JP5264626B2 - 金属微粒子を多層に形成した多層膜基板とその製造方法。 - Google Patents

金属微粒子を多層に形成した多層膜基板とその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、金属微粒子を基板上に積層させた多層基板と、その製造方法、およびその用途に関する。特に本発明は、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子(金ナノロッド)を基板上に積層させた多層積層基板とその製造方法、およびその用途に関する。
溶媒中に分散した金属微粒子に光を照射すると局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon resonance:LSPR)と呼ばれる共鳴吸収現象が生じる。この吸収現象は金属の種類と形状、そして溶媒の屈折率によって吸収波長が決定される。例えば、球状の金微粒子が水に分散した場合は530nm付近に吸収域を持ち、金微粒子の形状を短軸10nm程度のロッド状(金ナノロッド)にすると、ロッドの短軸に起因する530nm付近の吸収の他に、ロッドの長軸に起因する長波長側の吸収を有することが知られている(非特許文献1)。これら金属微粒子分散液は、低分子化合物や高分子化合物が保護剤として金属微粒子に吸着、または結合しており、金属微粒子同士は凝集することなく安定に溶媒に分散している。
金ナノロッドはアスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子であり、カチオン性界面活性剤である第四級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)に溶解した水中で合成され、CTAB水溶液中の金イオンを化学還元、電気還元、光還元などによって合成することが可能であり、合成した金微粒子はCTABの保護作用により水中で安定分散している(特許文献1、2、3、4)。
一方、近年、金属微粒子のLSPR特性解明に向けた基礎研究が活発に行われている。高感度な表面増強ラマン分光法(Surface Enhanced Raman Scattering:SERS)や蛍光増強を得るためには、エキシトンカップリングと呼ばれる金属微粒子間で発生するホットサイト(非特許文献2)や、ナノ構造のエッジ部分で発生する著しく増強された電場を活用することが重要となり、そのような増強効果の得られる金ナノロッド構造体を作製する技術が検討されてきている(非特許文献3)。
非特許文献3の方法によれば、電子ビームリソグラフィーの技術を用いて基板上に一定間隔で金ナノロッドを造形することが可能である。この方法では精度高く金ナノロッドを一定間隔に配置可能である。
また、ヘキサンなどの水と混和しない非水系有機溶媒と金属微粒子水分散液を接触させて液−液界面に粒子薄膜を析出し、これにアセトニトリルやアルコールなどの極性溶媒を注入することにより、液−液界面に粒子薄膜を析出させる方法、さらには、粒子薄膜を基材表面に移しとる方法が報告されている(非特許文献4、5、特許文献5)。
特開2004−292627号公報 特開2005−97718号公報 特開2006−169544号公報 特開2006−118036号公報 特開2006−192398号公報
S-S.Chang S-S.Changetal,Langmuir,15,p701(1999) P. K. Jain, S. Eustis, M. A. El-Sayed, J. Phys. Chem. B, 110, p18243(2006) K. Ueno, S. Juodkazis, V. mizeikis, K. Sasaki, H. Misawa, J. AM. CHEM. SOC., 128, p14226(2006) F. Reincke, S. G. Hickey, W. K. Kegel, D. Vanmaekelbergh, Angew. Chem. Int. Ed., 43, p458(2004) M. Suzuki, Y. Yasuro, N. Terasaki, K. Inoue, Y. Kuwahara, S. Yamada, Jpn. J. Appl. Phys., 43, No.4B, p554(2004)
非特許文献2の方法では、電子ビーム照射装置など大規模な装置が必要であるため製造コストが高く、また基板の大面積化は困難であり、さらに金ナノロッドを基板上に二次元に造形することは可能であるが、三次元に多層配置する設計はできない。また、非特許文献4、非特許文献5、および特許文献5の方法は、金属微粒子や金ナノロッドを基板上に薄膜として固定化することは可能であるが、最初に形成した薄膜の上に上記処理を施しても、基板薄膜の表面に薄膜が積層されず、安定に多層化することができない。
一方、気液界面の有機分子薄膜を基材表面に移し取る技術としては、Langmuir-Blodgett法(LB法)が知られているが、LB法ではコンピュータ制御の可動性バリアを用いて界面面積を制御する方法が一般的であり、液液界面も同様の手法で作製することが可能であるが、可動性バリアの制御は簡便ではない。
本発明は、従来技術における上記課題を解決したものであり、基板上に金属微粒子多層膜、具体的には、例えば、金ナノロッドの多層膜を、安定に形成することができる多層膜基板の製造方法に関する。
本発明によれば、以下の構成からなる多層膜基板の製造方法が提供される。
〔1〕界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液に、該金属微粒子に吸着した界面活性剤の一部を脱離させる溶解液を添加して該金属微粒子を水分散液の液面に薄膜状に凝集させる工程(凝集工程)、該金属微粒子が凝集した薄膜を基板に移し取る工程(転移工程)、基板に転移した金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する工程(親水化処理工程)からなり、上記凝集工程から上記親水化処理工程を順に繰り返して該金属微粒子を多層に形成することを特徴とする多層膜基板の製造方法。
〔2〕界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液に水と相溶しない非水系溶液を加えて上記水分散液と非水系溶液が二層に分離した二層分離溶液にし(二層分離工程)、該二層分離溶液に上記金属微粒子に吸着した界面活性剤の一部を脱離させる溶解液を添加して上記金属微粒子を二層分離溶液の界面に薄膜状に凝集させる工程(凝集工程)、該金属微粒子が凝集した薄膜を基板に移し取る工程(転移工程)、基板に転移した金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する工程(親水化処理工程)からなり、上記凝集工程から上記親水化処理工程を順に繰り返して該金属微粒子を多層に形成することを特徴とする多層膜基板の製造方法。
〔3〕基板上の金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する処理剤が、一方の末端が金に吸着する官能基を有し、他方の末端が親水性の官能基を有する化合物である請求項1または請求項2の何れかに記載する多層膜基板の製造方法。
〔4〕親水化処理する処理剤が、末端にアミノ着、カルボキシル基、シアノ基、ヒドロキシ基を有する直鎖チオール化合物である上記[3]に記載する多層膜基板の製造方法。
〔5〕親水化処理する処理剤が、2−メルカプトエタノールである上記[3]に記載する多層膜基板の製造方法。
〔6〕金属微粒子に吸着した界面活性剤がヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)であり、水と相溶しない非水系溶液がヘキサンであり、CTABを溶解する溶解液がアセトニトリルおよび/またはメタノールである上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する多層膜基板の製造方法。
〔7〕金属微粒子が長軸の長さが400nm未満であってアスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子(金ナノロッドと云う)である上記[1]〜上記[6]の何れかに記載する多層膜基板の製造方法。

さらに本発明によれば、以下の構成からなる多層膜基板が提供される。
〔8〕上記[1]〜上記[7]の何れかに記載する方法によって製造された金属微粒子の多層膜を有する基板。
〔9〕金属微粒子層の数が2層〜6層である上記[8]に記載する基板。
〔10〕金属微粒子が長軸の長さが400nm未満であってアスペクト比が1より大きい金ナノロッドであり、多層膜の1層あたりの膜厚が金ナノロッドの短軸長さの1.0倍〜2.5倍である上記[8]または上記[9]に記載する基板。
〔11〕波長530nm〜2000nmに金属微粒子どうしのプラズモンカップリングの吸収を有する上記[8]〜上記[10]の何れかに記載する基板。
〔12〕上記[8]〜上記[11]の何れかに記載する基板を使用した表面増強ラマン散乱センシング、触媒、または導電性薄膜材料。
本発明の多層膜基板の製造方法によれば、基板上に金属微粒子が凝集した薄膜が2層以上に積層された多層膜を安定に形成することができる。また、この方法で得られた基板は、プラズモンカップリングが確認され、金属微粒子間で発生するホットサイトやエッジ部分で発生する増強電場を利用した表面増強ラマン散乱センシング、光触媒、導電性薄膜材料などの用途に有効である。
本発明の多層膜基板の製造方法を示す概略図 実施例1〜3の吸光度を示すグラフ
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明の製造方法は、〔1〕界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液に、該界面活性剤の溶解液を添加して該金属微粒子を水分散液の液面に薄膜状に凝集させる工程(凝集工程)、該金属微粒子が凝集した薄膜を基板に移し取る工程(転移工程)、基板に転移した金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する工程(親水化処理工程)からなり、上記凝集工程から上記親水化処理工程を順に繰り返して該金属微粒子を多層に形成することを特徴とする多層膜基板の製造方法である。
本発明の製造方法は、好ましくは、〔2〕界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液に水と相溶しない非水系溶液を加えて上記水分散液と非水系溶液が二層に分離した二層分離溶液にし(二層分離工程)、該二層分離溶液に界面活性剤の溶解液を添加して上記金属微粒子を二層分離溶液の界面に薄膜状に凝集させる工程(凝集工程)、該金属微粒子が凝集した薄膜を基板に移し取る工程(転移工程)、基板に転移した金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する工程(親水化処理工程)からなり、上記凝集工程から上記親水化処理工程を順に繰り返して該金属微粒子を多層に形成することを特徴とする多層膜基板の製造方法である。
本発明で使用する金属微粒子は、例えば、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいナノサイズの金属微粒子(金属ナノロッドと云う)であり、具体的には、例えば、上記サイズの金ナノロッドである。
本発明の多層膜基板の製造方法において、界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液とは、例えば、界面活性剤が吸着した金ナノロッドが水に分散した水分散液である。金ナノロッドの表面に界面活性剤を吸着させることによって、金ナノロロを水中に安定に分散させることができる。以下、金ナノロッドを用いた例について説明する。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を使用することができる。特に、カチオン性界面活性剤を分散剤として使用した金属微粒子の水分散液は、水中で負に帯電した金属微粒子の表面にカチオン性界面活性剤が吸着し、高い安定性が得られる。
カチオン性界面活性剤としては、次式(I)で示される第四級アンモニウム塩や、
第一級アミン塩、第ニ級アミン塩、第三級アミン塩などを使用することができる。第四級アンモニウム塩としては、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)など用いることができる。
CH3(CH2)n+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …(I)
特に界面活性剤として4級アンモニウム塩のCTABが金ナノロッドに分散剤として吸着した金ナノロッド水分散液を使用した場合、金ナノロッドが積層した基板を再現良く製造することができる。
CTABが吸着した金ナノロッド水分散液において、金濃度は0.01〜10mmol/Lの濃度範囲がよく、0.1〜0.3mmol/Lの濃度範囲が好ましい。金濃度がこの濃度より低い場合、得られる金ナノロッド薄膜の密度が低くなり、金濃度がこの範囲より高い場合、金ナノロッド薄膜の膜厚が制御し難くなる傾向がある。
本発明において、水と相溶しない非水系溶液は、水より比重が小さく、水と混合した場合に相分離する溶媒(有機溶媒)であれば際限なく用いることができ、特にヘキサンなどの直鎖アルカン類を含む飽和炭化水素溶媒が好ましい。
本発明の界面活性剤を溶解する溶解液としては、界面活性剤の溶液への溶解性を増加して金ナノロッドの表面から一部の界面活性剤を脱離させ、水中における金ナノロッドの分散安定性を低減させることによって、金ナノロッド水分散液の液面、あるいは、該水分散液と非水系溶液との二層分離溶液においてはその界面に、金ナノロッドを凝集させるような溶媒であればよい。
界面活性剤が吸着している金ナノロッドは水分散液中で安定に分散している。この水分散液に界面活性剤の溶解液を添加すると、界面活性剤の一部が溶解して金ナノロッド表面から離脱し、溶解液の添加量に応じて金ナノロッドの分散性が次第に低下して、金ナノロッドが殆ど沈降せずに凝集するようになり、界面張力の作用により上記水分散液の液面ないし二液分離溶液の界面に集められて金ナノロッドの凝集体薄膜が形成される。
溶解液による金ナノロッド表面の界面活性剤の脱離する割合が多くなると、金ナノロッドの凝集体が大きく成長し、その自重で沈降してしまうので、このような沈降を生じることなく、金ナノロッドの凝集体薄膜が形成されるように溶解液の種類および添加量を調整する。溶解液の添加量を適切な量に設定することによって、CTABの脱離する割合を調整し、具体的には、例えば、金ナノロッドの沈降量を無視できるような最低限の添加量にして、CTABが脱離した金ナノロッドが水中で沈降しない程度の凝集体を形成し、界面張力の作用によって、水分散液の液面または二液界面に金ナノロッドを凝集させて、凝集体薄膜を形成する。
例えば、界面活性剤がCTABの場合には、溶解液としてアセトニトリルおよび/またはメタノールが好適であり、アセトニトリルおよび/またはメタノールの添加量は、金ナノロッド水分散液/非水系溶媒の液量の体積合計量と概ね同体積量を添加すればよい。
金ナノロッド水分散液と非水系溶液との二層分離溶液を用いることによって、二層分離溶液の界面に金ナノロッド凝集体薄膜を安定に形成することができる。具体的には、例えば、二層分離溶液では、金ナノロッド水分散液の液面(界面)が非水系溶液(有機溶媒)に接触しているので、上記液面の波立ちなどの動きが抑制され、金ナノロッド凝集体の薄膜が形成されやすく、さらに界面張力が外圧として凝集体薄膜に加わり、高密度な膜を形成することができる。
金ナノロッドの水分散液面、あるいは二層分離溶液の界面に金ナノロッド凝集体薄膜を形成した後に、この凝集体薄膜を基板表面に移し取る。金ナノロッドの凝集体薄膜を基板表面に移し取るには、上記水分散液ないし二層分離溶液に基板(表面を親水化処理した基板)を挿入し、上記液面または上記界面を横切るように基板をゆっくり引き上げ、上記凝集体薄膜を基板表面に付着させればよい。凝集体薄膜がそのまま基板上に移動し、一層目の金ナノロッド薄膜が基板上に形成される。
なお、気液界面の有機分子薄膜を基材表面に移し取る方法としてLB法が知られているが、LB法では基板を引き上げるときの圧力が一定に保たれるようにバリアを動かしているのに対し、本発明の上記引上方法では、大気の圧力が加わることによって引上げ圧力が一定に保たれる点は類似しているが、本来、摂動としての外圧を加えていないので従来のLB法とは異なり、操作が容易であり、しかも安定に凝集体薄膜を基板表面に移し取ることができる。
基板上に移し取った凝集体薄膜(一層目の薄膜)の表面に更に凝集体薄膜(二層目の薄膜)を積層させるために、一層目の凝集体薄膜を親水化処理する。親水化処理剤としては、一方の末端が金に吸着する官能基を有し、他方の末端が親水性の官能基を有する化合物が適当である。そのような親水化処理剤としては、末端にアミノ着、カルボキシル基、シアノ基、ヒドロキシ基を有する直鎖チオール化合物がよい。特に、一方の末端にメルカプト基を有し、他方の末端にヒドロキシ基を有する化合物が好ましい。このような化合物は、金との吸着性の高いメルカプト基で金ナノロッドに吸着し、ヒドロキシ基で水に親和することによって、基板上の金ナノロッド凝集体薄膜の表面が親水性になる。この親水化処理剤としては、具体的には、例えば、2−メルカプトエタノールなどを用いることができる。
表面を親水化処理した基板を用い、また基板上の金ナノロッド薄膜の表面を親水性にすることによって、基板を水層(水分散液)から非水系溶媒層(有機溶媒層)に移動させる際、水/非水系溶媒の界面に存在する金ナノロッド凝集体薄膜が親水性基板上に反発が少なく付着するため、上記凝集体薄膜を積層することが可能になる。
金ナノロッド凝集体薄膜の親水化処理は、該凝集体薄膜を有する基板を、親水化処理剤を溶解した溶液に浸漬することによって行うことができる。処理溶液の親水化処理剤濃度は、基板上の金ナノロッド吸着面積100mm2に対して、10〜1000mmolが適当である。親水化処理剤濃度が10mmol未満であると金ナノロッド凝集体の積層化が不十分になり、1000mmolより濃いと金ナノロッドに吸着しない余剰の親水化処理剤が増えるのでコスト的に不利である。
本発明に用いる基板は特に限定されず、金ナノロッドが凝集した薄膜を積層できれば制限なく使用することができる。例えば、ガラス、プラスチック、金属などを用いることができる。基板の表面は、金ナノロッドの凝集体薄膜が一層目の薄膜として安定に付着するように、親水化処理しておく。例えば、基板がガラスの場合、30%過酸化水素水溶液/28%アンモニア水溶液を1:1の体積比で混合した溶液に浸漬し、80℃で30分間熱することにより表面を親水化処理すればよい。
上記操作の一連の処理工程を以下に示す。
界面活性剤が吸着した金ナノロッドが分散した水分散液と、水と相溶しない非水系溶液が分離した状態にある二層分離溶液に、界面活性剤を溶解する溶解液を添加すると、金ナノロッドの分散安定性が失われて二層分離溶液の界面に金ナノロッドが薄膜状に凝集する。この溶液中に垂直に挿入した基板をゆっくりと上記界面を横切るように引き上げれば、界面の凝集体薄膜がそのまま基板上に移し取られ、一層目の金ナノロッド薄膜が基板上に形成される。得られた基板を、親水化処理剤を溶解した溶液に浸漬して、一層目の金ナノロッド薄膜に親水化処理剤を吸着させる。浸漬時間は例えば5時間程度である。このように親水化処理した基板を、再度、二層分離溶液に垂直に浸漬させておき、溶解液を添加して金ナノロッド凝集体薄膜を再び界面に生じさせた後に、上記基板を引き上げて基板上に移し取り、二層目の金ナノロッド薄膜を基板上に形成する。この一連の操作を繰り返すことによって、金ナノロッド薄膜を基板上に積層することができる。
本発明の金ナノロッド薄膜の積層回数に特に制限はないが、2〜6層の多層化が好ましい。積層回数が7層以上の場合、膜厚制御が困難になる傾向がある。
金ナノロッド多層膜を形成した場合の、一層あたりの膜厚は金ナノロッドの短軸長さの1.0倍〜2.5倍であり、金ナノロッドが隙間なく同一方向に配向している状態ではなく、不規則にあらゆる方向に凝集したポーラスな状態で薄膜を形成している。
本発明の金ナノロッド多層膜は、金ナノロッドが不規則に凝集した薄膜が積層しており、金ナノロッドがポーラスな状態で凝集した薄膜であるが、積層していることによって、金ナノロッドどうしが密接な状態を形成していることに由来するプラズモンカップリングの吸収が波長530nm〜2000nmに確認される。
本発明の金ナノロッド多層膜は、金ナノロッドどうしの空間やロッドのエッジ部分の増強された電場を利用することにより、表面増強ラマン散乱センシング用材料として好適である。
また、本発明の金ナノロッド多層膜は、ナノサイズの微粒子が組み合わさったポーラスな状態の三次元構造体であり、表面積が大きいので、触媒反応の場を提供する基板として好適である。
さらに、本発明の金ナノロッド多層膜は、金ナノロッドが多点接触し固定化された三次元構造体であるため、導電特性薄膜として好適である。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に示す。なお、以下の実施例および比較例において、金ナノロッドは、界面活性剤のCTABを用いて合成された長軸40nm、短軸10nm、アスペクト比10の形状を有する。基板にはガラスを使用した。また多層膜の分光特性は日本分光株式会社製品(製品名V−570)を用いて測定した。
CTAB含有金ナノロッド水分散液は次の手順で準備した。
CTAB水溶液(濃度400mmol/L)中で合成された金ナノロッド水分散液(金含有量:1.6×10-3mol/L)5mlを遠心分離(10000g×15分)し、上澄みのCTAB水溶液を除去し、沈降した金ナノロッドを水5mlで再分散した。この遠心分離操作を2回行って余剰のCTABを除去し、表面にCTABが吸着した金ナノロッド水分散液(金含有量:1.6×10-3mol/L)5mlを準備した。
ガラス基板は次の手順で準備した。
ガラス板(10mm×10mm×2mm)を、30%過酸化水素水溶液/28%アンモニア水溶液を1:1の体積比で混合した溶液に浸漬した後、80℃で30分間熱してガラス板の表面を親水化処理した。
〔実施例1〕
図1に処理方法の概略図を示す。
[i] 金ナノロッド水分散液5mlを含むサンプル管の底にガラス基板を置き、へキ
サン3mlを添加し、サンプル管内にへキサン/水界面を形成した(二層分離溶液)。この溶液にアセトニトリル8mlを添加すると、金ナノロッド水分散液の色は濃橙色から濃青色に変化し、界面に金ナノロッド凝集体の薄膜が形成された。10分間静置し、サンプル管を軽く揺らすなどの操作によって薄膜を一様に均一化した。次いで、ガラス基板を界面に対して垂直に引き上げると、界面の金ナノロッドが凝集した薄膜はガラス基板表面に移し取られた。この基板を風乾し、金ナノロッド凝集体薄膜が吸着した基板(Au-Glass-Layer-1)が得られた(Step1)。
[ii] 上記基板(Au-Glass-Layer-1)を、100mMメルカプトエタノールのエタノー
ル溶液に5時間浸漬し、金ナノロッド凝集体薄膜をメルカプトエタノールで表面処理した。この基板表面に上記操作[i]を繰り返して、2層目の金ナノロッド凝集体薄
膜を形成した(Step2)。この金ナノロッド薄膜が2層積層された基板について、金ナノロッド薄膜の膜厚を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron microscope:SEM)で確認したところ、約30nmであった。また、基板の分光特性を測定したところ、金ナノロッド水分散液のシャープなピークは消失しており、530nm〜2000nmにかけてブロードなプラズモンカップリングピークが確認された。この、測定した分光特性を図2に示す。
〔実施例2〕
実施例1で得た基板を用い、上記操作[i]〜[ii]を2回繰り返して、金ナノロ
ッドの凝集体薄膜を積層し、金ナノロッド薄膜が4層積層された基板を得た。金ナノロッド薄膜の膜厚をSEMで確認したところ、約90nmであった。この基板の分光特性を測定したところ、530nm〜2000nmにかけてブロードなプラズモンカップリングピークが確認され、吸光度は実施例1の2層の場合よりも大きくなっていた(図2)。
〔実施例3〕
実施例2で得た基板を用い、上記操作[i]〜[ii]を2回繰り返して、金ナノロ
ッドが凝集した薄膜を積層し、金ナノロッド薄膜が6層積層された基板を得た。金ナノロッド薄膜の膜厚をSEMで確認したところ、約110nmであった。この基板の分光特性を測定したところ、530nm〜2000nmにかけてブロードなプラズモンカップリングピークが確認され、吸光度は実施例2の4層の場合よりも大きくなっていた(図2)。
〔比較例1〕
基板を100mMメルカプトエタノールのエタノール溶液に5時間浸漬しない以外は実施例1と同様に金ナノロッド薄膜の基板上への積層を行ったところ、2層目の金ナノロッドが凝集した薄膜は基板に吸着せず、積層されなかった。
〔実施4〕
サンプル管内にへキサンを添加しない以外は実施例1と同様にして金ナノロッド薄膜を基板上に積層し、金ナノロッド薄膜が2層積層された基板を得た。この基板について金ナノロッド薄膜の膜厚をSEMで確認したところ、約30nmの膜厚であった。この基板の分光特性を測定したところ、530nm〜2000nmにかけてブロードなプラズモンカップリングピークが確認され、吸光度は実施例1と同程度であった。

Claims (12)

  1. 界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液に、該金属微粒子に吸着した界面活性剤の一部を脱離させる溶解液を添加して該金属微粒子を水分散液の液面に薄膜状に凝集させる工程(凝集工程)、該金属微粒子が凝集した薄膜を基板に移し取る工程(転移工程)、基板に転移した金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する工程(親水化処理工程)からなり、上記凝集工程から上記親水化処理工程を順に繰り返して該金属微粒子を多層に形成することを特徴とする多層膜基板の製造方法。
  2. 界面活性剤が吸着した金属微粒子が分散した水分散液に水と相溶しない非水系溶液を加えて上記水分散液と非水系溶液が二層に分離した二層分離溶液にし(二層分離工程)、該二層分離溶液に上記金属微粒子に吸着した界面活性剤の一部を脱離させる溶解液を添加して上記金属微粒子を二層分離溶液の界面に薄膜状に凝集させる工程(凝集工程)、該金属微粒子が凝集した薄膜を基板に移し取る工程(転移工程)、基板に転移した金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する工程(親水化処理工程)からなり、上記凝集工程から上記親水化処理工程を順に繰り返して該金属微粒子を多層に形成することを特徴とする多層膜基板の製造方法。
  3. 基板上の金属微粒子の凝集体薄膜を親水化処理する処理剤が、一方の末端が金に吸着する官能基を有し、他方の末端が親水性の官能基を有する化合物である請求項1または請求項2の何れかに記載する多層膜基板の製造方法。
  4. 親水化処理する処理剤が、末端にアミノ着、カルボキシル基、シアノ基、ヒドロキシ基を有する直鎖チオール化合物である請求項3に記載する多層膜基板の製造方法。
  5. 親水化処理する処理剤が、2−メルカプトエタノールである請求項3に記載する多層膜基板の製造方法。
  6. 金属微粒子に吸着した界面活性剤がヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)であり、水と相溶しない非水系溶液がヘキサンであり、CTABを溶解する溶解液がアセトニトリルおよび/またはメタノールである請求項1〜請求項5の何れかに記載する多層膜基板の製造方法。
  7. 金属微粒子が長軸の長さが400nm未満であってアスペクト比が1より大きいロッド状の金微粒子(金ナノロッドと云う)である請求項1〜請求項6の何れかに記載する多層膜基板の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載する方法によって製造された金属微粒子の多層膜を有する基板。
  9. 金属微粒子層の数が2層〜6層である請求項8に記載する基板。
  10. 金属微粒子が長軸の長さが400nm未満であってアスペクト比が1より大きい金ナノロッドであり、多層膜の1層あたりの膜厚が金ナノロッドの短軸長さの1.0倍〜2.5倍である請求項8または請求項9に記載する基板。
  11. 波長530nm〜2000nmに金属微粒子どうしのプラズモンカップリングの吸収を有する請求項8〜請求項10の何れかに記載する基板。
  12. 請求項8〜請求項11の何れかに記載する基板を使用した表面増強ラマン散乱センシング、触媒、または導電性薄膜材料。
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