JP3440815B2 - 貴金属コロイド分散ポリシランのパターン形成方法 - Google Patents

貴金属コロイド分散ポリシランのパターン形成方法

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JP3440815B2 JP09260298A JP9260298A JP3440815B2 JP 3440815 B2 JP3440815 B2 JP 3440815B2 JP 09260298 A JP09260298 A JP 09260298A JP 9260298 A JP9260298 A JP 9260298A JP 3440815 B2 JP3440815 B2 JP 3440815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貴金属コロイドを
分散させたケイ素系高分子化合物層を有する基板の該ケ
イ素系高分子化合物層のパターンを形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】貴金属
コロイドを分散させた高分子化合物でコートした基板
は、特異な電子的・光学的機能性を持つことはよく知ら
れている。例えば、A.W.Olesnらは金コロイド
をジアセチレン系高分子化合物に分散させると3次の非
線形特性が大幅に向上することを報告している(J.A
m.Chem.Soc.,113(1991)775
8)。
【0003】通常、こうした貴金属コロイドでコートし
た基板は、貴金属塩にコロイドを安定化させ得る高分子
化合物とホルマリンやナトリウムボロハイドレートのよ
うな還元性のある低分子量化合物とを作用させることに
より基板をコートして製造されるが、コロイドの安定化
と塩の還元という2つの作用をそれぞれ高分子化合物と
低分子量化合物という2つの材料で行っているため、し
ばしばコロイドの凝集がおこり、コロイドを良好に分散
させた高分子化合物でコートした基板が得られにくいと
いう欠点があった。まして、パターン化された貴金属コ
ロイドの分散基板を得るためには、レジストのようなパ
ターニング材料を更に組み合わせることが必要となり、
工程も非常に複雑となっていた。
【0004】ところで、ポリシランは、炭素に比べてそ
のケイ素の持つ金属性と電子非局在性、高い還元性と柔
軟性、良好な薄膜形成特性から非常に興味深いポリマー
である。それらの応用の中で、極微細なパターンを高精
度で形成するフォトレジストの開発を目的として、ポリ
シランを用いた研究が活発に行われていた(例えば、特
開平6−291273号公報)。更に、本発明者らは、
特開平9−327009号公報において、ポリシランの
還元作用を利用して銀塩から金属銀が生成すること、ま
た、このこととポリシランの光回路描画性を応用すれ
ば、導電回路を製造することができることを提案してい
る。しかしながら、高い導電性を発現させるためには生
成した金属銀粒子間の接触が必要で、このため5〜10
重量%という高濃度の銀塩溶液を使用すると、銀コロイ
ドの分散した高分子化合物でコートした基板は得られな
い。また、上記提案では、金コロイドの製造に関しては
開示されていない。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、貴金属コロイドがケイ素系高分子化合物に高度に分
散し、優れた光学的機能を発現する金属コロイド分散層
を有する基板の該金属コロイド分散層のパターンを形成
するパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、光学的機能性発現のためには、高度に分散
した金属コロイドが必要であることに鑑み鋭意検討を行
った結果、金属塩のなかで特に貴金属塩を還元性を持つ
ケイ素系高分子化合物と接触させると、還元性を持つケ
イ素系高分子化合物はコロイドの安定化と塩の還元とい
う2つの作用を1つの材料で行うことができるため、工
程も制御も簡単となり、しかも、還元性を持つケイ素系
高分子化合物としてポリシランを用いると、光を用いた
パターニングをレジスト等他の材料を用いることなく行
うことができることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)基板上に下記式
(1)で表わされるポリシラン膜を形成した後、選択的
光照射を行い、光照射部にSi−O結合を持つパターン
を形成させる工程、(2)貴金属の塩を溶解させた溶液
に工程(1)の基板を浸漬し、未露光部のポリシラン部
に上記貴金属のコロイドを形成、分散させる工程を含む
ことを特徴とする貴金属コロイド分散ポリシランのパタ
ーン形成方法を提供する。 (R1 m2 npSi)q (1) (式中、R1、R2は水素原子又は置換もしくは非置換の
一価炭化水素基、XはR1、アルコキシ基、ハロゲン原
子、酸素原子又は窒素原子を示し、mは0.1≦m≦
2、nは0≦n≦1、pは0≦p≦0.5、1≦m+n
+p≦2.5を満足する数、qは10<q≦10,00
0を満足する整数である。)
【0008】本発明を利用すれば、簡便かつ迅速なる工
程により、貴金属コロイドの分散した高分子化合物でコ
ートした基板を得ることができ、特にポリシランを用い
れば、貴金属コロイドのパターンを形成した高分子化合
物でコートした基板を得ることができる。これは、非線
形光学特性等各種光学機能性を持つ光学素子や、センサ
ー等各種電子機能性を持つ電子素子等に応用可能な有用
な貴金属コロイドパターンの形成された高分子化合物で
コートした基板として、電気、電子、通信分野に広く用
い得る。
【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の貴金属コロイドの分散した高分子化合物で
コートした基板は、貴金属の塩と還元性を有するケイ素
系高分子化合物とを接触させることにより形成されたも
のである。
【0010】ここで、基板としては、ガラス、セラミッ
ク、プラスチックのような絶縁体、シリコンのような半
導体、アルミニウムのような導体のものが用いられる。
【0011】また、本発明において、還元性を持つケイ
素系高分子化合物としては、Si−Si結合を有するケ
イ素系高分子化合物が使用し得、特にポリシランが好適
である。
【0012】ここで、ポリシランとしては、特に下記式
(1)で表わされるものが好ましい。
【0013】(R1 m2 npSi)q (1) (式中、R1、R2は水素原子又は置換もしくは非置換の
一価炭化水素基、XはR1、アルコキシ基、ハロゲン原
子、酸素原子又は窒素原子を示し、mは0.1≦m≦
2、nは0≦n≦1、pは0≦p≦0.5、1≦m+n
+p≦2.5を満足する数、qは10<q≦10,00
0を満足する整数である。)
【0014】上記式(1)のポリシランにおいて、
1、R2は、水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭
化水素基であり、R1とR2とは互いに同一であっても異
なっていてもよいが、上記一価炭化水素基としては、脂
肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基が用いられる。脂肪
族又は脂環式炭化水素基の場合、炭素数1〜12、好ま
しくは1〜6であり、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、芳
香族炭化水素基としては、炭素数6〜14、より好まし
くは6〜10のものが好適であり、例えばフェニル基、
トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェ
ネチル基等が挙げられる。なお、置換炭化水素基として
は、上記に例示した非置換の炭化水素基の水素原子の一
部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、
アミノアルキル基などで置換したもの、例えばモノフル
オロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルア
ミノフェニル基等が挙げられる。Xは、上記したよう
に、R1と同様の基、アルコキシ基、ハロゲン原子など
であり、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4のもの、ハロゲ
ン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙
げられ、通常メトキシ基、エトキシ基が用いられる。
【0015】mは0.1≦m≦2、特に0.5≦m≦
2、nは0≦n≦1、pは0≦p≦0.5、特に0≦p
≦0.2であり、かつ、1≦m+n+p≦2.5、特に
1.5≦m+n+p≦2を満足する数であり、qは10
<q≦10,000の範囲の整数である。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】本発明においては、上記基板上に上記ケイ
素系高分子化合物の膜を形成するが、その形成方法とし
ては、特に限定されず、スピンコート法、ディッピング
法、キャスト法、真空蒸着法、LB法(ラングミュアー
・ブロジット法)などの通常の薄膜形成法が採用でき
る。特に、ケイ素系高分子化合物の溶液を高速で回転さ
せながら成形するスピンコート法が好適に用いられる。
ケイ素系高分子化合物を溶解させる溶媒の例としては、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水
素、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエー
テル系溶剤が好適に用いられる。成膜後、しばらく乾燥
雰囲気下で静置するとか、減圧下で40〜60℃程度の
温度に放置することにより乾燥することは効果的であ
る。
【0023】なお、ケイ素系高分子化合物の上記溶媒溶
液中の濃度は、1〜20重量%とすることができ、これ
によって0.1〜1,000μmの膜厚のケイ素系高分
子薄膜を形成することができる。
【0024】本発明においては、次いで、貴金属の塩を
このケイ素系高分子膜に接触させる。こうした貴金属の
塩の中でも、特にイオンから金属にするときの標準酸化
還元電位が+0.54V以上であるものが効果的であ
る。より具体的には、白金、金、銀、パラジウムである
ものがよい。
【0025】貴金属の塩としては、溶剤に溶解し貴金属
カチオンを生成させ得るもので、通常M−Zn(nはM
の価数によって決まる整数)或いはA−M−Zm(Aは
アルカリ金属又は水素、mはMの価数によって決まる整
数)で表わすことができる。この場合、Zとしては、C
l,Br,Iのようなハロゲン、アセテート、トリフル
オロアセテート、アセチルアセトネート、カーボネー
ト、パークロレート、ナイトレート、スルフェート、シ
アネート、オキサイド等が用いられる。
【0026】金塩の例としては、AuCl3,AuB
3,HAuCl4,NaAuCl4,KAuCl4,Li
AuCl4,AuCNKAu(CN)3、銀塩の例として
は、AgBF4,AgClO4,AgPF6,AgBP
4,Ag(CF3SO3),AgNO3、パラジウム塩の
例としては、PdCl2,PdBr2,PdI2,Pd
(OCOCH32,Pd(OCOCF32,PdS
4,Pd(NO32,PdO 、白金塩の例としては、
PtCl2,PtCl4,H2PtCl6,Na2PtC
6,K2PtCl6,Pt(acetylaceton
ate)2等が好適に用いられる。
【0027】接触方法として、貴金属塩を溶解させた溶
液を上記ケイ素系高分子膜に接触させる溶液法が好適に
用いられる。この溶液法では、この貴金属塩をよく溶解
させ、ケイ素系高分子化合物を溶解させにくい溶媒が用
いられる。このようなものとして、側鎖基の種類により
溶解性が異なるため一概には言えないが、水、或いはア
セトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エ
チルのようなエステル類、メタノール、エタノールのよ
うなアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドのよ
うな非プロトン性極性溶媒、その他、ニトロメタン、ア
セトニトリル等が挙げられる。特に、フェニルメチルポ
リシランの場合、アルコール類が好適に用いられる。
【0028】この場合、上記貴金属塩の溶液中の濃度は
0.001〜10重量%、特に0.1〜5重量%とする
ことが好ましい。貴金属塩濃度が高すぎると、表面が貴
金属膜で覆われ、ケイ素系高分子膜に貴金属コロイドが
分散した状態にならない。
【0029】なお、接触後は、必要に応じて50〜60
℃の温度で熱処理することにより、ケイ素系高分子膜表
面での金属塩の吸着及び金属塩から金属コロイドの生成
が促進される。
【0030】次いで、上記溶媒を用いて、上記基板を浸
漬し、不必要な金属塩を洗浄・除去する工程を行う。除
去方法としては、この溶媒に基板を1秒〜10分程度浸
漬して、基板上の不要な貴金属イオンを除去することが
できる。
【0031】その後必要に応じて高温加熱することで、
ケイ素系高分子表面の貴金属塩から金属コロイドの生成
を促進し、良好に貴金属コロイドを分散した高分子化合
物でコートした基板を得ることができる。加熱温度は、
通常室温〜250℃で1分〜10時間、常圧又は減圧で
行うことが好ましい。250℃を超えると金属コロイド
の凝集がはじまるので望ましくない。通常は80〜20
0℃の温度で1分〜1時間加熱すればよい。
【0032】本発明において、ケイ素系高分子化合物が
ポリシランの場合は、ポリシランが本来持つ光パターニ
ングの特性を応用できるため、貴金属コロイドのパター
ンを形成した基板を得ることができる。
【0033】このポリシランを用いてのパターニング
は、次の工程で行うことができる。 (1)基板上に形成されたポリシラン膜に、選択的光照
射を行い、光照射部にSi−O結合を持つパターンを形
成させる工程。 (2)貴金属塩を溶解させた溶液に工程(1)の基板を
浸漬し、未露光部のポリシラン部に貴金属コロイドを形
成させる工程。
【0034】本発明のパターン形成方法としては、まず
基板上にこのポリシランを主成分としてなる薄膜を形成
させる。このポリシラン膜を形成させた基板の上から、
酸素の存在下に非選択的光照射を行い、ポリシランの一
部にSi−O結合を形成させる工程を行う。これによ
り、光が当たった部分の表面は、Si−Si結合がSi
−O−Si結合やSi−OHに変換されて還元性を失
う。
【0035】この工程は、ポリシランの光酸化パターン
描画工程と同じ装置を用いることができる。通常は1μ
mの膜厚あたり0.01〜100J/cm2の光量が用
いられる。特に、0.1〜10J/cm2の光量が好適
に用いられる。これにより、ポリシランの表面にSi−
O結合が形成された基板が作成され、貴金属の塩を接触
させても、もはや金属コロイドを生成しない。
【0036】光源としては、水素放電管、希ガス放電
管、タングステンランプ、ハロゲンランプのような連続
スペクトル光源でも、各種レーザー、水銀灯のような不
連続スペクトル光源でもよいが、安価で取り扱いが容易
な水銀灯が好適に用いられる。
【0037】次に貴金属塩を溶解させた溶液にこの基板
を浸漬し、未露光部のポリシラン部に貴金属コロイドを
形成させる。これにより、貴金属コロイドのパターンで
コートされた基板を容易に得ることができるが、この工
程及び後処理は上記と同様に行うことができる。
【0038】図1は、ポリシランパターニングの一例を
示すもので、基板1上にポリシラン膜2を形成し、マス
ク3を介してポリシラン膜2に紫外線4を照射する露光
工程を行う(図1(A))。これにより、露光部分のポ
リシランはポリシロキサン2aに変換し、未露光部はポ
リシラン2bのまま残る。次いで、上記露光後のポリシ
ラン膜に貴金属塩5を接触させる工程を行う(図1
(B))。これにより、貴金属塩は、ポリシロキサン部
2aにおいては貴金属塩5としてそのまま付着乃至は吸
着される一方、ポリシラン部2bでは、このポリシラン
の作用により貴金属イオンが貴金属に還元され、貴金属
コロイド6が生成する(図1(C))。次いで、ポリシ
ロキサン部2aの貴金属塩を溶剤により除去し(図1
(D))、更に加熱することにより、ポリシラン部2b
に貴金属コロイド6が分散したパターンが得られる(図
1(E))。なお、図に示す例では、貴金属塩を除去す
る際、ポリシロキサンを溶解可能な溶剤を用いて同時に
ポリシロキサン部を除去するようにした。
【0039】本発明の貴金属コロイド分散ケイ素系高分
子化合物層を有する基板は、特開平9−327009号
公報の場合は高導電体から半導電体としての特性を示す
のに対して、上記高分子化合物層の表面の電気伝導度が
106〜1017Ωcm/□、特に109〜1015Ωcm/
□であり、絶縁物としての特性を示しながら可視領域の
光吸収を示し、かつ高い3次の非線形光学特性を示す。
【0040】
【発明の効果】本発明の貴金属コロイド分散ケイ素系高
分子化合物層を有する基板は、優れた光学的機能を有す
るものであり、本発明によれば、簡便かつ迅速なる工程
により、貴金属コロイドを含有したパターンをコートし
た基板を得ることができ、非線形光学特性等各種光学機
能性を持つ光学素子やセンサー等各種電子機能性を持つ
電子素子等に応用可能な有用な高分子コート基板を得る
ことができる。
【0041】
【実施例】以下、合成例、実施例と比較例を示し、本発
明の態様を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例
に制限されるものではない。
【0042】[合成例]ポリシランの製造方法 窒素気流下に、金属ナトリウムをトルエン中に添加し、
高速で撹拌しながら100〜120℃に加熱し分散させ
る。これにジクロルジオルガノシランを撹拌下にゆっく
り滴下する。添加量は金属ナトリウム2〜3モルに対
し、ケイ素化合物1モルである。原料が消失するまで4
時間撹拌し、反応を完結させた。次いで放冷後塩を濾過
し濃縮して、ポリシランを簡単に得ることができる。
【0043】例えば、フェニルメチルポリシランの製造
方法は以下のように行った。窒素気流下に、金属ナトリ
ウム5.06g(220mmol)をトルエン60ml
中に添加し、高速で撹拌しながら110℃に加熱し分散
させた。これにフェニルメチルジクロルシラン19.1
g(100mmol)を撹拌下にゆっくり滴下した。原
料が消失するまで4時間撹拌し、反応を完結させた。次
いで放冷後、塩を濾過し濃縮してポリシラン粗生成物1
0.0g(粗収率83%)を得ることができた。このポ
リマーは再度30mlのトルエンに溶解させ、その溶液
にヘキサン120mlを添加し析出分離して、重量平均
分子量45,000のフェニルメチルポリシラン6.6
g(収率55%)を得た。
【0044】こうして合成したポリマーのトルエン溶液
を用いて、スピンコート法による成膜を行い、所望の膜
厚のポリマーを得ることができる。
【0045】[実施例、比較例1,2]ポリシラン(合
成例で製造したフェニルメチルポリシラン)をトルエン
に溶解させ、7%の溶液にした。ガラス板上にこのポリ
シラン溶液を、3,000rpm、10秒でスピンコー
トし、2mmHg/50℃で乾燥させて、厚さ0.4μ
mの薄膜を作り、パターン形成用基板とした。
【0046】この基板上にフォトマスクを重ね、20W
の低圧水銀灯を用いて254nmの紫外線を10J/c
2の光量で照射し、図1のような方法でパターン形成
を行い、ポリシランの未露光層とポリシロキサンの露光
層のパターン形成された膜を持つガラス基板を作成し
た。
【0047】次に、塩化金酸ナトリウムの1.0%エタ
ノール溶液を作成し、以下(1)、(2)の方法で、ポ
リシラン基板と接触させ、金コロイドパターン層の形成
を行った。この基板の吸収スペクトルのデータを表1に
まとめた。 (1):潜像が形成されたポリシラン膜を持つガラス基
板を、塩化金酸ナトリウムの1.0%エタノール溶液に
1分間浸漬し、溶液から取り出し、2mmHg/50℃
で乾燥させた。これにより、ポリシラン層上に金塩が吸
着され、次いで還元され、550nmに特徴的な極大吸
収スペクトルを持つ金コロイドの分散した高分子化合物
でコートされたガラス基板が得られた。次いで、エタノ
ールに1分間浸漬し、未露光部にも付着した金塩を除い
た。 (2):(1)のガラス基板を、100℃で10分間加
熱した。この(1)及び(2)のガラス基板の吸収スペ
クトルの測定を行ったところ、以下のとおり、金コロイ
ドに特徴的な波長550nmでの高い吸収強度が観察さ
れた。このことから、基板上には金コロイドを分散した
高分子化合物のパターンが形成されていることは明らか
である。
【0048】比較のため金塩のかわりにエタノールを用
いて同様の操作を行った場合やポリシランのかわりにフ
ェニルメチルポリシロキサンを用いて同様の操作を行っ
た場合は、波長550nmでの高い吸収強度は観察され
ず、金コロイドでコートした基板を得ることはできなか
った。
【0049】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】貴金属コロイドパターンを持つ基板の製造工程
の説明図で、(A)は露光工程、(B)は貴金属塩処理
工程、(C)は貴金属コロイド生成の状態、(D)は貴
金属塩除去工程、(E)は貴金属コロイドパターンの形
成状態を示す。
【符号の説明】
1 基板 2 ポリシラン膜 2a ポリシロキサン部 2b ポリシラン部 3 マスク 4 紫外線 5 貴金属塩 6 貴金属コロイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 13/00 503 H01B 13/00 503A (56)参考文献 特開 昭57−11339(JP,A) 特開 昭57−63893(JP,A) 特開 昭57−130030(JP,A) 特開 平6−88243(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/004 - 7/18 G03F 7/26 - 7/72 H01B 5/14 H01B 13/00 503

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)基板上に下記式(1)で表わされ
    るポリシラン膜を形成した後、選択的光照射を行い、光
    照射部にSi−O結合を持つパターンを形成させる工
    程、(2)貴金属の塩を溶解させた溶液に工程(1)の
    基板を浸漬し、未露光部のポリシラン部に上記貴金属の
    コロイドを形成、分散させる工程を含むことを特徴とす
    る貴金属コロイド分散ポリシランのパターン形成方法。 (R1 m2 npSi)q (1) (式中、R1、R2は水素原子又は置換もしくは非置換の
    一価炭化水素基、XはR1、アルコキシ基、ハロゲン原
    子、酸素原子又は窒素原子を示し、mは0.1≦m≦
    2、nは0≦n≦1、pは0≦p≦0.5、1≦m+n
    +p≦2.5を満足する数、qは10<q≦10,00
    0を満足する整数である。)
  2. 【請求項2】 貴金属の塩が、イオンから金属に還元す
    るときの標準酸化還元電位が+0.54V以上のもので
    ある請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 貴金属の塩が、白金、金、銀又はパラジ
    ウムの塩である請求項2記載のパターン形成方法。
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