JP4272951B2 - 金属コロイド及び該金属コロイドにより製造される機能材料 - Google Patents

金属コロイド及び該金属コロイドにより製造される機能材料 Download PDF

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Description

本発明は、触媒、光学・電気・磁気材料等の各種機能材料の製造に使用される金属コロイドに関する。
金属コロイドとは、1〜100nmの金属、セラミクス等の微小粒子(クラスター粒子)が溶媒中に分散、懸濁した状態をいい、溶媒として液体を用いたものが一般に知られている。金属コロイドは、近年、触媒、光学・電気・磁気材料といった種々の分野の機能材料製造への応用が検討されている。
金属コロイドを利用して各種機能材料を製造する際の手法としては、金属コロイド溶液を支持体に吸着させた後、乾燥又は焼成して目的の材料を得ている。具体的には、触媒製造の際には支持体とは、一般に担体と呼ばれるものであるが、金属コロイドをアルミナ、カーボン等の多孔質物質に吸着させてこれを焼成することで微小なクラスター粒子が高度に分散した触媒を製造することができる。また、光学・電気・磁気材料の分野では、支持体とは、高分子材料金属、ガラス、セラミックス等からなる構造体(基板、粉末)であり、金属コロイドを支持体上に塗布、吸着させた後、これを乾燥、焼成することでクラスター粒子を支持体上で薄膜化して固定させて各種機能材料とすることができる。
本件発明者等はこれまで、上記各種の機能材料の製造に適用可能な金属コロイドについて検討を行なっており、1種又は2種以上の金属からなるクラスター粒子が、ポリビニルピロリドン(以下、PVPと称する)等のポリマーや4級アンモニウム塩からなる保護剤により保護された金属コロイドにつき検討を行なっている(特許文献1〜3参照)。ここで、保護剤とは、金属コロイド中でクラスター粒子の周辺に化学的又は物理的に結合、吸着する化合物であって、クラスター粒子同志の凝集を抑制し粒径分布を適性範囲に制御し安定化させるものをいう。即ち、保護剤を添加することで、細かな粒径のクラスター粒子が懸濁した状態を保持し、触媒製造においては触媒粒子の粒径を小さくして触媒の有効表面積を可能な限り大きくすることができるようになる。また、電気・電子材料等についても、複数の金属から構成されたクラスター粒子を含む複合金属コロイドを適用することで、複数金属が高度に分散した薄膜を得ることができ、高機能の材料が製造できると期待されている。
特開平11−151436号公報 特開2000−279818号公報 特開2002−001095号公報
ところで、上記従来の金属コロイドを用いて各種材料を製造するときには、支持体に金属コロイドを吸着、塗布した後、支持体上の保護剤を除去するために高温(200℃以上)での加熱処理が必要である。しかしながら、それには以下のような問題がある。
まず、触媒の製造においては、担体の損傷の問題がある。例えば、カーボン担体を用いる場合、金属コロイド吸着後に高温(約450℃以上)で焼成を行うと、保護剤の燃焼のみならずカーボン担体も燃焼しダメージを受ける。この場合、窒素等の不活性雰囲気下で焼成を行うことで担体の損傷を回避できると考えられるが、担体上の金属表面に保護剤に起因するカーボンが残留するため、製造される触媒の活性に支障をきたす。また、高温での焼成は、触媒の製造効率にも影響を与え得る。これは、金属コロイドの種類(金属)によっては、例えば、ルテニウムのように吸着後に高温で焼成することで表面酸化が生じる。そのため、場合によっては焼成後に水素還元して表面の酸化皮膜を除去する必要が生じ、触媒製造の工程数が増加するのである。更に、高温での焼成は、担体と金属とのインターラクションが弱い関係の下では触媒活性にも影響を及ぼし、例えば、担体をカーボンとし、パラジウムコロイドを吸着、焼成した場合、高温での焼成で金属同士のシンタリングが生じ、触媒粒子の分散性を害し、その活性が低下する。
光学・電気・磁気材料の分野においても、高温での焼成は支持体の損傷の問題がある。これらの材料の支持体としては、高分子材料、ガラスが適用されることが多いが、焼成温度がこれらの材料の分解温度、ガラス遷移温度を超えると支持体の軟化、破断が生じ目的の材料とすることができない。
以上のように、高温での焼成はそれぞれの用途において問題がある。また、そもそも、高温での熱処理は、各種材料の製造コストの上昇を招き好ましいものではない。本発明は以上のような背景のもとになされたものであり、支持体に吸着、塗布した後の保護剤除去の温度が低温(200℃以下)で可能な金属コロイドを提供することを目的とする。
本発明者等は、検討の結果、上記従来の金属コロイドにおいて適用される保護剤が高温でなければ除去不可能である理由として、それらが低温下で揮発性を有しないことによるものと考えた。この点、PVP等のポリマーは、高分子ゆえに蒸気圧を有さず低温での除去が不可能である。また、4級アンモニウム塩についても、分子量は低いものの、塩であるため揮発性がないため低温での除去が困難である。そして、これまで知られているその他の金属コロイドの保護剤についても同様の理由で揮発性がない。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決可能な金属コロイドとしては、その保護剤が所定温度以下で揮発性を有するものが好ましいと考え、本発明に想到した。
本願発明は、水又は水及び有機溶媒の混合溶媒よりなる溶媒と、1種又は2種以上の金属又は金属酸化物からなるクラスター粒子と、前記クラスター粒子を保護する保護剤と、からなる金属コロイドにおいて、保護剤は、炭素、窒素、酸素、水素の少なくともいずれかのみを含み、200℃以下の温度で蒸発又は昇華可能な有機化合物であることを特徴とする金属コロイドである。
ここで、保護剤として炭素、窒素、酸素、水素の少なくともいずれかのみを含む有機化合物としたのは、炭素、窒素、酸素、水素以外の元素を含む有機化合物は低温で加熱しても支持体上に残留する可能性が高く、その場合触媒等の機能を低下させるおそれがあることによるものである。
そして、本発明者等はかかる特性を有し、かつ、保護剤本来の機能を有する化合物につき検討を行ったところ、次式で示されるアミンオキサイド類が好ましいことを見出した。
アミンオキサイド類は、200℃以下の温度において揮発性を有する。従って、本発明等によれば、比較的低温の熱処理に対しても除去可能である。そして、これに加えてアミンオキサイド類は、金属コロイドの保護剤としても求められる特性も有する。即ち、アミンオキサイド類は、溶媒中でクラスター粒子を凝集させることなく保護し、その分散性を支持体への吸着まで維持することができる。従って、本発明に係る金属コロイドによれば、これまで知られる金属コロイドと同様に、微細なクラスター粒子を分散性を維持しつつ支持体に固定することができ、かつ、熱処理温度を低温とすることが可能となる。
ここで、アミンオキサイド類の置換基R、R、Rについては、これらに含まれる炭素、酸素、窒素の原子数の合計が3〜20となるような組合せが好ましい。3未満となるアミンオキサイド類は、アルキル鎖間のファン・デル・ワールス力が弱く、クラスター粒子表面で不安定となり、クラスター粒子の分散能力に劣るからである。また、20を超えると分子量が大きくなり、200℃以下で蒸発し難いからである。
そして、保護剤として好ましいアミンオキサイド類の具体例としては、ジメチラウリルアミンオキサイド、メチルミリストルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルアミンオキサイド、ジメチルラウリルエトキシアミンオキサイド、ジメチルアリルアミンオキサイド、ジメチルエチルアミンオキサイド、ジメチルプロピルアミンオキサイド、ジメチルブチルアミンオキサイド、ジメチルペンチルアミンオキサイド、メチルヘキシルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジメチルデシルアミンオキサイドが挙げられる。
尚、クラスター粒子を構成する金属又は金属酸化物としては、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、又はこれらの酸化物が好ましい。また、クラスター粒子は、これら金属又は金属酸化物の1種のみからなるものでもよいが複数種の金属からなるものでもよい。更に、クラスター粒子を構成する金属種は、貴金属に限定されることはなく、卑金属であってもよい。例えば、触媒の分野では、触媒反応のための触媒金属として貴金属を担持しつつ、活性の向上、粒成長抑制、触媒被毒抑制等といった目的のために、バリウム等のアルカリ土類金属、セリウム等の希土類金属、遷移金属、希土類金属等の貴金属以外の金属を助触媒金属として複合的に担持した触媒が開発されている。本発明に係る金属コロイドは、貴金属(酸化物)と卑金属(酸化物)とからなるクラスター粒子を適用することで、このような用途への適用も可能である。
また、溶媒としては、水又は水と有機溶媒との混合溶媒が適用できる。有機溶媒としては、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類が適用できる。
本発明に係る金属コロイドの製造方法は、基本的に従来から金属コロイドの製造方法として知られる還元法によるのが好ましい。還元法とは、溶媒中にクラスター粒子を構成する金属の金属塩を溶解させてイオン化し、これに保護剤、還元剤を添加して金属イオンを還元させてクラスター粒子とすると共に、保護剤により生成したクラスター粒子を保護するものである。保護剤は、金属塩と同時に溶解させても良い。複数の金属からなるクラスター粒子を分散させるためには、複数の金属塩を溶媒に溶解させることで可能となる。
尚、原料となる金属塩としては、白金コロイドを製造する場合の金属塩としては、ヘキサクロロ白金酸、ジニトロジアンミン白金、ジニトロジアンミン白金硝酸塩、塩化第1白金、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸塩等を適用できる。パラジウムコロイドを製造する場合の金属塩としては、塩化パラジウム、硝酸バラジウム、ジニトロジアミンパラジウム等を適用できる。金コロイドを製造する場合の金属塩としては、塩化金酸、塩化金酸塩シアン化第2金カリウム、シアン化金カリウム等を適用できる。銀コロイドを製造する場合の金属塩としては、塩素酸銀、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀等を適用できる。ルテニウムコロイドを製造する場合の金属塩としては、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、を適用できる。ロジウムコロイドを製造する場合の金属塩としては、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、酢酸ロジウム等を適用できる。イリジウムコロイドを製造する場合の金属塩としては、ヘキサクロロイリジウム酸、三塩化イリジウム等を適用できる。オスミウムコロイドを製造する場合の金属塩としては、酸化オスミウム等を適用できる。
また、還元剤としては、化学還元法に適用可能なものであれば特に限定されるものではなく、金属塩と保護剤との混合溶液を還元できるものであれば良い。好ましい還元剤としては、エタノール等のアルコール、ギ酸、水素、ヒドラジン、アミン類、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランである。
そして、本発明に係る金属コロイドを用いて各種材料を製造する方法としては、これまで述べたように、金属コロイドを支持体に吸着、担持させた後、加熱処理を行うことで保護剤を除去し、クラスター粒子中の金属又は金属酸化物を固定することで所望の材料が製造可能となる。
金属コロイドの支持体への吸着、塗布方法としては、触媒製造においては、担体となる多孔質体へ金属コロイドを含浸させて吸着させる方法が一般的である。この際、担体へのクラスター粒子の分散性を向上させるため、予め担体を溶媒に分散させ、これに金属コロイドを添加させても良い。一方、電気、電子材料等へ適用される薄膜の製造の際には、スピンコーター法、インクジェット法等により基板となる支持体へ金属コロイドを塗布する方法がある。
また、金属コロイドの吸着後の熱処理は、200℃以下で行うこととするが、この際の雰囲気は、空気中又は不活性ガス中で行うのが好ましい。特に、クラスター粒子が酸化し易い金属であって、その酸化を回避する必要がある場合には、窒素、アルゴン等の不活性ガス中にて熱処理を行うのが好ましい。
尚、金属コロイドを製造する際の原料となる金属塩の種類、及び、製造する機能材料によっては、金属コロイドの吸着、塗布の前に脱塩素イオン処理を行うのが好ましい。この前処理の対象となる塩素イオンは、金属コロイド製造時の原料である金属塩に由来するもので、例えば、金コロイドの製造において、原料として塩化金酸(HAuCl)を用いた場合、これを溶媒に溶解させ還元剤を添加した際に還元の結果生じる塩酸(HCl)が保護剤であるアミンオキサイドと反応し、次式で示す4級アンモニウム塩を生成する。
生成した4級アンモニウム塩は、アミンオキサイド又はクラスター粒子と直接反応するものではないが、4級アンモニウム塩が混入すると、アミンオキサイド全体の蒸気圧を低下させる。そして、電気、電子材料用の薄膜を製造する場合のように、基板(支持体)上に金属コロイドを塗布後そのまま加熱するような場合には基板上へ保護剤の残留を許すこととなる。
そこで、金属コロイド中にこのような塩素イオンが生じ、かつ、薄膜製造にこれを適用する場合には、製造した金属コロイドに予め脱塩処理を行い。塩素イオンを除去し、4級アンモニウム塩の生成を抑制しておくことが好ましい。この脱塩処理としては、金属コロイドとイオン交換樹脂とを混合する方法の他、浸透膜による透析法、限外ろ過法等が適用できる。
尚、これに対し触媒製造のように、支持体へ金属コロイドを含浸させた後、コロイド溶液と支持体との混合溶液をろ過等により支持体と液とを分離し、それから熱処理を行うような場合には、4級アンモニウム塩混入による弊害は少ない。上述のように4級アンモニウム塩は、アミンオキサイドと直接反応するわけではなく、クラスター粒子とも結合していない。そのため、金属コロイドを支持体に含浸させても、クラスター粒子及び保護剤は担体に吸着するものの、4級アンモニウム塩は担体に吸着することない。従って、担持後に担体をろ過することで、4級アンモニウム塩が除去されるからである。そこで、このような含浸後にろ過工程を含む材料の製造には脱塩素イオン処理は不要である。
以上説明したように、本発明に係る金属コロイドは、クラスター粒子の固定、保護剤除去のための熱処理の低温化を可能とする。これにより、クラスター粒子の酸化、支持体の劣化を抑制することができる。また、熱処理雰囲気も空気中の他、不活性ガス中での熱処理も可能となる。
そして、本発明に係る金属コロイドにより製造される各種の機能材料は、その目的とする特性を十分備えるものである。例えば、触媒においては触媒粒子が高度に分散され触媒活性に優れたものが得られ、また、薄膜では金属粒子が緻密に密集し電気的特性等に優れたものが得られる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。本実施形態では、クラスター粒子となる金属として金、白金、ルテニウムからなるクラスター粒子が分散する金属コロイドを製造した。
金コロイドの製造:60mLの水に塩化金酸2.105g(金含有量:1.05g)を加え、保護剤としてN,N−ジメチルN−ラウリルアミンオキサイド水溶液6.7935g(有効成分35%)を加えた水溶液を1時間攪拌し、この水溶液に還元剤としてジエチルアミンを0.73g加え24時間攪拌した。この結果、ジメチルラウリルアミンオキサイド保護金コロイド溶液を得ることができた(金濃度は1.0重量%)。この金属コロイド溶液を室温にて2週間放置したが、金粒子の凝集は見られなかった。従って、この金属コロイドは安定的に分散状態を維持していることがわかる。
白金コロイドの製造:90mLの水にジニトロアンミン白金硝酸2.21g(白金濃度:4.524重量%)を加え、保護剤として上記と同様にジメチルラウリルアミンオキサイド水溶液1.941g(有効成分35%)を加えた水溶液を1時間攪拌し、この水溶液に還元剤としてジエチルアミンボランを0.05g加え24時間攪拌し、ジメチルラウリルアミンオキサイド保護白金コロイド溶液を得た。この金属コロイド溶液についても室温にて2週間放置したが、白金粒子の凝集は見られず、その安定性が確認された。
ルテニウムコロイドの製造:90mLの水に酢酸ルテニウム0.277g(ルテニウム含有量:0.1g)を加え、保護剤として上記と同様にジメチルラウリルアミンオキサイド水溶液1.941g(有効成分35%)を加えた水溶液を1時間攪拌し、この水溶液に還元剤としてジエチルアミンボランを0.05g加え24時間攪拌し、ジメチルラウリルアミンオキサイド保護ルテニウムコロイド溶液を得た。この金属コロイド溶液についても室温にて2週間放置したが、ルテニウム粒子の凝集は見られず、その安定性が確認された。
以上製造した金属コロイドを用いて触媒及び薄膜を製造した。触媒の製造は、上記の白金コロイドを用いた。また、薄膜の製造は、上記の金コロイドを用いた。尚、触媒製造の際には比較のため、従来のPVP保護白金コロイドを用いた触媒も製造した。
触媒の製造、特性評価:pH8に調整した蒸留水90mLにγ−アルミナ9.9gを加え30分攪拌してアルミナを十分分散させた後、白金濃度が2重量%となるまで濃縮したジメチルラウリルアミンオキサイド保護白金コロイド溶液を5g添加し、激しく攪拌させて白金コロイドをアルミナに担持させた。白金担持後の担体を110℃で十分に乾燥させた後、200℃で2時間加熱して保護剤を除去して白金触媒を製造した。また、この白金触媒に対する比較として、PVP保護白金コロイドを同様の工程でアルミナに担持させ、これを200℃で加熱した触媒も製造した。
製造された白金触媒の特性評価は、180℃におけるプロピレンの分解率を評価することにより行った。評価方法としては、白金触媒を0.4g秤量して反応器内に充填した。窒素ガスを流通させながら180℃を加熱し、温度一定となったところで窒素−酸素−プロピレン混合ガス(プロピレン:495ppm、酸素:2.005%)を45.48mL/minで30秒流通させた。そして、排出されるガスをガスクロマトグラフィーで分析しプロピレンの分解率を測定した。
この触媒の特性評価の結果、本実施形態で製造したジメチルラウリルアミンオキサイド保護白金コロイド溶液より製造した白金触媒はプロピレン分解率90.64%と触媒として十分有効な特性を示すことが確認された。これに対し、PVP保護白金コロイドを用い、焼成温度200℃として製造した白金触媒のプロピレン分解率は、20.27%とはるかに低かった。これは、200℃という低い焼成温度では、保護剤であるPVPを十分除去することができず触媒上に残留していることによる。これに対し、本実施形態に係るジメチルラウリルアミンオキサイド保護白金コロイド溶液は、200℃でも十分揮発除去することが可能であり、触媒特性を損なうことがないことが確認された。
薄膜の製造:製造したジメチルラウリルアミンオキサイド保護金コロイド(金濃度:1重量%)100mLに、市販のアニオン交換樹脂(アンバーライトIRA400OH型 項完了1.4mol/L:オルガノ製)を72mL投入して5時間攪拌した。そして、これを吸引ろ過してアニオン交換樹脂を取り除くことで、ジメチルラウリルアミンオキサイド保護金コロイドの塩化物イオンを除去した。次に、この金コロイド溶液を凍結乾燥して濃縮し、金属濃度を20重量%に調整し、これを基板(アルミナ製)の表面に塗布し、200℃で乾燥させることで薄膜とした。形成した薄膜の導電率を測定したところ、1.67×10−7S/mであった。この薄膜は十分な導電率を有していることから、ここで適用したジメチルラウリルアミンオキサイド保護金コロイドは、低温での乾燥であっても十分な除去が可能であることが確認された。

Claims (3)

  1. 水又は水及び有機溶媒の混合溶媒よりなる溶媒と、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの少なくとも1種の金属又は金属酸化物よりなるクラスター粒子と、前記クラスター粒子を保護する保護剤と、からなる金属コロイドにおいて、
    前記保護剤は、ジメチルラウリルアミンオキサイドであり、200℃以下の温度で蒸発又は昇華可能な有機化合物であることを特徴とする金属コロイド。
  2. 請求項1に記載の金属コロイドを、炭素、プラスチック、セラミックス、ガラスのいずれかよりなる粉末状、板状、バルク状の支持体に吸着、塗布する工程と、
    支持体を、空気中又は不活性ガス雰囲気下で200℃以下の温度で加熱することにより金属コロイド中の保護剤を除去する工程と、を含む機能材料の製造方法。
  3. 金属コロイド中の塩素イオンを除去する脱塩素イオン処理を施した後に、金属コロイドを支持体に吸着、塗布する請求項2記載の機能材料の製造方法。
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