１１、入出力部１２、後述するデータファ
イル１４の各部と接続されている。

【０００８】絶対位置検出用装置１１には、人工衛星を
利用して車両の位置を測定するＧＰＳ（Global Positio
ning Sistem)受信装置１１１、路上に配置したビーコン
からの位置情報や、渋滞等の道路状況を受信するビーコ
ン受信装置１１２、方位センサ１１３、距離センサ１１
４、舵角センサ１１５等が使用される。なお、ＧＰＳ受
信装置１１１とビーコン受信装置１１２は単独で位置測
定が可能であるが、その他の場合には距離センサ１１４
と方位センサ１１３または距離センサ１１４と舵角セン
サ１１５の組み合わせにより絶対位置を検出する。

【０００９】ここで、方位センサ１１３は、例えば、地
磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、車両
の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位
を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等の
ジャイロ、左右の車輪センサを配置しその出力パルス差
（移動距離の差）により車両の旋回を検出することで方
位の変位量を算出するようにした車輪センサ、等が使用
される。距離センサ１１４は例えば、車輪の回転数を検
出して計数するものや加速度を検出して２回積分するも
のや、その他の計測手段が使用される。また、舵角セン
サ１１５は、例えばハンドルの回転部に取り付けた光学
的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用される
が、車輪部に取り付ける角度センサでもよい。

【００１０】入出力部１２は、表示装置１２１、入力装
置１２２、音声出力装置１２３、、通信装置１２５を備
えている。入力装置１２２からは、走行開始時の現在地
（出発地点）や目的地（到着地点）、目的地が複数の場
合には経由順番、目的地に対応した各種データが入力さ
れるようになっている。また、入力装置１２２からは、
スケジュールデータも入力されるようになっている。こ
のスケジュールデータは、移動する１または複数の目的
地とその移動順番や、目的地での所要時間（開始時間と
終了時間）等が入力されるようになっている。この入力
装置１２２は、ジョイスティックやキー、タッチパネ
ル、マウス、ライトペン、或いは表示装置１２１の両面
と結合し画面にキーやメニューを表示してその画面から
入力するもの、音声認識装置等の各種入力装置１２２が
使用される。

【００１１】表示装置１２１には、ユーザの要求に応じ
て設定された経路を表示したり、走行する経路に沿っ
て、案内図が表示される。また、交差点や経路途中にお
ける特徴的な写真が写し出されたり、交差点までの残り
距離、次の交差点での進行方向（直進、左折、右折）を
示す矢印などが表示されたり、その他各種の案内情報が
表示されるようになっている。また、この表示装置１２
１には、本実施例により算出された、出発地点と目的地
や各目的地間の移動に要する移動時間や、運転者に対す
る各種メッセージが表示されるようになっている。この
表示装置１２１には、ＣＲＴや液晶ディスプレイ、プラ
ズマディスプレイ、フロントガラス部にホログラムを投
影するホログラム装置等が使用される。

【００１２】音声出力装置１２３は、運転者を経路誘導
するための案内情報を音声によって適宜出力する。例え
ば、案内地点となっている交差点の３００ｍ手前や、交
差点の直前で「３００ｍ先の／次の交差点を右折／左折
／直進してください」等の案内情報を出力する。また、
目的地設定等の各種操作時の操作説明やコメントなども
出力されるようになっている。この音声出力装置１２３
からの音声による案内情報は、予めテープに録音された
音声や、音声合成装置による合成音が使用される。

【００１３】通信装置１２５は、自動車電話やＦＭ受信
装置等の各種通信装置で構成されており、各種データの
入力が可能に構成されている。この通信装置１２５はモ
デム１５を介してナビゲーション処理部１０に接続され
ており、例えば、電話回線を通じて渋滞や交通事故等の
交通情報を提供するＡＴＩＳや、ＦＭ多重放送による交
通情報を提供するＶＩＣＳ（道路交通情報通信システ
ム）からの各種交通情報を受信するようになっている。
また、通信装置１２５は、スケジュール管理機能を持っ
た電子手帳等の携帯用電子機器（ＰＤＡ）から、赤外線
等を用いた光通信によってスケジュールデータ等の各種
データを受信するようになっている。この携帯用電子機
器（ＰＤＡ）は、スケジュール管理機能により管理して
いる移動地点とその移動地点での滞在予定時間をスケジ
ュールデータとして送信する。例えば、Ａ社が１２：０
０〜１３：００、Ｂ社が１５：００〜１５：３０、Ｃ社
が１９：００〜２１：００、といったスケジュールデー
タを送信する。また、携帯用電子機器は、スケジュール
管理機能で管理している移動地に対応した住所と電話番
号を、住所管理機能で管理しているデータから検索し
て、スケジュールデータとして、ナビゲーション装置の
通信装置１２５に送信する。

【００１４】ナビゲーション装置のデータファイル１４
は、描画地図データファイル１４１、交差点データファ
イル１４２、ノードデータファイル１４３、道路データ
ファイル１４４、探索経路データファイル１４５、およ
び写真データファイル１４６、および、その他のデータ
ファイル１４７を備えている。その他のデータファイル
１４７には、各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光
案内等の各種地域毎の情報、住所や電話番号等の目的地
に関する情報等が格納されている。これら各ファイル
は、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、Ｃ
Ｄ−ＲＯＭ、光ディスク、磁気テープ、ＩＣカード、光
カード等の各種記憶装置が使用される。なお、各ファイ
ルは記憶容量が大きい、例えばＣＤ−ＲＯＭの使用が好
ましいが、その他のデータファイルのような個別のデー
タ、地域毎のデータは、ＩＣカードを使用するようにし
てもよい。

【００１５】ここで、描画地図データファイル１４１に
は、表示装置１２１に描画される描画地図データが格納
されている。この描画地図データは、階層化された地
図、例えば最上位層から日本、関東地方、東京、神田と
いった階層毎に描画地図データが格納されている。そし
て、各描画地図データは、例えば、海岸線ノード列、県
境ノード列、国道ノード列、高速道ノード列、国道番
号、都市名等の各種データが存在し、これらに従って、
表示装置１２１に地図が描画されることとなる。写真デ
ータファイル１４６には、各交差点や直進中に見える特
徴的な風景等を撮影した写真がその写真番号と対応して
格納されている。この写真データは、表示装置１２１の
形式によって、ディジタル、アナログデータとして格納
され、またはネガフィルム等の形式で格納されるように
なっている。

【００１６】一方、経路探索に使用されるのが、交差点
データファイル、ノードデータファイル、道路データフ
ァイルのそれぞれに格納された、交差点データ、ノード
データ、道路データからなる道路網データである。図２
は、道路網の一例を表したものである。この図に示すよ
うに、交差点番号Ｉ〜ＩＶ、道路番号〜からなる道
路網を例に各ファイルの説明を行うこととする。図３
は、図２の道路網に対する交差点データファイル１４２
の内容を表したものである。この図３に示すように、交
差点データファイル１４２には、交差点番号Ｉ〜ＩＶの
それぞれに対応して、交差点名、その交差点の緯度と経
度、当該交差点が始点となっている道路のうち一番番号
の小さい道路番号、当該交差点が終点となっている道路
のうち一番番号の小さい道路番号、および、信号の有無
が、交差点データとして格納されている。

【００１７】図４は、道路網に対する道路データファイ
ル１４４の内容を表したものである。この図４に示すよ
うに、道路データファイル１４４には、道路番号〜
のそれぞれに対応して、始点の交差点番号、終点の交差
点番号、同じ始点を持つ道路のうち番号が次のもの、同
じ終点を持つ道路のうち番号が次のもの、道路の太さ、
禁止情報、案内不要情報、後述の写真データの写真番
号、ノード数、ノード列データの先頭アドレス、道路の
長さ、および、制限速度が格納されている。

【００１８】図５は、ノードデータファイル１４３の内
容を表したものである。この図５に示すように、ノード
データファイル１４３にはコース上の特徴点でセンサ等
で検出できる横断歩道やトンネル等についての情報から
なるノードデータが格納されている。ノードデータファ
イルには、東経、北緯、属性等からなり、道路データか
ら明らかなように道路番号の単位は複数個のノードから
なる。すなわち、ノードデータは道路上の１地点に関す
るデータであり、ノード間を接続するものをアークと呼
ぶと、複数のノード列のそれぞれの間をアークで接続す
ることによって道路が表現される。例えば道路番号に
関して見ると、図４に示す道路データから、ノード数が
１５であり、ノードデータの先頭アドレスが１００であ
ることから、道路番号は１００から１１４までのアド
レスのノードデータで構成されることになる。

【００１９】これらの道路網データによると、例えば交
差点番号１に着目した場合、ここを始点とするコースで
は、まず、交差点データの始点情報から道路番号、次
にこの道路番号に関する道路データの「同じ始点を持
つ道路のうち番号が次のもの」から道路番号が検索さ
れる。そして、道路番号における同様の情報では、逆
に道路番号であることから周囲道路として他の道路番
号のものはないことが判断できる。これは、終点に関し
ても同様である。また、道路データにおける道路番号
では、道路番号が禁止になっていることから、図４に
示すネットワークの交差点番号ＩＶにおいて、道路番号
からへは右左折禁止等のため進入できず、進入可能
な道路は道路番号だけとなる。従って、この道路番号
への進入は案内不要となる。

【００２０】図６は、探索経路データファイル１４５の
内容を表したものである。この探索経路データファイル
１４５には、経路検索により生成された交差点列データ
（図６（ａ））、ノード列データ（同図（ｂ））が格納
されている。交差点列データは交差点名、交差点番号、
その交差点の特徴風景等を撮影した写真番号、曲がる角
度、距離等の情報からなり、また、ノード列データは、
同図（ｂ）に示すようにそのノード位置を表す東経、北
緯、そして交差点番号、属性、角度、距離等の情報から
なる。しかも、これらのデータは、案内不要の交差点を
除いた、案内を要する交差点のみのデータからなる。従
って、ナビゲーションでは、所定の位置に対応してこの
データを順次読み出して入出力部１２に出力するように
なっている。

【００２１】次に、このように構成された実施例の動作
について、図７から図１０を参照して説明する。図７
は、時間を考慮した経路探索の動作を表したものであ
る。本実施例は、複数の地点間（すなわち、複数の目的
地間の移動、および出発地と目的地間）の移動に必要な
経路を探索する場合に、移動時間を考慮するようにした
ものである。すなわち、経路探索において、地点間の移
動に使用可能な時間を獲得し、その時間内で移動可能な
経路を探索する。また、使用可能時間が不明な場合に
は、探索した経路を移動するのに必要な時間の算出と表
示を行う。

【００２２】図７に示すように、まず、ナビゲーション
処理部１０は、入力装置１２２または通信装置１２５か
ら、スケジュールデータを獲得する（ステップ１１）。
すなわち、通信装置１２５により、通信機能を有する電
子手帳等の携帯用電子機器から、移動地と、必要に応じ
て滞在予定時間、住所、電話番号等のスケジュールデー
タが送信されると、ナビゲーション処理部１０は、この
スケジュールデータを通信装置１２５とモデム１５を介
して獲得する。また、運転者が直接入力装置１２２のタ
ッチパネルから入力された場合にも、スケジュールデー
タとして獲得する。図８は、獲得したスケジュールデー
タの例を表したものである。スケジュールデータとし
て、図８（Ａ）に示すように、目的地としてＡ社、Ｂ
駅、Ｃ社の３地点と、これら各地点における滞在予定時
間が獲得される場合と、（Ｂ）に示すように、Ｂ駅、Ａ
社、Ｃ社といった地点のみが獲得される場合がある。

【００２３】次に、ナビゲーション処理部１０は、スケ
ジュールデータとして獲得した地点から、目的地設定を
行う（ステップ１２）。すなわち、獲得したＡ社、Ｂ
駅、Ｃ社等の地点に対応する住所または電話番号から、
該当する地点の緯度、経度を特定してＲＡＭ１０３に格
納する。ここで、目的地が複数ある場合、図８（Ａ）に
示すように滞在予定時間も獲得していれば滞在予定時間
の順に目的地の移動順番が決められる。また、同図
（Ｂ）に示すように滞在予定時間を獲得していなければ
獲得した（入力された）順に移動順番が決められる。図
８（Ｂ）の場合、まず出発地点からＢ駅に移動し、その
後Ｂ駅からＡ社に移動し、さらにＡ社からＣ社に移動し
た後、Ｃ社から元の出発地点に戻るようというように移
動順番が決められる。

【００２４】そして、ナビゲーション処理部１０は、エ
ンジン起動時、ナビゲーション装置の起動時、または、
出発時間がスケジュールデータと共に入力装置１２２か
ら入力され、若しくは通信装置１２５で受信した時はそ
の時間から、出発時間を決定する（ステップ１３）。こ
の出発時間の決定は、スケジュールデータと共に入力等
された場合にはその時間が最優先される。出発時間が入
力等されない場合にはエンジン起動時が使用されるが、
予め設定変更を行っておくことでナビゲーション装置起
動時に変更することが可能である。

【００２５】出発時間が決定されると、ナビゲーション
処理部１０は、ステップ１１で獲得したスケジュールデ
ータが、各地点での滞在予定時間を含んでいるか、それ
とも地点のみかを判断する（ステップ１４）。スケジュ
ールデータに滞在予定時間が含まれている場合（ステッ
プ１４；Ｙ）、滞在予定時間から使用可能時間を算出す
る（ステップ１５）。図９（Ａ）は滞在予定時間から算
出した使用可能時間を表したものである。いま、ステッ
プ１３で決定された出発時間が９：００であるものと
し、図８（Ａ）に示すスケジュールデータの場合、図９
（Ａ）に示すように、出発地点からＡ社（予定時間１
２：００〜１３：００）までの使用可能時間が３時間、
Ａ社からＢ駅（予定時間１５：００〜１５：３０）まで
の使用可能時間が２時間、Ｂ駅からＣ社（予定時間１
９：００〜２１：００）までの使用時間が３時間３０分
である。

【００２６】次に、ナビゲーション処理部１０は、算出
した使用可能時間内に、その地点間を移動することがで
きる経路を探索する（ステップ１６）。ここで、ナビゲ
ーション処理部１０が経路探索において、その経路での
移動時間を算出する場合、図４に示す道路データファイ
ル１４４から道路長さと制限速度や、図３に示す交差点
データファイル１４２から経路内に存在する交差点の数
と信号のある交差点の数が使用される。また、通信装置
１２５で受信するＶＩＣＳからの渋滞情報等の交通情報
も使用される。ナビゲーション処理部１０は、これらの
各種情報から、ステップ１５で算出した使用可能時間内
に移動することができる、出発地、Ａ社、Ｂ駅、Ｃ社間
の経路を探索する。

【００２７】この経路探索の結果、使用可能時間内に各
地点間を移動可能な経路の探索が可能か否かを判断し
（ステップ１７）、すべての地点間に対する経路探索が
可能であれば（ステップ１７；Ｙ）、最終目的地（図８
（Ａ）のスケジュールでは、Ｃ社）から、出発地点に帰
宅するまでの経路を探索する（ステップ１８）。ここで
の帰宅経路は、通常の経路探索処理によって探索され、
一般には、最短距離となる経路が優先して探索される。
そして、探索した帰宅経路について、道路長さ、制限速
度、交差点数、信号数、渋滞情報等から、出発地点に到
着する帰宅予定時間を算出すると共に、表示装置１２１
に帰宅予定時間を表示して（ステップ１９）、メインル
ーチンにリターンする。

【００２８】一方、ステップ１７において、使用可能時
間内に地点間を移動することができる経路が存在しない
場合、その地点間の移動が不可能である旨と、予定の変
更が必要である旨のメッセージを、表示装置１２１に表
示し、または音声出力装置から出力して（ステップ２
０）、リターンする。このように、地点間を使用可能時
間内に移動する経路が存在するか否かを確認すること
で、スケジュールに無理あるか否かをナビゲーション装
置で判断し、予定者に知らせることが可能となる。すな
わち、スケジュールのチェック機能を提供するとこがで
きる。

【００２９】一方、ステップ１１で獲得したスケジュー
ルデータに滞在予定時間が含まれていないと判断した場
合（ステップ１４；Ｎ）、最短距離となる経路を優先し
た通常経路探索処理によって、図８（Ｂ）に示す各地点
間を移動するための経路が、最短距離を優先して探索さ
れる（ステップ２１）。そして、図９（Ｂ）に示すよう
に、道路長さ、制限速度、交差点数、信号数、渋滞情報
等から、探索した経路を移動した場合に各地点間の推定
所要時間を算出する（ステップ２２）。その後、ステッ
プ１８に移行して、帰宅経路（図８（Ｂ）のスケジュー
ルデータの場合、最終目的地であるＣ社から出発地点に
帰宅するまでの経路）と、帰宅予定時間を算出して表示
装置１２１に表示する（ステップ１８、１９）。

【００３０】以上説明したように、本実施例によれば、
日時データと目的地データを、電子手帳等の携帯用電子
機器のスケジュール管理機能とリンクさせて送信するこ
とで、スケジュールに併せた効率のよい走行経路を設定
することがてきる。また、滞在予定時間がなく目的地デ
ータのみが入力または受信された場合に、通常の経路探
索を行うと共に、推定所要時間等を計算して表示するこ
とで、運転者は計画的に各目的地での予定を処理するこ
とができる。さらに、複数の目的地設定を携帯用電子機
器のスケジュール管理機能とリンクさせて設定できるの
で、ユーザの目的地設定の負担を軽減することができ
る。

【００３１】以上説明した実施例のナビゲーション装置
において、ステップ１６で探索した、使用可能な時間で
移動できる経路上を経路誘導している経路途中におい
て、ナビゲーション処理部１０は、時計１０４から予定
通りの時間で走行しているか否かを検出するようにして
もよい。もし、遅れがでて、滞在予定時間までに目的地
に到着できなくなった場合には、その時点で残り時間内
に目的地まで到達できる別の経路を探索し、その旨を表
示装置１２１および音声出力装置１２３によって運転者
に知らせる。残り時間ないに目的地に到着する経路がな
い場合には、その旨をドライバーにしらせ、予定の変更
等を促すようにする。また、既に入力され経路探索され
たスケジュールが走行開始前に変更され、または、走行
途中に変更された場合には、変更後の使用可能時間を再
計算すると共に、走行経路を再探索する。また、目的地
が変更された場合は、再探索したルートの表示、所要時
間の表示を行う。滞在予定時間が変更された場合は、変
更時間に対応した経路探索と表示、および所要時間の表
示を行う。

【００３２】次に第２の実施例について説明する。この
第２の実施例では、スケジュールデータとして入力され
た複数の目的地が、第１の実施例と異なり、その滞在予
定時間と経由の順番が特に決まっていない場合である。
すなわち、複数の目的地を任意の順番に経由すればよい
場合の、経路探索を行うものである。なお、第２の実施
例におけるナビゲーション装置の基本構成は図１に示す
第１の実施例の構成と同一である。いま、図１０（Ａ）
に示すように、目的地での滞在予定時間が特になく、目
的地の経由順番も任意であるスケジュールデータが、通
信装置１２５を介して、電子手帳等の携帯用電子機器や
入力装置１２２から入力されたものとする。この場合、
ナビゲーション処理部１０は、距離、交差点数、渋滞情
報等を考慮して、出発地点から入力されたＰ社、Ｑ社、
Ｒ社の各地点までの到達時間を算出する。例えば、出
発地点→Ｐ社、出発地点→Ｑ社、出発地点→Ｒ社、
の各移動時間を算出する。その結果、出発地点からＡ地
点までの移動時間が１時間で最も短いものとすると、最
短時間の地点であるＰ社を最初の目的地点として設定す
る。

【００３３】次に、Ｐ社を次の出発地点として、残りの
目的地であるＱ社、Ｒ社の両地点に対して、同様に距離
や渋滞情報等を考慮して、Ｐ社→Ｑ社、Ｐ社→Ｒ
社、の各移動時間を算出する。そして、Ｐ社からＱ社ま
では３０分で移動でき、Ｐ社からＲ社までよりも早く移
動できるものとすれば、Ｑ社が第２の目的地として設定
される。そして、残ったＲ社が第３の目的地点として設
定され、Ｑ社→Ｒ社の移動時間と、Ｒ社→出発地点の移
動時間が算出される。このようにして決定されたルート
は、最終的に、出発地点→Ｐ社→Ｑ社→Ｒ社→帰宅（出
発地点）になり、合計の移動時間が４時間１０分にな
る。そして、ナビゲーション処理部１０は、この合計移
動時間および、出発予定時間（例えば９：００）と帰宅
予定時間（例えば５：００）から、目的地Ｐ社、Ｑ社、
Ｒ社に滞在可能な時間の合計滞在時間、この場合、３時
間５０分を算出する。そして、ナビゲーション処理部１
０は、決定した経由ルート、各地点間の所要時間、およ
び、合計滞在時間を、図１０（Ｂ）に示すように、表示
装置１２１に表示する。また、経由ルート、所要時間、
合計滞在時間は、モデム１５および通信装置１２５を介
して、電子手帳等の携帯用電子機器に送信される。

【００３４】なお、以上説明した第２の実施例では、滞
在予定時間や経由順番が決められていない複数の目的地
のうち、出発地点から最も短時間で移動できる地点を第
１番目の目的地とし、他の目的地のうち第１番目の目的
地から最も短時間で移動できる地点を第２番目の目的地
とし、以下同様にして順次目的地を設定したが、次のよ
うにしてよい。すなわち、出発地点から複数の目的地を
経由して最後に出発地（帰宅）に移動する全ての経由コ
ースについて、各地点間の移動に要する移動時間を算出
し、その合計移動時間が最も短い経由コースを採用する
ようにしてもよい。例えば、図１０（Ａ）に示す複数の
目的地Ｐ社、Ｑ社、Ｒ社に対して、出発地→Ｐ→Ｑ→
Ｒ→出発地、出発地→Ｐ→Ｒ→Ｑ→出発地、出発地
→Ｑ→Ｐ→Ｒ→出発地、出発地→Ｑ→Ｒ→Ｐ→出発
地、出発地→Ｒ→Ｐ→Ｑ→出発地、出発地→Ｒ→Ｑ
→Ｐ→出発地、の６種類の経路コースが考えられ、これ
ら全ての経由コースにおける各地点間の移動時間を合計
して合計移動時間を算出する。そして、合計移動時間が
最も短い経由コースの順番に目的地設定を行うと共に、
合計移動時間と、出発時間、帰宅時間から総合滞在時間
を算出する。そして、設定した目的地の経由コース、各
目的地間の所要時間、および総合滞在時間が表示装置１
２１に表示され、モデム１５および通信装置１２５を介
して、携帯用電子機器に送信される。このように、合計
移動時間が最も短い経由コースの順番に目的地設定を行
うことで、効率的な移動を行うことができる。

【００３５】以上説明した第１および第２の実施例で
は、使用可能時間で地点間を移動できる経路を探索する
場合（ステップ１６）や、通常処理によって探索された
経路の推定所要時間を算出する場合、道路長さ、制限速
度、交差点数、信号数、渋滞情報等を使用したが、走行
時間を計算することができる基礎データとして他の種々
のデータを使用することができる。例えば、各道路の一
般的な混雑状況を走行時間帯と共に混雑情報としてデー
タ化して図４に示す道路データに加えておき、その道路
の走行時間に対応する混雑情報を使用するようにしても
よい。

【００３６】

【発明の効果】本発明の案内装置よれば、スケジュール
にあわせた移動の管理を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における案内装置の構成図で
ある。

【図２】同上、道路網の一例を示す説明図である。

【図３】同上、図２の道路網に対する交差点データファ
イルの内容を示す説明図である。

【図４】同上、道路データファイルの内容を示す説明図
である。

【図５】同上、ノードデータファイルの内容を示す説明
図である。

【図６】同上、探索経路データファイルの内容を示す説
明図である。

【図７】同上、ナビゲーション装置による、時間を考慮
した経路探索の動作を示すフローチャートである。

【図８】同上、獲得したスケジュールデータの例を示す
説明図である。

【図９】同上、滞在予定時間から算出した使用可能時間
を示す説明図である。

【図１０】同上、第２の実施例における経由コースの決
定についての説明図である。

【符号の説明】

１０ ナビゲーション処理部 １０１ ＣＰＵ １０２ ＲＯＭ １０３ ＲＡＭ １０４ 時計 １０５ バスライン １１ 絶対位置検出用装置 １１１ ＧＰＳ受信装置 １１２ ビーコン受信装置 １１３ 方位センサ １１４ 距離センサ １１５ 舵角センサ １２ 入出力部 １２１ 表示装置 １２２ 入力装置 １２３ 音声出力装置 １２５ 通信装置 １４ データファイル １４１ 描画地図データファイル １４２ 交差点データファイル １４３ ノードデータファイル １４４ 道路データファイル １４５ 探索経路データファイル １４６ 写真データファイル １４７ その他のデータファイル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−174032（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−304587（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−318666（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−176040（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−135070（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01C 21/00 G08G 1/0969 G06F 17/60 G01S 5/14

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現在地から目的地までの経路を設定し
   て、設定された経路を案内する案内装置において、 複数の目的地および目的地における滞在時間を入力する
   入力手段と、 この入力手段で入力された滞在時間から、前記各目的地
   間を運航するのに使用可能な時間を算出する使用可能時
   間算出手段と、前記算出した使用可能時間内で移動可能な前記各目的地
   間の経路を設定する設定手段と、 を具備することを特徴
   とする案内装置。
2. 【請求項２】 前記入力手段は、無線受信装置であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の案内装置。
3. 【請求項３】 現在地から目的地までの経路を設定し
   て、設定された経路を案内する案内装置において、 複数の目的地を入力する入力手段と、 この入力手段で入力された目的地間を運航する運航時間
   を算出する算出手段と、 この算出手段で算出された運航時間から、各目的地に滞
   在可能な時間の合計滞在時間を算出する合計滞在時間算
   出手段と、 この滞在時間算出手段で算出された滞在時間を出力する
   出力手段とを具備することを特徴とする案内装置。
4. 【請求項４】 前記出力手段は、無線送信手段であるこ
   とを特徴とする請求項３記載の案内装置。